JP3938889B2 - 建設機械の油圧回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧ショベル等の建設機械に備えられ、原動機により駆動される複数の可変容量型油圧ポンプと、前記各可変容量型油圧ポンプから供給される圧油によって駆動される複数の標準アクチュエータと、前記複数の可変容量型油圧ポンプの1つから供給される圧油によって駆動されるオプションアクチュエータとを有する建設機械の油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
出願人は、複数の可変容量型油圧ポンプを用いて複数の標準アクチュエータを駆動し、複数の可変容量型油圧ポンプの内1つの油圧ポンプの吐出量は自已吐出圧のみによって容量制御手段(レギュレータ)を制御し、他の油圧ポンプは自已吐出圧と、前記1つの油圧ポンプの吐出圧を減圧弁により減圧した圧力とに基づき容量制御手段(レギュレータ)を制御することにより、前記複数の可変容量型油圧ポンプの消費トルク(馬力)がこれらを駆動する原動機の出力トルク(馬力)を越えないように制御するとともに前記1つの油圧ポンプの吐出圧が大きくなった場合でも残りの油圧ポンプの吐出量が極端に減少することを防ぐようにした油圧回路を特願2001−042082号によって提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
建設機械、例えば、油圧ショベルでは土砂掘削用バケット(標準の作業具)に代えてブレーカや穿孔機等の油圧駆動の作業具(以下オプション作業具と言う)をフロント部の先端等に取り付け、これらのオプション作業具を複数の標準アクチュエータ以外のオプションアクチュエータで駆動する場合がある。通常このような場合には、オプションアクチュエータを複数の油圧ポンプのうち特定の1つの油圧ポンプから供給される圧油により駆動しているが、この所定の1つの油圧ポンプから供給される圧油は、標準アクチュエータ、例えば旋回モータへも供給される。
【0004】
ところで、オプション作業具には、1つの油圧ポンプからの圧油によってオプションアクチュエータ(以下油圧モータで代表する)を駆動し、油圧モータの回転により起震機を駆動して棒状の器具に所定数の振動を与え、コンクリート打設の際、練り混ぜたコンクリートに振動する棒状の器具を挿入してコンクリート中の空気(気泡)を追い出し、コンクリートの流動性を良くして、綿密で強度の高いコンクリートを作り上げるコンクリートバイブレータがある。
【0005】
このコンクリートバイブレータは、打設されたコンクリートの固さや棒状器具の挿入位置等によって油圧モータにかかる負荷圧が変動する。
【0006】
このコンクリートバイブレータを使用する場合に、上述した従来技術のように所定の1つの油圧ポンプの容量制御手段(レギュレータ)に自己吐出圧を導いて吐出圧の変化に応じて吐出量を制御した場合には、油圧モータの負荷変動によって油圧ポンプの負荷圧が所定の値を越えると油圧ポンプの吐出量が減少し、これに伴って油圧モータの回転数も減少するので、起震機の振動数が変化して棒状器具に所定数の振動を与えることが出来なくなり、コンクレート中の気泡を追い出し流動性を良くすると言う機能を果たさなくなる場合が生じる。
【0007】
また、同様に油圧モータの回転で駆動される起震機を平板上に取り付け、平板の所定数の振動によって砂質地盤を締め固めるコンパクターをオプション作業具として適用した場合にも、負荷変動によって油圧モータの回転数が変化し、所定の締め固め機能を損なうこととなる。
【0008】
本発明は上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、1つの油圧ポンプによって標準アクチュエータと常にほぼ一定流量が必要なオプション作業具用オプションアクチュエータ(油圧モータ等)とを駆動する場合、オプションアクチュエータの駆動圧変化により前記1つの油圧ポンプの吐出圧が変化(増大)してもこの油圧ポンプの吐出量が変化(減少)せず、一定流量がオプションアクチュエータに供給できるようにした建設機械の油圧回路を提供することにある。
【0009】
