JP3610203B2 - 排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニット - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水災害時の緊急排水、土木仮設工事の排水あるいは農業用給排水などに使用される排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
水災害時の緊急排水、土木仮設工事排水あるいは農業用給排水などに使用される排水ポンプ用エンジン駆動電動ポンプユニットとして、図4に示すように、ディーゼルエンジン1と、該エンジン1により駆動される発電機2と、この発電機2からの電力供給によって駆動される複数台(たとえば4台)の排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dと、これら排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dの個々に一体に結合されて運転される複数台(たとえば4台)の水中ポンプ4A,4B,4C,4Dを備えたものが知られている。
【0003】
この種の排水ポンプ用エンジン駆動電動ポンプユニットでは、排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dそれぞれの起動スイッチSWが設けられている4本の電源ケーブル5A,5B,5C,5Dと、水中ポンプ4A,4B,4C,4Dそれぞれの吐出口に接続される4本の排水ホース(図示省略)を用意し、前記ポンプユニットとともに適当な運搬用車輌によって排水または給排水現場の近くまで搬送される。
【0004】
排水または給排水現場の近くに到着したならば、発電機2の出力端子と、排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dそれぞれの入力端子とを電源ケーブル5A,5B,5C,5Dで接続したのち、1台または2台以上の水中ポンプ4A,4B,4C,4Dを排水または給排水現場の水域に投入し、エンジン1により発電機2を駆動し、排水または給排水現場の水域に投入されている1台または2台以上の水中ポンプ4A,4B,4C,4Dに対応する起動スイッチSWをONすることで、1台または2台以上の排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dを起動することにより排水運転がなされる。
【0005】
しかし、従来の排水ポンプ用エンジン駆動電動ポンプユニットでは、排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dの個々に一体に結合されて運転される水中ポンプ4A,4B,4C,4Dの重量および容積が大きいので、排水または給排水現場の水域への投入作業が困難であるとともに、電源ケーブル5A,5B,5C,5Dが大径で、重量も大きいので布設作業が困難である。また、各水中ポンプ4A,4B,4C,4Dは排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dによって運転されるので、運転開始直後から定格出力により高速運転される。このため、各水中ポンプ4A,4B,4C,4Dは起動直後に定格吐出量で急激に吐出することになり、起動直後から比較的長時間にわたって排水ホースを大きく揺動させる。したがって、4本の排水ホースを固定する煩雑な作業が要求される。しかも、発電容量が比較的大きい発電機2を高トルクで駆動しなければならないので、直入起動式の場合は、出力の大きい大型のディーゼルエンジン1が必要になり、排水ポンプ用エンジン駆動電動ポンプユニットのイニシャルコストおよびランニングコストが高くなるなどの問題点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、従来の排水ポンプ用エンジン駆動電動ポンプユニットでは、電動モータ駆動水中ポンプの重量と容積が大きいので、排水または給排水現場の水域への投入作業が困難であるとともに、電源ケーブルが大径で重量も大きいので動力供給系の布設作業が困難である。また、水中ポンプは排水ポンプ駆動用電動モータによって運転されるので、運転開始直後から定格出力により高速運転され、各水中ポンプは起動直後から定格吐出量で急速に吐出することになるため、起動直後から比較的長時間にわたって排水ホースを大きく揺動させる。したがって、排水ホースを固定する煩雑な作業が要求される。しかも、発電容量が比較的大きい発電機を高トルクで駆動しなければならないので、出力の大きい大型のエンジンが必要になり、イニシャルコストおよびランニングコストが高くなるなどの問題点を有している。
そこで、本発明は、排水または給排水現場の水域への排水ポンプの投入作業および動力供給系の布設作業が容易になされるとともに、排水ホースの揺動が抑えられ、かつ低出力小型のエンジンによってイニシャルコストおよびランニングコストの低い運転を行うことができる排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニットは、エンジンと、該エンジンにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプにより駆動される複数台の排水ポンプ駆動用油圧モータと、これら排水ポンプ駆動用油圧モータによって個々に運転される複数台の排水ポンプを備え、1台目の排水ポンプは、前記エンジンのアイドリング運転による油圧ポンプの駆動と、この油圧ポンプによって駆動される1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータの低速回転によって運転を開始し、所定時間経過後にエンジンの回転数を増やして1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータの回転数を定格回転まで増大して運転するとともに、2台目以降に増加して運転される排水ポンプは、増加した排水ポンプ駆動用油圧モータおよび排水ポンプが負荷されることによって低下した低速回転によって運転を開始し、所定時間経過後に前記エンジンの回転数を増やして2台目以降に増加した台数の排水ポンプ駆動用油圧モータの回転数を定格回転まで増大して運転するように構成したことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニットは、エンジンと、該エンジンにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプにより駆動される複数台の排水ポンプ駆動用油圧モータと、これら排水ポンプ駆動用油圧モータによって個々に運転される複数台の排水ポンプを備え、前記エンジンを定格