JP2018013094A - 内燃機関の潤滑構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】スラスト軸受の全体に潤滑油を行き渡らせる。【解決手段】軸受機構3は、シリンダーブロック11に設けられてクランク軸12のジャーナル部121を回転可能に支持する軸受部4と、軸受部4の端面とクランク軸12のスラスト面122との間に設けられる略半円環形状のスラスト軸受33とを有し、軸受部4の端面には、スラスト軸受33の円周方向の端部であってクランク軸12の回転方向Rの上流側の端部に対向する位置またはその近傍の位置に、潤滑油導出穴45が開口するように設けられる。【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関の潤滑構造に関する。
エンジン(内燃機関)のクランク軸は、シリンダーブロックに回転可能に支持されている。例えば、シリンダーブロックの軸受部には半円状の凹部が設けられており、この凹部にクランク軸のジャーナル部が嵌め込まれ、このジャーナル部を覆うように軸受キャップが軸受部に取り付けられている。さらに、クランク軸の軸線方向の移動を規制するために、シリンダーブロックの軸受部の端面(クランク軸の軸線方向の端面)には、スラスト軸受が配置されている。このような構成においては、クランク軸が軸線方向に移動した場合、クランク軸がこのスラスト軸受に接触して摺動する。このため、このスラスト軸受とクランク軸の間で潤滑が要求される。
特許文献1には、スラスト軸受(スラストワッシャ)へ潤滑油を給油するため、シリンダーブロックと、このシリンダーブロックの下方に設けられた軸受キャップと、によって形成され、このシリンダーブロックと軸受キャップとの内周面に半割部材が設けられ、この半割部材の軸線方向の少なくとも一側面にスラストワッシャが設けられ、このシリンダーブロックには、このスラストワッシャを収納する溝と、潤滑油を供給するための給油経路が設けられ、この給油経路は、半割部材の軸方向と平行なメインギャラリと、このメインギャラリと半割部材の外周面に対向する面とを連通するオイルギャラリと、この溝へ潤滑油を供給するワッシャギャラリとを備えるすべり軸受が開示されている。
しかしながら、特許文献1には、スラスト軸受とクランク軸が接触する部分(摺動する部分)に潤滑油を行き渡らせるための構成は開示されていない。スラスト軸受とクランク軸が接触する部分に潤滑油を行き渡らせられないと、スラスト軸受とクランク軸の間が充分に潤滑されなくなるおそれがある。
上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、スラスト軸受とクランク軸とが接触しうる箇所(摺動しうる箇所)に潤滑油を行き渡らせるようにすることである。
前記課題を解決するため、本発明は、ジャーナル部と、回転中心線に直角で前記ジャーナル部の側を向くスラスト面と、を有するクランク軸と、シリンダーブロックに設けられ、前記ジャーナル部を回転可能に支持する軸受部と、半円環形状を有し、前記軸受部の前記回転中心線の軸線方向の端面と前記クランク軸の前記スラスト面との間に設けられるスラスト軸受と、前記シリンダーブロックに設けられ、前記スラスト軸受と前記クランク軸の前記スラスト面との間に潤滑油を供給するための潤滑油の経路と、を有し、前記潤滑油の経路は、前記軸受部の端面における前記スラスト軸受の円周方向の端部であって前記クランク軸の回転方向の上流側の端部に対向する位置に開口する潤滑油導出穴を含むことを特徴とする。
本発明によれば、スラスト軸受とクランク軸とが接触しうる箇所(摺動しうる箇所)に潤滑油を行き渡らせるようにできる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の潤滑構造は、ジャーナル部121と軸線A(回転中心線)に直角でジャーナル部121の側を向くスラスト面122とを有するクランク軸12と、シリンダーブロック11に設けられジャーナル部121を回転可能に支持する軸受部4と、半円環形状を有し軸受部4の軸線Aの軸線方向の端面とクランク軸12のスラスト面122との間に設けられるスラスト軸受33と、シリンダーブロック11に設けられスラスト軸受33とクランク軸12のスラスト面122との間に潤滑油を供給するための潤滑油の経路とを有し、潤滑油の経路は軸受部4の端面におけるスラスト軸受33の円周方向の端部であってクランク軸12の回転方向の上流側の端部に対向する位置に開口する潤滑油導出穴45を含む。
