JP3610230B2 - 接着剤塗布装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の基板への実装に先立ち、基板に電子部品固定用の接着剤を塗布する接着剤塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の接着剤塗布装置では、接着剤がシリンジに充填されて供給され、シリンジ内に圧縮空気を導入することでそのノズルの先端から接着剤を吐出させ、これを基板の表面に塗布するようにしている。この場合、塗布休止時などに、接着剤の粘性の変化や吐出圧の変化が生じ、塗布再開時に接着剤の塗布量(吐出量)が不安定になるため、一定条件下で数回の捨打ちを行い、塗布量が安定してから実際の基板への塗布を行うようにしている。また、シリンジ内における接着剤の残量によりその塗布量が微妙に変化するため、適宜試打ちを行い接着剤の塗布量を画像認識により測定し、この測定結果に基づいて吐出量(塗布量)の補正を行うようになっている(例えば、特開平9−206656号公報)。
この場合、捨打ちおよび試打ちは、基板の一部に形成した専用の領域、或いは基板導入部の近傍に配設した専用のプレートを使って行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の接着剤塗布装置では、基板やプレートの塗布領域に対し、塗布部位を移動(重ならないようにする)させながら捨打ちや試打ちが繰返し行われるため、塗布領域内の塗布可能領域は徐々に消費される。基板の場合には電子部品実装後の基板の交換により塗布領域が更新され、プレートの場合には塗布可能領域が少なくなったところでプレートの交換が行われ、これにより塗布領域が更新される。プレートの交換は、控えのプレートに付け換える場合と、プレートを外して清掃し再度装着する場合とがあるが、いずれにあっても、プレートに付着した接着剤を溶剤で拭き取る作業が伴う。そして、この拭取り作業が不十分であると、接着剤が付着したままの汚れたプレートが装着されてしまう。また、プレートおよび基板を問わず、実塗布動作時の接着剤の飛散、或いは交換時にその塗布領域に空気中の塵などが付着することもある。
【0004】
このように更新した塗布領域に、汚れとして接着剤が残っていると、これが捨打ちや試打ちの際にノズル(あるいはストッパピン)に付着し、基板への本塗布がいわゆる2重打ち的な形態となったり、異常な塗布形態となるなどの不具合が生ずる。同様に、試打ち後の接着剤の画像認識において、汚れとして残っている接着剤や塵などがいっしょに認識され、塗布量の認識が不正確になるおそれがある。
【0005】
本発明は、捨打ちや試打ち用の疑似塗布領域の汚れに基づくノズルの汚染や接着剤塗布量の誤認識を防止することができる接着剤塗布装置を提供することをその目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の接着剤塗布装置は、装着する電子部品を固定するために基板上に接着剤を塗布すると共に、一定の条件下で、定められた疑似塗布領域に捨打ち用および/または試料採取用に接着剤を塗布する接着剤塗布装置において、疑似塗布領域の更新に伴って、更新後の疑似塗布領域の少なくとも一部を撮像して疑似塗布領域の汚れを認識する汚れ認識手段と、汚れ認識手段が汚れを認識したときにこれを報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、更新された疑似塗布領域に汚れが残っていたり、塵などが付着していると、汚れ認識手段がこれを認識し、報知手段がこれを報知する。これにより、オペレータに、更新された疑似塗布領域の汚れを認識させることができ、汚れが付着した疑似塗布領域への捨打ち用および/または試料採取用の接着剤の塗布を、未然に防止することができる。なお、疑似塗布領域の更新は、疑似塗布領域が構成される部材の交換はもとより、その清掃を含む概念である。
【0008】
この場合、疑似塗布領域が、導入した基板の一部に設定されていること、或いは疑似塗布領域が、基板導入部の近傍に配設した専用のプレートに設定されていることが、好ましい。
【0009】
これらの構成によれば、基板やプレートの交換、或いはそれぞれの該当部分の拭取りなどにより、疑似塗布領域の汚れを簡単に解消することができる。
【0010】
これらの場合、疑似塗布領域では、一方の端部から捨打ち用の塗布を開始し、他方の端部から試料採取用の塗布を開始するようになっており、汚れ認識手段は疑似塗布領域の一部として、捨打ち用の塗布開始部位および/または試料採取用の塗布開始部位を認識することが、好ましい。
【0011】
