JP3609548B2 - 可撓性膜堰 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、河川等を横断して敷設され、空気又は/及び水の供給により起立し、排出により倒伏する可撓性膜堰に係り、特に下流側に水位のある場所例えば港湾の入江、又は河川の外海との出入り口に敷設される可撓性膜堰に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水門、防潮堰等は、鋼鉄製で設備の規模の大きなものが一般的である。
そこで通常ゴム堰と称される空気又は/及び水の供給・排出により可撓性膜堰を起立もしくは倒伏させるものは施工が簡単であることから、河川に多く使用されているが、これを水門又は防潮堰に利用することが考えられる。
【0003】
ところが、水門や防潮堰は、河川の途中に設けられるのとは異なり、その両側の水位が反転することがあり、いずれの状態でも安定して起立している必要がある。又、両側の水位が同位の時に水門や堰を開くことになるので、両側の水位が同じ状態で可撓性膜堰を完全に倒伏することが望ましい。
しかしながら、倒伏時に袋体内に空気が閉じ込められて部分的に浮遊膜を生じたり、空気が残らなくとも河床に固定されない部分があるので、これが水中に浮遊して完全に倒伏状態とすることが困難であった。
【0004】
この課題を解決するものとして可撓性膜堰への給排する媒体を液体とする方法と底面に凹凸を設け、袋体がこの凹凸に沿うように倒伏する方法(特公平5−9567公報)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前者の方法は媒体である液体の確保が難しく、液体確保のための施設が必要で初期コストが高いばかりか、維持管理にも多大のコストがかかる。
【0006】
又、後者の例では、このような可撓性膜堰として、ここで、図4のように、底部に設けたスぺーサーによって凹凸を形成し袋体の周長をその凹凸に等しくして完全倒伏される発明が開示されている。
即ち図中10は基礎コンクリートからなる河床、20は凸条部であるパイプ状のスぺーサー、30は可撓性膜堰、40は袋体を形成する可撓性膜、50は取付金具であるアンカーボルト、70は河川等水の流れ、80は空気又は/及び水である。
図4(a)は可撓性膜40が起立している状態である。ここで下流側においても水がある場合、可撓性膜40の流体80を排出して可撓性膜40の倒伏を開始すると、図4(b)の倒伏状態の過程を経て、可撓性膜40はスぺーサー20倒伏過程の最終段階で発生する浮遊膜40Aを引き込むことが可能とされている。
【0007】
最終的には可撓性膜40がスぺーサー20間に埋没することもあが、しかし、本来スぺーサー20は河床10に不動に固着されており、その性能には限界があった。又スぺーサー20の表面が経時変化によって粗面になり、浮遊膜40Aの引込を阻害するという欠点があったため、図4(c)のように可撓性膜40の一部が基礎コンクリート10に密着せず、浮遊膜40Aが生じてしまう問題がある。
このような可撓性膜堰を河川、河口堰に用いた場合には河川水の通水阻害や船舶等の曳航阻害になる。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とするところは施工が簡単で可撓性膜堰の倒伏が完全に行える可撓性膜堰を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は次のように構成した。本発明の請求項1に記載の可撓性膜堰は、下流側に水位のある河川等を横断し、可撓性膜の両側縁を離して凹凸部を有する河床部に固定し、空気又は/及び水の供給、排出により起立、倒伏する可撓性膜堰において、前記凹凸部における凸部を形成する凸条部材が、河川等の流れ方向に対して直角な方向に延在するように設けられた剛性を有する回転部材と、前記回転部材を河川等の流れ方向に対して前記河床上で自在回転可能に支承し、前記河床部側に固定される支承部材とを備え、起立状態から倒伏状態となった前記可撓性膜を、複数の前記凸条部材及び該複数の凸条部材間に形成される凹部に沿わせて倒伏させることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の可撓性膜堰についてその実施の一形態について図面に基づき説明する。
【実施例】
図1は凸部を形成する凸条部材を、河川等の流れ方向に直角な方向に設け、且つ河川等の流れ方向に対して前記河床上で自在回転可能とする可撓性膜堰の第1の実施例の倒伏過程を示すものである。
