JP3609909B2 - ワックススパチュラー装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科補綴の分野及び精密鋳造による金属細工の分野において、精密鋳造用のワックス模型の成形と調製に使用される電熱型のワックススパチュラーであって、特に、ワックスの成形のためのへら部の加熱温度を使用中に高低2水準に即時切替えできるワックススパチュラー装置に関する。
【0002】
【従来の技術と解決課題】
歯科用のワックススパチュラーは、歯科用合金から歯冠部や義歯床をロストワックス法などの精密鋳造法により同時に形成する工程において、ワックスで義歯床や歯冠部等の鋳造用模型を成形したり、調整したりするのに使用されるワックス成形用の治具である。ワックススパチュラーは、金属細工品の遠心鋳造のためのワックス模型の成形にも、しばしば使用されている。
【0003】
従来のスパチュラーは、握持用軸の先端部にへら状、ナイフ状、槍状、針状などの形状の金属製のへら部を形成したもので,使用時には、このへら部をガスバーナーで加熱してはワックス成形に使用する操作を繰り返していたものであるが、バーナー加熱の操作が煩雑でしかもワックスの異臭が著しいこともあって、近年は、電熱型のスパチュラーが利用されている。この電熱式のスパチュラーは、へら部を固定する握持部の先端内に小さな電熱体を固定し、電熱体によりへら部を常時加熱して使用するものであり、電熱体への電流調整によりへら部の温度をワックスの軟化ないし溶融する温度近辺に保持することがなされていた。
【0004】
電熱型のワックススパチュラーは、使用中は、常に使用温度の近辺に加熱保持されているので、ワックス模型の調製作業には便利である。しかも、必要以上の高温に過熱されるのをある程度防止できるので、従来のバーナー加熱の場合のようなワックスの著しい発煙がなく、従って、ワックス異臭が診療室内や作業室内に立ち込めることも少ない等の利点がある。反面、この型のワックススパチュラーは、短時間の間欠的な使用の場合に使用時に限って電熱体に通電して加熱しようとすると、冷えたへら部がワックスの軟化・溶融可能な作業温度に達するまで待ち時間が生じて、作業が不能率であるので、間欠的な使用の場合にも長時間連続して通電し加熱状態を保持しておく必要があった。
【0005】
また、従来の電熱型ワックススパチュラーには、金属導電性のへら部には、へら部を幅方向に二分する絶縁ギャップを形成しそのへら部先端のギャップ間を発熱抵抗体で短絡したへら部に通電して、抵抗体を発熱させる方式のものも知られている(例えば、特開平7−15006公報)。この方式のものは、発熱部がスパチュラー先端に設けた短絡部であるので、発熱応答が早い利点があるが、他方では、正確な温度検出が困難で、使用の都度、電流なり通電時間なりを手動調整し、ワックス成形に適当な温度に大体合わせていた。
【0006】
ワックススパチュラーによるワックス模型の成形段階には、原料ワックスに加熱したへら部を差し入れて溶融し一定量を切り取って後所定の基台に盛り付ける操作があり、盛り付けたワックスを軟化させて部分的に削除したり、移動させたり、これに付け加えたりして所要の形状に作り上げる操作があり、成形したワックスの表面を平滑にしたり、あるいは表面の微細な模様を刻む操作があり、これらの操作ごとにへら部に最適な温度があって、ワックスの溶融温度から軟化温度までの温度範囲を微妙に変更調節する必要があり、従来の電熱型ワックススパチュラーでは、微妙な温度調節が困難であった。また、ワックススパチュラーはこれらの操作毎に適した形状のへら部を備えたものに取り替える必要があるが、ワックススパチュラーの交換によって温度調節のやり直しが困難であった。
【0007】
本発明は、先ず、ワックス成形操作に必要な微妙な温度調節を可能にするような温度の自動制御を実現しようとするものである。このため、本発明は、ワックススパチュラーのへら部の温度の検出を正確にすること、温度変化に対する応答を早くすること、及び、温度制御の際のへら部の温度変動を低減することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のワックススパチュラー装置は、ワックススパチュラー本体がその握持部の先側に電熱体により加熱されるワックス成形用のへら部を備え、当該へら部の設定加熱温度を複数水準温度に即時変更可能とするものである。
