JP3612295B2 - 流体管の拡径工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給水又は給湯管等の合成樹脂材料製の流体管の接続端部を拡径するための拡径工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図7に示すように、水栓設備(図示せず)と給水管等の合成樹脂材料製の流体管101とは継手102により接続されている。前記水栓設備に一端側が螺合接続された継手102の他端側にはインナーコア部103が突設されている。そして、前記インナーコア部103に外嵌された流体管101に対して締め付けリング105が外嵌され、その締め付けリング105とインナーコア部103との間に流体管101の端部が挟持されて継手102に流体管101の接続端部が接続されている。このとき、流体管101と継手102との接続部分における流量損失を防止するため、流体管101の内径とインナーコア部103の内径とが略同一となるよう流体管101の接続端部が拡径されている。
【0003】
図8(a)に示すように、流体管101の接続端部を拡径するために使用される拡径工具106は側面視逆L字状をなす本体部107を備え、押圧部材108が同本体部107内を摺動自在に内設されている。前記押圧部材108は回動部材109の回動により摺動可能になっている。また、本体部107には4つの分割体110aよりなる拡径部110が設けられている。
【0004】
そして、非拡径状態にある拡径部110に流体管101の接続端部を嵌め、押圧部材108を拡径部110方向へ摺動させて各分割体110aを外方へそれぞれ離間させて拡径部110を拡径させることにより流体管101の接続端部が拡径される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来構成の拡径工具106において、外方へ移動する各分割体110a外面と流体管101内面との接触面には摩擦が発生する。そのため、前記摩擦により分割体110aの外面に対する流体管101の内面の滑りが悪くなり、分割体110aの外面に対する流体管101の接触部分はほとんど引き延ばされることなく外方へ押出されて厚肉に拡径される。一方、流体管101内面と分割体110a外面との接触面以外は、前記摩擦が発生しないため、分割体110aの外方への移動に伴い集中的に引き延ばされる。その結果、図8(b)に示すように、流体管101の接続端部は同流体管101の周方向に亘って厚肉と薄肉の部分が生じ、均一の肉厚となるべく拡径することができないという問題があった。
【0006】
従って、拡径工具106を使用して流体管101の接続端部を均一の肉厚となるべく拡径するために、分割体110aの外面と流体管101の内面との接触面における摩擦力を小さくすることが考えられる。しかし、前記摩擦力が小さくなると前記接触面における滑りがよくなり、流体管101の拡径作業中に、流体管101が拡径部110から抜け出る方向へ移動してしまう。流体管101が前記方向へ移動すると、拡径された流体管101の長さがインナーコア部103の長さより短くなってしまい、継手102と流体管101との接続が不十分になったり、流体管101が拡径部110から完全に抜けてしまい、拡径作業の妨げになるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、流体管の接続端部の肉厚をほぼ均一に拡径することができ、その拡径作業中に流体管の拡径部から抜け出る方向への移動を防止することができる流体管の拡径工具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、合成樹脂材料製の流体管を被接続体に接続させるために当該流体管の接続端部を拡径するための拡径工具であって、工具本体と、前記工具本体の端部に、前記流体管の接続端部内に挿入可能に設けられ、複数の分割体よりなり、各分割体の外方への移動により、流体管の接続端部を内方から押出して流体管の接続端部を同流体管の周方向に引き延ばして拡径させる拡径部と、前記少なくとも一つの分割体の外面に設けられ、当該分割体の外方への移動に伴い分割体外面と流体管の接続端部内面との間に抵抗を生じさせ、流体管の前記拡径部から抜け出る方向への移動を防止する抜け出し防止手段とを備え、前記抜け出し防止手段は、分割体の外方への移動による流体管の接続端部の周方向への引き延ばしを許容すべく、少なくとも一つの分割体の外面に一箇所に点状に形成された突体により形成されていることを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の流体管の拡径工具において、前記突体は先端に向かうに連れて尖るように形成された突刺体であることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記抜け出し防止手段は、分割体