図1(a)において1はコンクリート等で築床された河床部である。可撓性膜4は両側縁を離して前記河床部1の固定ラインA、Bにアンカーボルト5により固定されることによって袋状体の内室を形成し、空気又は/及び水8の供給、排出(排気)により起立、倒伏可能に布設される。
【0012】
一方、河床部1の表面には、河川等7の流れ方向Fに直角の方向に延在するように、複数の凸条部材2が河床部1上に適宜間隔で取付けられている。そして河川等7の流れ方向Fに河床部1上で自在回転可能とするような凹凸が形成される。更には、可撓性膜堰3内に給気(排水)もしくは前記可撓性膜堰3内を排気(排水)するための給、排出管6を備えている。
【0013】
図1(b)は、初期の排気(排水)状態を図示した可撓性膜4の断面図であり、前記可撓性膜4は、排気(排水)を始めると固定ラインA、Bの上方側が上下流7側の水圧と充填空気の排気による現象に伴ってほぼ対照的に倒伏を開始し、それぞれ内方に湾曲し始めて湾曲変形した湾曲部(閉塞部)4Bが、又外方に突出した浮遊部4Aが形成される。
【0014】
図1(c)は可撓性膜4の倒伏の更なる進行過程を示す断面図であり、前記可撓性膜4の内室の排気(排水)が進むと、湾曲部4Bは凸条部材2と共に一部が閉塞状態になる。ここで、凸条部材2の上部は流れ方向Fに対して回転可能な構造であるため、更には、図1(d)に示すように、内室の排気(排水)が進行すると可撓性膜4が凸条部材2を覆うように凸条部材2と共に河床1のピット部に着底するように納まり、このようにして可撓性膜堰3の完全な倒伏が可能となる。
【0015】
図2(a)は凸条部材2の全体の構造を示す斜視図であり、凸条部材2を構成する部材は、倒伏時に可撓性膜4を支え河川幅方向に延在する自在回転可能な回転部材2Aと、上記回転部材2Aの回転軸部2A1に嵌合する軸受部を介して上記回転部材を支承する支承部材2Bとからなる。
回転部材2Aは回転軸部をも含めて軽量化及び防錆上の面から、不錆鋼管又はFRP等の剛体中空筒状体が望ましく、更にはフリーに回転してもよく又モーター等によって強制駆動する手段を有しても構わない。
又、その表面2A2は円筒形状であるが、望ましくは切削研磨、フッ素樹脂加工等によって可撓性膜4との接触抵抗を低減するように平滑性を付与しておくのがよい。
【0016】
支承部材2Bについても回転部材2Aと同様に軸受部と共に、軽量化及び防錆上の面から、不錆鋼又はFRPの剛体で構成するか、支承部材本体をコンクリート等で構築しておいてもよい。又、可撓性膜の倒伏動作をよりスムースにするために支承部材2Bの上下流方向に対する幅は支承部材2B上に位置する回転部材2Aの外径以下であること好ましい。
【0017】
そして、回転部材2Aを支承部材2Bに取付けて支持し、支承部材2Bをアンカーボルト2Dよって河床1に固定される。
このようにして、回転部材2Aと回転部材2Aを支承する支承部材2Bとからなる凸条部材2が複数個河床1に敷設され、河床1に凹凸部が形成される。
【0018】
次に本発明の実施の形態における作用につき説明する。
図3は隣接する二つの凸条部材2とそれらの間の可撓性膜4の相互作用を説明するものである。
図3(a)に示した可撓性膜4は河床1上に設けられた凸条部材2の回転部材2A上に着底するように接する。この時、可撓性膜4の内室の圧力P1 は、上下流8の水圧P2 より小さいので、水圧P2 が負荷され続けることによってP1 とP2 との差圧ΔPによって可撓性膜内の容積が逐次減容し続ける。
一方、一つの凸条部材2の回転部材2Aとこれに隣接する他の回転部材凸条部材2と間の可撓性膜4は河床側に所定の曲率半径Rを有する湾曲部4Bを形成している。これらの二つの凸条部材2間の可撓性膜4にかかる張力Tと上記差圧ΔP及び上記曲率半径Rとの間には、
T=ΔP・R
の関係が成り立つ。
【0019】
図3(b)のように、一つの凸条部材2は河川等7の流れ方向Fに河床部上で支承部材2Bに設けられた河川の上下流Fのいずれの方向に対しても自在回転可能な回転部材2Aを支承している。
従って、可撓性膜の倒伏が進むと、回転部材2A上に接して載置されている可撓性膜4は、回転部材2Aの回転(自転)作用により回転部材の表面を走行して湾曲部4Bが弛むように動くことで湾曲部4Bの張力T1 を緩和する。そして、湾曲部4Bの湾曲部の曲率半径Rは、R1 がより小さいR2 を有するようになる。 又、回転部材2Aの表面には平滑面2A1が設けられているので、可撓性膜4と回転部材2Aとの間の摩擦抵抗が少なく、張力Tを緩和する上で更に効果がある。
【0020】