潤滑油導出穴45がスラスト軸受に対向する位置に設けられる構成であれば、潤滑油導出穴45から流出した潤滑油は、軸受部4の端面とスラスト軸受33との隙間を通じて、スラスト軸受33とクランク軸12のスラスト面122との間に至る。潤滑油導出穴45はスラスト軸受33の円周方向の一方の端部(クランク軸12の回転方向の上流側に位置する端部)に対向する位置に設けられるから、潤滑油導出穴45から流出した潤滑油は、スラスト軸受33の円周方向の一方の端部から他方の端部に向かって、すなわち、スラスト軸受33の全体に渡って供給される。このため、スラスト軸受33とクランク軸12とが接触しうる箇所(摺動しうる箇所)の全体に、潤滑油を行き渡らせることができる。
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の各実施形態では、内燃機関の潤滑構造がクランク軸12の軸受機構3に適用される構成を例に示す。各図においては、エンジン1(内燃機関)の3次元の各方向を、X,Y,Zの各矢印で示す。X軸方向は、エンジン1のクランク軸12の軸線方向である。Y軸方向は、クランク軸12の左右方向(後述する軸受部4の接合面401に平行で、かつ、クランク軸12の軸線Aに直角な方向)である。Z軸方向は、上下方向(後述する軸受部4の接合面401に直角な方向)である。説明の便宜上、特に断らない限りは、「軸線A」と「軸線方向」と「半径方向」と「回転方向R」は、それぞれ、クランク軸12の「軸線A(回転中心線)」と「軸線方向(回転中心線方向)」と「半径方向」と「回転方向R」をいうものとする。また、「クランク軸12の回転方向Rの上流側」を「回転上流側」と、「クランク軸12の回転方向Rの下流側」を「回転下流側」と、略して記すことがある。
<内燃機関の構成>
まず、クランク軸12の軸受部4に潤滑油を供給するために設けられた潤滑油の経路の全体的な構成の例について、図1を参照して説明する。図1は、軸受部4に潤滑油を供給するための構成の例を模式的に示す例であり、シリンダーブロック11を下側(図略のクランクケースとの接合面の側)から見た図である。図1においては、直列4気筒エンジンを例に示す。
まず、クランク軸12の軸受部4に潤滑油を供給するために設けられた潤滑油の経路の全体的な構成の例について、図1を参照して説明する。図1は、軸受部4に潤滑油を供給するための構成の例を模式的に示す例であり、シリンダーブロック11を下側(図略のクランクケースとの接合面の側)から見た図である。図1においては、直列4気筒エンジンを例に示す。
図1に示すように、エンジン1は、シリンダーブロック11と、軸受機構3によってシリンダーブロック11に回転可能に支持されるクランク軸12とを含む。シリンダーブロック11は金属材料からなり、例えば鋳造によって形成される。軸受機構3は、シリンダーブロック11に設けられる軸受部4と、軸受部4に着脱可能に固定される軸受キャップ34とを含む(詳細は後述)。また、エンジン1には、潤滑油ポンプ2が設けられる。潤滑油ポンプ2は、クランク軸12の一方の端部に接続されており、クランク軸12の回転によって動作して、軸受機構3を含むエンジン1の各部に潤滑油を供給する。クランク軸12の他方の端部は、例えばエンジン1が車両に搭載されているのであれば、トランスミッションに接続される。
シリンダーブロック11には、クランク軸12を回転可能に支持する複数の軸受部4が一体に設けられる。さらにシリンダーブロック11には、潤滑油ポンプ2から軸受部4に潤滑油を供給する潤滑油の経路として、第1のオイルギャラリ111と複数の第2のオイルギャラリ112とが設けられる。第1のオイルギャラリ111は、シリンダーブロック11の内部に設けられる穴状の構成を有している。そして、第1のオイルギャラリ111は、図1に示すように軸線Aに略平行な方向に延伸する。また、第1のオイルギャラリ111は、上下方向視においてクランク軸12の軸線Aの左右いずれかに偏倚した位置に設けられる。複数の第2のオイルギャラリ112のそれぞれは、第1のオイルギャラリ111と複数の軸受部4のそれぞれとを連通する穴状の構成を有している。すなわち、複数の第2のオイルギャラリ112のそれぞれは、第1のオイルギャラリ111から分岐して複数の軸受部4のそれぞれの軸受背面潤滑油経路43(後述)に至る。
クランク軸12には、複数のジャーナル部121(「クランクジャーナル」や「メインジャーナル」と称することもある)と、複数のクランクウェブ123と、コンロッド13が回転可能に接続された複数のクランクピン124とが設けられる。複数のジャーナル部121のそれぞれは、複数の軸受機構3のそれぞれによって、シリンダーブロック11に回転可能に支持される。複数の軸受機構3の少なくとも1つには、クランク軸12の軸線方向の移動を規制するスラスト軸受33が設けられる。本発明の各実施形態では、対向する2つのスラスト面122どうしの間に設けられたジャーナル部121を回転可能に支持する軸受機構3の1つに、スラスト軸受33が設けられる構成を示す。これらのスラスト面122は、例えばクランクウェブ123の軸線方向の端面に設けられる面であり、軸線方向に直角で、ジャーナル部121の外周面よりも半径方向外側に位置するように設けられる。このため、1つのジャーナル部121の軸線方向両側に設けられる2つのスラスト面122どうしは、当該1つのジャーナル部121を挟んで対向する。そして、本発明の各実施形態に係る潤滑構造は、スラスト軸受33が設けられた軸受機構3に適用される。
