JP3607433B2 - 建設図面の電気記号抽出方法及びその装置 - Google Patents

建設図面の電気記号抽出方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、建築・設備業等の建設業界で広く使用されている建設図面の電気記号抽出方法及びその装置に関し、特に屋内電気図面等の建設図面に記載された電気記号を抽出する方法及びその抽出装置にするものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、CADシステム等を用いて、家屋やビル等の建築図面あるいは水道管,ガス管,電力・通信ケーブル等の配管図面等を含む建設図面を容易に作成したり、そのデータを記憶させておいて設計変更や増改築等の際に利用することは行なわれている。しかし、その建設図面のデータには、作成したシステムにより互換性がなく、期間の経過や業者の変更により利用できなくなる。また、家屋の増改築等を行なう場合には、紙に描かれた古い建築図面しかない場合が多く、増改築の間取り図等を変更しない部分も含めて全て描きなおさなければならなかった。
【0003】
そこで、紙に描かれた建設図面を読み取って、コンピュータで処理できるデータとして認識して記憶させることも試みられているが、そのための特別な方法や装置はなく、建設図面をイメージスキャナで読み取り、そのイメージ画像データをパーソナルコンピュータ等に入力させて、一般の図形認識機能を利用して線分認識やパターン認識を行なっている。あるいはさらに、高機能の図形エディタを補助に使うことによって図形認識機能をレベルアップし、自動認識機能が多少不完全な場合でも、例えばラスタ・ベクタ変換することにより直線や円弧等の基本線図を自動認識できるようにしたものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の図面認識装置は、高度の操作知識等を必要とし、パソコンなどを使い慣れている人や専門のオペレータに利用が限定され、建設図面を頻繁に使用する業界関係者にとって、決して使い勝手のよいものであるとはいえなかった。
【0005】
また、直線や円弧等の基本線図は自動認識することができるが、電気記号等の建設図面特有の図形シンボルを個別に抽出したり認識したりすることはできなかった。そのため、電気記号の抽出に多くの手間を要しており、それによって電気工事費用の積算などにも時間がかかっていた。
【0006】
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、紙に描かれた建設図面を読み取ったイメージ画像データ、あるいはそのランレングスを符号化した符号化画像データから、その建設図面に記載された電気記号を精度よく自動抽出できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、次のような建設図面の電気記号抽出方法及び電気記号抽出装置を提供する。
まず、この発明による建設図面の電気記号抽出方法は、建設図面の画像を読み取ったイメージ画像データに対して、水平及び垂直方向に連続する画像を構成する画素列の長さをチェックし、その長さがいずれも所定範囲内にある画素列によって構成される画像の輪郭データを作成し、その輪郭データを電気記号とみなし、上記作成した輪郭データが内接する円を求め、さらにその円が内接する矩形で囲まれる範囲の画像データを抽出することを特徴とする。
【0008】
また、このような建設図面の電気記号抽出方法において、上記読み取ったイメージ画像データに対して、その中の各画像の輪郭データを作成し、その輪郭データの大きさが所定の範囲内にあるものについて輪郭の円形度を求め、その円形度がしきい値以上の輪郭データも電気記号とみなして抽出するようにするとよい。
【0009】
