JP3611283B2 - ダンパ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非圧縮性の流体がオリフィス孔を通過する際の抵抗により減衰力を発生させるダンパ、およびこのダンパを利用して弁体の急激な閉弁動作を緩和するようにした弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電プラントの主蒸気管路には、緊急時に管路を遮断する逆止弁が設置されている。図6および図7は、主蒸気管路に用いられる従来のスィング式逆止弁1を示している。この逆止弁1は、弁箱2を備えている。弁箱2の内部には、蒸気が流れる通路3が形成されており、この通路3の途中に環状の弁座4が設置されている。
【0003】
弁箱2の内部には、円盤状の弁体5が収容されている。この弁体5は、径方向に延びるアーム6を有し、このアーム6の先端がスピンドル7を介して弁箱2に支持されている。このため、弁体5は、スピンドル7を支点として、弁座4に押し付けられる閉弁位置(図6に実線で示す)と、弁座4から離脱される開弁位置(図6に二点鎖線で示す)とに亘って回動可能に弁箱2に支持されている。
【0004】
なお、スピンドル7の端部は、弁箱2の外方に導出されている。
【0005】
このような逆止弁1は、弁体5を閉弁位置又は開弁位置に回動させる空気式の駆動装置10を備えている。この駆動装置10は、空気シリンダ11を有している。図8の(A)に示すように、空気シリンダ11は、シリンダ本体12と、このシリンダ本体12に同軸状に連結されたスプリングカバー13とで構成されている。この空気シリンダ11の軸線上には、駆動軸15が同軸状に配置されている。駆動軸15は、シリンダ本体12の底壁12aおよびスプリングカバー13の上壁13aに夫々ガイドブッシュ16a,16bを介して軸方向に摺動可能に支持されている。
【0006】
この駆動軸15は、スプリングカバー13の上方に導出された第1の端部15aと、シリンダ本体12の下方に導出された第2の端部15bとを有している。駆動軸15の第1の端部15aは、弁操作機構としてのリンク17を介して上記スピンドル7の導出端に連結されている。そのため、駆動軸15が軸方向に移動されると、この駆動軸15の動きがリンク17により回動運動に変換されてスピンドル7に伝えられ、弁体5が閉弁位置又は開弁位置に回動されるようになっている。
【0007】
空気シリンダ11のシリンダ本体12には、ピストン19が収容されている。ピストン19は、駆動軸15にナット20を介して同軸状に固定されている。ピストン19は、シリンダ本体12の内部をスプリング収容室21と空気室22とに仕切っている。このピストン19の外周面には、シリンダ本体12との摺動部分の気密を保つOリングのようなシール部材23が取り付けられている。
【0008】
スプリング収容室21は、スプリングカバー13の内部に連なっている。このスプリング収容室21にはスプリング25が収容されている。スプリング25は、ピストン19とスプリングカバー13の上壁13aとの間に介在されており、常にピストン19を空気室22に向けて押圧している。
【0009】
空気室22は、供給管26を介して加圧空気を供給する供給源27に接続されており、この供給管26には、常開形の第1の電磁弁28が設置されている。また、供給管26は、第1の電磁弁28の下流側から分岐された排気用の枝管29を有している。この枝管29には、常閉形の第2の電磁弁30が設置されている。
【0010】
このような駆動装置10を有する逆止弁1において、第2の電磁弁30を閉じた状態で第1の電磁弁28を開くと、供給源27の加圧空気が供給管26を介して空気シリンダ11の空気室22に導入される。そのため、空気室22の圧力が増大し、図9に示すように、ピストン19がスプリング25の付勢力に抗してスプリング収容室21に向けて押し上げられる。このピストン19の押し上げ動作に追従して駆動軸15が上方に移動し、この駆動軸15の軸方向の動きは、リンク17によって回動運動に変換された後にスピンドル7に伝えられる。
【0011】
そのため、スピンドル7が図6の時計回り方向に所定の角度範囲に亘って回動され、弁体5が開弁位置に移動される。この結果、弁座4が開放され、通路3に沿って蒸気が流れる。
【0012】
一方、蒸気の流れを緊急に遮断する必要が生じた場合には、第1の電磁弁28を閉じるとともに、第2の電磁弁30を開く。これにより、空気室22に対する加圧空気の供給が停止されるとともに、この空気室22に充填された加圧空気が枝管29および第2の電磁弁30を通じて大気中に排出される。このため、ピストン19の押し上げが解除され、このピストン19は、スプリング25の付勢力を受けて空気室22の方向に強制的に押し下げられる。そして、このピストン19の動きに追従して駆動軸15が下方に移動するとともに、この駆動軸15の軸方向の動きがリンク17を介してスピンドル7に伝えられる。
