JP3609920B2 - 固定式消火システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、消火用水を高圧の不活性ガスにより微噴霧化して放出させる2流体を用いた固定式消火システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、消火液を不活性ガスにより噴霧化して放出させる2流体の微噴霧消火システムとしては図6のものがある。図6において、ガスボンベ100には窒素ガス等の不活性ガスが高圧状態で充填されており、また水タンク103には消火液が貯蔵されている。火災時には、バルブ102を開いてガスボンベ100の不活性高圧ガスをガス配管101により防護区画に設置しているヘッド107に供給する。
【0003】
同時にバルブ106を開いて水タンク103の消火液を不活性ガスで加圧し、バルブ105を開くことで給水配管104によりヘッド107に消火用水を供給する。このためヘッド107は、高圧不活性ガスと消火液の供給を同時に受け、不活性ガスの放出に伴って消火液を微噴霧化して放出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の2流体の微噴霧消火システムにあっては、消火液の微噴霧化による放出をガスボンベに充填した高圧不活性ガスに頼っており、放出できる消火液の量がガスボンベの容量によって制限され、消火が完了する前にガスを放出し尽くしてしまう恐れもあった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、消火用水の不活性ガスの2流体を用いた微噴霧消火につき、不活性ガスの放出に制限されずに継続的に消火できる固定式消火シテムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は、次のように構成する。本発明の固定式消火システムは、防護区画に延びた分岐管にスプリンクラーヘッドが設置され、火災時に給水源から加圧されて供給された消火用水をスプリンクラーヘッドに供給して散水を行う水系消火設備と、水系消火設備の分岐管に接続されて特定の防護区画に設置され、不活性ガスおよび消火用水を流入し不活性ガスの放出に伴って消火用水を微噴霧化して放出する噴霧ヘッドと、噴霧ヘッドが設置された防護区画の火災を検出する火災検出手段と、噴霧ヘッドに供給する不活性ガスを高圧状態で貯蔵したガス貯蔵部と、火災検出手段の火災検出時に、ガス貯蔵部の不活性ガスおよび水系消火設備の消火用水を噴霧ヘッドに供給して消火用水を不活性ガスにより微噴霧化して放出させ、不活性ガスの放出が終了した後は噴霧ヘッドから水系消火設備の加圧供給された消火用水のみを継続して放出させる微噴霧制御部を設けている。
【0007】
このような本発明の固定式消火システムによれば、不活性ガスの使用が火災初期の微噴霧消火のみに必要となり、不活性ガスの貯蔵容量を低減できる。また不活性ガスは、従来のように消火用水をヘッドに供給する加圧源としては使用されないため、消火用水の貯蔵タンクやガス配管が不要になる。
更に、ガス貯蔵部に蓄えられるガス量は限られており、微噴霧の放出で消火が完了する前にガスを放出し尽くしてしまうことも考えられるが、その後は水系消火設備からの消火用水の加圧供給による散水が継続して行われる。即ち、ガス放出による消火用水の微噴霧化による放出が終了すると、通常のスプリンクラーヘッドとして機能する2流体消火が実現され、確実に消火できる。
【0008】
また既存のスプリンクラー消火設備において、任意の防護区画の分岐管に、噴霧ヘッド、ガス貯蔵部及び微噴霧制御部を追加するだけで、簡単に2流体による微噴霧を可能とする本発明の固定式消火システムに変更することが可能になる。