運転するとともに、1台目の排水ポンプは、レギュレータによる前記油圧ポンプの圧油吐出量調整により排水ポンプ駆動用油圧モータの回転数を低速回転から定格回転まで漸次増大させて運転するとともに、2台目以降に増加して運転される排水ポンプは、増加した排水ポンプ駆動用油圧モータおよび排水ポンプが負荷されることによって低下した低速回転によって運転を開始し、所定時間経過後にレギュレータによる前記油圧ポンプの圧油吐出量調整により2台目以降に増加した台数の排水ポンプ駆動用油圧モータの回転数を定格回転まで漸次増大させて運転するように構成したことを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、油圧ポンプによって駆動される排水ポンプ駆動用油圧モータの重量と容積は、同一出力の排水ポンプ駆動用電動モータの重量と容積よりも小さくなり、排水ポンプ駆動用油圧モータによって運転される排水ポンプの重量と容積は、同一排水能力の水中ポンプの重量と容積よりも小さくなる。また、油圧ポンプと排水ポンプ駆動用油圧モータを接続する圧油供給ホースおよび排水ポンプ駆動用油圧モータ通過後の油をオイルタンクに還流させるオイル還流ホースによってなる動力供給系の外径と重量は、電源ケーブルによってなる動力供給系の外径と重量よりも小さくなる。しかも、エンジンの低速回転によって排水ポンプの運転を開始し、所定時間経過後にエンジンの回転数を増やして排水ポンプを定格運転するので、排水ポンプの吐出量は起動直後の少ない吐出量から定格吐出量へと漸次増大することになる。このため、排水ホースの揺動を抑えることができる。さらに、高トルクで駆動しなければならない発電容量の大きい発電機が不要になるので、出力の小さい小型のエンジンを使用できる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、油圧ポンプによって駆動される排水ポンプ駆動用油圧モータの重量と容積は、同一出力の排水ポンプ駆動用電動モータの重量と容積よりも小さくなり、排水ポンプ駆動用油圧モータによって運転される排水ポンプの重量と容積は、同一排水能力の水中ポンプの重量と容積よりも小さくなる。また、油圧ポンプと排水ポンプ駆動用油圧モータを接続する圧油供給ホースおよび排水ポンプ駆動用油圧モータ通過後の油をオイルタンクに還流させるオイル還流ホースによってなる動力供給系の外径と重量は、電源ケーブルによってなる動力供給系の外径と重量よりも小さくなる。しかも、エンジンを定格運転するとともに、レギュレータによる油圧ポンプの圧油吐出量調整により排水ポンプを低速回転から定格回転まで漸増して運転するので、排水ポンプの吐出量は起動直後の少ない吐出量から定格吐出量へと漸次増大することになる。このため、排水ホースの揺動を抑えることができる。さらに、高トルクで駆動しなければならない発電容量の大きい発電機が不要になるので、出力の小さい小型のエンジンを使用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、請求項1に記載の発明に係る排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニットの一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、ディーゼルエンジン1により駆動される1台の油圧ポンプ6と、この油圧ポンプ6により圧送される圧油を循環させる油圧回路11を有し、油圧回路11の4つの出口にカプラ12Aが設けられ、4つの入口にカプラ12Bが設けらている。そして、4つのカプラ12Aと4台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dそれぞれの入口を圧油ホース13Aによって着脱可能に接続し、4つのカプラ12Bと4台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dそれぞれの出口を圧油ホース13Bによって着脱可能に接続できるようになっており、各カプラ12Aの直上流位置に電磁式または電動式切換弁7が介設されている。また、4台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dによって、4台の排水ポンプ10A,10B,10C,10Dが各別に運転されるように構成されている。
【0012】
4台の排水ポンプ10A,10B,10C,10Dは、たとえば小型・軽量の水中ポンプによってなり、人力で運搬できるものが使用される。使用例として、1台あたりの排水量は1.5m3/分で、その重量は25Kg程度のものが望ましい。また、油圧回路11における油圧ポンプ6の間の管路に電磁式または電動式切換弁14が介設され、この電磁式または電動式切換弁14を切換え操作することによって、圧油が4台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dまたはリターン管路15に送られる。このリターン管路15には、ディーゼルエンジン1により駆動されるフアンによって空冷される圧油冷却装置16が介設され、この圧油冷却装置16の直上流位置に電磁式または電動式切換弁17が介設されている。この電磁式または電動式切換弁17を切換え操作することによって、圧油は圧油冷却装置16を通るかまたはバイパス管路18を通ってオイルタンク19に還流される。
【0013】
オイルタンク19内の油温は温度センサー20によって検出され、検温信号は制御手段21に入力される。制御手段21は、入力された検温信号に基づいて、油温が40゜C以上であると判断した場合には、切換弁14に切換制御信号を出力して、油圧ポンプ6により4台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dの駆動可能な状態に切換るとともに、切換弁17に切換制御信号を出力して、圧油冷却装置16を通してオイルタンク19に圧油を還流させるように切換える。また、制御手段21は、入力された検温信号に基づいて、油温が40゜C未満であると判断した場合には、切換弁14に切換制御信号を出力して、油圧ポンプ6からの圧油をリターン管路15へ送れるように切換るとともに、切換弁17に切換制御信号を出力してバイパス管路18を通してオイルタンク19に圧油を還流させるように切換える。
【0014】
前記構成において、エンジン1は、油温が設定値になるまで暖気運転される。暖気運転が終了するとアイドリング運転(低速運転)に入る。ここで、1台目の排水ポンプ10Aの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、1台目の排水ポンプ10Aは、エンジン1のアイドリング運転による油圧ポンプ6の駆動と、この油圧ポンプ6によって駆動される1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Aの低速起動によって運転を開始する。所定時間(約30秒程度)経過後に図3に示すアクセルシリンダ22を実線で示す1台運転の位置にセットすると、エンジン1は回転数を増やして、1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Aの回転数を定格回転まで増大させて運転する。
