JP3610384B2 - コンバータ回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スイッチング半導体素子のスイッチング時の急激な電圧や電流の変化により発生するサ−ジ電圧からスイッチング半導体素子を保護するための回路を備えたコンバータに関する。
【0002】
【従来技術】
スイッチング半導体素子などがターンオフする際に発生するサージ抑制手段としてはスナバ回路が用いられることが多い。従来の代表的なスナバ回路としては、コンデンサと抵抗、さらにこれらにダイオードなどを付加したものが知られているが、このようなスナバ回路はサージ電力などを消費するので、電力損失が大きく、電力効率を向上させるという面では難点がある。
【0003】
このような問題点を解決する回路として、特開平9−149649号公報などに開示された技術がある。この技術は、一般的なダイオードのキャリアライフタイムに比べてキャリアライフタイムの大幅に長い電荷蓄積ダイオードと電圧クランプ手段、代表的なものとしてはコンデンサとを直列接続した回路を、保護すべきスイッチング半導体素子と並列に接続したことが特徴である。その回路を用いたDC−DCコンバータの回路構成を図3に示す。
【0004】
このコンバータ回路は、商用交流電源と整流回路などからなる直流入力電源1、この直流入力電源1と直列に接続されたトランス2の1次巻線2aとMOSFETなどのようなスイッチング半導体素子3、スイッチング半導体素子3と並列に接続された電荷蓄積ダイオード4とコンデンサのような電圧クランプ手段5との直列接続体、直流入力電源1の正極と、電荷蓄積ダイオード4と電圧クランプ用コンデンサ5との接続点間に接続された放電用抵抗6、スイッチング半導体素子3に並列に接続された共振用コンデンサ7と逆並列のダイオード8、トランス2の2次巻線2bと直列に接続された整流用ダイオード9、フライホイーリング用ダイオード10、フィルタ回路を構成するインダクタ11とコンデンサ12、出力電圧が一定になるようにスイッチング半導体素子3を制御するパルス幅制御回路13からなり、テレビ受像回路のような家電製品などからなる負荷14が接続される。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述のような問題を解決するため、請求項1の発明では、直流入力電源から負荷に至る電流路を選択的に開閉するスイッチング半導体素子と、該スイッチング半導体素子に直列に接続されるトランスの1次巻線と、前記スイッチング半導体素子に並列に接続され、かつ互いに直列接続されたキャリアライフタイムの長い電荷蓄積ダイオードと電圧クランプ手段と、前記トランスの2次巻線に直列接続される整流用半導体素子と、前記スイッチング半導体素子のスイッチング動作を制御する制御回路とを備え、前記電圧クランプ手段が、自己の電圧から前記直流入力電源の電圧を差し引いた電圧に等しい電圧をリセット電圧として前記トランスに与え、前記スイッチング半導体素子のオン期間に前記トランスに蓄えられたエネルギーを、前記スイッチング半導体素子のオフ期間に前記電荷蓄積ダイオードの順方向導通により前記電圧クランプ手段に一旦蓄え、かつその蓄えられたエネルギーを前記電荷蓄積ダイオードの逆方向導通により前記直流入力電源に戻すよう動作するコンバータ回路において、前記電圧クランプ手段の電圧を前記直流入力電源よりも高い一定の設定電圧に保持して、負荷変動によっても前記トランスのリセット時間が長くならないようにするために、前記電圧クランプ手段を充電する充電手段を前記電圧クランプ手段に跨がって接続することによって、前記スイッチング半導体素子のオフ期間内に前記電荷蓄積ダイオードの逆方向導通を確実に終了させることを特徴とするコンバータ回路を提供する。
【0006】
ここで、電圧クランプ用コンデンサ5は比較的キャパシタンスの大きなものであり、負荷変動の比較的小さな領域ではスイッチング半導体素子3の両端の電圧をほぼ一定の電圧に維持する。電圧クランプ用コンデンサ5の電圧は、トランス2の励磁エネルギーと漏れインダクタンスと配線のインダクタンスに蓄えられたエネルギーによる充電と、電荷蓄積ダイオード4の逆方向導通時の放電、抵抗値の大きい抵抗6を通しての放電とが釣り合う電圧で安定し、前記インダクタンスとコンデンサ7との共振により直流入力電源1の電圧よりも高い電圧に維持される。また、電荷蓄積ダイオード4はスイッチング半導体素子3のスイッチング周期以上の長いキャリアライフタイムを有する。