その結果、上記作用が逐一進行するにつれて、すべての凸条部材2の表面を可撓性膜4が覆うような状態にまでなり、図3(c)のように可撓性膜4が凸条部材2と河床部1共とによって形成される凹凸部に収納され、可撓性膜4の倒伏時の浮遊部を吸収して可撓性膜4の完全な倒伏が達成できる。又、再び可撓性膜内に給気を行いつつ可撓性膜堰3の起立を実施しても、可撓性膜4が凸条部材2の表面から容易に離れることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、施工が簡単で可撓性膜堰の倒伏が完全に行える可撓性膜堰を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)から(d)は、本発明の一実施例における可撓性膜堰の取付構造を示した可撓性膜堰の起立から倒伏に至る状態の横断側面図である。
【図2】図1の要部拡大横断側面図である。
【図3】(a)から(c)は、図1の要部拡大横断側面図である。
【図4】(a)から(c)は、従来の可撓性膜堰の取付構造を示した可撓性膜堰の起立から倒伏に至る状態の横断側面図である。
【符号の説明】
1、10 河床部
2、20 凸条部材
3、30 可撓性膜堰
4、40 可撓性膜
2D、5、50、アンカーボルト
6、60 給、排気管
7、70 河川流
8、80 流体
4A、40A 浮遊部
4B、40B 湾曲部
2A 回転部材
2A1 軸部
2A2 平滑面
2B 支承部材
F 河川の流れ方向
R 曲率半径
T 張力
Claims (1)
- 下流側に水位のある河川等を横断し、可撓性膜の両側縁を離して凹凸部を有する河床部に固定し、空気又は/及び水の供給、排出により起立、倒伏する可撓性膜堰において、
前記凹凸部における凸部を形成する凸条部材が、河川等の流れ方向に対して直角な方向に延在するように設けられた剛性を有する回転部材と、前記回転部材を河川等の流れ方向に対して前記河床上で自在回転可能に支承し、前記河床部側に固定される支承部材とを備え、
起立状態から倒伏状態となった前記可撓性膜を、複数の前記凸条部材及び該複数の凸条部材間に形成される凹部に沿わせて倒伏させることを特徴とする可撓性膜堰。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20206996A JP3609548B2 (ja) | 1996-07-31 | 1996-07-31 | 可撓性膜堰 |
NL1006702A NL1006702C2 (nl) | 1996-07-31 | 1997-07-31 | Flexibele dam. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20206996A JP3609548B2 (ja) | 1996-07-31 | 1996-07-31 | 可撓性膜堰 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1046554A JPH1046554A (ja) | 1998-02-17 |
JP3609548B2 true JP3609548B2 (ja) | 2005-01-12 |
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ID=16451441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP20206996A Expired - Fee Related JP3609548B2 (ja) | 1996-07-31 | 1996-07-31 | 可撓性膜堰 |
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NL (1) | NL1006702C2 (ja) |
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1996
- 1996-07-31 JP JP20206996A patent/JP3609548B2/ja not_active Expired - Fee Related
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1997
- 1997-07-31 NL NL1006702A patent/NL1006702C2/nl not_active IP Right Cessation
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Publication number | Publication date |
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