JP3609338B2 - 金属リングの圧延方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機(CVT)等のベルトに使用される金属リングの圧延方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無段変速機用ベルト等に用いられる積層リングは、超強力鋼であるマルエージング鋼の薄板の端部同士を溶接して円筒状のドラムを形成した後、前記溶接時の熱により部分的に硬くなった硬度を均質化するために溶体化が施されたドラムを裁断して薄板状の金属リングとし、該金属リングを圧延して所定の周長としたものである。
【0003】
従来、前記金属リングの圧延方法として、特開平11−290908号公報記載の方法が知られている。前記公報記載の圧延方法は、水平方向に所定の間隔で離間させて備えられた1対のテンションローラに薄板状の金属リングを掛け回し、両テンションローラの中間に備えられたセンターローラと圧延ローラとの間に前記金属リングを挟持して圧延を行うものである。
【0004】
前記圧延方法に用いられる前記各ローラはいずれも外周面が厚さ方向に沿って平坦であり、前記テンションローラに前記金属リングを掛け回し、前記圧延ローラにより該金属リングに塑性変形可能な荷重を付与すると共に、該圧延ローラにより該金属リングを回転駆動することにより圧延を行うことができる。
【0005】
しかしながら、前記金属リングは前記溶体化または裁断の際に変形して周縁長が左右で異なっていることがある。このような金属リングを外周面が厚さ方向に沿って平坦なテンションローラに掛け回して前記のように圧延を行うと、前記のように回転駆動する際に、該金属リングは、周長が短い側の周縁で前記テンションローラに接触し、周長が長い側の周縁は前記テンションローラから浮いた状態となる。また、周長が短い側の周縁も部分的に前記テンションローラに接触しないことがある。この結果、前記のように回転駆動する際に、前記金属リングが前記テンションローラの外周面で動揺し、圧延処理を安定して行うことができないとの不都合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、金属リングの両周縁の周長に差があっても安定して圧延処理を行うことができると共に、前記周長差を容易に補正することができる圧延方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記周縁長が左右で異なる金属リングを前記圧延のために回転駆動する際に、前記金属リングが前記テンションローラの外周面で動揺することを避けるために、該テンションローラの外周面に厚さ方向に沿って中央部で凸の断面視円弧状の形状を付与することが考えられる。この場合、断面視円弧状の外周面を備える1対のテンションローラは、通常、両ローラの厚さ方向の中心線が一致するように一直線に配置される。前記テンションローラに、前記周縁長が左右で異なる金属リングを両ローラに掛け回して回転駆動すると、該金属リングの該テンションローラに対する接触面積が増大するので、該金属リングが該テンションローラの外周面で動揺することを避けることができる。
【0008】
ところが、前記回転駆動を継続すると、前記金属リングは、周長の短い側の周縁が次第に前記テンションローラの外周面の円弧状形状に沿って外方に移動し、甚だしい場合は該テンションローラから脱落してしまうことが知見された。
【0009】
一方、前記周縁長が左右等しい金属リングを前記外周面が厚さ方向に沿って中央部で凸の断面視円弧状の1対のテンションローラに掛け回して前記のように圧延処理を行うときに、両ローラの厚さ方向の中心線が相対的に変位していると、該金属リングの一方の周縁長が該変位量に比例して長くなる。この結果、圧延後の金属リングの左右の周縁長が異なってしまうことが知見された。
【0010】