【0009】
本発明は、より詳しくは、握持部と該握持部の先側に設けて電熱体及び温度センサーを内装した加熱部と該加熱部に固定されるワックス成形用のへら部とを具備したスパチュラー本体と、該発熱部の温度センサーからの温度信号により電熱体に電力を供給して該へら部の温度制御を行う温度制御装置と、から成るワックススパチュラー装置であり、温度制御装置が、別個に2水準以上の温度に設定の可能な温度設定手段と、温度設定手段による設定温度を切り換える設定温度選択手段と、上記温度センサーで検知したへら部温度と上記設定温度とを比較する比較手段(コンパレータ)とを備えて成るもので、選択手段の選択操作により、へら部の温度を複数水準の設定温度に即時変更可能とするものである。
【0010】
本発明において、複数水準の温度に設定することができるが、例として、2水準とする場合、2水準温度には、例えば、スパチュラー使用時におけるワックス盛りつけ時のへら部のやや高い温度(通常は、ワックス融点より僅かに高い温度)と、ワックス表面成形時のやや低い温度(通常は、ワックス融点より低い軟化温度)に定めることができる。これにより、使用中に、設定温度選択手段の操作によりワックス成形に都合のよい微妙な温度調整をすることができる。
【0011】
2水準温度には、また、スパチュラー使用時におけるワックス成形のためのへら部のワックス成形温度と、スパチュラーを使用しないときの適当なへら部の待機温度とを、規定することもできる。この場合、待機温度は、室温とワックス成形温度との大体の中間温度に設定しておき、使用時に待機温度から成形温度への即時昇温して、その昇温時間を短縮することができる。
【0012】
そして、設定温度選択手段により2水準ないし3水準以上の温度の何れかを選択するのであるが、設定温度選択手段を、温度制御装置に固定の選択スイッチと、温度制御装置から分離した別体の可動スイッチとの組合せとするのがよく、可動スイッチはフットスイッチ又はハンドスイッチを設けるのがよい。これにより、固定選択スイッチと可動選択スイッチとの何れのスイッチでも設定温度を切替え操作を行い、これによりへら部温度を一の水準温度から他の水準温度へ即時に切替えるのを実現する。術者は、スイッチの切り換え操作だけでへら部を所要範囲の温度調整ができ、作業能率が上がるのである。
【0013】
ここに、フットスイッチは、作業場の床面に置いて足踏み式にON/OFF操作して使用するものであり、ハンドスイッチは、作業机の上に置いて、又は術者の手中に保持して、手指または腕により操作するものである。これにより、術者は、左右の手で加工対象のワックス成形品とワックススパチュラーとを保持しながら、足若しくは腕等で、フットスイッチ又はハンドスイッチのON/OFF操作をして、作業中にあっても簡単に設定温度の切り換えをすることができるのである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のワックススパチュラー装置は、基本的には、スパチュラー本体と温度制御装置とから成っており、ワックススパチュラー本体は、握持部と、該握持部の先側に電熱体と温度検出用センサーとを内装した加熱部と、該加熱部に着脱可能に装着されるワックス成形用のへら部とから成っている。
【0015】
先ず、ワックススパチュラー本体については、上記筒状の加熱部が、握持部に一端が固定された金属套管と、該套管の先端内側に嵌挿されて複数の細孔を有するセラミック絶縁体とを含み、セラミック絶縁体の何れか一の細孔には、電熱体として電熱線を挿通し、他の細孔には線条の温度センサーを挿通して構成されており、上記の電熱線の導線及びセンサーの導線を、握持部内部に挿通して、温度制御装置に接続するようにしたものである。
【0016】
金属套管は、細いアルミニウム管、ステンレス鋼管などで形成され、その一端側が、握持部先側に嵌め込まれて固定されている。
