JP3516502B2 - 建設図面認識方法及び認識装置 - Google Patents

建設図面認識方法及び認識装置

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JP3516502B2
JP3516502B2 JP02365695A JP2365695A JP3516502B2 JP 3516502 B2 JP3516502 B2 JP 3516502B2 JP 02365695 A JP02365695 A JP 02365695A JP 2365695 A JP2365695 A JP 2365695A JP 3516502 B2 JP3516502 B2 JP 3516502B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建築・設備業等の建
設業界で広く使用されている建設図面の認識方法及びそ
の認識装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、CADシステム等を用いて、家屋
やビル等の建築図面あるいは水道管,ガス管,電力・通
信ケーブル等の配管図面等を含む建設図面を容易に作成
したり、そのデータを記憶させておいて設計変更や増改
築等の際に利用することは行なわれている。しかし、そ
の建設図面のデータには、作成したシステムにより互換
性がなく、期間の経過や業者の変更により利用できなく
なる。また、家屋の増改築等を行なう場合には、紙に描
かれた古い建設図面しかない場合が多く、増改築の間取
り図等を変更しない部分も含めて全て描きなおさなけれ
ばならなかった。
【0003】そこで、紙に描かれた建設図面を読み取っ
て、コンピュータで処理できるデータとして認識して記
憶させることも試みられているが、そのための特別な方
法や装置はなく、建設図面をイメージスキャナで読み取
り、そのイメージ画像データをパーソナルコンピュータ
等に入力させて、一般の図形認識機能を利用して線分認
識やパターン認識を行なっている。あるいはさらに、高
機能の図形エディタを補助に使うことによって図形認識
機能をレベルアップし、自動認識機能が多少不完全な場
合でも、例えばラスタ・ベクタ変換することにより直線
や円弧等の基本線図を自動認識できるようにしたものも
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の図面認識装置は、高度の操作知識等を必要と
し、パソコンなどを使い慣れている人や専門のオペレー
タに利用が限定され、建設図面を頻繁に使用する業界関
係者にとって、決して使い勝手のよいものであるとはい
えなかった。また、直線や円弧等の基本線図は自動認識
することができるが、基本線図の組み合わせ等からなる
建設図面特有の図形シンボル(例えば、壁や柱等)を個
別に認識をすることはできなかった。そのため、認識し
た図面を修正する際には線分毎に行なわなければなら
ず、多くの手間を要していた。
【0005】さらに、建設業において使用される家屋や
ビル等の建設図面は、その図面上の各線分が人間の目に
は同じ大きさの連続線として見えても、厳密に見れば太
さも一様でなく、軌跡もゆらいでいる。また、連続線の
はずであっても所々切れている場合もある。これらの不
完全さは作図時のみならず、用紙の経年変化や読み取り
時の誤差などからも生じるものである。そのため、例え
ば線分として認識できる太さの限界があまり細いと、わ
ずかなかすれでも線分が切れていると認識してしまう。
また太めの線分を長方形のように認識してしまうことも
ある。
【0006】これは、原図の品質は勿論であるが、感光
紙を使用したいわゆる青焼き図面のようにコントラスト
が低い(黒と白の境界がはっきりしない)図面が多く、
さらにその青焼きの特徴である細かな点が表面に現れる
ため、従来の図面認識装置では精度の高い自動認識をす
ることは困難であり、その修正に多くの手間を要するの
で殆ど実用にならなかった。
【0007】ところで、家屋の建設図面(建築図面)で
は間取りを仕切る壁が図面の中心的役割を果たし、図面
中のどの部分が壁であるかを認識することによって、建
設図面のおおよその間取りを理解することができる。従
って、図面中の壁の位置及びその長さを認識すること
は、建設図面を認識する上で最も重要な事項である。こ
の発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、紙に
描かれた建設図面を読み取ったイメージ画像データ、あ
るいはそのランレングスを符号化した符号化画像データ
から、その建設図面の間取りを知る上で重要な情報であ
る輪郭や骨格、特に壁を精度よく自動認識できるように
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、次のような建設図面認識方法及び建設図
面認識装置を提供する。この発明による建設図面認識方
法は、建設図面の画像を読み取ったイメージ画像データ
の水平方向及び垂直方向の黒又は白ドット数を計測して
水平及び垂直方向のドット数計測配列データを作成し、
その作成した両方向のドット数計測配列データのピーク
値を検出し、そのピーク値部分について2等分割探索を
行って、輪郭及び骨格としての条件を満たした場合に、
そのピーク値部分が建設図面の輪郭及び骨格であると
識することを特徴とする。
【0009】さらに、上記のようにして作成した水平及
び垂直方向のドット数計測配列データに基づいて建設図
面の輪郭及び骨格を認識した後、その認識した輪郭及び
骨格に基づいて記イメージ画像データの範囲を限定し、
その各範囲毎に上記イメージ画像データの水平方向及び
垂直方向の黒又は白ドット数を計測して再度水平及び垂
直方向のドット数計測配列データを作成し、その作成し
た両方向のドット数計測配列データに基づいて上記限定
した各範囲内の建設図面の輪郭及び骨格を認識すること
を、新たな輪郭又は骨格を認識できなくなるまで繰り返
すようにするとよい。 これらの建設図面認識方法にお
いて、上記認識した建設図面の輪郭及び骨格を表示する
とよい。
【0010】また、この発明による建設図面認識装置
は、建設図面の画像を読み取ったイメージ画像データを
入力する画像データ入力手段と、該手段によって入力し
たイメージ画像データの水平方向及び垂直方向の黒又は
白ドット数を計測して水平及び垂直方向のドット数計測
配列データを作成するドット数計測配列データ作成手段
と、該手段により作成された両方向のドット数計測配列
データのピーク値を検出し、そのピーク値部分について
2等分割探索を行って、輪郭及び骨格としての条件を満
たした場合に、そのピーク値部分が建設図面の輪郭及び
骨格であると認識する輪郭・骨格認識手段とを設けたも
のである。上記画像データ入力手段は、建設図面の画像
を読み取ってそのイメージ画像データを入力する画像読
取手段であるとよい。
【0011】あるいはまた、上記画像データ入力手段
を、建設図面の画像を読み取ったイメージ画像データの
ランレングスを符号化した符号化画像データを入力する
ものとして、ドット数計測配列データ作成手段が、その
入力した符号化画像データから元のイメージ画像データ
の水平方向及び垂直方向の黒又は白ドット数を計測して
水平及び垂直方向のドット数計測配列データを作成する
ように構成してもよい。その場合の画像データ入力手段
は、上記符号化画像データを通信により受信して入力す
る画像データ受信手段であってもよい。
【0012】さらに、これらの建設図面認識装置におい
て、上記輪郭・骨格認識手段によって認識された輪郭及
び骨格に基づいて上記イメージ画像データの範囲を限定
し、その各範囲毎に上記ドット数計測配列データ作成手
段によって再度水平及び垂直方向のドット数計測配列デ
ータを作成させ、その作成した両方向のドット数計測配
列データに基づいて上記輪郭・骨格認識手段に各限定し
た範囲内の建設図面の輪郭及び骨格を認識させること
を、新たな輪郭又は骨格を認識できなくなるまで繰り返
す手段を設けるとよい。
【0013】そして、上記輪郭・骨格認識手段は、複数
