JP3610692B2 - Voltage controlled oscillator - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波やミリ波等の電波を利用する場合に使用する電圧制御発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ波やミリ波等の周波数帯の電波を利用する場合、上記周波数帯の高周波信号を生成する発振器が必要である。一方、高周波信号を周波数変調(FM)する場合には、発振周波数を可変制御可能な発振器として、例えば加える電圧により発振周波数を可変制御する電圧制御発振器(VCO)を用いている。ここで、発振器の基本的構成を図13に示す。図13(a)は帯域通過型の発振器であり、図13(b)は帯域阻止型の発振器である。
【0003】
上記図13(a)、(b)に示すように、発振器1は、信号を増幅する作用を有する負性抵抗回路2と、発振周波数を決める共振回路3とから構成されている。上記負性抵抗回路2には、トランジスタ等の能動素子に正帰還を加えた帰還回路や、素子そのものに負性抵抗を有する素子(例えばガンダイオード)が用いられている。また、共振回路3は、空洞共振器や、誘電体共振器や、平面共振器等から構成されている。更に、帯域通過型の発振器1(図13(a))は、共振回路3側から信号を取り出す発振器であり、帯域阻止型の発振器1(図13(b))は、負性抵抗回路2側から信号を取り出す発振器である。
【0004】
上記構成の発振器の場合、発振の初期においては、負性抵抗回路と共振回路との間を信号が行き来し、負性抵抗回路で強められると共に、共振回路で周波数が選択されることにより、設定周波数で定常発振する状態になる。そして、定常発振時の出力電力は、負性抵抗回路の増幅能力、即ち、負性抵抗の強さに依存する。この負性抵抗の強さは、一般的には、負性抵抗回路の帰還回路のトランジスタの出力端子に近い側からトランジスタ側を見たインピーダンスの抵抗成分で評価する。また、発振器においては、通常、出力電力が高いほど有利であるため、負性抵抗が最大になるように帰還回路を設計している。
【0005】
さて、上記構成の発振器において、発振周波数を可変制御するには、負性抵抗回路または共振回路のいずれかの周波数特性を変化させるように構成すれば良い。ここで、電圧制御発振器の一例(帯域阻止型電圧制御発振器)を図14に示す。この図14に示す電圧制御発振器1においては、共振回路3内に可変容量ダイオード(以下バラクタと称する)4を設け、周波数制御用電圧端子5に加える電圧によりバラクタ4の容量を変動させることにより、共振回路2の共振周波数を変動させ、もって、電圧制御発振器1の発振周波数を可変させるように構成している。
【0006】
上記バラクタ4を用いた電圧制御発振器1においては、制御したい周波数範囲に応じて適切なバラクタ4を選択することにより、周波数範囲を比較的自由に設定することができる。しかし、電圧制御発振器1全体を1つの集積回路で構成して回路を小形化しようとした場合、即ち、モノリシックマイクロ波集積回路(以下MMICと称する)で構成しようとした場合、バラクタ4とトランジスタ(或いはガンダイオード)とは異なる半導体膜構造を用いた素子であるので、電圧制御発振器1全体をMMIC化することは非常に困難であった。
【0007】
これに対して、バラクタを使用しない電圧制御発振器をMMIC化した構成が特開昭62−207006号公報に開示されている。このMMIC化した電圧制御発振器を図15に示す。この図15の構成は、帯域通過型の電圧制御発振器1であり、共振回路2内にトランジスタ例えば電界効果トランジスタ(以下FETと称する)6を設け、周波数制御用電圧端子5から上記FET6に加えるゲートバイアス電圧によりFET6のゲート−ソース間容量を変動させることにより、共振回路3の共振周波数を変動させ、もって、電圧制御発振器1の発振周波数を可変させるように構成している。
【0008】
上記構成の場合、負性抵抗回路2及び共振回路3の両方に、同じ半導体膜構造を用いたトランジスタ(FET)を用いているから、1つの半導体基板上に電圧制御発振器1の全体を集積することが可能となり、MMIC化することが容易となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
さて、電圧制御発振器を周波数変調回路に用いる場合、電圧制御発振器に印加する制御電圧と発振周波数との間に線形性(比例関係)が保持されていることが望ましい。一方、電圧制御発振器を用いて周波数変調を行う場合、従来は、周波数変調幅(振り幅)は数MHz程度であった。そして、この程度の周波数変調を行う限りは、上記した従来構成の電圧制御発振器(バラクタ4を用いた発振器やMMIC化した発振器)で実際の使用上問題がなかった。
【0010】
これに対して、本発明者は、電圧制御発振器の発振周波数の中心周波数を、30GHzまたは60GHz程度に設定すると共に、振り幅を数十MHz以上に設定することを考えた。これと共に、本発明者は、上記周波数帯で発振させる電圧制御発振器をMMIC化することを考えた。そして、これらの要求を実現するために、本発明者は図1に示す電気回路構成の電圧制御発振器11を試作してみた。以下、この電圧制御発振器11について詳細に説明する。(尚、図1は本発明の第1の実施例を示すための電気回路図であるが、上記試作した電圧制御発振器11の電気回路図は図1と回路図的に同じであることから、図1を用いて説明する。また、この試作した電圧制御発振器11は、本発明の出願時においては公知ではない。)
上記電圧制御発振器11は、図1に示すように、負性抵抗回路12と共振回路13とから構成されている。上記負性抵抗回路12は、トランジスタとして例えば高電子移動度トランジスタ(以下HEMTと称する)14と、このHEMT14のソースに直列帰還を加える伝送線路15と、整合回路16と、直流素子用コンデンサ17とから構成されている。この場合、伝送線路15の一端はHEMT14のソースに接続され、他端は接地されている。また、整合回路16は、伝送線路18、スタブ19及び高周波接地用コンデンサ20を直列に接続して構成されている。
【0011】
上記伝送線路18の一端(スタブ19に接続された端子と反対側の端子)は、HEMT14のドレインに接続されている。上記スタブ19と高周波接地用コンデンサ20との接続点が、ドレインバイアスを供給する電圧端子21となっている。また、高周波接地用コンデンサ20の他端は接地されている。更に、伝送線路18とスタブ19との接続点に上記直流素子用コンデンサ17の一端が接続され、この直流素子用コンデンサ17の他端が出力端子22となっている。
【0012】
一方、共振回路13は、伝送線路23及びコンデンサ24を直列接続してなる平面共振器から構成されている。上記伝送線路23の一端(コンデンサ24に接続された端子と反対側の端子)は、HEMT14のゲートに接続されている。伝送線路23とコンデンサ24との接続点が、ゲートバイアスを供給する電圧端子25となっている。このゲートバイアスは、電圧制御発振器11の発振周波数を制御する制御電圧(即ち、直流バイアス電圧)でもある。また、コンデンサ24の他端は接地されている。
【0013】
そして、上記した電圧制御発振器11を構成する各回路要素(即ち、HEMT14、伝送線路15、18、23、スタブ19、コンデンサ17、20、24)は、例えばInP基板上に集積して形成されており、もって、電圧制御発振器11がMMICとして作製されている。この作製(試作)した電圧制御発振器11は、例えば30GHz帯の高周波信号を発振出力するMMICである。
【0014】
また、上記InP基板上に形成されたHEMT14は、InAlAs/歪InGaAsヘテロ構造を用いたHEMTであり、そのゲート長は0.5μmであり、単位ゲート幅は13μmであり、フィンガー数は4本である。また、上記MMICを作製するに際して、伝送線路及びスタブとしては図2に示す構成のコプレーナ線路26を用いた。このコプレーナ線路26は、InP基板27上に配設された信号線28と、この信号線28の両側に配設された接地電極29、29とから構成されている。ここで、信号線28及び接地電極29は例えば金で形成した。そして、信号線28の幅寸法Wsを50μmとし、信号線28と接地電極29との間隔Wgを43μmとした。この場合、上記コプレーナ線路26内における30GHzの高周波信号の波長は、計算によると約3900μmとなった。
【0015】
更に、本発明者は、上記電圧制御発振器11(MMIC)の試作品を作製するに際して、負性抵抗回路12の負性抵抗の強さ(即ち、帰還の強さ)が最大になるように帰還回路を設計した。このように設計した理由は、電圧制御発振器11から発振出力される高周波信号の出力電力を最大にすると共に、出力を安定させるためである。
【0016】
ここで、上記負性抵抗の強さは、HEMT14、コンデンサ20、伝送線路15の各Sパラメータを測定した結果に基づいて計算することにより求めた。具体的には、図1に示す伝送線路15の長さLbを変化させて、HEMT14の出力端子であるドレイン電極からHEMT14側を見たインピーダンスZaを計算することにより、負性抵抗成分の絶対値(|Re(Za)|、但し、Re(Za)<0)を求めた。