<潤滑構造の第1の実施形態>
次に、第1の実施形態に係る潤滑構造が適用された軸受機構3の構成例について、図2〜図5を参照して説明する。図2〜図5は、第1の実施形態に係る潤滑構造が適用された軸受機構3の要部の構成例を模式的に示す図である。具体的には、図2は軸受機構3の分解斜視図であり、図3は軸受部4の下面図であり、図4は軸受機構3の軸線方向視図であり、図5は図4のV−V線断面図である。図2と図4中の矢印Rは、エンジン1の動作時におけるクランク軸12の回転方向を示す。図2と図4は、いずれもエンジン1の動作時にクランク軸12が反時計回りするように見える向きの図である。
次に、第1の実施形態に係る潤滑構造が適用された軸受機構3の構成例について、図2〜図5を参照して説明する。図2〜図5は、第1の実施形態に係る潤滑構造が適用された軸受機構3の要部の構成例を模式的に示す図である。具体的には、図2は軸受機構3の分解斜視図であり、図3は軸受部4の下面図であり、図4は軸受機構3の軸線方向視図であり、図5は図4のV−V線断面図である。図2と図4中の矢印Rは、エンジン1の動作時におけるクランク軸12の回転方向を示す。図2と図4は、いずれもエンジン1の動作時にクランク軸12が反時計回りするように見える向きの図である。
図2〜図5に示すように、軸受機構3は、軸受部4と、軸受キャップ34と、ラジアル軸受であるベアリングアッパー31およびベアリングロアー32と、スラスト軸受33と、ネジ35(図4参照)を含んで構成される。
図2と図3に示すように、軸受部4は、シリンダーブロック11に一体に設けられる部分であり、軸線方向に所定の厚さを有する板状やリブ状の構成を有する。軸受部4には、ラジアル軸受装着部41と、スラスト軸受装着部42と、軸受背面潤滑油経路43と、ネジ穴46と、第1の潤滑油経路44と、潤滑油導出穴45とが設けられる。また、軸受部4の下側の面には、軸受キャップ34が取付けられる接合面401が含まれる。
軸受部4のラジアル軸受装着部41は、ラジアル軸受のベアリングアッパー31が装着される部分である。軸受部4のラジアル軸受装着部41は、下側(軸受キャップ34が取付けられる側)が開口する凹部であり、軸線方向視で略半円形状の溝状や切欠き状の構成を有する。スラスト軸受装着部42は、スラスト軸受33が装着される部分であり、軸受部4の軸線方向の両端面のそれぞれに設けられる。スラスト軸受装着部42は、軸線方向視で略半円環形状を有する凹部であり、軸線方向視で、ラジアル軸受装着部41の外周側に、このラジアル軸受装着部41を囲むように設けられる。スラスト軸受装着部42の深さ(軸線方向寸法)は、スラスト軸受33の厚さ(軸線方向寸法)よりも小さい。このほか、軸受部4の接合面401には、軸受キャップ34をネジ止めするネジ35を締結するための2つのネジ穴46が、ラジアル軸受装着部41を挟むように設けられる。換言すると、2つのネジ穴46が左右方向に所定の距離をおいて離れて設けられ、これら2つのネジ穴46どうしの間にラジアル軸受装着部41が設けられる。
軸受部4のラジアル軸受装着部41の内周面には、軸受背面潤滑油経路43が設けられる。軸受背面潤滑油経路43は、円周方向に延伸する溝状の構成を有する。軸受背面潤滑油経路43は、上下方向視で軸線Aに交差して左右方向に延伸するように設けられており、その左右両端部のそれぞれは、上下方向視で軸線Aを挟んで左右両側のそれぞれに位置する(図3参照)。そして、軸受背面潤滑油経路43は、クランク軸12の軸線Aの左右両側のそれぞれにおいて、第2のオイルギャラリ112と第1の潤滑油経路44のそれぞれと繋がっている。具体的には、軸受背面潤滑油経路43は、上下方向視で、軸線Aよりも回転下流側(図3では左側)において第2のオイルギャラリ112と繋がっており、回転上流側(図3では右側)において第1の潤滑油経路44と繋がっている。
第1の潤滑油経路44は、軸受背面潤滑油経路43の一方の端部であって回転上流側に位置する端部と一方のネジ穴46のザグリ部461とを連通するように設けられる潤滑油の経路である。第1の潤滑油経路44には、例えば、ラジアル軸受装着部41の内周面から下側の面(接合面401)に跨って設けられる溝が適用される。なお、「一方のネジ穴46」とは、回転上流側に位置するネジ穴46であり、上下方向視で第1のオイルギャラリ111および第2のオイルギャラリ112から遠く、第1の潤滑油経路44に近い側のネジ穴46をいうものとする。また、ネジ穴46のザグリ部461とは、ネジ穴46の内周面においてネジ山が設けられていない部分であって、ネジ部462(ネジ山が設けられている部分)よりも深さ方向で浅い位置に設けられ、かつ、ネジ部462よりも内径が大きい部分をいう。