例えば、プレートに残る汚れは、拭き取り難い端部において顕著である。したがって、汚れが残り易い疑似塗布領域の端部を認識することで、汚れ認識のための時間を短縮することができ、接着剤本塗布におけるタクトタイムへの影響を極力少なくすることができる。
【0012】
これらの場合、汚れ認識手段は、基板を認識する基板認識装置を兼ねていることが、好ましい。
【0013】
この構成によれば、ソフトウエア部分の変更のみで、汚れ認識手段専用の構造部分を省略することができ、コストアップを抑制することができる。
【0014】
本発明の他の接着剤塗布装置は、装着する電子部品を固定するために基板上に接着剤を塗布すると共に、一定の条件下で、定められた疑似塗布部位に捨打ち用および/または試料採取用に接着剤を塗布する接着剤塗布装置において、捨打ち用および/または試料採取用の接着剤の塗布に先立ち、対応する疑似塗布部位を撮像して疑似塗布部位の汚れを認識する汚れ認識手段と、汚れ認識手段が汚れを認識したときに疑似塗布部位を次疑似塗布部位に変更する疑似塗布部位変更手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、捨打ち用および/または試料採取用に接着剤を塗布する疑似塗布部位を、これらの塗布動作に先だって認識し、かつ汚れを認識したときに疑似塗布部位を次疑似塗布部位に変更するため、疑似塗布領域の一部に汚れがあっても、その汚れ部分を逃げて捨打ち用等の接着剤の塗布を行うことができる。したがって、疑似塗布領域の全域に汚れがある場合以外は、疑似塗布領域の更新を伴うことなく、適切な捨打ち用等の接着剤の塗布が可能になる。なお、接着剤の捨打ち(試打ちも同様)では、複数回に亘る塗布動作が一連の捨打ち動作となるが、上記の汚れを認識は、各回の塗布動作(各回の疑似塗布部位)毎に行ってもよいし、一連の捨打ち動作(一連の疑似塗布部位)毎に行ってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る接着剤塗布装置について説明する。この接着剤塗布装置は、電子部品を接着するための接着剤を、基板上に塗布するものであり、図1はその正面図である。同図に示すようにこの接着剤塗布装置1には、機台2の上部に、接着剤を基板B上に塗布する塗布ユニット3と、塗布ユニット3を昇降させるユニット昇降装置4とが配設され、機台2の中央部に、基板Bを保持すると共にこれを水平面内でX軸方向およびY軸方向に移動させるXYテーブル5と、XYテーブル5に対し基板Bを搬入および搬出する搬入シュート6および搬出シュート7が配設されている。
【0017】
ユニット昇降装置4は、左右一対の昇降レール8,8により塗布ユニット3を昇降自在に支持すると共に、内蔵するユニット昇降モータ(図3参照)9により塗布ユニット3を昇降させる。ユニット昇降装置4は塗布ユニット3全体を昇降させるものであり、基板Bの導入時には、両シュート6,7の位置から退避させるべく塗布ユニット3を上昇させ、基板Bの導入後には、導入した基板Bの厚みに対応させて塗布ユニット3を下降させる。
【0018】
塗布ユニット3は、上記の昇降レール8に支持された支持フレーム10と、支持フレーム10に装着した3本のシリンジ11,11,11と、3本のシリンジ11,11,11に隣接して配置した基板認識カメラ12と、各シリンジ11を保持すると共にこれを上下動させる3組の上下動機構(図3参照)13とを備えている。各シリンジ11には、電磁三方弁などで構成された吐出バルブ(図3参照)14、レギュレータ、圧縮空気供給源(図示せず)に接続されており、吐出バルブ14を開放することにより、圧縮空気をシリンジ11内に供給して接着剤Aを吐出させる。各シリンジ11の下端には、供給ノズル15が装着されており、供給ノズル15には、図示しないが2本のノズル本体と、2本のノズル本体に対し十字状に位置する2本のストッパピンが設けられている。この場合、2本のノズル本体は、1個の電子部品のための接着剤を同時に2箇所塗布し、その際ストッパピンは、ノズル本体の先端と基板Bとの間に接着剤の吐出空間を構成する。
【0019】
上下動機構13は、カムを組み込んだものであり、接着剤の塗布動作に伴って、シリンジ11を上下動させる。そして、この上下動の下動端位置で上記のストッパピンが基板Bに突き当たると共に、ノズル本体から接着剤が吐出される。基板認識カメラ12は、例えばCCDカメラで構成され、基板Bの原点位置などを撮像する。基板認識カメラ12の撮像結果は制御装置(図3参照)16に出力され、制御装置16により基板Bに原点位置が認識される。そして、この認識された原点位置に基づいて、上記のXYテーブル5が制御される。また、基板認識カメラ12は、後述する接着剤の塗布量認識や捨打ちプレート25の汚れ認識などにも用いられる。なお、上記の制御装置16は、接着剤塗布装置1全体、すなわち全ての構成装置を制御する。