あるいはまた、上記イメージ画像データに対して、その読み取りの主走査方向に連続する画像を構成する画素の開始点と終了点のデータをランデータとして作成し、そのランデータに基づいて画像の輪郭データを作成し、その輪郭データに対して水平及び垂直フィレ長を求め、その水平及び垂直フィレ長が所定の範囲内の輪郭データのみを残し、その残った各輪郭データに対して輪郭ループの内面積と周囲長から円形度を求め、その円形度がしきい値以上の輪郭データも電気記号とみなし、その輪郭データが内接する矩形で囲まれる範囲の画像データを抽出するようにするとよい。
【0010】
この発明による建設図面の電気記号抽出装置は、建設図面の画像を読み取ったイメージ画像データを入力する画像データ入力手段と、水平及び垂直方向に連続する画像を構成する画素列の長さをチェックする画素列チェック手段と、該手段によるチェック結果により長さがいずれも所定範囲内にある画素列によって構成される画像の輪郭データを作成する輪郭データ作成手段と、該手段によって作成された輪郭データを電気記号とみなして抽出する電気記号抽出手段とを有し、上記電気記号抽出手段が、上記輪郭データ作成手段によって作成された輪郭データが内接する円を作成し、さらにその円が内接する矩形で囲まれる範囲の画像データを抽出するようにしたものである。
【0011】
また、このような建設図面の電気記号抽出装置において、上記画像データ入力手段が入力した画像データ中の各画像の輪郭データを作成する第2の輪郭データ作成手段と、該手段によって作成された輪郭データの大きさが所定の範囲内にあるものについて輪郭の円形度を求める円形度算出手段と、その円形度がしきい値以上の輪郭データを電気記号とみなして抽出する第2の電気記号抽出手段とを設けるとよい。
【0012】
あるいは、上記画像データ入力手段が入力した画像データに対して、その読み取りの主走査方向に連続する画像を構成する画素の開始点と終了点のデータをランデータとして作成するランデータ作成手段と、該手段によって作成されたランデータに基づいて画像の輪郭データを作成する第2の輪郭データ作成手段と、その輪郭データに対して水平及び垂直フィレ長を求め、その水平及び垂直フィレ長が所定の範囲内の輪郭データのみを残す輪郭データ選択手段と、該手段によって残された各輪郭データに対して輪郭ループの内面積と周囲長から円形度を求める円形度算出手段と、その円形度がしきい値以上の輪郭データを電気記号とみなし、その輪郭データが内接する矩形で囲まれる範囲の画像データを抽出する第2の電気記号抽出手段とを設けるとよい。
【0014】
上記画像データ入力手段は、建設図面の画像を読み取ったイメージ画像データのランレングスを符号化した符号化画像データを入力して、元のイメージ画像データに復元する手段であってもよい。
その画像データ入力手段は、上記符号化画像データを通信により受信して入力する画像データ受信手段であるとよい。
【0015】
これらの建設図面の電気記号抽出装置において、電気記号とみなした輪郭データを表示する表示手段を設けるとよい。
その表示手段は、電気記号とみなした輪郭データを画像データ入力手段により入力したイメージ画像データに重ねて表示する手段を有するとよい。
さらに、抽出した電気記号の画像データを並べて表示する手段を有するようにするとよい。
【0016】
この発明の建設図面の電気記号抽出方法あるいは装置によって抽出した電気記号の画像データは、従来から用いられているテンプレートマッチング等の方法によって容易にその種類を判別して、電気記号を識別するコードデータとして認識したり、その結果を集計して表示することもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明による建設図面抽出方法を実施する建設図面認識装置の一例の概略構成を示すブロック図であり、ハード構成とマイクロコンピュータによるソフト処理の機能とを混在して示している。
【0018】
この装置は、全体制御部1,画像読取部2,通信制御部3,メモリ4,自動スキュー補正部5,黒又は白のランデータ作成部6,電気記号認識部7,再マッピング制御部8,表示部9,操作入力部10,外部記憶装置11,印刷装置12,及びこれらを接続するバス13などから構成される。
なお、これらの各部(又は装置)とバス13との間に必要なインタフェース部は図示を省略している。
