JP3609810B2 - マスクパターン作成方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

マスクパターン作成方法及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置を製造するためのマスクパターン作成方法、及び半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体製造技術の進歩は非常に目覚しく、最小加工寸法0.18μmサイズの半導体が量産されている。このような微細化はマスクプロセス技術、光リソグラフィ技術、およびエッチング技術等の微細パターン形成技術の飛躍的な進歩により実現されている。パターンサイズが十分大きい時代には、ウェハ上に形成したいLSIパターンの平面形状をそのまま設計パターンとして描き、その設計パターンに忠実なマスクパターンを作成し、そのマスクパターンを投影光学系によってウェハ上に転写し、下地をエッチングすることによってほぼ設計パターン通りのパターンがウェハ上に形成できた。しかしパターンの微細化が進むにつれて、各プロセスでパターンを忠実に形成することが困難になってきており、最終的な仕上り寸法が設計パターン通りにならない問題が生じてきた。
【0003】
特に微細加工を達成するために最も重要なリソグラフィおよびエッチングプロセスにおいては、形成したいパターンの周辺に配置された他のパターンレイアウト環境が、そのパターンの寸法精度に大きく影響する。そこでこれらの影響を低減させるために、加工後の寸法が所望パターンに形成されるように、予め設計パターンに補助パターンを付加する光近接効果補正(OPC:Optical Proximity Correction)またはプロセス近接効果補正(PPC:Process proximity Correction)技術など(以下、PPC手法と呼ぶ)が行われる(特許文献1や、非特許文献1参照)。
【0004】
補正手法は大きく2つの手法に分類され、補正値をある基準にしたがってルール化し、そのルールに基づいてパターン補正を行うモデルベースPPC手法と、マスク、リソグラフィ、エッチングプロセスを通過した後のウェハ上での仕上り形状を予測できるシミュレーターを用いて補正値を算出するシミュレーションベースPPC手法とがある。モデルベースPPC手法では、高速な補正が可能であるが、高精度な補正を行うことが困難であり、シミュレーションベースPPC手法では、高精度な補正が可能であるが、光学シミュレーション等の複雑な計算が必要となるため補正値の算出に時間がかかり、マスク作成のターン・アラウンド・タイム(TAT:turn around time)が悪くなる。
【0005】
補正値算出の時間を低減させるために、上記公知例では以下の手法を提案し、補正値算出時間を低減させている。この手法の一例を図6に示す。
【0006】
ステップS501
設計レイアウトに基準点を設定し、その基準点を中心としたある大きさの領域を切りだす。上記特開平9−319067号公報では、「回りのレイアウトに対応して」この基準点が決められ、SPIEでは、「cornerやline segmentに対応して」この基準点が決められるとの記述がある。
【0007】
ステップS502
領域内に含まれるエッジ座標群(今後、補正環境と呼ぶ)と、その補正環境に対応する補正値とが収められたデータベース(このデータベースを今後、補正値ライブラリと呼ぶ)を調べ、この補正値ライブラリに、ステップS501で切り出された補正環境と一致するものがあるかどうかを検索する。
【0008】
ステップS503
もし、一致するものが存在する場合には、対応して収められている補正値を参照して、補正を行なう。
【0009】
ステップS504
もし、一致するものが存在しない場合には、光学シミュレーション、プロセスシミュレーション、又は補正値を多項式で表現した数式等により、補正値を算出する。そして、そのときの補正環境と、対応する補正値とを補正値ライブラリに追加する。
【0010】
すべての基準点に対して、上記ステップS501〜S504の処理を行って、マスクパターンの作成が終了する。
【0011】
この補正方法では、一度現われた補正環境とそれに対応する補正値とが、補正ライブラリに収められるため、再び同じ環境が現われても補正値算出を行なう必要がない。その結果、時間を要するシミュレーションの回数を可能な限り少なくできるため、マスクパターンの作成時間を低減させることが可能となる。
【0012】
