JP3611855B2 - 真空スイッチバルブ - Google Patents

Description

本発明は、固定接触子と、これに対して軸線方向に動 く可動接触子と、可動接触子の接触子棒にろう付けされ たベローズと、２つのキャップ状金属部分及び１つのリ ング状絶縁体からなるハウジングとを備え、このハウジ ングが接触子及びベローズを直接取り囲み、リング状絶 縁体がベローズに対して同心的に配置され、絶縁体の壁 厚がその軸線方向長さにほぼ等しくされている真空スイ ッチバルブに関する。
特に、本発明は、ハウジングが２つのキャップ状金属部分と１つのリング状絶縁体とからなり、低電圧範囲において開閉目的のために使用される真空スイッチバルブの構造上の構成に適用される。
電磁開閉器として、従って電圧約1000Vにおいて１〜2kAの大きさの電流を開閉するために使用される公知の真空スイッチバルブにおいては、固定接触子とこれに対して軸線方向に可動である可動接触子とを取り囲むハウジングは、２つのキャップ状金属部分と１つのリング状絶 縁体とからなり、この絶縁体に２つのキャップ状金属部分がナイフエッジ状のろう付けによって気密に結合されている。ハウジングの内部には、固定接触子及び可動接 触子と、リング状絶縁体を覆う円筒状シールドと、可動 接触子棒に付設されたベローズとが軸線方向に順次配置されている。ベローズはその場合その一端で可動接触子棒に結合された支持円板にろう付けされている（ヨーロッパ特許出願公開第0254089号明細書）。
低電力範囲用に使用される他の公知の真空スイッチバ ルブにおいては、円筒状シールドが設けられているので はなく、ベローズに向いて開いているキャップ状の保護 シールドが設けられている。この場合、壁厚が軸線方向 長さにほぼ等しいリング状絶縁体がベローズに対して同 心的に配置されている（ヨーロッパ特許出願公開第0054 670号明細書）。
中電圧範囲において使用される他の公知の真空スイッチバルブにおいては、それぞれの接触子とその背後空間との間、特に可動接触子と可動接触子に付設されたベローズとの間にキャップ状の保護シールドを配置して、このベローズ及び場合によっては中空円筒状或いは円板状の絶縁部分を蒸発する電極物質の堆積から保護することは公知である（アメリカ合衆国特許第3674958号、第3996437号、第4417110号明細書）。
本発明の課題は、前述のヨーロッパ特許出願公開第0254089号明細書の請求項１の前文の構成要件を備えた真空スイッチバルブを基本として、できるだけ小さい軸線方向及び半径方向の寸法で50〜100kAの範囲の短絡電流を確実に開閉できる真空スイッチバルブを構成することにある。
この課題を解決するために、本発明によれば、可動接 触子に付設された金属キャップが絶縁体の端面の外側範 囲にナイフエッジ状ろう付けによって結合され、ベローズの一端が可動接触子の直ぐ近くにおいてその接触子棒にろう付けされ、可動接触子の底に開閉区間に向かって開いているキャップ状の保護シールドが配置され、キャ ップ状の保護シールドはその縁部で接触子の底部分を包 囲し、そのキャップ縁部と接触子の周囲との距離が約２ 〜4mm、接触子の軸線方向におけるキャップ縁部の高さ が少なくとも約4mmであり、アークの足が可動接触子の 外壁において接触子棒の方向に延びる部分アークがキャ ップ状の保護シールドによって形成された無電界空間 （電界のない空間）で捕捉される。
このように形成された真空スイッチバルブにおいては、リング状絶縁体によって形成される内部絶縁区間を保護するため特別なシールドを設ける必要がない。というのは、リング状絶縁体の比較的広幅に形成された端面が接触子範囲に反対側に向いているからである。場合によってはこの絶縁区間は軸線方向の堀り溝で延ばすことができる。リング状絶縁体をベローズに対して同心的に配置することにより、そして特別な保護キャップを使用することにより、ベローズは部分アークに基づく電気的負荷に対して保護されるので、電気的に生ずる熱的影響に基づいてベローズが早期に故障することがない。特に部分アークの足が可動接触子の外表面において接触子棒の方向に、従ってベローズの方向に延びることが阻止されている。このことは主として、キャップ状の保護シールドにより無電界空間が形成され、この無電界空間で可動接触子の軸線方向に延びるアークの足がもはや駆逐されずに、即ち捕捉されることによって行われる。
本発明によって形成された真空スイッチバルブは、それ故、遮断能力が高くそれにもかかわらず軸線方向にもまた半径方向にも寸法の縮小された構造を備える点で優れている。
本発明による真空スイッチバルブの実施例を図において説明する。
図において固定接触子１には移行部31を備えた固定接触子棒３が付設されている。さらに可動接触子２には接触子棒から接触子の底までの移行部41を備えた可動接触子棒４が付設されている。両接触子1,2は、下側の金属キャップ５と、リング状絶縁体と、上側の金属キャップ７とからなるハウジングで取り囲まれている。下側のキャップ５は固定接触子３に直接ろう付けされているが、上側のキャップ７は可動接触子棒４の移行部41にベローズ10を介して気密に結合されている。両キャップ5,7はリング状絶縁体６にナイフエッジ状のろう付けにより結合されている。この場合リング状絶縁体６の半径方向の壁厚Ｄは絶縁体６の軸線方向長さＬとほぼ同じ大きさに選ばれている。なお「ほぼ同じ大きさ」とは最大±30％の差異があるものとする。リング状絶縁体６をこのような寸法とすることにより、そして絶縁体の端面の外側範囲に設けたナイフエッジ状ろう付けにより、絶縁体６は接触子1,2と反対側の端面において、真空スイッチバルブの内部絶縁強度を保証するために充分な幅のリング状の絶縁体面を備えている。場合によってはこの内部絶縁強度を高めるために絶縁体６の端面に周回する堀り溝８を設けることができる。
真空スイッチバルブのハウジングのこのような構造により、固定接触子１側の電位が金属キャップ５を介して可動接触子２の背後空間、従ってベローズ10の近くにまで伝えられる。この手段によりアークの影響に起因する金属キャップ７の接触子棒４に対する電位上昇は確実に回避され、この結果ベローズ10を介する電流の流れが発生することはない。
可動接触子２の底にはキャップ状の保護シールド９が配置されている。この保護シールド９は銅からなるのが良く、開閉区間に向かって開いており、その接触子との半径方向の距離ｒが約２〜4mm、その高さｈが約４〜6mmとされている。これにより場合によって形成される部分アークの足が可動接触子２の外壁に沿って接触子棒４に向かって延びようとしても、この部分アークはキャップ状保護シールド９によって形成された無電界空間で捕捉 されて、部分アークが消滅する。保護シールド９は移行部41の肩に配置することもできるが、その場合直径は小さくなる。
両接触子1,2に対しては例えば、半径方向或いは軸線方向磁界の接触子として形成されているカップ接触子が使用される。しかしまた他の公知の接触子の形状も考えられる。