の外方への移動による流体管の接続端部の周方向への引き延ばしを許容すべく、少なくとも一つの分割体の外面に当該分割体の周方向に連続して延びる突条により形成されていることを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記抜け出し防止手段は、分割体の外方への移動による流体管の接続端部の周方向への引き延ばしを許容すべく、少なくとも一つの分割体の外面に、当該分割体が挿入された流体管の軸線方向に沿って連続して延びる突条又は連続して点在する突体により形成されていることを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の流体管の拡径工具において、前記各分割体は、前記拡径部の外周を複数に等分しそれぞれ一定の移動経路に沿って移動可能に形成され、前記抜け出し防止手段は、それぞれ各分割体の円弧状をなす外面の周方向における中心に位置するように形成されていることを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の流体管の拡径工具において、前記各分割体の外面には、流体管の接続端部の内面との接触面における摩擦力を小さくし、流体管の接続端部の周方向への引き延ばしを補助する滑部が形成されていることを要旨とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の流体管の拡径工具において、前記各分割体の先端部は同分割体の基端側から先端側へ向かうに連れて円弧状に縮径して形成されていることを要旨とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した流体管の拡径工具の一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0017】
図1に示すように、合成樹脂材料製の流体管11を被接続体としての継手(図示せず)に接続させるために当該流体管11の接続端部を拡径するための拡径工具12は工具本体13を備えている。その工具本体13の上部の一端には複数の分割体23よりなり、流体管11の接続端部内に挿入可能に形成された拡径部14が設けられている。
【0018】
また、図2(a)に示すように、工具本体13内には、同工具本体13内を移動可能に設けられ、前記拡径部14側へ移動することにより拡径部14を拡径させて当該流体管11の接続端部を拡径させる拡径ピン体15が設けられている。さらに、工具本体13内には前記拡径ピン体15を拡径部14方向へ移動させる移動手段16が設けられている。加えて、前記各分割体23の外面には、当該分割体23の外方への移動に伴い分割体23の外面と流体管11の接続端部内面との間に抵抗を生じさせ流体管11の拡径部14から抜け出る方向への移動を防止する抜け出し防止手段を形成する突体としての突刺体18が一箇所に形成されている。
【0019】
まず、前記工具本体13について説明すると、金属材料製の工具本体13は側面視逆L字状をなし、内部に空間が形成されているとともに、下方へ延びる部分には固定ハンドル13aが形成されている。工具本体13の上部一端には略円盤状をなし、中央部が貫通形成されたフランジ21が取り付けられ、そのフランジ21には略筒状をなす取付基台22が取り付けられている。その取付基台22の外端側内周縁には同取付基台22の内方中心へ延設された係止縁部22aが形成されている。
【0020】
前記取付基台22には、直径が段階的に異なる略円筒状をなす合成樹脂材料製の筒体を周方向へ4等分して形成された分割体23の基端側が取り付けられている。それら分割体23は、当該分割体23の基端側外周面に形成された係止溝23aに前記係止縁部22aが係止することにより取付基台22に取り付けられている。
【0021】
各分割体23の基端部及び中央部外面にはそれぞれ溝部(図示せず)が凹設され、それら溝部にはそれぞれゴム材料製のリング体24が嵌着されて、それらリング体24により4つの分割体23は取付基台22の内方中心方向へ付勢されている。
【0022】
前記各分割体23の係止溝23aと係止縁部22aとの間には隙間が形成され、各分割体23はその隙間分だけ、即ち図2(b)に実線に示す位置と2点鎖線に示す位置との間を移動可能に形成されている。また、各分割体23は、拡径部14の外周を4等分する点と、拡径部14の中心とを結んだ線上を移動経路として移動するようになっている。
【0023】
図2(c)に示すように、前記各分割体23の先端側には正断面扇形状をなす拡径突部23bが形成されている。各拡径突部23bの外面において、その円弧の周方向における中心には、先端に向かうに連れて尖る円錐形状をなす前記突刺体18が一箇所に点状に突設されている。各突刺体18は各分割体23の移動経路に沿って延びる直線上に位置するように形成されている。また、図2(a)に示すように、各拡径突部23bの先端部はそれぞれ分割体23の基端側から先端側へ向かうに連れて円弧状に縮径されて先細に形成されている。さらに、各分割体23の外面は、流体管11の内面との接触面における摩擦力を小さくして流体管11の接続端部の周方向への引き延ばしを補助する滑部を形成すべくフッ素系樹脂(テフロン、シリコン等)、ポリエチレン、ナイロン等の被覆剤により被覆されている。
