JP3609208B2 - 酸素センサ素子本体をなすセラミック成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出するための酸素センサに使用される酸素センサ素子本体をなすセラミック成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジルコニア等の酸素イオン導電体の固体電解質材料からなる酸素センサに用いられる一端が閉塞された筒型の素子は、図5及び図6に示したような形状をなし、図示しないホルダー等に組み込まれて内燃機関の排気ガス管に取着され、素子の内面2の電極層(基準電極層)12を基準酸素ガス(大気)に、外面3の電極層(測定電極層)13を排気ガスに接触させ、素子1の内外面の酸素濃度差に対応して両電極間に起電力(電位差)を生じさせ、この起電力に基づく信号を制御回路に出力し、空燃比を制御するようにされている。そして、このような酸素センサ素子(以下、センサ素子、若しくは単に素子ともいう)1は、従来、次のようにして製造されている。まず、酸素センサ素子本体をなすセラミック成形体をラバープレス法によって一端が閉塞された筒状に成形する。次いで、その外周面を所定形状に加工し、その後、外面3の電極層(以下、外側電極ともいう)13のリード6をなすように、白金(Pt)等のメタライズペーストを印刷して焼成する。そして、その内外各面にそれぞれ無電解メッキなどにより白金等からなる電極層12,13を各々形成する。さらにこの電極層12,13の形成後、各々その活性化のため、所定の熱処理をし、そして電極層13を保護するため、スピネル等のセラミック多孔質体を溶射により形成して酸素センサ素子1として完成される。
【0003】
ところで、この種の酸素センサ素子においては、電極が剥離すると起電力特性が劣化して空燃比の適切な制御ができなくなってしまう。したがって、素子本体(焼結体)の表面に形成される電極の接着強度を高めることは極めて重要である。この電極のうち、排気ガスなどの高温の爆風に直接晒される外側電極13はとりわけ剥離する危険性が高い。
【0004】
このような対策として、例えば特開昭54−137394号では、高温の排気ガスにさらされる外側電極の接着強度を向上させるため、固体電解質の焼結前のセラミック成形体(以下、成形体というときは焼成前のものをいう)の外面をブラスト処理や機械加工により粗面化しておき、メッキされる電極層(以下、メッキともいう)のアンカー効果を高め、焼結後にセラミックの外側表面に形成される外側電極の接着強度を向上させるようにしている。この様に、従来は外側電極のセラミックに対する密着性(接着強度)については考慮されていた一方で、内面2の電極(以下、内側電極ともいう)12については排気ガスと直接接触しないことなどから、接着強度は外側電極13ほどは重要視されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、内側電極といえども接着強度が低ければ、使用条件によってはその剥離を招き易く、素子の性能や信頼性の低下を招いてしまう。また、焼成されたセラミック成形体(以下、焼成後の成形体は、単に焼結体ともいう)に、無電解メッキにより電極を形成する際には、その後、前記したように活性化のための熱処理が施されるが、この処理によって素子の内面2の閉塞された端面部(以下、閉塞端面部ともいう)5で、図6に示したようにフクレFと呼ばれるメッキ面(電極)12の膨れ上がり(電極の剥離)が発生するので生産歩留まりを上げられないといった問題があった。
【0006】
フクレFの発生原因は、内面2の閉塞端面部5ではメッキの密着性が悪く、その後の熱処理により素子本体の面(素地)とメッキとの間に存在する微小な空隙内のガスが膨脹することによるものと考えられる。そして、このようにメッキの密着性が悪いのは、内面の閉塞端面部5は奥深い閉塞孔をなす構造のため、メッキ液の環流が悪いことからメッキが析出し易く、そして析出したメッキが相互に押し合うことによってメッキ層の内部応力が大きくなるためと考えられる。
【0007】
このフクレを解消するためには、内面を所定の粗さに粗面化してメッキの密着性を高めることで達成されると考えられるが、素子の内面は、内径が数mmで奥行き数cmの奥深い閉塞孔であることからブラスト処理ではその粒子が到達せず、したがって所望とする表面粗さに粗面化することは困難である。とりわけその閉塞端面部は最奥所であり、その効果はほとんど期待できない。一方で一定の表面粗さとするために成形体の内面に所定のセラミック粉末(ノタ)を付着したり、その内面を別途機械加工することにより粗面化することも考えられるが、このようにすると工程が増え製造効率が低下し、製造コストの上昇を招いてしまう。
【0008】