【0015】
2台目の排水ポンプ10Bの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Aが定格回転している状態に、2台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Bと2台目の排水ポンプ10Bが負荷され油量が増えないので、2台目の排水ポンプ10Aは、低速回転によって運転を開始する。所定時間(約30秒程度)経過後に図2に示すアクセルシリンダ22を破線で示す2台運転の位置にセットすると、エンジン1は回転数を増やして、油圧ポンプ6の吐出量を増やし、2台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8Bの回転数を定格回転まで増大させて運転する。
【0016】
3台目の排水ポンプ10Cの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、2台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8Bが定格回転している状態に、3台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Cと3台目の排水ポンプ10Cが負荷されて、3台目の排水ポンプ10Cは、低速回転によって運転を開始する。所定時間(約30秒程度)経過後に図2に示すアクセルシリンダ22を一点鎖線で示す3台運転の位置にセットすると、エンジン1は回転数を増やして、3台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8Cの回転数を定格回転まで増大させて運転する。
【0017】
4台目の排水ポンプ10Dの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、3台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8Cが定格回転している状態に、4台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Dと4台目の排水ポンプ10Dが負荷されて、4台目の排水ポンプ10Dは、低速回転によって運転を開始する。所定時間(約30秒程度)経過後に図2に示すアクセルシリンダ22を二点鎖線で示す4台運転の位置にセットすると、エンジン1は回転数を増やして、4台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dの回転数を定格回転まで増大させて運転する。
【0018】
油圧ポンプ6によって駆動される排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dそれぞれの重量と容積は、同一出力の排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dそれぞれの重量と容積よりも小さくなり、排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dによって運転される排水ポンプ10A,10B,10C,10Dそれぞれの重量と容積は、同一排水能力の水中ポンプ4A,4B,4C,4Dそれぞれの重量と容積よりも小さくなる。このため、排水または給排水現場の水域への排水ポンプの投入作業が容易になる。また、圧油ホース13A,13Bによってなる動力供給系の外径と重量は、電源ケーブルによってなる従来の動力供給系の外径と重量よりも小さくなるので、動力供給系の布設作業が容易になる。
【0019】
しかも、排水ポンプ10A,10B,10C,10Dは低速回転によって運転を開始させ、所定時間経過後にエンジンの回転数を増やして定格運転させるので、各排水ポンプの吐出量は起動直後の少ない吐出量から定格吐出量へと漸次増大することになる。このため、排水ホースの揺動を抑えることができる。したがって、従来なされていた排水ホースを固定する煩雑な作業が軽減される。さらに、高トルクで駆動しなければならない発電容量の大きい発電機が不要になるので、出力の小さい小型のエンジンを使用できるから、イニシャルコストおよびランニングコストの低い運転を行うことができる。
【0020】
つぎに、請求項2に記載の発明に係る排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニットの一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、請求項1に記載の発明に係る排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニットと同一もしくは相当部分には、同一符号を付して再度の説明は省略する。図2において、油圧ポンプ6は、可変吐出量ピストンポンプによってなるレギュレータ23によって、吐出圧を一定にして吐出量を調整できるように構成されている。
【0021】
前記構成において、エンジン1は、油温が設定値になるまで暖気運転される。暖気運転が終了するとアイドリング運転(低速運転)に入る。ここで、1台目の排水ポンプ10Aの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、1台目の排水ポンプ10Aは、エンジン1のアイドリング運転による油圧ポンプ6の駆動と、この油圧ポンプ6によって駆動される1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Aの低速起動によって運転を開始し、所定時間(約30秒程度)経過後に図2に示すアクセルシリンダ22を全速運転の位置にセットする。油圧ポンプ6は設定油圧になるまで吐出量を増やして、1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Aの回転数を定格回転まで漸次増大させて運転する。
【0022】
2台目の排水ポンプ10Bの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Aが定格回転している状態に、2台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Bと2台目の排水ポンプ10Bが負荷されて、油圧ポンプ6は設定油圧になるまで吐出量を増やし、2台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8Bの回転数を定格回転まで漸次増大させて運転する。
