JP3606639B2 - 掘削作業車の掘削部構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、油圧ショベル等の掘削作業車の掘削部、例えばバケット回りの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の掘削作業車の掘削部構造としては、例えば実開昭59ー178455号公報に記載されているようなものが知られている。このものは、掘削作業車のアームの先端に掘削用のバケットを回動可能に連結するとともに、該アームに取り付けられたバケットシリンダのピストンロッドとバケットとの間に振動シリンダを介装し、流体切換え手段からの高圧流体を該振動シリンダのピストンの両側のシリンダ室に交互に導くことにより、前記バケットを振動させるようにしたものであって、前記振動シリンダのピストンの外径をバケットシリンダのピストンの外径よりも大としたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の掘削作業車の掘削部構造にあっては、振動シリンダへの高圧流体の単位時間当りの供給量が一定であるにも拘らず、振動シリンダのピストンの外径を大径としたため、振動シリンダの振動時におけるピストンの移動速度(バケット先端の振動時における移動速度)が遅くなり、この結果、バケットを振動させても掘削、転圧等の作業能力をあまり向上させることができないという問題点があった。しかも、このものは振動シリンダのピストンの外径を大径としてシリンダ室容積を大きくしているため、振動シリンダのシリンダ室内に高圧流体が流入を開始したとき、シリンダ室圧力は急激には立ち上がらず、若干の遅れを伴いながら徐々に上昇することになり、この結果、前記高圧流体の流入初期におけるバケットの作業能力が低くなってしまうという問題点もある。
【0004】
この発明は、振動時におけるバケットの作業能力を効果的に向上させることができる掘削作業車の掘削部構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、掘削作業車のアームの先端に掘削用のバケットを回動可能に連結するとともに、該アームに取り付けられたバケットシリンダのピストンロッドとバケットとの間に振動シリンダを介装し、流体切換え手段からの高圧流体を該振動シリンダのピストンの両側のシリンダ室に交互に導くことにより、前記バケットを振動させるようにした掘削作業車の掘削部構造において、前記振動シリンダのピストンのボトム側受圧面積をバケットシリンダのピストンのボトム側受圧面積より小とすることにより達成することができる。
【0006】
【作用】
掘削作業車のバケットによって土砂の掘削作業を行っているとき、この掘削作業の作業能率を向上させるためにバケットを振動させるが、このようなバケットへの振動付与は、流体切換え手段からの高圧流体を該振動シリンダのピストンの両側のシリンダ室に交互に導き、これにより、振動シリンダのピストンを振動させるとともに、この振動をバケットに伝達することで行われる。このとき、振動シリンダへの高圧流体の単位時間当りの供給量は一定であるため、前述のように振動シリンダのピストンのボトム側受圧面積をバケットシリンダのピストンのボトム側受圧面積より小とすると、振動シリンダのピストンの往動時における移動速度が高速となり、これにより、掘削方向へのバケット先端の移動速度も高速となる。ここで、このようなバケットの掘削力(出力エネルギー)はバケットの移動速度の2乗に比例するため、前述のようにバケット先端の移動速度が高速となると、バケットの掘削能力も効果的に向上するのである。また、振動シリンダのピストンのボトム側受圧面積をバケットシリンダのピストンのボトム側受圧面積より小とすることにより、振動シリンダのボトム側シリンダ室の容積を小さくしたので、振動シリンダのボトム側シリンダ室に対して高圧流体が流入を開始したとき、該ボトム側シリンダ室の圧力は殆ど遅れを生じることなく急激に上昇し、この結果、前記高圧流体の流入初期におけるバケットの作業能力が向上するのである。ここで、前記バケットシリンダのピストンのボトム側受圧面積を減少させていないので、バケットを回動させる駆動力が低減することはなく、この結果、前述の掘削力の向上を減殺するようなことはない。なお、バケットによって転圧、杭打ち、硬地盤の破壊を行う際あるいはバケットから土砂を振り落とす際の作用も同様である。