【0017】
この計算の結果、Lb=1121μmに設定したとき、負性抵抗が最も強く、即ち、負性抵抗の絶対値が最も大きくなることがわかった。この場合の負性抵抗の値は、Re(Za)=−104Ωであった。そこで、本発明者は、負性抵抗回路12の伝送線路15の長さLbを1121μmに設定し、また、共振回路13の伝送線路23の長さと、整合回路16の伝送線路18及びスタブ19の各長さとを、30GHz帯の高周波信号が発振されるような長さに設定し、電圧制御発振器11(MMIC)の試作品を作製した。
【0018】
そして、本発明者は、上記作製した電圧制御発振器11の電圧(ゲートバイアス)−発振周波数特性を測定した。この場合、電圧端子21に印加するドレインバイアスを2.5Vに設定した。そして、電圧端子25に印加するゲートバイアスを0.20Vから−0.30Vまで細かく変化させながら、発振周波数及び出力電力を測定した。このとき、ゲートバイアスが0.00Vから−0.20Vまでの電圧範囲については、例えば0.01Vきざみでゲートバイアスを特に細かく変化させて測定し、残りの電圧範囲については、例えば0.05Vきざみでゲートバイアスを変化させて測定した。
【0019】
上記測定結果をグラフにしたものが図3である。この図3において、「菱形(四角)の点」は周波数特性を示し、「丸形の点」は出力電力特性を示している。上記図3から、本発明者は、上記試作した電圧制御発振器11には、ゲートバイアスの変化に対して発振周波数が階段状(ステップ状)に変化する特性があることを発見した。尚、出力電力は1〜2dBm程度あることがわかり、出力は十分大きいこと(即ち、最大であること)がわかる。
【0020】
しかし、このように発振周波数が階段状に変化する特性であるということは、制御電圧(ゲートバイアス)に対する発振周波数の変化の線形性が保持されていないことを示している。従って、上記試作した電圧制御発振器11を周波数変調回路に使用することができない。
【0021】
そこで、本発明者は、上述したように作製することにより、MMIC化を実現した電圧制御発振器11において、直流バイアス電圧(ゲートバイアス)と発振周波数とが線形性を有するように構成できないかと考えた。ここで、本発明者は、電圧制御発振器11の負性抵抗回路12における帰還回路の帰還の強さに着目した。そして、帰還回路の帰還の強さが最大であると、発振の安定性が最も高くなること(Q値が最も大きくなること)から、発振周波数が変化し難くなる、換言すると、発振周波数を可変制御し難くなるのではないかと、本発明者は考えた。更に、この考えを進展させて、発振周波数が変化し易いように上記発振の安定性を低下させたら、もしかしたら、制御電圧(ゲートバイアス)と発振周波数とが線形性を有するようになるかもしれないという仮説を、本発明者は立てた。
【0022】
上記仮説を確かめるために、本発明者は、帰還回路の帰還の強さを最大よりも小さくした電圧制御発振器11(MMIC)を作製する実験を行った。そして、この作製した電圧制御発振器11の電圧(ゲートバイアス)−発振周波数特性を測定してみたところ、ゲートバイアスに対する発振周波数の変化の線形性が十分に保持されていることを実際に確認した。この線形性が十分に保持された電圧制御発振器11(MMIC)の具体的構成並びに測定結果については、発明の実施の形態の欄で詳細に説明する。
【0023】
本発明の目的は、MMIC化することが容易に可能な回路構成であると共に、直流バイアス電圧と発振周波数とが線形性を有するように構成した電圧制御発振器を提供するにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の電圧制御発振器は、HEMT及びこのHEMTに正帰還を加える帰還回路からなる負性抵抗回路と、共振回路とを備え、前記HEMTに加える直流バイアス電圧を可変することにより発振周波数を可変制御するように構成され、発振周波数の中心周波数を数十GHz以上に設定したものにおいて、前記負性抵抗回路及び前記共振回路が可変容量ダイオードを有しないように構成されていることにより、前記電圧制御発振器をMMIC化可能な構成とすると共に、前記帰還回路を、前記HEMTと接地電極との間に伝送線路を設ける直列帰還方式で構成し、そして、前記伝送線路の長さを、前記HEMTの出力端子からHEMT側を見た負性抵抗の絶対値が最大になる条件のときの長さよりも、前記伝送線路内の波長の数%に相当する長さの分だけ短くした長さ、または、この短くした長さ以下となるように設定したところに特徴を有するものである。この構成によれば、直流バイアス電圧に対する発振周波数の変化の線形性を十分に保持することができる。
【0025】
本発明の他の電圧制御発振器は、HEMT及びこのHEMTに正帰還を加える帰還回路からなる負性抵抗回路と、共振回路とを備え、前記HEMTに加える直流バイアス電圧を可変することにより発振周波数を可変制御するように構成され、発振周波数の中心周波数を数十GHz以上に設定したものにおいて、前記負性抵抗回路及び前記共振回路が可変容量ダイオードを有しないように構成されていることにより、前記電圧制御発振器をMMIC化可能な構成とすると共に、発振出力を最大よりも小さく設定することにより、前記直流バイアス電圧と前記発振周波数とが線形性を有するように構成したところに特徴を有する。
【0026】
また、上記構成の場合、前記帰還回路の伝送線路を前記HEMTのソース電極と接地電極との間に設け、前記直流バイアス電圧をゲートバイアスとするように構成することが好ましい。更に、前記発振出力を増幅する増幅回路を備え、前記増幅回路を、1個或いは複数個のトランジスタと、これらトランジスタとの整合をとる整合回路とから構成することがより一層好ましい。更にまた、前記帰還回路を、前記HEMTの入力端子と出力端子との間に伝送線路及びコンデンサを設ける並列帰還方式で構成するも良い構成である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例について図1ないし図5を参照しながら説明する。上記第1の実施例の電圧制御発振器の回路構成は、「発明が解決しようとする課題」の欄で説明した本発明者が試作した電圧制御発振器11の回路構成と基本的に同じであり、異なる点は負性抵抗回路12の負性抵抗の強さ(即ち、負性抵抗成分の絶対値)を最大よりも小さく構成するようにした点である。以下、図1に従って第1の実施例の電圧制御発振器11について具体的に説明する。
【0031】
まず、電圧制御発振器11の回路構成について簡単に説明する。即ち、電圧制御発振器11は負性抵抗回路12と共振回路13とから構成され、負性抵抗回路12は、HEMT14と伝送線路15と整合回路16と直流素子用コンデンサ17とから構成されている。整合回路16は、伝送線路18とスタブ19と高周波接地用コンデンサ20とから構成されている。上記スタブ19と高周波接地用コンデンサ20との接続点が、ドレインバイアスを供給する電圧端子21となっている。そして、伝送線路18とスタブ19との接続点に直流素子用コンデンサ17の一端が接続され、この直流素子用コンデンサ17の他端が出力端子22となっている。
【0032】
また、共振回路13は、伝送線路23及びコンデンサ24を有する平面共振器から構成されている。伝送線路23の一端が負性抵抗回路12のHEMT14のゲートに接続されている。伝送線路23とコンデンサ24との接続点が、ゲートバイアスを供給する電圧端子25となっている。このゲートバイアスは、電圧制御発振器11の発振周波数を制御する制御電圧、即ち、直流バイアス電圧でもある。
【0033】
さて、上記した電圧制御発振器11の回路構成において、負性抵抗回路12の負性抵抗の強さを最大よりも小さくした。具体的には、伝送線路15の長さLbを1048μmに設定した。この長さLb=1048μmは、試作した電圧制御発振器の伝送線路の長さLb=1121μm(負性抵抗の強さが最大の条件)よりも約70μm短い長さである。この短縮した長さ(約70μm)は、伝送線路15内の波長の約2%に相当する長さである。尚、伝送線路15内の波長は、計算により求めることができる。本実施例の場合、伝送線路15を図2に示すコプレーナ線路26から構成していることから、コプレーナ線路26の信号線28の幅寸法Wsと、信号線28と接地電極29との間隔Wgと、InP基板27の誘電率とから周知の計算方法で計算した。この計算によると、上記伝送線路15内の波長は約3900μmとなった。
【0034】
そして、上述したように負性抵抗回路12の伝送線路15の長さLbを1048μmに設定した場合、負性抵抗の値は、Re(Za)=−96Ωとなった。これにより、負性抵抗回路12の負性抵抗の強さが最大(Re(Za)=−104Ω)よりもずれて小さくなったことがわかる。換言すると、負性抵抗回路12の帰還回路の帰還の強さを最大よりも小さく設定したことがわかる。
【0035】
