JP3652580B2 - 立軸排水ポンプ機場の給電システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の立軸排水ポンプ装置を用いた排水ポンプ機場に係わり、特に立軸排水ポンプ機場の給電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各地の大きな河川には、大雨増水時における河川流域の冠水被害を防止する目的で、海やバイパス水路などに緊急排水を行う排水ポンプ機場(以下適宜、機場という)が建設されてきている。この設備はその性格上、大雨災害による停電時においても迅速に、且つ確実に運転できることが要求されている。
【0003】
排水ポンプを駆動する駆動装置には、ディーゼルエンジンまたはガスタービンなどの原動機に減速ギア等を組み込んだものを用いられているが、近年では、河川流域における都市化が進んでいることから機場の省スペース化による建設コストの縮小化が図られており、この結果、小型・高出力で機器自体をコンパクトに製作でき、且つ振動、排ガス等の対環境性にも優れるガスタービン駆動装置が多く利用されつつある。またポンプを駆動する形態も、立軸ポンプにダイレクトに接続することでより機器の設置スペースを縮小化した立軸型出力の駆動形態へと変遷してきている。
【0004】
この立軸排水ポンプ装置は、それぞれ1つずつの原動機付駆動装置によって駆動され、またポンプ毎に開閉バルブ等の様々な電気駆動のポンプ系統補機を備えている。通常の排水ポンプ機場は、こういった排水ポンプを複数台設置している。
【0005】
そして上記電気駆動のポンプ系統補機は前記いずれの種類の原動機を用いる場合でも共通して必要とされるものであり、外部からの一般供給電源(以下、商用電源という)が災害によって停電した場合においても確実に運転機能を確保・維持するためには、これらポンプ系統補機に駆動用電力を供給することが必要であった。
【0006】
そこで、これに対応するために特開平11−257441号公報に記載されているように個々の排水ポンプの駆動装置にそれぞれ自己発電機を備えてポンプ系統補機の駆動用電力を自己給電する構成が提案されている。これにより、商用電源停電時にも、排水ポンプを駆動装置で駆動するだけでポンプ系統補機に給電されるので、排水ポンプ全体の運転が可能となる。なお、同様の構成が特開平9−228985号公報および特開平11−351180号公報などにも記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、一般に、排水ポンプ機場は、ポンプ系統補機を備えた排水ポンプを複数台設置しているが、通常そのほかに、それら複数の排水ポンプに共通で使用する電気駆動の潤滑油冷却装置や機場の照明設備などといった建屋関係の設備(以下、機場付帯設備という)が併せて設けられている。そのため、商用電源停電時には、ポンプ系統補機のみならずそれら機場付帯設備にも何らかの手段で給電を行わなければならない。しかしながら、上記従来技術にはこのような点に配慮されておらず、商用電源停電時に機場付帯設備へ給電することができない。
【0008】
また、自己発電機といえども故障を皆無とするのは困難であるため、信頼性の上で万全を期すためには、故障した自己発電機に対するバックアップ用電源の設置が必須である。しかしながら上記従来技術ではこのような点にも配慮されておらず、万全な信頼性を確保するのが困難である。
【0009】
本発明の目的は、商用電源の停電時において機場付帯設備にも給電でき、かつ万全な信頼性を確保できる立軸排水ポンプ機場の給電システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明によれば、複数の立軸排水ポンプ装置を設置した立軸排水ポンプ機場の給電システムにおいて、単体の前記立軸排水ポンプ装置が必要とするポンプ系統補機用の電力を発電可能な容量にある自己発電機を対応する立軸排水ポンプ装置の駆動装置にそれぞれ設け、少なくとも機場付帯設備用の電力と単体の前記立軸排水ポンプ装置に必要とする前記ポンプ系統補機用の電力との合計電力だけ発電可能な容量にある非常用発電設備を設けたものとする。
【0011】
これにより、商用電源の停電時において機場付帯設備にも給電でき、かつ万全な信頼性を確保できる。
【0012】