【0007】
また、振動シリンダのピストンのボトム側端面に振動シリンダのピストンロッドと平行でボトム側に向かって延びる補助ロッドを設けるとともに、該補助ロッドのボトム側端面に常時ガス圧を付与する加圧ガスが封入された加圧ガス室を前記シリンダ室から遮断した状態で振動シリンダ内に設けるようにすれば、振動シリンダのボトム側シリンダ室に高圧流体が供給されてピストンがヘッド側(往動方向)に移動する際、加圧ガスが補助ロッドのボトム側端面に作用してピストンにヘッド側に向かう付勢力を付与する。この結果、ピストンのヘッド側への移動速度がさらに高速となり、バケットの掘削能力がさらに向上する。また、振動シリンダのピストンにボトム側に向かう外力が付与されると、ピストンがボトム側に移動して補助ロッドが加圧ガス室内に押し込まれ加圧ガスの圧力が上昇するが、このピストンの移動は外力の大きさとガス圧力との関係で、前記外力と圧力上昇した加圧ガスが補助ロッドに付与する付勢力とのバランスによって停止する場合がある。このようにして振動シリンダのピストンに作用する外力は加圧ガスによって吸収相殺され、この結果、高圧流体が供給されることによって生じる振動シリンダの加振力に対する前述のような外力の影響が緩和される。
【0008】
【実施例】
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1、2において、 1は掘削作業車、例えば油圧ショベル 2の上下に揺動するブームであり、このブーム 1は油圧ショベル 2の図示していない旋回フレームに基端が連結されている。このブーム 1の先端には図示していないアームシリンダによって上下に揺動するアーム 3の基端部が連結され、このアーム 3の先端にはピン 4を介して土砂を掘削するバケット 5が回動可能に連結されている。 6はボトム側(基端側)がアーム 3の基端部に取り付けられたバケットシリンダであり、このバケットシリンダ 6のピストンロッド 7の先端は、一端がピン 8を介してアーム 3の先端部に連結されたリンク 9の他端部にピン10を介して連結されている。
【0009】
11はバケットシリンダ 6のピストンロッド 7の先端とバケット 5との間に介装された状態で連結され該バケット 5に振動を付与する振動シリンダであり、この振動シリンダ11はシリンダ本体12を有する。このシリンダ本体12の先端部にはカバー13が固定され、これらシリンダ本体12とカバー13とによりシリンダ室14が画成される。15はシリンダ室14内に摺動可能に収納されたピストンであり、このピストン15により前記シリンダ室14はヘッド側シリンダ室14aとボトム側シリンダ室14bとに区画される。前記ピストン15のヘッド側端面(先端面)にはピストンロッド16が一体形成され、このピストンロッド16は前記カバー13を貫通してヘッド側に突出している。前記ピストンロッド16の先端には連結ブラケット17が固定され、この連結ブラケット17と前記バケット 5とはピン18を介して連結されている。また、前記シリンダ本体12のボトム側端には連結ブロック19が固定され、この連結ブロック19に設けられたブラケット20に前記ピン10が挿入されることにより、振動シリンダ11のボトム側端はピストンロッド 7の先端に連結される。21、22は前記シリンダ本体12に形成された一対の給排孔であり、一方の給排孔21は一端がシリンダ本体12の外表面に開口するとともに、他端がヘッド側シリンダ室14aに連通し、また、他方の給排孔22は一端がシリンダ本体12の外表面に開口するとともに、他端がボトム側シリンダ室14bに連通している。
【0010】