【0023】
3台目の排水ポンプ10Cの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、2台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8Bが定格回転している状態に、3台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Cと3台目の排水ポンプ10Cが負荷されて、油圧ポンプ6は設定油圧になるまで吐出量を増やし、3台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8Cの回転数を定格回転まで漸次増大させて運転する。
【0024】
4台目の排水ポンプ10Dの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、3台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8Cが定格回転している状態に、4台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Dと4台目の排水ポンプ10Dが負荷されて、油圧ポンプ6は設定油圧になるまで吐出量を増やし、4台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dの回転数を定格回転まで漸次増大させて運転する。
【0025】
油圧ポンプ6によって駆動される排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dそれぞれの重量と容積は、同一出力の排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dそれぞれの重量と容積よりも小さくなり、排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dによって運転される排水ポンプ10A,10B,10C,10Dそれぞれの重量と容積は、同一排水能力の水中ポンプ4A,4B,4C,4Dそれぞれの重量と容積よりも小さくなる。このため、排水または給排水現場の水域への排水ポンプの投入作業が容易になる。また、圧油ホース13A,13Bによってなる動力供給系の外径と重量は、電源ケーブルによってなる従来の動力供給系の外径と重量よりも小さくなるので、動力供給系の布設作業が容易になる。
【0026】
しかも、可変吐出量ピストンポンプによってなるレギュレータ23による吐出量調整によって、排水ポンプ10A,10B,10C,10Dは低速回転によって運転を開始させ、所定時間経過後に定格運転させるので、各排水ポンプの吐出量は起動直後の少ない吐出量から定格吐出量へと漸次増大することになる。このため、排水ホースの揺動を抑えることができる。したがって、従来なされていた排水ホースを固定する煩雑な作業が不要になる。さらに、高トルクで駆動しなければならない発電容量の大きい発電機が不要になるので、出力の小さい小型のエンジンを使用できるから、イニシャルコストおよびランニングコストの低い運転を行うことができる。なお、排水ポンプ10A〜10D以外の油圧機器(油圧ブレーカやドリルなど)本ユニットで運転できる。また、油圧ポンプの容量が排水ポンプ用モータと変わっても、圧力一定制御するので、定格圧力が同じレベル(たとえば14〜21MPa)の油圧モータであれば定格運転できる。
【0027】
なお、排水ポンプ10A,10B,10C,10Dの使用台数は、前記実施の形態で説明した台数にのみ限定されるものではなく、任意の台数を選択して使用することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、油圧ポンプによって駆動される排水ポンプ駆動用油圧モータの重量と容積は、同一出力の排水ポンプ駆動用電動モーターの重量と容積よりも小さくなるとともに、排水ポンプ駆動用油圧モータによって運転される排水ポンプの重量と容積は、同一排水能力の従来の水中ポンプの重量と容積よりも小さくなる。このため、排水または給排水現場の水域への排水ポンプの投入作業が容易になる。また、圧油ホースによってなる動力供給系の外径と重量は、電源ケーブルによってなる従来の動力供給系の外径と重量よりも小さくなるので、動力供給系の布設作業が容易になる。しかも、排水ポンプは低速回転によって運転を開始させ、所定時間経過後に定格運転させるので、排水ポンプの吐出量は起動直後の少ない吐出量から定格吐出量へと漸次増大することになる。このため、排水ホースの揺動を抑えることができる。したがって、従来なされていた排水ホースを固定する煩雑な作業が不要になる。さらに、高トルクで駆動しなければならない発電容量の大きい発電機が不要になるので、出力の小さい小型のエンジンを使用できるから、イニシャルコストおよびランニングコストの低い運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】アクセルシリンダの作動状態を示す説明図である。
【図3】請求項2に記載の発明の一実施例を示す構成図である。
【図4】従来例の構成図である。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン(エンジン)
2 舟型密封ボデイ
6 油圧ポンプ
8A 排水ポンプ駆動用油圧モータ
8B 排水ポンプ駆動用油圧モータ
8C 排水ポンプ駆動用油圧モータ
8D 排水ポンプ駆動用油圧モータ
10A 排水ポンプ
10B 排水ポンプ
10C 排水ポンプ
10D 排水ポンプ
23 レギュレータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、水災害時の緊急排水、土木仮設工事の排水あるいは農業用給排水などに使用される排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
水災害時の緊急排水、土木仮設工事排水あるいは農業用給排水などに使用される排水ポンプ用エンジン駆動電動ポンプユニットとして、図4に示すように、ディーゼルエンジン1と、該エンジン1により駆動される発電機2と、この発電機2からの電力供給によって駆動される複数台(たとえば4台)の排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dと、これら排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dの個々に一体に結合されて運転される複数台(たとえば4台)の水中ポンプ4A,4B,4C,4Dを備えたものが知られている。
