JP3611622B2 - 蓄熱型バーナシステム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、蓄熱体に排ガスと燃焼用空気とを交互に通して排ガス温度に近い高温の燃焼用空気を得、これを使って燃焼させる蓄熱型バーナシステムに関する。更に詳述すると、本発明は、炉内の被加熱物に応じて、全体として完全燃焼しながら炉内雰囲気を部分的に酸素不足領域又は酸素過剰領域に設定することが可能な蓄熱型バーナシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の蓄熱型バーナシステムとしては、例えば図10に示すように、蓄熱体が直結された2台で一組のバーナ103の給気系と排気系とを組み合わせて、これらを交互に燃焼させると共に炉内での被加熱物111の加熱に使われた後の燃焼ガスを焚かれていない方のバーナ103のバーナスロート105を通って排出し、そのときの排ガスの熱を蓄熱器109に回収させて次の燃焼用空気の予熱に用いるシステムが提案されている。
【0003】
この蓄熱型バーナシステム100の各バーナ103は、バーナタイルで形成された単一のバーナスロート105内へ蓄熱体109を通過して高温に予熱された燃焼用空気と燃料ノズル107から噴射される燃料とを噴出させ、安定火炎を形成するように設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、従来の蓄熱型バーナシステム100においては、単一の性状の火炎及び燃焼ガスから成る雰囲気を1組のバーナ103,103で交互に形成して炉101内の被加熱物111を加熱することとなる。
【0005】
しかしながら、炉101としては、被加熱物111に応じて、炉内を無酸化雰囲気あるいは酸化雰囲気若しくは弱酸化雰囲気に調整することができると都合が良い場合がある。その一方で、公害問題を考慮すると、適正空気比で燃料を完全燃焼させる必要がある。しかしながら、単一の性状の火炎で炉101内の雰囲気を形成する従来のバーナシステム100では、これらの要請をともに高レベルで両立させること、即ち完全燃焼させて尚かつ無酸化雰囲気とすることは実用上困難であった。例えば、鉄鋼加熱炉などではスケールロスを少なくするため、還元燃焼炎を利用した無酸化直接加熱とすることが望まれるが、還元燃焼炎を形成するため完全燃焼できずに発煙などを引き起こす問題がある。
【0006】
本発明は、全体としては適正空気比による完全燃焼を可能とし、部分的無酸化炉内雰囲気や酸化炉内雰囲気を形成できる蓄熱型バーナシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の蓄熱型バーナシステムは、蓄熱体を備えこの蓄熱体に対する排ガス及び燃焼用空気の流れを相対的に切り替えることによって蓄熱体を通して燃焼用空気の供給と排ガスの排出とを交互に行い排ガスの温度に近い高温の燃焼用空気を供給して燃焼させ炉内に火炎を噴出させる複数のバーナスロートを設け、各バーナスロートに分配される燃焼用空気の噴射速度を各バーナスロート毎に調整可能として、各バーナスロート毎には空気不足あるいは空気過剰の空気比となり全体としては適正空気比となる量の燃焼用空気をバーナスロートに供給し、各バーナスロートごとに異なる空気比で燃焼させ、炉内に酸化性、弱酸化性あるいは無酸化性などといった性状の異なる複数の雰囲気を部分的に形成しつつ全体としては適正空気比で完全燃焼するようにしている。
また、請求項3記載の蓄熱型バーナシステムは、蓄熱体を備えこの蓄熱体に対する排ガス及び燃焼用空気の流れを相対的に切り替えることによって該蓄熱体を通して燃焼用空気の供給と排ガスの排出とを交互に行い排ガスの温度に近い高温の燃焼用空気を供給して燃焼させ炉内に火炎を噴出させる複数のバーナスロートを設け、各バーナスロート毎には空気不足あるいは空気過剰の空気比となり全体としては適正空気比となる量の燃焼用空気を前記バーナスロートに供給し、各バーナスロートごとに異なる空気比で燃焼させ、燃焼用空気のみを供給する場合を含めて空気過剰で燃焼させるバーナスロートと空気不足で燃焼させるバーナスロートとを各々設け、炉内に酸化性、弱酸化性あるいは無酸化性などといった性状の異なる複数の雰囲気を部分的に形成しつつ全体としては適正空気比で完全燃焼させ、被加熱物の周りでは無酸化雰囲気あるいは酸化雰囲気のうち前記被加熱物に適した雰囲気に制御するようにしている。
【0008】
ここで、複数の各バーナスロートは、請求項6の発明のように複数のバーナスロートに単一の空気供給系を接続して、全体としては適正空気比となる量の燃焼用空気を各バーナスロートに分配して供給し、各バーナスロート毎に異なる空気比としても良いし、あるいは請求項7の発明のように各々独立した空気供給系を有する複数のバーナシステムによって複数のバーナスロートが形成され、各バーナに供給される燃焼用空気の総量と燃料の総量とが適正空気比となる範囲で、各バーナ毎に異なる空気比としても良い。
【0009】
また、請求項6または7記載の発明において、各バーナスロート毎に異なる空気比を設定する手段としては、例えば各バーナスロート毎に噴射される燃料量を一定にして各バーナスロートごとに異なる量の燃焼用空気が分配されること、あるいは各バーナスロート毎に独立して制御可能な空気量調整手段を備え、各バーナスロートの通路面積を互いに異なる値に設定して当該バーナスロート内を流れる燃焼用空気の量を制御すること、若しくは各バーナスロート毎に分配される空気量を一定にして各バーナスロート毎の燃料噴射ノズルから噴射される燃料の量を互いに異なる値に設定すること、更には各バーナスロートに供給される燃料と燃焼用空気がそれぞれ各バーナスロート毎に制御されて各バーナスロート毎に異なる空気比に設定可能とされていることが望ましい。
【0010】
また、請求項2,3の蓄熱型バーナシステムは、空気過剰燃焼と空気不足燃焼となるバーナスロートを各々設け、被加熱物の周りではいずれか一方の雰囲気を形成して、更に請求項5記載の発明ではその周りで全体として均一な空気比となったときにアフターバーニングを起こし完全燃焼させ、被加熱物の周りの雰囲気を乱さずに、当該完全燃焼の際の燃焼熱をふく射によって被加熱物に与えるようにしている。