また、前記ピストン15のボトム側端面(後端面)には前記ピストンロッド16と平行でボトム側(後端側)に向かって延びる補助ロッド23が一体的に設けられ、この補助ロッド23は前記ピストンロッド16と同径、同軸である。また、前記振動シリンダ11のピストン15のボトム側シリンダ室14bに面しているボトム側受圧面積A(ヘッド側受圧面積も同一面積)は前記バケットシリンダ 6のピストン24のボトム側受圧面積Bよりも小さく、この結果、高圧流体がヘッド側シリンダ室14aあるいはボトム側シリンダ室14bに供給されると、ピストン15は高速度で急激に立ち上がりながらボトム側あるいはヘッド側に移動する。前記補助ロッド23はシリンダ本体12の後端壁を貫通するとともに、ピストン15よりボトム側の振動シリンダ11内、詳しくは、連結ブロック19とシリンダ本体12との間に設けられた加圧ガス室25に突出しており、この加圧ガス室25は前記補助ロッド23より内径が大径である。また、この加圧ガス室25は前記シリンダ本体12の後端壁によってシリンダ室14から流体的に遮断されるとともに、その内部には所定圧の加圧ガス、例えば窒素ガスが封入されており、この結果、該補助ロッド23のボトム側端面には前記加圧ガスによってガス圧が常時付与されている。前述したシリンダ本体12、カバー13、ピストン15、ピストンロッド16、連結ブラケット17、連結ブロック19は全体として、前記振動シリンダ11を構成する。
【0011】
図1〜図12において、前記振動シリンダ11のアーム 3から離隔した外表面には介在ブロック28が固定され、この介在ブロック28のアーム 3から離隔した外表面には流体切換え手段29が固定されている。この流体切換え手段29はケース本体30を有し、このケース本体30内には後端から先端側に向かって延びる断面円形の収納孔31が形成されている。この収納孔31内には軸方向長さが収納孔31より短い中間ブロック32が収納され、この中間ブロック32内には後端から先端側に向かって延びている断面円形の弁室33が形成されている。中間ブロック32より後端側の収納孔31内には、中央に貫通した接続孔34が形成された円板状の仕切りプレート35が配置され、この仕切りプレート35より後端側の収納孔31内には円板状の固定プレート36が収納されている。ここで、固定プレート36は仕切りプレート35から所定距離だけ離れており、この結果、これら仕切りプレート35、固定プレート36間の収納孔31は空間となってモータ室37を構成する。この結果、このモータ室37と前記弁室33とは接続孔34を介して接続されていることになる。
【0012】
このモータ室37内には内接歯車型流体モータ38が収納され、この流体モータ38は、内周に複数、ここでは5個の内歯39が形成された略円筒状の内歯車40と、この内歯車40内に収納され、外周に内歯車40の内歯39に噛み合う複数、ここでは内歯39より1枚だけ少ない4枚の外歯41が形成され、内歯車40の軸線を中心として偏心回転(公転)する外歯車42と、から構成され、この外歯車42の中央部には内周にスプライン内歯43を有する貫通したスプライン孔44が形成されている。45は収納孔31の後端開口を閉止するようケース本体30の後端に固定されたカバーである。47は中間ブロック32、仕切りプレート35、内歯車40、固定プレート36を貫通するピンであり、このピン47の両端部はケース本体30およびカバー45にそれぞれ挿入固定されている。この結果、中間ブロック32、仕切りプレート35、内歯車40、固定プレート36はケース本体30およびカバー45に回り止めされながら固定されていることになる。前述したケース本体30、中間ブロック32、仕切りプレート35、固定プレート36、カバー45は全体としてケース48を構成する。
【0013】
