JP3613441B2 - 印字装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は行方向の複数ドットラインに沿って並べて設けられた複数のスプリングチャージ式ドット印字ハンマを保持したハンマ機構部(以下ハンマバンクという)を、行方向に沿って往復移動させ、この往復移動の過程でドット行を印字する印字装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の技術について、図4、図5を用いて説明する。
【0003】
図4はハンマバンクの印字ピン6の並びを示している。
【0004】
ハンマバンクは、縦方向に1/180インチ隔てて上下各12段、計24段のハンマ群により構成される。上下それぞれのハンマバンクには、横方向に0.105インチの間隔、さらに各ピンには12ドットシフトさせた位置に縦12ドットラインを配設し、12ピンを1モジュールとして12モジュール、全部で144の印字ピン6が実装されている。下側のハンマバンクについても同様に、144の印字ピン6が実装されている。また、上下バンクの組み合わせは、上下の各印字ピンの間に実装されているので、上下バンクの横方向の実装ピッチとしては、約0.05インチとなっている。
【0005】
図5は図4に示すハンマ配列の要部拡大図である。
【0006】
ハンマが印刷を実施した場合、まずシフト量0/12ドットの上側11の印字ピンと下側▲1▼の印字ピンが、所定の印刷位置に有り同時に駆動し、印刷を行う。続いて、ハンマが図の左側に移動すると、シフト量1/12ドットの上側▲6▼の印字ピンと下側▲6▼の印字ピンが、所定の印刷位置に移動して同時に駆動し、印刷を行う。
【0007】
以下、シフト量2/12ドット、3/12ドット・・・・11/12ドットの順に印刷を行い、印字ピン6の駆動順序としては、上側ハンマバンクは、11→▲6▼→▲1▼→▲8▼→▲3▼→10→▲5▼→12→▲7▼→▲2▼→▲9▼→▲4▼の順に駆動し、下側ハンマバンクは、▲1▼→▲6▼→11→▲4▼→▲9▼→▲2▼→▲7▼→12→▲5▼→10→▲3▼→▲8▼の順に駆動し印刷を行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のハンマバンクにおいて、各印刷タイミングで同時駆動するピンの距離は、最短で約0.05インチとなる。従って、同時駆動する印字ピンの距離が近いため、駆動したとき、釈放用電磁コイル7に流れるマグネット2によって形成されている磁界をキャンセルする電流によって生じる磁界がお互いに干渉し合って、印字ピン6の印字力を低下させてしまうという問題があった。
【0009】
本発明の課題は、印字ピンが同時に駆動することによって生ずる磁気干渉を受ける度合を軽減し、安定した印刷品質を確保することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明は、板バネと印字ピンからなる印字ハンマを非印字位置に保持するために磁気吸引力を発生する磁石手段と、その磁束を流すための磁気回路を形成するヨークと、前記印字ハンマを駆動するために各印字ハンマに対応して設けられ、所定幅のパルス電流が供給されて前記磁石手段の磁界を打ち消す釈放用電磁コイルと、前記印字ハンマが同時に駆動されないように各印字ハンマのピッチをシフトさせ、複数個の印字ハンマを一つのモジュールとして構成したハンマモジュールとを備え、且つ該ハンマモジュールを印字行方向に複数配設し、前記磁石手段と前記ヨークと前記釈放用電磁コイルと前記複数のハンマモジュールとからハンマバンクを構成し、該ハンマバンクを上下2段に配置した印字装置において、各ハンマバンクの上下の印字ハンマが互い違いとなるように配置すると共に、上下の印字ハンマ間で最も隣接する上段(または下段)の印字ハンマと下段(または上段)の印字ハンマが同時駆動しないピッチ間隔となるように、前記上段(または下段)のハンマバンクに対して前記下段(または上段)のハンマバンクをドットライン方向にずらして実装したことを特徴とする
【0011】
また、前記上段(または下段)の印字ハンマが各ハンマモジュール端部近傍で駆動される時は、同タイミングで駆動される下段(または上段)の印字ハンマは各ハンマモジュールのほぼ中間位置にあることを特徴とする。
【0012】
このように上下2段で構成されたハンマバンクにおいて、同時に駆動する上下間の印字ピンの距離を離すことによって、磁気干渉を受ける度合を軽減し、安定した印刷品質を確保できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一例について図面を参照して詳述する。
【0014】
図1は本発明のハンマバンクの側面図を示す。
【0015】