【0007】
このコンバータ回路の大きな特徴の一つは下記のようなところにある。スイッチング半導体素子3のオン期間にトランス2の励磁インダクタンス、漏れインダクタンスや配線のインダクタンスに蓄えられたエネルギーが、スイッチング半導体素子3のオフ期間にキャリアライフタイムの大きな、つまり電荷をより多く蓄積できる電荷蓄積ダイオード4を通して電圧クランプコンデンサ5に蓄えられる。このとき、電荷蓄積ダイオード4を通して順方向に流れた電流、つまり前記エネルギーに相当する順方向電流に対応するキャリアが電荷蓄積ダイオード4に蓄積される。そして、トランス2の励磁インダクタンス、漏れインダクタンスや配線のインダクタンスに蓄えられたエネルギーが全て電荷蓄積ダイオード4の順方向を通して電圧クランプ用コンデンサ5に放出されてしまうと、電圧クランプ用コンデンサ5に蓄えられたエネルギーは逆に電荷蓄積ダイオード4の逆方向導通、トランス2の励磁インダクタンス、漏れインダクタンスや配線のインダクタンスを通して直流入力電源1に戻され、回収される。このとき、電荷蓄積ダイオード4を通して順方向に流れた電流、つまり前記エネルギーに相当するキャリアに等しいキャリアに相当する電流が電荷蓄積ダイオード4を逆方向に流れるとき、電荷蓄積ダイオード4は逆回復し、逆方向導通が止む。このコンバータ回路では、スイッチング半導体素子3のオフ期間に電荷蓄積ダイオード4がほぼ逆回復するように回路設計されている。
【0008】
この電荷蓄積ダイオード4と電圧クランプ用コンデンサ5とからなる回路のもう一つの特徴は、トランス2のリセット回路として作用するところにある。一般に、トランスの磁気飽和を避けるためには、トランス巻線に印加される電圧とその印加時間の積、つまり電圧・時間積はある期間でみて正負等しくする必要がある。図3の回路では、電圧クランプ用コンデンサ5の電圧から直流入力電源1の電圧を差し引いた電圧がトランス2のリセット電圧となるので、電圧クランプ用コンデンサ5の電圧が高ければリセット電圧が大きくなるためトランス2のリセット時間は短くなり、その電圧が低ければリセット電圧が小さくなるためトランス2のリセット時間は長くなる。したがって、直流入力電源1の電圧は一定であるので、電圧クランプ用コンデンサ5の電圧の大きさがトランス2のリセット電圧を決定することになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、特開平9−149649号公報などに開示された従来のフォワードコンバ−タ回路では、電荷蓄積ダイオード4と電圧クランプ用コンデンサ5とからなるスナバ回路の働きによりスイッチング半導体素子3のターンオフ時に不要な過電圧が印加されるのを防ぐと共に、トランス2の漏れインダクタンスや配線のインダクタンスに蓄えられたエネルギーの大部分を直流入力電源1へ戻しているので、スナバ損失を小さくできるというメリットを有する優れた技術である。
【0010】
しかし、この回路は、軽負荷時などのように、電圧クランプ用コンデンサ5を充電するエネルギーが小さい場合などでは、電圧クランプ用コンデンサ5の電圧は低下する。このような軽負荷状態で運転しているとき、負荷急変により急激に負荷電流が大きくなると、スイッチング半導体素子3のオンパルス幅が急激に広がり、トランス2の電圧・時間積が大きくなるので、短くなったオフ期間中にトランス2がリセットできなくなる。つまり、トランス2のリセットに要するリセット時間がスイッチング半導体素子3のオフ期間を越えるような急激な負荷急変と電圧クランプ用コンデンサ5の低い電圧状態が現出した場合には、トランス2がスイッチング半導体素子3のオフ期間にリセットできず、トランス2のリセット期間中には電荷蓄積ダイオード4が逆方向に導通しているため、スイッチング半導体素子3がオンすると電圧クランプ用コンデンサ5を瞬間的に短絡し、ピークの大きな短絡電流が流れてスイッチング半導体素子3や電荷蓄積ダイオード4を破壊又は損傷してしまうという問題がある。
