JP3608366B2 - 波長可変光源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自己の出射光の波長校正機能を備えた波長可変光源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、波長可変光源には、通常、外部共振器型の半導体レーザ(以下、LDという)が使用され、その外部共振器内に、波長選択素子である光学フィルタを挿入し、単一モード発振を得ている。この光学フィルタの透過(あるいは反射)波長を機械的に可変することにより、広範囲の波長掃引を可能としている。
【0003】
そして、このような波長可変光源は、光学フィルタや通信用光ファイバ等の光学特性を測定する際に利用されており、その測定条件を設定する前には、測定環境(周囲温度等)に応じて波長可変光源から現在発振されている光の波長を校正する必要があり、例えば、ファブリペロー干渉計を用いた波長計等の波長確度が確認されている測定器を用いて波長可変光源の波長校正が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の波長可変光源を利用した光学フィルタや通信用光ファイバ等の光学特性を測定する際には、波長計等の波長確度が確認されている測定器を用いて波長可変光源の波長校正を行なう必要があったため、その波長校正の作業に手間がかかるとともに、高価な波長計を用意しなければならず、可変波長光源の有効利用を妨げるという問題があった。
【0005】
また、波長可変光源の主要部に対して波長計は大型であるため、波長可変光源に波長計を内蔵させることは、波長可変光源の大型化と高コスト化を招くという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ガスセルを利用した波長校正機能を波長可変光源に内蔵して、波長校正作業を簡略化して波長校正機能を低コストで実現する波長可変光源装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の波長可変光源装置は、半導体レーザ光源部と、この半導体レーザ光源部からの出射光を所定の反射波長で外部共振させる反射面を有する外部共振部と、この外部共振部における反射面の位置を移動して外部共振条件を可変する駆動部と、この駆動部における反射面の可変移動量を制御する制御部と、を備えた波長可変光源装置において、光を特定の複数の波長で吸収する波長吸収特性を有するガスセルを備え、前記外部共振部から出射される波長が直線的に可変される光を当該ガスセルに掃引して、当該出射光の吸収波長を検出する波長検出部を設け、前記制御部は、この波長検出部により検出される複数の任意の吸収波長に基づいて前記外部共振部からの出射光の波長が当該任意の各吸収波長になるように前記駆動部における反射面の移動量を各々制御し、この吸収波長における反射面の各移動量に基づいて当該各吸収波長と当該各移動量との関係を補正する補正係数を所定の演算により求めることを特徴としている。
【0008】
したがって、波長可変光源装置において現在の出射光の波長を校正しながら所望の波長に移動させる制御機能を付加することができ、波長を計測するための大型で高価な波長計等を不要にして、波長校正作業を簡略化して波長校正機能を低コストで実現することができる。また、波長検出部を波長可変光源装置に内蔵することができ、波長可変光源装置の持ち運びを容易にして、その利用性を向上させることができる。
【0009】
この場合、上記目的は、例えば、請求項2に記載する発明のように、請求項1記載の波長可変光源装置において、前記制御部は、前記波長検出部により検出される任意の吸収波長に基づいて前記外部共振部からの出射光の波長が、当該任意の吸収波長になるように、前記駆動部における反射面の移動量を制御して、自己の出射光の波長を校正することが有効である。
【0010】
したがって、波長校正機能を実行する際に、まず、任意の吸収波長を初期の基準波長として特定することができる。
【0012】
また、請求項1記載の発明は、波長検出部で検出される出射光の波長と、外部共振部における反射面の移動量との制御関係を精度良く設定することができ、可変される出射光の波長精度を向上させることができる。
【0013】
また、請求項に記載する発明のように、請求項記載の波長可変光源装置において、前記ガスセルの波長吸収特性をメモリに記憶し、前記制御部は、このメモリに記憶された波長吸収特性に基づいて各吸収波長間の差分から各吸収波長における前記反射面の各移動量を算出し、前記外部共振部からの出射光の波長が、前記任意の各吸収波長になるように、前記駆動部における反射面の移動量を各々制御し、この制御時の各移動量と対応する前記算出した各移動量との差分に基づいて、当該各吸収波長と当該各移動量との関係を補正する補正係数を所定の演算処理により求めることが有効である。
【0014】
したがって、反射面の移動量から出射光の波長値を精度良く算出することができ、波長検出部により検出される吸収波長から反射面の移動量を精度良く算出することができ、出射光の波長と反射面の移動量との対応関係を精度良く求めることができる。その結果、波長可変光源装置における波長校正処理機能の精度を向上させることができる。
