JP3612187B2 - ルツボ用サセプタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ルツボを受座するためにIC用基板などとして用いられる単結晶を製造するための装置内に設置されるルツボ用サセプタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
焼結体には、緻密であっても粒界が存在し、熱伝導がこの粒界で妨げられやすい。これに対して単結晶には粒界が存在しない。したがって、単結晶の熱伝導率は、焼結体のときより4倍近くも大きく、面の平滑度もはるかによくなり、例えば、回路基板として単結晶を用いると回路の微細パターン化が可能になる。
【0003】
このような利点を有する単結晶を得る方法として、物質を融点以上に加熱し熔融状態とし、溶液を冷却する過程で種結晶に触れさせ、種の固体を析出させながら結晶成長させる方法がある。これをは熔融法と呼び、その中でも以下の2つの方法では単結晶製造装置内にルツボを設置し、ルツボで溶液を保持しておくものである。
【0004】
まず、ブリッジマン法では、ルツボ中に原料を溶かし、それを取り囲む加熱炉の温度勾配に沿ってルツボを移動させ、一端から他端に徐々に凝固させて単結晶を作製する。なお、水平方向に動かす場合をHB法と略称している。
【0005】
他方、チョクラルスキー法では、ルツボ中の融液に種子結晶を挿入し、結晶を回転しながら引き上げて単結晶を作製する。材料が高い蒸気圧を持つ場合には、融液表面をB2 O3 で覆って蒸発を防ぎながら引き上げる。この場合は、LEC法と呼ばれる。
【0006】
これらの方法のうち、GaAs単結晶のIC用高抵抗基板の製造法を例に取ると、高解離圧成分である砒素の飛散を避けるため、ルツボ内のGaAs融液の上に、B2 O3 液体によって封止するLEC法が最も適した方法であると考えられている。
【0007】
このLEC法によるGaAs単結晶の引上げを行う装置では、従来より、石英のルツボが最も一般的に用いられてきた。これは、石英が高温でもGaAsと反応せず、しかも、不純物の含有量が極めて少ないことが理由であった。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、上記石英製のルツボをGaAsの融点である1250℃に保持した場合、ルツボを受座する黒鉛製サセプタは、砒素雰囲気に対しては劣化をしないのに対して、軟化した石英に反応を起こしてルツボを劣化させてしまい、1回ごとにルツボを取り換えなければならないことがあった。
【0009】
良質のGaAs単結晶を量産しようとする場合、石英ルツボを1回ごとに交換するのでは手間であるとともに経済的に大きなデメリットとなってしまう。
【0010】
【問題点を解決するための手段】
本願発明者は鋭意研究の結果、特定の種類のセラミック材料が1250℃付近の温度領域でも石英と反応を起こしにくく、高温で保持しても強度、耐久性に富み、これら材料によるルツボ用サセプタにより石英のルツボを受座することにより、高品質の単結晶、特にGaAsの単結晶の量産が可能となることを見いだした。
【0011】
すなわち、本発明は、99.9重量%以上の高純度アルミナセラミック、或いは自由炭素を1.1〜10重量%と硼素を0.1〜5重量%含有した立方晶炭化珪素セラミックからなるルツボ用サセプタであって、該サセプタの表面粗さRzが2〜10μmであることを特徴とするルツボ用サセプタを提供せんとするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を詳述する。
【0013】
本発明のルツボ用サセプタ(以下、サセプタと略称する)は、例えば、容器内に密封した砒素ガスの圧力を制御しつつ砒素化合物単結晶を引き上げる装置内に、ルツボを受座すべく設置される。すなわち、図1に示すように、回転軸5の支持台上に逆截頭円錐状の支持面を有するサセプタ4を設置し、このサセプタ4でもって石英製のルツボ2を受座する。そして、ルツボ2を回転させながら、引上げ軸4を回転させながら融液3から引上げ軸1により結晶を引き上げる。
【0014】
上記サセプタは、99.9重量%以上の高純度アルミナセラミック、或いは自由炭素を1.1〜10重量%と硼素を0.1〜5重量%含有した立方晶炭化珪素質セラミックからなる。
【0015】
アルミナセラミックスの純度が99.9重量%未満の場合、アルミナ中に不純物として含まれるSiO2 , MgO, CaO等の焼結助剤が、ルツボと反応融着してしまうという恐れがある。
【0016】
また、アルミナセラミックスの表面粗さは、熱伝導の点から小さく、滑らかな面とした方がよいが、滑らかすぎると、ルツボとの接触面積が増えて融着しやすくなるので、Rz2〜10μmの範囲であることが好ましい。
【0017】
次に、アルミナセラミックスの結晶粒径は、高温クリープ性の点で4μm以上が好ましく、さらに好ましくは10〜30μmの範囲であることが好ましい。
【0018】
このようなアルミナセラミックスの製造方法としては、純度99.9重量%平均粒径1μm以下のアルミナ原料に焼結助剤としてSiO2 , MgO, CaOを添加して成形した後、最高焼成温度1500〜1700℃の酸素雰囲気で焼成することにより得ることができる。
【0019】
続いて、炭化珪素質セラミックについて、立方晶以外の結晶構造としてα型が大部分であるが、一般に平均結晶粒径が10μmを越え、粒子間に気孔や不純物を取込みやすく、本サセプタの素材としては不適当である。
【0020】
また、自由炭素が1.1重量%未満の場合、炭化珪素は難焼結性材料であるので、2000℃程度の焼成温度では焼結しなくなる。
【0021】
他方、自由炭素が10重量%超過の場合、炭化珪素質セラミックの不純物量が多くなり、酸化劣化する恐れがある。
【0022】
また、硼素が0.1重量%未満の場合、炭化珪素は難焼結性材料であるので、2000℃程度の焼成温度では焼結しなくなる。