【0011】
本発明は、電圧クランプ用コンデンサ5に充電手段を付加することにより電圧クランプ用コンデンサ5の電圧を所望の一定値に保持できるので、軽負荷状態から通常の負荷状態に急変する場合などでも、トランスを速やかにリセットすることができ、スイッチング半導体素子のオフ期間に確実にトランスのリセットが可能なコンバータ回路を提供することを目的としている。
【0012】
【問題を解決するための手段】
前述のような問題を解決するため、請求項1の発明では、直流電源から負荷に至る電流路を選択的に開閉するスイッチング半導体素子と、そのスイッチング半導体素子に直列に接続されるトランスの1次巻線と、前記スイッチング半導体素子に並列に接続され、かつ互いに直列接続されたキャリアライフタイムの長い電荷蓄積ダイオードとほぼ一定の電圧を維持する電圧クランプ手段と、前記トランスの2次巻線に直列接続される整流用半導体素子と、前記スイッチング半導体素子のスイッチング動作を制御する制御回路とを備えたコンバータ回路において、前記電圧クランプ手段の電圧をほぼ一定に保持するためにその電圧クランプ手段を充電する充電手段を前記電圧クランプ手段に跨がって接続したコンバータ回路を提供する。
【0013】
前述のような問題を解決するため、請求項2の発明では、請求項1において、前記充電手段は、前記トランスに設けられた第3の巻線と、該第3の巻線に直列接続された整流器とからなるコンバータ回路を提供する。
【0014】
前述のような問題を解決するため、請求項3の発明では、請求項1において、前記充電手段は、直流電源からなるコンバータ回路を提供する。
【0015】
前述のような問題を解決するため、請求項4の発明では、請求項1において、前記充電手段は、交流電源と整流器とからなるコンバータ回路を提供する。
【0016】
前述のような問題を解決するため、請求項5の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、前記トランスの前記1次巻線と2次巻線とは分布容量が小さくなるように、比較的粗結合になるよう巻かれているコンバータ回路を提供する。
【0017】
前述のような問題を解決するため、請求項6の発明では、請求項1ないし請求項5のいずれかにおいて、前記制御回路は、前記電荷蓄積ダイオードが有するキャリアライフタイムに相当する時間よりも短い周期で、前記スイッチング半導体素子をスイッチングさせるコンバータ回路を提供する。
【0018】
前述のような問題を解決するため、請求項7の発明では、請求項1ないし請求項6のいずれかにおいて、前記トランスの2次側には、整流素子として働くMOSFETからなる同期整流回路が接続されているコンバータ回路を提供する。
【0019】
【 発明を実施するための形態及び実施例】
本発明は、特開平9−149649号公報などに開示された技術を利用したフォワードコンバータ回路である。そのコンバータ回路は、トランスの漏洩インダクタンスや配線のインダクタンスに蓄えられたエネルギーを、MOSFETのようなスイッチング半導体素子のオフ期間に、一般的なダイオードに比べて長いキャリアライフタイムを有する電荷蓄積ダイオードの順方向導通を通して電圧クランプ手段に一旦蓄え、その蓄えられたエネルギーの多くが電荷蓄積ダイオードの逆方向導通を通して直流入力電源に戻された後にスイッチング半導体素子をオンさせる制御回路を備えている。
【0020】
図1により本発明にかかる第1の実施例を説明する。この実施例は図1に示す回路構成になっており、各回路部品間の接続は図示のとおりである。図1において、図3で参照した記号と同一の記号は相当する回路部品を示すものとする。電荷蓄積ダイオ−ド4は、スイッチング半導体素子3のスイッチング周期以上の長いキャリアライフタイムを有する。キャリアライフタイムの長いダイオ−ドは、通常の短いものに比べて本質的に逆方向導通を長時間保持する特性を有するが、蓄積電荷と等しい電荷が逆方向から注入された時点で、ダイオ−ドの逆方向阻止能力が回復する。
【0021】