金属套管の内部には、柱状のセラミック絶縁体が嵌挿充填されるが、セラミック絶縁体は、熱電導が良く且つ電気的に絶縁性のセラミック、例えば、アルミナ、シリカ等の成形体が使用され、金属套管の内部に内挿又は埋設される。好ましくは、予めセラミック絶縁体を柱状に形成し、金属套管の先端の内部に内挿して固定するものがよい。
【0017】
セラミック絶縁体の柱体は、両端面に開口する細孔が少なくとも2個、好ましくは、4個が貫通して形成される。柱体に形成した細孔は、その一部に電熱体が挿通され、他の細孔には、温度センサーが挿通されて固定され、金属套管の先端内部に固定される。この配置は、電熱体がセラミック絶縁体内で発熱し、その絶縁体の温度を温度センサーで測定するものであり、これにより、セラミック絶縁体温度の制御をして、温度変動の検出を早めるものである。
そして、温度センサーは、セラミック絶縁体に配置されているので、セラミック絶縁体の温度の応答性が良好で、従って、へら部の温度も即時追随する。
【0018】
電熱体については、昇温時の発熱量が10〜15W程度であり、また、通常ワックスの溶融温度が150℃程度であるので、発熱温度は200℃以下とされるので、従って、ニクロム線その他の線状ないしリボン状の抵抗線で良い。
温度センサーは、線条の熱電対、例えば、アルメル−クロメル熱電対が使用でき、白金抵抗線を利用することもできる。
【0019】
へら部は、金属製であって、筒状の受口と該受口の先側に一体に形成した所望形状のワックス成形部とを有するものである。筒状の受口を、上記のスパチュラー本体の先端の金属套管に差し込んで、へら部をスパチュラー本体に接続する。そして、ワックス成形部の形状は、針状、棒状、鏝状、へら状、ナイフ状など種々のものが成形用途に応じて利用され、その加工に際して、へら部の受口を金属套管に抜き差しして交換される。
【0020】
握持部は、プラスチック製の棒状ないしパイプ状で、術者の手で握持容易な程度の外径と長さを備えており、上述の如く、先端に金属套管が固定され、金属套管からの電熱線の導線と温度センサーの導線は、握持部内部を挿通して、その後端部で、コードに接続されて、温度制御装置に接続するようにしたものである。
【0021】
温度制御装置については、加熱部の電熱体に電力供給し、上記温度センサーからの検出温度信号により電力を調節して上記発熱体の発熱温度を制御するためのものである。
温度制御装置は、別個に温度設定の可能な温度設定手段と、該温度設定手段からの設定温度信号を切り換える設定温度選択手段と、該選択手段からの選択温度信号と上記温度センサーからの実測温度信号とを対比して比較信号を出力する比較手段と、該比較手段により上記電熱線に供給する電力を制御する電力制御部と、から成るものが利用される。
【0022】
この装置は、温度設定手段を設けて、スパチュラー先端(へら部)温度を少なくとも2水準に設定することができ、設定温度選択手段を設けて、設定2水準温度の何れかを選択し、温度センサーにより套管内温度を実測して電力制御して設定温度の即時変更可能とするものである。
【0023】
このような温度制御装置は、アナログ回路を利用するもの、デジタル回路を利用するもの、マイクロコンピュータを利用して数値制御の可能なものなど種々のものが構成できる。
アナログ式の温度制御装置は、2つの温度設定手段を可変抵抗器として設定温度を電圧信号に置換し、設定温度選択手段を可変抵抗器の出力を切り換えるスイッチとし、切り換えた選択温度の電圧信号を比較手段としての比較回路に入力する。比較回路は差動回路が利用され、温度センサーから実測温度電圧出力をその比較回路にもう一つの入力端に入力し、選択温度の電圧信号と実測温度の電圧出力との差信号を電力制御部に出力し、電力制御部により電熱線に供給する電力を制御する。
【0024】
マイクロコンピュータを利用した制御装置は、比較手段としマイクロコンピュータを利用して、温度設定手段としては、マイクロコンピュータに設定温度の数値入力できる数値入力装置を使用し、選択された設定温度データは、メモリーに記憶させ、温度センサーから実測温度電圧出力は、A/D変換後にマイクロコンピュータに入力して随時設定温度データと対比し、その出力信号でもって電力制御部に出力し、電力制御部により電熱線に供給する電力を制御して、加熱部の温度を、選択した設定温度の近傍に保持するのである。