【0024】
そして、前記4つの分割体23及びリング体24により工具本体13の一端部に拡径部14が形成されている。リング体24による4つの分割体23の付勢状態においては拡径部14が拡径されていない状態(非拡径状態)となり、拡径突部23bに対応する拡径部14の直径は流体管11の内径より小さく形成されている。
【0025】
工具本体13の上部他端には筒状をなすゴム材料を蛇腹状に折り曲げて形成された被覆部材19が取り付けられ、その被覆部材19には摘み部材19aが取り付けられている。前記拡径ピン体15は棒状をなし、その一端部に、拡径ピン体15の一端側に向かうに連れて縮径し、先細形状をなす円錐形状のピン部15aが形成されている。拡径ピン体15の中央部外周面にはラチェット歯15bが一定間隔おきに複数段に形成されている。
【0026】
工具本体13の上部内側に配設された前記拡径ピン体15の他端側は被覆部材19内に配設されているとともに、他端面が前記摘み部材19aに取付固定されている。工具本体13の他端部と摘み部材19aとの間にはコイルスプリング20が配設されている。そのコイルスプリング20の一端部は摘み部材19aに取付固定され、他端部は工具本体13に取付固定されている。
【0027】
また、前記拡径ピン体15の一端側は前記非拡径状態にある拡径部14内部中心に位置し、各分割体23は拡径ピン体15のピン部15a外周面に圧接するようになっている。そして、非拡径状態にある拡径部14内へ拡径ピン体15が移動すると、その拡径ピン体15により拡径部14の内部中心が押圧されて各分割体23はそれぞれ外方へ移動され、拡径部14は拡径状態となる。一方、拡径状態にある拡径部14から拡径ピン体15が後退すると各分割体23はリング体24の付勢力により元の状態に戻り非拡径状態となる。即ち、拡径部14は拡径ピン体15の移動により非拡径状態又は拡径状態に変位可能に形成されている。
【0028】
移動手段16を形成するハンドル体17は金属材料により棒状に形成され、その上端が工具本体13の下側中央部に支軸25により取り付けられている。ハンドル体17の上部には前記ラチェット歯15bに噛合係止可能なラチェット爪27を一端に備えたラチェット板28が取付軸29により回動可能に取り付けられている。ラチェット板28は前記支軸25に巻装された付勢ばね37によりラチェット爪27がラチェット歯15bに噛合係止する方向へ付勢されている。
【0029】
前記拡径ピン体15のラチェット歯15b、ラチェット板28、ハンドル体17により拡径ピン体15を拡径部14側へ一定距離ずつ移動させる移動手段16が形成されている。
【0030】
上記構成の拡径工具12を使用した流体管11の接続端部の拡径作業を作用とともに説明する。
まず、図2(a)に示すように、流体管11の接続端部内に非拡径状態にある拡径部14を挿入する。次に、ハンドル体17を移動させ、ラチェット板28を拡径部14側へ移動させる。すると、円錐状をなすピン部15aにより拡径部14の内部中心は押圧されて各分割体23はそれぞれ前記移動経路に沿って外方へ移動され、拡径部14が一定量ずつ拡径される。そして、図3に示すように、各分割体23の外方への移動に伴い突刺体18が流体管11の内面に食い込む。このとき、突刺体18は円錐形状をなし、各拡径突部23b外面に一箇所だけ点状に形成されているため、突刺体18は流体管11内面に容易に食い込む。
【0031】
続けて、各分割体23を外方へ移動させると、図4に示すように、突刺体18が流体管11内面にさらに食い込み、拡径突部23bの外面と流体管11内面とが接触し、各分割体23により流体管11の接続端部が外方へ押出される。このとき、各分割体23の移動経路上、即ち分割体23の周方向の中心に突刺体18が位置しているため、流体管11の接続端部の内周を4等分する位置が4つの突刺体18を介して分割体23により直接的に外方へ押出される。また、拡径突部23b外面は被覆剤により被覆され、分割体23外面に対する流体管11内面の接触部分における滑りがよくなっている。すると、分割体23外面と流体管11内面との接触面における摩擦力が小さくなり、流体管11の接続端部がその周方向及び軸方向全体に亘って引き延ばされる。
【0032】
このとき、拡径突部23bの外面には突刺体18が一箇所だけに形成され、その突刺体18は流体管11の周方向及び軸線方向への引き延ばしを許容する位置に形成されている。そのため、突刺体18により流体管11の周方向及び軸線方向への引き延ばしが妨げられず、流体管11は突刺体18が食い込んだ位置から周方向へ沿って突刺体18から離れる方向へ引き延ばされる。その結果、流体管11の接続端部は同流体管11の周方向に全体に亘って拡径される。