尚、負性抵抗回路12の伝送線路15の長さLbを変更すると、共振回路13や整合回路16の条件も変化するため、共振回路13の伝送線路23の長さ、整合回路16の伝送線路18及びスタブ19の各長さを、30GHz帯の高周波信号が発振されるように調整した。また、このような構成の電圧制御発振器11(HEMT14、伝送線路15、18、23、スタブ19、コンデンサ17、20、24)は、InP基板上に集積して形成されており、もって、MMICを構成している。このMMICの実際の回路パターンを図5に示す。この図5における各符号及び引き出し線が示す各構成は、図1において各符号及び引き出し線が示す各構成と同じ構成である。尚、図5において、斜線で示す領域は、コンデンサを示している。
【0036】
さて、上述したように構成した電圧制御発振器11の制御電圧(ゲートバイアス)−発振周波数特性を測定した。この場合、電圧端子21に印加するドレインバイアスを2.5Vに設定した。そして、電圧端子25に印加するゲートバイアスを0.20Vから−0.30Vまで細かく変化させながら、発振周波数及び出力電力を測定した。具体的には、ゲートバイアスを0.01Vきざみで細かく変化させて測定した。
【0037】
上記測定結果をグラフにしたものが図4である。この図4において、「菱形(四角)の点」は周波数特性を示し、「丸形の点」は出力電力特性を示している。上記図4から、第1の実施例の電圧制御発振器11においては、ゲートバイアスの変化に対して発振周波数が線形に変化すること、即ち、ゲートバイアス(直流バイアス電圧)と発振周波数とが極めて良い線形性を有することが明確に確認できた。尚、上記第1の実施例においては、負性抵抗回路12の負性抵抗を弱くしたので、これに伴って、出力電力が−7dB〜−5dB程度の範囲となったこと、即ち、出力電力が小さくなったことがわかる。
【0038】
また、上記実施例では、負性抵抗回路12の伝送線路15の長さLbを伝送線路15内の波長の約2%に相当する長さだけ短くして1048μmに設定するように構成したが、これに限られるものではなく、負性抵抗回路12の伝送線路15の長さLbを上記1048μmよりも更に短く設定しても良い。具体的には、本発明者は、伝送線路15の長さLbを伝送線路15内の波長の約6%に相当する長さだけ短くして891μmに設定した電圧制御発振器(MMIC)11を作製した。そして、この作製した電圧制御発振器11においても、ゲートバイアス(直流バイアス電圧)と発振周波数とが極めて良い線形性を有することが測定により確認された。
【0039】
上記2つの作製品及び試作品の各電圧制御発振器の実験結果をまとめたものが下記の表1である。
【0040】
【表1】
【0041】
この表から明らかなように、伝送線路15の長さLbを短く構成して帰還回路の帰還量を小さくすれば、即ち、帰還回路の負性抵抗の絶対値を小さくすれば、ゲートバイアス(直流バイアス電圧)と発振周波数とが線形性を有することがわかる。尚、上記表によれば、伝送線路15の長さLbを短くしていくと、線形性を失うことはないが、出力電力(発振出力)がどんどん小さくなっていくことがわかる。
【0042】
また、上記表によれば、線形性を有する場合の伝送線路15の長さLbの最大値は、負性抵抗の強さが最大の条件の場合の伝送線路の長さ(Lb=1121μm)よりも伝送線路15内の波長の約2%に相当する長さだけ短くした場合であり、この場合が出力電力が最も大きくなるので、発振器として最も使用し易い。但し、本発明者は、伝送線路15の長さLbを、負性抵抗の強さが最大の条件よりも伝送線路15内の波長の約1%または約1.5%等に相当する長さだけ短くした電圧制御発振器11を作製することはなかったが、このような各長さの伝送線路15を有する電圧制御発振器11を作製して、それぞれについて線形性を有するか否かを確かめることが好ましい。換言すると、今現在、理論的裏付がないので、種々の条件の電圧制御発振器11を実際に作製して該作製したものに線形性があるか否かを実験により確認することによってしか、線形性を有するものと有しないものとの境界条件を見極める方法がないのである。
【0043】
この場合、線形性を有することがわかった場合には、出力電力が大きければ大きいほど発振器として好ましいため、線形性を有する電圧制御発振器(MMIC)のうちで、伝送線路15の長さLbが最も長くなったもの、即ち、帰還回路の帰還の強さが最も大きくなったものを使用することが良い。
【0044】
また、上記実施例では、電圧制御発振器11の発振周波数の中心値を30GHzに設定したが、これに限られるものではなく、発振周波数の中心値を30GHz以上(例えば60GHz)に設定しても良いし、30GHz以下に設定しても良い。
【0045】
更に、上記実施例では、InP基板を使用したが、これに代えて、GaAs基板を使用しても良い。また、上記実施例では、伝送線路をコプレーナ線路により構成したが、マイクロストリップ線路により構成しても良い。更にまた、上記実施例では、負性抵抗回路12のトランジスタをHEMT14により構成したが、これに限られるものではなく、他のFET(電界効果トランジスタ)により構成しても良いし、また、バイポーラトランジスタ(例えばヘテロバイポーラトランジスタ)により構成しても良い。
【0046】
一方、上記実施例では、負性抵抗回路12の伝送線路15の長さを短くすることにより、帰還回路の帰還の強さを最大からずらして小さくするように構成したが、これに限られるものではなく、上記伝送線路15の長さは負性抵抗の強さが最大の条件の場合のままとし、他の伝送線路やスタブの各長さやコンデンサの容量等を調節して発振出力を小さくすることにより、線形性を有するように構成しても良い。また、上記実施例では、共振回路13を平面共振器により構成したが、これに代えて、誘電体共振器やダイオード共振器や空洞共振器等により構成しても良い。
【0047】
図6ないし図8は本発明の第2の実施例を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説明する。尚、第1の実施例と同一部分には、同一符号を付している。上記第2の実施例では、第1の実施例の電圧制御発振器11の発振出力を増幅する増幅回路30を設け、この増幅回路30と上記電圧制御発振器11とを1つのMMICとして構成している。
【0048】
上記増幅回路30は、図6に示すように、入力整合回路31とHEMT32と出力整合回路33とコンデンサ34とから構成されている。上記入力整合回路31は、伝送線路35、スタブ36及びコンデンサ37を直列接続して構成されている。この場合、伝送線路35とスタブ36の接続点を電圧制御発振器11の出力端子(直流阻止用コンデンサ17の他端)に接続している。また、伝送線路35の一端(スタブ36に接続する端子と反対側の端子)をHEMT32のゲートに接続している。そして、コンデンサ37の一端(スタブ36に接続する端子と反対側の端子)を接地している。更に、上記スタブ36とコンデンサ37の接続点を、HEMT32のゲートバイアスを供給する電圧端子38としている。
【0049】
また、出力整合回路33は、伝送線路39、スタブ40及びコンデンサ41を直列接続して構成されている。この場合、伝送線路39とスタブ40の接続点をコンデンサ34の一端に接続している。また、伝送線路39の一端(スタブ40に接続する端子と反対側の端子)をHEMT32のドレインに接続している。そして、コンデンサ41の一端(スタブ40に接続する端子と反対側の端子)を接地している。更に、上記スタブ40とコンデンサ41の接続点を、HEMT32のドレインバイアスを供給する電圧端子42としている。
【0050】
そして、HEMT32のソースを接地している。このHEMT32は、負性抵抗回路12のHEMT14と同一の半導体膜構造で構成されている。そして、HEMT32は、そのゲート長が0.5μmに、単位ゲート幅が25μmに、フィンガー数が2本に設定されている。また、コンデンサ34の他端(伝送線路39とスタブ40の接続点に接続する端子と反対側の端子)を増幅回路30の出力端子43としている。この出力端子43から、増幅された発振出力を取り出す構成となっている。
【0051】
更に、入力整合回路31及び出力整合回路33は、30GHz帯での利得が最大になるように構成されており、いわゆる利得整合がとられている。また、増幅回路30の伝送線路35、39及びスタブ36、40は、電圧制御発振器11(負性抵抗回路12及び共振器13)の伝送線路及びスタブと同様にしてコプレーナ線路26により構成されている。
【0052】
そして、このような構成の増幅回路30及び電圧制御発振器11は、InP基板上に集積して形成されており、もって、1つのMMICを構成している。このMMICの実際の回路パターンを図7に示す。この図7における各符号及び引き出し線が示す各構成は、図6において各符号及び引き出し線が示す各構成と同じ構成である。尚、図7において、斜線で示す領域は、コンデンサを示している。
【0053】