【0011】
また、請求項12の蓄熱型バーナシステムは、各バーナスロートから噴出させる火炎及び燃焼ガスによって形成される雰囲気が炉内の被加熱物から離れた所で交差するように各バーナスロートの噴射軸を交差させて設置し、被加熱物から離れた処でアフターバーニングゾーンを形成して完全燃焼させるようにしている。
【0012】
また、請求項1,4の蓄熱型バーナシステムは、各バーナスロートに分配される燃焼用空気の噴射速度を各バーナスロート毎に調整可能としている。
【0013】
また、請求項13の蓄熱型バーナシステムは、全体として適正空気比の燃焼用空気を複数のバーナスロートに分配して1つのバーナで空気過剰燃焼と空気不足燃焼とを形成する蓄熱型バーナシステムと、空気過剰で燃焼させる蓄熱型バーナシステムと、空気不足で燃焼させる蓄熱型バーナシステムとをそれぞれ少なくとも1組以上組み合わせるようにしている。
【0014】
更に、請求項14の蓄熱型バーナシステムは、バーナを対にして該バーナを短時間に交互に交換燃焼させるようにしている。
【0015】
【作用】
したがって、請求項1,3の蓄熱型バーナシステムの場合、蓄熱体を通過することによって高温に予熱された燃焼用空気は、複数のバーナスロートに分配され全体しては適正空気比であるが各バーナスロート毎には異なる空気比に設定される。そこで、各バーナスロート毎に異なる空気比で燃焼した火炎が炉内へ噴射される。そして、空気比に応じて酸素不足の無酸化雰囲気や酸素過剰の酸化雰囲気が炉内に各々形成される濃淡燃焼を起こす。このとき、炉内排ガス温度に近い高温に予熱された燃焼用空気を用いて燃焼するため、反応速度の増大や可燃限界の大幅な拡大が燃焼の安定化に大きく寄与すると期待され、通常燃焼であれば種々の困難が生じる可能性の高い極端なレベルでの希薄燃焼や過濃燃焼であっても容易に実現できる。更に、炉内では無酸化雰囲気の周りの酸化雰囲気と接触する部分でアフターバーニングを起こし、全体として適正空気比の完全燃焼を起こす。そして、アフターバーニングで生じた熱だけがふく射によって被加熱物に与えられ、燃焼ガスは他の燃焼ガスともども炉外へ蓄熱体を通って排出される。そして、蓄熱体では排ガスの熱が回収され、燃焼用空気の予熱に備えられる。また、請求項1の蓄熱型バーナシステムの場合、各バーナスロート内の燃焼用空気の流速を変化させると、この流速の変化に応じてバーナスロート内に発生する火炎の勢いが変化し、アフターバーニングゾーンを炉内で移動させることができる。また、請求項3の蓄熱型バーナシステムの場合、被加熱物を無酸化雰囲気あるいは酸化雰囲気のいずれかで被うことができる。
【0016】
ここで、請求項6並びに7記載の発明の場合、1つの空気供給系から供給される高温の予熱された燃焼用空気を各バーナスロートに分配するようにしているので、1箇所で供給空気量の制御を行うだけで各バーナスロート毎に異なる空気比に設定しても全体としては適正空気比を維持できる。
【0017】
そして、請求項8の発明では、各バーナスロートに分配される燃焼用空気の流量の割合を決定するだけで、決定された割合の値に応じて各バーナスロート毎に異なる空気比が設定される。
【0018】
また請求項9の発明では、バーナスロート毎に流路面積を調整でき、空気過剰燃焼あるいは空気不足燃焼を起こすバーナスロートを自由に切り替えることができる。
【0019】
また請求項10の発明では、各バーナスロートに分配される燃焼用空気の量は一定で、バーナスロート内に噴射される燃料量を変化させるだけで、全体としての空気比を適正に保ったまま各バーナスロート毎に空気比を自由に設定できる。
【0020】
また請求項11の発明では、各バーナスロート毎に分配される燃焼用空気の量と燃料の量とを制御することによって、より安定な状態で所望の空気比の燃焼を実現できる。
【0021】
また、請求項7の発明では、互いに独立した複数のバーナ毎に燃焼量制御が行われ、場合によっては一部のバーナだけを作動させ得る。
【0022】
また、請求項2,3の発明では、被加熱物を無酸化雰囲気あるいは酸化雰囲気のいずれかで被うことができると共に、更に、請求項5の発明ではその雰囲気のまわりで起こる完全燃焼による熱をふく射で被加熱物に与えるため加熱効率を落とさずに特定雰囲気下での加熱を実現できる。
【0023】
また、請求項12の発明では、空気不足の燃焼によって形成された雰囲気と空気過剰の燃焼によって形成された雰囲気とが確実に炉内で混じり合ってアフターバーニングを起こさせる。しかも、それは、被加熱物を覆う雰囲気の外あるいはその周辺で起こり、被加熱物の周りの雰囲気成分を変えることがない。
【0024】
また、請求項1,4の発明では、各空気比制御手段が各バーナスロート内の燃焼用空気の流速を変化させると、この流速の変化に応じてバーナスロート内に発生する火炎の勢いが変化し、アフターバーニングゾーンを炉内で移動させることができる。
【0025】
更に、請求項13の発明では、個々のバーナシステム毎に燃焼を制御すれば足りるので、燃焼制御が容易である。
【0026】
更に、請求項14の発明では、一対のバーナが交互に燃焼することによって炉内非定在火炎が形成され、被加熱物がより均一に加熱される。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
【0028】
図1及び図2に本発明の蓄熱型バーナシステムの一実施例を示す。このバーナシステム1は、それぞれ蓄熱体9を有し交互に燃焼する一対のバーナ3,3を流路切替手段21を介して空気供給系17あるいは排気系25に選択的に接続して、一方のバーナ3を燃焼させている間に他方のバーナ3から被加熱物57の加熱に使った後の燃焼ガスを排気させるようにして成る。各バーナ3,3は、例えば炉7の両側壁に互いに向き合って据え付けられており、交互に作動する。なお、各バーナ3,3は必ずしも対向させて炉7の両側壁に別々に配置する必要はなく、例えば炉7の一方の壁に並べて配置しても良い。
【0029】
