JP3970961B2 - 機能停止安全形の液圧逃し/ダンプ弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に被加圧装置の技術及びその被加圧装置がターン・オフされた時に圧力を逃す方法に関し、特に高温液体接着剤をスプレする為に使用される被加圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、被加圧装置はホットメルト接着剤のような被加圧材料をスプレする為に使用されている。これらの被加圧装置の或る部分は、その被加圧装置がターン・オフ、即ち不作動状態にされた後も加圧状態のままであった。そこで、そのシステムを手動操作で開放することによって、又は装置内の圧力が臨界高レベルに達した時にのみ働く圧力逃し弁によって、圧力を逃すことが必要であった。
【0003】
このような被加圧領域をそのままにしておくと、作業員にとって危険であり、又は物的損害を生ずる恐れがある。更に、装置のターン・オフ時に圧力を逃すことを要求する法的な安全要件を遵守することも必要である。
【0004】
本発明は、装置が不作動にされた時の状況に対応した新規かつ改良された圧力逃しダンプ弁の開発に基づくものである。本発明は、構成が簡単でかつ使用が効果的であり、上述の問題やその他の問題を解決して全体として良好なかつ利便性の高い結果を得るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、装置がターン・オフされた時にその装置の内の圧力を逃す為に既存の被加圧装置に取付けることができる新規かつ改良された圧力逃しダンプ弁を提供する。
【0006】
更に詳述すると、本発明によると圧力逃しダンプ弁は被加圧装置の一部であり、この被加圧装置は貯蔵タンクと、この貯蔵タンクに隣接するマニホールドと、マニホールドに取付けられ、高温液体接着剤をスプレするスプレ手段と、装置がターン・オフされた時に圧力を逃す上記ダンプ弁とを具備し、このダンプ弁は逃しポートとこの逃しポートを開閉する閉止手段とを有し、上記逃しポートは高温液体接着剤を貯蔵タンクに戻すことができる。
【0007】
本発明の別の態様によると、ダンプ弁は、第1のシリンダと、この第1のシリンダ内に配置されたピストンと、このピストンに取付けられた第1のスプリングと、この第1のスプリングの周囲の空気を通気できるように配置された通気手段と、ピストンに圧縮空気を供給する空気手段と、を具備し、ピストンは、圧縮空気が空気手段によってピストンに加えられた時に閉止手段を動かして閉止させ、第1のスプリングは、圧縮空気の供給が除去された時にピストンに作用して閉止手段を開放する。
【0008】
本発明の一つの利点は、装置がターン・オフされた時に機械的にその装置から圧力を逃すことができることである。
【0009】
本発明の別の利点は、被加圧装置の既存の逃しポート内に嵌合又は螺合することができることである。
【0010】
本発明の更に別の利点は、故障等の場合に圧力を解放することによって、安全な状態で機能停止することができる点である。
【0011】
本発明の更に別の利点は、被加圧システムの安全性を一層高めることができる点である。
【0012】
本発明の更に別の利点は、装置がターン・オフした時に被加圧装置から圧力を逃す現在の方法を単純化できる点である。
【0013】
本発明のその他の利点や効果は、当業者には以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
尚、図面において、同様の部品は同様の参照番号が付されている。
【0014】
【発明の実施の形態】
添付の図面は本発明の好適実施例を単に例示する為のものであり、本発明を限定する目的のものではない。図1は、マニホールド44を示し、このマニホールド44は、ホットメルト接着剤のような被加圧流体を吐出する装置の一部を構成している。ダンプ弁10は本発明に従いマニホールド44に取付けられている。このダンプ弁10はハウジング11を具備し、このハウジング11内にはピストン12が配置されている。このピストン12はピストン・シリンダ14内において第1の位置から第2の位置まで移動する。尚、ピストン12は、ピストン・シリンダ14に取付けられた空気管16を介して加圧手段(不図示)によって供給される被加圧空気によって、一方向に付勢されている。好適実施例にあっては、加圧手段は主ユニット・ソレノイド(不図示)である。ピストン12は、接続ロッド20によってピストン12に接続されたプランジャ18を押してマニホールド44の圧力逃しポート22を閉止する。
【0015】
装置が不使用の時、又は不作動の時、又はターン・オフの時には、被加圧空気は供給されない。スプリング24はピストン・シリンダ14内に配置され、ピストン12に取付けられており、ピストン12を上方(図1)に押圧し、これによってプランジャ18を圧力逃しポート22から外れるように引張る。これにより、被加圧接着剤が逃しシリンダ26に流出して出口ポート28を通って、好適実施例ではタンク管30を介して貯蔵タンク(不図示)に戻る。逃しシリンダ26とピストン・シリンダ14とはシール32によって分離されている。
【0016】