【0019】
全体制御部1は、この建設図面認識装置全体の動作及び機能を制御するマイクロコンピュータ(CPU,ROM,RAM等から構成されるが代表して「CPU」と略称される)であり、自動スキュー補正部5並びにこの発明に係るランデータ作成部6,電気記号認識部7,及び再マッピング制御部8の各機能も、そのCPUのソフト処理によって実現することができる。
【0020】
画像読取部2は、セットされた建築図面等の建設図面をスキャンしてその画像を読み取ってイメージ画像データを入力する画像データ入力手段であり、スキャン光学系及びCCDなどのイメージセンサとその駆動回路等からなる公知のイメージスキャナである。また、その読み取ったイメージ画像データを所定の解像度で2値化して白ドットと黒ドットの画像データにする回路も含んでいる。
【0021】
通信制御部3は、画像読取部2から画像データを取り込む代りに、外部から通信によりイメージ画像データ又はそのランレングスが符号化された符号化画像データを受信して入力する画像データ受信手段であると共に、この装置によって認識した建設図面に記載された電気記号データを外部装置へ送信することもできる。具体的にはFAXモデムやパソコン通信制御手段を含むものである。
【0022】
メモリ4は、画像読取部2によって読み取ったイメージ画像データ、通信制御部3によって受信したイメージ画像データ又は符号化画像データをはじめ、自動スキュー補正部5によってスキュー補正された画像データ、ランデータ作成部6によって作成された黒又は白のランデータ、電気記号認識部7によって抽出及び認識された電気記号のデータ、あるいは再マッピング制御部8によって再マッピングされた画像データ等を格納する大容量のRAMあるいはハードディスク等によるメモリである。
【0023】
自動スキュー補正部5は、メモリ4に格納した画像データの角度を調整して水平及び垂直の線分方向を装置の水平及び垂直の基準方向と一致させるように補正するためのものであり、公知の自動スキュー補正技術を用いることができる。
なお、この自動スキュー補正部5により修正された画像データは、再びメモリ4に格納される。
【0024】
ランデータ作成部6は、自動スキュー補正がなされてメモリ4に格納されたイメージ画像データ又は符号化画像データ、及び後述する再マッピング制御部8によって再マッピングされた画像データに対して、その画像データを水平方向(主走査方向)の各ライン毎に連続する画像を構成する黒画素(又は白画素)の開始点と終了点のデータを作成する黒(又は白)ランデータ作成手段である。その詳細は後述する。
【0025】
なお、読み取った建設図面がポジ図面(地の明度より図の明度が低い図面)の場合には、黒画素によって画像が構成されるので黒ランデータを作成し、ネガ図面(地の明度より図の明度が高い図面)の場合には、白画素によって画像が構成されるので白ランデータを作成する。以下の説明では、読み取った建設図面がポジ図面であるものとして、黒ランデータを作成する例で説明する。
【0026】
電気記号認識部7は、ランデータ作成部6によって作成された黒ランデータに基づいて、建設図面を読み取って入力したイメージ画像データから電気記号の部分を抽出し、それを判別して認識するための電気記号認識手段であり、この発明による電気記号抽出装置としての機能、すなわち輪郭データ作成手段,輪郭データ選択手段,円形度算出手段,画素列チェック手段,および電気記号抽出手段等の機能を有するが、その詳細は後述する。
【0027】
ここで、建設図面に記載される電気記号で、この電気記号認識部7によって抽出及び認識の対象とする電気記号の例を図2に示す。これらの電気記号はいずれも外形が円形である。そして、各種スイッチのように黒塗りの記号と、シーリングライト,シーリングペンダント,ブラケット,各種コンセントのように黒塗りでない記号とがある。
【0028】