こうした中、本願発明者らはラバープレス法に用いられる雄型(プレスピン)の成形面をなす部分の表面粗さを種々変更して成形体を成形し、焼成したものについてその素子の内面の表面粗さを測定したところ、焼結体の表面粗さは焼結収縮によると考えられるが、雄型の表面粗さより粗さ(凹凸)が小さくなるものの、その割合は略一定で安定していることを知見するに至った。
【0009】
また、こうして得られた焼結体にメッキをして熱処理したものについて、フクレの発生状況を確認したところ、焼結体の表面粗さの微妙な相違により、フクレの発生状況が著しく異なることを知見するに至った。すなわち、本願発明者は、焼結体の内面の表面粗さを左右するラバープレス法における雄型の表面粗さを適切に設定することで、電極(メッキ)の密着性が著しく安定、向上し、フクレの発生を著しく効果的に低減できることを知見するに至った。
【0010】
本発明は、かかる知見に基づくものであり、その目的とするところは、素子の内面のとくに閉塞端面部の内側電極の密着性を高めてフクレの発生を防止し、歩留まりの向上を図るとともに、そのような素子を別途独立の工程を要することなく製造できる方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる酸素センサ素子本体をなすセラミック成形体の製造方法(請求項1に記載の発明)は、ラバープレス法により酸素センサ素子本体をなすセラミック成形体を製造する方法において、そのセラミック成形体の内面を成形する雄型の表面のうち、先端面のみをその他の部位より粗面化しておき、その雄型によってセラミック成形体の内面を成形する際、その内面のうちの閉塞された端面部を同時に粗面化することにある。
【0012】
ラバープレス法により一端が閉塞された筒状の成形体を成形する成形型は、図2に示したように、素子の外面を成形するゴム製の筒状を成す雌型23と、内面を成形する所定の先細テーパ(抜きテーパ)で円柱状に形成された金属製の雄型(プレスピン)22とを主体としてなり、成形体の閉塞端面部をなす、成形型21の上端部の開口24から所定量の原料粉体を型に入れ、その開口24の閉塞後、ゴム製の雌型23の外側に水圧をかけて成形体1bをプレス成形する。そして、減圧後、図3に示したように、雄型22を成形体1bとともにその軸方向に抜き、その後、成形体1bを雄型22から軸方向に引き抜いて離型する。離型された成形体1bの内面2bは雄型22の表面粗さ状態が略そのまま転写される。
【0013】
したがって、雄型22の表面の先端面(図3拡大図中のハッチング領域)25のみを適度に粗面化しておくことにより、これが成形面をなす成形体1bの内面2bの閉塞端面部5bは適度に粗面化された表面粗さを呈するようになる。そして、焼成後においては焼結収縮があることから、成形体の表面粗さ(雄型の表面粗さ)より凹凸の小さい表面粗さとなるものの、別途独立の粗面化工程を要することなく、内面のうち、閉塞された端面部が粗面化された焼結体が得られる。したがって、以後、無電解メッキ等により電極を形成した場合、粗面化された閉塞端面部における電極は高い密着性が確保されることから、フクレの発生も低減され、生産歩留まりの向上が図られる。
【0014】
なお、上記製法においては、請求項2に記載のように、前記雄型22の表面のうち、先端面25の表面粗さを中心線平均粗さRa:0.35μm以上とするとよい。その表面が中心線平均粗さRa:0.35μm以上で、焼結体の内面がメッキの密着性を高めるのに効果的な表面粗さとなるからである。なお、雄型の表面粗さが粗すぎると、離型時にその表面にセラミック原料粉体が付着しやすくなり、その除去のために連続して成形加工することが不可能となり生産性が低下する。したがって、雄型の表面粗さはその粉体の付着がないように、中心線平面粗さRa:1.2μm以下とするのがよく、その意味で粗面化した先端面25の部分の表面粗さは中心線平均粗さRa:0.35〜1.2μmの範囲とするのが適切である。また、請求項3に記載のように、請求項2記載の酸素センサ素子本体をなすセラミック成形体の製造方法においては、前記雄型の表面であって前記セラミック成形体の内面を成形する表面のうち、前記先端面以外の部位の表面粗さを、中心線平均粗さRa:0.23μm以下とするのが好ましい。
【0015】
なお、本明細書において、中心線平均粗さRaとは、JIS B 0601−1994で定められた表面粗さをいう。すなわち、中心線平均粗さRaとは、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を取り、この部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をY=f(x)で表したとき、下記(1)式によって求められる値をμmであらわしたものをいう。なお、以下、中心線平均粗さRaは単に表面粗さともいう。