(2)上記目的を達成するために、本発明によれば、複数の立軸排水ポンプ装置を設置した立軸排水ポンプ機場の給電システムにおいて、単体の前記立軸排水ポンプ装置が必要とするポンプ系統補機用の電力を発電可能な容量にある自己発電機を対応する立軸排水ポンプ装置の駆動装置にそれぞれ設け、少なくとも機場付帯設備用の電力と単体の前記立軸排水ポンプ装置に必要とする前記ポンプ系統補機用の電力との合計電力だけ発電可能な容量にある非常用発電設備を前記複数の立軸排水ポンプ装置のポンプ系統補機および前記機場付帯設備にそれぞれ選択的に接続可能に設けものとする。
【0013】
これにより、商用電源の停電時においても機場付帯設備および各自己発電機に対する効率のよいバックアップが可能となり、かつ万全な信頼性を確保できる。
【0014】
(3)上記(2)の立軸排水ポンプ機場の給電システムにおいて、好ましくは、前記非常用発電設備の発電容量が、前記立軸排水ポンプ装置2基分の前記ポンプ系統補機用の電力以上にあるものとする。
【0015】
これにより、自己発電基が2台故障した場合に対しても効率のよいバックアップが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を参照しながら説明する。
【0017】
図1は本発明の実施形態にある給電システムを適用した立軸排水ポンプ機場1の設備配置図であり、図2は図1中のAA’線矢視における立軸排水ポンプ装置4の縦断面図である。これら図1及び図2において、立軸排水ポンプ機場1は、複数の給水路2が平行に配置し、それぞれにガスタービン駆動装置3を備えた立軸排水ポンプ装置4が3基設置されて共通の吐出水路5に向けて吐出するようになっている。
【0018】
機場1の建屋6にケース7が固定設置されており、ケース7の下面に立軸ポンプ8が接続されてそのポンプ下端内部の羽根車が水位の低い給水路2の水中に浸漬している。ケース7の上面にはガスタービン駆動装置3が設置されており、またケース7の側面には吐出配管9が接続されてその他端が水位の高い吐出水路5の水中に浸漬している。
【0019】
そしてこれらガスタービン駆動装置3、ケース7、立軸ポンプ8、吐出配管9を組み合わせた全体で立軸排水ポンプ装置4が構成され、ガスタービン駆動装置3による立軸ポンプ8の駆動によって給水路2から吸い上げた水をケース7と吐出配管9を通じて吐出水路5へ移送する作動となる。
【0020】
図3は上記本実施形態における立軸排水ポンプ機場1に適用するガスタービン駆動装置3の一実施形態の内部を一部透視した全体斜視図であり、図4は上記ガスタービン駆動装置3の水平断面図である。
【0021】
これらの図に示す通り、ガスタービン駆動装置3の内部構成は、ガスタービン10自体で構成する原動機部11と、この原動機部11から立軸ポンプ8に出力するまで回転軸出力を伝達するためのギア・シャフト類で構成する主動力伝達部12と、ガスタービン駆動装置3を作動させるために必要な駆動装置補機類とそれらを駆動させるためのギア列で構成する駆動装置補機部13とに大別され、それらが駆動装置ケース14内に一体的に組み込まれている。また本実施形態においてガスタービン10は、圧縮機とタービンが同一軸で連結していることで安定した速度で回転する1軸式ガスタービンを使用するものとする。
【0022】
原動機部11を構成するガスタービン10はその出力軸15をスプライン構造での噛み合いを介して第1段ピニオン16の軸芯に挿入するよう減速機17に設置している。減速機17内においてガスタービン出力軸15と平行な配置で軸周りに回転可能に設置されている第1中間シャフト18には、第1段ピニオン16に噛み合う第1段ギア19が同軸に固定されている。さらに第1中間シャフト18の反ガスタービン10側の先端延長上には順に、カップリング20、第2中間シャフト21、流体継手22、第3中間シャフト23、第2段ピニオン24が同軸でかつ回転出力を伝達可能に連結されており、また数カ所にわたって軸受により回転可能に軸支されている。第3中間シャフト23と平行な配置で回転可能に設置されている第4中間シャフト25に第2段ピニオン24と噛み合う第2段ギア26が同軸に固定されている。そして第4中間シャフト25のガスタービン10側の先端延長上には、第4中間シャフト25と直交する配置にあって駆動装置3の下方に延びる出力立軸(減速機出力軸)27が設置されており、第4中間シャフト25のガスタービン10側先端に同軸で固定した第3段傘歯ピニオン28と、出力立軸27に同軸固定した傘歯ギア29が噛み合って連結している。以上の第1段ピニオン16から出力立軸27までの連結機構によって上記の主動力伝達部12が構成され、ガスタービン10からの回転出力を出力立軸27に連結する立軸排水ポンプ装置4にまで伝達することができる。