前記弁室33内にはスライドベアリング51および内部に貫通孔52が形成された円筒状の回転弁体53とが収納され、この回転弁体53は流体モータ38の内歯車40と同軸関係を保持しながら軸線回りに回転することができる。そして、この回転弁体53の貫通孔52の内周にはスプライン内歯54が形成されている。58は接続孔34を貫通する連結ロッドであり、この連結ロッド58の先端側は貫通孔52内に挿入され、後端側がスプライン孔44内に挿入されている。そして、この伝達ロッド58の先端外周に形成されたスプライン外歯59は前記スプライン内歯54に噛み合い、また、その後端外周に形成されたスプライン外歯60は前記スプライン内歯43に噛み合い、これにより、伝達ロッド58は回転弁体53と流体モータ38の外歯車42とを連結する。そして、この伝達ロッド58は外歯車42が偏心回転すると、この外歯車42の回転を先端部を中心とする歳差運動をしながら回転弁体53に伝達し、該回転弁体53を軸線回りに回転させる。
【0014】
62は弁室33の内周と回転弁体53の外周との間、詳しくは回転弁体53の外周に形成された周方向に連続して延びる排出環状溝であり、この排出環状溝62の底面には貫通孔52に連通する半径方向に延びた連通孔63が形成されている。64は伝達ロッド58の中央部外周に一端が開口した排出孔であり、この排出孔64の他端は該伝達ロッド58の後端面に開口している。65はケース48内に形成され、一端がスプライン孔44に連通し他端がカバー45の外周に開口した排出通路であり、この排出通路65は排出環状溝62から連通孔63、貫通孔52、排出孔64を通じてスプライン孔44に流出した流体を排出する。67、68は弁室33の内周と回転弁体53の外周との間、ここでは回転弁体53の外周で排出環状溝62の軸方向両側にそれぞれ設けられた第1、第2供給環状溝であり、これらの第1、第2供給環状溝67、68は共に周方向に連続して延びている。69はケース48内に形成された第1供給通路であり、この第1供給通路69の一端は前記第1供給環状溝67に連通し、他端はカバー45の外周に開口している。そして、この第1供給通路69は流体を第1供給環状溝67に供給する。70はケース48内に形成された第2供給通路であり、この第2供給通路70の一端は前記第2供給環状溝68に連通し、他端はカバー45の外周に開口している。そして、この第2供給通路70は前記第1供給通路69から周方向に所定角度だけ離れて配置されるとともに、第2供給環状溝68に流体を供給する。
【0015】
72は回転弁体53の外周に周方向に等距離離れて形成された複数の第1凹溝であり、これらの第1凹溝72は第1供給環状溝67から排出環状溝62に向かって軸方向に延びている。73は回転弁体53の外周に周方向に等距離離れて形成された複数の第2凹溝であり、これらの第2凹溝73は第2供給環状溝68から排出環状溝62に向かって軸方向に延びている。74は回転弁体53の外周に周方向に等距離離れるとともに、第1凹溝72と周方向に交互に配置された複数の第3凹溝であり、これらの第3凹溝74は排出環状溝62から第1供給環状溝67に向かって軸方向に延びるとともに、第1供給環状溝67に近接する先端部が第1凹溝72の排出環状溝62に近接する先端部に周方向に重なり合っている。75は回転弁体53の外周に周方向に等距離離れて形成されるとともに、第2凹溝73と周方向に交互に配置された複数の第4凹溝であり、これらの第4凹溝75は排出環状溝62から第2供給環状溝68に向かって軸方向に延びるとともに、第2供給環状溝68に近接する先端部が第2凹溝73の排出環状溝62に近接する先端部に周方向に重なり合っている。
【0016】
77はケース48内に周方向に等距離離れて形成された複数、ここでは内歯車40の内歯39と同数の給排通路であり、これらの給排通路77の一端は前記第1、第3凹溝72、74同士の重なり合い部に対向するよう弁室33の内周に開口し、その他端は内歯車40と外歯車42との間の流体室78に内歯39間においてそれぞれ連通している。そして、これら給排通路77は第1凹溝72から流体室78に流体を供給あるいは流体室78から第3凹溝74に流体を排出する。80、81はケース48内に周方向に離れて形成された一対の誘導通路であり、これらの誘導通路80、81の一端は第2凹溝73、第4凹溝75同士の重なり合い部に対向するよう弁室33の内周に開口し、その他端は介在ブロック28に面接触しているケース48の外周面、詳しくはケース本体30の外周面に開口している。