電圧クランプ手段5は、スイッチング半導体素子3の両端に印加される電圧を一定に保持する作用を行い、一般的には簡便な手段としてコンデンサが用いられるが、直流入力電源1の電圧よりも高い設定電圧を呈する乾電池や蓄電池のような電池であっても良い。この実施例では、以後、電圧クランプ手段5をコンデンサとして説明する。電圧クランプ用のコンデンサ5の電圧は、軽負荷時を除いてほぼ一定であり、直流入力電源1の電圧よりも高い設定電圧に維持される。したがって、通常の動作において、スイッチング半導体素子3がターンオフするとき、トランス2の漏洩インダクタンスや不図示の配線インダクタンスに蓄えられたエネルギーが電荷蓄積ダイオ−ド4を通して電圧クランプ用コンデンサ5に蓄えられるが、電圧クランプ用コンデンサ5の電圧はほとんど変化せずほぼ一定である。つまり、電圧クランプ用コンデンサ5はこのような比較的大きなキャパシタンスを有する。この実施例において、スイッチング半導体素子3の動作に関連する電荷蓄積ダイオ−ド4と電圧クランプ用コンデンサ5の働きは、従来例と全く同じであるので、説明を省略する。
【0022】
この発明の重要な構成は、電圧クランプ用コンデンサ5に充電手段を設けたところにあり、この実施例ではトランス2に第3の巻線2cと、第3の巻線2cに誘起される交流電圧を整流する整流器15とからなる充電回路を電圧クランプ用コンデンサ5に跨がって接続している。この充電回路の第3の巻線2cは、電圧クランプ用コンデンサ5がほぼ一定電圧にあるときには、その一定電圧よりも小さな電圧を誘起する巻数となっている。このコンバータ回路の動作については、前記充電手段に関連する動作を除いて、特開平9−149649号公報に記載のコンバータ回路の場合とほぼ同様であるのでコンバータ回路全体の動作については説明を省略する
【0023】
ここで、電圧クランプ用コンデンサ5のほぼ一定の電圧は、前述したようにトランス2のリセット電圧が電圧クランプ用コンデンサ5の電圧から直流入力電源1の電圧を差し引いた電圧であるから、スイッチング半導体素子3のオフ期間にトランス2のリセットが行われるような値であって、スイッチング半導体素子3の両端にかかる電圧をなるべく小さくするという観点から決められる。したがって、通常の負荷時にはトランス2の第3の巻線2cと整流器15とからなる充電回路から電圧クランプ用コンデンサ5に充電電流は流れない。もし通常の負荷時に、充電回路から電圧クランプ用コンデンサ5に充電電流が流れると、放電用抵抗6を通して流れる電流が大きくなり、電力損失が大きくなり、好ましくない。したがって、通常の負荷時での前記充電回路の出力電圧は電圧クランプ用コンデンサ5のほぼ一定の電圧よりも幾分低い値になるよう、トランス2の第3の巻線2cの巻数は設定される。
【0024】
以上の記述から明らかなように、通常の負荷状態では前記充電回路が存在しない従来の回路動作と同様であるので説明を省略する。次に、通常の負荷状態から軽負荷状態になると、トランス2の1次巻線2aを流れる電流が減少するので、電圧クランプ用コンデンサ5の電圧は低下する。電圧クランプ用コンデンサ5の電圧がほぼ一定の値よりも減少し、トランス2の第3の巻線2cと整流器15とからなる充電回路の出力電圧よりも低くなると、その充電回路から電圧クランプ用コンデンサ5に電流が流れ、電圧クランプ用コンデンサ5の電圧は前記充電回路の出力電圧にほぼ保持される。
【0025】
この軽負荷時には、トランス2の第3の巻線2cの電流も減少するが、通常の負荷時でも軽負荷時でも、負荷電圧が一定になるようスイッチング半導体素子3のオン、オフを制御しているので、流れる電流の変化にかかわらず2次巻線2bの電圧はほぼ一定であり、トランス結合により、トランス2の1次巻線2aと第3の巻線2cそれぞれの電圧もほぼ一定に保たれる。このことから、第3の巻線2cと整流回路15とからなる充電回路の出力電圧は、負荷電流の大小にかかわらずほぼ一定である。したがって、軽負荷時でも電圧クランプ用コンデンサ5の電圧は前記充電回路の出力電圧に等しいほぼ一定の電圧に保持される。なお、軽負荷時には通常の負荷時に比べてスイッチング半導体素子3のオンパルス幅が短くなるように、制御回路13はスイッチング半導体素子3を制御している。
【0026】