本発明の金属リングの圧延方法は前記知見に基づいてなされたものであり、前記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、金属リングの両周縁の周長を測定して比較する工程と、厚さ方向に沿って中央部で凸の断面視円弧状の外周面を備え、一方のローラの厚さ方向の中心線が、他方のローラの厚さ方向の中心線に対して変位して配置されている1対のテンションローラに、前記工程で測定された両周縁の周長差に基づいて、該金属リングの周長の短い側の周縁を一方のローラの中心線の近傍に位置させると共に、該金属リングの幅方向の中心線が他方のローラの中心線の位置に一致するようにして、該金属リングを掛け回す工程と、両テンションローラの中間に備えられたセンターローラと、該センターローラとの間に該金属リングを挟持する圧延ローラとにより該金属リングを圧延して該金属リングに塑性変形可能な荷重を付与すると共に、該圧延ローラにより該金属リングを回転駆動して、該金属リングの両周縁の周長が等しくなるように補正する工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第1の態様では、まず、金属リングの両周縁の周長を測定して比較することにより、どちら側の周縁長が短いかを把握する。
【0012】
次に、前記金属リングを、厚さ方向に沿って中央部で凸の断面視円弧状の外周面を備える1対のテンションローラに掛け回す。このとき、前記テンションローラは、一方のローラの厚さ方向の中心線が、他方のローラの厚さ方向の中心線に対して変位して配置されているので、前記金属リングの周長の短い側の周縁を他方のローラの中心線の近傍に位置させると共に、該金属リングの幅方向の中心線を一方のローラの中心線の位置に一致するようにする。前記金属リングを前記テンションローラに掛け回す方法は、該テンションローラの変位状態と、該金属リングの周長の短い側の周縁との位置関係が前記のようになるように適宜選択することができる。
【0013】
このようにすると、前記各テンションローラは外周面の形状が厚さ方向に沿って中央部で凸の断面視円弧状となっているので、前記金属リングは、周縁長の短い側が一方のローラの外周面の厚さ方向に沿って中心線の近傍に当接し、周縁長の長い側が該ローラの外周面の厚さ方向に沿って端部側に当接する。
【0014】
そこで、次に前記金属リングを前記センターローラと圧延ローラとにより圧延して該金属リングに塑性変形可能な荷重を付与すると共に、該圧延ローラにより該金属リングを回転駆動すると、前記金属リングは前記テンションローラの中心線の近傍に当接している部分が最も伸張され、該ローラの端部では伸張される量が相対的に少なくなる。この結果、本発明の方法では、前記金属リングの圧延と同時に、該金属リングの両周縁の周長差が等しくなるように容易に補正することができる。
【0015】
前記テンションローラは、前記金属リングの両周縁の周長を測定して比較した結果に基づいて、一方のローラの厚さ方向の中心線を、他方のローラの厚さ方向の中心線に対して変位せしめてもよい。
【0016】
そこで、本発明の金属リングの圧延方法の第2の態様は、金属リングの両周縁の周長を測定して比較する工程と、厚さ方向に沿って中央部で凸の断面視円弧状の外周面を備える1対のテンションローラを、前記工程で測定された両周縁の周長差に基づいて、該テンションローラに掛け回された該金属リングの周長の短い側の周縁が一方のローラの中心線の近傍に位置すると共に、該金属リングの幅方向の中心線が他方のローラの中心線の位置に一致するように、一方のローラの厚さ方向の中心線を、他方のローラの厚さ方向の中心線に対して変位せしめる工程と、前記1対のテンションローラに、該金属リングの周長の短い側の周縁を変位せしめられたローラの中心線の近傍に位置させると共に、該金属リングの幅方向の中心線が他方のローラの中心線の位置に一致するようにして、該金属リングを掛け回す工程と、両テンションローラの中間に備えられたセンターローラと、該センターローラとの間に該金属リングを挟持する圧延ローラとにより該金属リングを圧延して該金属リングに塑性変形可能な荷重を付与すると共に、該圧延ローラにより該金属リングを回転駆動して、該金属リングの両周縁の周長が等しくなるように補正する工程とを備えることを特徴とする。
【0017】