再マッピング制御部8は、電気記号認識部7により、電気記号として抽出された部分を表示したり、その抽出あるいは認識結果と入力した建設図面の画像データとを重ねて表示したりする際に、その表示用画像データを作成するものであり、その際に原稿のノイズあるいは画像読取部2での読取ノイズも除去した画像データを作成する。このデータもメモリ4に格納される。
【0029】
表示部9は、画像読取部2又は通信制御部3から入力し、自動スキュー補正部5によってスキュー補正された建設図面の画像データ、電気記号認識部7によって抽出および認識された電気記号データ、再マッピング制御部8によって再マッピングされた画像データ等を表示するためのものであり、例えば、CRTや液晶ディスプレイ等である。
【0030】
この表示部9は、電気記号認識部7によって抽出あるいは認識された電気記号データを再マッピング制御部8によって再マッピングした画像データ(抽出あるいは認識結果)を操作者が確認するための画面も表示する。すなわち、上記再マッピングされた抽出あるいは認識結果の画像データを表示し、例えば「この認識結果でよろしいですか?(YES/NO)」というような表示を行なう。これにより、電気記号の認識が正確にできているかどうかを操作者が確認することができる。
【0031】
操作入力部10は、各種操作指示や機能選択指令、編集データ等を入力するためのものであり、キーボードやマウスあるいはタッチパネル等である。
この操作入力部10は、表示選定手段としての機能も有し、表示部9の表示状態を操作者の所望の表示状態に変更することができる。例えばキー操作により、建設図面の入力画像データと再マッピングされた抽出あるいは認識結果の画像データを重ね合わせて表示させたり、どちらか一方のみを選択して表示させたりすることができる。
【0032】
さらに、操作入力部10は、上記「この認識結果でよろしいですか?(YES/NO)」の表示に対し、「YES」または「NO」の情報を入力するためのキー等の入力手段も有する。そして、「YES」が選択された場合は認識処理を終了し、「NO」が選択された場合は再認識処理あるいは訂正処理に移行する。これにより、操作者は認識結果の内容を確認し、それを確定することができる。
【0033】
外部記憶装置11は、入力した画像データや、電気記号認識部7によって抽出あるいは認識された電気記号データ、再マッピング制御部8によって再マッピングされた抽出あるいは認識結果の画像データ等をフロッピディスク(FD)や光磁気ディスク(OMD)等の外部へ取り出し可能な記憶媒体に記憶させる記憶装置である。
印刷装置12は、上記の各種データ(表示されるデータと同じデータ)を紙に印刷あるいは描画して出力するプリンタあるいはプロッタである。
【0034】
次に、図1に示した全体制御部1とランデータ作成部6および電気記号認識部7などによる、建設図面特に屋内電気図面に記載された電気記号を抽出および認識する処理の手順について、図3,図4のフローチャートと、図5乃至図9の説明図を参照して説明する。なお、図4では各ステップを「S」で示している。また、この実施形態では、認識する建設図面がポジ図面であるものとする。
【0035】
図3は図1に示した建設図面の電気記号認識装置によるメインルーチンの処理を示すフローチャートである。
このメインルーチンでは、まずステップAで図1の画像読取部2によって建設図面の一種である屋内電気図面を読み取り、そのイメージ画像データを入力し、ステップBで自動スキュー補正部5によってスキュー補正を行ない、その画像データをメモリ4に格納する。あるいは、これに代えて屋内電気図面を読み取った画像データのランレングスを符号化した符号化画像データを通信制御部3で受信して入力し、それを元のイメージ画像データに復元してメモリ4に格納してもよい。
【0036】
その後、ステップCの電気記号抽出処理のサブルーチンを実行して、この発明による電気記号の抽出、すなわち入力した屋内電気図面のイメージ画像データから、電気記号の部分の画像データを切り取って抽出する処理を行なう。このサブルーチンについては後で詳述する。
【0037】