蓄熱体9は、例えば、比較的圧力損失が低い割りに熱容量が大きく、かつ耐久性の高い材料(例えば、ファインセラミックス)をハニカム形状の筒形に成形したものが採用され、バーナボディあるいはこれと別体のケーシングなどに収められてバーナ3に組み込まれている。この蓄熱体9は、通過する排ガスとの間で熱交換を行い廃熱を回収すると共に回収した熱で燃焼用空気を予熱する。各バーナ3の蓄熱体9,9は、ダクト15,15を介して四方弁21のポート21a,21bに接続されている。また、四方弁21の他のポート21c,21dには、空気供給系17のダクト23及び排気系のダクト25がそれぞれ接続されている。したがって、この四方弁21を切り替えることで、各バーナ3,3並びに蓄熱体9,9のうち何れか一方は空気供給系17に、何れか他方は排気系にそれぞれ選択的に接続される。
【0030】
各バーナ3,3には、複数本例えば3本のバーナスロート11,11,11が設けられている。各バーナスロート11,11,11は、蓄熱体9付近で1本となるように先端側が分岐して並列的に延び、炉7内にそれぞれ開口するように設けられている。各バーナスロート11,11,11は、互いに同一の通路面積に設定されている。したがって、各バーナスロート11,11,11に対して、単一の空気供給系17からは、互いに同量の燃焼用空気が供給される。
【0031】
また、各バーナスロート11,11,11毎に、このバーナスロート11内に向けて燃料を噴射する燃料ノズル13,13,13が取り付けられている。一方の炉壁に設けられたバーナ3の各燃料ノズル13は燃料パイプ27を介して、他方の炉壁に設けられたバーナ3の各燃料ノズル13,13,13は燃料パイプ29を介して、それぞれ燃料供給系31に接続されている。各燃料パイプ27,29の途中には、制御弁33,35がそれぞれ設けられている。各制御弁33,35は、四方弁21の切替に連動して交互に開閉し、燃焼用空気が供給される側のバーナ3の各バーナスロート11,11,11の燃料ノズル13,13,13からのみ噴射される。そして、噴射された燃料は、各バーナスロート11,11,11内を流れる燃焼用空気と混合され、炉7内に噴出されて燃焼する。
【0032】
一方、各バーナスロート11,11,11には、図示していないが各燃料ノズル13,13,13から噴射される燃料に着火可能な位置にパイロットバーナが取り付けられている。
【0033】
空気供給系17と燃料供給系31は、全体として適正空気比となる量の燃焼用空気、燃料を各バーナ3に供給し、バーナ3全体としては完全燃焼する適正空気比に設定されている。一方、各バーナスロート11,11,11には空気比制御機構5,5,5がそれぞれ設けられ、各バーナスロート11,11,11毎に異なる空気比に設定される。
【0034】
空気比制御機構5は、例えば図2に詳しく示すように、バーナスロート11内に挿入されて燃焼用空気の流量を調整する流量調節板37、調節板駆動手段39及び制御スイッチ手段41等より構成されている。各流量調節板37は各バーナスロート11の所定位置に開口された各スリット43に対向して配置され、図示しない支持機構により長手方向にスライド可能に支持されている。各流量調節板37のスライド量は、例えば図示しないストッパにより制限される。したがって、各流量調節板37は、図中実線で示すように、ハウジング45内に完全に退いた状態から、図中2点鎖線で示す所定位置にまでバーナスロート11内に突出することができる。この突出量は駆動手段39の制御によって任意に設定される。バーナスロート11の流路面積は、流量調節板37の突出量に応じて変化する。また、流量調節板37の基端側半部には、ラック47が設けられている。なお、スリット43と流量調節板37との間は、シール部材49が配置されて気密にシールされている。
【0035】
調節板駆動手段39は、例えば、ピニオン51、ウォームギヤ53及びステッピングモータ55等より構成され、バーナスロート11に固定されたハウジング45内に収容されている。ピニオン51は、ハウジング45に回転自在に取り付けられており、流量調節板37のラック47に噛み合っている。また、ウォームギヤ53は、ステッピングモータ55の出力軸55aに相対回転不能に嵌め込まれ、ピニオン51に噛み合っている。したがって、ステッピングモータ55の出力軸55aが一方向に回転した場合、この回転がウォームギヤ53及びピニオン51を介してラック47に伝達され、流量調節板37がバーナスロート11内に繰り出される。一方、ステッピングモータ55の出力軸55aが他方向に回転した場合、ウォームギヤ53及びピニオン51が上述の場合と逆方向に回転して流量調節板37をバーナスロート11内からハウジング45内に引き込む。
【0036】
制御スイッチ手段41は、各ステッピングモータ55に電気的に接続されており、これらのステッピングモータ55を別々に作動させることができる。つまり、作業者が制御スイッチ手段41を操作すると、この操作に応じた制御信号が任意のステッピングモータ55に出力される。そして、制御信号を受けたステッピングモータ55は、この制御信号に応じて出力軸55aを所望の方向に所望の回転数だけ回転させる。
【0037】
なお、本実施例においては、ピニオン51、ウォームギヤ53及びステッピングモータ55を備えて調節板駆動手段39を構成したがこれに限るものではなく、調節板駆動手段39としては、別構造の回転力伝達機構を介してステッピングモータ55の回転をラック47に伝達する構成としても良く、また、これとは別に、例えば空気供給系17で発生した圧力を駆動源として流量調節板37をスライドさせる構成としても良い。
【0038】
また、本実施例においては、各ステッピングモータ55に電気的に接続された制御スイッチ手段41を備えて空気比制御機構5を構成したがこれに限るものはなく、制御スイッチ手段41に代えて、マイクロコンピュータ制御で各ステッピングモータ55を別々に自動的に操作する構成としても良い。
【0039】
このバーナシステム1では、空気比制御機構5が以下のように作動し、炉7内に酸素不足領域と酸素過剰領域とを発生させる。
【0040】