【0033】
さらに、各拡径突部23bの先端は円弧状に形成されているため、各分割体23が外方へ移動するに従い、拡径突部23bの先端側が除々に流体管11内面を外方へ押出して流体管11は同流体管11の軸方向に広範囲に亘って引き延ばされる。
【0034】
流体管11の接続端部の拡径作業中、分割体23の外方への移動に伴い、流体管11内面には拡径突部23bの外面を押圧する反力が発生する。すると、拡径突部23bの先端部は縮径されているため、その反力により流体管11には拡径部14から抜け出る方向への力が作用する。このとき、流体管11を周方向へ4等分する位置に突刺体18が食い込んでいるため、その食い込みにより分割体23の外面と流体管11の接続端部の内面との間には抵抗が生じ、その抵抗により流体管11が拡径部14から抜け出るのが防止される。そして、流体管11の拡径部14から抜け出る方向への移動が防止された状態で拡径作業が行われ、流体管11の接続端部が所定の外径にまで拡径された時点で拡径作業が終了される。
【0035】
上記実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1) 拡径突部23bには突刺体18が一箇所だけ形成されている。そのため、拡径突部23bの外面に同拡径突部23bの周方向に沿って複数箇所に突刺体18が形成されている場合と異なり、隣接する突刺体18同士の間に位置する流体管11の接続端部が引き延ばされず、その他の部分が引き延ばされるといった不具合を防止することができる。従って、被覆剤により流体管11の内面と拡径突部23bの外面との接触面における摩擦を小さくして、同流体管11の接続端部を周方向に引き延ばしたとき、突刺体18により接続端部の周方向への延びが妨げられるのを防止して、接続端部の肉厚をほぼ均一に拡径することができる。また、その拡径作業中に拡径部14から流体管11が抜け出る方向へ移動するのを防止することができる。
【0036】
(2) 突刺体18の流体管11内面への食い込みにより、流体管11が拡径部14から抜け出る方向への移動を防止することができる。そのため、流体管11の接続端部を必要長さ確実に拡径することができ、拡径された流体管11の長さと、継手のインナーコア部との長さを一致させて継手と流体管11の接続端部とを確実に接続させることができる。また、拡径部14から抜け出てしまった流体管11内に、拡径部14を再度挿入したり、流体管11の抜け出しを防止するために流体管11を手で把持しながら拡径作業を行ったりするといった面倒な作業をなくして流体管11の接続端部の拡径作業の簡易化を図ることができる。
【0037】
(3) 各分割体23の移動経路上に突刺体18が位置しているため、流体管11を周方向へ4等分する位置に突刺体18が食い込み、流体管11の周方向に沿って等間隔をおいた位置で流体管11の抜け出しを防止することができる。その結果、流体管11の周方向の偏った位置に突刺体18が食い込む場合と異なり、流体管11が拡径部14から抜け出る方向へ移動するのを効果的に防止することができる。
【0038】
(4) 突刺体18は円錐形状をなすため、突刺体18を流体管11の接続端部内面に容易に食い込ませることができ、突刺体18による抜け出し防止効果を効果的に発揮させることができる。
【0039】
(5) 拡径突部23b外面は被覆剤により被覆されているため、拡径突部23b外面と流体管11内面の滑りをよくすることができる。従って、流体管11を外方へ押出す力は流体管11の接続端部全体に均一に働き、流体管11の接続端部の肉厚をほぼ均一に拡径することができる。また、被覆剤は拡径突部23bの外面に予め被覆されているため、流体管11の拡径時に、拡径突部23b外面に被覆剤を被覆させる場合と異なり、流体管11の拡径作業を速やかに行うことができる。
【0040】
(6) 各拡径突部23bの先端部はそれぞれ先端側へ向かうに連れて円弧状に縮径されている。そのため、拡径突部23bの先端が段差状に形成されている場合と比較して、流体管11の接続端部全体を徐々に拡径させることができ、局部的に薄肉の部分が形成されるのを防止することができる。
【0041】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 各拡径突部23bの先端部を基端側から先端側へ向かうに連れて円弧状に縮径するように形成せず、段差状又は基端側から先端側へ向かうに連れて直線的に先細となるように形成してもよい。
【0042】
・ 拡径突部23b外面を被覆剤により被覆せず、滑部を形成しなくてもよい。
・ 拡径突部23b外面を被覆剤により被覆せず、流体管11の拡径作業を行うときに、拡径突部23b外面にグリース、ろう等を塗布して滑部を形成してもよい。
【0043】