【0025】
設定温度選択手段は、上記の温度設定手段からのそれぞれの設定温度信号を切り換え選択するもので、通常は温度制御装置の操作面の固定選択スイッチ(パネルスイッチ)が使用される。
【0026】
本発明においては、設定温度選択手段には、この固定選択スイッチに加えて、特に、該装置とは別体に可動選択スイッチを設け、この固定選択スイッチと可動選択スイッチとの何れの操作によっても上記温度水準を即時切り換えるようにするものが好ましい。さらに、可動選択スイッチは、移動可能ないし可搬可能なスイッチであるが、これには例えば、フットスイッチないし床スイッチや、ハンドスイッチないし卓上スイッチが使用される。
【0027】
ワックス作業においては、フットスイッチの利用の場合は、術者はフットスイッチを踏み込み操作するだけで現在の設定温度から急速にもう一方の水準の温度に切り替わって、その温度に調整される。さらに、フットスイッチを踏み込み操作するだけ、他方の水準の温度に急速に戻ることになる。フットスイッチに代えて、ハンドスイッチを使用する場合も同様で、その操作は、手や指、腕、肘などでスイッチ面に接触ないしスイッチレバーを押し下げするだけで簡便に且つ迅速にへら部の温度切替えを実施することができてよい。これにより、術者が両手でワックス盛り付け作業をする際に、例えば、ポストとスパチュラーを持った状態で作業する場合でも、足や腕の活用により、スパチュラーの温度調節を迅速にできる利点がある。
【0028】
【実施例】
図3は、本発明の実施例に係るワックススパチュラー装置の外観図であるが、この装置は、握持部1の先端部11に固定した加熱部12の外周にへら部3の受口30が外嵌めされたスパチュラー本体10と、温度制御装置7とからなっており、この図には、第2の設定温度選択手段73bとしてのフットスイッチ8を該装置7とは別個に設けた例を示している。
【0029】
図1(A)は、スパチュラー本体10前半部分の断面図を示すが、スパチュラー本体10の合成樹脂製の筒状の握持部1の先端に金属套管2が突設されて加熱部12を形成するが、金属套管2は、例えば、銅、黄銅、アルミニウム、又はステンレス鋼の管から形成され、套管2の先端内部には、円柱状のセラミックスの絶縁体4が嵌挿され、この絶縁体4には両端部に貫通する4つの細孔41・・・が形成されている。セラミックスの絶縁体4は、アルミナ焼結体で形成され、このセラミックス絶縁体4の4つの細孔41・・・のなかの2つの細孔41、41に電熱線5としての螺旋コイル状のニクロム線が挿通されて、残り2つの細孔41、41には、温度センサーの熱電対6としてのアルメル−クロメル線が挿通されている。
【0030】
図1(B)は、この円柱状セラミックス絶縁体4の外観図を示し、図1(C)は、2つの細孔41、41の中心軸を含む平面で切断した縦断面図とを示す。電熱線5は、握持部1側から絶縁体4の2つの細孔41、41に挿通されて絶縁体4の先端の端部40で折り返されている。他の2つの細孔41、41に挿通された上記熱電対6も、同様に、絶縁体4の先端の端部40で折り返えされている。熱電対の接合点60(即ち、測温点)が、細孔41内のほぼ中央部に位置するように、配置されている。
【0031】
加熱部12の金属製の套管2には、へら部3が接続されるが、へら部3は、套管2を受け入れて係合する筒状の受口30とへら状のその他の形状のワックス形成部32とから、金属、例えば、黄銅から一体に形成されている。受口30には、縦方向にスロット31が切欠き形成されて、受口30は套管2の外面に対し拡張可能で弾性付勢をするようにして挿入と係合とを確保している。
【0032】
そして、電熱線5と熱電対6との各導線51、61は、握持部1の中空部に挿通されて握持部1の後端部よりコード15内を通り、温度制御装置7に接続されている(図1(A)、図3)。
【0033】