調節板駆動手段39を作動させるべく制御スイッチ手段41を操作すると、この制御スイッチ手段41から当該調節板駆動手段39のステッピングモータ55に制御信号が供給される。この制御信号を受けたステッピングモータ55は、出力軸55aを一方向に所定の回転数だけ回転させ、流量調節板37をバーナスロート11内に所定量だけ突出させる。したがって、その分だけバーナスロート11の通路面積が減少し、その開口比に応じて蓄熱体9を経て供給される燃焼用空気の分配量が変化する。ここで、燃料ノズル13からは、燃焼用空気の流量とは無関係に全体の燃焼用空気量に応じた一定量の燃料が等分に分配されて噴射される。流量調節板37のバーナスロート11内への突出量は、ステッピングモータ55の回転数を制御することで、任意の値に設定できる。したがって、空気比は、制御スイッチ手段41の操作でバーナスロート毎に任意に調整される。このため、バーナスロート11毎に、酸素不足の状態で燃焼して無酸化性雰囲気を形成したり、また酸素過剰状態で燃焼して弱酸化性雰囲気あいるは酸化性雰囲気を形成する。
【0041】
次に、作業者が炉7内の被加熱物57の種類及び位置等に応じて炉内雰囲気を制御する場合を説明する。例えば、炉7内の中央に置かれた被加熱物例えば鉄鋼57を加熱する場合について説明する。この場合には、酸素不足の無酸化雰囲気で鉄鋼57を包むことがその酸化を抑制する上で好ましい。
【0042】
そこで、作業者が制御スイッチ手段41を操作して、鉄鋼57に対向するバーナスロート11、即ち3本のうちの中央に位置するバーナスロート11の流量調節板37を突出させて、このバーナスロート11内に分配される燃焼用空気を減少させ、その分を両隣りの他のバーナスロート11,11へ流す。これにより、中央のバーナスロート11から噴出される火炎及び燃焼ガスによって形成される雰囲気Z4は酸素不足状態となり、鉄鋼57を無酸化性雰囲気の中で加熱し、その酸化を抑制する。一方、外側の残りの2本のバーナスロート11から噴出される火炎及び燃焼ガスによって形成される雰囲気Z5,Z6は、それぞれ酸素過剰状態となる。このため、各燃焼は適正空気比の場合より火炎温度が低くなる濃淡燃焼となりNOxの発生が抑制される。
【0043】
ここで、上述したように、バーナ3全体として供給される燃焼用空気量と燃料量とは、適正空気比に設定されている。したがって、無酸化性雰囲気Z4と酸化性雰囲気Z5,Z6とが混じわる領域Z7において無酸化性雰囲気Z4の燃焼ガス中に残る未燃燃料が無酸化性雰囲気Z4の周りで接触する酸化性雰囲気中の残存酸素と反応してアフターバーニング起こし完全燃焼する。そして、被加熱物57の周りの雰囲気を乱さずに、完全燃焼の際の燃焼熱がふく射によって被加熱物たる鉄鋼57へ与えられる。即ち、バーナ3全体で考えると炉7内では濃淡燃焼が実施され、上述の各燃焼は比較的低温で進行するので、特にサーマルNOxの発生が抑制される。
【0044】
また、被加熱物57として、例えばタイルを焼く場合について説明する。この場合には、酸素過剰の雰囲気中でタイル57を焼き、その発色を良好なものにすることが望まれる。
【0045】
この場合には、被加熱物たるタイル57に対向していない外側の2本のバーナスロート11の流量調節板37を突出させてそのバーナスロート11内に分配される燃焼用空気量を減少させると共に中央のバーナスロート11に流れる燃焼用空気量を増加させる。これにより、外側の2本のバーナスロート11から噴出される火炎及び燃焼ガスによって形成される雰囲気Z5,Z6は酸素不足状態になる一方、タイル57に対向する中央のバーナスロート11から噴出される火炎及び燃焼ガスによって形成される雰囲気Z4は酸素過剰状態になる。したがって、タイル57は、酸化性雰囲気中で焼かれることになる。
【0046】
この場合でも、上述の場合と同様に、バーナ3全体として供給される燃焼用空気量と燃料量とは適正空気比に設定されており、炉7内では濃淡燃焼によって完全燃焼が実施される。したがって、炉7内の酸素不足状態の領域と酸素過剰状態の領域の位置を変えた場合でも、上述の場合と同様に、燃料は完全燃焼し特にサーマルNOxの発生が抑制される。
【0047】
尚、各バーナスロート11,11,11毎に空気比を異ならせる手段としては、各々分配される燃焼用空気の流量は変化させずに一定として、各バーナスロート11内に噴射する燃料量を増減させることで相対的に空気比を制御する手段を採用するようにしても良い。この場合、バーナスロート11の外の燃料供給系の制御だけで足りるのでのバーナ構造が簡単になる。図3は、このタイプの空気比制御機構を示す。この空気比制御機構では、各バーナスロート11に分配される燃焼用空気の量は、常に一定値に設定され、各燃料ノズル13からバーナスロート11内に噴射される燃料量のみが制御される。この空気比制御機構は、流量制御弁63及び制御スイッチ手段41等より構成されている。流量制御弁63は、例えば各燃料ノズル13毎に、燃料ノズル13と制御弁33との間にそれぞれ設置されている。各流量制御弁63は、制御スイッチ手段41から供給される制御信号に応じてその弁開度を変化させる電磁式制御弁の使用が好ましい。なお、この電磁式制御弁は公知のものであるので、その構造についての説明は省略する。
【0048】
したがって、燃焼用空気量に対する燃料量の割合が相対的に大きくあるいは小さくなることによって空気比が変えられる。
【0049】
なお、空気過剰状態には、流量制御弁63を完全に閉じてバーナスロート11に燃焼用空気のみが流れるようにする場合も含まれる。この場合には、燃料は他のバーナスロート11,11に分けて噴射され、全体として適正空気比となる燃料量が供給される。この場合、燃焼用空気だけが流されるバーナスロート内では燃焼は起こらず、炉内に噴出された後に炉内で未燃の燃料と接触して燃焼する。燃焼用空気は蓄熱体9を経て排ガス温度に近い高温例えば700〜1000℃程度となっているため、接触と同時に燃料を緩慢燃焼させる。
【0050】
さらに、空気比制御機構としては、図4に示すように、操作スイッチ手段41に電気的に接続された調節板駆動手段39及び流量調節板37と流量制御弁63とを備え、バーナスロート11内の燃焼用空気流量と噴射燃料量とを同時に制御する構成にしても良い。この場合、各バーナスロート11,11,11毎に正確な空気比を設定できる。
【0051】