噴霧ヘッドは、消火用水が加圧充填された水系消火設備の給水配管に接続され、定常監視状態で消火用水と不活性ガスの放出口を弁体により閉鎖し火災による熱気流を受けた際に消火用水と不活性ガスの放出口を開放させる感熱作動機構を備えた閉鎖型の噴霧ヘッドとする。この閉鎖型の噴霧ヘッドを設置した場合、微噴霧制御部は、噴霧ヘッドの感熱作動機構が火災の熱気流を受けて作動した際の消火用水の流水を流水検知装置で検知してガス貯蔵部からガス配管に設けているガス制御弁を開放させる。
【0009】
また噴霧ヘッドは、消火用水が加圧充填された水系消火設備の給水配管に給水制御弁を介して接続されると共に、ガス貯蔵部からのガス配管にガス制御弁を介して接続され、消火用水と不活性ガスの放出口を常時開放状態とした開放型の噴霧ヘッドとしてもよい。
開放型の噴霧ヘッドを使用した場合には、微噴霧制御部は、火災感知器で噴霧ヘッドを設置している防護区画の火災を検出した際に、給水制御弁及びガス制御弁の各々を開制御して不活性ガスの放出に伴って消火用水を微噴霧化して放出させる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の固定式消火システムのシステム構成の一実施形態を示した説明図であり、水径消火設備として閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いたスプリンクラー消火設備に本発明を適用した場合を例にとっている。
図1において、まずスプリンクラー消火設備は消火ポンプ6に対しモータ7を設け、制御盤8によりモータ7の起動停止を行うようにしている。消火ポンプ6の吸込側は水源水槽9に引き下げられており、また突出側は建物の垂直方向に配置した給水本管10を接続されている。給水本管10に対しては、屋上等に設置した高架水槽17が接続される。
【0013】
給水本管10からは建物の階ごとに分岐管11が接続され、分岐管11はアラーム弁15、圧力スイッチ16を備えた流水検知装置3を介して防護区画に引き出されており、防護区画で枝管を介して閉鎖型スプリンクラーヘッド13を接続している。
また給水本管10に対しては空気タンク18が接続され、給水本管10に加圧状態で充填保持された消火用水を導入して内部空気を圧縮し、この圧縮空気の圧力を圧力スイッチ19に投入し、規定圧力以下となったときに圧力スイッチ19を作動して制御盤8に対しポンプ起動を行わせるようにしている。
【0014】
更に分岐管11に設けた流水検知装置3の圧力スイッチ16による流水検知信号は、別途設置された火災報知設備の火災受信機20に火災検出信号として与えられ、閉鎖型スプリンクラー13の作動で火災の警報表示を行わせるようにしている。更に流水検知装置3に設けた圧力スイッチ16からの流水検知信号は制御盤8にも与えられ、火災表示等ができるようにしている。
【0015】
このようなスプリンクラー消火設備の火災時の動作は次のようになる。防護区画に設置している閉鎖型スプリンクラーヘッド13のいずれかが火災による熱気流を受けて作動すると、アラーム弁15の二次側の分岐管11の管内圧力の低下を受けてアラーム弁15が開放作動し、スプリンクラーヘッド13からの放水に伴って給水本管10の管内圧力も低下する。
【0016】
このため、圧力タンク18の圧縮空気の空気圧も低下して圧力スイッチ19がオンし、制御盤8によりモータ7を起動して消火ポンプ6の運転を開始する。またアラーム弁15が開放作動すると圧力スイッチ16がオンし、制御盤8や火災受信機20で火災発生の警報表示ができる。