【0015】
また、請求項に記載する発明のように、請求項あるいは記載の波長可変光源装置において、前記制御部は、前記各吸収波長と前記各移動量との関係を補正する補正係数として、前記外部共振部における外部共振条件を設定する項目を前記演算処理により求めることが有効である。
【0016】
したがって、検出される各吸収波長と反射面の各移動量との関係を補正する補正係数とする項目を所定の外部共振条件内で求めることができ、上記演算処理の精度を向上させることができる。
【0017】
また、請求項に記載する発明のように、請求項1、2、3、あるいは4記載の波長可変光源装置において、前記ガスセルの波長吸収特性をメモリに記憶し、前記制御部は、前記メモリに記憶された波長吸収特性を参照して、前記波長検出部により検出される吸収波長を確認しながら前記駆動部における反射面の移動量を制御することが有効である。
【0018】
したがって、駆動部において移動される反射面の波長に対する移動精度を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
図1〜図7は、本発明を適用した波長可変光源システムの一実施の形態を示す図である。
【0021】
まず、構成を説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態における波長可変光源システム1のシステム構成を示すブロック図である。この図1において、波長可変光源システム1は、波長可変光源部2、波長可変駆動部3、駆動制御部4、制御部5、CPU6、メモリ7、波長検出部8、及び増幅・A/D変換部9により構成され、波長可変光源部2からの出射光は、光ファイバ11により外部に出力光として出力されるとともに、光ファイバ12により波長検出部8に参照光として出力される。
【0023】
なお、光ファイバ11、12の各出力端には、出力光と参照光とを外部光学機器及び波長検出部8にそれぞれ掃引するためのオプティカル接続端子13、14が一体化して取り付けられている。
【0024】
波長可変光源(TLS)部2は、その内部構成を図2に示すように、光源であるLD21と、LD21からの出力光を平行光とするレンズ22と、仮想反射面Hからの反射光を平行光とするレンズ23と、レンズ22からの平行光を波長に応じて回折してミラー25に反射する回折格子24と、回折格子24からの回折光を反射するミラー25と、一端部にミラー25の端部が固定され他端部が回転軸27に固定されてミラー25を回転軸27を中心に回転移動させるミラー移動部材26と、から構成されている。
【0025】
また、図中の31は、ミラー移動部材26を回転軸27を中心に回転移動させるパルスモータであり、このパルスモータ31は、図1の波長可変駆動部3を構成する。
【0026】
この図2に示した波長可変光源部2内の各部材の配置は、リットマン(Littmon)方式により出力光に波長のモードホッピングが発生しないように構成されている。従って、波長可変光源部2内では、LD21からの出力光はレンズ22により平行光にされて、回折格子24の回折面の垂線に対して入射角αで回折面に入射し、その回折面で波長に応じて回折された回折光はミラー25に入射される。そして、その回折面の垂線に対して角度βでミラー25の反射面に入射された回折光は、ミラー25の反射面に対して垂直に入射された光となるため、その反射面に対して垂直に反射された反射光は入射角βで再度回折面に入射し、回折面の垂線に対して角度αで再度レンズ22に戻される。
【0027】
そして、レンズ22に戻された回折光は、LD21の端面(仮想反射面H:屈折率1とする面)で一部は反射して同一経路で回折格子24からミラー25の反射面に戻り、一部は透過してレンズ23により平行光にされて光ファイバ11、12に入射されて、光ファイバ11、12により所定波長λの上記出力光及び参照光として出力される。光ファイバ11、12への光の入射は、レンズ23からの光をビームスプリッタやファイバカプラのような光分岐器を使用して行われる。
【0028】
このように波長可変光源部2の内部では、LD21の端面(仮想反射面H)とミラー25の端面(反射面)との間で共振器を構成しており、LD21に所定の駆動電力を印加することになより、LD21から光を出力させてその内部の共振条件に基づく波長の光を出力させるように構成されている。
【0029】
なお、回折格子24の回折面には、例えば、900本/mmの回折格子(M)が形成されている。また、ミラー25の回折光に対する反射位置(反射面の回転角β)は、回転軸27に他端部が固定されたミラー移動部材26の回転角度に対応して設定される。このミラー移動部材26の回転角度は、その図中の底面部に螺合するパルスモータ31の回転軸31aが回転して図中上下方向に移動することにより変更される。
【0030】
従って、パルスモータ31の回転軸31aの回転数を制御することにより、その回転軸31aの上下移動距離を連続的に変更して、ミラー移動部材26の回転角度を連続的に変更することにより、回折光に対するミラー25の反射位置である反射面の回転角βを連続的に変更し、その反射面から垂直に反射して回折格子24に戻る回折光の波長λを直線的に変化させることを可能にしている。