【0003】
この種の排水ポンプ用エンジン駆動電動ポンプユニットでは、排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dそれぞれの起動スイッチSWが設けられている4本の電源ケーブル5A,5B,5C,5Dと、水中ポンプ4A,4B,4C,4Dそれぞれの吐出口に接続される4本の排水ホース(図示省略)を用意し、前記ポンプユニットとともに適当な運搬用車輌によって排水または給排水現場の近くまで搬送される。
【0004】
排水または給排水現場の近くに到着したならば、発電機2の出力端子と、排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dそれぞれの入力端子とを電源ケーブル5A,5B,5C,5Dで接続したのち、1台または2台以上の水中ポンプ4A,4B,4C,4Dを排水または給排水現場の水域に投入し、エンジン1により発電機2を駆動し、排水または給排水現場の水域に投入されている1台または2台以上の水中ポンプ4A,4B,4C,4Dに対応する起動スイッチSWをONすることで、1台または2台以上の排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dを起動することにより排水運転がなされる。
【0005】
しかし、従来の排水ポンプ用エンジン駆動電動ポンプユニットでは、排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dの個々に一体に結合されて運転される水中ポンプ4A,4B,4C,4Dの重量および容積が大きいので、排水または給排水現場の水域への投入作業が困難であるとともに、電源ケーブル5A,5B,5C,5Dが大径で、重量も大きいので布設作業が困難である。また、各水中ポンプ4A,4B,4C,4Dは排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dによって運転されるので、運転開始直後から定格出力により高速運転される。このため、各水中ポンプ4A,4B,4C,4Dは起動直後に定格吐出量で急激に吐出することになり、起動直後から比較的長時間にわたって排水ホースを大きく揺動させる。したがって、4本の排水ホースを固定する煩雑な作業が要求される。しかも、発電容量が比較的大きい発電機2を高トルクで駆動しなければならないので、直入起動式の場合は、出力の大きい大型のディーゼルエンジン1が必要になり、排水ポンプ用エンジン駆動電動ポンプユニットのイニシャルコストおよびランニングコストが高くなるなどの問題点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、従来の排水ポンプ用エンジン駆動電動ポンプユニットでは、電動モータ駆動水中ポンプの重量と容積が大きいので、排水または給排水現場の水域への投入作業が困難であるとともに、電源ケーブルが大径で重量も大きいので動力供給系の布設作業が困難である。また、水中ポンプは排水ポンプ駆動用電動モータによって運転されるので、運転開始直後から定格出力により高速運転され、各水中ポンプは起動直後から定格吐出量で急速に吐出することになるため、起動直後から比較的長時間にわたって排水ホースを大きく揺動させる。したがって、排水ホースを固定する煩雑な作業が要求される。しかも、発電容量が比較的大きい発電機を高トルクで駆動しなければならないので、出力の大きい大型のエンジンが必要になり、イニシャルコストおよびランニングコストが高くなるなどの問題点を有している。
そこで、本発明は、排水または給排水現場の水域への排水ポンプの投入作業および動力供給系の布設作業が容易になされるとともに、排水ホースの揺動が抑えられ、かつ低出力小型のエンジンによってイニシャルコストおよびランニングコストの低い運転を行うことができる排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニットは、エンジンと、該エンジンにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプにより駆動される複数台の排水ポンプ駆動用油圧モータと、これら排水ポンプ駆動用油圧モータによって個々に運転される複数台の排水ポンプを備え、1台目の排水ポンプは、前記エンジンのアイドリング運転による油圧ポンプの駆動と、この油圧ポンプによって駆動される1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータの低速回転によって運転を開始し、所定時間経過後にエンジンの回転数を増やして1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータの回転数を定格回転まで増大して運転するとともに、2台目以降に増加して運転される排水ポンプは、増加した排水ポンプ駆動用油圧モータおよび排水ポンプが負荷されることによって低下した低速回転によって運転を開始し、所定時間経過後に前記エンジンの回転数を増やして2台目以降に増加した台数の排水ポンプ駆動用油圧モータの回転数を定格回転まで増大して運転するように構成したことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニットは、エンジンと、該エンジンにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプにより駆動される複数台の排水ポンプ駆動用油圧モータと、これら排水ポンプ駆動用油圧モータによって個々に運転される複数台の排水ポンプを備え、前記エンジンを定格運転するとともに、1台目の排水ポンプは、レギュレータによる前記油圧ポンプの圧油吐出量調整により排水ポンプ駆動用油圧モータの回転数を低速回転から定格回転まで漸次増大させて運転するとともに、2台目以降に増加して運転される排水ポンプは、増加した排水ポンプ駆動用油圧モータおよび排水ポンプが負荷されることによって低下した低速回転によって運転を開始し、所定時間経過後にレギュレータによる前記油圧ポンプの圧油吐出量調整により2台目以降に増加した台数の排水ポンプ駆動用油圧モータの回転数を定格回転まで漸次増大させて運転するように構成したことを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、油圧ポンプによって駆動される排水ポンプ駆動用油圧モータの重量と容積は、同一出力の排水ポンプ駆動用電動モータの重量と容積よりも小さくなり、排水ポンプ駆動用油圧モータによって運転される排水ポンプの重量と容積は、同一排水能力の水中ポンプの重量と容積よりも小さくなる。また、油圧ポンプと排水ポンプ駆動用油圧モータを接続する圧油供給ホースおよび排水ポンプ駆動用油圧モータ通過後の油をオイルタンクに還流させるオイル還流ホースによってなる動力供給系の外径と重量は、電源ケーブルによってなる動力供給系の外径と重量よりも小さくなる。