図2は、温度制御装置7のアナログ式のブロックダイヤグラムを示すが、この装置は、温度設定手段71a、71bに定電圧電源に接続した2つの可変抵抗器Ra、Rbを使用し、温度設定用の可変抵抗器Ra、Rbには、それぞれの調整ダイヤル72a、72bを温度制御装置7のパネル面に設けて、温度設定が可能とされており、設定温度の範囲は、常温から300℃の範囲とされている。
【0034】
そして2つの設定温度選択手段73a、73bとしてそれぞれの選択スイッチSWa、SWbを、可変抵抗器Ra、Rbとコンパレータ75との間に介在して接続してあり、2つの選択スイッチSWa、SWbの何れの操作によっても可変抵抗器Ra、Rbの何れかの設定温度に切り換え可能とし、選択された設定温度に対応する電圧出力がコンパレータ75の一方の入力端子に入力される。
2つの選択スイッチSWa、SWbのうち一方SWaを温度制御装置7のパネルに固定して固定選択スイッチとし、他方の可動選択スイッチSWbをフットスイツチ8として、床面に配置可能にされて可動スイッチになっている。
【0035】
他方、ワックススパチュラー本体10の加熱部12の熱電対6は、その導線61を前置差動増幅器76に接続し、その出力側が、コンパレータ75の他方の入力端子に入力され、コンパレータ75の出力側は、電力制御部77に接続される。
【0036】
電力制御部77は、商用交流100V電源と加熱部12の電熱線5との間に接続された降圧トランスTと、本例ではフォトトライアックPTとからなる簡単な構成で、フォトトライアックPTには、上記のコンパレータ75の出力により、フォトトライアックPTに光結合した発光ダイオードPDの発光制御がなされ、その発光によりフォトトライアックPTの導通制御がなされる。
【0037】
コンパレータ75は、選択スイッチSWa、SWbで選択された選択温度に対応する電圧出力と、熱電対6の差動増幅器76の出力と、を比較して、その比較出力を電力制御部77に入力する。その結果、選択温度より熱電対6の実測温度が低いときは、その比較出力で電力制御部の発光ダイオードPDを発光させてフォトトライアックPTを導通にして、電熱線5に通電発熱させ加熱部12を昇温する。他方、選択温度より熱電対6の実測温度が高いときは、コンパレータ75の比較出力は、発光ダイオードPDをは点灯せず、電力制御部77のフォトトライアックPTを遮断して、電熱線5の通電を遮断し、放冷により加熱部12の温度が降下し、温度制御がなされる。
【0038】
このようにして、加熱部12の温度は、選択された設定温度に一定になるように常時制御されるが、本発明においては、さらに、選択スイッチSWa、SWbの何れかを切り換え操作すれば、選択温度が何れかの設定温度に変わり、選択温度が変更される度にこのような温度制御が行われる。また、温度設定用の可変抵抗器Ra、Rbのダイヤル操作により設定温度自体を変更すれば、その都度、同様に温度制御が行われる。
【0039】
ワックス成形作業においては、術者は、可変抵抗器Ra、Rbそれぞれの調整ダイヤル72a、72bを操作して、使用するワックスの軟化温度と溶融温度とに2水準の設定温度を予め設定しておいて、電源スイッチ(不図示)を入れると、直ちに、設定温度選択SWa、SWbの接続の状態に応じて決まる設定温度に制御され、例えば、へら部3がワックス溶融温度の水準で使用可能の状態になり、術者は、歯科用の石膏模型上にへら部3でワックスを所要量を盛り付ける。次いで、この状態から、例えば、フットスイッチ8(SWb)を踏み込み操作するだけで従前の設定温度から急速にもう一方の水準の温度に切り替わって、その温度に、この場合は、低温水準のワックスの軟化温度に下げて、石膏模型上に盛り付けたワックスの概形を調整する。必要により、さらに、フットスイッチ8(SWb)を踏み込み操作するだけ、他方の水準の温度に急速に戻ることになる。このように、へら部3の温度を即座に変えながら、ワックス成形加工に適した温度で繰り返し成形するのである。
【0040】
フットスイッチ8に代えて、ハンドスイッチ(不図示)を使用する場合も同様で、その操作は、手や指、腕、肘などでスイッチ面に接触ないしスイッチレバーを押し下げするだけで簡便に且つ迅速にへら部3の温度切替えを実施することができてよい。
【0041】
