JP3608317B2 - すべり軸受への潤滑油供給機構 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクシャフトとコネクティングロッドとの連結部に設けられる軸受部への潤滑油の供給機構に関するものであり、特に、上記軸受部がすべり軸受からなるものにおいて、軸受面における油膜の破断等が生じないようにした潤滑油供給機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の、クランクシャフトにおけるコネクティングロッドとの連結部における軸受部(すべり軸受)への潤滑油の供給機構は、例えば図4に示す如く、クランクシャフト10の一つの軸部130’から隣りの軸部130のところにかけて斜めに設けられた供給路110を基礎に形成されるようになっているものである。そして、このような供給路110の、その一方の開口部120は、コネクティングロッド20との間に設けられたすべり軸受30の軸受面とすべり接触するところに設けられるようになっているものである。このような構成からなる供給路110等を経由して、潤滑油は、図4の矢印図示の如く、開口部120から、すべり軸受30の軸受面へと供給されるようになっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成からなる従来の潤滑油供給機構においては、すべり軸受30とクランクシャフト軸部130との接触面である軸受面へは、上記供給路110の開口部120を介して潤滑油が供給されることとなる。これによって、上記両者の接触面である軸受面には、所定の油膜が形成されることとなる。この油膜を介して、クランクシャフト10の軸部130とすべり軸受30との間には軸受機構が形成されることとなる。ところで、この従来のものにおいては、軸受面の、その幅方向のほぼ中央部のところに、供給路110の開口部120が設けられるようになっている。そして、この開口部120は、すべり軸受30の軸受面に十分な潤滑油を供給するために、比較的大きな開口面積を有するようになっている。そのため、上記クランクシャフト10の軸部130とコネクティングロッド20との間に大きな荷重が加わることとなった場合に、上記すべり軸受30の軸受面のところは、大きな圧力が加わった状態ですべり運動が行なわれることとなり、当該軸受面に形成されている油膜は、上記比較的大きな開口面積を有する開口部120のところで切断(破断)されるおそれがある。このような問題点を解決するために、すべり軸受とすべり接触をする軸受面のところには、潤滑油供給のための開口部等を有しないようにした、すべり軸受への潤滑油供給機構を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明においては、クランクシャフトとコネクティングロッドとの連結部に設けられる軸受部への潤滑油の供給機構に関して、上記クランクシャフトの軸部の両側面部に形成される肩部の付け根のところに設けられるものであって、上記コネクティングロッドとの間に設けられるすべり軸受の両側端部の全周にわたるように設けられる溝のところに、クランクシャフトの軸内に設けられた潤滑油供給路の開口部を設けるようにした構成を採ることとした。
【0005】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては次のような作用を呈することとなる。すなわち、コネクティングロッドからの大きな変動荷重を受ける上記すべり軸受の軸受面(摺動面)には、潤滑油供給のための給油孔(開口部)が設けられておらず、軸受面(摺動面)は平滑な面となっているので、クランクシャフトの軸部と上記すべり軸受の軸受面との間における相対的なすべり運動(摺動運動)時において、上記摺動面に形成される油膜は、常に正常な状態に保たれることとなる。従って、従来のものにおける如く、給油孔によって、上記油膜が切断(破断)されると言うような不都合の生ずることが無い。特に、ピストンからの衝撃的な変動荷重を受けるコネクティングロッドとの軸受面においては、給油孔等による不連続部の存在することは油膜の保持に悪い影響を及ぼすこととなる。これらのことからも、本発明のものにおける如く、潤滑油供給のための開口部(給油孔)が軸受面に存在しない構成からなるものにおいては、油膜の保持に優れた能力を発揮することとなる。
【0006】
また、本発明のものにおいては、上記潤滑油供給のための開口部(給油孔)が、軸受面のところではなく、すべり軸受の側端部のところに設けられるようになっているものであるところから、その開口面積を大きく採ることができるようになり、潤滑油を十分に軸受部に供給することができるようになる。すなわち、すべり軸受の両側端部のところに形成された空間部を介して、その全周にわたって万遍なく潤滑油を供給することができるようになる。そして、このようにすべり軸受の両側端部のところに供給された潤滑油は、クランクシャフトの軸部とすべり軸受の軸受面との間における相対回転運動中において、例えば図3に示す如く、その円周方向における負圧発生部から、上記軸部とすべり軸受の軸受面との間の隙間内へと吸引(導入)されることとなる。そして、この隙間(軸受面)に供給された潤滑油は、すべり軸受の軸受面の全面にわたって導入されることとなる。その結果、上記軸受面の全面にわたって正常な油膜が形成されることとなる。