【0023】
また上記駆動装置補機部13については、第1段ピニオン16や第1段ギア19に同軸に固定されるギア等と噛み合うギア列によりガスタービン出力軸15と直接連動する駆動装置3用の駆動装置補機類で構成されている。そしてその駆動装置補機類には不図示のバッテリー電源を用いてガスタービン10起動用の駆動力を発生するスタータ30、燃料の噴射量を制御してガスタービン10の回転数を制御するガバナ31、燃料噴射の圧力を生成するための燃料加圧ポンプ32、不図示の配管を介して各歯車や回転軸の噛合部・摺動部潤滑ポンプ33などがあり、その他に本実施形態においてはプーリー34とVベルト35とプーリー36aを介して自己発電機36が駆動される。
【0024】
そしてこのガスタービン駆動装置3の作動については、まず不図示のバッテリによりスタータ30を駆動し、ギア列を介してガスタービン10を1度起動させ、自立駆動により回転出力が発生すると、第1段ピニオン16と第1段ギア19の噛み合いによりガスタービン10の回転出力が第1中間シャフト18に伝達され、さらにカップリング20を介して第2中間シャフト21に伝達されると共に各補機類が駆動される。ここでカップリング20は軸の主要部が弾性体で構成されており、同軸に接続する各シャフトのたわみや熱応力を吸収しつつ回転出力を伝達するよう機能する。
【0025】
ここで、本実施形態のように1軸式のガスタービンを使用した場合、起動時のような低速域では回転トルクが小さく、ガスタービン10の起動が確立するまで大きな負荷をつなげることができない。したがってこの駆動装置3では、第2中間シャフト21と第3中間シャフト23の間に接続する流体継手22をクラッチの役割として使用し、ガスタービン10の起動が確立した後に後述の定格回転数を維持しながら徐々に負荷をつなぐ構成としている。ガスタービン10の起動が完了し流体継手22が動作状態(連結状態)になると、第3中間シャフト23およびそれ以降の主動力伝達経路を通じてガスタービン10の回転出力が出力立軸27に伝達され、立軸ポンプ8が駆動される。
【0026】
また本実施形態にあるように原動機部11にガスタービン10を適用した場合には、その駆動に必要とする電力は始動時のスタータ30の回転および最初の着火のみであり、一度定常運転状態に入れば電力を必要とすることなく自立駆動することができる。つまり一度備え付けのバッテリーなどで始動し、定常運転状態に入った後では立軸排水ポンプ装置4単体の駆動に必要とされる電力はポンプ系統補機を駆動するための電力のみとなる。
【0027】
そして本実施形態においては、この定常運転状態時に必要とするポンプ系統補機用の電力を立軸排水ポンプ装置4単体で自己給電する構成であり、ガスタービン10の回転出力が駆動装置3内で立軸ポンプ8を駆動すると同時に駆動装置補機類の1つである自己発電機36を駆動することで、ポンプ系統補機用電力の自己給電を行っている。
【0028】
尚、自己発電機36の回転数は駆動ギア列及びベルト伝達部34、35、36aの減速比により、ガスタービン10が定格回転数にある時点で、自己発電機36側も定格回転数となるように設定されている。
【0029】
ここで、ガスタービン10の駆動中の回転数は、ガバナ31によって常に定格の回転速度に制御されている。また流体継手22を主動力伝達部12の中間位置に配置することにより、自己発電機36は出力立軸27の回転速度の影響を受けない。従って、ガスタービン10が定格運転状態であれば、自己発電機36の回転数は常に定格回転速度に保たれるため、これにより発電される電力は、周波数変動のない非常に安定した電力となり、十分商用電力の代わりとして使用できる。
【0030】
また、上述したようにバッテリ等によりガスタービン10の始動が可能であることから、図5に示すようにいち早くポンプ系統補機に自己給電してそれぞれの立軸排水ポンプ装置4が単独のユニットとして起動できる。そのため、たとえ始めから商用電力が停電した状態にあっても機場に設置する非常用発電設備の起動を待つまでもなく迅速に実排水作業を行うことができる。