【0016】
【数1】
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に係る酸素センサ素子本体をなす成形体の製造方法の実施形態例について、図1ないし図4を参照して詳細に説明する。まず、図中、1は本例の製法で製造された酸素センサ素子本体をなす成形体から製造されたセンサ素子であって、部分安定化ジルコニアを主成分とするセラミック焼結体であって、有底の筒状をなし、その内面2の略全面と、外面3のフランジ4より下方の外面3には、それぞれ無電解メッキによりPtメッキが被着形成され、内側電極12及び外側電極13をなすものである。また、本例では内面2の閉塞端面部(図1拡大図中ハッチング領域)5は凹となす略半球面状に形成され、この略半球面状に形成された閉塞端面部5の内側電極(メッキ層)12の形成前の焼結体1の表面粗さは、本例では中心線平均粗さRa:0.23μm〜0.7μmの範囲にあり、内面2のその他の部位は中心線平均粗さRa:0.20μm以下である。
【0020】
このような酸素センサ素子1をなすセラミック成形体1bは、次のようにして製造される。まず、成形体1bをラバープレス法で成形するにあたり、成形型21の雄型(プレスピン)22の表面粗さについて、その半球面状をなす先端面(図3の拡大図中のハッチング領域)25のみ、その表面粗さを例えば中心線平均粗さRa:0.35μmとし、雄型22の他の部位、すなわち、雄型22の表面であってセラミック成形体1bの内面2bを成形する表面のうち、先端面25以外の部位の表面粗さを中心線平均粗さRa:0.23μm以下としておく。そして、成形型21の上端の開口24から所定量の原料粉体を型に入れ、その開口24の閉塞後、ゴム製の雌型23の外側に水圧をかけて原料粉体をプレス成形する。そして、減圧後、図3に示したように、雄型22を成形体1bとともにその軸方向に抜き、その後、成形体1bを雄型22からその軸方向に引き抜いて離型する。すると図4に示したように、離型された成形体1bの内面2bは雄型22の表面粗さ状態が略そのまま転写される。したがって、雄型22の先端面25により、成形体1bの内面2bのうちの閉塞端面部5bは、中心線平均粗さRa:略0.35μmとなり、他の部位の表面粗さ(Ra:略0.23μm以下)に比べて粗面化される。この成形体1bについては、その外周面を所定の形状、寸法に加工をし、同時に適度の表面粗さとした後、リード6用のメタライズペーストを印刷して焼成する。
【0021】
図1において、焼成後に得られた焼結体1aの内面2の表面粗さは、焼成による焼結収縮により、成形体1bの表面粗さ、すなわち雄型22の表面粗さより若干の割合で凹凸が小さくなった表面粗さとなる。本例では、その半球面をなす閉塞端面部5で中心線平均粗さRa:0.23μmをなし、その他の部位は中心線平均粗さRa:0.20μm以下をなし、内面2の閉塞端面部5がその他の部位より粗面化された焼結体1aとなる。すなわち、内面2のうち閉塞端面部5は、成形後、焼結前に格別の処理をすることなく、成形体1bの成形と同時に、所望とする表面粗さに粗面化される。したがって以後は、内外両電極12,13を無電解メッキによりそれぞれ形成し、所定の熱処理をすることで図1に示した素子1となる。そして、こうして得られた素子1は、その内面2の閉塞端面部5のメッキ前における表面粗さが適度に粗面化されていることから、メッキの密着性が高く、熱処理におけるフクレの発生が防止されるのである。
【0022】
このように本製法によれば、ラバープレス法において先端面25が粗面化された雄型22を用いることで、成形体1bの成形と同時にその内面2bを粗面化するものであるため、ブラスト処理や格別の工程を要することなく、しかも再現性よく素子本体(成形体及び焼結体)の内面を粗面化できる。
【0023】
【実施例】
さて次に上記の製法により、雄型22の先端面(半球面)25を適宜の表面粗さ(0.23〜1.26μm)に粗面化し、これを用いて内面2bの閉塞端面部5bの表面粗さの異なる成形体(試料)1bをつくり、上記と同様に、その外周面を加工して焼成し、得られた焼結体1aの内外両面にそれぞれ無電解メッキにより白金メッキを施して電極12,13を形成し、所定の熱処理をし、その内側電極12の閉塞端面部5におけるフクレ(不良)の発生状況を内視鏡にて確認するともに、素子1の軸線を含む平面で切断して閉塞端面部5における内側電極(メッキ)12を剥離し、その表面粗さを確認した。試料は各100である。結果は、表1に示した通りである。なお、雄型22の先端面25は、雄型22の全表面を表面粗さRa:0.20μmの鏡面に仕上げた後、その先端面(半球面部分)25のみを所定の番手のサンドペーパー或いは所定の砥粒のヤスリによって粗面化した。