【0020】
一方、XYテーブル5は、機台2上に設けた一対のY軸レール18,18と、Y軸レール18に移動自在に支持されたY軸テーブル19と、Y軸テーブル19をY軸レール18上で移動させるY軸モータ20とを有すると共に、Y軸テーブル19上に設けた一対のX軸レール21,21と、X軸レール21に移動自在に支持されたX軸テーブル22と、X軸テーブル22をX軸レール21上で移動させるX軸モータ23とを有している。そして、X軸テーブル22の上面に、導入した基板Bがセットされる。なお、XYテーブル5は、基板Bの搬入・搬出に際し、搬入・搬出両シュート6,7と後述する導入シュート24とを同一高さに位置合わせすべく、図外のアクチュエータにより上昇する。
【0021】
図2に示すように、X軸テーブル22の上面には、上記の搬入シュート6および搬出シュート7にそれぞれ対応する固定シュート24aおよび可動シュート24bから成る導入シュート24が配設されており、コンベア形式で搬入シュート6から搬送されたきた基板Bは、この導入シュート24に受け渡され、また接着剤塗布後の基板Bは、この導入シュート24から搬出シュート7に受け渡される。また、導入シュート24に導入された基板Bは、接着剤塗布のために所定の位置に不動に位置決めされる。さらに、導入シュート24の近傍に位置して、捨打ちプレート25が着脱自在に装着されている。
【0022】
ところで、この接着剤塗布装置1では、所定時間、接着剤の塗布を休止した後、塗布を再開すると塗布量(吐出量)が不安定になるため、一定条件下で数回の捨打ちを行い、塗布量が安定してから実際の基板Bへの塗布を行うようにしている。また、シリンジ11内における接着剤の残量によりその塗布量が微妙に変化するため、適宜試打ちを行い、これを基板認識カメラ12で認識して、塗布量(吐出量)の補正を行うようにしている。
【0023】
そして、この捨打ちおよび試打ちを行うところが、上記の捨打ちプレート25であり、また基板Bに形成した捨打ちエリア26である。より具体的には、捨打ちおよび試打ちを行う領域(疑似塗布領域)が、捨打ちプレート25上および捨打ちエリア26上に設定されている。この場合、塗布量の認識を正確に行えるように、捨打ちエリア26は、白色のテープを貼着するか或いはこの部分に白色の印刷を施すことにより構成され、捨打ちプレート25は、白色系のアクリル樹脂などで構成されている。
【0024】
捨打ちプレート25および捨打ちエリア26は、それぞれ捨打ちおよび試打ちで共用されるが、例えば捨打ちプレート25において、捨打ちを長手方向の一方の端から行い、試打ちを他方の端から行うようにすることが、好ましい。また、捨打ちプレート25および捨打ちエリア26のいずれを使用するかは任意であるが、例えば捨打ちエリア26を先に使用し、このエリア26が消費されたところで捨打ちプレート25を使用するようにしてもよい。もっとも、基板Bによっては捨打ちエリア26の無いものもあり、かかる場合には捨打ちプレート25を使用する。なお、この実施形態では、捨打ちプレート25および捨打ちエリア26の使用に先立ち、これらの汚れを検出すべく、これらを基板認識カメラ12で認識するようにしている。
【0025】
ここで、図3および図4を参照して、捨打ちおよび試打ちの動作を中心に、装置の制御動作を説明する。図3は接着剤塗布装置1の制御系のブロック図である。同図に示すように、制御装置16は、制御部本体51と、タッチパネル52と、外部記憶装置であるハードディスク53とを備えている。ハードディスク53は、NCデータを記憶するNCデータ領域の他、図示のシステムを制御装置として機能させる種々のプログラムを記憶する領域を有している。NCデータには、接着剤塗布の塗布パターンデータの他、捨打ち制御データ、試打ち制御データ、汚れ認識制御データなどが含まれている。
【0026】
制御部本体51は、CPU54、ROM55、RAM56、I/Oコントローラ(IOC)57、ハードディスクドライブ(HDD)58を備え、相互に内部バス59により接続されている。ROM55には、画面表示処理や捨打ち等の制御処理を含む種々の制御プログラムの他、システム立上げ用のプログラムなどが内蔵されている。RAM56は、制御部本体51の内部記憶手段として各種の作業エリアやバッファ等に使用される。
【0027】