しかも、エンジンの低速回転によって排水ポンプの運転を開始し、所定時間経過後にエンジンの回転数を増やして排水ポンプを定格運転するので、排水ポンプの吐出量は起動直後の少ない吐出量から定格吐出量へと漸次増大することになる。このため、排水ホースの揺動を抑えることができる。さらに、高トルクで駆動しなければならない発電容量の大きい発電機が不要になるので、出力の小さい小型のエンジンを使用できる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、油圧ポンプによって駆動される排水ポンプ駆動用油圧モータの重量と容積は、同一出力の排水ポンプ駆動用電動モータの重量と容積よりも小さくなり、排水ポンプ駆動用油圧モータによって運転される排水ポンプの重量と容積は、同一排水能力の水中ポンプの重量と容積よりも小さくなる。また、油圧ポンプと排水ポンプ駆動用油圧モータを接続する圧油供給ホースおよび排水ポンプ駆動用油圧モータ通過後の油をオイルタンクに還流させるオイル還流ホースによってなる動力供給系の外径と重量は、電源ケーブルによってなる動力供給系の外径と重量よりも小さくなる。しかも、エンジンを定格運転するとともに、レギュレータによる油圧ポンプの圧油吐出量調整により排水ポンプを低速回転から定格回転まで漸増して運転するので、排水ポンプの吐出量は起動直後の少ない吐出量から定格吐出量へと漸次増大することになる。このため、排水ホースの揺動を抑えることができる。さらに、高トルクで駆動しなければならない発電容量の大きい発電機が不要になるので、出力の小さい小型のエンジンを使用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、請求項1に記載の発明に係る排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニットの一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、ディーゼルエンジン1により駆動される1台の油圧ポンプ6と、この油圧ポンプ6により圧送される圧油を循環させる油圧回路11を有し、油圧回路11の4つの出口にカプラ12Aが設けられ、4つの入口にカプラ12Bが設けらている。そして、4つのカプラ12Aと4台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dそれぞれの入口を圧油ホース13Aによって着脱可能に接続し、4つのカプラ12Bと4台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dそれぞれの出口を圧油ホース13Bによって着脱可能に接続できるようになっており、各カプラ12Aの直上流位置に電磁式または電動式切換弁7が介設されている。また、4台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dによって、4台の排水ポンプ10A,10B,10C,10Dが各別に運転されるように構成されている。
【0012】
4台の排水ポンプ10A,10B,10C,10Dは、たとえば小型・軽量の水中ポンプによってなり、人力で運搬できるものが使用される。使用例として、1台あたりの排水量は1.5m3/分で、その重量は25Kg程度のものが望ましい。また、油圧回路11における油圧ポンプ6の間の管路に電磁式または電動式切換弁14が介設され、この電磁式または電動式切換弁14を切換え操作することによって、圧油が4台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dまたはリターン管路15に送られる。このリターン管路15には、ディーゼルエンジン1により駆動されるフアンによって空冷される圧油冷却装置16が介設され、この圧油冷却装置16の直上流位置に電磁式または電動式切換弁17が介設されている。この電磁式または電動式切換弁17を切換え操作することによって、圧油は圧油冷却装置16を通るかまたはバイパス管路18を通ってオイルタンク19に還流される。
【0013】
オイルタンク19内の油温は温度センサー20によって検出され、検温信号は制御手段21に入力される。制御手段21は、入力された検温信号に基づいて、油温が40゜C以上であると判断した場合には、切換弁14に切換制御信号を出力して、油圧ポンプ6により4台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dの駆動可能な状態に切換るとともに、切換弁17に切換制御信号を出力して、圧油冷却装置16を通してオイルタンク19に圧油を還流させるように切換える。また、制御手段21は、入力された検温信号に基づいて、油温が40゜C未満であると判断した場合には、切換弁14に切換制御信号を出力して、油圧ポンプ6からの圧油をリターン管路15へ送れるように切換るとともに、切換弁17に切換制御信号を出力してバイパス管路18を通してオイルタンク19に圧油を還流させるように切換える。
【0014】
前記構成において、エンジン1は、油温が設定値になるまで暖気運転される。暖気運転が終了するとアイドリング運転(低速運転)に入る。ここで、1台目の排水ポンプ10Aの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、1台目の排水ポンプ10Aは、エンジン1のアイドリング運転による油圧ポンプ6の駆動と、この油圧ポンプ6によって駆動される1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Aの低速起動によって運転を開始する。所定時間(約30秒程度)経過後に図3に示すアクセルシリンダ22を実線で示す1台運転の位置にセットすると、エンジン1は回転数を増やして、1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Aの回転数を定格回転まで増大させて運転する。
【0015】
2台目の排水ポンプ10Bの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Aが定格回転している状態に、2台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Bと2台目の排水ポンプ10Bが負荷され油量が増えないので、2台目の排水ポンプ10Aは、低速回転によって運転を開始する。所定時間(約30秒程度)経過後に図2に示すアクセルシリンダ22を破線で示す2台運転の位置にセットすると、エンジン1は回転数を増やして、油圧ポンプ6の吐出量を増やし、2台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8Bの回転数を定格回転まで増大させて運転する。