潤滑油導出穴45は、一方のネジ穴46のザグリ部461と軸受部4の軸線方向の端面とを連通するように設けられる潤滑油の経路である。潤滑油導出穴45は、上下方向視で、軸線Aよりも回転上流側(図3においては右側)に偏倚した位置に設けられる。また、潤滑油導出穴45は、軸受部4の軸線方向の端面であって、スラスト軸受装着部42の回転上流側に位置する端部またはその近傍に開口する。この開口は、潤滑油の出口となる。なお、図2〜図5においては、潤滑油導出穴45の開口(出口)が、スラスト軸受装着部42の回転上流側に位置する端部に設けられる構成を示すが、スラスト軸受装着部42の半径方向外側に設けられる構成であってもよい。また、潤滑油導出穴45は、軸受部4の軸線方向の両端面のうち、少なくとも一方の端面に設けられる(詳細は後述)。
軸受キャップ34は、シリンダーブロック11の軸受部4にネジ35によって着脱可能に固定される部材である。軸受キャップ34には、ラジアル軸受装着部342と、2つのネジ挿通穴343とが設けられる。また、軸受キャップ34の上側の面には、軸受部4の接合面401に接合する接合面341が含まれる。軸受キャップ34のラジアル軸受装着部342は、ラジアル軸受のベアリングロアー32が装着される部分である。ラジアル軸受装着部342は、上側(軸受部4に取り付けられる側)が開口する凹部であり、軸線方向視で略半円形状の溝状や切欠き状の構成を有する。2つのネジ挿通穴343は、軸受キャップ34を軸受部4に固定するためのネジ35を通すために上下方向に貫通する穴であり、ラジアル軸受装着部342を挟んで左右方向に所定の距離をおいて設けられる。
ラジアル軸受であるベアリングアッパー31およびベアリングロアー32は、いずれも円筒を縦割りで二等分したような略半円筒形状を有している。そして、ベアリングアッパー31とベアリングロアー32の円周方向の端部どうしを突き合わせることで、略円筒形状のラジアル軸受が形成される。ベアリングアッパー31とベアリングロアー32とは、それぞれ、外周側に設けられる裏金と内周側に設けられるライニング(軸受合金)の多層構造を有している。裏金には例えば鋼系材料が適用され、ライニングには例えばアルミニウム合金材料が適用される。また、ベアリングアッパー31の内周面には、円周方向に延伸する溝状の軸受内面潤滑油経路311が設けられる。さらに、ベアリングアッパー31には、内周面の軸受内面潤滑油経路311と外周面とを連通する潤滑油の経路である貫通穴312が設けられる。
スラスト軸受33は、軸線方向視において略半円環形状であり、所定の厚さ(軸線方向寸法)を有する部材である。スラスト軸受33は、軸受部4のスラスト軸受装着部42に対向する側に設けられる裏金とその反対側に設けられるライニング(軸受合金)との多層構造を有する。裏金には例えば鋼系材料が適用され、ライニングには例えばアルミニウム合金材料が適用される。なお、スラスト軸受33の厚さ(軸線方向寸法)は、軸受部4のスラスト軸受装着部42の深さよりも大きい。
なお、軸受キャップ34と、ラジアル軸受であるベアリングアッパー31およびベアリングロアー32と、スラスト軸受33とには、従来公知の構成が適用できる。
次に、軸受機構3の組み付け構造について説明する。軸受部4のラジアル軸受装着部41には、ベアリングアッパー31が装着され、スラスト軸受装着部42には、スラスト軸受33が装着される。軸受キャップ34のラジアル軸受装着部342には、ベアリングロアー32が装着される。そして、軸受キャップ34は、軸受部4のベアリングアッパー31と軸受キャップ34のベアリングロアー32とによってクランク軸12のジャーナル部121が挟まれた状態で、ネジ35によって軸受部4に着脱可能に固定される。
軸受部4のラジアル軸受装着部41にベアリングアッパー31が装着されると、ベアリングアッパー31の外周側に軸受背面潤滑油経路43が位置する構成となる。そして、ベアリングアッパー31の外周側の軸受背面潤滑油経路43と内周側の軸受内面潤滑油経路311とは、ベアリングアッパー31に設けられる貫通穴312によって連通する。また、軸受部4のラジアル軸受装着部41にベアリングアッパー31が装着され、軸受部4に軸受キャップ34が固定された状態では、第1の潤滑油経路44はベアリングアッパー31と軸受キャップ34とによって蓋をされた状態となる。このため、軸受背面潤滑油経路43の一方の端部とネジ穴46(特にザグリ部461)とは、軸受機構3の内部において第1の潤滑油経路44によって連通する。