しかし、設計データから抽出されたエッジ座標群を補正ライブラリに追加登録するため、補正ライブラリはどんどんと増大する。補正ライブラリに収められたエッジ座標群と補正値とは、異なる設計データのマスクパターンを作成する際に再度利用されるが、補正ライブラリの増大に伴い、この設計データにとって不要なエッジ座標群が増大する。この結果、補正ライブラリの入出力、およびエッジ座標検索の時間が増大し、結果的に高速に補正することが困難となることがある。
【0013】
【特許文献1】
特開平9−319067号公報
【0014】
【非特許文献1】
SPIE Vol.2322 (1994) 374(Large Area Optical Proximity Correction using Pattern Based Correction, D. M. Newmark et. al)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、補正ライブラリに含まれるデータの増大に伴い、高速にマスクデータを作成することが困難であるという問題があった。
【0016】
本発明の目的は、補正ライブラリに含まれるデータが増大しても、高速にマスクデータを作成し得るマスクパターン作成方法及び半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下のように構成されている。
【0018】
本発明の一例に係わるマスクパターン作成方法は、設計パターンを用意するステップと、補正パラメータを用意するステップと、エッジ座標群と、エッジ座標群を補正するための補正値群との対が登録された第1の補正ライブラリを用意するステップと、前記設計パターンのエッジ座標群を取得するステップと、第1の補正ライブラリに登録された情報、及び前記補正パラメータを用いたシミュレーションから、前記取得されたエッジ座標群に一致するエッジ座標群と補正値群との対だけが登録された第2の補正ライブラリを作成するステップと、前記第2の補正ライブラリに登録されたエッジ座標群と補正値群とを用いて、前記設計パターンを補正してマスクパターンを生成するステップとを含むことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わるマスクデータ作成装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係わるマスクデータの作成方法を示すフローチャートである。
以下では、マスクデータの作成方法を説明しつつマスクデータ作成装置の構成を説明する。
【0020】
(ステップS301)
テストサンプルのレイアウト終了後、パターンの設計データ301を入力する。また、マスク条件、リソグラフィ条件、現像条件、エッチング条件、等の補正パラメータ302も入力する。
【0021】
(ステップS302)
第1の補正ライブラリ311を用意する。第1の補正ライブラリ311には、エッジ座標群と、このエッジ座標群に対応する補正値群とからなる補正情報が1組以上格納されている。第1の補正ライブラリ311中には、デバイスの種類、レイヤー種類、補正パラメータ、マスクプロセス、リソグラフィプロセス、エッチングプロセス及び光近接効果補正等によって分類された各々の補正ライブラリファイルが管理されている。
【0022】
(ステップS303)
基準点設定部321が、設計データ301から得られるパターンの所定の位置に基準点を設定する。各基準点を中心としたある大きさの領域を切りだす。ここで、切り出す領域は、基準点から近接効果の及ぶ範囲である。基準点は、回りのレイアウトに対応して、角部や辺に対応して設定される。
【0023】
(ステップS304)
エッジ座標群算出部322は、切り出された領域中に含まれる、パターンのエッジの座標位置を求める。これ以降、求められた座標位置の集まりをエッジ座標群と呼ぶことにする。
【0024】
(ステップS305)
ステップS304で求められたエッジ座標群が登録された座標群ライブラリ303を作成する。座標群ライブラリ303に登録されているエッジ座標群は、ステップS304で求められたエッジ座標群のみである。
【0025】
(ステップS306)
座標群ライブラリ303から、一つのエッジ座標群を読み出す。
【0026】
(ステップS307)
次いで、ライブラリフィルタ323は、そのエッジ座標群に対応する補正値群とが収められた第1の補正ライブラリ311を参照し、この第1の補正ライブラリ311に、ステップS306で読み出されたエッジ座標群と一致するものがあるかどうかを検索する。一致するエッジ座標群がある場合、ステップS308に移る。一致するエッジ座標群が無い場合、ステップS309に移る。この時、第1の補正ライブラリ311の参照時、設計データの設計ルール、レイヤーに対応する補正ライブラリファイルを参照する。