そして、ステップDでその抽出した電気記号の画像データを集めて表示する。それをオペレータが確認して自動認識するか否かを指示することにより、ステップEでその指示を判断して、自動認識する場合はステップFに進で電気記号判別・集計の処理を行なう。そして、ステップGでその認識結果を出力(表示,印刷,外部記憶等)して、このメインルーチンの処理を終了する。自動認識をしない場合はそのまま処理を終了する。
【0038】
ステップFの電気記号判別・集計の処理は、抽出した各電気記号の画像データと予め保持している各種電気記号のモデルパターンの画像データとを順次比較してテンプレートマッチングをとり、それぞれどの電気記号であるかを判別する。そして、判別した電気記号の種類別(スイッチの回路数やコンセントの口数までは判別しない)に個数をカウントして集計する。ステップGの認識結果の出力では、その認識した各電気記号の名称と個数を表にして表示あるいは印刷することができる。
【0039】
次に、このメインルーチンにおけるステップCの電気記号抽出処理のサブルーチンを図4に示し、これを詳細に説明する。
まず、ステップ1で黒ランデータを作成する。これは、先に入力してメモリ4に格納した屋内電気図面のイメージ画像データに対して、図5に示す副走査方向(垂直方向)の1画素幅毎に主走査方向(水平方向)に連続する黒画素(1ライン毎に連続する黒ドット)の開始点と終了点を示すデータを黒ランデータとしてを作成する。例えば、図5に示す入力画像の一部のイメージ画像データからは表1に示す黒ランデータが作成される。
【0040】
【表1】
Figure 0003607433
【0041】
次に、ステップ2で黒ランデータより黒画素部分(イメージ)の輪郭を求めて輪郭データを作成し、ステップ3でその作成した輪郭データの水平フェレ長と垂直フェレ長を求める。ここで、水平フェレ長とは、例えば図6に示す輪郭データ(輪郭ループ)Oを2本の垂直線で挟んだときの垂直線間距離(fh)をさす。また、垂直フェレ長とは、上記輪郭データOを2本の水平線で挟んだときの水平線間距離(fv)をさす。
【0042】
次いで、ステップ4で水平,垂直フェレ長がしきい値内の輪郭データだけを残す。すなわち、抽出対象となる電気記号(屋内電気記号)の大きさは、縮尺1/100の場合、紙面上で約(1.2mm〜5mm) であるため、この範囲をしきい値とし、ステップ3で求めた水平,垂直フェレ長がその範囲内にあるかどうかをチェックし、その範囲内の輪郭データだけ残していく。
【0043】
その後、ステップ5でその残った輪郭データの円形度を次式によって求める。
円形度(e)=4π×内面積÷(周囲長)
ここで、輪郭データは、表2に示すように「1」に近いほど円形度が高くなる。
【0044】
【表2】
Figure 0003607433
【0045】
続いて、ステップ6では円形度がしきい値(例えば0.8) 以上の輪郭データを電気記号とみなし、その輪郭データが内接する矩形(正方形も含む)を求め、その矩形で囲まれる範囲を電気記号の位置して、その矩形位置の画像データを抽出する。
例えば、図7に示す輪郭データD1はシーリングライトの電気記号(図2参照)を示すが、その輪郭データD1が内接する矩形L1で囲まれる範囲が電気記号の範囲となる。
【0046】
ここまでの処理により、シーリングライト,ブラケット,各種コンセント等の黒塗りでない電気記号の抽出を完了するが、スイッチ等の黒塗りの電気記号の抽出はステップ7〜10で行なう。
【0047】
すなわち、図4のステップ7においては、図8に示すような黒塗り記号の輪郭データD2の直径のしきい値をd±αとし、入力したイメージ画像データにおける水平方向に連続する黒ランデータをチェックし、(d−α)より短い黒画素部分と(d+α)より長い黒画素部分を上記黒ランデータから削除する。
【0048】
次いで、ステップ8で上記イメージ画像データにおける垂直方向に連続する黒画素の黒ランデータをチェックし、(d−α)より短い黒画素部分と(d+α)より長い黒画素部分を上記黒ランデータから削除する。
ここで、dは黒塗り記号の平均直径、αは大きさのバラツキの差分である。
【0049】