【0007】
次に、請求項1記載の第二の発明について説明する。このものも、その基本的な点は、上記第一の発明のものと同じである。その特徴とするところは、上記潤滑油供給路の開口部(給油孔)を、クランクシャフトの軸部のところであって、上記コネクティングロッドとの間に設けられるすべり軸受の両側端部の周りに形成される肩部の、その付け根のところに設けられるR溝のところであって、かつ、クランク半径が最小の値を有するところに設けるようにしたことである。一般に、上記肩部の付け根のところには、軸部の強度向上を図るために、冷間塑性加工手段に基づくローラ加工が施されるようになっているものである。そして、このローラ加工によって、上記肩部の付け根のところには、R溝が形成されるようになっている。このR溝のところに開口部を設けることによって、開口面積の大きな給油孔を形成することができるようになり、十分な潤滑油の供給を行なうことができるようになる。
【0008】
また、このようにして供給された潤滑油は、上記R溝を介して、すべり軸受の側端部に、その全周にわたって万遍なく供給されることとなる。その結果、軸受面へは、十分な潤滑油の供給が行なわれることとなり、軸受面における油膜の形成が確実に行なわれることとなる。また、上記開口部(給油孔)は、クランクシャフトの軸部の肩部の、その付け根のところに設けられるようになっており、クランク半径の最も小さな値を有するところに設けられるようになっているものである。従って、潤滑油に働く遠心力が最も小さな値を有するようになり、供給された潤滑油は遠心力によって飛散させられるようなことがない。その結果、十分に、上記すべり軸受の軸受面への潤滑油の供給が成されることとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1ないし図3を基に説明する。本発明の実施の形態に関するものの、その構成は、図1に示す如く、クランクシャフト1と、当該クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13のところに、相対回転運動が可能なように、かつ、相対すべり運動が可能なように連結されるコネクティングロッド2と、当該コネクティングロッド2と上記クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13との連結部のところに設けられるすべり軸受3と、上記クランクシャフト1の軸内に設けられるものであって上記すべり軸受3の両側端部33の周りに設けられる開口部12を有する潤滑油供給路11と、からなることを基本とするものである。
【0010】
このような基本構成において、上記潤滑油供給路11は、図1に示す如く、一つの軸部13’から隣りの軸部(クランクピン)13に向けて斜めに設けられるようになっているものである。そして、その一方の開口部12は、図2に示す如く、クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13の両側面部に形成される肩部15の付け根155のところに設けられるようになっているものである。この付け根155のところには、上記軸部(クランクピン)13の取付部の強度アップを図るために、冷間塑性加工手段であるローラ加工が施されるようになっている。そして、このローラ加工によって、上記付け根155のところには、図2に示す如く、R溝19が形成されるようになっている。そして更に、このR溝19は、図2に示す如く、すべり軸受3の両側端部33の周りに、すべり軸受3の全周にわたって設けられるようになっているものである。また、このR溝19によって空間部121が形成されるようになっているものである。なお、このような構成からなるものにおいて、上記クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13のところであって、上記すべり軸受3の軸受面31のほぼ中央部に対向するところには、別の潤滑油供給路である補助給油孔111の開口部113が設けられるようになっている。これによって、すべり軸受3の両側端部33からの潤滑油供給に加えて、この補助給油孔111からの給油が軸受面31に行なわれることとなり、十分な潤滑油供給が行なわれることとなる。なお、この場合、補助給油孔111の開口部113は軸受面31の中央部付近に設けられることとなるが、その開口面積は非常に小さな値のものであるので、油膜の破断等への影響は少なく、実用上問題となることは無い。
【0011】
このような構成からなる本実施の形態のものについての、その作用等について説明する。すなわち、図1に示す如く、本クランクシャフト1及びコネクティングロッド2が作動を開始すると、クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13とすべり軸受3の軸受面31との間においては、図3に示す如く、相対回転運動及び相対すべり運動が行なわれることとなる。それに伴って、図1及び図2の矢印図示の如く、潤滑油供給路11及び補助給油孔111を介して、上記すべり軸受3の各部には潤滑油が供給されることとなる。