【0027】
(ステップS308)
ステップS107の検索の結果、第1の補正ライブラリ311にエッジ座標群が有る場合、ライブラリフィルタ323は、第1の補正ライブラリ311からエッジ座標群に対応する補正値群を取得する。補正値群の取得後、ステップS310を実行する。
【0028】
(ステップS309)
ステップS307の検索の結果、第1の補正ライブラリ311にエッジ座標群が無い場合、補正値群算出部324は、補正パラメータ302の条件下で、光学シミュレーション、又は補正値を多項式で表現した数式等を用いたOPC、及びプロセスシミュレーション、又は補正値を多項式で表現した数式等を用いたPPCにより、エッジ座標群に対応する補正値を算出する。なお、プロセス近接効果が問題とならない場合、プロセス近接効果補正を行う必要はなく、光近接効果補正のみを行えばよい。補正値群の算出後、ステップS310に移る。
【0029】
(ステップS310)
エッジ座標群と、補正値群との組が登録された第2の補正ライブラリが作成されているか調査する。第2の補正ライブラリが作成されていない場合、ステップS112に移る。第2の補正ライブラリが作成されている場合、ステップS111に移る。
【0030】
(ステップS311)
調査の結果、第2の補正ライブラリが作成済みの場合、ステップS308又はステップS309で、取得又は算出された補正値群と、エッジ座標群との組み合わせを第2の補正ライブラリ312に追加登録する。登録後、ステップS313に移る。
【0031】
(ステップS312)
調査の結果、第2の補正ライブラリが作成済みで無い場合、第2の補正ライブラリ312を作成する。そして、取得又は算出された補正値群と、エッジ座標群との組み合わせを第2の補正ライブラリ312に登録作成する。第2の補正ライブラリ312の作成後、ステップS313に移る。
【0032】
(ステップS313)
第2の補正ライブラリ312と座標群ライブラリ303とを比較し、第2の補正ライブラリ312に登録されていないエッジ座標群が有るか調査する。第2の補正ライブラリ312に登録されていないエッジ座標群が有る場合、ステップS306に戻る。第2の補正ライブラリ312に登録されていないエッジ座標群が無い場合、ステップS314に移る。
【0033】
(ステップS314)
マスクデータ作成部325は、第2の補正ライブラリ312に登録されている補正値群に基づいて、前記設計データ301を補正し、マスクデータ304を作成する。生成されたマスクデータ304は、処理の依頼元に渡される。
【0034】
次に、マスクデータ作成後の処理について、図3を参照して説明する。
(ステップS401)
先ず、第1の補正ライブラリ311の登録データと、第2の補正ライブラリ312の登録データとをマージする。
(ステップS402)
マージされたライブラリから、重複しているエッジ座標群の一方を削除して、第3の補正ライブラリを作成する。
なお、この処理は、ステップS309で新たに算出された補正値群と、エッジ座標群とからなる補正情報を逐次第1の補正ライブラリに追加登録することでも行うことができる。
【0035】
もし、マスク補正に関するパラメータ(マスク、リソグラフィ、エッチング等)が変更になった場合には、補正ライブラリに収められる補正値群は算出し直され、次の処理に備えられる。
【0036】
図4に、6つのASICデバイス(A〜F)のコンタクトホール層を、ライブラリを利用しない場合(従来法1)、ライブラリを利用した従来の補正手法(従来法2)、及びライブラリを利用した本実施形態に示した手法で補正したときの補正時間を示す。補正時間は、ライブラリを利用しない従来法1の補正時間で規格してある。補正は、製品AからFにアルファベット順で行い、従来法では、ライブラリをそのまま利用した場合の補正時間、本手法は、できたライブラリから次の製品に対して無駄な環境を取り除いたライブラリを生成し、その新ライブラリを利用した場合の補正時間を示している。
【0037】
図4に示すように、従来法2の補正時間は、製品BからDまでは従来法1の補正時間より短くなる。しかし、製品E,Fの場合、従来法2の補正時間は、従来法1の補正時間がより長くなっている。この理由は、製品E,Fを補正する上で使用されない環境がライブラリに存在しているので、ライブラリから製品E,Fにとって有効な環境のみを抽出する時間が増大したためである。本手法の補正時間は、従来法1,2の補正時間に比べて短くなっている。他の従来法に対して10%程度の補正時間で処理できることが見出され、マスク作成にとって非常に有効であることがわかる。