そして、ステップ9で残った黒ランデータより黒画素部分の輪郭を求めて輪郭データを作成し、ステップ10に進む。ここでは、例えば図9に示すように、その作成した輪郭データD3が内接する円(内接円C1)を求め、さらにその円C1が内接する矩形L2を求め、その矩形L2で囲まれる範囲を黒塗り記号の位置として、その矩形位置の画像データを抽出する。
【0050】
ここで、屋内電気図面のイメージ画像データから電気記号を抽出する具体的な例を、図10乃至図15によって説明する。
図10は住宅の屋内電気図面の一例を示し、建家の骨格をなす壁と建具によって間取りが記載され、そこに照明器具やコンセント,スイッチ類の配置を示す電気記号とその配線が記載されている。なお、この図中の20で示す記号は配電盤であり、21で示す記号は電力使用量を計測する電力計であるが、以下に説明する例では抽出の対象にしていない。
【0051】
この屋内電気図面から図1の電気記号認識装置によって電気記号を抽出するには、まず画像読取部2でこの屋内電気図面を読み取って、そのイメージ画像データを入力する。そして、自動スキュー補正部5によってスキュー補正してメモリ4に格納する。
【0052】
そして、この画像データに対して電気記号認識部7によって前述した電気記号抽出処理を行なう。すなわち、黒ランデータを作成し、その黒ランデータよりイメージの内外輪郭を求めて輪郭データを作成し、その水平,垂直フィレ長を求めて、それ所定のがしきい値の範囲内の輪郭データだけを残す。
その残した輪郭データが内接する矩形を、入力したイメージ画像データと重ねて図11に示すように表示部9によって表示する。この時、イメージ画像データと矩形データとは表示濃度あるいは色を異ならせて表示すると見易い。
【0053】
その後、その残った輪郭データの円形度を求め、その円形度が設定値(例えば0.8)以上の輪郭データだけを残して、図12に示すように表示する。そして、その輪郭が内接する矩形に囲まれた位置の画像データを電気記号のシンボルとして抽出し、メモリ4に保存する。
なお、図12中には、図11に示した残された輪郭データの位置に、それぞれ算出した円形度を100倍した数字(円形度が0.88であれば「88」のように)も表示色を変えて重ねて表示するが、その数字が小さいので図12では図示を省略している。したがって、円形度が0.8未満の輪郭データは削除されるが、その位置に円形度を100倍した数字のみが表示されることになる。
【0054】
次に、黒塗り記号の直径のしきい値をd±αとして、水平方向及び垂直方向の黒ランからこの範囲外のものを削除し、残った黒ランデータから輪郭データを作成し、それが内接する円を求め、その円が内接する矩形位置を黒塗りの電気記号の位置とし、図13に示すように入力したイメージ画像データと重ねて表示する(図中に黒塗りの矩形で示す)。この矩形に囲まれた位置の画像データを電気記号のシンボルとして抽出し、メモリ4に保存する。
【0055】
このようにして抽出した全ての電気記号の配置を、図14に示すように輪郭データで表示することもできる。
さらに、図15に示すように、この抽出した各電気記号の輪郭を入力したイメージ画像データと重ねて、該イメージ画像データと異なる輝度あるいは色で表示すると共に、その上部に抽出した各電気記号の画像を並べて表示することもできる。これを見で、使用する電気器具の種類と数を容易に知ることができ、電気工事費用の積算などを容易に行なうことが可能になる。
【0056】
その後、この抽出した各電気記号の画像データに対して各種電気記号のモデルパターンとのテンプレートマッチングを行なうことにより、その種類を判別し、それを種類別に集計することもできる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明による建設図面の電気記号抽出方法及びその装置によれば、従来正確な抽出が困難であった青焼きなどの比較的コントラストが低い図面や、ノイズの多い図面あるいは古い建設図面など、画質の悪い建設図面でも、簡単にその建設図面に記載された電気記号を精度よく抽出することができ、電気工事費用の積算等を迅速に行なうことが可能になる。