このようなスプリンクラー消火設備につき本発明にあっては、分岐管11の管末の例えばコンピュータルーム等の防護区画Aについて、閉鎖型噴霧ヘッド1aを設置し、分岐管11を流水検知装置3を介して接続している。閉鎖型噴霧ヘッド1aは消火用水と高圧不活性ガスの同時供給を受け、高圧不活性ガスの噴出に伴って消火用水を微噴霧化して放出させる2流体放出構造を備えている。
【0017】
このため閉鎖型噴霧ヘッド1aに対しては、ガス貯蔵部としてのガスボンベ2が設置され、ガスボンベ2には窒素ガスや二酸化炭素ガス等の不活性ガスが高圧状態で充填されている。ガスボンベ2からはガス配管14が引き出され、ガス配管14にはガス制御弁としての電磁弁5が設けられ、このガス配管14を閉鎖型噴霧ヘッド1aに接続している。
【0018】
更に防護区画Aには、微噴霧制御部として機能するローカル制御盤4が設置されている。ローカル制御盤4に対しては、閉鎖型噴霧ヘッド1aに接続した分岐管11に設けている流水検知装置3と、ガス配管14に設けた電磁弁5を接続している。流水検知装置3は、閉鎖型噴霧ヘッド1aが火災による熱気流を受けて開放作動したときの消火用水の放水に伴う分岐管11内の消火用水の流水を検知して流水検知信号をローカル制御盤4に出力する。
【0019】
流水検知装置3から流水検知信号を受けたローカル制御盤4は、電磁弁5を開放作動し、ガスボンベ2に充填している高圧の不活性ガスを、ガス配管14を介して閉鎖型噴霧ヘッド1aに供給する。ガスボンベ2からの高圧の不活性ガスの供給を受けた閉鎖型噴霧ヘッド1aは、高圧ガスの噴射に伴って分岐管11から供給されている消火用水を数十μm〜数百μm程度の粒径に微噴霧化して火源Fに向けて放出する。
【0020】
ガスボンベに充填している不活性ガスの量は限られており、不活性ガスの放出ができなくなると、閉鎖型噴霧ヘッド1aによる消火用水の微噴霧化による放出はできなくなる。この間に閉鎖型噴霧ヘッド1aからの消火用水の微噴霧化による放出に伴って給水本管10の管内圧力が低下し、圧力タンク18に設けている圧力スイッチ19のオンによるモータ7の起動で消火ポンプ6の運転が開始されており、ガス放出が停止した状態では通常のスプリンクラー設備に設けている閉鎖型スプリンクラーヘッド13と同様にして消火用水のみの閉鎖型噴霧ヘッド1aからの放水が火源Fに対し継続されることになる。
【0021】
図2は図1の防護区画Aに設けている閉鎖型噴霧ヘッド1aの断面図である。図2において、閉鎖型噴霧ヘッド1aはヘッド本体21の上部に分岐管側に接続する接続ネジ22を形成しており、接続ネジ22の部分に内部通路に至る消火用水流入口23を設けており、下部に消火用水放出口24を開口している。
一方、ヘッド本体21の側面には不活性高圧ガスを導入するガス流入口25が形成され、ガス流入口25から内部流路を通って下部の消火用水放出口24に隣接する位置にガス放出口26を開口している。
【0022】
ヘッド本体21下部の消火用水放出口24とガス放出口26に対しては、弁体27がヘッド本体下部より延在した支持フレーム28の間に配置したグラスバルブ30の支持をもって固定され、定常監視状態で消火用水放出口24及びガス放出口26を閉鎖している。
グラスバルブ30は、周知のようにグラスチューブの中にアルコール系の溶液を封入しており、火災による熱気流を受けたときの噴入溶液の膨脹によりグラスチューブが破壊され、弁体27が脱落することで消火用水放出口24及びガス放出口26を開放する。
【0023】
図3は図2の閉鎖型噴霧ヘッド1aが火災による熱気流を受けて開放作動したときの微噴霧の放出状態の説明図である。即ち、図2のグラスバルブ30が火災による熱気流を受けて破壊されて弁体27が脱落すると、図3のように弁体27で閉鎖されていた消火用水放出口24及びガス放出口26が開放し、消火用水流入口23に対する消火用水とガス流入口25に対する高圧の不活性ガスの同時供給が行われ、下部のガス放出口26からの高圧不活性ガスの噴射に伴って、隣接配置した消火用水放出口24から放出される消火用水がガスにより飛散され、微噴霧化されて放出される。