また、軸受機構3が組み付けられた状態では、軸受部4のスラスト軸受装着部42に装着されたスラスト軸受33とクランク軸12のスラスト面122とが、所定のクリアランスをおいて対向する(図5参照)。そして、潤滑油導出穴45の他方の端部(出口)に、スラスト軸受33の回転上流側の端部が軸線方向に重畳する。
スラスト軸受33とクランク軸12のスラスト面122とのクリアランスの大きさ(軸線方向距離)は、スラスト軸受33の厚さよりも小さい。このため、スラスト軸受装着部42に装着されたスラスト軸受33は、クランク軸12のスラスト面122との隙間から抜け出ないように保持される。また、軸受部4のスラスト軸受装着部42の下側には軸受キャップ34の接合面341が位置し、スラスト軸受33の円周方向の端面が軸受キャップ34の接合面341と対向する。このため、スラスト軸受33の円周方向の端面が軸受キャップ34の接合面341と接触することにより、スラスト軸受33の回転が規制される。
スラスト軸受33の厚さは、スラスト軸受装着部42の深さよりも大きい。このため、スラスト軸受33は、軸受部4および軸受キャップ34の軸線方向の端面から突出した状態となる。このような構成であると、クランク軸12が軸線方向に移動した場合は、クランク軸12のスラスト面122は、スラスト軸受33の軸線方向の端面に接触し、軸受部4や軸受キャップ34の端面に接触しない。このように、スラスト軸受33によってクランク軸12の軸線方向の移動が規制される。
次に、潤滑油の流れについて説明する。潤滑油ポンプ2から第1のオイルギャラリ111に送り出された潤滑油は、第1のオイルギャラリ111から分岐する第2のオイルギャラリ112を通過して、軸受背面潤滑油経路43に流入する。
軸受背面潤滑油経路43に流入した潤滑油の一部は、軸受背面潤滑油経路43から第1の潤滑油経路44を通じて一方のネジ穴46の内部に流入し、さらに潤滑油導出穴45を通じて軸受部4のスラスト軸受装着部42に流出する。潤滑油導出穴45から流出した潤滑油は、スラスト軸受装着部42とスラスト軸受33の隙間を通じでスラスト軸受33とクランク軸12のスラスト面122との隙間に流入し、クランク軸12の回転によって、回転下流側に行き渡るように供給される。前述のとおり、潤滑油導出穴45は、スラスト軸受33の回転上流側に位置する端部またはその近傍に設けられる。このため、潤滑油導出穴45から流出した潤滑油は、クランク軸12の回転によってスラスト軸受33の円周方向の全体に行き渡る。
このように、本実施形態によれば、潤滑油をスラスト軸受33の円周方向の全体に行き渡らせることができる。このため、スラスト軸受33の全体にわたって潤滑状態が良好となり、スラスト軸受33やクランク軸12の摩耗を減少させることができる。
また、本実施形態によれば、軸受キャップ34を固定するためのネジ穴46が、潤滑油をスラスト軸受33の回転上流側に位置する端部に導くための潤滑油の経路の一部を形成する。このような構成によれば、軸受機構3に追加しなければならない潤滑油の経路を少なくできるから、潤滑油の経路を形成するための加工の増加を抑制できる。さらに、本実施形態によれば、第1の潤滑油経路44として、軸受内面潤滑油経路311の端部とネジ穴46とを繋ぐ溝が適用される構成であるから、例えばシリンダーブロック11の鋳造の際に、合わせて加工ができる。同様に、潤滑油導出穴45は、軸受部4の軸線方向の端面からネジ穴46のザグリ部461に至る穴が適用されるから、軸線方向の端面から穴を開けるだけでよく、加工が容易である。このように、本実施形態によれば、潤滑油をスラスト軸受33の回転上流側に位置する端部に導くための潤滑油の経路の形成が容易である。
また、本実施形態では、第1のオイルギャラリ111から潤滑油導出穴45に至る潤滑油の経路の一部として、軸受部4のラジアル軸受装着部41に設けられる軸受背面潤滑油経路43が用いられる。このような構成によれば、上下方向視において第1のオイルギャラリ111が軸線Aから回転下流側に偏倚した位置に設けられる構成であっても、潤滑油をスラスト軸受33の回転上流側に位置する端部またはその近傍に容易に供給することができる。
すなわち、第1のオイルギャラリ111が、上下方向視で軸線Aから回転下流側に偏倚した位置に設けられる構成では、潤滑油をスラスト軸受33の回転上流側の端部近傍に供給するためには、第1のオイルギャラリ111から軸線Aを超えて左右方向の反対側に至る潤滑油の経路を設けなければならない。本実施形態では、このような潤滑油の経路として、軸受部4のラジアル軸受装着部41に設けられる軸受背面潤滑油経路43を用いる。すなわち、軸受部4のラジアル軸受装着部41に、円周方向に延伸する溝状の潤滑油の経路である軸受背面潤滑油経路43を設ける。そして、第1のオイルギャラリ111から潤滑油導出穴45に至る潤滑油の経路の一部に、この軸受背面潤滑油経路43を含ませる。このような構成によれば、スラスト軸受33の回転上流側に位置する端部近傍に、潤滑を供給することが容易となる。また、このような構成によれば、潤滑油の経路の形成が容易となる。