また、その抽出した電気記号の画像データを判別(認識)してその種類別に集計するようなことも容易にできる。
【0058】
さらに、建設図面のイメージ画像データをランレングス符号化した画像データとしてFAX通信等によって入力し、その建設図面に記載された電気記号を抽出し、認識することもできる。
【0059】
さらに、抽出あるいは認識した電気記号を表示することにより、その抽出あるいは認識結果を確認し、確定することができる。その場合、入力した建設図面のイメージ画像データを抽出あるいは認識結果と同時にあるいは選択的に表示することにより、その表示内容を比較検討して、誤抽出あるいは誤認識箇所や抽出あるいは認識できなかった部分を見つけることができる。入力したイメージ画像データと抽出あるいは認識結果とを重ね合わせて表示すれば、誤認識あるいは誤抽出箇所や抽出あるいは認識できなかった部分の発見及びその修正が一層容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による建設図面の電気記号抽出方法を実施する建設図面の電気記号認識装置の一例の概略構成を示すブロック図である。
【図2】この発明による抽出の対象とする電気記号の例を示す説明図である。
【図3】図1に示した建設図面の電気記号認識装置によるメインルーチンの処理を示すフロー図である。
【図4】図3におけるステップCの電気記号抽出処理のサブルーチンのフロー図である。
【図5】図4のステップ1における黒ランデータを作成する処理の説明図である。
【図6】同じくステップ3における輪郭データの水平,垂直フェレ長を求める処理の説明図である。
【図7】同じくステップ6における円形度が0.8 以上の輪郭データが内接する矩形位置の画像データを抽出する処理の説明図である。
【図8】同じくステップ7,8における黒ランデータより黒塗り記号の直径のしきい値より短い黒画素部分と長い黒画素部分とを削除する処理の説明図である。
【図9】同じくステップ10における輪郭データが内接する円を求めて更にその円が内接する矩形位置の画像データを抽出する処理の説明図である。
【図10】電気記号を抽出する屋内電気図面の原図面の一例を示す図である。
【図11】図10に示した屋内電気図面を読み取ったイメージ画像データと電気記号の候補となる水平,垂直フィレ長がしきい値内の輪郭データが内接する矩形とを重ねて表示した図である。
【図12】図10に示した屋内電気図面を読み取ったイメージ画像データと円形度がしきい値以上の電気記号とみなされる輪郭データとを重ねて表示した図である。
【図13】図10に示した屋内電気図面を読み取ったイメージ画像データと直径が所定範囲内の黒塗りの電気記号が存在するとみなされる矩形領域とを重ねて表示した図である。
【図14】抽出した全ての電気記号の配置を輪郭データで表示した図である。
【図15】抽出した各電気記号の輪郭を入力したイメージ画像データと重ねて表示すると共にその上部に抽出した各電気記号の画像を並べて表示した図である。
【符号の説明】
1:全体制御部 2:画像読取部
3:通信制御部 4:メモリ
5:自動スキュー補正部
6:(白又は黒)ランデータ作成部
7:電気記号認識部(電気記号抽出手段等を含む)
8:再マッピング制御部 9:表示部
10:操作入力部 11:外部記憶装置
12:印刷装置 13:バス

Claims (11)

  1. 建設図面の画像を読み取ったイメージ画像データに対して、水平及び垂直方向に連続する画像を構成する画素列の長さをチェックし、その長さがいずれも所定範囲内にある画素列によって構成される画像の輪郭データを作成し、その輪郭データを電気記号とみなし、その輪郭データが内接する円を求め、さらにその円が内接する矩形で囲まれる範囲の画像データを抽出することを特徴とする建設図面の電気記号抽出方法。
  2. 請求項1記載の建設図面の電気記号抽出方法であって、
    さらに、前記読み取ったイメージ画像データに対して、その中の各画像の輪郭データを作成し、その輪郭データの大きさが所定の範囲内にあるものについて輪郭の円形度を求め、その円形度がしきい値以上の輪郭データも電気記号とみなして抽出することを特徴とする建設図面の電気記号抽出方法。