IOC57は、上記のXYテーブル5のX軸モータ23およびY軸モータ20、ユニット昇降装置4のユニット昇降モータ9、塗布ユニット3の上下動機構13、基板認識カメラ12、吐出バルブ14および報知装置17等の周辺装置と接続されている。報知装置17は、ブザーやアラーム等のビープ機能によるビープ音に加え、タッチパネル52にその旨の表示を行う。そして、IOC57は、CPU54からの指令に従い、これら周辺装置と制御部本体51との間の各種制御信号および各種データの入出力を制御する。HDD58は、CPU54からの指令に従い、ハードディスク53を駆動・制御して、ハードディスク53と制御部本体51との間の各種制御信号および各種データの入出力を制御する。
【0028】
CPU54は、ROM55の内蔵プログラムやハードディスク53の制御プログラム等に従い、RAM56の作業エリアやハードディスク53の退避エリア等を使用してデータの処理を行い、IOC57やHDD58を介して、接着剤塗布装置1全体の制御を行う。
【0029】
この制御系では、タッチパネル52にデータ編集画面が表示され、このデータ編集画面上で捨打ち条件、試打ち条件、汚れ認識位置(部位)などを設定できるようになっている。捨打ち条件は、未塗布時間や基板枚数による設定が可能であり、また捨打ちの回数も設定可能である。同様に、試打ち条件は、実塗布回数や基板枚数による設定が可能であり、またサンプル数も設定可能である。
【0030】
ところで、基板Bの捨打ちエリア26や捨打ちプレート25に、清掃不良による汚れ(接着剤の拭残し)や塵等が付着していると、捨打ちの際にノズル本体やストッパピンに汚れ(接着剤)が付着して、基板Bへの正式な接着剤塗布に支障が生ずることがあり、また塗布量の認識に支障が生ずることがある。そこで、この実施形態では、基板Bや捨打ちプレート25が交換されたときに、基板Bの捨打ちエリア26および捨打ちプレート25を、基板認識カメラ12で撮像しその汚れを認識し、これに対処できるようにしている。
【0031】
ここで、図4のフローチャートを参照して、汚れ認識を含む捨打ちおよび試打ち動作について説明する。このフローチャートは、基板Bが交換されたことまたは捨打ちプレート25が交換されたことが開始条件となっている。また、汚れ認識は、基板Bの捨打ちエリア26および捨打ちプレート25において、端部の1箇所(最初の捨打ち部位または最初の試打ち部位)を認識することで全体の汚れ認識に代えるものである。
【0032】
スタート後、先ず実生産基板上への塗布動作を開始するか否かを判別する(S1)。実生産基板上への塗布動作を開始する場合には、開始に先だって、捨打ち条件を満たしているか否かを判別する(S2)。捨打ち条件を満たしている場合には、どこに(基板orプレート)捨打ちを行うかを判別する動作に移行する。捨打ち条件を満たしてしない場合には、次に試打ち条件を満たしているか否かを判別する(S3)。試打ち条件を満たしている場合には、どこに試打ちを行うかを判別する動作に移行する。そして、試打ち条件を満たしていない場合には、実生産基板上への塗布動作を開始する(S4)。
【0033】
捨打ち条件および試打ち条件を満たしている場合には、接着剤の塗布を捨打ちプレート25に行うか否かを判別する(S5)。捨打ちプレート25に塗布する場合には、捨打ちプレート25上における塗布部位(=汚れ認識部位)を算出する(汚れ認識部位と基板認識カメラ12との位置関係)(S6)。捨打ちプレート25に塗布しない場合には、基板Bの捨打ちエリア26に塗布することが選択され、同様に、捨打ちエリア26における塗布部位(=汚れ認識部位)を算出する(S7)。次に、この算出結果に基づいて、塗布部位(=汚れ認識部位)が基板認識カメラ12の視野内に入るように、XYテーブル5を介して基板Bまたは捨打ちプレート25を移動させる(S8)。
【0034】
次に、基板認識カメラ12で塗布部位を撮像し(S9)、その撮像結果に基づいて汚れがあるか否かを判別する(S10)。汚れがある場合には、その旨画面表示や音声等(報知装置17)で報知し、XYテーブル5を原点位置に戻した後、装置を停止させる(S11)。汚れがない場合には、捨打ちまたは試打ちを開始する(S12)。そして、捨打ちまたは試打ちが終了したら(S13)、実生産基板への接着剤塗布に移行する。なお、このフローでは、汚れ認識部位(領域)を最初の捨打ち部位または試打ち部位としているが、捨打ち・試打ち部位の一列分(縦または横一列)の領域としてもよいし、捨打ちエリア26および捨打ちプレート25の全領域(疑似塗布領域)としてもよい。
【0035】
また、上記フローにおいて、汚れが認識されたときに、これを報知すると共にキー或いはタッチ操作等で最初の塗布位置をキャンセルし、次の塗布位置に移行し、再度汚れ認識を行うようにしてもよい。すなわち、上記動作を繰り返すことで、結果的に汚れている部位を逃げて捨打ちおよび試打ちを行うようにしてもよい。この場合には、捨打ちエリア26または捨打ちプレート25に汚れが認識されても、その全域が汚れている場合を除き、基板Bまたは捨打ちプレート25を交換することなく、適切な捨打ちおよび試打ちを行うことができる。