【0031】
そして本実施形態の立軸排水ポンプ機場の給電システムは、上記のように構成した立軸排水ポンプ機場に適用されるものである。図6(a)は、本実施形態の立軸排水ポンプ機場の給電システム41のシステム構成を表す概略構成図である。給電システム41は、3基の立軸排水ポンプ装置4のそれぞれのガスタービン駆動装置3に備えられた前述の自己発電機(容量30KVA)36と、それら3基の立軸排水ポンプ装置4に共通に使用され、前述した潤滑ポンプ33で潤滑される潤滑油を冷却する潤滑油冷却装置、機場の照明設備などを含む機場付帯設備43と、非常用発電設備47(容量60KVA、作用は後述)とを有している。
【0032】
図6(a)に示す本実施形態の給電システム41においては、前述したように適用する各立軸排水ポンプ4はそれぞれ駆動装置3に備える自己発電機36により自己給電し単独で駆動できるユニットシステムとなっており、スイッチ51、52、53は開かれて各立軸排水ポンプ装置4は単独で駆動して他の一切の給電設備等に接続しないようになっている。そのため商用電源44が供給可能な通常時においては、商用電源44は機場付帯設備43にのみ接続してその必要分の30KVAだけを給電するようになっている。そして機場の外部から供給される商用電源44は災害時において停電する可能性を考慮しなければならないことから機場内に非常用発電設備47が設置されるが、その発電容量は立軸ポンプ1基分の駆動に必要な30KVAと機場付帯設備43分の30KVAの合計である60KVAとなっている。
【0033】
このような構成により本実施形態は、商用電源44が停電した場合に非常用発電設備47を起動させてスイッチ50を閉じることで機場付帯設備43に接続しバックアップ給電を行うことができる。また更に、各駆動装置3の自己発電機36のうちどれか1つが故障した場合を想定しても、対応するいずれかのスイッチ51、52、53を閉じて選択的に接続することでその故障した自己発電機36に係わるポンプ系統補機42にバックアップ給電を行うことができるので、万全な信頼性を確保することができる。
【0034】
また本実施形態のように機場付帯設備43分の必要電力が、立軸ポンプ1基分の必要電力以上の場合、両方の合計にある非常用発電設備47の発電容量は必然的に立軸ポンプ2基分以上となる。こういった場合には、自己発電機36が2台故障した場合でもそれらに係わる2基分のポンプ系統補機に対して効率のよいバックアップ給電を行うことができる。
【0035】
また、本実施形態は、設置する非常用発電設備47の規模を大幅に縮小し、建設コストおよび設備の導入・維持費用の大幅な削減が可能となるという効果もある。以下、この効果を比較例を用いて説明する。
【0036】
図6(b)はその比較例による立軸排水ポンプ機場の給電システム40の構成概要図であり、図7は上記比較例の給電システム40を適用した立軸排水ポンプ機場55の設備配置図である。
【0037】
これら図6(b)及び図7において、この比較例の構成は、以下のような考え方となっている。すなわち、立軸排水ポンプ4が3基設置されており、それぞれの駆動に必要とされるポンプ系統補機42の電源容量は30KVAで、またその他に機場付帯設備43用として必要とされる電源容量が30KVAで、単純にそれらを合併すれば全ての設備を稼動しようとする場合には合計120KVAの電力供給が必要となる。そこで、通常時には電力の全てを供給できるよう商用電源44の容量を120KVAとし、これを全ての設備に並列に接続して給電を行う。そして商用電源44は遮断(停電)時を考慮して全ての設備の合計電源容量である120KVAを発電可能な容量にある大型の非常用発電設備45を機場内に設置しており、停電時にはスイッチ48を閉じることで商用電源44の代わりに全ての設備に並列に接続されて給電するようになっている。
【0038】
また商用電源44以外の電源として非常用発電設備45を1つ機場内に設置しただけの場合には、さらにこの非常用発電設備45の故障を想定したときにはバックアップ手段がなくなって、排水ポンプ機場の機能が全部停止してしまう可能性が生じることになる。そのような事態を極力回避(万全な信頼性を確保)するために、非常用発電設備45と同じ発電容量にある予備用発電設備46をさらに設置して機場内に2種類の発電設備を設けている。