【0031】
なお、波長可変駆動部3を構成するパルスモータ31は、図1の駆動制御部4から入力されるモータ駆動制御信号によりその回転数が制御されており、モータ駆動制御信号に設定されるパルス信号の入力数に応じて回転数(上下移動距離)が制御される。この実施の形態の場合、パルスモータ31の回転軸31aの1パルスに応じた回転角度と上下移動距離との関係は、例えば、1パルス回転角度当たり15nm(ナノメーター)/パルスの分解能を有するものとする。
【0032】
次いで、図1の駆動制御部4は、制御部5から入力されるミラー回転制御信号に応じて上記パルスモータ31の回転数を決定するモータ駆動制御信号を生成して波長可変駆動部3内のパルスモータ31に出力する。
【0033】
さらに、波長可変駆動部3には、図示しないが波長可変光源部2内のLD21に駆動電力を印加するための駆動電源部が内蔵されている。
【0034】
制御部5は、CPU6から入力されるミラー回転指示信号に応じてミラー回転制御信号を生成して駆動制御部4に出力する。
【0035】
CPU(Central Processing Unit)6は、メモリ7に格納された波長校正処理1プログラムに従って後述する波長校正処理1を実行して、波長可変光源部2から出力される出力光(参照光)の基準波長λ0 を設定するとともに、メモリ7に格納された波長校正処理2プログラムに従って後述する波長校正処理2を実行して、波長可変光源部2から出力される出力光(参照光)の波長とパルスモータ31におけるパルス数との関係を示す数式の定数を決定する。
【0036】
すなわち、CPU6は、波長校正処理1、2に際して、制御部5にミラー回転指示信号を出力して、制御部5及び駆動制御部4により波長可変駆動部3内のパルスモータ31の回転駆動を制御させて、そのパルスモータ31における回転軸31aの移動量を示すパルス数と、増幅・A/D変換部9から入力される光検出デジタル信号とをモニタし、メモリ7に記憶されたガスセル8bの吸収波長特性表を参照して、波長可変光源部2から波長検出部8に出射される参照光の波長λを検出し、そのモニタしたパルス数と検出した波長λをパラメータの一部としてメモリ7に格納された数式を利用して波長間隔を計算することにより、波長可変光源部2から出力される出力光の基準波長λ0 を設定するとともに、出力光(参照光)の波長とパルスモータ31におけるパルス数(回転角度)との関係を示す数式の定数を決定する。そして、CPU6は、これらの波長校正処理1、2により得られるパルスモータ31における回転移動量を示すパルス数と波長可変光源部2から出力される光の波長との関係をプロットしたテーブルの作成を可能とする。
【0037】
メモリ7は、フラッシュROMやEEPROM(Electrical Erasable Programmable Read Only Memory )等から構成されており、上記波長校正処理1プログラム、波長校正処理2プログラムを格納するとともに、各波長校正処理1、2において利用する各種数式やこの各種数式に適用するパラメータ(定数、変数等)を格納する。また、メモリ7は、波長検出部8に内蔵されるガスセル8bに封入されたアセチレンガスの波長吸収特性表(図3参照)を格納する。
【0038】
波長検出部8は、図1に示すように、レンズ8a、ガスセル8b及び光検出素子8cから構成されている。レンズ8aは、波長可変光源2から光ファイバ12を介してオプティカル接続端子14により入力される参照光を平行光としてガスセル8bの入射端面に出射する。
【0039】
ガスセル8bは、そのガラスケース内部に光の波長λを所定間隔で吸収するガスとして、例えば、アセチレンガスが封入されており、そのアセチレンガスの種類は、12アセチレンあるいはその同位体である13アセチレンである。この12アセチレンと13アセチレンの各波長吸収特性表を図3に示す。この図3に示す12アセチレンと13アセチレンの各波長吸収特性表では、各アセチレンの波長吸収位置を定義するライン名称「P21,P20,・・・,R2,R3,・・・,R10,・・・R18」を格納した“LINE”欄と、そのライン名称毎の波長λの周波数を格納した“Frequency(MHz)”欄と、そのライン毎の周波数を波長λに換算した波長値を格納した“波長(nm)”欄と、が設定されている。図3に示すように、12アセチレンでは波長吸収ラインが36本あり、13アセチレンでは波長吸収ラインが54本ある。
【0040】
ガスセル8bは、封入されたアセチレンガスの波長吸収特性により、レンズ8aから入射される光の波長λを所定間隔で所定ライン数吸収して、その吸収波長以外の光を透過させて光検出素子8cに出射する。なお、ガスセル8bの入射端面及び出射端面は、光の干渉を回避するように傾斜して形成されている。
【0041】
光検出素子8cは、ガスセル8bを透過した透過光を受光して、その波長に応じた受光感度で受光した透過光の光強度に応じて、所定電圧レベルの光検出信号に変換して検出端子15からケーブル16を介して増幅・A/D変換部9に出力する。
【0042】
増幅・A/D変換部9は、光検出素子8cから入力される光検出信号を増幅しA/D変換することにより、光検出信号の電圧レベルに応じた光検出デジタル信号に変換してCPU6に出力する。