さて、上述したように構成したMMIC(電圧制御発振器11及び増幅回路30)の制御電圧(ゲートバイアス)−発振周波数特性を測定した。この場合、電圧制御発振器11のHEMT14のドレインバイアス(電圧端子21に印加する電圧)を2.5Vに設定した。また、増幅回路30のHEMT32のゲートバイアス(電圧端子38に印加する電圧)を0Vに設定した。更に、上記HEMT32のドレインバイアス(電圧端子42に印加する電圧)を2.5Vに設定した。そして、電圧端子25に印加するゲートバイアス(直流バイアス電圧)を0.00Vから−0.40V程度まで細かく、具体的には、0.01Vきざみで変化させながら、発振周波数及び出力電力を測定した。
【0054】
上記測定結果をグラフにしたものが図8である。この図8において、「菱形(四角)の点」は周波数特性を示し、「丸形の点」は出力電力特性を示している。上記図8から、第2の実施例においても、ゲートバイアスの変化に対して発振周波数が線形に変化すること、即ち、ゲートバイアス(直流バイアス電圧)と発振周波数とが極めて良い線形性を有することが明確に確認された。更に、上記第2の実施例においては、出力電力が1dB〜2dB程度の範囲となったこと、即ち、高い出力電力が得られたことがわかる。
【0055】
尚、上記第2の実施例では、電圧制御発振器11と増幅回路30とを1つのMMICとして構成したが、これに限られるものではなく、例えばミキサや周波数逓倍器やパワーアンプ等の回路を電圧制御発振器11(または電圧制御発振器11と増幅回路30を一緒にしたもの)と一緒にして1つのMMICとして構成しても良い。
【0056】
図9は本発明の第3の実施例を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説明する。尚、第1の実施例と同一部分には、同一符号を付している。上記第3の実施例では、第1の実施例の伝送線路15を設けることを止めて、即ち、HEMT14のソースを直接接地するように構成し、そして、HEMT14のゲートとドレインとの間に、伝送線路44及びコンデンサ45を直列に接続するように構成した。これにより、負性抵抗回路12において並列帰還方式で帰還を加えるように構成している。
【0057】
上記構成の場合、伝送線路44の長さを変更すると共に、コンデンサ45の容量を変更することにより、帰還回路の帰還の強さを最大よりも弱くするように調整することができる。即ち、上記伝送線路44の長さ及びコンデンサ45の容量の調整により、ゲートバイアス(直流バイアス電圧)と発振周波数とが線形性を有するように構成することが可能である。尚、この第3の実施例のように並列帰還方式で帰還を加える構成に比べて、第1または第2の実施例のように直列帰還方式で帰還を加える構成の方が、帰還回路の帰還の強さの調整が簡単であり、設計を行い易い。
【0058】
図10は本発明の第4の実施例を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説明する。尚、第1の実施例と同一部分には、同一符号を付している。上記第4の実施例では、共振回路13の中にHEMT46を設け、このHEMT46のゲートに加えるバイアス電圧によりゲートの容量を変化させて、発振周波数を可変させるように構成している。
【0059】
具体的には、HEMT46のドレインとソースを接地し、HEMT46のゲートを、伝送線路47及びコンデンサ48の直列回路を介して接地している。上記伝送線路47とコンデンサ48との接続点を、ゲートバイアス(制御電圧または直流バイアス電圧)を加える電圧端子49としている。そして、HEMT46のゲートを、伝送線路23とコンデンサ24との接続点にコンデンサ50を介して接続している。
【0060】
また、負性抵抗回路12のHEMT14のゲートに、バイアス供給回路51を接続している。このバイアス供給回路51は、伝送線路52及びコンデンサ53を直列に接続して構成されている。伝送線路52の一端(コンデンサ53と接続される端子と反対側の端子)は、HEMT14のゲート及び共振回路13の伝送線路23に接続されている。コンデンサ53の一端(伝送線路52と接続される端子と反対側の端子)は接地されている。伝送線路52とコンデンサ53との接続点は、バイアスを供給する電圧端子54となっている。
【0061】
尚、上述した以外の第4の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、上記第4の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
【0062】
また、上記第4の実施例の共振回路13においては、HEMT46に代えて、図11に示す構成の可変容量ダイオード(バラクタ)55を用いるように構成しても良い。この第5の実施例の場合も、制御電圧によりバラクタ55の容量を変化させることにより、発振周波数を可変させることができ、上記第4の実施例と同じ作用効果を得ることができる。
【0063】
図12は本発明の第6の実施例を示すものであり、第4の実施例と異なるところを説明する。尚、第4の実施例と同一部分には、同一符号を付している。上記第6の実施例では、第4の実施例の負性抵抗回路12に、第3の実施例の負性抵抗回路、即ち、並列帰還方式の負性抵抗回路を用いるように構成している。これ以外の第6の実施例の構成は、第4の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、上記第6の実施例においても、第4の実施例と同じ作用効果を得ることができる。
【0064】
また、上記第6の実施例の共振回路13において、HEMT46に代えて、図11に示す構成の可変容量ダイオード(バラクタ)55を用いるように構成しても良い。この構成の場合も、制御電圧によりバラクタ55の容量を変化させることにより、発振周波数を可変させることができ、上記第6の実施例と同じ作用効果を得ることができる。
【0065】
尚、上記第3ないし第7の各実施例においては、発振出力を増幅する増幅回路、例えば第2の実施例の増幅回路30を1つのMMICとして一体に設けるように構成しても良い。また、上記第3ないし第7の各実施例において、ミキサや周波数逓倍器やパワーアンプ等の回路を電圧制御発振器11(または電圧制御発振器11と増幅回路30を一緒にしたもの)と一緒にして1つのMMICとして構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す電気回路図
【図2】コプレーナ線路の部分斜視図
【図3】試作品の特性図
【図4】第1の実施例の特性図
【図5】MMICの回路パターンを拡大して示す図
【図6】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図7】図5相当図
【図8】図4相当図
【図9】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【図10】本発明の第4の実施例を示す図1相当図
【図11】本発明の第5の実施例を示す部分電気回路図
【図12】本発明の第6の実施例を示す図1相当図
【図13】従来構成を示す発振器のブロック図
【図14】異なる従来構成を示す図1相当図
【図15】更に異なる従来構成を示す図1相当図
【符号の説明】
11は電圧制御発振器、12は負性抵抗回路、13は共振回路、14は高電子移動度トランジスタ(HEMT)、15は伝送線路、16は整合回路、21は電圧端子、22は出力端子、23は伝送線路、24はコンデンサ、25は電圧端子、26はコプレーナ線路、30は増幅回路、32は高電子移動度トランジスタ(HEMT)、44は伝送線路、45はコンデンサ、46は高電子移動度トランジスタ(HEMT)、55は可変容量ダイオードを示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a voltage controlled oscillator used when using radio waves such as microwaves and millimeter waves.
[0002]
[Prior art]
When using radio waves in a frequency band such as microwaves and millimeter waves, an oscillator that generates a high-frequency signal in the frequency band is required. On the other hand, when frequency modulation (FM) of a high frequency signal is performed, for example, a voltage controlled oscillator (VCO) that variably controls the oscillation frequency by an applied voltage is used as an oscillator capable of variably controlling the oscillation frequency. Here, the basic configuration of the oscillator is shown in FIG. FIG. 13A shows a band-pass oscillator, and FIG. 13B shows a band-stop oscillator.