【0039】
図6(a)と図6(b)とを比較すると図6(b)に示す比較例では商用電源44の他、停電時等のバックアップ給電用として、機場全体の必要電力分の発電容量を持つ非常用発電設備45(120KVA)と、さらにその予備用として同じ発電容量にある予備用発電設備46(120KVA)を設置している。
【0040】
このように同じ規模にある2台の大型の発電設備45、46を並設するため、図7に示すようにその設置スペースが大きく必要とされおり、またその規模と台数に比例して導入・維持費用も高額なものとなる。
【0041】
これに対して、図6(a)に示す本実施形態の給電システム41では、各立軸排水ポンプ装置4の必要電力(30KVA)は各々の自己発電機36による自己給電でまかなうため、非常用電源設備47としては、機場付帯設備43分(30KVA)と自己発電機36故障時の予備1台分(30KVA)の合計60KVA程度で十分となる。また、自己発電機36を含めた発電設備の全発電容量については150KVAとなり、比較例の約60%程度に縮小することができる。
【0042】
すなわち比較的小型にある発電設備47を1台設置すればよいため、比較例の構成と比較して図1中の斜線部に示すように大きく設置スペースを縮小でき、建設コストおよび設備の導入・維持費用の大幅な削減が可能となる。
【0043】
また、図6(b)に示す比較例においては機場全体の非常用電源設備として合計240KVAの発電容量にある発電設備が必要である。
【0044】
これに対し、図6(a)に示す本実施形態の給電システム41においては、商用電源44の供給可能な時点において機場付帯設備43分の30KVAのみ給電すればよいため、商用電源44の契約量も低減でき、運用コスト面でも有利となる。
【0045】
なお、本実施例と比較例とを比べた場合、同程度のバックアップ性能を確保しつつ排水ポンプ機場全体の機能が完全に停止するリスクを分散させるという効果もある。
【0046】
本実施形態の給電システム41では各駆動装置3の自己発電機36と1台の非常用発電設備47によるバックアップ構成となっており、上記比較例の給電システム40では、非常用発電設備45、46及び予備用発電設備によるバックアップ構成であり、商用電源44以外の電源として機場内に2種類の発電設備を設けている点で共通していることから互いにほぼ同程度のバックアップ性能と言える。なおここで本実施形態では、機場付帯設備43に接続できる機場内の発電設備は非常用発電設備47の1台だけであるが、機場付帯設備43自体は全て補足的に機能するものでしかなく、停止した場合でも排水ポンプ機場としての主機能にはあまり影響がないためこの程度のバックアップ構成でも十分なものとなる。
【0047】
そしてこのとき個々の立軸排水ポンプ装置4を自己給電により単独で駆動できるユニットシステムとして各立軸排水ポンプ装置4のバックアップ機能を複数個(この場合3つ)に分散させていることにより、排水ポンプ機場全体の機能が完全に停止するリスクを分散させることができる。
【0048】
すなわち、図6(b)に示す比較例では、予備用発電設備46によるバックアップ運転中にさらに予備用発電設備46の故障が発生すればたちまちポンプ機場設備全体の機能が完全に停止するが、図6(a)に示す本実施形態では非常用発電設備47によるバックアップ運転中にさらに非常用発電設備47の故障が発生したとしても、残存する2つの自己発電機36の発電機能によってポンプ機場設備全体の3分の2の排水能力を確保することができる。したがって排水ポンプ機場全体の機能が完全に停止するといった最悪のケースに至る可能性を極めて低くできる。
【0049】
さらに通常、商用電源44停止時において常時100%運転するとは限らず、例えば3台の立軸排水ポンプ装置4のうち1台のみ(この場合必要な容量は1台の補機分の30KVAと機場付帯設備43の30KVA併せて60KVA)運転したい場合もあるが、上記比較例ではこのように排水ポンプ機場の一部の機能だけをバックアップ運転する際でも、機場全体分の発電容量にある大型の非常用発電設備45(120KVA)を運転しなければならず非常に効率が悪いが、本実施形態では、発電容量の小さい(60KVA)非常用発電設備47を運転すれば足りるので、非常に効率のよいバックアップ構成とすることができる。