前記本発明の第2の態様によれば、まず、金属リングの両周縁の周長を測定、比較して、どちら側の周縁長が短いかを把握し、この結果に基づいて、前記1対のテンションローラを、該テンションローラに掛け回された該金属リングの周長の短い側の周縁が一方のローラの中心線の近傍に位置すると共に、該金属リングの幅方向の中心線が他方のローラの中心線の位置に一致するように、一方のローラの厚さ方向の中心線を、他方のローラの厚さ方向の中心線に対して変位せしめる。
【0018】
次に、前記1対のテンションローラに、前記金属リングの周長の短い側の周縁を変位せしめられたローラの中心線の近傍に位置させると共に、該金属リングの幅方向の中心線が他方のローラの中心線の位置に一致するようにして、該金属リングを掛け回す。本態様では、前記金属リングの周長の短い側の周縁の向きに合わせて、前記テンションローラのうちの一方のローラが変位せしめられているので、該テンションローラの変位状態と、該金属リングの周長の短い側の周縁との位置関係を顧慮することなく、容易に前記金属リングを前記テンションローラに掛け回すことができる。
【0019】
次に、前記第1の態様と全く同一にして、前記金属リングを前記センターローラと圧延ローラとにより圧延して該金属リングに塑性変形可能な荷重を付与すると共に、該圧延ローラにより該金属リングを回転駆動することにより、前記圧延と同時に、該金属リングの両周縁の周長差が等しくなるように容易に補正することができる。
【0020】
また、本発明の第2の態様では、前記一方のローラが軸支される軸支部材と該ローラとの間にシムを介在させると共に、該シムの厚さを替えることにより、一方のローラの厚さ方向の中心線を、他方のローラの厚さ方向の中心線に対して変位せしめることを特徴とする。
【0021】
前記変位せしめられるローラは、前記シムの厚さを薄くすれば前記軸支部材に近接する方向に、厚くすれば前記軸支部材から離間する方向に、容易に変位せしめることができる。また、前記シムの厚さを調整することにより変位量の調整を容易に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1(a)は本実施形態に用いる圧延装置の説明的正面図、図1(b)は図1(a)示の装置の説明的平面図であり、図2は金属リングが掛け回されるローラの厚さ方向の変位量と該金属リングの周縁長の変化との関係を示すグラフ、図3は図1の装置を用いる圧延方法の説明的平面図である。
【0023】
図1(a)示のように、本実施形態に用いる圧延装置1は、薄板状の金属リングWが掛け回される一対のテンションローラ2a,2bを水平方向に所定の間隔で離間させて備え、さらにテンションローラ2a,2bの中間に受けローラ3、センターローラ4、圧延ローラ5が垂直方向に並設されている。圧延ローラ5は、センターローラ4の上方に昇降自在に配設されており、受けローラ3に支持されたセンターローラ4との間に金属リングWを挟持すると共に、背面側に配設された図示しないモータにより回転駆動されて、金属リングWを圧延する。
【0024】
図1(b)示のように、テンションローラ2a,2bは、外周面6a,6bが厚さ方向に沿って中央部で凸の断面視円弧状となっている。また、前記テンションローラ2a、センターローラ4は、ケーシング7に軸支されて固定されており、テンションローラ2bは軸支部材8に軸支されて、該軸支部材8を移動することによりテンションローラ2aから離間自在に備えられている。この結果、前記圧延により金属リングWの周長が延長されると、テンションローラ2bがテンションローラ2aから離間する方向に移動され、金属リングWが緊張された状態に維持される。
【0025】
次に、図1示の圧延装置による本実施形態の圧延方法について説明する。
【0026】
本実施形態において、金属リングWは無段変速機用ベルト等に用いられる積層リングの材料であり、超強力鋼であるマルエージング鋼の薄板の端部同士を溶接して形成された円筒状のドラムを、前記溶接時の熱により部分的に硬くなった硬度を均質化するために溶体化処理した後、所定幅に裁断したものである。
【0027】