Claims (3)

1. 固定接触子（１）と、これに対して軸線方向に動く可動接触子（２）と、可動接触子の接触子棒にろう付けされたベローズ（10）と、２つのキャップ状金属部分（5,7）及び１つのリング状絶縁体（６）からなるハウジングとを備え、このハウジングが接触子（1, 2）及びベローズ（10）を直接取り囲み、リング状絶縁 体（６）がベローズ（10）に対して同心的に配置され、 絶縁体の壁厚（Ｄ）がその軸線方向長さ（Ｌ）にほぼ等 しくされている真空スイッチバルブにおいて、
   可動接触子（２）に付設された金属キャップ（７）が絶 縁体（６）の端面の外側範囲にナイフエッジ状ろう付け によって結合され、
   ベローズ（10）の一端が可動接触子（２）の直ぐ近くにおいてその接触子棒（４、41）にろう付けされ、
   可動接触子（２）の底に開閉区間に向かって開いているキャップ状の保護シールド（９）が配置され、
   キャップ状の保護シールド（９）はその縁部で接触子の 底部分を包囲し、そのキャップ縁部と接触子（２）の周 囲との距離（ｒ）が約２〜4mm、接触子（２）の軸線方 向にけるキャップ縁部の高さ（ｈ）が少なくとも約4mm であり、
   アークの足が可動接触子（２）の外壁において接触子棒 （４）の方向に延びる部分アークがキャップ状の保護シ ールド（９）によって形成された無電界空間で捕捉され る
   ことを特徴とする真空スイッチバルブ。
2. 接触子（２）の軸線方向にけるキャップ縁 部の高さ（ｈ）が接触子（２）の高さよりも小さいことを特徴とする請求項１記載の真空スイッチバルブ。
3. キャップ状の保護シールド（９）が銅からなることを特徴とする請求項１又は２記載の真空スイッチバルブ。

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