【0023】
他方、硼素が5重量%超過の場合、炭化珪素質セラミックの不純物量が多くなり、融着の原因となる恐れがある。
【0024】
炭化珪素質セラミックの表面粗さは、熱伝導の点からより小さく、滑らかな面とした方がよいが、滑らかすぎると、ルツボとの接触面積が増えて融着しやすくなるので、Rz2〜10μmの範囲であることが好ましい。
【0025】
炭化珪素質セラミックの結晶粒径は熱伝導率の向上の為、10μm以下とすることが望ましい。10μmより大きいと高圧高温処理による結晶の完全化が十分進行しない為、熱伝導率の向上が望めない。
【0026】
炭化珪素以外の残部としては、C,B単体、及びこれらを含む化合物などを含む。
【0027】
このような炭化珪素質セラミックの製造方法としては、平均粒径1μm以下の炭化珪素粉末に対し、C,B等を焼結助剤として添加し、これを成形後、Ar等の不活性雰囲気下で、2000〜2050℃で焼成する。
【0028】
実験例1
表1に記載するセラミックスにより前記サセプタ4を構成し、これらを単結晶引上げ装置に設置した。なお、成分の測定、表面粗さ、結晶粒径の測定は次のように行った。
【0029】
・成分の測定:蛍光X線分析法を用いた。
【0030】
・表面粗さ:触針式表面粗さ計にて測定。
【0031】
・平均結晶粒径:SEM写真上で、直線上の粒子約100個の平均値を測定して求めた。
【0032】
次いで、石英製のルツボ2にGa+Asをチャージし、密封容器中で直接合成した後、砒素圧力を一定に保った状態でGaAs単結晶のインゴットを引き上げた。この際、サセプタ4とルツボ2との反応、すなわち融着性を判定した。なお判定の基準は以下の通りである。
【0033】
(融着性)
×:融着してはなれない
△:融着反応が見受けられるが、容易に離すことができる。
○:反応が見られない。
【0034】
(均熱性:熱伝導率 W/n ・k で判定)
△:30〜70
○:70〜150
□:150超過
また、ルツボまたはサセプタが使用可能であった回数を調べた。
【0035】
これら実験の結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
表1から明らかなように本実施例品が比較例品に比べて融着性、耐久性、均熱性ともに優れていることが判った。
【0038】
実験例2
表2に記載するセラミックスにより前記サセプタ4を構成し、これらを単結晶引上げ装置に設置した。そして、実験例1と同様の実験を行った。これらの結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
表2に示すように、99.9%より純度が高い本実施例品が比較例品に比べて融着性、耐久性、均熱性ともに優れていることが判った。
【0041】
【発明の効果】
叙上のように本発明によれば、99.9重量%以上の高純度アルミナセラミック、或いは自由炭素を1.1〜10重量%と硼素を0.1〜5重量%含有した立方晶炭化珪素セラミックからなるルツボ用サセプタであって、該サセプタの表面粗さRzを2〜10μmとしたことにより、1250℃付近の温度領域でも石英と反応を起こしにくく、高温で保持しても強度、耐久性に富み、これらの材料によるルツボ用サセプタにより石英のルツボを受座することにより、高品質の単結晶、特にGaAsの単結晶の量産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単結晶引上げ装置内のルツボを載置する部分のみの概略図である。
【符号の説明】
1 引上げ軸
2 ルツボ
3 融液
4 サセプタ
5 回転軸
Claims (1)
- 99.9重量%以上の高純度アルミナセラミック、或いは自由炭素を1.1〜10重量%と硼素を0.1〜5重量%含有した立方晶炭化珪素セラミックからなるルツボ用サセプタであって、該サセプタの表面粗さRzが2〜10μmであることを特徴とするルツボ用サセプタ。
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JP26828197A JP3612187B2 (ja) | 1997-10-01 | 1997-10-01 | ルツボ用サセプタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP26828197A JP3612187B2 (ja) | 1997-10-01 | 1997-10-01 | ルツボ用サセプタ |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11106283A JPH11106283A (ja) | 1999-04-20 |
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ID=17456372
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JP26828197A Expired - Fee Related JP3612187B2 (ja) | 1997-10-01 | 1997-10-01 | ルツボ用サセプタ |
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EP2437020B1 (de) | 2010-10-01 | 2015-08-12 | Ivoclar Vivadent AG | Mikrowellenofen |
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1997
- 1997-10-01 JP JP26828197A patent/JP3612187B2/ja not_active Expired - Fee Related
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