種類の所定間隔ごとにドット数計測配列データのピーク
値があるか否かを解析する手段を有するのが望ましい。
また、上記輪郭・骨格認識手段が建設図面の輪郭及び骨
格として壁を認識するようにするとよい。
【0014】その場合、上記輪郭/骨格認識手段は、ド
ット数計測配列データ作成手段によって作成されたドッ
ト数計測配列データのピーク値の近辺を解析することに
より壁及び壁の芯線を認識する手段を有するとよい。さ
らに、上記輪郭・骨格認識手段は、ドット数計測配列デ
ータ作成手段によって作成されたドット数計測配列デー
タの近接する2つのピーク値のうち短かい方が内壁であ
り、長い方が外壁であると認識する手段を有することが
できる。
【0015】これらの建設図面認識装置に、上記輪郭・
骨格認識手段により認識した結果を表示する表示手段を
設けるとよい。その表示手段は、上記画像データ入力手
段により入力したイメージ画像データを上記認識結果と
同時に表示する手段を有するのが望ましい。さらにその
同時に表示する手段が、上記イメージ画像データと認識
結果とを重ね合わせて表示する手段であるとよい。
【0016】あるいは、上記画像データ入力手段により
入力したイメージ画像データと上記認識結果とを選択的
に表示するように表示内容を変更する表示選定手段を設
けてもよい。また、上記認識結果を操作者が確認して、
その認識結果を確定する認識結果確認手段を設けるのが
望ましい。
【0017】
【作用】建設図面で間取り等を知る上で最も重要な壁等
の輪郭及び骨格部分は、一般にポジ画像の図面であれば
黒の密度が、ネガ画像の図面であれば白の密度が特に高
くなっている。また、建設図面を構成する線分の殆どは
直交する2方向のいずれか(水平方向又は垂直方向)に
描かれている。
【0018】この発明による建設図面認識方法によれ
ば、建設図面のイメージ画像データから、その水平方向
及び垂直方向の黒又は白ドット数を計測して水平及び垂
直方向のドット数計測配列データ(ヒストグラム)を作
成し、その両方向のドット数計測配列データに基づいて
建設図面の輪郭及び骨格を認識するので、青焼などの比
較的コントラストが低い図面や、ノイズの多い図面ある
いは古い建設図面など、画質の悪い建設図面でも、かな
り精度よくその輪郭及び骨格を認識することができる。
【0019】さらに、この方法で認識した輪郭及び骨格
に基づいて、その認識対象とする範囲を限定し、その範
囲毎に建設図面のイメージ画像データの水平方向及び垂
直方向の黒又は白ドット数を計測して再度水平及び垂直
方向のドット数計測配列データを作成し、その両方向の
ドット数計測配列データに基づいて上記限定した各範囲
内の建設図面の輪郭及び骨格を認識することを、新たな
輪郭又は骨格を認識できなくなるまで繰り返すようにす
れば、短い壁等の骨格をも確実に認識でき、且つ実際に
は存在しない部分の輪郭や骨格を誤認識する恐れもなく
なる。
【0020】また、この発明による建設図面認識装置に
よれば、上記建設図面認識方法を容易に実施することが
でき、比較的画質の悪い建設図面からも、その壁等の輪
郭及び骨格を精度よく自動的に認識してその認識データ
を得ることができ、それをパソコンなどに取り込んで利
用すれば、増改築の際の間取り図などの建設図面を容易
且つ迅速に作成することが可能になる。
【0021】建設図面の画像を読み取ったイメージ画像
データのランレングスを符号化した符号化画像データを
入力し、符号化画像データから元のイメージ画像データ
の水平方向及び垂直方向の黒又は白ドット数を計測して
水平及び垂直方向のドット数計測配列データを作成する
こともでき、それによって画像データのデータ量を圧縮
できるので、それを記憶するメモリの容量を小さくでき
る。また、外部からファクシミリ機能などによって建設
図面の画像データを受信して認識処理を行なうことも容
易になる。
【0022】さらに、ドット数計測配列データのピーク
値を検出することにより、そのピーク値部分を輪郭又は
骨格と認識することにより、特に壁の認識を容易に行な
うことができる。その場合、複数種類の所定間隔、好ま
しくは一般の建設図面における最小壁間隔に相当する半
間あるいは1mに相当する間隔ごとにドット数計測配列
データのピーク値があるか否かを解析することにより、
壁認識の精度を高めることができる。
【0023】その場合、ドット数計測配列データのピー
ク値の近辺を解析することにより、壁及び壁の芯線を認
識することができ、さらに、ドット数計測配列データの
近接する2つのピーク値のうち短かい方を内壁、長い方
を外壁と認識することができる。
【0024】輪郭・骨格認識手段により認識した結果を
表示手段が表示することにより、その認識結果を確認す
ることができる。その場合、画像データ入力手段により
入力した建設図面のイメージ画像データを認識結果と同
時に表示することにより、誤認識箇所や認識できなかっ
た部分を見つけることができる。その際、上記イメージ
画像データと認識結果とを重ね合わせて表示すれば、誤
認識箇所や認識できなかった部分の発見及びその修正が
一層容易になる。
【0025】あるいは、入力した建設図面のイメージ画
像データとその認識結果とを選択的に表示させて、その
表示内容を比較検討することもできる。そして、その認
識結果を操作者が確認して確定することもできる。
【0026】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して具
体的に説明する。図1は、この発明による建設図面認識
方法を実施する建設図面認識装置の一例の概略構成を示
すブロック図であり、ハード構成とマイクロコンピュー
タによるソフト処理の機能とを混在して示している。
【0027】この装置は、全体制御部1,画像読取部
2,通信制御部3,メモリ4,自動スキュー補正部5,
ドット数計測配列データ作成部6,輪郭・骨格認識部
7,再マッピング制御部8,表示部9,操作入力部1
0,外部記憶装置11,印刷装置12,及びこれらを接
続するバス13などから構成される。なお、これらの各
部(又は装置)とバス13との間に必要なインタフェー
ス部は図示を省略している。
【0028】全体制御部1は、この建設図面認識装置全
体の動作及び機能を制御するマイクロコンピュータ(C
PU,ROM,RAM等から構成されるが代表して「C
PU」と略称される)であり、自動スキュー補正部5並
びにこの発明に係るドット数計測配列データ作成部6,
輪郭・骨格認識部7,及び再マッピング制御部8の各機
能も、そのCPUのソフト処理によって実現することが
できる。
【0029】画像読取部2は、セットされた建築図面等
の建設図面をスキャンしてその画像を読み取ってイメー
ジ画像データを入力する画像データ入力手段であり、ス
キャン光学系及びCCDなどのイメージセンサとその駆
動回路等からなる公知のイメージスキャナである。ま
た、その読み取ったイメージ画像データを所定の解像度
で2値化して白ドットと黒ドットの画像データにする回
路も含んでいる。
【0030】通信制御部3は、画像読取部2から画像デ
ータを取り込む代りに、外部から通信によりイメージ画
像データ又はそのランレングスが符号化された符号化画
像データを受信して入力する画像データ受信手段である
と共に、この装置によって認識した建設図面の輪郭及び
骨格データを外部装置へ送信することもできる。具体的
にはFAXモデムやパソコン通信制御手段を含むもので
ある。
【0031】メモリ4は、画像読取部2によって読み取
ったイメージ画像データ、通信制御部3によって受信し
たイメージ画像データ又は符号化画像データをはじめ、
自動スキュー補正部5によってスキュー補正された画像
データ、ドット数計測配列データ作成部6によって作成
されたドット数計測配列データ、輪郭・骨格認識部7に
よって認識された輪郭及び骨格の認識結果、及び再マッ
ピング制御部8によって再マッピングされた画像データ
等を格納する大容量のRAMあるいはハードディスク等
によるメモリである。
【0032】自動スキュー補正部5は、メモリ4に格納
した画像データの角度を調整して水平及び垂直の線分方