【0038】
通常、OPCツールは設計データの階層構造を変換するための階層処理ツールを有している。パターンの設計データは、まず階層処理ツールに入力されて、所定の階層処理が行われた後に、OPCツールに入力される。階層処理の一例としては、設計データの階層構造をすべて無くしたフラットなデータ構造に変換するなどの処理がある。
【0039】
階層処理ツールでは、階層処理を行った後、設計データを適当な大きさのいくつかの領域(ユニット)に分割する。そして、OPCツールには、各ユニット毎に入力される。OPCツールでは、入力されたユニット毎に処理が行われる。そして、すべてのユニットに対してOPC処理が行われる。このとき、各ユニットの処理が行われるたびに補正ライブラリを読み込んでエッジ座標群を検索する。また処理が終るたびに補正ライブラリを出力する必要がある。
【0040】
この入出力の回数が少ないときには、入出力に要する時間はほぼ無視できる。ユニットの数が増加すると、OPCツールへの補正ライブラリの入出力回数が100回以上に達することもある。すると、ライブラリの入出力時間が無視できない程度大きくなる。
【0041】
本手法では、ライブラリに収められている補正に貢献しないエッジ座標群を予め除去した、効率的な補正ライブラリ(第2の補正ライブラリ)を作成する。そして、効率的な補正ライブラリを使用することによって、補正ライブラリの入出力時間を短縮することができる。その結果、従来法に比べて補正時間を短くすることができる。
【0042】
なお、“ユニット数が増加する”とは、“設計データの規模が大きくなる”と言い換えることもできる。また、
本実施形態に示した手法では、処理前に設計データに有効な第1の補正ライブラリをどれだけ準備できるかが、非常に重要となる。この準備の方法として、主に派生品種とマザー品種に分けて考えることができる。同様なデザインルールを持つ複数のデバイス(派生品種)の場合、生成されたライブラリはそれぞれのデバイスに対して有効となる。したがって、ライブラリの再利用を繰り返すことにより、ライブラリを成長させることが可能となる。
【0043】
また、マザー製品のように新規で開発されるデバイスの場合、派生品のように有効なライブラリが存在しない。その場合には、別の方法で予めライブラリを生成しておく必要がある。その1つの方法は、第1の実施形態でも示されているように、ロジックデバイスの場合、スタンダードセルや、マクロセル等のモジュールから予めライブラリを生成し、そのライブラリを、そのスタンダードセルやマクロセルが使用されたデバイスの補正を高速に行うことが可能となる。また、設計中のレイアウトからライブラリを予め作成する方法も特願2001−375025号に提案されている。例えばリソグラフィシミュレータによるレイアウト検証と共にライブラリを生成する方法が挙げられる。
【0044】
また、設計データが生成途中から補正ライブラリを生成することが求められる。通常、設計データの最終検証のために、デザインルールチェック(DRC)での検証が行われる。DRC実行時には、ほぼ完成された設計データが準備されているので、DRC実行と同時に補正ライブラリの作成を開始することにより、ほぼ完成された設計データからエッジ座標群を抽出することが可能となる。
【0045】
さらに事前に、補正ライブラリを準備するためには、ASIC製品などのセカンド・サイン・オフ時の設計レイアウトを入手し、そのレイアウトからライブラリを作成することも考えられる。このように、設計レイアウトができた時点で、補正ライブラリを事前に作成しておくことにより、OPC処理時に使用するライブラリを処理前に準備することが可能となる。
【0046】
(第2の実施形態)
ライブラリベース補正を行う上では、ライブラリに収められる補正情報が、マスク補正に適した設計資産として扱うことができる。したがって、この設計資産をできる限りたくさん集めることで、より効率的な補正が可能となる。そのためには、補正ライブラリを共有して使用し、新たに生成されるライブラリを提供してもらうことで、高速な補正が可能になり、かつ設計資産を増やすことが可能となる。ライブラリを共有化して使用するためには、ライブラリの信頼性を保証することが必要となり、第1の実施形態で示した補正ライブラリのフィルタリング、補正値群の更新、補正ライブラリの管理などのすべての工程を人手を介さずに自動化することが必須となる。
【0047】
図5は、本発明の第2の実施形態に係わるマスク生成システムの概略構成を示す図である。このシステムは、インターネットもしくはイントラネットを経由したサーバークライアント型の構成である。