【0050】
なお、本発明を適用するガスタービン駆動装置3の構成について、ガスタービン出力軸15に対する駆動装置補機類の配置が図4に示すような配置に限定される必要はなく、例えば図8に示すように自己発電機36とスタータ30がガスタービン出力軸15に対して逆側に位置するなどの配置構成とすることも可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、排水ポンプ機場の運転信頼性を必要最低限確保できる範囲内で非常用発電設備の規模を機能的に最小にすることができるため、導入・維持費用および建設コストの削減を可能とし、かつ、商用電源の停電時においても各自己発電機に対する効率のよいバックアップが可能となる。
【0052】
また本発明によれば、商用電源の停電時においても機場付帯設備および各自己発電機に対する効率のよいバックアップが可能となり、かつ万全な信頼性を確保できる。
【0053】
また本発明によれば、自己発電機が2台故障した場合に対しても効率のよいバックアップが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にある給電システムを適用した立軸排水ポンプ機場の設備配置図である。
【図2】図1中のAA’線矢視における立軸排水ポンプ装置の縦断面図である。
【図3】本実施形態におけるガスタービン駆動装置の内部を一部透視した全体斜視図である。
【図4】本実施形態におけるガスタービン駆動装置の水平断面図である。
【図5】自己発電機搭載方式にある立軸排水ポンプ装置の起動から排水までの時間を説明する図である。
【図6】本実施形態の給電システム(a)と比較例の給電システム(b)とを比較して説明するそれぞれの構成概要図である。
【図7】比較例の給電システムを適用した立軸排水ポンプ機場の設備配置図である。
【図8】本実施形態の給電システムに適用可能で駆動装置補機の配置の異なるガスタービン駆動装置の水平断面図である。
【符号の説明】
1 本実施形態の立軸排水ポンプ機場
2 給水路
3 ガスタービン駆動装置
4 立軸排水ポンプ装置
5 吐出水路
6 建屋
7 ケース
8 立軸ポンプ
9 吐出配管
10 ガスタービン
11 原動機部
12 主動力伝達部
13 駆動装置補機部
14 駆動装置ケース
36 自己発電機
40 比較例の立軸排水ポンプ機場の給電システム
41 本実施形態の立軸排水ポンプ機場の給電システム
42 ポンプ系統補機
43 機場付帯設備
44 商用電源
45 非常用発電設備(120KVA)
46 予備用発電設備
47 非常用発電設備(60KVA)
48、49、50、51、52、53 スイッチ
55 比較例の立軸排水ポンプ機場

Claims (3)

  1. 複数の立軸排水ポンプ装置を設置した立軸排水ポンプ機場の給電システムにおいて、
    単体の前記立軸排水ポンプ装置が必要とするポンプ系統補機用の電力を発電可能な容量にある自己発電機を対応する立軸排水ポンプ装置の駆動装置にそれぞれ設け、
    少なくとも機場付帯設備用の電力と単体の前記立軸排水ポンプ装置に必要とする前記ポンプ系統補機用の電力との合計電力だけ発電可能な容量にある非常用発電設備を設けたことを特徴とする立軸排水ポンプ機場の給電システム。
  2. 複数の立軸排水ポンプ装置を設置した立軸排水ポンプ機場の給電システムにおいて、
    単体の前記立軸排水ポンプ装置が必要とするポンプ系統補機用の電力を発電可能な容量にある自己発電機を対応する立軸排水ポンプ装置の駆動装置にそれぞれ設け、
    少なくとも機場付帯設備用の電力と単体の前記立軸排水ポンプ装置に必要とする前記ポンプ系統補機用の電力との合計電力だけ発電可能な容量にある非常用発電設備を前記複数の立軸排水ポンプ装置のポンプ系統補機および前記機場付帯設備にそれぞれ選択的に接続可能に設けたことを特徴とする立軸排水ポンプ機場の給電システム。
  3. 請求項2記載の立軸排水ポンプ機場の給電システムにおいて、
    前記非常用発電設備の発電容量が、前記立軸排水ポンプ装置2基分の前記ポンプ系統補機用の電力以上にあることを特徴とする立軸排水ポンプ機場の給電システム。
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