【0024】
閉鎖型噴霧ヘッド1aに対する不活性ガスの供給は、図1に示したガスボンベ2が空になると停止する。この不活性ガスの供給が停止した状態にあっては、消火用水流入口23に対しスプリンクラー消火設備より分岐管11を介して継続的に加圧消火用水が供給されており、このため消火用水が消火用水放出口24から継続して放出され、支持フレーム28がこの場合にディフレクタとなって消火用水を散水するようになる。
【0025】
次に図1の固定消火システムの動作を説明する。防護区画Aでの火災発生による火源Fからの熱気流を受けて閉鎖型噴霧ヘッド1aが図3のように開放作動すると、まず消火用水が噴出される。この消火用水の噴出に伴う分岐管11の流水を流水検知装置3が検知してローカル制御盤4に流水検知信号を出力し、ローカル制御盤4がガスボンベ2に設けている電磁弁5を開放作動し、ガス配管14から閉鎖型噴霧ヘッド1aに高圧の不活性ガスを供給する。
【0026】
この不活性ガスの供給を受けて閉鎖型噴霧ヘッド1aは、ガス放出に伴って消火用水を微噴霧化し、火源Fに対し放出する。このため火源Fは、ガスボンベ2からの窒素ガスや二酸化炭素ガス等の不活性ガスと同時に、微噴霧化された消火用水の液滴の噴霧を受け、不活性ガスによる冷却・窒息効果と、微噴霧化された消火用水による液滴の蒸発による冷却と蒸発した水蒸気による窒息効果の相乗効果を受けて、効率的に消火される。
【0027】
更にガスボンベ2からの不活性ガスの供給が停止しても、このとき既に起動している消火ポンプ6からの加圧消火用水が閉鎖型噴霧ヘッド1aより放水されるため、不活性ガスの放出による消火用水の微噴霧化による消火で、万が一、火源Fが完全に消えないような状況であっても、ガス放出後の消火用水の通常のスプリンクラーヘッドと同等な放出により確実に消火することができる。
【0028】
このため、不活性ガスを供給するためのガスボンベ2の容量としては、閉鎖型噴霧ヘッド1aが火災の熱気流で開放作動した直後の不活性ガスの噴出に伴う消火用水の微噴霧の衝撃的な噴出で効果的な消火ができればよく、ガス容量はそれほど必要とせず、小型のガスボンベ2で済む。
更に防護区画Aに設けた閉鎖型噴霧ヘッド1a、ガスボンベ2、流水検知装置3、ローカル制御盤4及び電磁弁5からなる不活性ガスの噴出を利用した消火用水の微噴霧消火設備は、通常の閉鎖型スプリンクラー消火設備における分岐管11をそのまま利用して設置することができ、スプリンクラー消火設備側に特別な改造や機器の増設等を必要とせず、新規設備はもちろんのこと、既設のスプリンクラー消火設備であっても簡単に増設する改造ができる。
【0029】
図4は本発明の固定式消火システムの他の実施形態であり、この実施形態にあっては、防護区画Aについて閉鎖型噴霧ヘッド1a及びガスボンベ2のみを設けるだけでよく、図1の実施形態のように分岐管11に設けた流水検知装置3やローカル制御盤4、更には電磁弁5を不要にしたことを特徴とする。
図4において、防護区画Aには閉鎖型噴霧ヘッド1aが設置され、噴霧ヘッド1aに対しては消火用水を供給するスプリンクラー消火設備の分岐管11を接続すると同時に、高圧不活性ガスを充填したガスボンベ2を手動弁34を介してガス配管14により直接接続している。
【0030】
この図4の実施形態にあっては、定常監視状態においてガスボンベ2からのガス配管14に設けている手動弁34を開き、高圧不活性ガスを閉鎖型噴霧ヘッド1aに供給した状態とする。また消火用水も分岐管11に加圧充填されていることから、噴霧ヘッド1aに供給された状態となる。