・ 図5に示すように、突刺体18を省略するとともに、拡径突部23bの周方向に沿って延びる突条38を抜け出し防止手段として形成してもよい。このように構成した場合、突条38の流体管11の接続端部の内面に対する圧接により分割体23の外面と流体管11の内面との間に生じる抵抗を大きくして、拡径部14から流体管11が抜け出るのをより効果的に防止することができる。
【0044】
・ 図6(a)に示すように、突刺体18を省略するとともに、分割体23が挿入された流体管11の軸線方向に沿って連続して直線的に延びる突条38又は、図6(b)に示すように、前記軸線方向に沿って突体としての突刺体18を連続して点在させて抜け出し防止手段として形成してもよい。このように構成した場合、突条38又は複数の突刺体18の流体管11の接続端部の内面に対する圧接により分割体23の外面と流体管11の内面との間に生じる抵抗を大きくして、拡径部14から流体管11が抜け出るのをより効果的に防止することができる。
【0045】
・ 突刺体18を省略するとともに、流体管11の接続端部の周方向への引き延ばしを妨げない位置として、拡径突部23bの周方向に対して斜めに交差する位置に直線状又は曲線状に延びる突条38を抜け出し防止手段として形成してもよい。
【0046】
・ 突刺体18を先端側に向かうに連れて尖るように四角錐状、三角錐状に形成してもよい。また、突刺体18が流体管11の内面に食い込み可能であれば、突刺体18の先端を尖らせなくてもよい。
【0047】
・ 突刺体18を分割体23の移動経路から外れた位置に形成してもよい。
・ 実施形態では、拡径部14を4つの分割体23により形成したが、2つ又は3つの分割体23により拡径部14を形成してもよく、5つ以上の分割体23により拡径部14を形成してもよい。
【0048】
・ 四つの分割体23の拡径突部23bにそれぞれ突刺体18を形成したが、一つ、二つ又は三つの分割体23の拡径突部23bに突刺体18を形成してもよい。
【0049】
・ 実施形態では、被接続体として継手に具体化したが、被接続体としてのヘッダー、水栓器具に流体管11を接続する際に拡径工具12を使用してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、流体管の接続端部の肉厚をほぼ均一に拡径することができ、その拡径作業中に流体管の拡径部から抜け出る方向への移動を防止することができる。
【0051】
加えて、突体が分割体の外面に複数箇所に形成されている場合と異なり、流体管の接続端部の内面に容易に食い込ませることができる。また、突体が流体管の接続端部の内面に食い込む面積は小さくなるため、流体管の周方向及び軸線方向へ引き延ばされる面積が大きくなる。従って、流体管の接続端部を全体に亘って均一に引き延ばすことができ、接続端部の肉厚を均一にすることができる。
【0052】
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明の効果に加え、突体を流体管の接続端部の内面に容易に食い込ませることができる。
請求項に記載の発明によれば、流体管の接続端部の肉厚をほぼ均一に拡径することができ、その拡径作業中に流体管の拡径部から抜け出る方向への移動を防止することができる。また、突条の流体管の接続端部の内面に対する圧接により分割体の外面と流体管の接続端部の内面との間に生じる抵抗を大きくして流体管の拡径部から抜け出る方向への移動をより効果的に防止することができる。
【0053】
請求項に記載の発明によれば、流体管の接続端部の肉厚をほぼ均一に拡径することができ、その拡径作業中に流体管の拡径部から抜け出る方向への移動を防止することができる。また、突条又は突体の流体管の接続端部の内面に対する圧接により分割体の外面と流体管の接続端部の内面との間に生じる抵抗を大きくして流体管の拡径部から抜け出る方向への移動をより効果的に防止することができる。
【0054】
請求項に記載の発明によれば、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、流体管の拡径部から抜け出る方向への移動を効果的に防止することができる。
【0055】
請求項に記載の発明によれば、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、分割体外面と流体管内面との接触面における摩擦力を小さくすることができ、接触面における流体管の滑りをよりよくして接続端部の周方向への引き延ばしを補助することができる。
【0056】
請求項に記載の発明によれば、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、流体管の接続端部を軸方向に沿って徐々に拡径させることができ、局部的に薄肉の部分が形成されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の拡径工具を示す斜視図。