【0043】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
【0044】
まず、上記CPU6により実行される波長校正処理1について図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0045】
CPU6は、波長可変駆動部3内のパルスモータ31を機械的基準位置へ移動させるようにミラー回転指示信号を制御部5に出力して(ステップS1)、制御部5によりミラー回転制御信号を生成させて駆動制御部4に出力させ、駆動制御部4によりモータ駆動制御信号を生成させて波長可変駆動部3内のパルスモータ31に出力させて、パルスモータ31の回転位置を機械的基準位置に移動させる。パルスモータ31が機械的基準位置に移動されると、CPU6は、そのパルスモータ31の回転位置を管理するパラメータMPを“0”としてメモリ7にセット(MP=0)する(ステップS2)。
【0046】
次いで、CPU6は、パルスモータ31を機械的基準位置から移動させるようにミラー回転指示信号を制御部5に更に出力して、制御部5によりミラー回転制御信号を生成させて駆動制御部4に出力させ、駆動制御部4によりモータ駆動制御信号を生成させてパルスモータ31に出力させて、パルスモータ31の回転位置を機械的基準位置から移動させ、波長可変光源部2から波長検出部8に出射される参照光の波長をガスセル8bの任意の吸収ライン(図3に示したライン)に合わせる(ステップS3)。
【0047】
すなわち、上記構成説明において図2に示した波長可変光源部2内では、パルスモータ31が駆動制御部4から入力されるモータ駆動制御信号に設定されるパルス信号により、機械的基準位置(回転数=0の位置)から入力パルス信号数に応じて回転軸31aが回転して、その回転軸31aが上方への移動(15nm/パルス)を開始すると、その回転軸31aと螺合するミラー移動部材26の底面部が押圧されて、そのミラー移動部材26が固定された回転軸27が回転し、ミラー移動部材26に固定されたミラー25の位置が上方に移動される。
【0048】
このミラー25の回転移動に伴って回折格子24からの回折光に対するミラー25の反射面の回転角βを連続的に変更し、その反射面から垂直に反射して回折格子24に角度βで戻る回折光の波長λを任意の波長から直線的に可変させて、波長検出部8に出射する参照光の波長λを直線的に可変させる。
【0049】
この時、波長検出部8では、光ファイバ12からレンズ8aを介してガスセル8bに入射される参照光の波長λが直線的に可変されるが、そのガスセル8b内に封入されたアセチレンガスの上記図3に示した波長吸収特性により、その吸収ライン(波長)と一致する波長λの参照光が吸収される。このため、ガスセル8bから光検出素子8cに入射される透過光のうち、任意の吸収ライン(波長)と一致する波長λの参照光の光検出レベル(電圧レベル)は、吸収ラインと一致しない場合に比べて低くなる。
【0050】
このため、CPU6では、増幅・A/D変換部9から入力される光検出デジタル信号により光検出レベルの谷間をチェックすることで、波長可変光源部2から出射される参照光の波長λが、ガスセル8bにおける吸収ラインと同一の最初の波長λになったことが検出される。この時、CPU6は、吸収ラインと同一になった最初の波長λを“λ1”とし、モニタしているパルスモータ31のパルス数と対応させて、そのモータ位置MPに対応する吸収波長であることを示すパラメータとして“MP(λ1)”をメモリ7に記憶する(ステップS4)。
【0051】
次いで、CPU6は、パルスモータ31を更に移動させるようにミラー回転指示信号を制御部5に更に出力して、制御部5によりミラー回転制御信号を生成させて駆動制御部4に出力させ、駆動制御部4によりモータ駆動制御信号を生成させてパルスモータ31に出力させて、パルスモータ31の回転位置をステップS4で記憶したモータ位置から更に移動させ、波長可変光源部2から波長検出部8に出射される参照光の波長を、ステップS4で記憶した波長λ1からガスセル8bの次の近傍にある吸収ラインに合わせる(ステップS5)。
【0052】
この時、波長検出部8では、光ファイバ12からレンズ8aを介してガスセル8bに入射される参照光の波長λが直線的に可変されて、そのガスセル8b内に封入されたアセチレンガスの上記図3に示した波長吸収特性により、その最初の波長λ1の次の近傍にある吸収ライン(波長)と一致する波長λの参照光が吸収され、この参照光の光検出レベル(電圧レベル)は、吸収ラインと一致しない場合に比べて低くなるため、CPU6では、増幅・A/D変換部9から入力される光検出デジタル信号の谷間をチェックすることにより、波長可変光源部2から出射される参照光の波長λが、ガスセル8bにおける吸収ラインと同一の次の波長λになったことが検出される。この時、CPU6は、その次の近傍にある吸収ラインと同一になった次の波長λを“λ2”とし、モニタしているパルスモータ31のパルス数と対応させて、そのモータ位置MPに対応する吸収波長であることを示すパラメータとして“MP(λ2)”をメモリ7に記憶する(ステップS6)。
【0053】