【0048】
マスク補正に対してのクライアントは、デバイス製造メーカーや、チップ設計メーカー、マスク製造メーカーやプロセスエンジニアなどが挙げられる。クライアントは、マスク補正を行う対象となる設計データと、その設計データをウェハ上に加工するプロセスとを選択し、処理サーバにアクセスする。
【0049】
チップ設計メーカーは、設計データ301を第1の処理サーバ401に入力する。また、デバイス製造メーカーは、補正パラメータ302を第2の処理サーバ402に入力する。
【0050】
第1の処理サーバ401は、設計データ301からエッジ座標群を抽出する処理を行う。そして、抽出されたエッジ座標群だけを含む座標群ライブラリ303を生成する。
座標群ライブラリ303は、ネットワーク400を介して、第2の処理サーバ402に送られる。第2の処理サーバ402には、エッジ座標群から補正値群を求めるためのマスクデータプロセッシング(MDP)ツールが搭載されている。MDPツールは、エッジ座標群とプロセス条件とから、シミュレーションを行って補正値群を求める。第2の処理サーバ402では、補正を高速化させるための並列が可能であり、さらにMDPツールからは、処理を高速化させるための分散処理も設定することが可能となっている。
【0051】
第2の処理サーバ402は、座標群ライブラリ303に登録されているエッジ座標群に一致するエッジ座標群が、第1の補正ライブラリ311に登録されているか確認する。一致するエッジ座標群がある場合、第1の補正ライブラリ311に収められているエッジ座標群と補正値群とを第2の補正ライブラリ312に登録する。一致するエッジ座標群が無い場合、補正パラメータとエッジ座標群とを補正値群算出ツールに入力して、補正値群を算出する。エッジ座標群と、算出された補正値群とを第2の補正ライブラリ312に登録する。なお、第2の補正ライブラリ312が存在しないときは、新たに作成して第2の補正ライブラリ312を作成する。そして、作成された第2の補正ライブラリ312にエッジ座標群と補正値群とを登録する。
【0052】
座標群ライブラリ303に登録されている全エッジ座標群について、エッジ座標群と補正値群とを第2の補正ライブラリ312に登録した後、第2の補正ライブラリ312をネットワーク400を介して第1の処理サーバ401及びデータサーバ410に送信する。第1の処理サーバ401は、座標群ライブラリ303と第2の補正ライブラリ312と設計データ301に基づいて、マスクデータ304を作成する。作成されたマスクデータ304は、ネットワーク400を介して、第3の処理サーバ403に送信される。マスク製造メーカーは、第3の処理サーバ403に格納されたマスクデータ304に基づいて、マスクを作成する。
【0053】
データサーバ410は、第1の補正ライブラリ311と第2の補正ライブラリ312とをマージする。そして、マージされた補正ライブラリから重複する補正情報を削除する。なお、エッジ座標群と新たに作成された補正値群との組が作成されたときに、第1の補正ライブラリに追加登録するようにしても良い。
【0054】
更新された第1の補正ライブラリは、次のマスクデータの作成に備えて、データサーバ410に保管される。次の設計データは、上記と同様な流れで作成する。
ここに示すサーバークライアント方式のマスク補正方法およびシステムを採用することにより、クライアントは高速にマスク補正を行うことが可能であり、かつライブラリに収められる設計資産(エッジ座標群)を容易に収集することが可能となる。
【0055】
なお、チップ設計メーカー、デバイス製造メーカー、及びマスク製造メーカーは、それぞれが別のメーカーではない場合がある。そのため、第1の処理サーバと第2の処理サーバ、第2の処理サーバと第3の処理サーバ、又は第1の処理サーバと第3の処理サーバとが同一の処理サーバであっても良い。
【0056】
また、サーバ内部で起動されるプログラムをJAVAなどのインターネット志向の言語でプログラミングすることにより、人手を介さずにすべての処理を自動化することが可能となる。その結果、手間が少なくなるだけでなく、ライブラリの信頼性を大きく向上させることが可能となる。