【0013】
そのため、スピンドル7が図6の反時計回り方向に所定の角度範囲に亘って回動され、弁体5が閉弁位置に移動される。よって、通路3の弁座4が弁体5により閉止され、蒸気の流通が遮断される。
【0014】
ところで、この種の逆止弁1において、弁体5を開閉操作する駆動装置10は、弁体5の急激な閉弁動作、すなわち、弁体5が弁座4に着座する際の衝撃を緩和するためのダンパ33を装備している。
【0015】
図8の(A)や図9に示すように、ダンパ33は、気密容器としての筒状のケーシング34を有している。ケーシング34は、軸方向の一端にフランジ部35を有し、このフランジ部35がシリンダ本体12の底壁12aにボルト36を介して固定されている。ケーシング34は、シリンダ本体12に対し同軸状に位置されており、このケーシング34の内部には、非圧縮性流体としてのオイルが充填されている。
【0016】
駆動軸15の第2の端部15bは、オイルシール37を介してケーシング34の一端を貫通している。この第2の端部15bは、そのまま軸方向に延長されてピストンロッド39を構成しており、このピストンロッド39は、ケーシング34の内部に同軸状に挿入されている。
【0017】
ピストンロッド39の先端には、円盤状のピストン40が取り付けられている。ピストン40は、ケーシング34に軸方向に摺動可能に収容されているとともに、このケーシング34の内部を第1のダンパ室41と第2のダンパ室42とに仕切っている。そして、このピストン40には、第1のダンパ室41と第2のダンパ室42とを連通させるオリフィス孔43が形成されている。
【0018】
このような構成のダンパ33によると、上記弁体5が開弁位置に回動されている状態では、図9に示すように、ピストン40が駆動軸15と一体のピストンロッド39によって第2のダンパ室42の方向に引き上げられており、この第2のダンパ室42の容積が第1のダンパ室41の容積よりも減じられている。
【0019】
ピストン19の押し下げ動作に伴い弁体5が開弁位置から閉弁位置に向けて移動されると、ピストン40が第1のダンパ室41に向けて移動され、この第1のダンパ室41の容積が減じられる。このピストン40が第1のダンパ室41に向けて移動される圧縮動作時には、第1のダンパ室41内のオイルがオリフィス孔43を通じて第2のダンパ室42に流出し、この時に生じるオイルの流動抵抗が減衰力として機能する。この減衰力は、図8の(B)に実線で示すようにピストン40の移動速度の2乗に比例し、このピストン40の移動速度が高い程、減衰力が大きくなる。
【0020】
このことから、ピストン40に働く減衰力は、駆動軸15を押し下げるスプリング25の付勢力に対抗する制動力として作用することになり、その分、開弁位置から閉弁位置に向かう弁体5の閉止速度が遅くなるとともに、弁体5が弁座4に着座する際の衝撃が緩和される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、弁体5に加わる衝撃を緩和するダンパ33において、オイルが流通するオリフィス孔43は、オイルの流れに充分な抵抗を付与するため、その口径が小さく定められている。
【0022】
そのため、オリフィス孔43が何らかの原因により目詰まりを起こす、すなわち、オリフィス孔43にオイル中に含まれる不純物やオイルに混入した異物が詰まった場合には、ピストン40が圧縮動作された時に、第1のダンパ室41内のオイルが第2のダンパ室42に流出することができなくなり、第1のダンパ室41の圧力が異常に高くなる。
【0023】
この結果、図8の(B)に破線で示すように、ピストン40に作用する減衰力(制動力)は、ピストン40の移動速度が低い領域においても急激に増大し、それ故、このピストン40を介して駆動軸15やリンク17に過大な反力が作用することになる。
【0024】
したがって、この過大な反力が原因で駆動装置10の主要な構成要素である駆動軸15が変形したり、リンク17が破損する恐れがあり、ダンパ33の作動の信頼性を高める上でいま一歩改善の余地が残されている。
【0025】
本発明は、このような事情にもとづいてなされたもので、ピストンのオリフィス孔が詰まったとしても、ピストンの圧縮動作時における第1のダンパ室の過剰な圧力上昇を防止することができ、ピストンロッドあるいはこのピストンロッドに連結された主要な構成要素の破損を回避できるダンパの提供を目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