なお、軸受背面潤滑油経路43に流入した潤滑油の残りは、ベアリングアッパー31に設けられる貫通穴312を通じて軸受内面潤滑油経路311に流入する。軸受内面潤滑油経路311に流入した潤滑油は、クランク軸12のジャーナル部121とラジアル軸受(ベアリングアッパー31とベアリングロアー32)の隙間に流入し、ラジアル軸受とクランク軸12のジャーナル部121との間を潤滑する。また、クランク軸12には、ジャーナル部121の外周面とクランクピン124の外周面とを連通する貫通穴状の潤滑油の経路が設けられている。そして、軸受内面潤滑油経路311に流入した潤滑油の一部は、この潤滑油の経路を通じてクランクピン124の外周面に至り、クランクピン124とコンロッド13との間を潤滑する。
ここで、潤滑油導出穴45が設けられる端面について説明する。前述のとおり、本実施形態では、クランク軸12のスラスト面122をスラスト軸受33で受けることによって、クランク軸12の軸線方向の移動を規制する。そして、潤滑油導出穴45から流出した潤滑油によって、スラスト軸受33とクランク軸12のスラスト面122とを潤滑する。このような効果を奏するために、潤滑油導出穴45は、軸受部4の軸線方向の両端面のスラスト軸受装着部42に装着されるスラスト軸受33のうち、少なくともクランク軸12のスラスト面122に接触しやすいスラスト軸受33が装着される側の端面に設けられる。例えば、前述のようにクランク軸12の一方の端部に潤滑油ポンプ2が接続され、他方の端部にトランスミッションが接続される構成であると、エンジン1の動作時において、クランク軸12にはトランスミッションの側から押す力が掛かる。クランク軸12にこのような力が掛かると、トランスミッションに接続される側の端面のスラスト軸受装着部42に装着されたスラスト軸受33が、クランク軸12のスラスト面122と接触する。そこで、このような構成においては、潤滑油導出穴45は、軸受部4の軸線方向の両端面のうち、少なくとも、トランスミッションに接続される側の端面に設けられる。
このように、潤滑油導出穴45が軸受部4の軸線方向の両端面のうちのいずれに設けられるかは、エンジン1の動作時におけるクランク軸12の移動方向(換言すると、クランク軸12に掛かる軸線方向の荷重の向き)に応じて設定される。なお、潤滑油導出穴45は、軸受部4の軸線方向の一方の端面に設けられる構成に限定されるものではなく、両方の端面に設けられる構成であってもよい。
また、本実施形態によれば、クランク軸12の回転開始直後から、スラスト軸受33とクランク軸12のスラスト面122との間に潤滑油を供給できる。このため、クランク軸12の回転開始直後において、スラスト軸受33とクランク軸12との潤滑の低下を抑制できる。例えば近年は、アイドリングストップなど、停車中にエンジン1を停止することが多くなっている。クランク軸12の回転によって潤滑油ポンプ2を作動させる構成では、アイドリングストップ中には、スラスト軸受33とクランク軸12との間に存在する潤滑油は流出して減少していく。このため、従来のような、スラスト軸受33とクランク軸12との間に積極的に潤滑油を供給しない構成では、アイドリングストップから復帰した直後には、スラスト軸受33とクランク軸12のスラスト面122との潤滑が低下した状態となる。これに対して、本実施形態によれば、アイドリングストップから復帰すると、ただちに、潤滑油導出穴45を通じてスラスト軸受33とクランク軸12との間に潤滑油が供給される。このため、アイドリングストップからの復帰時などといった、クランク軸12の回転開始直後において、スラスト軸受33とクランク軸12のスラスト面122との潤滑の低下が防止される。
なお、上記実施形態では、潤滑油導出穴45がネジ穴46のザグリ部461に設けられる構成を示したが、このような構成に限定されない。ここで、潤滑油導出穴45の位置の変形例について、図6を参照して説明する。図6は、潤滑油導出穴45が設けられる位置の変形例を模式的に示す図であり、図4に対応する図である。
図6に示すように、ネジ穴46は、最も深い部分に設けられる下穴部463と、最も浅い部分に設けられるザグリ部461と、下穴部463とザグリ部461との間に設けられるネジ部462とを有する。下穴部463およびザグリ部461はネジ山が設けられない部分であり、ネジ部462はネジ山が設けられる部分である。そして、図6に示すように、潤滑油導出穴45は、ネジ穴46の下穴部463とスラスト軸受装着部42の回転上流側に位置する端部またはその近傍とを連通するように設けられる構成であってもよい。この場合、第1の潤滑油経路44からネジ穴46のザグリ部461に流入した潤滑油は、ネジ部462においてネジ35の外周面とネジ穴46の内周面との隙間を通過して下穴部463に至り、下穴部463から潤滑油導出穴45を通じてスラスト軸受装着部42に流出する。