以上のように構成されたバーナシステム1は、四方弁21及び各制御弁33,35を連動して切り替えることによって、図上例えば左側に配置されたAバーナと右側に配置されたBバーナとから成る1組のバーナ3,3が交互に焚かれて炉内に非定在火炎を形成する。
【0052】
例えば、いま、Aバーナを作動させる場合には、Aバーナ側を燃焼用空気供給系に接続するように四方弁21を切り替え、かつ一方の制御弁33を開くと共に他方の制御弁35を閉じる。これにより、供給される燃焼用空気は、蓄熱体9を通過しながら排ガス温度に近い高温例えば800〜1000℃程度に予熱された後、各バーナスロート11,11,11内に流れ込み、各燃料ノズル13,13,13から噴射された燃料と混合されて燃焼する。そして、各バーナスロート11,11,11から噴出された火炎および燃焼ガスによって形成される各々性状の異なる3つの雰囲気を各領域Z4〜Z6に形成して被加熱物57を特定雰囲気下、例えば無酸化雰囲気下で加熱する。
【0053】
一方、排気系に接続されているBバーナ側では、アフターバーニング領域Z7で完全燃焼した燃焼ガスが、空気通路15を介して大気側に排出される。このとき、被加熱物の加熱に使われた後の燃焼ガス(排ガス)の熱は蓄熱体9で回収される。
【0054】
そして、Aバーナ側が作動を開始してから所定時間(例えば、20秒〜60秒)が経過すると、四方弁1が切り替わると共に、これに連動して一方の制御弁33が閉じて他方の制御弁35が開く。これにより、Bバーナ側に燃焼用空気及び燃料が供給されて燃焼を開始する一方、Aバーナが非作動の待機状態になる。このとき、Bバーナ側へ供給される燃焼用空気は、排ガスの廃熱で加熱された蓄熱体9で予熱され、非常に高温(例えば、800〜1000℃程度)になる。常温の燃焼用空気あるいは300〜400℃程度に予熱された燃焼用空気を使用する一般的な燃焼の場合には、空気不足あるいは空気過剰では燃焼し難い。しかしながら、燃焼用空気がこのように高温になると、たとえ空気不足あるいは空気過剰の場合でも混合ガスそのものの温度が燃料の着火温度付近あるいはそれ以上となって反応速度の増大や可燃限界の大幅な拡大が燃焼の安定化に大きく寄与して比較的良好に燃焼する。尚、Bバーナ側もAバーナ側と同様に作動し、各バーナスロート11,11,11毎に性状の異なる雰囲気を各領域Z4〜Z6に形成し、被加熱物57を特定雰囲気下に加熱する。
【0055】
以後、Aバーナ及びBバーナは所定時間毎に交互に作動し、バーナシステム1は非常に高温の燃焼用空気を用いて交互燃焼を繰り返す。
【0056】
なお、本実施例においては、2基で一組のバーナ3,3を備えてこれらで交互燃焼を実施するバーナシステム1に適用した場合について説明したがこれに特に限定されず、例えば複数本のバーナスロートを有する一基のバーナと炉内排ガスを直接取り出す排気ダクトとを、例えば出口及び入り口における流体の流れ方向が一定で出入口の間において蓄熱体の異なる領域を流体が通過するようにした蓄熱体と流路切替手段例えば(国際公開WO94/02784号参照)とを利用してそれぞれ給気系と排気系とに接続し、常時バーナを燃焼させるシステムに適用しても良い。
【0057】
次に、本発明を適用したバーナシステムの第2の実施例を図5に基づいて説明する。なお、上述のバーナシステム1の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してこれらの詳細な説明を省略する。
【0058】
このバーナシステム71は、各バーナ73,73に2本ずつのバーナスロート75,75をそれぞれ備え、一方のバーナスロートから噴出される火炎では空気過剰燃焼を、他方のバーナスロートから噴出される火炎では空気不足燃焼を起こすように設けられている。各バーナスロート75は、上下あるいは左右に並んで配置されている。各バーナスロート75は蓄熱体9側から分岐しており、各バーナスロート75の通路面積は互いに同一値に設定されている。
【0059】
このバーナシステム71の各バーナスロート75,75には空気比制御機構77,77が設けられている。空気比制御機構77は、図6に示すように、一組の固定ないし可変オリフィス77a,77bより構成されている。各オリフィス77a,77bは、各バーナスロート75内を流れる燃焼用空気の流量の割合を決定するもので、燃料ノズル13よりも蓄熱体9側に配置されている。これらオリフィス77a77bは、一方のバーナスロート75に流れる燃焼用空気の量を多くあるいは少なくするように開口が他方のバーナスロート75に流れるそれよりも設定される。なお、燃焼用空気の配分比を固定する場合、あるいは空気不足ないし空気過剰とすべきバーナスロートを固定するにはオリフィスはいずれか一方に設ければ良い。
【0060】
なお、各バーナ73の蓄熱体9は、図1のバーナ3の場合と同様に、ダクト15及び四方弁21を介して単一の空気供給系及び排気系に接続されている。また、各バーナスロート75に取り付けられた燃料ノズル13は、各パイプ79及び三方弁81を介して図示しない燃料供給源に接続されている。三方弁81の第1及び第2ポート81a,81bは、各パイプ79,79を介して燃料ノズル13,13に各々接続され、また、第3ポート81cは、燃料供給源に接続されている。
【0061】
このバーナシステム71では、四方弁21及び三方弁81をそれぞれ切り替えることによって、一方のバーナ73に燃焼用空気及び燃料を供給すると共に他方のバーナ73を排気系に連結して排気手段として利用するようにしている。
【0062】
空気供給系からいずれか一方のバーナ73に供給される燃焼用空気は、蓄熱体9を通過しながら予熱されてから複数のバーナスロート75に分配される。この燃焼用空気は、各オリフィス77a,77bに影響されて下側のバーナスロート75よりも上側のバーナスロート75に多く流れる。しかしながら、燃料供給源からは各燃料ノズル13に同量の燃料が供給されている。したがって、被加熱物57に近い下側のバーナスロート75に供給される燃焼用空気を被加熱物57から離れた上側のバーナスロート75より少なくすると下側のバーナスロート75の前方に広がる炉7内領域Z1には無酸化性雰囲気が形成され、上側のバーナスロート75前方に広がる炉7内領域Z2には酸化性雰囲気が形成される。
【0063】