【0016】
3台目の排水ポンプ10Cの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、2台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8Bが定格回転している状態に、3台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Cと3台目の排水ポンプ10Cが負荷されて、3台目の排水ポンプ10Cは、低速回転によって運転を開始する。所定時間(約30秒程度)経過後に図2に示すアクセルシリンダ22を一点鎖線で示す3台運転の位置にセットすると、エンジン1は回転数を増やして、3台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8Cの回転数を定格回転まで増大させて運転する。
【0017】
4台目の排水ポンプ10Dの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、3台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8Cが定格回転している状態に、4台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Dと4台目の排水ポンプ10Dが負荷されて、4台目の排水ポンプ10Dは、低速回転によって運転を開始する。所定時間(約30秒程度)経過後に図2に示すアクセルシリンダ22を二点鎖線で示す4台運転の位置にセットすると、エンジン1は回転数を増やして、4台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dの回転数を定格回転まで増大させて運転する。
【0018】
油圧ポンプ6によって駆動される排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dそれぞれの重量と容積は、同一出力の排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dそれぞれの重量と容積よりも小さくなり、排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dによって運転される排水ポンプ10A,10B,10C,10Dそれぞれの重量と容積は、同一排水能力の水中ポンプ4A,4B,4C,4Dそれぞれの重量と容積よりも小さくなる。このため、排水または給排水現場の水域への排水ポンプの投入作業が容易になる。また、圧油ホース13A,13Bによってなる動力供給系の外径と重量は、電源ケーブルによってなる従来の動力供給系の外径と重量よりも小さくなるので、動力供給系の布設作業が容易になる。
【0019】
しかも、排水ポンプ10A,10B,10C,10Dは低速回転によって運転を開始させ、所定時間経過後にエンジンの回転数を増やして定格運転させるので、各排水ポンプの吐出量は起動直後の少ない吐出量から定格吐出量へと漸次増大することになる。このため、排水ホースの揺動を抑えることができる。したがって、従来なされていた排水ホースを固定する煩雑な作業が軽減される。さらに、高トルクで駆動しなければならない発電容量の大きい発電機が不要になるので、出力の小さい小型のエンジンを使用できるから、イニシャルコストおよびランニングコストの低い運転を行うことができる。
【0020】
つぎに、請求項2に記載の発明に係る排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニットの一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、請求項1に記載の発明に係る排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニットと同一もしくは相当部分には、同一符号を付して再度の説明は省略する。図2において、油圧ポンプ6は、可変吐出量ピストンポンプによってなるレギュレータ23によって、吐出圧を一定にして吐出量を調整できるように構成されている。
【0021】
前記構成において、エンジン1は、油温が設定値になるまで暖気運転される。暖気運転が終了するとアイドリング運転(低速運転)に入る。ここで、1台目の排水ポンプ10Aの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、1台目の排水ポンプ10Aは、エンジン1のアイドリング運転による油圧ポンプ6の駆動と、この油圧ポンプ6によって駆動される1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Aの低速起動によって運転を開始し、所定時間(約30秒程度)経過後に図2に示すアクセルシリンダ22を全速運転の位置にセットする。油圧ポンプ6は設定油圧になるまで吐出量を増やして、1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Aの回転数を定格回転まで漸次増大させて運転する。
【0022】
2台目の排水ポンプ10Bの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Aが定格回転している状態に、2台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Bと2台目の排水ポンプ10Bが負荷されて、油圧ポンプ6は設定油圧になるまで吐出量を増やし、2台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8Bの回転数を定格回転まで漸次増大させて運転する。
【0023】
3台目の排水ポンプ10Cの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、2台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8Bが定格回転している状態に、3台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Cと3台目の排水ポンプ10Cが負荷されて、油圧ポンプ6は設定油圧になるまで吐出量を増やし、3台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8Cの回転数を定格回転まで漸次増大させて運転する。
【0024】