このような加圧消火用水及び高圧不活性ガスの供給に対し、閉鎖型噴霧ヘッド1aは図2に示したように、消火用水放出口24及びガス放出口26がグラスバルブ30による弁体27の支持で閉鎖されており、消火用水及び高圧不活性ガスが放出されることはない。
【0031】
防護区画Aで火災が発生し、火源Fからの熱気流を受けて図3のように閉鎖型噴霧ヘッド1aが開放作動すると、ガスボンベ2からの高圧不活性ガスの噴出に伴って分岐管11からの加圧供給された消火用水が微噴霧化され、火源Fに不活性ガスと微噴霧化した消火用水を噴射して効率的に消火することができる。特に図4の実施形態にあっては、防護区画Aの設備に電気的な制御機構を持たないことから、その分、構成が簡単となり、コスト的にも安価に実現できる。
【0032】
図5は本発明の固定式消火システムの他の実施形態であり、この実施形態にあっては、開放型噴霧ヘッドを使用したことを特徴とする。
図5において、防護区画Aには開放型噴霧ヘッド1bが設置されている。開放型噴霧ヘッド1bは例えば図2の閉鎖型噴霧ヘッド1aから弁体27とグラスバルブ30を取り除いた構造であり、定常監視状態で消火用水放出口24及びガス放出口26が開放状態となっている。
【0033】
開放型噴霧ヘッド1bに対しては、スプリンクラー消火設備の分岐管11が給水制御弁としての電動弁12を介して接続され、またガスボンベ2からのガス配管14がガス制御弁としての電磁弁5を介して接続されている。更に防護区画Aには火災感知器32が設置され、防護区画Aでの火災発生を検出するようにしている。
【0034】
微噴霧制御部として機能するローカル制御盤4は、電磁弁5、電動弁12及び火災感知器32を接続しており、火災感知器32の発報信号を受けると電動弁12を開いて消火用水を開放型噴霧ヘッド1bに供給すると同時に、電磁弁5を開いてガスボンベ2からの高圧不活性ガスを開放型噴霧ヘッド1bに供給し、高圧不活性ガスの噴射により消火用水を微噴霧化して火源Fに放出し、不活性ガスと微噴霧化した消火用水の同時放射で効率的な消火ができる。
【0035】
尚、上記の実施形態は、閉鎖型スプリンクラーを用いたスプリンクラー消火設備に不活性ガスの放出により消火用水を微噴霧化する噴霧ヘッドを用いた2流体式の微噴霧消火設備を組み合わせた場合を例にとっているが、消火用水を加圧供給して散水する水系消火設備としては、これ以外に開放型スプリンクラーヘッドを用いたスプリンクラー消火設備や泡消火設備等、適宜の固定式消火設備としてもよいことはもちろんである。即ち、防護区画に対し消火用水を加圧供給できる設備であれば設備形態は問わない。
【0036】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、噴霧ヘッドに対し水系消火設備から消火用水を供給し、ガスボンベ等のガス貯蔵部から高圧不活性ガスを供給してヘッドからの放出により消火用水を微噴霧化して消火しており、消火用水の供給に専用の貯蔵タンクや不活性ガスによる加圧供給を必要としないため、消火用水と不活性ガスの2流体による微噴霧消火の設備構成を、通常のスプリンクラー設備における特定の防護区画での消火性能の向上のために簡単に実現できる。
【0037】
またガス貯蔵部に蓄えられるガス量は限られており、ガス放出に伴う消火用水の微噴霧化による放出で消火が完了する前に不活性ガスを放出してしまうことも考えられるが、不活性ガスがなくなっても水系消火設備からの消火用水の加圧供給による散水が継続されるため、不活性ガスと微噴霧化した消火用水の2流体消火で、万が一消火できなくとも、その後の消火用水の散水で確実に消火できる。
【0038】