【0057】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0058】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、エッジ座標群と補正値群との対が格納された第1の補正ライブラリ及びシミュレーションにより、補正対象の設計データにとって必要なエッジ座標群と補正値群との対のみをが格納された第2の補正ライブラリを作成し、第2の補正ライブラリを用いてマスクパターンを作成することにより、処理時間を短縮化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わるマスクデータ作成装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態に係わるマスクデータの作成方法を示すフローチャート。
【図3】マスクデータ作成後の処理を示すフローチャート。
【図4】設計データの補正時間を示す図。
【図5】第2の実施形態に係わるマスク生成システムの概略構成を示す図。
【図6】従来のマスクデータの作成方法を示すフローチャート。
【符号の説明】
101…設計データ
102…補正パラメータ
103…座標群ライブラリ
104…マスクデータ
111…第1の補正ライブラリ
112…第2の補正ライブラリ
121…基準点設定部
122…エッジ座標群算出部
123…ライブラリフィルタ
124…補正値算出部
125…マスクデータ作成部
200…ネットワーク
201…第1の処理サーバ
202…第2の処理サーバ
203…第3の処理サーバ
210…データサーバ

Claims (8)

  1. 設計パターンを用意するステップと、
    補正パラメータを用意するステップと、
    エッジ座標群と、エッジ座標群を補正するための補正値群との対が登録された第1の補正ライブラリを用意するステップと、
    前記設計パターンのエッジ座標群を取得するステップと、
    第1の補正ライブラリに登録された情報、及び前記補正パラメータを用いたシミュレーションから、前記取得されたエッジ座標群に一致するエッジ座標群と補正値群との対だけが登録された第2の補正ライブラリを作成するステップと、
    前記第2の補正ライブラリに登録されたエッジ座標群と補正値群とを用いて、前記設計パターンを補正してマスクパターンを生成するステップとを含むことを特徴とするマスクパターン作成方法。
  2. 第1の補正ライブラリは、マスクプロセス、リソグラフィプロセス、エッチングプロセス及び光近接効果補正毎に分類された複数の補正ライブラリファイルを具備することを特徴とする請求項1に記載のマスクパターン作成方法。
  3. 前記第1の補正ライブラリは、前記設計データのデザインルールに応じて分類された複数の補正ライブラリファイルを具備し、
    前記第2の補正ライブラリの作成時、前記設計データのデザインルールに対応する前記補正ライブラリファイルを参照することを特徴とする請求項1に記載のマスクパターン作成方法。
  4. 前記第1の補正ライブラリは、前記設計データのレイヤーに応じて分類された複数の補正ライブラリファイルを具備し、
    前記第2の補正ライブラリの作成時、前記設計データのデザインルールに対応する前記補正ライブラリファイルを参照することする請求項1に記載のマスクパターン作成方法。
  5. 第1の補正ライブラリと第2の補正ライブラリとをマージした第3の補正ライブラリを作成するステップと、
    第3の補正ライブラリに重複しているエッジ座標群が有る場合、重複しているエッジ座標群から、1対のエッジ座標群と補正値群を残して、他のエッジ座標群と補正値群との対を削除するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載のマスクパターン作成方法。
  6. 前記補正パラメータは、マスク条件、リソグラフィ条件、現像条件、エッチング条件の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のマスクパターン作成方法。
  7. 前記第1のエッジ座標群の取得は、
    前記設計パターンに予め決められたルールに従って基準点を設定するステップと、
    設定された基準点を中心とする領域に含まれるパターンのエッジ座標を求めるステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載のマスクパターン作成方法。
  8. 請求項1に記載されたマスクパターン作成方法によって作成されたマスクパターンを用いて製造されたマスクを用いて、半導体装置の製造途中の半導体基板上に形成された被加工膜に対して露光を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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