図1示の装置では、テンションローラ2a,2bに金属リングWを掛け回し、センターローラ4と圧延ローラ5との間に金属リングWを挟持して圧延を行うと共に、圧延ローラ5により金属リングWを回転駆動する。このとき、金属リングWの周縁長が左右等しく、テンションローラ2a,2bの厚さ方向の中心線が相対的に変位していると、金属リングWは、いずれか一方の周縁が前記変位したローラ2aまたは2bの外周面6aまたは6bの中心線の近傍に当接することとなる。この状態で、前記のように回転駆動すると、金属リングWは、前記変位したローラ2aまたは2bの外周面6aまたは6bの中心線の近傍に当接している周縁が他方の周縁に比較してより大きく伸張され、左右の周長に差が生じる。
【0028】
次に、ローラ2aまたは2bの外周面6aまたは6bの中心線の近傍に当接する金属リングWの周縁の伸張量と、テンションローラ2aまたは2bの前記中心線の変位量との関係を、図2に実線A,Bで示す。この場合、金属リングWの周縁の伸張量には多少の幅があり、実線A,Bに挟まれる領域で示される。
【0029】
尚、図2ではテンションローラ2aまたは2bの前記中心線の一方の側への変位量と、これに対応する金属リングWの周縁長の変化をプラス(+)、他方の側への変位量と、これに対応する金属リングWの周縁長の変化をマイナス(−)で示している。従って、前記プラス・マイナスは単に方向を示すだけであり、金属リングWの周縁長の伸張量は絶対値で示される。
【0030】
従って、図2から、金属リングWの前記伸張量は、テンションローラ2aまたは2bの前記中心線の変位量に比例して大きくなることが明らかである。
【0031】
換言すれば、図2の直線A,Bは、金属リングWの周縁長が左右等しく、テンションローラ2a,2bの厚さ方向の中心線が相対的に変位している場合に、テンションローラ2aまたは2bの前記中心線近傍に当接した該金属リングWの周縁が他方の周縁に対してどれだけ伸張されるかを示している。
【0032】
そこで、逆に、金属リングWの周縁長が左右で異なる場合には、該周縁長を大きく伸張したい側へ、テンションローラ2aまたは2bの前記中心線を変位させればよいと考えられる。この場合の金属リングWの周縁長の差と、テンションローラ2aまたは2bの前記中心線の変位量との関係を図2に実線Cで示す。
【0033】
前記金属リングWの周縁長が左右で異なる理由は、前記ドラムが前記溶接の際にテーパ状に変形したり、該ドラムを裁断して得られる金属リングWがテーパ状に変形したりすることがあるためである。このため、金属リングWは、図3(a)または図3(b)に示すように、周縁9aと周縁9bとで周長が異なっていることがある。
【0034】
本実施形態では、このような場合に、まず、金属リングWの周縁9aと周縁9bとの周長を測定して相違の有無を把握し、金属リングWの周縁9aと周縁9bとの周長差に基づいて、テンションローラ2bを軸支部材8に近接する方向または軸支部材8から離間する方向に移動する。
【0035】
本実施形態の周縁長補正装置1では、通常は図1(b)示のように、テンションローラ2bと軸支部材6との間に、シム10aが介在されており、テンションローラ2bの中心線Lがテンションローラ2aの中心線Lと一致するようにされている。シム10aは着脱自在であり、テンションローラ2bは、シム10aを厚さの異なる他のシムと交換することにより、回転軸11に沿って軸支部材8に近接する方向に、または軸支部材8から離間する方向に変位させることができる。
【0036】
次に、前記のようにして把握された金属リングWの周縁9aの周長が周縁9bの周長より短い場合には、図3(a)示のように、シム10aに代えて、より薄いシム10bをテンションローラ2bと軸支部材8との間に介在させる。これにより、テンションローラ2bは回転軸11に沿って軸支部材8に近接する方向に変位せしめられ、テンションローラ2bの中心線Lがテンションローラ2aの中心線Lよりも軸支部材8に近接する方向に変位せしめられる。
【0037】
次に、金属リングWを、その周長の短い側の周縁9aがテンションローラ2bの中心線Lの近傍に位置すると共に、中心線Lがテンションローラ2aの中心線Lと一致するようにして、テンションローラ2a,2bに掛け回し、圧延を行う。尚、図3では説明のために、金属リングWの両周縁9a,9bの周長差及びテンションローラ2a,2bの外周面6a,6bの円弧状形状を誇張して示している。
【0038】