また、本発明の第2の目的は、1つの油圧ポンプによってオプションアクチュエータを駆動する場合に、オプションアクチュエータの駆動圧変化にかかわらず前記1つの油圧ポンプの吐出量を常にほぼ一定に保持するとともに、前記1つの油圧ポンプの吐出圧が所定の値以上になりその消費トルクが前記1つの油圧ポンプの可変容量型ポンプとして設定された最大トルク値(最大トルク線)を越えて増大した場合(固定容量型油圧ポンプとして使用される)には、前記1つの油圧ポンプによって標準アクチュエータを駆動する場合に比して、他の可変容量型油圧ポンプの消費トルク(馬力)をさらに減少させて、複数の可変容量型油圧ポンプの総消費トルク(馬力)がこれらを駆動する原動機の出力トルク(馬力)を越えないように制御する建設機械の油圧回路を提供することにある。
【0010】
本発明の第3の目的は、オプション作業具としてコンクリートバイブレータを取り付けた場合に、コンクリートバイブレータの負荷の大小にかかわらず所要の振動数がコンクリートバイブレータに与えられる建設機械の油圧回路を提供することにある。
【0011】
【問題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、請求項1に係わる発明は、原動機と、この原動機によって駆動される複数の可変容量型油圧ポンプと、各可変容量型油圧ポンプの押しのけ容積を制御する容量制御手段と、前記複数の可変容量型油圧ポンプから供給される圧油によって駆動される複数の標準アクチュエータと、前記複数の可変容量型油圧ポンプの1つから供給される圧油によって駆動されるオプションアクチュエータと、これらの各アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する複数の方向制御弁と、前記複数の方向制御弁を切り換え操作する複数の操作手段と、前記各可変容量型油圧ポンプの自己の吐出圧を自己の前記容量制御手段に導く導出管路とを有する建設機械において、前記オプションアクチュエータを駆動する可変容量型油圧ポンプの前記自己の吐出圧を自己の容量制御手段に導く管路上に、前記オプションアクチュエータの駆動を指示する信号によって前記自己の吐出圧を遮断するONーOFF弁を設けたものである。
【0012】
このように構成した請求項1に係わる発明では、1つの可変容量型油圧ポンプがオプションアクチュエータを駆動するときには、駆動圧が変動してもオプションアクチュエータへの吐出量がほぼ一定に保たれるように制御される。
【0013】
本発明の第2の目的を達成するために、請求項4に係わる発明は、前記オプションアクチュエータに圧油を供給する所定の可変容量型油圧ポンプが、少なくとも1つの標準アクチュエータに対しても圧油の供給を行うように接続されるとともに前記所定の可変容量型油圧ポンプの自己の吐出圧を他の可変容量型油圧ポンプの容量制御手段に導く導出管路と、この導出管路上に前記吐出圧を所定の設定圧以下に制限する減圧弁を備え、前記オプションアクチュエータが操作されると、前記減圧弁の前記所定の設定圧を変更する減圧弁設定圧変更手段を設けたものである。
【0014】
このように構成した請求項4に係わる発明によれば、オプションアクチュエータを駆動する可変容量型油圧ポンプの消費トルクが標準アクチュエータを駆動する場合の最大トルクを越えた場合でも、この可変容量型油圧ポンプと他の可変容量型油圧ポンプの総消費トルク(馬力)がこれらを駆動する原動機の出力トルクを越えないように制御される。
【0015】
本発明の第3の目的を達成するために、請求項9に係わる発明は、オプションアクチュエータがコンクリートバイブレータの起震機を駆動する油圧モータであることを特徴とするものである。
【0016】
請求項9に係わる発明によれば、オプション作業具としてコンクリートバイブレータを取り付けた場合に、コンクリートバイブレータの起震機を駆動する油圧モータの駆動圧が変動しこの油圧モータに圧油を供給する可変容量型油圧ポンプの負荷圧が増大しても、この油圧ポンプの吐出量は一定に保たれ所定の振動数がコンクリートバイブレータに与えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0018】