向を装置の水平及び垂直の基準方向と一致させるように
補正するためのものであり、公知の自動スキュー補正技
術を用いることができる。なお、この自動スキュー補正
部5により修正された画像データは、再びメモリ4に格
納される。
【0033】ドット数計測配列データ作成部6は、自動
スキュー補正がなされてメモリ4に格納されたイメージ
画像データ又は符号化画像データ、及び後述する再マッ
ピング制御部によって再マッピングされた画像データに
対して、その画像データを水平及び垂直方向の2方向に
限定して、それぞれドット幅単位に黒又は白ドット数を
計測(カウント)し、その結果により水平及び垂直方向
のドット数計測配列データ(ヒストグラム)を作成して
メモリ4に格納するドット数計測配列データ作成手段で
ある。
【0034】なお、読み取った建設図面がポジ図面(地
の明度より図の明度が低い図面)の場合には黒ドット数
を計測し、ネガ図面(地の明度より図の明度が高い図
面)の場合には白ドット数を計測する。
【0035】輪郭・骨格認識部7は、ドット数計測配列
データ作成部6によって作成された水平及び垂直方向の
ドット数計測配列データに基づいて、建設図面の輪郭及
び骨格を認識し、特に壁の位置,長さ,厚さ,種類等の
壁データを抽出するための輪郭・骨格認識手段であり、
その詳細は後で詳述する。なお、参照したドット数計測
配列データでは、壁の認識(抽出)が困難あるいは不確
実な場合は、図面の水平及び垂直方向のドット数計測配
列データ作成範囲の再設定要求を全体制御部1へ送り、
作成範囲を変更設定してドット数計測配列データ作成部
6に再度ドット数計測配列データを作成させる。
【0036】再マッピング制御部8は、輪郭・骨格認識
部7により、壁と認識された部分により建設図面の範囲
を限定して、その部分を他の認識情報をも考慮した上
で、再度マッピングし、その限定した範囲毎にドット数
計測配列データ作成部6に再度ドット数計測配列データ
を作成させるための画像データを作成するものであり、
その際に原稿のノイズあるいは画像読取部2での読取ノ
イズも除去した画像データを作成する。このデータもメ
モリ4に格納される。
【0037】表示部9は、画像読取部2又は通信制御部
3から入力し、自動スキュー補正部5によってスキュー
補正された建設図面の画像データ、ドット数計測配列デ
ータ作成部6で作成された水平及び垂直方向の黒又は白
のドット数計測配列データ、輪郭・骨格認識部7によっ
て認識された壁データ、再マッピング制御部8によって
再マッピングされた画像データ等を表示するためのもの
であり、例えば、CRTや液晶ディスプレイ等である。
【0038】図2,図3は、表示部9の画面9aの表示
状態の例を示すものであり、図2は輪郭・骨格認識部7
によって認識された建設図面の輪郭及び骨格(この例で
は壁)のデータを再マッピング制御部8によって再マッ
ピングした画像データ(認識結果)の表示例である。こ
の表示例において、二重の実線は壁の両面を示し、細線
は壁の芯線及びその延長線を示している。
【0039】図3は、自動スキュー補正部5によってス
キュー補正された建設図面の画像データ(入力したイメ
ージ画像データ)と、上記再マッピングされた認識結果
の画像データを同時に重ね合わせて表示した例を示す。
この場合、両者の識別が容易にできるように、スキュー
補正された建設図面のイメージ画像データはハーフトー
ンで表示し(図3では図示の都合上点描で示してい
る)、再マッピングされた認識結果の画像データを実線
で表示する。また、表示部9がカラーの表示装置である
場合には、両画像の色を変えて表示することにより、識
別性を向上させることができる。例えば、スキュー補正
された入力イメージ画像データは薄青色で、再マッピン
グされた画像データをオレンジ色あるいは緑色等で表示
することにより、操作者は認識結果の部分を容易に識別
できる。
【0040】あるいは、表示部9の画面9aを分割し
て、スキュー補正された入力イメージ画像データと再マ
ッピングされた認識結果の画像データをその分割したそ
れぞれの画面に対比させて表示することもできる。また
は、同一の画面上にスキュー補正された入力イメージ画
像データと再マッピングされた認識結果の画像データを
選択的に表示できるようにしてもよい。その場合には後
述する操作入力部10に表示選定手段(キー等)を設けれ
ばよい。
【0041】さらに、この表示部9は、認識結果を操作
者が確認するための画面も表示する。すなわち、上記再
マッピングされた認識結果の画像データを表示し、「こ
の認識結果でよろしいですか?(YES/NO)」とい
うような表示を行う。これにより、壁の認識が正確にで
きているかどうかを操作者が確認することができる。
【0042】操作入力部10は、各種操作指示や機能選
択指令、編集データ等を入力するためのものであり、キ
ーボードやマウスあるいはタッチパネル等である。この
操作入力部10は、表示選定手段としての機能も有し、
表示部9の表示状態を操作者の所望の表示状態に変更す
ることができる。例えばキー操作により、スキュー補正
された建設図面の入力画像データと再マッピングされた
認識結果の画像データを重ね合わせて表示させたり、ど
ちらか一方のみを選択して表示させたりすることができ
る。
【0043】さらに、操作入力部10は、上記「この認
識結果でよろしいですか?(YES/NO)」の表示に
対し、「YES」または「NO」の情報を入力するため
のキー等の入力手段も有する。そして、「YES」が選
択された場合は認識処理を終了し、「NO」が選択され
た場合は再認識処理あるいは訂正処理に移行する。これ
により、操作者は認識結果の内容を確認し、それを確定
することができる。
【0044】外部記憶装置11は、入力した画像データ
や、ドット数計測配列データ作成部6で作成された黒ド
ット数計測配列データ、輪郭・骨格認識部7によって認
識された壁データ、再マッピング制御部8によって再マ
ッピングされた認識結果の画像データ等をフロッピディ
スク(FD)や光磁気ディスク(OMD)等の外部へ取
り出し可能な記憶媒体に記憶させる記憶装置である。印
刷装置12は、上記の各種データを紙に印刷あるいは描
画して出力するプリンタあるいはプロッタである。
【0045】ここで、建設図面(主に建築図面)におけ
る「輪郭」と「骨格」及び「外壁」と「内壁」の定義に
ついて、表1及び表2と図4によって説明する。「輪
郭」とは「外輪郭」のことであり、表1に○印で示すよ
うに外周壁の外部に面している箇所のみ(図4の(a)
に示す二重線の外側の線の部分)を意味するケース1の
場合と、外部に接する壁の全体(図4の(b)に太線で
示す部分)を意味するケース2,3の場合とがある。
「骨格」とは、壁の全て(図4の(b)(c)に太線で
示す部分の両方)を意味するケース1,2の場合と、外
輪郭を除く壁(図4の(c)に太線で示す部分のみ)を
意味するケース3の場合とがある。これらの定義におい
て、特に断わらない場合はケース1の通常の意味として
扱われる。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】「外壁」とは表2に○印で示すように、外
輪郭と同じく外周壁の外部に面している箇所のみ(図4
の(a)に示す二重線の外側の線で示す部分)を意味す
るケース4の場合と、外部に接する壁の全体(図4の
(b)に太線で示す部分)を意味するケース5の場合と
がある。「内壁」とは表2に○印で示すように、ケース
4,5とも外壁を除く壁(壁=外壁+内壁)であるが、
ケース4の場合は図4の(a)に示す二重線の内側の線
の部分と図4の(c)に太線で示す部分であり、ケース
5の場合は図4の(c)に太線で示す部分である。これ
らの定義においても、特に断わらない場合はケース5の
通常の意味として扱われる。
【0049】次に、図1に示した建設図面認識装置によ
る建設図面(主に家屋やビル等の建築図面)認識の手順
について、図5乃至図7のフロー図によって説明する。
これらのフロー図において、各ステップを「S」で示し
ている。また、この実施例では、認識する建設図面がポ