このように、潤滑油導出穴45は、ネジ穴46のザグリ部461とスラスト軸受装着部42とを連通する構成に限定されない。そして、このような構成であっても、前記効果を奏することができる。
<潤滑構造の第2の実施形態>
次に、潤滑構造の第2の実施形態について、図7を参照して説明する。図7は、第2の実施形態に係る潤滑構造が適用された軸受機構3の構成例を模式的に示す分解斜視図である。第2の実施形態は、軸受背面潤滑油経路43から軸受部4の端面に潤滑油を導出するため潤滑油の経路にネジ穴46が用いられない形態である。なお、第1の実施形態と共通の構成には第1の実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。
次に、潤滑構造の第2の実施形態について、図7を参照して説明する。図7は、第2の実施形態に係る潤滑構造が適用された軸受機構3の構成例を模式的に示す分解斜視図である。第2の実施形態は、軸受背面潤滑油経路43から軸受部4の端面に潤滑油を導出するため潤滑油の経路にネジ穴46が用いられない形態である。なお、第1の実施形態と共通の構成には第1の実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。
図7に示すように、軸受部4のラジアル軸受装着部41には、第2の潤滑油経路49が設けられる。第2の潤滑油経路49は、軸受背面潤滑油経路43とスラスト軸受装着部42の回転上流側に位置する端部またはその近傍とを連通する溝状の構成を有する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態で示した第1の潤滑油経路44および潤滑油導出穴45は設けられない。
潤滑油ポンプ2から第1のオイルギャラリ111と第2のオイルギャラリ112を通過して軸受背面潤滑油経路43に流入した潤滑油の一部は、第2の潤滑油経路49に流入する。第2の潤滑油経路49を通過した潤滑油は、スラスト軸受装着部42とスラスト軸受33の隙間とを通じて、スラスト軸受33とクランク軸12のスラスト面122との隙間に到達し、クランク軸12の回転によって回転方向Rの下流側に供給される。第2の潤滑油経路49は、スラスト軸受装着部42の回転上流側に位置する端部またはその近傍に設けられる。特に、第2の潤滑油経路49は、上下方向視において、少なくとも軸線Aよりも回転上流側に偏倚した位置に設けられる。第1のオイルギャラリ111が上下方向視において軸線Aから回転下流側に偏倚した位置に設けられる構成であれば、第1のオイルギャラリ111と第2の潤滑油経路49とは、上下方向視において互いに軸線Aの反対側に設けられる。
第2の潤滑油経路49を通過した潤滑油は、スラスト軸受33の回転上流側に位置する端部の近傍において、スラスト軸受33とクランク軸12のスラスト面122との隙間に流入し、クランク軸12の回転によってスラスト軸受33の円周方向の全体に行き渡る。また、第2の潤滑油経路49は、軸受部4のラジアル軸受装着部41に設けられる溝が適用されるから、加工が容易である。このように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明の各実施形態を、図面を参照して詳細に説明したが、前記各実施形態は、本発明の実施にあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前記各実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、図1においては、内燃機関として直列4気筒エンジンを示したが、燃焼室の数や配列は限定されない。
本発明は、エンジン(内燃機関)のクランク軸の潤滑構造に有効な技術である。そして、本発明によれば、クランク軸を回転可能に支持するスラスト軸受の潤滑の向上を図ることができる。
1:エンジン(内燃機関)
11:シリンダーブロック
111:第1のオイルギャラリ
112:第2のオイルギャラリ
12:クランク軸
121:ジャーナル部
122:スラスト面
123:クランクウェブ
124:クランクピン
13:コンロッド
2:潤滑油ポンプ
3:軸受機構
31:ベアリングアッパー
311:軸受内面潤滑油経路
312:貫通穴
32:ベアリングロアー
33:スラスト軸受
34:軸受キャップ
341:接合面
342:ラジアル軸受装着部
343:ネジ挿通穴
35:ネジ
4:軸受部
401:接合面
41:ラジアル軸受装着部
42:スラスト軸受装着部
43:軸受背面潤滑油経路
44:第1の潤滑油経路