非圧縮性の流体が充填された気密容器と、
この気密容器に挿入され、駆動源の動作に追従して軸方向に移動可能なピストンロッドと、
このピストンロッドに連結され、上記気密容器内を第1のダンパ室と第2のダンパ室とに仕切るとともに、これら第1および第2のダンパ室を連通させるオリフィス孔を有するピストンと、を具備し、
上記ピストンが上記第1のダンパ室に向けて移動する圧縮動作時に、上記第1のダンパ室内の流体を上記オリフィス孔を通じて上記第2のダンパ室に流出させることで減衰力を発生させるようにしたダンパであって、
上記気密容器は、上記第1のダンパ室に連なる圧力逃し口を有し、この気密容器にねじを介してホルダサポートを取り付けるとともに、上記気密容器と上記ホルダサポートとの間に上記圧力逃し口に連なる排出通路を有するホルダを介在させ、このホルダの内部に、上記排出通路を閉塞するとともに上記第1のダンパ室の圧力が予め規定された値に達した時に破裂する破裂板を配置したことを特徴としている。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下本発明の第1の実施の形態を、図1および図2にもとづいて説明する。
【0031】
この第1の実施の形態において、駆動装置10およびダンパ33を含む逆止弁1の基本的な構成は、上記図6ないし図9に記載した従来の構成と同様であるため、この従来と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0032】
図1に示すように、上記ダンパ33のケーシング34は、そのフランジ部35とは反対側に底壁34aを有しており、この底壁34aに第1のダンパ室41に連なる圧力逃し口50が形成されている。
【0033】
ケーシング34の底壁34aには、破裂式の安全装置51が取り付けられている。図2に示すように、安全装置51は、ホルダ52と、このホルダ52に支持された破裂板53とを備えている。
【0034】
ホルダ52は、アッパホルダ52aとロアホルダ52bとに分割されている。アッパホルダ52aおよびロアホルダ52bは、互いに重ね合わされているとともに、複数のねじ54を介して互いに分離可能に結合されている。このホルダ52は、上記圧力逃し口50に連なる排出通路55を有している。排出通路55は、アッパホルダ52aとロアホルダ52bとに跨って形成されており、上記ホルダ52の中央部において、このホルダ52を厚み方向に貫通している。
【0035】
ホルダ52は、ホルダサポート56を介してケーシング34の底壁34aに支持されている。ホルダサポート56は、複数のねじ57を介して底壁34aに連結されており、この底壁34aと協働してホルダ52を挟み込んでいる。そして、ホルダサポート56の中央部には、連通孔58が形成されており、この連通孔58は排出通路55に連なっている。
【0036】
なお、アッパホルダ52aには、ケーシング34の底壁34aに接するOリング59が取り付けられており、このOリング59によって圧力逃し口50と排出通路55との接続部分が液密にシールされている。
【0037】
上記破裂板53は、薄くて柔らかい箔にて構成されている。この破裂板53は、ドーム状の受圧部53aと、この受圧部53aの周縁に連なるフランジ状の挟持部53bとを備えている。破裂板53は、その挟持部53bをアッパホルダ52aとロアホルダ52bとの間で挟み込むことで、ホルダ52の内部に一体的に組み込まれている。破裂板53の受圧部53aは、ドームの頂点を連通孔58に向けた姿勢で排出通路55に介在されている。そのため、受圧部53aは、排出通路55を常に閉塞しており、常に排出通路55や圧力逃し口50を通じて第1のダンパ室41の圧力を受けている。
【0038】
破裂板53は、受圧部53aに加わる圧力が予め規定された値に達した時に破裂するような特性を有している。この受圧部53aの固有の設定破壊圧力は、第1のダンパ室41の圧力が過剰となった時に、ピストン40を介して駆動軸15やリンク17に加わる反力およびこれら駆動軸15やリンク17の機械的強度に基づいて適宜定められている。
【0040】
このような構成の第1の実施の形態において、ピストン40のオリフィス孔43が何らかの原因により詰まった場合に、弁体5の閉弁動作に伴ってピストン40が第1のダンパ室41に向けて圧縮動作されると、第1のダンパ室41の容積が減じられるにも拘わらず、この第1のダンパ室41内のオイルがオリフィス孔43を通じて第2のダンパ室42に逃げることができなくなる。
【0041】
このため、第1のダンパ室41の圧力が急激に増大し、ピストン40を通じて駆動軸15やリンク17に作用する反力が、これら駆動軸15やリンク17の機械的強度を上回ることがあり得る。