ジ図面であるものとする。
【0050】図5は壁の位置を認識する手順を示すフロ
ー図である。まず、ステップ1において、画像読取部に
セットされた建設図面の画像を読み取り、その2値化し
たイメージ画像データを入力する。あるいは、通信制御
部3によって外部から建設図面の画像データ(イメージ
画像データあるいはそのランレングスを符号化した符号
化画像データ)を受信して入力してもよい。
【0051】ステップ2において、ドット数計測配列デ
ータ作成部6によって作成される水平及び垂直方向の黒
ドット数計測配列データに基づく輪郭・骨格認識部7に
よる壁認識処理の精度を向上させるために、入力した画
像データの自動スキュー補正を行なう。この自動スキュ
ー補正は、従来から知られているいくつかの方法により
行えばよいので、その内容の詳細な説明は省略する。
【0052】次にステップ3において、自動スキュー補
正された画像データの全体を調査対象とする。そして、
ステップ4において、ネスト変数は0(初期値:画像全
体を対象にするという意味)である。「ネスト変数」は
建設図面の解析範囲をトップダウンで絞り込む時の絞り
込み段階を表す。ネスト変数の値が大きいほど解析が深
くなっている(細かい部分まで進んでいる)ことを表わ
す。
【0053】ステップ5において、壁の位置の調査対象
の領域を限定する処理を行う。具体的には、この処理に
いたる直前に調査領域の指示が示されていて、ここでは
以降のステップ6〜9の処理のための準備(インタフェ
ースの共通化)を行うだけである。個々の調査対象領域
の形は矩形図になる。最初はネスト変数が0なので図面
全体を調査対象とする。
【0054】ステップ6において、水平方向の黒ドット
数計測配列データを作成する。これは、画像データの垂
直方向の1ドット幅毎に水平方向の黒ドット数を計数
(計測)し、その各計数データを保持するものである。
次にステップ7において、ステップ6で作成した水平方
向の黒ドット数計測配列データに基づいて、壁の抽出
(認識)処理を行う。その処理手順については後述す
る。
【0055】ステップ8では、ステップ6と同様に垂直
方向の黒ドット数計測配列データを作成する。すなわ
ち、画像データの水平方向の1ドット幅毎に垂直方向の
黒ドット数を計数(計測)し、その各計数データを保持
する。ステップ9では、その垂直方向の黒ドット数計測
配列データに基づいて壁の抽出(認識)処理を行う。
【0056】そして、ステップ10において領域を分割
する壁候補があるかどうかを判断する。ここで、水平あ
るいは垂直方向で1つでも領域を分割する壁候補があれ
ば、ステップ11へ、1つもそのような壁候補がなけれ
ば、ステップ13へ進む。例えば、図8に示すような調
査対象領域Sa内に領域を分割する壁候補Wdが存在す
るかどうかを判断する。
【0057】ステップ11では、ネスト変数を+1して
再設定する。これは、現在の解析領域の中から壁を認識
し、その壁を使って新たに区切られた現在の領域内の小
領域に解析範囲を限定する段階に入ることを表わす。そ
して、ステップ12において、その調査対象の領域の細
分化を行う。具体的には、ステップ7,ステップ9で認
識した壁候補の芯線(中心線)で、例えば図8に示すよ
うに調査対象領域を壁候補W,Wdの細線で示す芯線に
よって領域Sa1,Sa2に2分割する。さらに、その
最初の細分化領域(例えば最も左上の領域)に調査対象
の位置づけを行う。
【0058】この新たに細分化された領域群の中での解
析の順番には特別な順序が必要になる訳ではないが、例
えば、領域開始位置のx,y座標値の小さい順番に行な
うことなどが考えられる。図9は、壁候補によって細分
化された各領域のネストNo.とその解析処理順序の一例
を示し、実線は壁候補の芯線(中心線)を、,,
はネストNo.を、1〜8の小さい数字は処理順序をそれ
ぞれ示している。
【0059】その後、ステップ5に戻って上述の処理を
繰り返し行う。ステップ10において、領域を分割すべ
き壁候補が1つもなかった場合は、ステップ13に進ん
で同次ネスト領域(図9で同じネストNo.の領域)の残
りがないかどうかを判断する。残りがある場合は、ステ
ップ15において同次ネストの次の領域に調査対象を進
めてステップ5に戻る。
【0060】同次ネスト領域の残りがない場合は、ステ
ップ14へ進んでネスト変数が0であるかどうかを判断
する。ネスト変数が0でない場合は、ステップ16にお
いてネスト変数を−1して1段階上位のネスト領域の処
理に戻り、ステップ13でその段階の残りのネスト領域
があるかどうかを判断する。あればステップ15で次の
ネスト領域に調査対象を進めてステップ5に戻る。
【0061】ステップ14でネスト変数が0の場合は、
ステップ17へ進んで、ステップ7,9によって得られ
た各領域毎の壁候補の認識データをもとに各壁の位置及
びサイズを確定し、その壁認識データをメモリ4に格納
する。その格納方法については後述する。そして、ステ
ップ18でその認識データを必要に応じて表示部9に表
示、又は印刷装置12によって印刷、あるいは外部記憶
装置11に記憶させて、処理を終了する。
【0062】次に図6に基づいて、図5のステップ7及
び9の壁の抽出(認識)処理の手順を説明するが、それ
に先立って、建設図面である建築図面(家屋の間取り
図)の画像データとその全領域から作成した水平及び垂
直方向の黒ドット数計測配列データの具体例を図10及
び図11に示す。これらの図において、(a)は建築図
面の画像データ、(b)は水平方向の黒ドット数計測配
列データ、(c)は垂直方向の黒ドット数計測配列デー
タである。さらに、図10の(c)に示した垂直方向の
黒ドット数計測配列データを拡大して図12に示す。
【0063】図10の建築図面では、壁のシンボルが壁
の両面と芯線によって表わされており、図11の建築図
面では、壁のシンボルが壁の厚さ内の塗りつぶし(黒)
によって表わされている。この黒ドット数計測配列デー
タにおいて、一番細い黒線の幅が1ドット幅であり、各
黒線の長さが(a)に示す建築図面の画像データの1ド
ット幅毎の水平方向又は垂直方向の黒ドット数の計数値
に相当する。これらの図から明らかなように、建築図面
を構成する線分の大部分(90%以上)は水平方向又は
垂直方向に描かれており、特に壁の部分で黒ドットの密
度が高くなっている。そのため、水平方向及び垂直方向
の黒ドット数計測配列データには、壁が存在する位置に
ピークが表われることになる。
【0064】図6のフローの処理を開始すると、まずス
テップ21において、指定方向とクロスする方向(水平
方向の黒ドット数計測配列データ作成の指定であれば垂
直方向に、また垂直方向の指定であれば水平方向に)
に、建設図面の基準の単位長に相当する所定間隔ごとに
何回壁認識処理のループが可能かを確認する。ここで、
この単位長は一般の住宅の場合にはその最小壁間隔であ
る半間あるいは1メートルであり、ここでは半間(91
cm)とする。
【0065】そして、水平方向の黒ドット数計測配列デ
ータに対しては垂直方向の画像幅より若干長い寸法を幅
サイズLとし、垂直方向の黒ドット数計測配列データに
対しては水平方向の画像幅より若干長い寸法を幅サイズ
Lとして自動設定する。また、半間サイズをhとし、こ
の値は予め図面の縮尺データ及び半間長を入力するか又
は計算による自動算出などにより決定する。この幅サイ
ズLと半間サイズをhからL/hを算出して小数点以下
は切上げた数値を壁認識処理の大ループの実行回数nと
する。図12にhで示す範囲が1回の大ループでの処理
範囲である。
【0066】次いで、ステップ22で大ループの回数カ
ウンタのカウント値iの初期設定(i←1)を行なう。
そして、ステップ23において回数カウンタのカウント
値iが可能な大ループの実行回数nを超えた(i>n)
かどうかを判定する。超えていれば、当該領域の解析を
終了する。超えていなければ、ステップ24において当
該i番目の半間内の最初の解析処理として最高ピーク
(図12にPで示す)に位置付け、その点をxpとす
る。このように半間毎に解析処理することにより、その