そして、前記誘導通路80、前記給排孔21同士および誘導通路81、前記給排孔22同士はそれぞれ前述した介在ブロック28内に形成された一対の流体通路82、83を介して接続されている。前述した中間ブロック32、回転弁体53は全体として、前記流体モータ38から伝達ロッド58を介して回転力を受けることにより、供給された高圧流体を高周波で切換える回転弁84を構成し、また、前記流体モータ38、ケース48、回転弁84は全体として、供給された高圧流体を切換えて前記一対の流体通路82、83に交互に供給する前述した流体切換え手段29を構成する。
【0017】
再び、図2において、90は前記油圧ショベル 2の運転台に設置された開閉弁であり、この開閉弁90と流体源としての流体ポンプ91とは供給通路92によって接続されており、この結果、前記流体ポンプ91が作動すると、排出源としてのタンク94から吸い込まれた流体は加圧されて前記供給通路92に吐出される。なお、95は供給通路92とタンク94との間に介装されたリリーフ弁である。また、前記開閉弁90と第1供給通路69および第2供給通路70の他端とは途中で二股に分かれた供給路96によって接続され、この供給路96の二股に分かれた部位にはそれぞれ流量調節弁97、98(流量調整弁でもよい)が介装されている。99はタンク94と排出通路65の他端とを接続する排出路である。
【0018】
次に、この発明の一実施例の作用について説明する。
今、油圧ショベル 2を作動してバケット 5により土砂の掘削作業を行っているとする。ここで、掘削している場所が硬地盤の場合には、バケット 5を振動させて掘削力を増大すれば掘削が容易となり、作業能率を向上することができる。この場合には、まず、開閉弁90を開位置に切換え、流体ポンプ91から吐出された高圧流体を供給通路92、供給路96、第1、第2供給通路69、70を通じて第1、第2供給環状溝67、68に供給する。このとき、ある給排通路77、誘導通路81が第1、第2凹溝72、73にそれぞれ連通するとともに、残りの給排通路77、誘導通路80が第3、第4凹溝74、75にそれぞれ連通しているとすると、前述したある給排通路77を通じて流体モータ38の流体室78の一部に第1供給環状溝67から高圧流体が供給される。これにより、流体モータ38の外歯車42は流入した流体から駆動力を受けて内歯車40の軸線を中心として偏心回転(公転)するが、このとき、該外歯車42は歯数が1枚だけ多い内歯車40に噛み合っているので、外歯車42は公転の他に自身の軸線回りに自転もする。ここで、伝達ロッド58のスプライン外歯59、60が回転弁体53、外歯車42のスプライン内歯54、43にそれぞれ噛み合っているため、この流体モータ38の外歯車42の自転に基づく回転駆動力が歳差運動をする伝達ロッド58を介して回転弁体53に伝達され、該回転弁体53を軸線回りに回転させる。このとき、流体モータ38の流体室78の一部から戻り流体が残りの給排通路77に押し出されるが、この流体は第3凹溝74、排出環状溝62、連通孔63、貫通孔52、排出孔64、排出通路65、排出路99を通じてタンク94に排出される。一方、第2供給環状溝68に供給された高圧流体は第2凹溝73、誘導通路81、流体通路83および給排孔22を通じて振動シリンダ11のボトム側シリンダ室14bに供給され、ピストン15をヘッド側(先端側)に往動させピストンロッド16を突出させる。このとき、ヘッド側シリンダ室14aから低圧の流体が排出されるが、この排出された戻り流体は給排孔21、流体通路82、誘導通路80、第4凹溝75、排出環状溝62、連通孔63、貫通孔52、排出孔64、排出通路65、排出路99を通じてタンク94に排出される。
【0019】