次いで、CPU6は、パルスモータ31の分解能(15nm/パルス)と、メモリ7に記憶したモータ位置MPに対応する吸収波長を示すパラメータMP(λ1)とMP(λ2)との差から、確認した2つの吸収波長λ1とλ2の波長間隔を、その各吸収波長λ1、λ2におけるモータ移動量との関係から求めるため、以下に示す数式(1)により各吸収波長λ1、λ2におけるモータ移動量を計算する(ステップS7)。
【0054】
Δ=P*d・・・(1)
但し、Δ:モータ移動量,P:パルス数,d:モータの単位移動量
そして、CPU6は、ステップS7で数式(1)により求めた各吸収波長λ1、λ2のモータ移動量Δ1、Δ2の差分から波長間隔(nm)を求め、ガスセル8bに封入されたアセチレンガスの図3に示した波長吸収特性表における全吸収ラインの波長値の間隔(nm)とを比較して、今回の波長校正処理1で合わせた吸収波長λ1と吸収波長λ2の各波長値を決定する(ステップS8)。この決定した吸収波長値λ1あるいはλ2に対応する吸収線位置へ波長可変光源部2から出力される光の波長λを一致させるように、CPU6はモータ位置MPを移動させるミラー回転指示信号を制御部5に再度出力する(ステップS9)。
【0055】
すなわち、CPU6は、メモリ7に記憶したパラメータMP(λ1)あるいはMP(λ2)に基づいて制御部5によりミラー回転制御信号を生成させて駆動制御部4に出力させ、駆動制御部4によりモータ駆動制御信号を生成させてパルスモータ31に出力させて、パルスモータ31の回転位置を移動させ、波長可変光源部2から波長検出部8に出射される参照光の波長λを、吸収波長λ1あるいは吸収波長λ2に合わせる。
【0056】
次いで、CPU6は、ステップS9で合わせた吸収波長λ1あるいは吸収波長λ2に対応するモータ位置MP(パルス数)を初期値とするため、その合わせた波長λ1あるいはλ2を基準波長λ0とし、そのモータ位置をモータ基準位置P0におけるパルス数の初期値を、例えば“0”とするとともに、基準波長λ0の光を出力する状態にある波長可変光源部2内の回折格子24からミラー25への回折光の出射角度βを、以下に示す数式(2)に基づいて数式(3)により計算して求める(ステップS10)。
【0057】
sin(α)+sin(β0)=n*M*λ0・・・(2)
β0=Asin((n*M*λ0)−sin(α))・・・(3)
但し、n:回折格子24の回折次数
M:回折格子24の回折格子溝本数
λ0:基準波長
α:LD21から回折格子24へ出射される光の入射角
β0:λ0における回折格子24からミラー25への回折光の出射角度
そして、CPU6は、このステップS10においてメモリ7に設定した基準波長λ0のパルス数の初期値(λ0=1.455E−06(m))、パルス数(P0=0)、及び回折格子からミラーに対する回折光の入射角β0(DEG)等をメモり7に設定して(ステップS11)、本波長校正処理1を終了する。
【0058】
以上の波長校正処理1を実行することにより、波長可変光源システム1では、波長可変光源部2から現在出力されている光の基準波長λ0の確認を終了したことになる。次に、CPU6により実行される波長校正処理2について図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0059】
この波長校正処理2では、波長可変光源部2から出力される出力光(参照光)の波長とパルスモータ31におけるパルス数との関係を示す数式(4)の定数を決定するが、この数式(4)と数式(4)に係る数式(3)、(5)を以下に示す。
【0060】
Figure 0003608366
この数式(4)における左辺の数式は、以下の回折格子における光の入射角度α、βとその光の波長λとの関係を示す上記数式(3)である。また、数式(4)における右辺の数式は、以下の回折格子における光の入射角度βとモータ移動量との関係を示す数式(5)である。
β=β0+Atan(P*d/L)・・・(5)
以上の各数式(3)〜(5)におけるパラメータは以下のように定義され、上記説明と重複するパラメータも記載する。
【0061】
β0、λ0、及びP0は、上記波長校正処理1で求められた初期値である。
β0:基準波長における回折格子24からミラー25への回折光の出射角度
(例えば、β0=0.32492(RAD),18.61648(DEG))
λ0:基準波長(例えば、λ0=1.455E−06(m))
P0:基準波長におけるパルスモータ31のパルス数(モータ位置MP)
(例えば、P0=0)
【0062】
また、α、M、n、L、及びdは、本波長校正処理2で決定する定数である。α:LD21から回折格子24に出射される光の入射角度
(例えば、α=1.431(RAD),82.00(DEG))
M:回折格子24における回折格子溝本数(例えば、900000本/m)
n:回折格子24における回折次数(例えば、n=1)
L:パルスモータ31の回転中心とミラー26の回転中心間距離(図2参照)
(例えば、L=5.00E−02)
【0063】
さらに、λ、及びPは、波長可変光源部2からの出力光(参照光)に係る変数である。
λ:波長可変光源部2からの出力光(参照光)の波長
P:パルスモータ31におけるパルス数
【0064】