中のピーク値が壁の一部である可能性が高いことにな
る。
【0067】次に、ステップ25において壁の対象とし
ての最初の条件であるピーク(極大値)の高さが半間
(h)以上かどうかを判定する。その結果、ピークの高
さが半間未満の場合には壁の認識不明として、次の半間
先の解析に移るためステップ34に進む。ピークの高さ
が半間以上ある時には次の解析ステップ26に移行す
る。このステップ26において、最高ピークの位置から
左右両側(例えば、2W幅)を調べて、壁の厚みの範囲
(両面の位置:W1,W2及び厚みWe=|W1−W2|)
の絞り込みを行う。ここでWは壁の厚みの意味で、例え
ばWmax と同じ値で使用する。
【0068】この絞り込み方法としては、(最高ピーク
値−min)* rate+min以上の値を持つ最高ピーク位置の
両端又は片側のピーク位置を、壁の両面の位置W1,W2
又は最高ピーク位置xpが壁の一方の面の位置W1 であ
るときの他方の面の位置W2として絞り込む方法があ
る。図13はこの絞り込み処理の説明図であり、(a)
は最高ピーク位置xpの両側に壁の両面の位置W1,W2
が存在する場合の例である。この場合は、最高ピーク位
置xpは壁の芯線位置の候補と推定される。
【0069】図13の(b)は最高ピーク位置xpが壁
の一方の面の位置W1 であり、その片側に他方の面の位
置W2 が存在する場合の例である。この場合は、長い方
のピーク位置が図2に二重線で示した外輪郭の外壁位置
の候補で、それに近接する短い方のピークがその内壁位
置の候補と推定し得る。ここで、 rate は解析の前半
(ネスト変数の値が小さい時)は小さめに、後半(ネスト
変数の値が大きい時)では大きめにする(例えば、最初
は rater=0.70とする)。min は図13の(c)に示
すように現在注目している最大ピークPの位置xpの左
右両側2Wに拡がった4W幅程度の幅内の黒ドット数計
測データの最小値である。
【0070】このようにして、図6のステップ26で絞
り込んだ結果を基に、ステップ27と28で壁としての
妥当性を確認する。まずステップ27においては、壁の
厚みWeがその最大値Wmax(例えば30cm)を超え
ているか否かを判断し、超えている時は壁の認識不明と
して次の半間先の解析に移るためステップ34に進む。
超えていなければステップ28進み、壁の厚みWeが最
小値Wmin(例えば2.5cm)未満か否かを判断する。
【0071】その結果、壁の厚みWeが最小値Wmin未
満の場合はステップ30へ進み、そうでない時はステッ
プ29に進む。ステップ30においては壁以外のピーク
(例えば、畳,窓,引戸など)を認識したものとしてそ
の情報を得る。ステップ29においては、壁の候補とな
る領域から、壁としての条件を満たすかどうかを後述す
る2等分割探索法によって判定し、壁だと認識できたも
のについて、ステップ31において当該壁の両面の位置
1,W2及び厚みWeなどの情報を退避(記憶)してス
テップ32に進む。
【0072】ステップ29で壁としての条件を満たさな
ければステップ32に移行する。ステップ32において
は、壁の両面位置(座標)W1及びW2が共に現在処理を
行なっている領域の内側かどうかを判定し、内側であれ
ばステップ33に進む。そうでなければステップ34に
移行する。ステップ33では、現在の処理領域を細分化
し、新しい細分領域を示す境界データとして、W1
2,Weを退避(記憶)する。また、(W1+W2)/
2 がその壁の芯線位置である。ステップ34では、次
の半間先の処理を行うため大ループの回数カウンタのカ
ウント値iを+1してから、ステップ23に戻って上述
の処理を繰り返し行う。
【0073】このようにして、対象となる黒ドット数計
測配列データの一端(先頭要素)から半間毎に解析処理
し、反対の端まで解析が終われば、今回の範囲の解析を
終了する。水平方向と垂直方向の2方向のを黒ドット数
計測配列データに対して別々に解析し、次回の解析範囲
は、今回の解析で壁と認識できた範囲に限定する。その
ため、水平及び垂直方向の黒ドット数計測配列データを
解析した結果を組み合わせて、総当たりの場合分けを行
なう。
【0074】この実施例では、壁の芯線位置は隣の壁と
の間隔が半間単位の整数倍になるように配置されている
とみなす。そして、特徴的なピークが発見できる範囲ま
でを解析データとして有効に使用する。逆に云えば、解
析対象とするある範囲内に壁に相当する特徴が、水平方
向及び垂直方向の両方合わせても一つも発見できなかっ
たときは解析を終了する。1回の解析範囲は、最初は図
面全体を対象にし、以後発見された壁で区切られた範囲
に限定し直す方法をとって、壁のピークが発見されやす
くし、且つ細部までの解析が容易になるようにする。
【0075】次に、図6のステップ29において「壁と
しての条件を満たすか」を判断する2等分割探索法につ
いて、図7のフロー図によって説明する。この図7に示
すフローの処理を開始すると、まずステップ41におい
て、2等分割探索法の初期設定を行う。すなわち、壁分
析のための領域分割要素数nを1にし、壁部か非壁部か
が未確定である分割要素の配列要素の最も小さいNo.を
指すkを0に、また、調査領域の分割配列要素として、
〔0〕,E
〔0〕それぞれに入力のスタート及びエン
ド画像アドレスを代入して初期設定とする。
【0076】その後、ステップ42に進み、調査領域の
開始アドレスS〔k〕と終了アドレスE〔k〕が等しけ
ればステップ53に移行し、等しくなければステップ4
3に進む。ステップ43においてはイメージ画像データ
の対象領域の分割処理を行ない、元の領域を小数以下の
誤差を除いて2等分割する。すなわち、分割する前半の
領域のスタート及びエンド画像アドレスS1,E1を、
S1=S〔k〕,E1=(1/2)(S〔k〕+E
〔k〕)とし、後半の領域のスタート及びエンド画像ア
ドレスS2,E2を、S2=(1/2)(S〔k〕+E
〔k〕)+1,E2=E〔k〕とする。
【0077】それによって、例えば図14に示すよう
に、建設図面のイメージ画像データ中において、壁候補
が存在する線(一点鎖線で示す)の元の領域幅を最初は
1の位置で2等分割する。その後壁の有無を判別できる
まで、順次図14に示す位置2で2回目、3の位置で3
回目、4の位置で4回目というように2等分割を繰り返
して細分化した領域でステップ44及び45の壁調査を
行なうようにする。ステップ44及び45においては、
2等分割したそれぞれの領域P1,P2が壁で満たされ
ているかどうかを調査し、ステップ46に進む。
【0078】ここでは、指定された領域(スタートアド
レスからエンドアドレスまで)の黒ドット数計測配列デ
ータを分析した結果、黒ドットのピーク(壁の厚みの広
がりを保って)高さが、指定された領域の幅(長さ)と
比較して次の〜の判断をする。 :5%以下のとき、 v=0:非壁部と判断 :95%以上のとき、v=1:壁部と判断 :上記以外のとき、 v=2:どちらとも判断できな
い これを図に示すと図15に,,で示すようにな
る。
【0079】ステップ46においては、ステップ43で
分割された前半の領域P1について、壁が存在するかど
うか判断できない(v=2)場合はステップ47に進
み、そうでなければステップ49に進む。ステップ47
においては、ステップ43によって分割する前の領域範
囲の格納配列要素S〔k〕,E〔k〕,v〔k〕を、ス
テップ43で分割された後半の領域データ(スタート及
びエンド画像アドレスS2,E2と判定結果v2)で置
き換える。
【0080】ステップ48においては、新しい格納配列
要素S〔n〕,E〔n〕,v〔n〕として、ステップ4
3で分割された前半の領域データ(スタート及びエンド
画像アドレスS1,E1と判定結果v1)を退避し、ス
テップ51に移行する。ステップ49においては、ステ
ップ43によって分割する前の領域範囲の格納配列要素
S〔k〕,E〔k〕,v〔k〕を、ステップ43で分割
された前半の領域データ(スタート及びエンド画像アド
レスS1,E1と判定結果v1)で置き換える。
【0081】ステップ50においては、新しい格納配列