【0024】
【表1】
【0025】
表1に示したように、試料No1(比較例)の雄型22の先端面25の表面粗さRa:0.23μmのものでは、フクレの発生(不良率)は56%であった。そして、その場合の素子(焼結体)1aの内面2の閉塞端面部5の表面粗さはRa:0.17〜0.20μmの範囲にあった。これに対して、試料No2の先端面の表面粗さRa:0.35μmのものでは、フクレの発生は僅かに1%と激減している。そして、この場合の素子(焼結体)1aの内面2の閉塞端面部5の表面粗さはRa:0.23〜0.29μmの範囲にあった。さらに、試料No3の雄型22の先端面25の表面粗さRa:0.41μmのものでは不良率は0%である。そして、この場合の素子(焼結体)1aの内面2の閉塞端面部5の表面粗さはRa:0.29〜0.35μmの範囲にあった。
【0026】
この結果から、焼結体1aの内面2の閉塞端面部5を局所的にその表面粗さをRa:0.23μm以上としておくと、電極(メッキ)の密着強度が著しく向上することがわかる。そして、そのためには、雄型22の表面の半球面をなす先端面25を中心線平均粗さRa:0.35μm以上に粗面化しておくとよいことが分かる。また、この結果から、焼成後の素子の閉塞端面部5の表面粗さは、雄型の先端面25の表面粗さに対して、70〜90%程度となることが分かる。
【0028】
なお、内面の全体を粗面化すると、ラバープレスにおける雄型の離型時に粉体が付着し易くなり、その分、その除去に手間がかかるために、その表面粗さ次第で生産性が低下することもある。
【0029】
なお、素子の内面の閉塞端面部の形状は、上記においては凹となす略半球面状を例示したが、素子の内面の閉塞端面部の形状はこれ以外に凹となす略円錐台形状若しくは略円錐形状、軸線を含む断面で略U字形状などとしても具体化されるが、そのような場合でも同様に電極のフクレの発生や密着強度の問題がある。そして、本発明によれば内面の閉塞端面部の形状がこのような形状であっても、セラミック成形体の内面を成形する雄型の表面のうち、先端面のみをその他の部位より粗面化しておくことでよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明に係る酸素センサ素子本体をなす成形体の製造方法によれば、成形体の成形と同時にその内面の閉塞端面部が粗面化されることから、別途独立の粗面化工程を要することがない。しかも、略一定の表面粗さに再現性よく粗面化された成形体及び焼結体が得られる。したがって、以後、無電解メッキ等により電極を形成した場合、閉塞端面部においては高い密着性が確保され、したがってフクレの発生も低減され、歩留まりの向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造方法によって製造されたセンサ素子本体をなすセラミック成形体から製造されたセンサ素子の半縦断正面図及び閉塞端面部の拡大図。
【図2】ラバープレス法により成形体を成形する状態の説明用概略構成図。
【図3】雄型を成形体とともにその軸方向に抜いた状態の説明図及び部分拡大図。
【図4】加工前の成形体の断面図。
【図5】従来の酸素センサ素子の半縦断正面図。
【図6】図5のA部(閉塞端面部)の拡大図。
【符号の説明】
1 酸素センサ素子
1a 酸素センサ素子本体(焼結体)
1b セラミック成形体
2 焼結体の内面
2b セラミック成形体の内面
3 焼結体の外面
5 焼結体の閉塞端面部
5b セラミック成形体の閉塞端面部
12 内側電極
13 外側電極
22 雄型
23 雌型
25 雄型の先端面
Claims (3)
- ラバープレス法により酸素センサ素子本体をなすセラミック成形体を製造する方法において、そのセラミック成形体の内面を成形する雄型の表面のうち、先端面のみをその他の部位より粗面化しておき、その雄型によってセラミック成形体の内面を成形する際、その内面のうちの閉塞された端面部を同時に粗面化することを特徴とする、酸素センサ素子本体をなすセラミック成形体の製造方法。
- 請求項1記載の酸素センサ素子本体をなすセラミック成形体の製造方法において、前記雄型の表面のうち、前記先端面の表面粗さを、中心線平均粗さRa:0.35μm以上としたことを特徴とする、酸素センサ素子本体をなすセラミック成形体の製造方法。
- 請求項2記載の酸素センサ素子本体をなすセラミック成形体の製造方法において、前記雄型の表面であって前記セラミック成形体の内面を成形する表面のうち、前記先端面以外の部位の表面粗さを、中心線平均粗さRa:0.23μm以下としたことを特徴とする、酸素センサ素子本体をなすセラミック成形体の製造方法。
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