4台目の排水ポンプ10Dの運転スイッチ(図示省略)を操作すると、3台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8Cが定格回転している状態に、4台目の排水ポンプ駆動用油圧モータ8Dと4台目の排水ポンプ10Dが負荷されて、油圧ポンプ6は設定油圧になるまで吐出量を増やし、4台の排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dの回転数を定格回転まで漸次増大させて運転する。
【0025】
油圧ポンプ6によって駆動される排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dそれぞれの重量と容積は、同一出力の排水ポンプ駆動用電動モータ3A,3B,3C,3Dそれぞれの重量と容積よりも小さくなり、排水ポンプ駆動用油圧モータ8A,8B,8C,8Dによって運転される排水ポンプ10A,10B,10C,10Dそれぞれの重量と容積は、同一排水能力の水中ポンプ4A,4B,4C,4Dそれぞれの重量と容積よりも小さくなる。このため、排水または給排水現場の水域への排水ポンプの投入作業が容易になる。また、圧油ホース13A,13Bによってなる動力供給系の外径と重量は、電源ケーブルによってなる従来の動力供給系の外径と重量よりも小さくなるので、動力供給系の布設作業が容易になる。
【0026】
しかも、可変吐出量ピストンポンプによってなるレギュレータ23による吐出量調整によって、排水ポンプ10A,10B,10C,10Dは低速回転によって運転を開始させ、所定時間経過後に定格運転させるので、各排水ポンプの吐出量は起動直後の少ない吐出量から定格吐出量へと漸次増大することになる。このため、排水ホースの揺動を抑えることができる。したがって、従来なされていた排水ホースを固定する煩雑な作業が不要になる。さらに、高トルクで駆動しなければならない発電容量の大きい発電機が不要になるので、出力の小さい小型のエンジンを使用できるから、イニシャルコストおよびランニングコストの低い運転を行うことができる。なお、排水ポンプ10A〜10D以外の油圧機器(油圧ブレーカやドリルなど)本ユニットで運転できる。また、油圧ポンプの容量が排水ポンプ用モータと変わっても、圧力一定制御するので、定格圧力が同じレベル(たとえば14〜21MPa)の油圧モータであれば定格運転できる。
【0027】
なお、排水ポンプ10A,10B,10C,10Dの使用台数は、前記実施の形態で説明した台数にのみ限定されるものではなく、任意の台数を選択して使用することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、油圧ポンプによって駆動される排水ポンプ駆動用油圧モータの重量と容積は、同一出力の排水ポンプ駆動用電動モーターの重量と容積よりも小さくなるとともに、排水ポンプ駆動用油圧モータによって運転される排水ポンプの重量と容積は、同一排水能力の従来の水中ポンプの重量と容積よりも小さくなる。このため、排水または給排水現場の水域への排水ポンプの投入作業が容易になる。また、圧油ホースによってなる動力供給系の外径と重量は、電源ケーブルによってなる従来の動力供給系の外径と重量よりも小さくなるので、動力供給系の布設作業が容易になる。しかも、排水ポンプは低速回転によって運転を開始させ、所定時間経過後に定格運転させるので、排水ポンプの吐出量は起動直後の少ない吐出量から定格吐出量へと漸次増大することになる。このため、排水ホースの揺動を抑えることができる。したがって、従来なされていた排水ホースを固定する煩雑な作業が不要になる。さらに、高トルクで駆動しなければならない発電容量の大きい発電機が不要になるので、出力の小さい小型のエンジンを使用できるから、イニシャルコストおよびランニングコストの低い運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】アクセルシリンダの作動状態を示す説明図である。
【図3】請求項2に記載の発明の一実施例を示す構成図である。
【図4】従来例の構成図である。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン(エンジン)
2 舟型密封ボデイ
6 油圧ポンプ
8A 排水ポンプ駆動用油圧モータ
8B 排水ポンプ駆動用油圧モータ
8C 排水ポンプ駆動用油圧モータ
8D 排水ポンプ駆動用油圧モータ
10A 排水ポンプ
10B 排水ポンプ
10C 排水ポンプ
10D 排水ポンプ
23 レギュレータ
Claims (2)
- エンジンと、該エンジンにより駆動される1台の油圧ポンプと、この油圧ポンプにより駆動される複数台の排水ポンプ駆動用油圧モータと、これら排水ポンプ駆動用油圧モータによって個々に運転される複数台の排水ポンプを備え、1台目の排水ポンプは、前記エンジンのアイドリング運転による油圧ポンプの駆動と、この油圧ポンプによって駆動される1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータの低速回転によって運転を開始し、所定時間経過後にエンジンの回転数を増やして1台目の排水ポンプ駆動用油圧モータの回転数を定格回転まで増大して運転するとともに、2台目以降に増加して運転される排水ポンプは、増加した排水ポンプ駆動用油圧モータおよび排水ポンプが負荷されることによって低下した低速回転によって運転を開始し、所定時間経過後に前記エンジンの回転数を増やして2台目以降に増加した台数の排水ポンプ駆動用油圧モータの回転数を定格回転まで増大して運転するように構成したことを特徴とする排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニット。
- エンジンと、該エンジンにより駆動される1台の油圧ポンプと、この油圧ポンプにより駆動される複数台の排水ポンプ駆動用油圧モータと、これら排水ポンプ駆動用油圧モータによって個々に運転される複数台の排水ポンプを備え、前記エンジンを定格運転するとともに、1台目の排水ポンプは、レギュレータによる前記油圧ポンプの圧油吐出量調整により排水ポンプ駆動用油圧モータの回転数を低速回転から定格回転まで漸次増大させて運転するとともに、2台目以降に増加して運転される排水ポンプは、増加した排水ポンプ駆動用油圧モータおよび排水ポンプが負荷されることによって低下した低速回転によって運転を開始し、所定時間経過後にレギュレータによる前記油圧ポンプの圧油吐出量調整により2台目以降に増加した台数の排水ポンプ駆動用油圧モータの回転数を定格回転まで漸次増大させて運転するように構成したことを特徴とする排水ポンプ用エンジン駆動油圧ポンプユニット。
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JPH11132152A JPH11132152A (ja) | 1999-05-18 |
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