【0012】
具体的には、まず、図2に示す如く、潤滑油供給路11を流動して来た潤滑油は、上記肩部15の付け根155のところに設けられた開口部12のところに流出して来る(導入される)。そして、この潤滑油は、上記付け根155のところに設けられたR溝19にて形成される空間部121へと導かれ、上記すべり軸受3の両側端部33の、その全周にわたって導入されることとなる。そして更に、このようにすべり軸受3の両側端部33のところに導入された潤滑油は、クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13とすべり軸受3の軸受面31との間における相対回転運動中において、例えば図3に示す如く、その円周方向における負圧発生部(AOBの範囲)から、上記軸部(クランクピン)13とすべり軸受3の軸受面31との間の隙間内へと吸引(導入)されることとなる。そして、この隙間(軸受面)に導入された潤滑油は、すべり軸受3の軸受面31の全面にわたって供給されることとなる。その結果、上記軸受面31の全面にわたって正常な油膜が形成されることとなる。
【0013】
また、上記軸部(クランクピン)13のところには、その多くのものにおいては潤滑油供給のための開口部が設けられないようになっているか、あるいは設けられるとしても小さな開口面積を有する補助給油孔111の開口部113が設けられるようになっているにすぎないので(図1参照)、軸受面31の周りには平滑な面が形成されることとなる。従って、クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13と上記すべり軸受3の軸受面31との間における相対的なすべり運動(摺動運動)時において、上記摺動面に形成される油膜は、常に正常な状態に保たれることとなる。従って、従来のものにおける如く、給油孔によって、上記油膜が切断(破断)されると言うような不都合の生ずることが無い。
【0014】
また、本実施の形態のものにおいては、上記潤滑油供給のための主たる供給路11の、その開口部12が、軸部(クランクピン)13の上記軸受面31と対向するところではなく、すべり軸受3の両側端部33のところに設けられるようになっているものであるところから、その開口面積を大きく採ることができるようになり、潤滑油を十分に軸受部に供給することができるようになる。すなわち、すべり軸受3の両側端部33のところに、その全周にわたって万遍なく潤滑油を導入することができるようになる。特に、このようにして導入された潤滑油は、上記R溝19にて形成される空間部121を介して、すべり軸受3の両側端部33のところに、その全周にわたって万遍なく供給されることとなる。その結果、軸受面31へは、十分な潤滑油の供給が行なわれることとなり、軸受面31における油膜の形成が確実に行なわれることとなる。また、上記開口部12は、クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13の肩部15の、その付け根155のところに設けられるようになっており、クランク半径の最も小さな値を有するところに設けられるようになっているものである。従って、潤滑油に働く遠心力は最も小さな値を有するようになり、供給された潤滑油は遠心力によって飛散させられるようなことがない。その結果、上記潤滑油は、十分に、上記すべり軸受3の軸受面31へと供給されることとなる。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、クランクシャフトとコネクティングロッドとの連結部に設けられる軸受部への潤滑油の供給機構に関して、上記クランクシャフトの軸部のところであって、上記コネクティングロッドとの間に設けられるすべり軸受の設置される、その両側端部の周りに形成される肩部の付け根のところに、クランクシャフトの軸内に設けられた潤滑油供給路の開口部を設けるようにした構成を採ることとしたので、上記潤滑油供給のための開口部(給油孔)が、軸受面のところではなく、すべり軸受の側端部のところに設けられるようになったことより、その開口面積を大きく採ることができるようになった。その結果、潤滑油を軸受面に十分に供給することができるようになった。すなわち、すべり軸受の両側端部のところに、その全周にわたって万遍なく潤滑油が供給されるようになり、この両側端部のところに供給された潤滑油は、クランクシャフトの軸部とすべり軸受の軸受面との間における相対回転運動中において、その円周方向における負圧発生部から、すべり軸受の軸受面へと吸引(導入)されるようになった。その結果、この隙間(軸受面)に供給された潤滑油は、すべり軸受の軸受面の全面にわたって供給されることとなり、軸受面の全面にわたって正常な油膜が形成されることとなった。
【0016】