CPU6は、図5に示す波長校正処理2において、まず、上記波長校正処理1によりメモリ7に設定した初期値β0(0.32492(RAD),18.61648(DEG))、λ0(1.455E−06(m))、及びP0(0)を上記数式(4)に設定し(ステップS21)、波長校正処理1において合わせた吸収波長λ1あるいは吸収波長λ2からガスセル8bの任意の吸収波長λaに、波長可変光源部2から出射される光の波長が合うようにパルスモータ31を移動させるため、そのモータ移動量Δを上記図3の吸収波長特性表に設定されたアセチレンガスの全ラインの各吸収波長値に基づいて決定し、この決定したモータ移動量Δと、上記数式(1)との関係から移動させるパルス数を以下に示す数式(6)により計算して求めて、メモリ7に記憶する(ステップS22)。
【0065】
P=Δ/d・・・(6) (d:モータの単位移動量:15nm/パルス)
すなわち、CPU6は、図3の吸収波長特性表に設定されたアセチレンガスの全ラインの各吸収波長値に基づいて、吸収波長値λ1あるいは吸収波長値λ2から移動させる任意の吸収波長値λa、例えば、波長可変光源部2から出射される光の波長可変範囲の最小波長に対応する波長までの波長差分に相当するモータ移動量Δを求め、このΔと既値であるdとを数式(6)に代入して移動すべきモータパルス数の計算値MPC(λa)を計算し、このモータパルス数の計算値MPC(λa)をメモリ7に記憶する。
【0066】
次いで、CPU6は、ガスセル8bの上記吸収波長値λaに波長可変光源部2から出射される光の波長が合うようにパルスモータ31を移動させるようにミラー回転指示信号を制御部5に更に出力して、制御部5によりミラー回転制御信号を生成させて駆動制御部4に出力させ、駆動制御部4によりモータ駆動制御信号をパルスモータ31に出力させてパルスモータ31を回転移動させ、波長可変光源部2から波長検出部8に出射される参照光の波長をガスセル8bの吸収波長λaに合わせ、この時のパルスモータ31の移動量を示すモータパルス数をMP(λa)としてメモリ7に記憶する(ステップS23)。
【0067】
次いで、CPU6は、ガスセル8bの上記吸収波長値λa以外の任意の吸収波長値λb、例えば、波長可変光源部2から出射される光の波長可変範囲の最大波長に対応する波長までの波長差分に相当するモータ移動量Δを求め、このΔと既値であるdとを上記数式(6)に代入して移動すべきモータパルス数の計算値MPC(λb)を計算し、このモータパルス数の計算値MPC(λb)をメモリ7に記憶する(ステップS24)。
【0068】
次いで、CPU6は、ガスセル8bの上記吸収波長値λbに波長可変光源部2から出射される光の波長が合うようにパルスモータ31を移動させるようにミラー回転指示信号を制御部5に更に出力して、制御部5によりミラー回転制御信号を生成させて駆動制御部4に出力させ、駆動制御部4によりモータ駆動制御信号をパルスモータ31に出力させてパルスモータ31を回転移動させ、波長可変光源部2から波長検出部8に出射される参照光の波長をガスセル8bの吸収波長λbに合わせ、この時のパルスモータ31の移動量を示すモータパルス数をMP(λb)としてメモリ7に記憶する(ステップS25)。
【0069】
そして、CPU6は、上記ステップS22及びステップS24においてメモリ7に記憶したモータパルス数の計算値MPC(λa)、MPC(λb)と、上記ステップS23及びステップS25においてメモリ7に記憶したモータパルス数の実測値MP(λa)、MP(λb)との各差分より、上記数式(4)を使用して上記ステップS21で定義した定数である入射角度α、回折格子溝本数M、ミラー回転中心間距離Lのいづれかを調整して計算して、上記数式(6)に基づく計算値MPC(λa)、MPC(λb)を実測値MP(λa)、MP(λb)に近づける処理を行う(ステップS26)。
【0070】
すなわち、上記ステップS21で定義した定数のうち回折次数n(n=1)とモータの単位移動量d(d=15nm/パルス)は固定であり、その他の定数であるα、M、Lが調整可能であるとすると、数式(4)においてこれらの定数α、MあるいはLのいづれか一つを調整して計算して、上記数式(6)に基づく計算値MPC(λa)、MPC(λb)が上記実測値MP(λa)、MP(λb)に近づくように、定数を調整する。
【0071】
次いで、CPU6は、ステップS26で求めた計算値MPC(λa)、MPC(λb)と実測値MP(λa)、MP(λb)との各差が許容範囲内か否かを判別し(ステップS27)、許容範囲内でなければ再度ステップS22に戻って、上記ステップS22〜ステップS26の各処理を繰り返し実行して、計算値MPC(λa)、MPC(λb)と実測値MP(λa)、MP(λb)との各差が許容範囲内になるようにする。
【0072】
そして、CPU6は、計算値MPC(λa)、MPC(λb)と実測値MP(λa)、MP(λb)との各差が許容範囲内になったことを確認すると、波長可変光源部2から出力される出力光(参照光)の波長とパルスモータ31における移動量を示すパルス数との関係を示す数式(4)における定数α、M、n、L、dを決定し(ステップS28)、本波長校正処理2を終了する。
【0073】