【0042】
しかるに、上記構成によると、ダンパ33のケーシング34に第1のダンパ室41に連なる圧力逃し口50を形成するとともに、この圧力逃し口50を破裂板53により閉塞したので、第1のダンパ室41の圧力が破裂板53の設定破壊圧力を上回るような過剰な値となると、破裂板53の受圧部53aが破裂する。この破裂により、第1のダンパ室41内のオイルが圧力逃し口50や排出通路55を介してケーシング34の外方に流出し、第1のダンパ室41の圧力上昇が解消される。
【0043】
したがって、ピストン40の圧縮動作時に駆動軸15やリンク17に加わる反力が、これら駆動軸15やリンク17の機械的強度以下となるように上記破裂板53の設定破壊圧力を規定すれば、駆動軸15やリンク17にその強度を上回るような過剰な反力が作用することはなく、これら駆動軸15やリンク17を過剰圧力から保護することができる。
【0044】
よって、逆止弁1や駆動装置10の主要な構成要素の損傷を未然に防止することができ、ダンパ33の信頼性が向上する。
【0045】
なお、本発明は、上記第1の実施の形態に特定されるものではなく、図3に本発明の第2の実施の形態を示す。
【0046】
この第2の実施の形態は、第1のダンパ室41の過剰な圧力上昇を防止するための構成が第1の実施の形態と相違しており、それ以外の逆止弁1、駆動装置10およびダンパ33の基本的な構成については上記第1の実施の形態と同様である。そのため、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成部分には、第1の実施の形態と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0047】
図3に示すように、ダンパ33の圧力逃し口50には、ケーシング34の外方に延びる管路60が接続されている。そして、この管路60の下流端には、第1のダンパ室41の圧力を逃す安全弁61が設置されている。安全弁61は、第1のダンパ室41の圧力が過剰となった時に自動的に開弁動作されるもので、この安全弁61が開く際の吹き始め圧力は、ピストン40を介して駆動軸15やリンク17に加わる反力およびこれら駆動軸15やリンク17の機械的強度に基づいて適宜定められている。
【0048】
このような構成の第2の実施の形態において、第1のダンパ室41の圧力が安全弁61の吹き開き始め圧力に相当する過剰な値にまで上昇すると、この安全弁61が自動的に開き始める。これにより、第1のダンパ室41内のオイルが圧力逃し口50、管路60および安全弁61を介してケーシング34の外方に流出し、第1のダンパ室41の圧力上昇が解消される。
【0049】
このため、ピストン40の圧縮動作時に駆動軸15やリンク17に作用する反力が、これら駆動軸15やリンク17の機械的強度以下となるように安全弁61の吹き始め圧力を設定すれば、駆動軸15やリンク17にその強度を上回るような過剰な反力が作用することはない。したがって、駆動軸15やリンク17を過剰圧力から保護することができ、逆止弁1や駆動装置10の主要な構成要素の損傷を未然に防止することができる。
【0050】
また、安全弁61の吹き始め圧力は、任意に変更が可能であるから、第1のダンパ室41の最大許容圧力を駆動軸15やリンク17の強度に基づいて自由に変更することができる。
【0051】
図4および図5は、本発明の第3の実施の形態を開示している。
【0052】
この第3の実施の形態は、第1のダンパ室41の過剰な圧力上昇を防止するための構成が第1の実施の形態と相違しており、それ以外の逆止弁1、駆動装置10およびダンパ33の基本的な構成については上記第1の実施の形態と同様である。そのため、第3の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成部分には、第1の実施の形態と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0053】
図4および図5に示すように、ダンパ33のピストン40は、連通孔70を有している。連通孔70は、オリフィス孔43とは別な位置で第1のダンパ室41と第2のダンパ室42とを互いに連通させており、この連通孔70の口径は、オリフィス孔43の口径よりも大きく定められている。
【0054】
連通孔70は、第1のダンパ室41への開口部分に口径が拡大された収容部71を有している。そして、この収容部71に上記第1の実施の形態と同様の構成を有する安全装置51が取り付けられている。
【0055】