各バーナスロート75へは単一の空気供給系から燃焼用空気が供給されており、各オリフィス77a,77bよりも上流側(蓄熱体9側)での圧力は、互いに同一値である。したがって、燃焼用空気は、各バーナスロート75,75内を同一速度で流れる。このため、各バーナスローと75,75から噴出された領域Z1の酸素不足状態の燃焼ガスと領域Z2の酸素過剰状態の燃焼ガスとは、互いに略同様にして徐々に広がり、領域Z3で接触してアフターバーニング(再燃焼)する。ここで、空気供給系が供給する燃焼用空気の全体量は、各燃料ノズル13から噴射される燃料の全体量とは適正空気比となる量に設定されている。したがって、領域Z3で再燃焼した燃焼ガスは、炉7内で完全燃焼し、作動停止中のバーナ73のバーナスロート75,75を経て排気される。
【0064】
本実施例のバーナシステム71は、上述したバーナシステム1と同様に一組のバーナ73を交互に燃焼させるので、その作動についての説明は省略する。
【0065】
なお、本実施例の空気比制御機構77においては、各バーナスロート75内を流れる燃焼用空気量の割合を決定し、これによって各バーナスロート75で発生する火炎の酸素状態を調整する構成としたが、この空気比制御機構としてはこれに限るものではなく、例えば、各バーナスロートと75内の燃焼用空気の流速を一定に保ちながらその流量を変化させる構成のものでも良い。
【0066】
図7は、この種の空気比制御機構81の一例を示しており、2組のオリフィス83a,83b、85a,85bの組み合わせによって構成されている。第1オリフィス83a,83bは、第2オリフィス85a,85bよりも上流側(蓄熱体9側)に配置されている。第1オリフィス83に関し、下側のバーナスロート75に設けられたオリフィス83aの通路面積S1は、上側のバーナスロート75に設けられたオリフィス83bの通路面積S2に比べて狭く(S1<S2)設定され、また、第2オリフィス85に関し、下側のバーナスロート75に設けられたオリフィス85aの通路面積S3は、上側のバーナスロート75に設けられたオリフィス85bの通路面積S4に比べて広く(S3>S4)設定されている。そして、これら第1のオリフィス83a,83bと第2のオリフィス85a,85bの開口面積の関係を、例えば下側のバーナスロート75に関する各オリフィス83a,85aの通路面積の各逆数の和が、上側のバーナスロート75に関する各オリフィス83b,85bの通路面積の各逆数の和に等しくなるように、即ち、関係式(1/S1)+(1/S3)=(1/S2)+(1/S4)を満たすように設定することによって、各バーナスロート75,75に設定された空気比を変更せずに空気流速即ち各バーナスロート75,75からの噴出ガス速度比を変化させることができる。
【0067】
これによって、上側のバーナスロート75で発生する火炎は、下側のバーナスロート75で発生する火炎に比べて勢い良く噴出し、下側のバーストロート75から噴出する燃焼ガスが上側のバーナスロート75から噴出する燃焼ガスの流れに吸引されて被加熱物57の周りの領域Z1の雰囲気を変えずにアフターバーニングゾーンZ3を炉内で移動させ得る。
【0068】
なお、本実施例においては、各オリフィス77,83,85を固定タイプのオリフィスで構成したがこれに限るものではなく、従来公知の可変オリフィスで各オリフィス77,83,85を構成しても良く、この場合には各バーナスロート75内を流れる燃焼用空気の流速の割合を任意に調整できる。
【0069】
また、図8に本発明の蓄熱型バーナシステムの他の実施例を示す。この実施例のバーナシステムは、各々独立した燃焼用空気供給系を有する複数のバーナ3A1と3B1,3A2と3B2によって複数のバーナスロート11,11,11,11が形成され、各バーナ3A1と3A2あるいは3B1と3B2に供給される燃焼用空気の総量と燃料の総量とが適正空気比となる範囲で各バーナ3A1と3A2あるいは3B1と3B2毎に異なる空気比とするようにしたものである。特に図示したものは、燃焼用空気のみを供給する場合を含めて空気過剰で燃焼させるバーナスロートと空気不足で燃焼させるバーナスロートとを各々設け、被加熱物57の周りではいずれか一方の雰囲気を形成して更にその周りで全体として均一な空気比となったとき、即ち酸化性雰囲気ガスと無酸化性雰囲気ガスとが接触したときにアフターバーニングを起こし、そのふく射熱のみを被加熱物57に与えるようにしている。この場合、被加熱物57を特定の性状の雰囲気で覆ったままで、その雰囲気のまわりで起こさせた完全燃焼の熱をふく射で被加熱物に与えることによって加熱効率を落とさない。
【0070】
また、各バーナスロート11,11,11,11から噴出される火炎及び燃焼ガスによって形成される雰囲気が炉内の被加熱物57から離れた所で交差するように各バーナスロート11,11の噴射軸を交差させて設置し、被加熱物57から離れた所でアフターバーニングゾーンZ3を形成して完全燃焼させるようにしている。この場合、空気不足の燃焼によって形成された雰囲気例えばZ1と空気過剰の燃焼によって形成された雰囲気例えばZ2とが炉7内で確実に混じり合ってアフターバーニングを起こさせて完全燃焼し易くする。この実施例の場合、2組のバーナシステムは、互いに燃焼用空気供給系を独立させているが、炉7内で燃焼ガスが最終的に混合されて全体として適正空気比の完全燃焼を起こした後に各バーナシステムの対となるバーナのバーナスロートを経て分かれて排気されるため、各蓄熱体9,9にはほぼ同じ温度の排ガスが通過する。この実施例の場合、被加熱物57の周りの雰囲気Z1を乱さずに被加熱物57を特定の雰囲気で完全に覆った状態で他方の雰囲気Z2と確実に接触させるため、被加熱物57寄りの下側のバーナスロート11はほぼ水平にガスを噴出させ、上側のバーナスロート11はやや下向きにガスを噴出するように傾けられて設置されている。また、この状態で図7で説明したように、上側のバーナスロート11を流れる空気流速を制御することによって、アフターバーニングゾーンZ3の炉内位置を移動させることができる。
【0071】
次に、図9について説明する。図9は、本発明に係るバーナシステム71を他のタイプの2組のバーナシステム91と組み合わせて使用した例を示している。