要素S〔n〕,E〔n〕,v〔n〕として、ステップ4
3で分割された後半の領域データ(スタート及びエンド
画像アドレスS2,E2と判定結果v2)を退避し、ス
テップ51に移行する。ステップ51では、領域アドレ
スの新しい格納配列要素を示せるように新しい格納配列
要素No.を示す変数nを+1してから、ステップ52に
進む。
【0082】ステップ52においては、壁部か非壁部か
が未確定である分割要素の最も小さいNo.を指すk要素
内の分類コードvが壁が存在するかどうか判らない内容
(v=2)の場合は、ステップ42に戻って更に細分割
する処理を繰り返す。そうでない場合はステップ53に
進む。ステップ53では、壁が存在するかどうか判らな
い内容が一つ解決したとして、その指標kを+1してか
らステップ54に進む。
【0083】ステップ54においては、壁分析のための
領域分割要素数nと、壁部か非壁部かが未確定である分
割要素の配列要素の最も小さいNo.を指すkとが、等し
くなっているかどうか判定し、等しければ壁認識のため
の分割処理が終了したと判断してステップ55へ進む。
等しくなければステップ52へ戻る。ステップ55にお
いては、分割された領域アドレス・データ(配列)が上
昇順に並ぶよう、スタートアドレス順(昇順)にソート
を実行してステップ56に移行する。すなわち、S
〔0〕〜S〔n−1〕,E
〔0〕〜E〔n−1〕,v
〔0〕〜v〔n−1〕のデータをS〔 〕をキーにして
昇順にソートする。
【0084】ステップ56においては、壁部分及び非壁
部分が連続している場合は、それぞれ縮退処理(一つの
範囲で表現)して終了する。すなわち、連続したv〔
〕値が0又は1の状態の場合は、S〔 〕,E〔 〕
データを圧縮する。なお、この時に、壁が存在するかど
うか判らない内容(v=2)の配列要素を含む場合は、
その要素の前後の要素が壁を示している場合には壁デー
タに変更し、また、非壁を示している場合には非壁デー
タに変更して処理する。
【0085】上述した二等分割探索処理による画像デー
タ中の壁位置の分析例を図16に示す。この図16の
(a)には壁のイメージ画像(斜線を施した部分)Wと
その調査対象領域を破線で示しており、この調査領域は
先に認識された壁候補の存在位置に沿って設定される。
そして、S
〔0〕=0がその調査領域の最初のスタート
アドレス、E
〔0〕=15が最初のエンドアドレスであ
る。4,5,7等の途中の数字は分割後の対象領域のス
タート又はエンドアドレス(いずれも画像アドレス)で
ある。
【0086】図16の(b)には変数n=1〜10の各
調査段階における各対象領域のスタートアドレスS,エ
ンドアドレスE,及び壁の有無に関する判断結果vとそ
の確定状況、ソート状況、並びに縮退処理結果をkの値
と共に示している。そして、最終的には画像アドレス5
〜12に壁が存在することを認識している。
【0087】次に、図17によって簡単な建設図面の壁
認識例を説明する。この図17には、ネスト変数(ne
st)と、領域分割状態と認識された実際の壁の状態と
を示している。まず、ネスト変数=0で建設図面の全体
を壁位置の調査対象として壁の抽出を行なう。その結果
(A)に実線で示すように建設図面の家屋部の輪郭と水
平及び垂直方向の壁候補の位置を認識できたとする。し
かし、その認識できた壁候補のうち実際の壁は(a)に
示す部分だけであるが、それはまだ判らない。
【0088】そこで次に、ネスト変数=1にして、
(A)に示す認識できた壁候補の芯線で区切られた各矩
形領域毎に調査対象領域を限定して壁の抽出を行なう。
それによって(B)に,,,で示す4つの調査
対象領域で新たに太線で示す壁候補が認識されると共
に、先に認識された壁候補のうち、実際の壁は(a)に
示された部分だけであったことが確認され、(b)に示
す壁の状態が認識される。
【0089】さらに、ネスト変数=2にして、(B)に
おいて新たな壁候補が認識された4つの領域〜をそ
れぞれその新たに認識された壁によって分割して、調査
対象領域をさらに限定して壁の抽出を行なう。それによ
って、(C)に,で示す2つの調査対象領域で新た
に太線で示す壁候補が認識され、(c)に示す壁の状態
が認識される。
【0090】その後、ネスト変数=3にして、(C)に
おいて新たな壁候補が認識された2つの領域,をそ
れぞれその新たに認識された壁によって分割して、調査
対象領域をさらに限定して壁の抽出を行なう。その結果
いずれの分割領域でも新たな壁候補を抽出できなにかっ
た場合には、それによって壁位置の調査を終了し、
(c)に示す壁位置が最終的な壁認識結果であることが
確定し、そのデータをメモリに格納する。
【0091】このように、分割した各調査対象領域のい
ずれでも新たな壁候補が抽出されなくなるまで、調査対
象領域を細分化して壁の抽出を行なう。それによって、
小さな壁でも確実に認識することができ、且つ壁候補の
うち実際には壁が存在する部分と存在しない部分とを正
確に判別することができる。
【0092】ここでさらに、前述した図5のフローチャ
ートに従った具体的な建設図面の認識処理手順の例を、
図18乃至図20によって説明する。図18乃至図20
は一連の図であるが、図示の都合上3枚の図に分割して
示している。これらの図におけるS1〜S18は、図5
のS1〜S18の各ステップに対応している。また、各
段階での領域分割図と実壁状態も図示している。
【0093】以下の説明ではステップを「S」と略称す
る。図18のS1で建設図面の画像データを入力し、S
2で自動スキュー補正を行ない、S3で図面全体を調査
対象とし、S4でネスト変数を0にする。S5で調査対
象の限定を行なうがネスト変数が0なのでやはり図面全
体を調査対象とする。
【0094】S6〜S7で水平方向の黒ドット数計測配
列データを作成して壁を抽出するが、輪郭以外の壁を発
見できず、S8〜S9で垂直方向の黒ドット数計測配列
データを作成して壁を抽出し、輪郭以外の壁を2か所に
発見する。したがって、S10でYESになり、S11
でネスト変数を1にし、S12で領域の細分化(各壁の
位置でをしてS5へ戻り、調査対象領域を一番左の領域
に限定する。
【0095】そして、S6〜S7で壁を2か所に発見
し、S8〜S9では壁を発見できなかったがS10では
YESになり、S11でネスト変数を2にして「入れ子
処理」を、図19のS14でNOになり入れ子処理を終
了するまで繰り返し実行し、左側の縦長の領域を新たに
発見された2つの壁によって区切った3つの分割領域に
対して、順次壁の抽出処理を行なう。
【0096】この例ではそれによって新たな壁は発見さ
れず、図19のS16でネスト変数を−1して1に戻
し、真中の縦長の領域を調査対象領域として同様に壁の
抽出を行なうが、この例では新たな壁候補は発見されな
い。そこで、S15,S5で右側の縦長の領域に調査対
象領域を変更し、S6〜S7で壁を1ケ所発見する。
【0097】そこで、図20のS10でYESになり、
S11でネスト変数を2にして「入れ子処理」を開始
し、右側の縦長の領域を新たに発見された壁によって分
割し、その各分割領の壁抽出処理を順次行なう。その結
果、いずれの分割領域でも新たな壁は発見されず、S1
3でNoになり入れ子処理を終了し、S16でネスト変
数を−1して1にするが、ネスト変数1の領域は残って
いないので、さらにネスト変数を0に戻すが、その領域
も残っていない。
【0098】そのため、壁抽出の処理は完了したと判断
し、S17で抽出された壁候補の認識データにより各壁
の位置及びサイズを確定し、そのデータをメモリに格納
する。そして、S18で必要に応じてその認識したデー
タを表示,印刷,あるいは外部記憶装置によってフロッ
ピディスク等に記憶させる。
【0099】次に、上述のようにして認識した建設図面
の輪郭及び骨格に相当する壁の位置及びサイズ等の情報
(解析結果データ)を図1に示したメモリ4及び外部記
憶装置11の記憶媒体に格納する内容の一例について、
図21によって説明する。図21において、(A)はネ
スト数、(B)は固有ネスト情報、(C)水平方向の壁
情報、(D)は垂直方向の壁情報、(E)は水平な壁の