また、本発明のものにおいては、上記すべり軸受の軸受面(摺動面)に、潤滑油供給のための大きな開口面積を有する開口部等が設けられておらず、軸受面(摺動面)は平滑な面となっているので、クランクシャフトの軸部と上記すべり軸受の軸受面との間における相対的なすべり運動(摺動運動)時において、上記摺動面に形成された油膜が破断されると言うようなことが無くなった。その結果、常に正常な状態の油膜が確保されるようになり、油膜切れによる軸受部における焼付き現象等の不都合の生ずるおそれが無くなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の主要部を成す開口部周りの構造を示す部分断面図である。
【図3】本発明の作動状態を示すスケルトン図である。
【図4】従来例の全体構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 クランクシャフト
11 潤滑油供給路
111 補助給油孔
113 開口部
12 開口部(給油孔)
121 空間部
13 軸部(クランクピン)
13’ 軸部
15 肩部
155 付け根
19 R溝
2 コネクティングロッド
3 すべり軸受
31 軸受面
33 側端部
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクシャフトとコネクティングロッドとの連結部に設けられる軸受部への潤滑油の供給機構に関するものであり、特に、上記軸受部がすべり軸受からなるものにおいて、軸受面における油膜の破断等が生じないようにした潤滑油供給機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の、クランクシャフトにおけるコネクティングロッドとの連結部における軸受部(すべり軸受)への潤滑油の供給機構は、例えば図4に示す如く、クランクシャフト10の一つの軸部130’から隣りの軸部130のところにかけて斜めに設けられた供給路110を基礎に形成されるようになっているものである。そして、このような供給路110の、その一方の開口部120は、コネクティングロッド20との間に設けられたすべり軸受30の軸受面とすべり接触するところに設けられるようになっているものである。このような構成からなる供給路110等を経由して、潤滑油は、図4の矢印図示の如く、開口部120から、すべり軸受30の軸受面へと供給されるようになっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成からなる従来の潤滑油供給機構においては、すべり軸受30とクランクシャフト軸部130との接触面である軸受面へは、上記供給路110の開口部120を介して潤滑油が供給されることとなる。これによって、上記両者の接触面である軸受面には、所定の油膜が形成されることとなる。この油膜を介して、クランクシャフト10の軸部130とすべり軸受30との間には軸受機構が形成されることとなる。ところで、この従来のものにおいては、軸受面の、その幅方向のほぼ中央部のところに、供給路110の開口部120が設けられるようになっている。そして、この開口部120は、すべり軸受30の軸受面に十分な潤滑油を供給するために、比較的大きな開口面積を有するようになっている。そのため、上記クランクシャフト10の軸部130とコネクティングロッド20との間に大きな荷重が加わることとなった場合に、上記すべり軸受30の軸受面のところは、大きな圧力が加わった状態ですべり運動が行なわれることとなり、当該軸受面に形成されている油膜は、上記比較的大きな開口面積を有する開口部120のところで切断(破断)されるおそれがある。このような問題点を解決するために、すべり軸受とすべり接触をする軸受面のところには、潤滑油供給のための開口部等を有しないようにした、すべり軸受への潤滑油供給機構を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明においては、クランクシャフトとコネクティングロッドとの連結部に設けられる軸受部への潤滑油の供給機構に関して、上記クランクシャフトの軸部の両側面部に形成される肩部の付け根のところに設けられるものであって、上記コネクティングロッドとの間に設けられるすべり軸受の両側端部の全周にわたるように設けられる溝のところに、クランクシャフトの軸内に設けられた潤滑油供給路の開口部を設けるようにした構成を採ることとした。
【0005】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては次のような作用を呈することとなる。すなわち、コネクティングロッドからの大きな変動荷重を受ける上記すべり軸受の軸受面(摺動面)には、潤滑油供給のための給油孔(開口部)が設けられておらず、軸受面(摺動面)は平滑な面となっているので、クランクシャフトの軸部と上記すべり軸受の軸受面との間における相対的なすべり運動(摺動運動)時において、上記摺動面に形成される油膜は、常に正常な状態に保たれることとなる。従って、従来のものにおける如く、給油孔によって、上記油膜が切断(破断)されると言うような不都合の生ずることが無い。特に、ピストンからの衝撃的な変動荷重を受けるコネクティングロッドとの軸受面においては、給油孔等による不連続部の存在することは油膜の保持に悪い影響を及ぼすこととなる。これらのことからも、本発明のものにおける如く、潤滑油供給のための開口部(給油孔)が軸受面に存在しない構成からなるものにおいては、油膜の保持に優れた能力を発揮することとなる。