好ましくは、加熱部の温度が2水準の何れかの設定温度にあることを示すために、図3に示すように、表示ランプ78が使用される。ランプ78での表示は、設定温度の一定範囲内にあるときと、範囲外であるときで、ランプの色を変えるのもよい。また、加熱部の温度を上記の熱電対6を使用して温度計により測定し、その温度を温度制御装置のパネル面上で直接にデジタル表示することもできる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、ワックススパチュラー本体のへら部の設定加熱温度を2以上の水準温度に即時変更可能としたので、ワックス成形時の温度調整が容易で、ワックス成形各工程で必要な2水準温度に即時に交互変更することが容易となり、また使用時温度と不使用時温度の変更と保持調整が容易となり、ワックス成形作業の効率化を図ることができる。
【0043】
本発明は、設定温度の切換えにおいて、別個の2つの設定温度切換え手段を設け、設定温度切換え手段をフットスイッチ又はハンドスイッチとして、足又は手や腕による切り換えを可能としたので、緻密なワックス成形作業中での即時切り換えが容易となり、作業の成形効率を高めることができる。
【0044】
さらに、加熱部内に電熱体と温度センサーとを配置したので、へら部の温度変化に対応して温度制御の応答速度が大きく、設定温度の変更に対しても温度の追随性が大きいスパチュラー装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るワックススパチュラー本体の加熱部とへら部の縦断面図(A)と、加熱部のセラミックス絶縁体の側面図(B)と、その断面図(C)を示す。
【図2】本発明の実施例に係るワックススパチュラー装置の温度制御装置のブロックダイヤグラムを示す。
【図3】本発明の実施例に係るワックススパチュラー装置の外観図を示す。
【符号の説明】
1 握持部
10 ワックススパチュラー本体
12 加熱部
2 套管
3 へら部
4 セラミックス絶縁体
5 電熱線
6 熱電対
7 温度制御装置
Ra 温度設定用可変抵抗器
Rb 温度設定用可変抵抗器
SWa 設定温度選択スイッチ
SWb 設定温度選択スイッチ
8 フットスイッチ

Claims (5)

  1. 握持部の先側に電熱体および温度センサーを内装した加熱部と該加熱部に装着されるワックス成形用のへら部とを具備したワックススパチュラー本体と、上記発熱部の温度センサーからの温度信号により電熱体に電力を供給して上記へら部の温度制御を行う温度制御装置と、からなるワックススパチュラー装置において、
    上記温度制御装置が、別個に複数水準の温度に設定の可能な温度設定手段と、該温度設定手段による設定温度を切り換える設定温度選択手段と、上記温度センサーで検知したへら部温度と上記設定温度とを比較する比較手段(コンパレータ)とを備え、上記設定温度選択手段の選択操作により、上記へら部の温度を複数水準温度に即時切り換え可能としたことを特徴とするワックススパチュラー装置。
  2. 上記設定温度選択手段が、温度制御装置の操作面の固定選択スイッチと、該装置とは別体に設けた可動選択スイッチとであり、固定選択スイッチと可動選択スイッチとの何れの操作によっても上記設定温度を即時切り換えるようにした請求項記載のワックススパチュラー装置。
  3. 上記可動選択スイッチが、フットスイッチ又はハンドスイッチである請求項記載のワックススパチュラー装置。
  4. 上記加熱部が、握持部に一端が固定されて先端外面に別体のへら部の受口が着脱可能に嵌合される金属套管と、該套管の先端内側に嵌挿されて複数の細孔を有するセラミック絶縁体とを含み、セラミック絶縁体の何れか一の細孔に電熱線を挿通固定し、他の細孔に温度センサーを挿通固定して成り、
    上記の電熱線、導線及びセンサーの導線を、握持部内部に挿通して、温度制御装置に接続するようにした請求項記載のワックススパチュラー装置。
  5. 上記線条の温度センサーが熱電対であり、その測温点が、上記一の細孔内の電熱線に近接する上記他の細孔内位置に配置された請求項記載のワックススパチュラー装置。
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