モデル、(F)は垂直な壁のモデルを示す。
【0100】ネスト数は、子ネストポインタの入れ子
(親子関係)の深さを示し、壁が全然認識されなかった
場合は、ネスト数=0である。固有ネスト情報は、ネス
トNo.,NEXT兄弟ポインタ,子ネストポインタ,壁
数(水平方向及び垂直方向),壁情報ポインタ(水平方
向及び垂直方向)からなる。
【0101】NEXT兄弟ポインタは、同時階層ネスト
情報の次のアドレスを持つ。したがって、このポインタ
が示す場所の固有ネスト情報内のネストNo.は、当該
処理のものと同じ値である。子ネストポインタは、一階
層下の階層ネスト情報の先頭データのアドレスを持つ。
したがって、このポインタが示す場所の固有ネスト情報
内のネストNo.は、当該処理のものに+1した値であ
る。
【0102】(B)に示す固有ネスト情報中の水平方向
の壁情報ポインタが示すアドレスを先頭アドレスとし
て、(C)に示す水平方向の壁情報が格納される。その
壁情報は、次の水平方向の壁情報の先頭アドレスの位置
を示すNEXTポインタ、壁の始点座標(x座標:a,
y座標:b)、壁の横(x方向)サイズ:c、壁の縦
(y方向)サイズ:壁の厚みdからなる。これらのa〜
dによって(E)に示す水平な壁のモデルを記憶し、ま
たそれを再現することができる。
【0103】同様に、固有ネスト情報中の垂直方向の壁
情報ポインタが示すアドレスを先頭アドレスとして、
(D)に示す垂直方向の壁情報が格納される。その壁情
報は、次の垂直方向の壁情報の先頭アドレスの位置を示
すNEXTポインタ、壁の始点座標(x座標:e,y座
標:f)、壁の縦(y方向)サイズ:g、壁の横(x方
向)サイズ:壁の厚みhからなる。これらのe〜hによ
って(F)に示す垂直な壁のモデルを記憶し、またそれ
を再現することができる。
【0104】ところで、実際の建築図面の画像データに
対して、その図面全体を調査対象領域として水平方向及
び垂直方向の黒ドット数計測配列データを作成した例を
図10及び図11に示したが、その黒ドット数計測配列
データに基づいて壁候補を認識した次の段階で、その図
面の領域を認識した壁候補によって分割し、調査対象領
域を限定した画像データに基づく水平及び垂直方向の黒
ドット数計測配列データの作成例を、図22乃至図24
に示す。
【0105】図23及び図24は、図22よりさらに調
査対象領域を細分化した例である。このようにして、新
たな壁候補が発見されなくなるまで、調査対象領域を細
分化して、その画像データによる水平及び垂直方向の黒
ドット数計測配列データを作成し、壁の抽出を行なう。
【0106】なお、この実施例ではポジ画像の建設図面
を認識対象としたので、その2値化した画像データの水
平及び垂直方向の黒ドット数を計測(カウント)して黒
ドット数計測配列データを作成したが、ネガ画像の建設
図面を認識対象とする場合には、その2値化した画像デ
ータの水平及び垂直方向の白ドット数を計測(カウン
ト)して白ドット数計測配列データを作成すれば、壁の
認識を同様に行なうことができる。
【0107】また、上述のようにして認識した建設図面
の輪郭及び骨格に関する認識データは、CAD用ベクト
ルデータに変換をすることができ、異機種間のCADデ
ータの互換性を得ることができる。
【0108】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明の建
設図面認識方法及び認識装置によれば、従来正確な認識
が困難であった青焼などの比較的コントラストが低い図
面や、ノイズの多い図面あるいは古い建設図面など、画
質の悪い建設図面でも、簡単にその輪郭及び骨格、特に
壁を精度よく認識することができる。特に、最初に図面
全体に対して認識した輪郭及び骨格に基づいて、その認
識対象を細分化するようにその対象範囲を限定し、その
範囲毎に建設図面のイメージ画像データの水平方向及び
垂直方向の黒又は白ドットの数計測配列データを作成
し、その両方向のドット数計測配列データに基づいて上
記限定した各範囲内の建設図面の輪郭及び骨格を認識す
ることを、新たな輪郭又は骨格を認識できなくなるまで
繰り返すようにすれば、短い壁等の骨格をも確実に認識
でき、且つ実際には存在しない部分の輪郭や骨格を誤認
識する恐れもなくなる。
【0109】また、その認識したデータをパソコンなど
に取り込んで利用すれば、増改築の際の見取り図などの
建設図面を容易且つ迅速に作成することが可能になる。
さらに、建設図面のイメージデータをランレングス符号
化した画像データとしてFAX通信等によって入力し、
その建設図面の輪郭及び骨格を認識することもできる。
そしてまた、一般の建設図面における最小壁間隔に相当
する半間あるいは1mに相当する間隔ごとにドット数計
測配列データのピーク値があるか否かを解析することに
より、壁認識の精度を高めることができる。さらに、壁
及びその芯線あるいは内壁と外壁を認識することもでき
る。
【0110】さらに、輪郭・骨格認識手段により認識し
た結果を表示することにより、その認識結果を確認し、
確定することができる。その場合、入力した建設図面の
イメージ画像データを認識結果と同時にあるいは選択的
に表示することにより、その表示内容を比較検討して、
誤認識箇所や認識できなかった部分を見つけることがで
きる。入力したイメージ画像データと認識結果とを重ね
合わせて表示すれば、誤認識箇所や認識できなかった部
分の発見及びその修正が一層容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による建設図面認識方法を実施する建
設図面認識装置の一例の概略構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1の表示部9における再マッピングされた認
識結果の画像データの表示例を示す図である。
【図3】同じくスキュー補正された建設図面の入力画像
データを認識結果の画像データと重ね合わせて表示した
例を示す図である。
【図4】建設図面における外輪郭,外壁,内壁及び骨格
の定義を説明するための図である。
【図5】図1に示した建設図面認識装置による壁の位置
を認識する手順を示すフロー図である。
【図6】図5におけるステッブ7及び9の壁の抽出(認
識)処理のサブルーチンのフロー図である。
【図7】同じく壁の位置を認識する2等分探索法を実行
処理するフロー図である。
【図8】調査対象領域内の壁候補とそれによる領域分割
例を示す説明図である。
【図9】壁候補によって細分化された領域群のネストN
o.とその解析処理順序の一例を示す説明図である。
【図10】建築図面(家屋の間取り図)の画像データと
その全領域から作成した水平及び垂直方向の黒ドット数
計測配列データの具体例を示す図である。
【図11】同じくその他の具体例を示す図である。
【図12】図10の(c)に示した垂直方向の黒ドット
数計測配列データを拡大して示す図である。
【図13】図6のステップ26におけるピークの両側又
は片側に壁の両面を絞り込む処理の説明図である。
【図14】図7のステップ43における領域幅の分割処
理の説明図である。
【図15】図7のステップ44,45における対象領域
の壁調査による判断の説明図である。
【図16】図7に示した二等分割探索処理による壁のサ
ンプル(壁候補)の分析例を示す説明図である。
【図17】この発明による簡単な建設図面の壁認識例の
説明図である。
【図18】図5のフローチャートに従った具体的な建設
図面の認識処理手順の例を示す説明図である。
【図19】図18の続きの説明図である。
【図20】図19の続きの説明図である。
【図21】解析結果データのメモリへの格納内容の一例
を示す説明図である。
【図22】図10に示した建築図面の調査対象領域を限
定した画像データとそれに基づく水平及び垂直方向の黒
ドット数計測配列データの例を示す図である。
【図23】図22より調査対象領域をさらに限定した画
像データとそれに基づく水平及び垂直方向の黒ドット数
計測配列データの例を示す図である。
【図24】図22より調査対象領域をさらに限定した他
の部分の画像データとそれに基づく水平及び垂直方向の