【0006】
また、本発明のものにおいては、上記潤滑油供給のための開口部(給油孔)が、軸受面のところではなく、すべり軸受の側端部のところに設けられるようになっているものであるところから、その開口面積を大きく採ることができるようになり、潤滑油を十分に軸受部に供給することができるようになる。すなわち、すべり軸受の両側端部のところに形成された空間部を介して、その全周にわたって万遍なく潤滑油を供給することができるようになる。そして、このようにすべり軸受の両側端部のところに供給された潤滑油は、クランクシャフトの軸部とすべり軸受の軸受面との間における相対回転運動中において、例えば図3に示す如く、その円周方向における負圧発生部から、上記軸部とすべり軸受の軸受面との間の隙間内へと吸引(導入)されることとなる。そして、この隙間(軸受面)に供給された潤滑油は、すべり軸受の軸受面の全面にわたって導入されることとなる。その結果、上記軸受面の全面にわたって正常な油膜が形成されることとなる。
【0007】
次に、請求項1記載の第二の発明について説明する。このものも、その基本的な点は、上記第一の発明のものと同じである。その特徴とするところは、上記潤滑油供給路の開口部(給油孔)を、クランクシャフトの軸部のところであって、上記コネクティングロッドとの間に設けられるすべり軸受の両側端部の周りに形成される肩部の、その付け根のところに設けられるR溝のところであって、かつ、クランク半径が最小の値を有するところに設けるようにしたことである。一般に、上記肩部の付け根のところには、軸部の強度向上を図るために、冷間塑性加工手段に基づくローラ加工が施されるようになっているものである。そして、このローラ加工によって、上記肩部の付け根のところには、R溝が形成されるようになっている。このR溝のところに開口部を設けることによって、開口面積の大きな給油孔を形成することができるようになり、十分な潤滑油の供給を行なうことができるようになる。
【0008】
また、このようにして供給された潤滑油は、上記R溝を介して、すべり軸受の側端部に、その全周にわたって万遍なく供給されることとなる。その結果、軸受面へは、十分な潤滑油の供給が行なわれることとなり、軸受面における油膜の形成が確実に行なわれることとなる。また、上記開口部(給油孔)は、クランクシャフトの軸部の肩部の、その付け根のところに設けられるようになっており、クランク半径の最も小さな値を有するところに設けられるようになっているものである。従って、潤滑油に働く遠心力が最も小さな値を有するようになり、供給された潤滑油は遠心力によって飛散させられるようなことがない。その結果、十分に、上記すべり軸受の軸受面への潤滑油の供給が成されることとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1ないし図3を基に説明する。本発明の実施の形態に関するものの、その構成は、図1に示す如く、クランクシャフト1と、当該クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13のところに、相対回転運動が可能なように、かつ、相対すべり運動が可能なように連結されるコネクティングロッド2と、当該コネクティングロッド2と上記クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13との連結部のところに設けられるすべり軸受3と、上記クランクシャフト1の軸内に設けられるものであって上記すべり軸受3の両側端部33の周りに設けられる開口部12を有する潤滑油供給路11と、からなることを基本とするものである。
【0010】
このような基本構成において、上記潤滑油供給路11は、図1に示す如く、一つの軸部13’から隣りの軸部(クランクピン)13に向けて斜めに設けられるようになっているものである。そして、その一方の開口部12は、図2に示す如く、クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13の両側面部に形成される肩部15の付け根155のところに設けられるようになっているものである。この付け根155のところには、上記軸部(クランクピン)13の取付部の強度アップを図るために、冷間塑性加工手段であるローラ加工が施されるようになっている。そして、このローラ加工によって、上記付け根155のところには、図2に示す如く、R溝19が形成されるようになっている。そして更に、このR溝19は、図2に示す如く、すべり軸受3の両側端部33の周りに、すべり軸受3の全周にわたって設けられるようになっているものである。また、このR溝19によって空間部121が形成されるようになっているものである。