次に、前述した流体モータ38からの回転駆動力を受けて回転弁体53が若干回転すると、給排通路77と第1、第3凹溝72、74との連通形態が周方向にずれて高圧流体が供給される位置が周方向に移動し、これにより流体モータ38の外歯車42は同一方向に回転を継続する。なお、このときも流体モータ38から排出される戻り流体は排出環状溝62、排出通路65を通じてタンク94に排出される。一方、前述した回転弁体53の回転により、今まで第2凹溝73に連通していた誘導通路81は第4凹溝75に、第4凹溝75に連通していた誘導通路80は第2凹溝73に連通するようになり、この結果、流体ポンプ91からの高圧流体が第2供給環状溝68、誘導通路80、流体通路82を通じて振動シリンダ11のヘッド側シリンダ室14aに流入してピストン15を前述とは逆のボトム側(後端側)に復動させ、ピストンロッド16を引っ込ませる。なお、このとき、ボトム側シリンダ室14bから排出される戻り流体は流体通路83、誘導通路81、第4凹溝75、排出環状溝62、排出通路65を通じてタンク94に排出される。
【0020】
次に、流体モータ38により回転弁体53が同一方向にさらに若干回転すると、初期と同様に、ある給排通路77、誘導通路81が第1、第2凹溝72、73にそれぞれ連通するとともに、残りの給排通路77、誘導通路80が第3、第4凹溝74、75にそれぞれ連通するようになり、ピストンロッド16が再び突出するようになる。このようにして回転弁体53が回転して給排通路77と第1、第3凹溝72、74との連通形態が周方向に徐々にずれていくと、流体モータ38の外歯車42は連続的に同一方向に回転して回転弁体53を回転させる。また、この回転弁体53の回転により、誘導通路80と誘導通路81とが第2凹溝73と第4凹溝75とに交互に連通し、これにより、一対の流体通路82、83に高圧流体が交互に供給される。この結果、振動シリンダ11のピストン15の両側に設けられたヘッド側シリンダ室14aおよびボトム側シリンダ室14bに高圧流体が交互に導かれ、振動シリンダ11のピストン15およびピストンロッド16が高周波で繰り返し往復動(振動)するが、この往復動(振動)がバケット 5に伝達され該バケット 5を高周波で振動させる。このとき、振動シリンダ11への高圧流体の単位時間当りの供給量は一定であるため、前述のように振動シリンダ11のピストン15のボトム側受圧面積Aをバケットシリンダ 6のピストン24のボトム側受圧面積Bより小とすると、振動シリンダ11のピストン15のヘッド側への移動時(往動時)における該ピストン15の移動速度が高速となる。しかも、このとき、加圧ガス室25内の加圧ガスが補助ロッド23のボトム側端面を作用してピストン15にヘッド側(往動側)に向かう付勢力を付与するため、ピストン15のヘッド側への移動速度がさらに高速となる。このようなことから掘削方向へのバケット 5の先端の移動速度が高速となるのである。ここで、このようなバケット 5の掘削力(出力エネルギー)はバケット 5の移動速度の2乗に比例するため、前述のようにバケット 5の先端の移動速度が高速となると、バケット 5の掘削能力も効果的に向上し、前述のように硬地盤であってもこれを容易に破壊し掘削することができるようになる。また、前述のようにピストン15のボトム側受圧面積Aをピストン24のボトム側受圧面積Bより小とすることで、振動シリンダ11のボトム側シリンダ室14bの容積を小さくしたので、ボトム側シリンダ室14bに対する高圧流体の流入が開始したとき、該ボトム側シリンダ室14b内の圧力は殆ど遅れを生じることなく急激に上昇する。この結果、高圧流体の流入初期にバケット 5は掘削方向に急加速されながら移動し、その作業能力が向上するのである。ここで、バケットシリンダ 6のピストン24のボトム側受圧面積Bを減少させていないので、バケット 5を回動させる駆動力が低減するようなことはなく、この結果、前述の掘削力の向上を減殺するようなことはない。なお、前述のようなバケット 5に対する振動付与は、該バケット 5から付着土砂を振り落としたり、転圧時における転圧力、杭打ち時における打ち込み力、バケットティースによる硬地盤への打付け時における破壊力を向上させるために行ってもよい。
【0021】