【0036】
以上のように本実施形態によれば、捨打ちおよび試打ちを行う捨打ちエリア26や捨打ちプレート25の汚れを、捨打ちおよび試打ちを行う前に認識するようにしているため、汚れた捨打ちエリア26や捨打ちプレート25に、捨打ちおよび試打ちが行われてしまうのを防止することができる。したがって、捨打ちエリア26や捨打ちプレート25の汚れに基づく、基板Bへの接着剤の塗布不良や接着剤の塗布量の誤認識を防止することができる。
【0037】
なお、本実施形態では、本発明を、基板をXY方向に移動させる塗布装置に適用した場合について説明したが、シリンジをXY方向に移動させる塗布装置に適用できることは、いうまでもない。また、捨打ちおよび試打ちを巻取り式のテープに行うものも知られているが、このような形式のものにも本発明は適用可能である。かかる場合には、テープの捨打ちおよび試打ち済みの部分を巻き取ることで、疑似塗布領域が更新される。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明の接着剤塗布装置によれば、更新された疑似塗布領域が汚れている場合に、これをオペレータに了知させることができ、汚れが付着した疑似塗布領域への捨打ち用および/または試料採取用の接着剤の塗布を、防止することができる。このため、捨打ちや試打ち用の疑似塗布領域の汚れに基づくノズルの汚染や接着剤塗布量の誤認識を防止することができ、装置の信頼性を向上させることができる。
【0039】
また、本発明の他の接着剤塗布装置によれば、疑似塗布領域の一部に汚れがあっても、その汚れ部分を逃げて捨打ち用等の接着剤の塗布を行うことができる。このため、疑似塗布領域が部分的に汚れている場合であっても、これを更新することなく対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る接着剤塗布装置の正面図である。
【図2】接着剤塗布装置のXテーブルの平面図である。
【図3】接着剤塗布装置の制御系のブロック図である。
【図4】汚れ認識を含む捨打ちおよび試打ち動作のフローチャートである。
【符号の説明】
1 接着剤装置
3 塗布ユニット
5 XYテーブル
11 シリンジ
12 基板認識カメラ
16 制御装置
17 報知装置
25 捨打ちプレート
26 捨打ちエリア
51 制御部本体
54 CPU
B 基板
Claims (6)
- 装着する電子部品を固定するために基板上に接着剤を塗布すると共に、一定の条件下で、定められた疑似塗布領域に捨打ち用および/または試料採取用に接着剤を塗布する接着剤塗布装置において、
前記疑似塗布領域の更新に伴って、更新後の当該疑似塗布領域の少なくとも一部を撮像して当該疑似塗布領域の汚れを認識する汚れ認識手段と、
前記汚れ認識手段が汚れを認識したときにこれを報知する報知手段とを備えたことを特徴とする接着剤塗布装置。 - 前記疑似塗布領域が、導入した基板の一部に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の接着剤塗布装置。
- 前記疑似塗布領域が、基板導入部の近傍に配設した専用のプレートに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の接着剤塗布装置。
- 前記疑似塗布領域では、一方の端部から捨打ち用の塗布を開始し、他方の端部から試料採取用の塗布を開始するようになっており、
前記汚れ認識手段は、前記疑似塗布領域の一部として、前記捨打ち用の塗布開始部位および/または前記試料採取用の塗布開始部位を認識することを特徴とする請求項1、2または3に記載の接着剤塗布装置。 - 前記汚れ認識手段は、基板を認識する基板認識手段を兼ねていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の接着剤塗布装置。
- 装着する電子部品を固定するために基板上に接着剤を塗布すると共に、一定の条件下で、定められた疑似塗布部位に捨打ち用および/または試料採取用に接着剤を塗布する接着剤塗布装置において、
前記捨打ち用および/または試料採取用の接着剤の塗布に先立ち、対応する前記疑似塗布部位を撮像して当該疑似塗布部位の汚れを認識する汚れ認識手段と、前記汚れ認識手段が汚れを認識したときに前記疑似塗布部位を次疑似塗布部位に変更する疑似塗布部位変更手段とを備えたことを特徴とする接着剤塗布装置。
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