[0003]
As shown in FIGS. 13A and 13B, the oscillator 1 includes a
[0004]
In the case of an oscillator having the above configuration, in the initial stage of oscillation, a signal is transferred between the negative resistance circuit and the resonance circuit, and is set by being strengthened by the negative resistance circuit and selecting a frequency by the resonance circuit. A steady oscillation occurs at the frequency. The output power during steady oscillation depends on the amplification capability of the negative resistance circuit, that is, the strength of the negative resistance. In general, the strength of the negative resistance is evaluated by a resistance component of impedance when the transistor side is viewed from the side near the output terminal of the transistor of the feedback circuit of the negative resistance circuit. In an oscillator, the higher the output power is, the more advantageous it is. Therefore, the feedback circuit is designed so that the negative resistance is maximized.
[0005]
In the oscillator having the above configuration, in order to variably control the oscillation frequency, the frequency characteristic of either the negative resistance circuit or the resonance circuit may be changed. Here, FIG. 14 shows an example of a voltage controlled oscillator (band rejection voltage controlled oscillator). In the voltage controlled oscillator 1 shown in FIG. 14, a variable capacitance diode (hereinafter referred to as a varactor) 4 is provided in the
[0006]
In the voltage controlled oscillator 1 using the
[0007]
On the other hand, Japanese Patent Laid-Open No. 62-207006 discloses a configuration in which a voltage-controlled oscillator that does not use a varactor is made into an MMIC. FIG. 15 shows this MMIC voltage controlled oscillator. The configuration shown in FIG. 15 is a band-pass voltage controlled oscillator 1 in which a transistor such as a field effect transistor (hereinafter referred to as FET) 6 is provided in a
[0008]
In the case of the above configuration, since the transistor (FET) using the same semiconductor film structure is used for both the
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
When a voltage controlled oscillator is used for a frequency modulation circuit, it is desirable that linearity (proportional relationship) be maintained between the control voltage applied to the voltage controlled oscillator and the oscillation frequency. On the other hand, when frequency modulation is performed using a voltage controlled oscillator, the frequency modulation width (oscillation width) has conventionally been about several MHz. As long as this level of frequency modulation is performed, there has been no problem in practical use with the above-described conventional voltage-controlled oscillator (an oscillator using the
[0010]
On the other hand, the inventor considered setting the center frequency of the oscillation frequency of the voltage controlled oscillator to about 30 GHz or 60 GHz and setting the amplitude to several tens of MHz or more. At the same time, the present inventor has considered to make the voltage controlled oscillator that oscillates in the above frequency band into MMIC. In order to realize these requirements, the present inventor made a prototype of the voltage controlled
The voltage controlled
[0011]
One end of the transmission line 18 (terminal opposite to the terminal connected to the stub 19) is connected to the drain of the HEMT 14. A connection point between the
[0012]
On the other hand, the
[0013]
The circuit elements (that is, the
[0014]
The
[0015]