図2は、本発明の別の実施例を示したもので、接続ロッド20がニードル弁34に接続されている。図示の実施例では、装置の運転時にはニードル弁34は出ポート28を閉止している。圧力逃しポート22は常時開放されているので、被加圧材料は装置の運転中、逃しシリンダ26内に流入している。装置がターン・オフされてピストン12への圧縮空気の供給が断たれると、スプリング24がピストン12を押してニードル弁34を開弁し、これによって、被加圧材料が出口ポート28を通ってタンク管30を介して貯蔵タンク(不図示)に流れる。
【0017】
図3は図2に示した本発明の別の実施例を示したもので、接続ロッド20がボール弁36に接続され、このボール弁36は装置の運転時、出口ポート28を閉止している。
【0018】
図4は本発明の別の好適実施例を示したもので、ダンプ弁10が圧力逃し弁38に取付けられ、この圧力逃し弁38は装置の運転中、導管72を介して臨界高圧を解放する。ダンプ弁10と圧力逃し弁38は、高温液体接着剤用の貯蔵タンク40の内部に位置している。圧力逃し弁38は取付け手段、好適実施例ではネジ42を有し、このネジ42は装置のマニホールド44に螺合される。
【0019】
図4において、圧力逃し弁38はボール弁48に隣接するスプリング46を具備する。圧力逃し弁38は更にシリンダ50を有し、このシリンダ50は狭部52を有する。通常運転時にはボール弁48は狭部52をシールしている。シリンダ50及びマニホールド44内の被加圧材料の圧力が、スプリング46のバネ定数に関連する臨界レベルを越えると、上記圧力によってボール弁48が開弁され、これによって、被加圧の高温接着剤が狭部52を通り、更に逃しポート72からこのシステムの外へ出て貯蔵タンク40に流入する。上記圧力が臨界レベルよりも降下すると、スプリング46はボール弁48を閉弁し、これによって、狭部52と逃しポート72とがシールされる。
【0020】
圧力逃し弁38は、静止ハウジング56内に位置し、固着具を更に具備する。この固着具は、本好適実施例にあってはネジ42の反対側の端に位置する六角ボルト部58である。圧力逃し弁38と六角ボルト部58とネジ42とは、静止ハウジング56内で回転可能である。換言すると、静止ハウジング56が回転しない状態で圧力逃し弁38と六角ボルト部58とを回転することによって、圧力逃し弁38がマニホールド44内に螺合される。圧力逃し弁38とハウジング56との間からの被加圧材料の漏洩を防止する為にOリング・シール60が設けられている。
【0021】
圧力逃しポート22と圧力逃し弁38のシリンダ50とは、静止ハウジング56を貫通する管62によって接続されている。スプリング24の周囲のピストン・シリンダ14の領域を通気する為に通気孔64が設けられている。好適実施例では、スノーケル66が通気用に設けられている。
【0022】
いくつかの代表的な実施例及び詳細構成が本発明の例示の為に図示されたが、当業者にとっては、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変形例や変更例を考え得ることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダンプ弁及び被加圧装置本体を示した断面図。
【図2】ダンプ弁の別の実施例を示した図。
【図3】弁の別の実施例を示した拡大図。
【図4】被加圧装置に取付けられた圧力逃し弁及びダンプ弁を示した断面図。
【符号の説明】
10 ダンプ弁
12 ピストン
16 空気管
18 プランジャ
22 逃しポート
24 スプリング
26 逃しシリンダ
38 逃し弁
40 貯蔵タンク
44 マニホールド
Claims (8)
- 加圧されたホットメルト接着剤の圧力を逃す装置であって、
ホットメルト接着剤を貯蔵するための貯蔵タンクと、
前記貯蔵タンクに作動的に関連するマニホールドと、
前記ホットメルト接着剤を加圧するための加圧手段と、
前記加圧手段がターン・オフされたときに前記加圧されたホットメルト接着剤の圧力を逃すダンプ弁と、
前記ダンプ弁に取り付けられた圧力逃し弁とを備える装置において、
前記ダンプ弁は、
前記加圧されたホットメルト接着剤の圧力を逃すための逃しポートと、
前記逃しポートを開閉するための閉止手段と、
第一シリンダと、
前記第一シリンダ内に配置され、第一位置と第二位置との間を移動可能なピストンと、
前記ピストンを前記第一位置と前記第二位置との間で移動させるために前記ピストンへ圧縮空気を供給するための空気手段と、
前記ピストンに取り付けられた第一スプリングと、
前記第一スプリングの周囲の空気を通気するように配置された通気手段とを備えており、
前記空気手段により前記ピストンへ圧縮空気が供給されたときに前記ピストンが前記第一位置へ移動して前記閉止手段を閉じ、圧縮空気の供給が断たれたときに前記第一スプリングが前記ピストンを前記第二位置へ移動させて前記閉止手段を開き、
前記圧力逃し弁は、
第一部分、第二部分、及び第三部分を有し、前記第二部分が前記第一部分よりも狭く構成された第二シリンダと、
前記第一部分に配置された第二スプリングと、
前記第二スプリングに取り付けられ、前記第二部分を閉じることができる大きさの直径を有するボール弁と、
前記第一部分に設けられた圧力逃しポートとを備えており、