【0072】
各バーナシステム91は、単一のバーナスロート95を有するバーナ93を一対備えており、これらを交互に作動させて燃焼させるリジェネレーティブバーナシステムである。各バーナシステム91は上下に並んで配置され、これらには互いに同量の燃料が供給されている。そして、下側のバーナシステム91に供給される燃焼用空気の量は、上側のバーナシステム91に供給される燃焼用空気よりも少ない量に設定されている。したがって、下側のバーナシステム91のバーナスロート95で発生する火炎は酸素不足状態で燃焼し、前方空間を無酸化性雰囲気に設定する。また、上側のバーナシステム91のバーナスロート95は酸素過剰状態で燃焼し、前方空間を酸化性雰囲気に設定する。各バーナシステム91に供給される燃焼用空気の全体量は、各バーナシステム91に供給される燃料の全体量を燃焼させるのに適した量に設定されている。したがって、各バーナシステム91は、濃淡燃焼を実施する。
【0073】
即ち、2組のバーナシステム91を組み合わせて使用することで、バーナシステム71と同様の効果を得ることができる。バーナシステム71と2組のバーナシステム91とを組み合わせて使用することで、被加熱物57の周りの空間の酸素状態を様々に調整することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の蓄熱型バーナシステムは、蓄熱体に排ガスと燃焼用空気とを交互に流して排ガス温度に近い高温の燃焼用空気を得、これを複数のバーナスロートに、全体としては適正空気比となり各バーナスロートごとには異なる空気比となるように供給して、全体として適正空気比下に完全燃焼するも、各バーナスロート毎に発生する火炎及び燃焼ガスによって形成される雰囲気は酸素不足あるいは酸素過剰状態となるようにしているので、完全燃焼を達成しながらも部分的に無酸化雰囲気あるいは酸化雰囲気若しくは弱酸化雰囲気を炉内に形成することができる。このため、被加熱物に適した雰囲気中でこの被加熱物を加熱することが可能になると同時に完全燃焼も達成される。したがって、例えば被加熱物の酸化等による品質低下の防止等を図ることができる。また、全体的な燃焼としてはいわゆる濃淡燃焼を実施することができ、NOx発生の低減を図ることができる。
【0075】
また、請求項6の発明によると、複数のバーナスロートに対し単一の空気供給系で足りるので、バーナ設備が簡単で据え付け場所を取らない。
【0076】
また、請求項8記載のバーナ装置では、空気比制御手段は、各バーナスロート内を流れる燃焼用空気の量の割合を決定する。したがって、単一の空気供給源から各バーナスロートに流入する燃焼用空気の割合をコントロールすることで空気比を調整でき、即ち、燃料の量を一定に保持しながら空気比を調整し、上述の効果を得ることができる。
【0077】
また、請求項9記載のバーナ装置では、空気比制御手段は、各バーナスロートの通路面積を互いに異なる値に設定して当該バーナスロート内を流れる燃焼用空気の量を制御する空気量増減手段を有している。したがって、バーナスロートの通路面積をコントロールすることで空気比を調整でき、即ち、燃料の量を一定に保持しながら空気比を調整し、上述の効果を得ることができる。
【0078】
また、請求項10記載のバーナ装置では、空気比制御手段は、各燃料噴射ノズルから噴射される燃料の量を互いに異なる値に設定することによって相対的に空気比を調整することができるので、バーナスロートの外の燃料供給系のコントロールだけで足り、バーナ構造が簡単になる。
【0079】
また請求項11の発明では、各バーナスロート毎に分配される燃焼用空気の量と燃料の量とを制御することによって、より安定な状態で所望の空気比の燃焼を実現できる。
【0080】
また、請求項7の発明によると、各々空気供給系が独立しているので、雰囲気ごとの燃焼制御が容易である。
【0081】
また、請求項2,3の発明では、被加熱物を無酸化雰囲気あるいは酸化雰囲気のいずれかで被うことができると共に、更に請求項5の発明ではその雰囲気のまわりで起こる完全燃焼による熱をふく射で受けるため加熱効率を落とさずに特定雰囲気下での加熱を実現できる。
【0082】
また、請求項12の発明によると、空気不足の燃焼によって形成された雰囲気と空気過剰の燃焼によって形成された雰囲気とが炉内で確実に混じり合ってアフターバーニングを起こさせる。したがって、蓄熱体で燃焼することがなく、蓄熱体を損傷させることがない。しかも、それは、被加熱物を覆う雰囲気の外あるいはその周辺で起こり、被加熱物の周りの雰囲気成分を変えることがない。
【0083】
また、請求項1,4記載のバーナ装置では、空気比制御手段は各バーナスロート内の燃焼用空気の流速を調整可能である。このため、各バーナスロートの前方に設定される領域の広さをコントロールすることができ、炉内被加熱物の大きさ等に応じてその周りに設定される領域の広さを調整することができる。
【0084】
更に、請求項13の発明では、個々のバーナシステム毎に燃焼を制御すれば足りるので、燃焼制御が容易である。
【0085】
また、請求項14記載のバーナシステムでは、前記バーナ装置を対にして炉に配設し、各バーナ装置を交互に作動させて交換燃焼を実施する。したがって、熱効率の良いリジェネレーティブバーナシステムにおいても、炉内雰囲気の酸素濃度を部分的に調整でき、また、システム全体では濃淡燃焼を実施することになるので、NOx発生の抑制を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓄熱式バーナシステムの第1の実施例を示す概略構成図である。
【図2】図1のバーナシステムをに適用される空気比制御機構の詳細を示す図である。
【図3】本発明を適用したバーナシステムの空気比制御機構を示し、図1の空気比制御機構の他の実施例を示す概略構成図である。
【図4】本発明を適用したバーナシステムの空気比制御機構を示し、図3の空気比制御機構のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
【図5】本発明を適用したバーナシステムの第2の実施例を示す概略構成図である。
【図6】図5のバーナシステムを構成する空気比制御機構を示す概略構成図である。