ハンマ機構部は磁気回路を構成するコムヨーク1、ヨークベース3、フロントヨーク4、磁気を発生するマグネット2及び、印字をつかさどる印字ピン6、印字エネルギーをバネのたわみとして蓄えるための板バネ5、マグネット2の磁気を打ち消し板バネ5を飛翔させ印字ピン6によりドットを形成させるための釈放用電磁コイル7より構成されている。
【0016】
以下、本発明のハンマ配列について、図2、図3を用いて説明する。
【0017】
図2はハンマバンクの印字ピン6の並びを示している。
【0018】
ハンマバンクは、縦方向に1/180インチ隔てて上下各12段、計24段のハンマ群により構成される。上下それぞれのハンマバンクには、横方向に0.105インチの間隔、さらに各ピンには12ドットシフトさせた位置に縦12ドットラインを配設し、12ピンを1モジュールとして12モジュール、全部で144の印字ピン12が実装されている。下側のハンマバンクについても同様に、144の印字ピン12が実装されている。また、上下バンクの組み合わせは、上下の各印字ピンの間に実装されているので、上下バンクの横方向の実装ピッチとしては、約0.05インチとなっている。
【0019】
図3は図2に示すハンマ配列の要部拡大図である。
【0020】
この上下のハンマバンクを上バンクの印字ピン▲6▼と下バンクの印字ピン▲1▼を印刷タイミング0/12ドットとなるように配置する。その結果、ハンマが印刷を実施した場合、まずシフト量0/12ドットの上側▲6▼の印字ピンと下側▲1▼の印字ピンが、所定の印刷位置に有り同時に駆動し印刷を行う。続いて、ハンマが図の左側に移動すると、シフト量1/12ドットの上側▲1▼の印字ピンと下側▲6▼の印字ピンが、所定の印刷位置に移動して同時に駆動し印刷を行う。
【0021】
以下、シフト量2/12ドット、3/12ドット・・・・11/12ドットの順に印刷を行い、印字ピン12の駆動順序としては、上側ハンマバンクは、▲6▼→▲1▼→▲8▼→▲3▼→10→▲5▼→12→▲7▼→▲2▼→▲9▼→▲4▼→11の順に駆動し、下側ハンマバンクは、▲1▼→▲6▼→11→▲4▼→▲9▼→▲2▼→▲7▼→12→▲5▼→10→▲3▼→▲8▼の順に駆動し印刷を行う。
【0022】
この場合において、各印刷タイミングで同時駆動するピンの距離は、常に最短でも約0.55インチ以上を確保している。従って、上下バンクにおいて同時に駆動するハンマピンの距離を離すことができるので、磁気干渉を受ける度合が軽減され、安定した印刷品質が得られるようになる。
【0023】
なお、本発明においては、例として180DPIのハンマの場合を詳述したが、160DPI、あるいは他のドット密度のハンマバンクについても同様の効果が得られる。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、上下バンクにおいて同時に駆動する印字ピンの距離を離すことによって、磁気干渉を受ける割合が軽減され、安定した印刷品質が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるハンマバンクのの側面図。
【図2】本発明になるハンマバンクの印字ピン配列を示す概略正面図。
【図3】本発明のピン配列を示す要部拡大説明図。
【図4】従来のハンマバンクの印字ピン配列を示す概略正面図。
【図5】従来ピン配列を示す要部拡大説明図。

Claims (2)

  1. 板バネと印字ピンからなる印字ハンマを非印字位置に保持するために磁気吸引力を発生する磁石手段と、その磁束を流すための磁気回路を形成するヨークと、前記印字ハンマを駆動するために各印字ハンマに対応して設けられ、所定幅のパルス電流が供給されて前記磁石手段の磁界を打ち消す釈放用電磁コイルと、前記印字ハンマが同時に駆動されないように各印字ハンマのピッチをシフトさせ、複数個の印字ハンマを一つのモジュールとして構成したハンマモジュールとを備え、且つ該ハンマモジュールを印字行方向に複数配設し、
    前記磁石手段と前記ヨークと前記釈放用電磁コイルと前記複数のハンマモジュールとからハンマバンクを構成し、
    該ハンマバンクを上下2段に配置した印字装置において、
    各ハンマバンクの上下の印字ハンマが互い違いとなるように配置すると共に、上下の印字ハンマ間で最も隣接する上段(または下段)の印字ハンマと下段(または上段)の印字ハンマが同時駆動しないピッチ間隔となるように、前記上段(または下段)のハンマバンクに対して前記下段(または上段)のハンマバンクをドットライン方向にずらして実装したことを特徴とする印字装置。
  2. 前記上段(または下段)の印字ハンマが各ハンマモジュール端部近傍で駆動される時は、同タイミングで駆動される下段(または上段)の印字ハンマは各ハンマモジュールのほぼ中間位置にあることを特徴とする請求項1記載の印字装置。
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