以上の波長校正処理2において波長可変光源部2から出射される出力光(参照光)の波長とパルスモータ31における移動量を示すパルス数との関係を示す数式(4)における定数α、M、n、L、dを決定したことにより、CPU6ではパルスモータ31のパルス数をモニタして数式(4)で波長値λを計算することにより、その計算した波長値λと波長検出部2から検出される参照光の吸収波長値λを、許容誤差の範囲内で求めることが可能となる。
【0074】
また、数式(4)における定数α、M、n、L、dを決定したことにより、図6に示す縦軸を波長(m)、横軸をモータパルス数としたテーブルにおいて、波長とモータパルス数の関係を数式(4)に基づいてプロットする際に、その関係を決定したことになる。従って、CPU6では、随時モニタするパルスモータ31のパルス数を数式(4)に代入して計算することにより、波長可変光源部2から出射される吸収波長λをリアルタイムに求めることが可能となり、図6に示すテーブルを持つ必要はない。
【0075】
以上のように本実施の形態における波長可変光源システム1では、波長可変光源部2から出射される光の波長を検出するガスセル8bを含んで構成された波長検出部8を内蔵するとともに、CPU6において波長校正処理1と波長校正処理2を実行する機能を有することにより、波長可変光源部2からの出射光の波長をリアルタイムに校正する波長校正機能を低コストで付加することができ、その波長校正の作業の手間を大幅に省略することができる。また、本実施の形態における波長可変光源システム1では、大型で高価な波長計を用意する必要がなくなり、可変波長光源システム1の持ち運びを容易にして、その利用性を向上させることができる。
【0076】
また、本実施の形態における波長可変光源システム1では、上記数式(4)を使用することにより、波長可変光源部2からの出力光の波長とパルスモータ31のパルス数の対応関係が求められることを示したが、数式(4)に基づいてパルス数から波長への計算過程と、波長からパルス数への計算過程とを示す一例を、図7においてその計算項目毎に一覧表として示す。
【0077】
図7において計算方向を示すように、まず左端の項目「パルス数」が与えられると、次の項目「モータ移動量Δ(m)」を上記数式(1)により計算し、このモータ移動量Δから次の項目「角度β(RAD)」を上記数式(5)により計算し、この角度βから次の項目「波長λ(m)」を上記数式(2)から導き出される数式(7)により計算する。
λ=(sin(α)+sin(β))/(n*M)・・・(7)
【0078】
以上のように、パルス数が与えられると、モータ移動量Δ→角度β→波長λの順に各数式により計算して求めることができる。
【0079】
次いで、図7において、数式(7)により求めた波長λから次の項目「角度β(RAD)」を上記数式(3)により計算し、この角度βから次の項目「モータ移動量Δ(m)」を上記数式(5)から導き出せる数式(8)により計算する。
Δ=(tan(β−β0))*L・・・(8)
【0080】
そして、このモータ移動量Δから次の項目「パルス数」を上記数式(6)により計算する。従って、計算により波長λが求められると、波長λ→角度β→モータ移動量Δ→パルス数の順に画数式により計算して求めることができる。
【0081】
なお、上記実施の形態において、各数式に設定されたパラメータの数値等は、上記図2に示した波長可変光源部2内の各構成部材の配置関係を変更させない範囲内で変更可能であり、上記波長校正処理1及び波長校正処理2が適用可能であることは勿論である。また、上記実施の形態において、図2に示した波長可変光源部2に限らず、その他の構成の波長可変光源に対しては、各構成部材の配置関係を考慮したパラメータにより上記各数式の演算内容を適宜変更することにより、上記波長校正処理1及び波長校正処理2が適用可能である。また、上記実施の形態では、パルスモータ31を使用した場合を説明したが、移動量をモニタ可能なモータであれば、その他の形式のモータを使用しても良い。
【0082】
また、上記実施の形態において、CPU6により実行される波長校正処理2では、波長可変光源部2から出射される出力光(参照光)の波長とパルスモータ31における移動量を示すパルス数との関係を示す数式(4)における定数α、M、n、L、dを決定して、計算した波長値λと波長検出部2から検出される参照光の吸収波長値λとを、許容誤差の範囲内で求めることが可能であるため、パルスモータ31のパルス数から出射光の波長値を精度良く算出することができ、波長検出部8により検出される吸収波長からパルス数を精度良く算出することができ、出射光の波長とパルスモータ31のパルス数との対応関係を精度良く求めることができる。その結果、波長可変光源システム1における波長校正処理機能の精度を向上させることができる。
【0083】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の波長可変光源装置によれば、波長可変光源装置において現在の出射光の波長を校正しながら所望の波長に移動させる制御機能を付加することができ、波長を計測するための大型で高価な波長計等を不要にして、波長校正作業を簡略化して波長校正機能を低コストで実現することができる。また、波長検出部を波長可変光源装置に内蔵することができ、波長可変光源装置の持ち運びを容易にして、そり利用性を向上させることができる。
【0084】