また、前記振動シリンダ11のピストン15にボトム側に向かう外力が付与されると、該外力はピストン15、補助ロッド23を押圧してボトム側に移動させる。これにより、補助ロッド23は加圧ガス室25内に押し込まれて加圧ガスを圧縮し、該加圧ガスの圧力を上昇させる。そして、このピストン15のボトム側への移動は、外力の大きさとガス圧力との関係で、前記外力と圧力上昇した加圧ガスが補助ロッド23に付与する付勢力とのバランス状態によって停止する場合がある。このように振動シリンダ11のピストン15に外力が作用しても、該外力は加圧ガス室25内の加圧ガスによって吸収相殺されるため、高圧流体の供給によって生じる振動シリンダ11の加振力に対する前述のような外力の影響が緩和される。
【0022】
図13は、前記油圧ショベル 2のバケット 5を地面に接触(バケットシリンダ 6による押付け力は零)させた状態で振動シリンダ11に 210kg/cmの高圧流体を毎分36リットルだけ供給することによりバケット 5を振動させたときの、バケット 5による地面の押付け力を示すグラフである。ここで、バケットシリンダ 6、振動シリンダ11のピストンはいずれも片ロッド型の(補助ロッドが設けられていない)ものを用い、これらバケットシリンダ 6、振動シリンダ11のピストン外径等は以下の表1に示されている。
【表1】
Figure 0003606639
そして、この図13から理解されるように、振動シリンダ11のピストン15のボトム側受圧面積Aをバケットシリンダ 6のピストン24のボトム側受圧面積Bより小とすれば、バケット 5による押付け力を大幅に増大させることができる。そして、このような押付け力は振動周波数が10〜20Hzにおいて飛躍的に増大しているので、この振動シリンダ11は振動周波数が10〜20Hzの範囲において使用することが好ましい。
【0023】
なお、前述の実施例においては、加圧ガス室25に窒素ガスを封入したが、この発明においては、ヘリウム等の非活性ガスを封入するようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、振動時におけるバケットの作業能力を効果的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す油圧ショベルの掘削部近傍の正面図である。
【図2】振動シリンダ近傍を示す一部が回路で表された断面図である。
【図3】流体切換え手段の断面図である。
【図4】ケースの後端部の平面図である。
【図5】図3のAーA矢視断面図である。
【図6】図3のBーB矢視断面図である。
【図7】図3のCーC矢視断面図である。
【図8】図3のDーD矢視断面図である。
【図9】図3のEーE矢視断面図である。
【図10】図3のFーF矢視断面図である。
【図11】図3のGーG矢視断面図である。
【図12】図3のHーH矢視断面図である。
【図13】バケット振動時における押付け力を示すグラフである。
【符号の説明】
2…掘削作業車 3…アーム
5…バケット 6…バケットシリンダ
7…ピストンロッド 11…振動シリンダ
14a、14b…シリンダ室 15…ピストン
16…ピストンロッド 23…補助ロッド
24…ピストン 25…加圧ガス室
29…流体切換え手段

Claims (1)

  1. 掘削作業車 2のアーム 3の先端に掘削用のバケット 5を回動可能に連結するとともに、該アーム 3に取り付けられたバケットシリンダ 6のピストンロッド 7とバケット 5との間に振動シリンダ11を介装し、流体切換え手段29からの高圧流体を該振動シリンダ11のピストン15の両側のシリンダ室14a、14bに交互に導くことにより、前記バケット 5を振動させるようにした掘削作業車の掘削部構造において、前記振動シリンダ11のピストン15のボトム側受圧面積Aをバケットシリンダ 6のピストン24のボトム側受圧面積Bより小としたことを特徴とする掘削作業車の掘削部構造。
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