Furthermore, when producing the prototype of the voltage controlled oscillator 11 (MMIC), the inventor performs feedback so that the strength of the negative resistance of the negative resistance circuit 12 (that is, the strength of feedback) is maximized. The circuit was designed. The reason for this design is to maximize the output power of the high frequency signal oscillated and output from the voltage controlled
[0016]
Here, the strength of the negative resistance was obtained by calculating based on the result of measuring each S parameter of the
[0017]
As a result of this calculation, it was found that when Lb = 1112 μm was set, the negative resistance was the strongest, that is, the absolute value of the negative resistance was the largest. In this case, the value of the negative resistance was Re (Za) = − 104Ω. Therefore, the inventor sets the length Lb of the
[0018]
Then, the inventor measured the voltage (gate bias) -oscillation frequency characteristics of the voltage controlled
[0019]
FIG. 3 is a graph showing the measurement results. In FIG. 3, “diamond (square) points” indicate frequency characteristics, and “round dots” indicate output power characteristics. From FIG. 3, the inventor has found that the prototype voltage-controlled
[0020]
However, such a characteristic that the oscillation frequency changes stepwise indicates that the linearity of the change of the oscillation frequency with respect to the control voltage (gate bias) is not maintained. Therefore, the prototype voltage controlled
[0021]
Therefore, the present inventor considered whether the DC bias voltage (gate bias) and the oscillation frequency can be configured to have linearity in the voltage-controlled
[0022]
In order to confirm the above hypothesis, the present inventor conducted an experiment to produce a voltage controlled oscillator 11 (MMIC) in which the feedback strength of the feedback circuit is made smaller than the maximum. Then, when the voltage (gate bias) -oscillation frequency characteristic of the manufactured voltage controlled
[0023]
An object of the present invention is to provide a voltage controlled oscillator that has a circuit configuration that can be easily made into an MMIC and that has a linearity between a DC bias voltage and an oscillation frequency.
[0024]
[Means for Solving the Problems]
The voltage controlled oscillator according to the present invention includes a HEMT, a negative resistance circuit including a feedback circuit that adds positive feedback to the HEMT, and a resonance circuit. The oscillation frequency is variably controlled by varying a DC bias voltage applied to the HEMT. In the case where the center frequency of the oscillation frequency is set to several tens of GHz or more, the negative resistance circuit and the resonance circuit are configured not to have a variable capacitance diode, so that the voltage control is performed. The oscillator can be configured as an MMIC, the feedback circuit is configured by a series feedback system in which a transmission line is provided between the HEMT and a ground electrode, and the length of the transmission line is set to the output of the HEMT. It corresponds to several% of the wavelength in the transmission line rather than the length under the condition that the absolute value of the negative resistance when the HEMT side is viewed from the terminal is maximized. Sano amount corresponding shorter length, or those having features was set to be equal to or less than the shortened length. According to this configuration, the linearity of the change of the oscillation frequency with respect to the DC bias voltage can be sufficiently maintained.
[0025]
Another voltage-controlled oscillator according to the present invention includes a HEMT, a negative resistance circuit including a feedback circuit that adds positive feedback to the HEMT, and a resonance circuit. The oscillation frequency is changed by varying a DC bias voltage applied to the HEMT. It is configured to be variably controlled, and in the case where the center frequency of the oscillation frequency is set to several tens of GHz or more, the negative resistance circuit and the resonance circuit are configured not to have a variable capacitance diode. The voltage control oscillator is configured to be MMIC, and the DC bias voltage and the oscillation frequency are configured to have linearity by setting the oscillation output smaller than the maximum.