安全装置51は、そのアッパホルダ52aとロアホルダ52bとを連結するねじ54を利用して上記ピストン40の収容部71に取り外し可能に支持されている。ホルダ52の排出通路55は、第1のダンパ室41に直接開口されているとともに、連通孔70を介して第2のダンパ室42に連なっている。このため、排出通路55を閉じている破裂板53の受圧部53aは、常に第1のダンパ室41の圧力を受けている。
【0056】
このような構成の第3の実施の形態において、第1のダンパ室41の圧力が破裂板53の設定破壊圧力を上回るような過剰な値となると、破裂板53の受圧部53aが破裂し、排出通路55およびピストン40の連通孔70が開かれる。そのため、第1のダンパ室41内のオイルが排出通路55や連通孔70を介して第2のダンパ室42に流出し、この第1のダンパ室41の圧力上昇が解消される。
【0057】
したがって、ピストン40の圧縮動作時に駆動軸15やリンク17に作用する反力が、これら駆動軸15やリンク17の機械的強度以下となるように破裂板53の設定破壊圧力を規定すれば、駆動軸15やリンク17にその強度を上回るような過剰な反力が作用することはない。よって、駆動軸15やリンク17を過剰圧力から保護することができ、逆止弁1や駆動装置10の主要な構成要素の損傷を未然に防止することができる。
【0058】
しかも、この構成によると、破裂板53はピストン40に支持されているので、この破裂板53の受圧部53aが破裂した場合でも、第1のダンパ室41内のオイルは、第2のダンパ室42に戻される。そのため、第1のダンパ41内のオイルがケーシング34の外方に流出することはなく、このオイルの回収作業が不要となるといった利点がある。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述した本発明のダンパによれば、ピストンの圧縮動作に伴って第1のダンパ室の圧力が破裂板の設定破壊圧力を上回るような過剰な値となると、破裂板が破壊して排出通路が開かれるので、第1のダンパ室内の流体が圧力逃し口や排出通路を介して気密容器の外方に流出し、第1のダンパ室の圧力上昇が解消される。
この結果、減衰力を発生させるピストンの圧縮動作時において、ピストンロッドや駆動源に過剰な反力が加わるのを防止でき、これらピストンロッドや駆動源の破損を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るダンパを装備した駆動装置の断面図。
【図2】ダンパのケーシングに取り付けられた安全装置を拡大して示す断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るダンパを装備した駆動装置の断面図。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るダンパを装備した駆動装置の断面図。
【図5】ダンパのピストンに取り付けられた安全装置を拡大して示す断面図。
【図6】従来の駆動装置を有するスィング式逆止弁の断面図。
【図7】従来の駆動装置を有するスィング式逆止弁の正面図。
【図8】(A)は、従来のダンパを装備した駆動装置において、ピストンが第1のダンパ室に移動された状態を示す断面図。
(B)は、ピストンの移動速度と減衰力(反力)との関係を示す特性図。
【図9】ピストンが第2のダンパ室に移動された状態を示す断面図。
【符号の説明】
10…駆動源、33…ダンパ、34…気密容器(ケーシング)、39…ピストンロッド、40…ピストン、41…第1のダンパ室、42…第2のダンパ室、43…オリフィス孔、50…圧力逃し口、52…ホルダ、53…破裂板、55…排出通路、56…ホルダサポート、57…ねじ。
Claims (1)
- 非圧縮性の流体が充填された気密容器と、
この気密容器に挿入され、駆動源の動作に追従して軸方向に移動可能なピストンロッドと、
このピストンロッドに連結され、上記気密容器内を第1のダンパ室と第2のダンパ室とに仕切るとともに、これら第1および第2のダンパ室を連通させるオリフィス孔を有するピストンと、を具備し、
上記ピストンが上記第1のダンパ室に向けて移動する圧縮動作時に、上記第1のダンパ室内の流体を上記オリフィス孔を通じて上記第2のダンパ室に流出させることで減衰力を発生させるようにしたダンパにおいて、
上記気密容器は、上記第1のダンパ室に連なる圧力逃し口を有し、この気密容器にねじを介してホルダサポートを取り付けるとともに、上記気密容器と上記ホルダサポートとの間に上記圧力逃し口に連なる排出通路を有するホルダを介在させ、このホルダの内部に、上記排出通路を閉塞するとともに上記第1のダンパ室の圧力が予め規定された値に達した時に破裂する破裂板を配置したことを特徴とするダンパ。
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