本実施の形態は、建設機械としてフロント部にオプション作業具としてコンクリートバイブレータ取りつけた油圧ショベルに適用したものであり、図1〜図5は第1の実施の形態を説明するもので、図1は全体の油圧回路、図2は要部油圧回路図、図3はオプションアクチュエータ(油圧モータ)と標準アクチュエータ(旋回モータ)を駆動する可変容量型油圧ポンプの吐出流量特性図および入力トルク線図、図4は標準アクチュエータ(ブームシリンダ等)のみを駆動する可変容量型型油圧ポンプの吐出流量特性図および入力トルク線図、図5はオプション作業具としてコンクリートバイブレータを取り付けた油圧ショベルの外観図である。
【0019】
図5に示すように、本実施の形態が適用される油圧ショベルは、不図示の走行モータによって走行可能な走行体40と、運転室42および機械室43を有し走行体40に対して旋回モータ14によって旋回可能な旋回体41と、作業機としてのフロント47とを有し、フロント47は旋回体41の前部にブームシリンダ11の伸縮によって俯仰動可能に支持されたブーム44、ブーム44の先端部にアームシリンダ12によって回動可能に支持されたアーム45、アーム45の先端部にシリンダ13によって回動可能に支持されたオプション作業具としてのコンクリートバイブレータ46より構成されている。
【0020】
コンクリートバイブレータ46は例えば4個の油圧モータ46aによって起震機(各偏芯振動子)46bを回転させ4個の棒状器具46cに所定数の振動を与え、コンクリート打設の際、練り混ぜたコンクリート48に振動する4個の棒状の器具46cを挿入してコンクリート中の空気(気泡)を追い出し、コンクリートの流動性を良くして、綿密で強度の高いコンクリートを作り上げるものである。
【0021】
図1はブームシリンダ11、アームシリンダ12、コンクリートバイブレータ姿勢制御用のシリンダ13(油圧ショベルのバケット用シリンダを流用する)、旋回モータ14およびコンクリートバイブレータ振動発生用の油圧モータ46aに対する油圧回路の全体図を示す。なお、走行モータとこれに関する油圧回路については省略している。また操作パイロット系についてはコンクリ−トバイブレータ操作用のみを示し他は省略している。同図に示すように第1の実施の形態による油圧回路は、原動機(エンジン)5により駆動する可変容量型の油圧ポンプ1,2,3と固定容量のパイロットポンプ4とを有している。
【0022】
油圧ポンプ1から主管路22に吐出された圧油は方向制御弁8,15によりその流れが制御されシリンダ13,アームシリンダ12へ導かれる。また、油圧ポンプ2から主管路23に吐出された圧油は方向制御弁9によりその流れが制御されブームシリンダ11へ導かれる。油圧ポンプ3から主管路24に吐出された圧油は方向制御弁16によりその流れが制御され旋回モータ14へ導かれ、またオプション用方向制御弁10によりその流れが制御されコンクリートバイブレータ46の振動発生用の油圧モータ46aへ導かれる。
【0023】
オプション用方向制御弁10の切換用ポート10aはパイロット管路32によりコンクリートバイブレータ操作用のパイロット弁31に接続され、パイロット弁31からのパイロット圧Paにより中立位置から油圧モータ46a駆動位置に切り換えられる。パイロット弁31には管路25を介してパイロットポンプ4から吐出された圧油が供給されている。なお、図1において図5の4個の油圧モータ46aは1つの油圧モータ46aによって代表されている。図示しないが、4個の油圧モータ46aはシリーズ油圧回路またはパラレル油圧回路で油圧ポンプ3に接続される。55は圧油の貯油タンクである。
【0024】
油圧ポンプ1,2,3は、1回転当たりの吐出流量を押しのけ容積可変機構(以下斜板で代表する)1a,2a,3aの傾転角(押しのけ容積)を変えることにより調整可能な斜板ポンプであり、斜板1a,2aの傾転角は油圧ポンプ1,2の容量制御手段としてのレギュレータ6により制御され、斜板3aの傾転角は油圧ポンプ3の容量制御手段としてのレギュレータ7により制御される。
【0025】
このレギュレータ6,7を含む油圧回路の要部詳細を図2に基づき説明する。なお、この図2では、各アクチュエータを各操作パイロット弁(油圧モータ46a用以外は不図示)からの操作パイロット圧信号に応じた速度で駆動するために油圧ポンプ1,2、3に要求される流量に応じてその斜板1a,2a,3aを増加あるいは減少させる流量制御機構については、図示を省略している。
【0026】