なお、このような構成からなるものにおいて、上記クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13のところであって、上記すべり軸受3の軸受面31のほぼ中央部に対向するところには、別の潤滑油供給路である補助給油孔111の開口部113が設けられるようになっている。これによって、すべり軸受3の両側端部33からの潤滑油供給に加えて、この補助給油孔111からの給油が軸受面31に行なわれることとなり、十分な潤滑油供給が行なわれることとなる。なお、この場合、補助給油孔111の開口部113は軸受面31の中央部付近に設けられることとなるが、その開口面積は非常に小さな値のものであるので、油膜の破断等への影響は少なく、実用上問題となることは無い。
【0011】
このような構成からなる本実施の形態のものについての、その作用等について説明する。すなわち、図1に示す如く、本クランクシャフト1及びコネクティングロッド2が作動を開始すると、クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13とすべり軸受3の軸受面31との間においては、図3に示す如く、相対回転運動及び相対すべり運動が行なわれることとなる。それに伴って、図1及び図2の矢印図示の如く、潤滑油供給路11及び補助給油孔111を介して、上記すべり軸受3の各部には潤滑油が供給されることとなる。
【0012】
具体的には、まず、図2に示す如く、潤滑油供給路11を流動して来た潤滑油は、上記肩部15の付け根155のところに設けられた開口部12のところに流出して来る(導入される)。そして、この潤滑油は、上記付け根155のところに設けられたR溝19にて形成される空間部121へと導かれ、上記すべり軸受3の両側端部33の、その全周にわたって導入されることとなる。そして更に、このようにすべり軸受3の両側端部33のところに導入された潤滑油は、クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13とすべり軸受3の軸受面31との間における相対回転運動中において、例えば図3に示す如く、その円周方向における負圧発生部(AOBの範囲)から、上記軸部(クランクピン)13とすべり軸受3の軸受面31との間の隙間内へと吸引(導入)されることとなる。そして、この隙間(軸受面)に導入された潤滑油は、すべり軸受3の軸受面31の全面にわたって供給されることとなる。その結果、上記軸受面31の全面にわたって正常な油膜が形成されることとなる。
【0013】
また、上記軸部(クランクピン)13のところには、その多くのものにおいては潤滑油供給のための開口部が設けられないようになっているか、あるいは設けられるとしても小さな開口面積を有する補助給油孔111の開口部113が設けられるようになっているにすぎないので(図1参照)、軸受面31の周りには平滑な面が形成されることとなる。従って、クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13と上記すべり軸受3の軸受面31との間における相対的なすべり運動(摺動運動)時において、上記摺動面に形成される油膜は、常に正常な状態に保たれることとなる。従って、従来のものにおける如く、給油孔によって、上記油膜が切断(破断)されると言うような不都合の生ずることが無い。
【0014】
また、本実施の形態のものにおいては、上記潤滑油供給のための主たる供給路11の、その開口部12が、軸部(クランクピン)13の上記軸受面31と対向するところではなく、すべり軸受3の両側端部33のところに設けられるようになっているものであるところから、その開口面積を大きく採ることができるようになり、潤滑油を十分に軸受部に供給することができるようになる。すなわち、すべり軸受3の両側端部33のところに、その全周にわたって万遍なく潤滑油を導入することができるようになる。特に、このようにして導入された潤滑油は、上記R溝19にて形成される空間部121を介して、すべり軸受3の両側端部33のところに、その全周にわたって万遍なく供給されることとなる。その結果、軸受面31へは、十分な潤滑油の供給が行なわれることとなり、軸受面31における油膜の形成が確実に行なわれることとなる。また、上記開口部12は、クランクシャフト1の軸部(クランクピン)13の肩部15の、その付け根155のところに設けられるようになっており、クランク半径の最も小さな値を有するところに設けられるようになっているものである。従って、潤滑油に働く遠心力は最も小さな値を有するようになり、供給された潤滑油は遠心力によって飛散させられるようなことがない。その結果、上記潤滑油は、十分に、上記すべり軸受3の軸受面31へと供給されることとなる。