更に、不活性ガスにより消火用水を微噴霧化して放出する2流体による消火は、消火性能が極めて高いことから、放出時間は短時間でよく、このため高圧不活性ガスを供給するガス貯蔵部のガスボンベの容量も小型で済み、設備構成が簡単でコスト的にも安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固定式消火システムのシステム構成図
【図2】図1で使用する閉鎖型噴霧ヘッドの断面図
【図3】図2の噴霧ヘッドが熱気流を受けて作動した際の微噴霧放出の説明図
【図4】図2の閉鎖型噴霧ヘッドを用いた直動型システムの説明図
【図5】開放型噴霧ヘッドを用いたシステム構成の説明図
【図6】従来の2流体による微噴霧消火システムの説明図
【符号の説明】
1a:閉鎖型噴霧ヘッド
1b:開放型噴霧ヘッド
2:ガスボンベ(ガス貯蔵部)
3:流水検知装置
4:ローカル制御盤(微噴霧制御部)
5:電磁弁(ガス制御弁)
6:消火ポンプ
7:モータ
8:制御盤
9:水源水槽
10:給水本管
11:分岐管
12:電動弁(給水制御弁)
13:閉鎖型スプリンクラーヘッド
14:ガス配管
15:アラーム弁
16,19:圧力スイッチ
17:高架水槽
18:空気タンク
20:火災受信機
21:ヘッド本体
23:消火用水流入口
24:消火用水放出口
25:ガス流入口
26:ガス放出口
27:弁体
28:支持フレーム
30:グラスバルブ
32:火災感知器
34:手動弁
Claims (3)
- 防護区画に延びた分岐管にスプリンクラーヘッドが設置され、火災時に給水源から加圧されて供給された消火用水をスプリンクラーヘッドに供給して散水を行う水系消火設備と、
前記水系消火設備の分岐管に接続されて特定の防護区画に設置され、不活性ガスおよび消火用水を流入し不活性ガスの放出に伴って消火用水を微噴霧化して放出する噴霧ヘッドと、
前記噴霧ヘッドが設置された防護区画の火災を検出する火災検出手段と、
前記噴霧ヘッドに供給する不活性ガスを高圧状態で貯蔵したガス貯蔵部と、
前記火災検出手段の火災検出時に、前記ガス貯蔵部の不活性ガスおよび前記水系消火設備の消火用水を前記噴霧ヘッドに供給して消火用水を不活性ガスにより微噴霧化して放出させ、前記不活性ガスの放出が終了した後は前記噴霧ヘッドから前記水系消火設備の加圧供給された消火用水のみを継続して放出させる微噴霧制御部と、
を備えたことを特徴とする固定式消火システム - 請求項1記載の固定式消火設備に於いて、
前記火災検出手段は前記噴霧ヘッドに設けられ、
前記噴霧ヘッドは、消火用水が加圧充填された前記水系消火設備の給水配管に接続され、定常監視状態で前記消火用水と不活性ガスの放出口を弁体により閉鎖し火災による熱気流を受けた際に前記消火用水と不活性ガスの放出口を開放させる感熱作動機構を備えた閉鎖型の噴霧ヘッドであり、
前記微噴霧制御部は、前記噴霧ヘッドの感熱作動機構が火災の熱気流を受けて作動した際の消火用水の流水を流水検知装置で検知して前記ガス貯蔵部からガス配管に設けているガス制御弁を開放させることを特徴とする固定式消火システム。 - 請求項1記載の固定式消火設備に於いて、
前記火災検出手段は防護区画に設けられた火災感知器であり、
前記噴霧ヘッドは、消火用水が加圧充填された前記水系消火設備の給水配管に給水制御弁を介して接続されると共に、前記ガス貯蔵部からのガス配管にガス制御弁を介して接続され、消火用水と不活性ガスの放出口を常時開放状態とした開放型の噴霧ヘッドであり、 前記微噴霧制御部は、前記火災感知器で前記噴霧ヘッドを設置している防護区画の火災を検出した際に、前記給水制御弁及びガス制御弁の各々を開制御して不活性ガスの放出に伴って消火用水を微噴霧化して放出させることを特徴とする固定式消火システム。
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