  3. 請求項1記載の建設図面の電気記号抽出方法であって、
    さらに、前記読み取ったイメージ画像データに対して、その読み取りの主走査方向に連続する画像を構成する画素の開始点と終了点のデータをランデータとして作成し、そのランデータに基づいて画像の輪郭データを作成し、その輪郭データに対して水平及び垂直フィレ長を求め、その水平及び垂直フィレ長が所定の範囲内の輪郭データのみを残し、その残った各輪郭データに対して輪郭ループの内面積と周囲長から円形度を求め、その円形度がしきい値以上の輪郭データも電気記号とみなし、その輪郭データが内接する矩形で囲まれる範囲の画像データを抽出することを特徴とする建設図面の電気記号抽出方法。
  4. 建設図面の画像を読み取ったイメージ画像データを入力する画像データ入力手段と、水平及び垂直方向に連続する画像を構成する画素列の長さをチェックする画素列チェック手段と、該手段によるチェック結果により長さがいずれも所定範囲内にある画素列によって構成される画像の輪郭データを作成する輪郭データ作成手段と、該手段によって作成された輪郭データを電気記号とみなして抽出する電気記号抽出手段とを有し、
    前記電気記号抽出手段が、前記輪郭データ作成手段によって作成された輪郭データが内接する円を作成し、さらにその円が内接する矩形で囲まれる範囲の画像データを抽出する手段であることを特徴とする建設図面の電気記号抽出装置。
  5. 請求項4記載の建設図面の電気記号抽出装置であって、
    前記画像データ入力手段が入力した画像データ中の各画像の輪郭データを作成する第2の輪郭データ作成手段と、該手段によって作成された輪郭データの大きさが所定の範囲内にあるものについて輪郭の円形度を求める円形度算出手段と、その円形度がしきい値以上の輪郭データを電気記号とみなして抽出する第2の電気記号抽出手段とを有することを特徴とする建設図面の電気記号抽出装置。
  6. 請求項4記載の建設図面の電気記号抽出装置であって、
    前記画像データ入力手段が入力した画像データに対して、その読み取りの主走査方向に連続する画像を構成する画素の開始点と終了点のデータをランデータとして作成するランデータ作成手段と、該手段によって作成されたランデータに基づいて画像の輪郭データを作成する第2の輪郭データ作成手段と、その輪郭データに対して水平及び垂直フィレ長を求め、その水平及び垂直フィレ長が所定の範囲内の輪郭データのみを残す輪郭データ選択手段と、該手段によって残された各輪郭データに対して輪郭ループの内面積と周囲長から円形度を求める円形度算出手段と、その円形度がしきい値以上の輪郭データを電気記号とみなし、その輪郭データが内接する矩形で囲まれる範囲の画像データを抽出する第2の電気記号抽出手段とを有することを特徴とする建設図面の電気記号抽出装置。
  7. 前記画像データ入力手段が、建設図面の画像を読み取ったイメージ画像データのランレングスを符号化した符号化画像データを入力して、元のイメージ画像データに復元する手段である請求項乃至のいずれか一項に記載の建設図面の電気記号抽出装置。
  8. 前記画像データ入力手段が、前記符号化画像データを通信により受信して入力する画像データ受信手段である請求項記載の建設図面認識装置。
  9. 請求項4乃至のいずれか一項に記載の建設図面の電気記号抽出装置において、前記電気記号とみなした輪郭データを表示する表示手段を設けたことを特徴とする建設図面認識装置。
  10. 前記表示手段は、前記電気記号とみなした輪郭データを前記画像データ入力手段により入力したイメージ画像データに重ねて表示する手段を有する請求項記載の建設図面の電気記号抽出装置。
  11. 前記表示手段は、抽出した電気記号の画像データを並べて表示する手段を有する請求項又は10記載の建設図面の電気記号抽出装置。
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