【図2】(a)は実施形態の拡径工具を示す図1の2−2線断面図、(b)は拡径工具を示す正面図、(c)は図2(a)の2c−2c線断面図。
【図3】拡径部により流体管の接続端部を拡径した状態を示す正断面図。
【図4】拡径部により流体管の接続端部を拡径した状態の部分側断面図。
【図5】別例の抜け出し防止手段を示す部分斜視図。
【図6】(a)、(b)は別例の抜け出し防止手段を示す部分斜視図。
【図7】従来の継手と流体管との接続状態を示す部分断面図。
【図8】(a)は従来の拡径工具を示す部分断面側面図、(b)は従来の拡径工具を使用して拡径された流体管の接続端部を示す断面図。
【符号の説明】
11…流体管、12…拡径工具、13…工具本体、14…拡径部、18…抜け出し防止手段を形成する突体としての突刺体、23…分割体、38…抜け出し防止手段としての突条。

Claims (7)

  1. 合成樹脂材料製の流体管を被接続体に接続させるために当該流体管の接続端部を拡径するための拡径工具であって、
    工具本体と、
    前記工具本体の端部に、前記流体管の接続端部内に挿入可能に設けられ、複数の分割体よりなり、各分割体の外方への移動により、流体管の接続端部を内方から押出して流体管の接続端部を同流体管の周方向に引き延ばして拡径させる拡径部と、
    前記少なくとも一つの分割体の外面に設けられ、当該分割体の外方への移動に伴い分割体外面と流体管の接続端部内面との間に抵抗を生じさせ、流体管の前記拡径部から抜け出る方向への移動を防止する抜け出し防止手段と
    を備え、前記抜け出し防止手段は、分割体の外方への移動による流体管の接続端部の周方向への引き延ばしを許容すべく、少なくとも一つの分割体の外面に一箇所に点状に形成された突体により形成されていることを特徴とする流体管の拡径工具。
  2. 前記突体は先端に向かうに連れて尖るように形成された突刺体であることを特徴とする請求項1に記載の流体管の拡径工具。
  3. 合成樹脂材料製の流体管を被接続体に接続させるために当該流体管の接続端部を拡径するための拡径工具であって、
    工具本体と、
    前記工具本体の端部に、前記流体管の接続端部内に挿入可能に設けられ、複数の分割体よりなり、各分割体の外方への移動により、流体管の接続端部を内方から押出して流体管の接続端部を同流体管の周方向に引き延ばして拡径させる拡径部と、
    前記少なくとも一つの分割体の外面に設けられ、当該分割体の外方への移動に伴い分割体外面と流体管の接続端部内面との間に抵抗を生じさせ、流体管の前記拡径部から抜け出る方向への移動を防止する抜け出し防止手段と
    を備え、前記抜け出し防止手段は、分割体の外方への移動による流体管の接続端部の周方向への引き延ばしを許容すべく、少なくとも一つの分割体の外面に当該分割体の周方向に連続して延びる突条により形成されていることを特徴とする流体管の拡径工具。
  4. 合成樹脂材料製の流体管を被接続体に接続させるために当該流体管の接続端部を拡径するための拡径工具であって、
    工具本体と、
    前記工具本体の端部に、前記流体管の接続端部内に挿入可能に設けられ、複数の分割体よりなり、各分割体の外方への移動により、流体管の接続端部を内方から押出して流体管の接続端部を同流体管の周方向に引き延ばして拡径させる拡径部と、
    前記少なくとも一つの分割体の外面に設けられ、当該分割体の外方への移動に伴い分割体外面と流体管の接続端部内面との間に抵抗を生じさせ、流体管の前記拡径部から抜け出る方向への移動を防止する抜け出し防止手段と
    を備え、前記抜け出し防止手段は、分割体の外方への移動による流体管の接続端部の周方向への引き延ばしを許容すべく、少なくとも一つの分割体の外面に、当該分割体が挿入された流体管の軸線方向に沿って連続して延びる突条又は連続して点在する突体により形成されていることを特徴とする流体管の拡径工具。
  5. 前記各分割体は、前記拡径部の外周を複数に等分しそれぞれ一定の移動経路に沿って移動可能に形成され、前記抜け出し防止手段は、それぞれ各分割体の円弧状をなす外面の周方向における中心に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の流体管の拡径工具。
  6. 前記各分割体の外面には、流体管の接続端部の内面との接触面における摩擦力を小さくし、流体管の接続端部の周方向への引き延ばしを補助する滑部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の流体管の拡径工具。
  7. 前記各分割体の先端部は同分割体の基端側から先端側へ向かうに連れて円弧状に縮径して形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の流体管の拡径工具。
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