このような軽負荷状態で動作しているとき、負荷急変により通常の負荷、又はそれよりも重い負荷に変化したとき、当然にスイッチング半導体素子3のオンパルス幅が急に広がり、オフパルス幅は狭くなる。もし、前記充電回路が存在せず、電圧クランプ用コンデンサ5の電圧が低下していたとすると、電圧クランプ用コンデンサ5の電圧から直流入力電源1の電圧を差し引いた電圧、つまりリセット電圧が小さくなるので、スイッチング半導体素子3のオフパルス幅が狭くなるのに伴い、トランス2のリセットが行われない場合も生じる。しかし、この発明のように前記充電回路を備えていると、負荷急変により軽負荷から通常の負荷又はそれよりも重い負荷に変化したとしても、電圧クランプ用コンデンサ5の電圧は設定電圧よりも幾分低い電圧に維持されているので、リセット電圧は幾分低下するだけであり、したがって、スイッチング半導体素子3のオフパルス幅、つまりリセット期間が狭くなっても、トランス2のリセットを確実に行える可能性が高くなる。なお、整流器15はブリッジ形整流器であっても勿論良い。
【0027】
次に、図2により本発明の第2の実施例について説明する。この実施例では、電圧クランプ用コンデンサ5の充電回路は直流電源16からなる点が図1の実施例と異なる点であり、他は図1のものと同じである。直流電源16は蓄電池、又は発電機と整流器とからなっても良いが、一般的には図示しない商用交流電源とその交流電圧を整流する整流用ダイオードなどからなる。直流電源16の出力電圧は、前記実施例と同様に、電圧クランプ用コンデンサ5の前記定電圧よりも幾分低い電圧値である。この実施例でも、軽負荷状態になって電圧クランプ用コンデンサ5の電圧が直流電源16の出力電圧よりも低下しようとすると、直流電源16から電圧クランプ用コンデンサ5に電流が流れ、これを充電して電圧クランプ用コンデンサ5の電圧を直流電源16の出力電圧に保持する。前述のように、直流電源16の出力電圧は電圧クランプ用コンデンサ5の設定電圧よりも幾分小さな電圧であるので、軽負荷状態から急激に通常の負荷又は重負荷状態に変化してスイッチング半導体素子3のオフ期間が急激に短くなっても、トランス2のリセットがそのオフ期間に完了しないような不都合は起り難い。
【0028】
以上の記載から明らかなように、トランス2の漏洩インダクタンスに蓄えられたエネルギーの多くは電荷蓄積ダイオード4を通して一旦電圧クランプ用コンデンサに蓄えられた後、電荷蓄積ダイオード4の逆導通期間に直流入力電源1に戻されるので、トランス2の漏洩インダクタンスや配線のインダクタンスに蓄えられるエネルギーによる電力損失は小さい。そして、本発明では通常の負荷時での軽負荷時でもトランスのリセットが確実に行われ、コンバータ回路が正常に動作するので、2次側の巻線2a、2cと2次側巻線2bとの間を粗結合にして漏洩インダクタンスを大きくする一方で、分布容量を小さくすれば、トランス2の漏洩インダクタンスに蓄えられたエネルギーによる損失を大きくすることなく、分布容量を通して1次側から2次側に流れる漏れ電流を小さくできるという効果も奏する。このことはトランスの1次巻線と2次巻線間が粗結合であって良いということなので、トランスの製作を簡便にすることができ、トランスの低コスト化が可能になる。
【0029】
なお、以上の実施例において、スイッチング半導体素子3としてMOSFETを用いた場合には、コンデンサ7に代えてそのソース−ドレイン間キャパシタンスを、またダイオード7に代えてそのボディダイオードを用いることができる。また、以上の実施例では整流素子としてダイオード9、10を用いたが、ダイオード9、10のいずれか一方又は双方をMOSFETに代えた同期整流回路を用いても良い。この同期整流回路は広く一般に広く知られているものであるので、説明を省略する。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように本発明では、スイッチング半導体素子のスイッチッグ周期よりも長いキャリアライフタイムを有する電荷蓄積ダイオ−ドと電圧クランプ手段とにより、トランス2の漏れインダクタンスや配線のインダクタンスに蓄えられたエネルギーのほとんどを直流入力電源に回収できる回路構成において、軽負荷時に電圧クランプ手段を充電する充電手段を備えたので、軽負荷時にトランスのリセット電圧が低下するのを抑制でき、したがって軽負荷時でもトランスのリセットを確実に行える。また、トランス2の漏れインダクタンスを小さくする必要はないので、トランス2の1次巻線2aと2次巻線2bとを密結合にする必要はなく、したがって、従来に比べてかなり安価なトランスを用いることができ、コスト面で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるコンバータ回路の一実施例を示す図である。