[0026]
In the case of the above configuration,It is preferable that the transmission line of the feedback circuit is provided between the source electrode and the ground electrode of the HEMT so that the DC bias voltage is a gate bias. Further, it is more preferable that an amplifier circuit for amplifying the oscillation output is provided, and the amplifier circuit is constituted by one or a plurality of transistors and a matching circuit for matching these transistors. Furthermore, the feedback circuit may be configured in a parallel feedback system in which a transmission line and a capacitor are provided between the input terminal and the output terminal of the HEMT.
[0030]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a first embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. The circuit configuration of the voltage controlled oscillator of the first embodiment is basically the same as the circuit configuration of the voltage controlled
[0031]
First, the circuit configuration of the voltage controlled
[0032]
The
[0033]
Now, in the circuit configuration of the voltage controlled
[0034]
As described above, when the length Lb of the
[0035]
If the length Lb of the
[0036]
Now, the control voltage (gate bias) -oscillation frequency characteristic of the voltage controlled
[0037]
FIG. 4 is a graph showing the measurement results. In FIG. 4, “diamond (square) dots” indicate frequency characteristics, and “round dots” indicate output power characteristics. As shown in FIG. 4, in the voltage controlled
[0038]
In the above embodiment, the length Lb of the
[0039]
Table 1 below summarizes the experimental results of the voltage controlled oscillators of the two products and the prototype.
[0040]
[Table 1]
[0041]
As apparent from this table, if the length Lb of the
[0042]
Further, according to the above table, the maximum value of the length Lb of the
[0043]
In this case, if the output power is found to be linear, the larger the output power, the better the oscillator. Therefore, among the voltage controlled oscillators (MMIC) having linearity, the length Lb of the
[0044]
In the above embodiment, the center value of the oscillation frequency of the voltage controlled
[0045]
Furthermore, although the InP substrate is used in the above embodiment, a GaAs substrate may be used instead. Moreover, in the said Example, although the transmission line was comprised by the coplanar line, you may comprise by a microstrip line. Furthermore, in the above embodiment, the transistor of the
[0046]
On the other hand, in the above embodiment, the length of the
[0047]
FIGS. 6 to 8 show a second embodiment of the present invention, and different points from the first embodiment will be described. The same parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals. In the second embodiment, an
[0048]
As shown in FIG. 6, the
[0049]
The
[0050]
The source of the
[0051]
Furthermore, the
[0052]
The
[0053]
The control voltage (gate bias) -oscillation frequency characteristics of the MMIC (voltage controlled
[0054]
FIG. 8 is a graph showing the measurement results. In FIG. 8, “diamond (square) dots” indicate frequency characteristics, and “round dots” indicate output power characteristics. From FIG. 8 described above, also in the second embodiment, the oscillation frequency changes linearly with respect to the change of the gate bias, that is, the gate bias (DC bias voltage) and the oscillation frequency have a very good linearity. Was clearly confirmed. Further, in the second embodiment, it can be seen that the output power is in the range of about 1 dB to 2 dB, that is, high output power is obtained.