金属リングWを前記のようにしてテンションローラ2a,2bに掛け回したならば、次いで、軸支部材8により、テンションローラ2bがテンションローラ2aから離間する方向に変位せしめられ、テンションローラ2a,2bに掛け回された金属リングWに張力が付与される。尚、本実施形態ではテンションローラ2aはケーシング7に軸支されて固定されているために移動せず、テンションローラ2bのみが変位する。
【0039】
次に、圧延ローラ5が下降せしめられて金属リングWに接触し、図示しないモータにより回転駆動されることにより、受けローラ3に支持されたガイドローラ4と圧延ローラ5との間に挟持された金属リングWが回転駆動されつつ、周方向に圧延される。
【0040】
このとき、金属リングWは、図3(a)示のように、周長の短い側の周縁9aが前記のように変位せしめられたテンションローラ2bの外周面6bに沿って中心線Lの近傍に当接し、周長の長い側の周縁9bが外周面6bの端部側に当接している。この結果、金属リングWは、前記圧延により塑性変形可能な荷重を付与されつつ回転駆動されることにより、周長の短い周縁9a側の伸張量が、周長の長い周縁9b側の伸張量よりも大きくなり、両周縁9a,9bの周長差が等しくなるように補正される。従って、金属リングWは前記圧延と同時に、前記周長差が等しくなるように補正される。
【0041】
次に、図3(b)示のように、金属リングWの周縁9bの周長が周縁9aの周長より短い場合には、シム10aに代えて、より厚いシム10cをテンションローラ2bと軸支部材8との間に介在させる。これにより、テンションローラ2bは回転軸11に沿って軸支部材8から離間する方向に変位せしめられ、テンションローラ2bの中心線Lがテンションローラ2aの中心線Lよりも軸支部材8から離間する方向に変位せしめられる。
【0042】
そして、金属リングWを、周長の短い側の周縁9bがテンションローラ2bの中心線L側に位置すると共に、その中心線Lがテンションローラ2aの中心線Lと一致するようにして、テンションローラ2a,2bに掛け回し、前述の図3(a)に示す場合と同一の手順により圧延を行う。
【0043】
このとき、金属リングWは、図3(b)示のように、周長の短い側の周縁9bが前記のように変位せしめられたテンションローラ2bの外周面6bに沿って中心線Lの近傍に当接し、周長の長い側の周縁9aが外周面6bの端部側に当接している。この結果、金属リングWは、前記圧延により塑性変形可能な荷重を付与されつつ回転駆動されることにより、周長の短い周縁9b側の伸張量が、周長の長い周縁9a側の伸張量よりも大きくなり、両周縁9a,9bの周長差が等しくなるように補正される。従って、金属リングWは、図3(a)示の場合と同じく、前記圧延と同時に、前記周長差が等しくなるように補正される。
【0044】
尚、金属リングWの周縁9aと周縁9bとの周長の測定は、個々の金属リングWについて1本ずつ行ってもよいが、周縁9aと周縁9bとのどちらが短いかは前記ドラムを形成する際の溶接によって決まるので、1つのドラムから得られる金属リングWを1ロットとして、各ロット毎に1回だけ測定するようにしてもよい。このようにすることにより、同一ロットの金属リングWについては、シムを変更する必要が無く効率よく処理を行うことができる。
【0045】
また、本実施形態では、金属リングWの周縁9aと周縁9bとの周長差に基づいて、テンションローラ2bを軸支部材8に近接する方向または軸支部材8から離間する方向に移動するようにしているが、予めテンションローラ2a,2bの一方のローラの厚さ方向の中心線が、他方のローラの厚さ方向の中心線に対して変位するようにして配置しておいてもよい。この場合には、金属リングWの周縁9a,9bの周長差に基づいて、金属リングWの周長の短い側の周縁をテンションローラ2bの中心線Lの近傍に位置させ、中心線Lをテンションローラ2aの中心線Lに一致するようにするか、金属リングWの周長の短い側の周縁をテンションローラ2aの中心線Lの近傍に位置させ、中心線Lをテンションローラ2bの中心線Lに一致するようにするか選択して、金属リングWをテンションローラ2a,2bに掛け回せばよい。
【0046】