黒ドット数計測配列データの例を示す図である。
【符号の説明】
1:全体制御部 2:画像読取部 3:通信制御部 4:メモリ 5:自動スキュー補正部 6:ドット数計測配列データ作成部 7:輪郭・骨格認識部 8:再マッピング制御部 9:表示部 10:操作入力部 11:外部記憶装置 12:印刷装置 13:バス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50 G06T 7/60 JICSTファイル(JOIS)

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建設図面の画像を読み取ったイメージ画
    像データの水平方向及び垂直方向の黒又は白ドット数を
    計測して水平及び垂直方向のドット数計測配列データを
    作成し、その作成した両方向のドット数計測配列データ
    のピーク値を検出し、そのピーク値部分について2等分
    割探索を行って、輪郭及び骨格としての条件を満たした
    場合に、そのピーク値部分が建設図面の輪郭及び骨格
    あると認識することを特徴とする建設図面認識方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の建設図面認識方法におい
    て、 前記認識した輪郭及び骨格に基づいて前記イメージ画像
    データの範囲を限定し、その各範囲毎に、再度前記水平
    及び垂直方向のドット数計測配列データを作成し、その
    作成した両方向のドット数計測配列データに基づいて前
    記限定した各範囲内の建設図面の輪郭及び骨格を認識す
    ることを、新たな輪郭又は骨格を認識できなくなるまで
    繰り返すことを特徴とする建設図面認識方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の建設図面認識方
    法において、 認識した建設図面の輪郭及び骨格を表示することを特徴
    とする建設図面認識方法。
  4. 【請求項4】 建設図面の画像を読み取ったイメージ画
    像データを入力する画像データ入力手段と、該手段によ
    って入力したイメージ画像データの水平方向及び垂直方
    向の黒又は白ドット数を計測して水平及び垂直方向のド
    ット数計測配列データを作成するドット数計測配列デー
    タ作成手段と、該手段により作成された両方向のドット
    数計測配列データのピーク値を検出し、そのピーク値部
    分について2等分割探索を行って、輪郭及び骨格として
    の条件を満たした場合に、そのピーク値部分が建設図面
    の輪郭及び骨格であると認識する輪郭・骨格認識手段と
    を有することを特徴とする建設図面認識装置。
  5. 【請求項5】 前記画像データ入力手段が、建設図面の
    画像を読み取ってそのイメージ画像データを入力する画
    像読取手段である請求項記載の建設図面認識装置。
  6. 【請求項6】 建設図面の画像を読み取ったイメージ画
    像データのランレングスを符号化した符号化画像データ
    を入力する画像データ入力手段と、該手段によって入力
    した符号化画像データから元のイメージ画像データの水
    平方向及び垂直方向の黒又は白ドット数を計測して水平
    及び垂直方向のドット数計測配列データを作成するドッ
    ト数計測配列データ作成手段と、該手段により作成され
    た両方向のドット数計測配列データのピーク値を検出
    し、そのピーク値部分について2等分割探索を行って、
    輪郭及び骨格としての条件を満たした場合に、そのピー
    ク値部分が建設図面の輪郭及び骨格であると認識する輪
    郭・骨格認識手段とを有することを特徴とする建設図面
    認識装置。
  7. 【請求項7】 前記画像データ入力手段が、前記符号化
    画像データを通信により受信して入力する画像データ受
    信手段である請求項記載の建設図面認識装置。
  8. 【請求項8】 請求項乃至のいずれか一項に記載の
    建設図面認識装置において、前記輪郭・骨格認識手段に
    よって認識された輪郭及び骨格に基づいて前記イメージ
    画像データの範囲を限定し、その各範囲毎に前記ドット
    数計測配列データ作成手段によって再度前記水平及び垂
    直方向のドット数計測配列データを作成させ、その作成
    した両方向のドット数計測配列データに基づいて前記輪
    郭・骨格認識手段に前記各限定した範囲内の建設図面の
    輪郭及び骨格を認識させることを、新たな輪郭又は骨格
    を認識できなくなるまで繰り返す手段を有することを特
    徴とする建設図面認識装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の建設図面認識装置におい
    て、前記輪郭・骨格認識手段は、複数種類の所定間隔ご
    とにドット数計測配列データのピーク値があるか否かを
    解析する手段を有することを特徴とする建設図面認識装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項乃至9のいずれか一項に記載
    の建設図面認識装置において、前記輪郭・骨格認識手段
    が認識する建設図面の輪郭及び骨格が壁であることを特
    徴とする建設図面認識装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の建設図面認識装置に
    おいて、前記輪郭/骨格認識手段は、前記ドット数計測
    配列データ作成手段によって作成されたドット数計測配
    列データのピーク値の近辺を解析することにより壁及び
    壁の芯線を認識する手段を有することを特徴とする建設
    図面認識装置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の建設図面認識装置に
    おいて、前記輪郭・骨格認識手段は、前記ドット数計測
    配列データ作成手段によって作成されたドット数計測配
    列データの近接する2つのピーク値のうち短かい方が内
    壁であり、長い方が外壁であると認識する手段を有する
    ことを特徴とする建設図面認識装置。
  13. 【請求項13】 請求項乃至12のいずれか一項に記
    載の建設図面認識装置において、前記輪郭・骨格認識手
    段による認識結果を表示する表示手段を有することを特
    徴とする建設図面認識装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の建設図面認識装置に
    おいて、前記表示手段は、前記画像データ入力手段によ
    り入力したイメージ画像データを前記認識結果と同時に
    表示する手段を有することを特徴とする建設図面認識装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の建設図面認識装置に
    おいて、前記イメージ画像データを前記認識結果と同時
    に表示する手段は、前記イメージ画像データを前記認識
    結果と重ね合わせて表示する手段であることを特徴とす
    る建設図面認識装置。
  16. 【請求項16】 請求項13記載の建設図面認識装置に
    おいて、前記画像データ入力手段により入力したイメー
    ジ画像データと前記認識結果とを選択的に表示するよう
    に表示内容を変更する表示選定手段を有することを特徴
    とする建設図面認識装置。
  17. 【請求項17】 請求項乃至16のいずれか一項に記
    載の建設図面認識装置において、前記輪郭・骨格認識手
    段による認識結果を操作者が確認し、該認識結果を確定
    する認識結果確認手段を有することを特徴とする建設図
    面認識装置。
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