45:潤滑油導出穴
46:ネジ穴
461:ザグリ部
462:ネジ部
463:下穴部
49:第2の潤滑油経路
R:クランク軸の回転方向
A:クランク軸の軸線(回転中心線)
11:シリンダーブロック
111:第1のオイルギャラリ
112:第2のオイルギャラリ
12:クランク軸
121:ジャーナル部
122:スラスト面
123:クランクウェブ
124:クランクピン
13:コンロッド
2:潤滑油ポンプ
3:軸受機構
31:ベアリングアッパー
311:軸受内面潤滑油経路
312:貫通穴
32:ベアリングロアー
33:スラスト軸受
34:軸受キャップ
341:接合面
342:ラジアル軸受装着部
343:ネジ挿通穴
35:ネジ
4:軸受部
401:接合面
41:ラジアル軸受装着部
42:スラスト軸受装着部
43:軸受背面潤滑油経路
44:第1の潤滑油経路
45:潤滑油導出穴
46:ネジ穴
461:ザグリ部
462:ネジ部
463:下穴部
49:第2の潤滑油経路
R:クランク軸の回転方向
A:クランク軸の軸線(回転中心線)
Claims (4)
- ジャーナル部と、回転中心線に直角で前記ジャーナル部の側を向くスラスト面と、を有するクランク軸と、
シリンダーブロックに設けられ、前記ジャーナル部を回転可能に支持する軸受部と、
半円環形状を有し、前記軸受部の前記回転中心線の軸線方向の端面と前記クランク軸の前記スラスト面との間に設けられるスラスト軸受と、
前記シリンダーブロックに設けられ、前記スラスト軸受と前記クランク軸の前記スラスト面との間に潤滑油を供給するための潤滑油の経路と、
を有し、
前記潤滑油の経路は、前記軸受部の端面における前記スラスト軸受の円周方向の端部であって前記クランク軸の回転方向の上流側の端部に対向する位置に開口する潤滑油導出穴を含むことを特徴とする内燃機関の潤滑構造。 - 前記軸受部は、前記クランク軸の前記ジャーナル部が嵌まり込む半円形状の凹部を有し、
前記潤滑油の経路は、前記凹部の内周面に設けられる前記凹部の円周方向に延伸する溝状の部分を含むことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の潤滑構造。 - 前記シリンダーブロックには、軸受キャップを前記軸受部に固定するネジを締結するための2つのネジ穴が前記凹部を挟んで設けられ、
前記潤滑油の経路は、前記凹部の内周面に設けられる前記溝状の部分と前記2つのネジ穴のうちの一方とを連通する第1の潤滑油経路と、前記2つのネジ穴のうちの一方と、を含み、
前記潤滑油導出穴は、前記2つのネジ穴のうちの一方と前記軸受部の端面とを連通することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の潤滑構造。 - 前記シリンダーブロックには、前記クランク軸の回転中心線に平行に延伸する第1のオイルギャラリを有し、
前記第1のオイルギャラリと前記潤滑油導出穴とは、上下方向視において、前記クランク軸の前記回転中心線の互いに反対側に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の内燃機関の潤滑構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016143604A JP2018013094A (ja) | 2016-07-21 | 2016-07-21 | 内燃機関の潤滑構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016143604A JP2018013094A (ja) | 2016-07-21 | 2016-07-21 | 内燃機関の潤滑構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018013094A true JP2018013094A (ja) | 2018-01-25 |
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ID=61020109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016143604A Pending JP2018013094A (ja) | 2016-07-21 | 2016-07-21 | 内燃機関の潤滑構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018013094A (ja) |
-
2016
- 2016-07-21 JP JP2016143604A patent/JP2018013094A/ja active Pending
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