前記第二部分及び前記第三部分内の前記加圧されたホットメルト接着剤の圧力が前記第二スプリングのバネ定数に関連する特定圧力レベルよりも低いときに、前記第二スプリングが前記加圧されたホットメルト接着剤の圧力に抗して前記ボール弁を閉じ状態に保持し、前記加圧されたホットメルト接着剤の圧力が予め定められた圧力に達したときに、前記ボール弁が開き、前記圧力逃しポートを通して前記加圧されたホットメルト接着剤の圧力を逃すことができることを特徴とする装置。 - 前記装置は、前記ダンプ弁と前記圧力逃し弁とを前記マニホールドに取り付けるためのネジ手段を備え、
前記ネジ手段は、
ハウジングと、
前記第二シリンダと前記ハウジングとの間に配置されているOリング・シールとを備えており、
前記第二シリンダは、前記ハウジングの孔内に選択的に収納可能であり、
前記第二シリンダは、前記ハウジングに対して回転可能であり、
前記第二シリンダは、前記第三部分の一端部にネジ部を有し、前記第一部分の一端部に固着手段を有しており、
前記圧力逃し弁は、前記第二シリンダ内に配置されており、
前記ダンプ弁は、前記ハウジング内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。 - 前記閉止手段は、弁からなり、
前記弁は、前記ピストンに取り付けられており、前記空気手段が作動したときに前記逃しポートを閉じ、
前記弁は、ニードル弁又はボール弁であることを特徴とする請求項2に記載の装置。 - 前記加圧されたホットメルト接着剤が前記貯蔵タンクへ流されることにより前記加圧されたホットメルト接着剤の圧力が逃されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 加圧されたホットメルト接着剤を吐出するための既存の装置に取り付けられるダンプ弁であって、
前記装置は、貯蔵タンクと、マニホールドと、ホットメルト接着剤を加圧するための加圧手段と、前記ダンプ弁に取り付けられた圧力逃し弁とを備え、
前記ダンプ弁は、前記加圧手段がターン・オフされたときに前記加圧されたホットメルト接着剤の圧力を逃すことができ、
前記ダンプ弁は、
前記マニホールドに取り付け可能なハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記貯蔵タンクに接続されかつ連通されている逃しポートと、
前記ハウジング内に配置され、前記逃しポートを開閉するための閉止手段と、
前記逃しポートは、前記加圧されたホットメルト接着剤を逃して前記貯蔵タンクへ戻し、
第一シリンダと、
前記第一シリンダ内に配置され、第一位置と第二位置との間を移動可能なピストンと、
前記ピストンを前記第一位置と前記第二位置との間で移動させるために前記ピストンへ圧縮空気を供給するための空気手段と、
前記ピストンに取り付けられた第一スプリングと、
前記第一スプリングの周囲の空気を通気するように配置された通気手段と、
前記空気手段により前記ピストンへ圧縮空気が供給されたときに前記ピストンが前記第一位置へ移動して前記閉止手段を閉じ、圧縮空気の供給が断たれると前記第一スプリングが前記ピストンを前記第二位置へ移動させて前記閉止手段を開き、
前記圧力逃し弁は、
第一部分、第二部分、及び第三部分を有し、前記第二部分が前記第一部分よりも狭く構成された第二シリンダと、
前記第一部分に配置された第二スプリングと、
前記第二スプリングに取り付けられ、前記第二部分を閉じることができる大きさの直径を有するボール弁と、
前記第一部分に設けられた圧力逃しポートとを備えており、
前記第二部分及び前記第三部分内の前記加圧されたホットメルト接着剤の圧力が前記第二スプリングのバネ定数に関連する特定圧力レベルよりも低いときに、前記第二スプリングが前記加圧されたホットメルト接着剤の圧力に抗して前記ボール弁を閉じ状態に保持し、前記加圧されたホットメルト接着剤の圧力が予め定められた圧力に達したときに、前記ボール弁が開き、前記圧力逃しポートを通して前記加圧されたホットメルト接着剤の圧力を逃すことができることを特徴とするダンプ弁。 - 前記装置は、前記ダンプ弁と前記圧力逃し弁とを前記マニホールドに取り付けるためのネジ手段を備え、
前記ネジ手段は、
ハウジングと、
前記第二シリンダと前記ハウジングとの間に配置されているOリング・シールとを備えており、
前記第二シリンダは、前記ハウジングの孔内に配置されており、
前記第二シリンダは、前記ハウジングに対して回転可能であり、
前記第二シリンダは、前記第三部分の一端部にネジ部を有し、前記第一部分の一端部にボルトを有しており、
前記圧力逃し弁は、前記第二シリンダ内に配置されており、
前記ダンプ弁は、前記ハウジング内に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のダンプ弁。 - 前記閉止手段は、弁からなり、
前記弁は、前記ピストンに取り付けられており、前記空気手段が作動したときに前記逃しポートを閉じ、
前記弁は、ニードル弁又はボール弁であることを特徴とする請求項6に記載のダンプ弁。 - 前記加圧されたホットメルト接着剤が前記貯蔵タンクへ流されることにより前記加圧されたホットメルト接着剤の圧力が逃されることを特徴とする請求項5に記載のダンプ弁。
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