請求項2記載の発明の波長可変光源装置によれば、波長校正機能を実行する際に、まず、任意の吸収波長を初期の基準波長として特定することができる。
【0085】
また、請求項記載の発明の波長可変光源装置によれば、波長検出部で検出される出射光の波長と、外部共振部における反射面の移動量との制御関係を精度良く設定することができ、可変される出射光の波長精度を向上させることができる。
【0086】
請求項記載の発明の波長可変光源装置によれば、反射面の移動量から出射光の波長値を精度良く算出することができ、波長検出部により検出される吸収波長から反射面の移動量を精度良く算出することができ、出射光の波長と反射面の移動量との対応関係を精度良く求めることができる。その結果、波長可変光源装置における波長校正処理機能の精度を向上させることができる。
【0087】
請求項記載の発明の波長可変光源装置によれば、検出される各吸収波長と反射面の各移動量との関係を補正する補正係数とする項目を所定の外部共振条件内で求めることができ、上記演算処理の精度を向上させることができる。
【0088】
請求項記載の発明の波長可変光源装置によれば、駆動部において移動される反射面の波長に対する移動精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態における波長可変光源システム1のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図1の波長可変光源部2及び波長可変駆動部3の各内部構成を示す図である。
【図3】図1のガスセル8bに封入されたアセチレンガスの波長吸収特性表を示す図である。
【図4】図1のCPU6により実行される波長校正処理1を示すフローチャートである。
【図5】図1のCPU6により実行される波長校正処理2を示すフローチャートである。
【図6】図5の波長校正処理2により定数が決定された数式(4)により波長とモータパルス数との関係がプロットされたテーブルの一例を示す図である。
【図7】数式(4)に基づいてパルス数から波長への計算過程と、波長からパルス数への計算過程とを示す計算項目の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 波長可変光源システム
2 波長可変光源部
3 波長可変駆動部
4 駆動制御部
5 制御部
6 CPU
7 メモリ
8 波長検出部
9 増幅・A/D変換部
11、12 光ファイバ
13、14 オプティカル接続端子
15 検出端子
16 ケーブル
21 LD
22、23 レンズ
24 回折格子
25 ミラー
26 ミラー移動部材
27 回転軸
31 パルスモータ

Claims (5)

  1. 半導体レーザ光源部と、
    この半導体レーザ光源部からの出射光を所定の反射波長で外部共振させる反射面を有する外部共振部と、
    この外部共振部における反射面の位置を移動して外部共振条件を可変する駆動部と、
    この駆動部における反射面の可変移動量を制御する制御部と、を備えた波長可変光源装置において、
    光を特定の複数の波長で吸収する波長吸収特性を有するガスセルを備え、
    前記外部共振部から出射される波長が直線的に可変される光を当該ガスセルに掃引して、当該出射光の吸収波長を検出する波長検出部を設け、
    前記制御部は、この波長検出部により検出される複数の任意の吸収波長に基づいて前記外部共振部からの出射光の波長が当該任意の各吸収波長になるように前記駆動部における反射面の移動量を各々制御し、この吸収波長における反射面の各移動量に基づいて当該各吸収波長と当該各移動量との関係を補正する補正係数を所定の演算により求めることを特徴とする波長可変光源装置。
  2. 前記制御部は、前記波長検出部により検出される任意の吸収波長に基づいて前記外部共振部からの出射光の波長が、当該任意の吸収波長になるように、前記駆動部における反射面の移動量を制御して、自己の出射光の波長を校正することを特徴とする請求項1記載の波長可変光源装置。
  3. 前記ガスセルの波長吸収特性をメモリに記憶し、
    前記制御部は、このメモリに記憶された波長吸収特性に基づいて各吸収波長間の差分から各吸収波長における前記反射面の各移動量を算出し、前記外部共振部からの出射光の波長が、前記任意の各吸収波長になるように、前記駆動部における反射面の移動量を各々制御し、この制御時の各移動量と対応する前記算出した各移動量との差分に基づいて、当該各吸収波長と当該各移動量との関係を補正する補正係数を所定の演算処理により求めることを特徴とする請求項記載の波長可変光源装置。
  4. 前記制御部は、前記各吸収波長と前記各移動量との関係を補正する補正係数として、前記外部共振部における外部共振条件を設定する項目を前記演算処理により求めることを特徴とする請求項あるいは記載の波長可変光源装置。
  5. 前記ガスセルの波長吸収特性をメモリに記憶し、
    前記制御部は、前記メモリに記憶された波長吸収特性を参照して、前記波長検出部により検出される吸収波長を確認しながら前記駆動部における反射面の移動量を制御することを特徴とする請求項1、2、3あるいは4記載の波長可変光源装置。
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