【図2】本発明にかかるコンバータ回路の他の一実施例を示す図である。
【図3】従来のコンバータ回路を示す図である。
【符号の説明】
1・・・直流入力電源
2・・・トランス
2a・・トランス2の1次巻線
2b・・トランス2の2次巻線
2c・・トランス2の第3の巻線
3・・・スイッチング半導体素子
4・・・電荷蓄積ダイオ−ド
5・・・電圧クランプ手段
6・・・放電用抵抗
7・・・コンデンサ
8・・・ダイオード
9・・・整流用ダイオード
10・・・フライホイール用ダイオード
11・・・平滑用インダクタ
12・・・平滑用コンデンサ
13・・・制御回路
14・・・負荷
15・・・ダイオード
16・・・直流電源

Claims (7)

  1. 直流入力電源から負荷に至る電流路を選択的に開閉するスイッチング半導体素子と、
    該スイッチング半導体素子に直列に接続されるトランスの1次巻線と、
    前記スイッチング半導体素子に並列に接続され、かつ互いに直列接続されたキャリアライフタイムの長い電荷蓄積ダイオードと電圧クランプ手段と、
    前記トランスの2次巻線に直列接続される整流用半導体素子と、
    前記スイッチング半導体素子のスイッチング動作を制御する制御回路とを備え
    前記電圧クランプ手段が、自己の電圧から前記直流入力電源の電圧を差し引いた電圧に等しい電圧をリセット電圧として前記トランスに与え、
    前記スイッチング半導体素子のオン期間に前記トランスに蓄えられたエネルギーを、前記スイッチング半導体素子のオフ期間に前記電荷蓄積ダイオードの順方向導通により前記電圧クランプ手段に一旦蓄え、かつその蓄えられたエネルギーを前記電荷蓄積ダイオードの逆方向導通により前記直流入力電源に戻すよう動作するコンバータ回路において、
    前記電圧クランプ手段の電圧を前記直流入力電源よりも高い一定の設定電圧に保持して、負荷変動によっても前記トランスのリセット時間が長くならないようにするために、
    前記電圧クランプ手段を充電する充電手段を前記電圧クランプ手段に跨がって接続することによって、前記スイッチング半導体素子のオフ期間内に前記電荷蓄積ダイオードの逆方向導通を確実に終了させることを特徴とするコンバータ回路。
  2. 請求項1において、
    前記充電手段は、前記トランスに設けられた第3の巻線と、該第3の巻線に直列接続された整流器とからなることを特徴とするコンバータ回路。
  3. 請求項1において、
    前記充電手段は、直流電源からなることを特徴とするコンバータ回路。
  4. 請求項1において、
    前記充電手段は、交流電源と整流器とからなることを特徴とするコンバータ回路。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、
    前記トランスの前記1次巻線と2次巻線とは分布容量が小さくなるように、比較的粗結合になるよう巻かれていることを特徴とするコンバータ回路。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかにおいて、
    前記制御回路は、前記電荷蓄積ダイオードが有するキャリアライフタイムに相当する時間よりも短い周期で、前記スイッチング半導体素子をスイッチングさせることを特徴とするコンバータ回路。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかにおいて、
    前記トランスの2次側には、整流素子として働くMOSFETからなる同期整流回路が接続されていることを特徴とするコンバータ回路。
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