[0055]
In the second embodiment, the voltage controlled
[0056]
FIG. 9 shows a third embodiment of the present invention, and different points from the first embodiment will be described. The same parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals. In the third embodiment, the
[0057]
In the case of the above configuration, by changing the length of the
[0058]
FIG. 10 shows a fourth embodiment of the present invention, and the differences from the first embodiment will be described. The same parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals. In the fourth embodiment, the
[0059]
Specifically, the drain and source of the
[0060]
A
[0061]
The configuration of the fourth embodiment other than that described above is the same as that of the first embodiment. Therefore, in the fourth embodiment, substantially the same operational effects as in the first embodiment can be obtained.
[0062]
In the
[0063]
FIG. 12 shows a sixth embodiment of the present invention, and different points from the fourth embodiment will be described. The same parts as those in the fourth embodiment are denoted by the same reference numerals. In the sixth embodiment, the
[0064]
Further, in the
[0065]
In each of the third to seventh embodiments, an amplifier circuit that amplifies the oscillation output, for example, the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an electric circuit diagram showing a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a partial perspective view of a coplanar line.
[Figure 3] Prototype characteristics
FIG. 4 is a characteristic diagram of the first embodiment.
FIG. 5 is an enlarged view showing an MMIC circuit pattern.
FIG. 6 is a view corresponding to FIG. 1 showing a second embodiment of the present invention.
7 is a view corresponding to FIG.
FIG. 8 is a view corresponding to FIG.
FIG. 9 is a view corresponding to FIG. 1, showing a third embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a view corresponding to FIG. 1 showing a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 11 is a partial electric circuit diagram showing a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a view corresponding to FIG. 1 showing a sixth embodiment of the present invention.
FIG. 13 is a block diagram of an oscillator showing a conventional configuration.
FIG. 14 is a diagram corresponding to FIG.
FIG. 15 is a diagram corresponding to FIG.
[Explanation of symbols]
11 is a voltage controlled oscillator, 12 is a negative resistance circuit, 13 is a resonance circuit, 14 is a high electron mobility transistor (HEMT), 15 is a transmission line, 16 is a matching circuit, 21 is a voltage terminal, 22 is an output terminal, 23 Is a transmission line, 24 is a capacitor, 25 is a voltage terminal, 26 is a coplanar line, 30 is an amplifier circuit, 32 is a high electron mobility transistor (HEMT), 44 is a transmission line, 45 is a capacitor, and 46 is a high electron mobility transistor. (HEMT) and 55 are variable capacitance diodes.
Claims (5)
前記負性抵抗回路及び前記共振回路が可変容量ダイオードを有しないように構成されていることにより、前記電圧制御発振器をMMIC化可能な構成とすると共に、
前記帰還回路を、前記HEMTと接地電極との間に伝送線路を設ける直列帰還方式で構成し、そして、
前記伝送線路の長さを、前記HEMTの出力端子からHEMT側を見た負性抵抗の絶対値が最大になる条件のときの長さよりも、前記伝送線路内の波長の数%に相当する長さの分だけ短くした長さ、または、この短くした長さ以下となるように設定したことを特徴とする電圧制御発振器。A negative resistance circuit consisting of HEMT and a feedback circuit for applying a positive feedback to this HEMT, a resonant circuit, the oscillation frequency is configured to variably controlled by varying the DC bias voltage applied to the HEMT, the oscillation frequency In the voltage controlled oscillator in which the center frequency is set to several tens of GHz or more ,
Since the negative resistance circuit and the resonance circuit are configured not to have a variable capacitance diode, the voltage controlled oscillator can be configured as an MMIC, and
The feedback circuit is configured in a series feedback system in which a transmission line is provided between the HEMT and the ground electrode, and
The length of the transmission line is a length corresponding to several% of the wavelength in the transmission line rather than the length under the condition that the absolute value of the negative resistance when the HEMT side is viewed from the HEMT output terminal is maximized. A voltage-controlled oscillator characterized by being set to have a length shortened by that amount or less than or equal to this shortened length .
前記負性抵抗回路及び前記共振回路が可変容量ダイオードを有しないように構成されていることにより、前記電圧制御発振器をMMIC化可能な構成とすると共に、
発振出力を最大よりも小さく設定することにより、前記直流バイアス電圧と前記発振周波数とが線形性を有するように構成したことを特徴とする電圧制御発振器。A negative resistance circuit consisting of HEMT and a feedback circuit for applying a positive feedback to this HEMT, a resonant circuit, the oscillation frequency is configured to variably controlled by varying the DC bias voltage applied to the HEMT, the oscillation frequency In the voltage controlled oscillator in which the center frequency is set to several tens of GHz or more ,
Since the negative resistance circuit and the resonance circuit are configured not to have a variable capacitance diode, the voltage controlled oscillator can be configured as an MMIC, and
A voltage-controlled oscillator characterized in that the DC bias voltage and the oscillation frequency have linearity by setting an oscillation output smaller than a maximum.
前記直流バイアス電圧をゲートバイアスとしたことを特徴とする請求項1または2記載の電圧制御発振器。 A transmission line of the feedback circuit is provided between a source electrode and a ground electrode of the HEMT;
3. The voltage controlled oscillator according to claim 1, wherein the DC bias voltage is a gate bias .
前記増幅回路を、1個或いは複数個のトランジスタと、これらトランジスタとの整合をとる整合回路とから構成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電圧制御発振器。 An amplifying circuit for amplifying the oscillation output;
4. The voltage controlled oscillator according to claim 1, wherein the amplifying circuit includes one or a plurality of transistors and a matching circuit for matching the transistors .
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