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、クランクシャフトとコネクティングロッドとの連結部に設けられる軸受部への潤滑油の供給機構に関して、上記クランクシャフトの軸部のところであって、上記コネクティングロッドとの間に設けられるすべり軸受の設置される、その両側端部の周りに形成される肩部の付け根のところに、クランクシャフトの軸内に設けられた潤滑油供給路の開口部を設けるようにした構成を採ることとしたので、上記潤滑油供給のための開口部(給油孔)が、軸受面のところではなく、すべり軸受の側端部のところに設けられるようになったことより、その開口面積を大きく採ることができるようになった。その結果、潤滑油を軸受面に十分に供給することができるようになった。すなわち、すべり軸受の両側端部のところに、その全周にわたって万遍なく潤滑油が供給されるようになり、この両側端部のところに供給された潤滑油は、クランクシャフトの軸部とすべり軸受の軸受面との間における相対回転運動中において、その円周方向における負圧発生部から、すべり軸受の軸受面へと吸引(導入)されるようになった。その結果、この隙間(軸受面)に供給された潤滑油は、すべり軸受の軸受面の全面にわたって供給されることとなり、軸受面の全面にわたって正常な油膜が形成されることとなった。
【0016】
また、本発明のものにおいては、上記すべり軸受の軸受面(摺動面)に、潤滑油供給のための大きな開口面積を有する開口部等が設けられておらず、軸受面(摺動面)は平滑な面となっているので、クランクシャフトの軸部と上記すべり軸受の軸受面との間における相対的なすべり運動(摺動運動)時において、上記摺動面に形成された油膜が破断されると言うようなことが無くなった。その結果、常に正常な状態の油膜が確保されるようになり、油膜切れによる軸受部における焼付き現象等の不都合の生ずるおそれが無くなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の主要部を成す開口部周りの構造を示す部分断面図である。
【図3】本発明の作動状態を示すスケルトン図である。
【図4】従来例の全体構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 クランクシャフト
11 潤滑油供給路
111 補助給油孔
113 開口部
12 開口部(給油孔)
121 空間部
13 軸部(クランクピン)
13’ 軸部
15 肩部
155 付け根
19 R溝
2 コネクティングロッド
3 すべり軸受
31 軸受面
33 側端部
Claims (1)
- クランクシャフトとコネクティングロッドとの連結部に設けられる軸受部への潤滑油の供給機構において、上記クランクシャフトの軸部の両側面部に形成される肩部の付け根のところに設けられるものであって、上記コネクティングロッドとの間に設けられるすべり軸受の両側端部の全周にわたるように設けられる溝のところに、クランクシャフトの軸内に設けられた潤滑油供給路の開口部を設けるようにした構成からなることを特徴とするすべり軸受への潤滑油供給機構。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32786896A JP3608317B2 (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | すべり軸受への潤滑油供給機構 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32786896A JP3608317B2 (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | すべり軸受への潤滑油供給機構 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10159852A JPH10159852A (ja) | 1998-06-16 |
| JP3608317B2 true JP3608317B2 (ja) | 2005-01-12 |
Family
ID=18203881
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32786896A Expired - Fee Related JP3608317B2 (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | すべり軸受への潤滑油供給機構 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3608317B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN114183474B (zh) * | 2022-01-14 | 2026-01-02 | 江苏磁谷科技股份有限公司 | 一种具有高效润滑轴承的装置 |
-
1996
- 1996-11-22 JP JP32786896A patent/JP3608317B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10159852A (ja) | 1998-06-16 |
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