また、本実施形態では、テンションローラ2a,2bに金属リングWを掛け回して圧延を行うことにより金属リングWの両周縁9a,9bの周長差が等しくなるように補正しているが、金属リングWの厚さが薄い場合には、前記圧延を行う前に、テンションローラ2bをテンションローラ2aから離間せしめることにより、金属リングWに塑性変形可能な荷重を付与して金属リングWの両周縁9a,9bの周長差が等しくなるように補正してもよい。
【0047】
また、本実施形態では、シム10a,10b,10cを用いてテンションローラ2bを変位せしめるようにしているが、テンションローラ2bは他の手段により変位せしめるようにしてもよい。
【0048】
さらに、本発明は、圧延により塑性変形可能な荷重を金属リングWに付与することにより、前記圧延と同時に金属リングWの左右の周長差を補正するものであるが、前記周長差の補正は、圧延された金属リングWを溶体化した後に行われる周長補正処理の際に行ってもよい。この場合、金属リングWが周長補正のために、掛け回される1対のローラの中心線を相互に変位させるようにし、周長補正により塑性変形可能な荷重を金属リングWに付与する以外は、全く本発明と同一にして、前記周長差の補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本実施形態に用いる圧延装置の説明的正面図、(b)は本実施形態に用いる圧延装置の説明的平面図。
【図2】金属リングが掛け回されるローラの厚さ方向の変位量と該金属リングの周縁長の変化との関係を示すグラフ。
【図3】図1示の装置による圧延方法の説明的平面図。
【符号の説明】
1…圧延装置、 2a,2b…テンションローラ、 4…センターローラ、
5…圧延ローラ、 6a,6b…外周面、 9a,9b…周縁、 10a,10b,10c…シム。

Claims (3)

  1. 金属リングの両周縁の周長を測定して比較する工程と、
    厚さ方向に沿って中央部で凸の断面視円弧状の外周面を備え、一方のローラの厚さ方向の中心線が、他方のローラの厚さ方向の中心線に対して変位して配置されている1対のテンションローラに、前記工程で測定された両周縁の周長差に基づいて、該金属リングの周長の短い側の周縁を一方のローラの中心線の近傍に位置させると共に、該金属リングの幅方向の中心線が他方のローラの中心線の位置に一致するようにして、該金属リングを掛け回す工程と、
    両テンションローラの中間に備えられたセンターローラと、該センターローラとの間に該金属リングを挟持する圧延ローラとにより該金属リングを圧延して該金属リングに塑性変形可能な荷重を付与すると共に、該圧延ローラにより該金属リングを回転駆動して、該金属リングの両周縁の周長が等しくなるように補正する工程とを備えることを特徴とする金属リングの圧延方法。
  2. 金属リングの両周縁の周長を測定して比較する工程と、
    厚さ方向に沿って中央部で凸の断面視円弧状の外周面を備える1対のテンションローラを、前記工程で測定された両周縁の周長差に基づいて、該テンションローラに掛け回された該金属リングの周長の短い側の周縁が一方のローラの中心線の近傍に位置すると共に、該金属リングの幅方向の中心線が他方のローラの中心線の位置に一致するように、一方のローラの厚さ方向の中心線を、他方のローラの厚さ方向の中心線に対して変位せしめる工程と、
    前記1対のテンションローラに、該金属リングの周長の短い側の周縁を変位せしめられたローラの中心線の近傍に位置させると共に、該金属リングの幅方向の中心線が他方のローラの中心線の位置に一致するようにして、該金属リングを掛け回す工程と、
    両テンションローラの中間に備えられたセンターローラと、該センターローラとの間に該金属リングを挟持する圧延ローラとにより該金属リングを圧延して該金属リングに塑性変形可能な荷重を付与すると共に、該圧延ローラにより該金属リングを回転駆動して、該金属リングの両周縁の周長が等しくなるように補正する工程とを備えることを特徴とする金属リングの圧延方法。
  3. 前記一方のローラが軸支される軸支部材と該ローラとの間にシムを介在させると共に、該シムの厚さを替えることにより、一方のローラの厚さ方向の中心線を、他方のローラの厚さ方向の中心線に対して変位せしめることを特徴とする請求項2記載の金属リングの圧延方法。
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