【図7】図6の空気比制御機構の他の実施例を示す概略構成図である。
【図8】本発明の蓄熱型バーナシステムの他の実施例を示す概略構成図である。
【図9】図5のバーナシステムを他のタイプのバーナシステムと組み合わせて使用する場合の例を示す斜視図である。
【図10】従来のバーナシステムの概略構成図である。
【符号の説明】
1,71 バーナシステム
3,73 バーナ
5,77,81 空気比制御機構
7 炉
9 蓄熱体
11,75 バーナスロート
13 燃料ノズル
17 空気供給系
37 流量調節板
39 調節板駆動手段
41 制御スイッチ手段
63 流量制御弁
Claims (14)
- 蓄熱体を備えこの蓄熱体に対する排ガス及び燃焼用空気の流れを相対的に切り替えることによって該蓄熱体を通して燃焼用空気の供給と排ガスの排出とを交互に行い排ガスの温度に近い高温の燃焼用空気を供給して燃焼させ炉内に火炎を噴出させる複数のバーナスロートを設け、前記各バーナスロートに分配される燃焼用空気の噴射速度を各バーナスロート毎に調整可能として、各バーナスロート毎には空気不足あるいは空気過剰の空気比となり全体としては適正空気比となる量の燃焼用空気を前記バーナスロートに供給し、各バーナスロートごとに異なる空気比で燃焼させ、炉内に酸化性、弱酸化性あるいは無酸化性などといった性状の異なる複数の雰囲気を部分的に形成しつつ全体としては適正空気比で完全燃焼させることを特徴とする蓄熱型バーナシステム。
- 燃焼用空気のみを供給する場合を含めて空気過剰で燃焼させるバーナスロートと空気不足で燃焼させるバーナスロートとを各々設け、被加熱物の周りではいずれか一方の雰囲気を形成することを特徴とする請求項1記載の蓄熱型バーナシステム。
- 蓄熱体を備えこの蓄熱体に対する排ガス及び燃焼用空気の流れを相対的に切り替えることによって該蓄熱体を通して燃焼用空気の供給と排ガスの排出とを交互に行い排ガスの温度に近い高温の燃焼用空気を供給して燃焼させ炉内に火炎を噴出させる複数のバーナスロートを設け、各バーナスロート毎には空気不足あるいは空気過剰の空気比となり全体としては適正空気比となる量の燃焼用空気を前記バーナスロートに供給し、各バーナスロートごとに異なる空気比で燃焼させ、燃焼用空気のみを供給する場合を含めて空気過剰で燃焼させるバーナスロートと空気不足で燃焼させるバーナスロートとを各々設け、炉内に酸化性、弱酸化性あるいは無酸化性などといった性状の異なる複数の雰囲気を部分的に形成しつつ全体としては適正空気比で完全燃焼させ、被加熱物の周りでは無酸化雰囲気あるいは酸化雰囲気のうち前記被加熱物に適した雰囲気に制御することを特徴とする蓄熱型バーナシステム。
- 前記各バーナスロートに分配される燃焼用空気の噴射速度を各バーナスロート毎に調整可能としたことを特徴とする請求項3記載の蓄熱型バーナシステム。
- 前記被加熱物を被う雰囲気の周りで全体として均一な空気比となったときにアフターバーニングを起こし完全燃焼させ、前記被加熱物の周りの雰囲気を乱さずに、当該完全燃焼の際の燃焼熱をふく射によって被加熱物に与えることを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載の蓄熱型バーナシステム。
- 前記複数のバーナスロートに単一の空気供給系を接続して、全体としては適正空気比となる量の燃焼用空気を各バーナスロートに分配して供給し、各バーナスロート毎に異なる空気比とすることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の蓄熱型バーナシステム。
- 各々独立した空気供給系を有する複数のバーナシステムによって前記複数のバーナスロートが形成され、前記各バーナに供給される燃焼用空気の総量と燃料の総量とが適正空気比となる範囲で、各バーナ毎に異なる空気比とすることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の蓄熱型バーナシステム。
- 前記各バーナスロート毎に噴射される燃料量を一定にして前記各バーナスロートごとに異なる量の燃焼用空気が分配されることを特徴とする請求項6または7記載の蓄熱型バーナシステム。
- 前記各バーナスロート毎に独立して制御可能な空気量調整手段を備え、前記各バーナスロートの通路面積を互いに異なる値に設定して当該バーナスロート内を流れる燃焼用空気の量を制御することによってバーナスロート毎に空気比を変えることを特徴とする請求項8記載の蓄熱型バーナシステム。
- 前記各バーナスロート毎に分配される空気量を一定にして前記各バーナスロート毎の燃料噴射ノズルから噴射される燃料の量を互いに異なる値に設定して空気比をバーナスロート毎に異ならせることを特徴とする請求項6または7記載の蓄熱型バーナシステム。
- 前記各バーナスロートに供給される燃料と燃焼用空気がそれぞれ各バーナスロート毎に制御されて各バーナスロート毎に異なる空気比に設定可能とされていることを特徴とする請求項6または7記載の蓄熱型バーナシステム。
- 各バーナスロートから噴出させる火炎及び燃焼ガスによって形成される雰囲気が炉内の被加熱物から離れた所で交差するように各バーナスロートの噴射軸を交差させて設置し、被加熱物から離れた処でアフターバーニングゾーンを形成して完全燃焼させることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の蓄熱型バーナシステム。
- 全体として適正空気比の燃焼用空気を複数のバーナスロートに分配して1つのバーナで空気過剰燃焼と空気不足燃焼とを形成する蓄熱型バーナシステムと、空気過剰で燃焼させる蓄熱型バーナシステムと、空気不足で燃焼させる蓄熱型バーナシステムとをそれぞれ少なくとも1組以上組み合わせることを特徴とする請求項1または3記載の蓄熱型バーナシステム。
- バーナを対にして該バーナを短時間に交互に交換燃焼させることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の蓄熱型バーナシステム。
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