レギュレータ6,7は、油圧ポンプ1,2,3の入力トルクを制限する機能を有し、サーボシリンダ6a,7aと傾転制御弁6b,7bとで構成されている。サーボシリンダ6a,7aは受圧面積差で作動する差動ピストン6e,7eを有し、この差動ピストン6e,7eの大径側受圧室6c,7cは傾転制御弁6b,7bを介してパイロット管路25から分岐したパイロット管路28の枝管路28a,28cおよびタンク55に接続され、小径側受圧室6d,7dはパイロット管路28の枝管路28b,28dに接続されてパイロットポンプ4の吐出圧P0が直接作用している。そして、大径側受圧室6c,7cが枝管路28a,28cに連通すると、差動ピストン6e,7eは受圧面積差により図示右方に駆動され、斜板1a,2a,3aの傾転角、すなわち油圧ポンプ1,2,3の傾転が減少し、油圧ポンプ1,2,3の吐出量を減少させる。大径側受圧室6c,7cがタンク55に連通すると差動ピストン6e,7eは圧力差により図示左方に駆動され、斜板1a,2a,3aの傾転角、すなわちポンプ傾転が増加し、油圧ポンプ1,2,3の吐出量を増加させる。
【0027】
傾転制御弁6b,7bは、入力トルク制限用の弁であり、スプール(弁体)6g,7gとばね6f,7fと操作駆動部6h,6i,7hとで構成されている。
【0028】
油圧ポンプ1から吐出された圧油(吐出圧P1)と油圧ポンプ2から吐出された圧油(吐出圧P2)は、それぞれ主管路22,23から分岐された導出管路17,18によりシャトル弁26に導かれ、シャトル弁26によって選択された高圧側の圧油P12が導出管路27を介し、油圧ポンプ1,2用の傾転制御弁6bの操作駆動部6hに導かれる。また、油圧ポンプ3から吐出された圧油(吐出圧P3)は、主管路24から分岐された導出管路19上に設けられ後述するトルク制限手段としての減圧弁20により減圧され(P3′)、管路21を介してもう一つの操作駆動部6iに導かれる。
【0029】
減圧弁20は、ばね20aと減圧弁20からの吐出圧がフィードバックされる受圧部20bとを有し、油圧ポンプ3の吐出圧P3がばね20aにより設定される所定の値以上になると通過する圧油の絞り量を大きくする。これにより、油圧ポンプ3の吐出圧P3が減圧され、管路21を介して傾転制御弁6bの駆動操作部6iへ導かれる圧力P3′が所定の圧力値(図3のP30)以上にならないようになっている。
【0030】
そして、傾転制御弁6bは、操作駆動部6h,6iへの油圧P12,P3′によってスプール6gに作用する左方への押付力がばね6fのスプール6gの右方への押付力より弱いと、スプール6gが図示右方に移動し、サーボシリンダ6aの大径側受圧室6cをタンク55に連通して油圧ポンプ1,2の斜板1a,2aの傾転角を増大させ、操作駆動部6h,6iへの油圧P12,P3′の値が上昇しスプール6gに作用する左方への押し付け力が前記ばね6fの右方への押付力より強くなると、スプール6gが図示左方に移動し、大径側受圧室6cをパイロット管路28の枝管路28aに連通して油圧ポンプ1,2の斜板1a,2aの傾転角を減少させる。
【0031】
一方、油圧ポンプ3用の傾転制御弁7bの操作駆動部7hには、油圧ポンプ3の吐出圧P3が導出管路19、その枝管路19aおよびON−OFF圧力制御弁22を介して導かれる。ON−OFF圧力制御弁22はパイロット管路33を介してコンクリートバイブレータ操作用のパイロット弁31に接続され、パイロット弁31にパイロット圧Paが発生するとOFF(連通位置)からON(遮断位置)に切り換えられて吐出圧P3の操作駆動部7hへの伝達を遮断する。
【0032】
そして、ON−OFF圧力制御弁22がOFF(連通位置)のとき、傾転制御弁7bは、操作駆動部7hへの油圧P3によってスプール7gに作用する左方への押付力がばね7fのスプール7gの右方押付力より弱いと、スプール7gが図示右方に移動し、サーボシリンダ7aの大径側受圧室7cをタンク55に連通して油圧ポンプ1,2の斜板1a,2aの傾転角を増大させ、操作駆動部7hへの油圧P3の値が上昇しスプール7gに作用する左方への押し付け力が前記ばね7fの右方への押付力より強くなると、スプール7gが図示左方に移動し、大径側受圧室7cをパイロット管路28の枝管路28cに連通して油圧ポンプ3の斜板3aの傾転角を減少させる。
【0033】
また、ON−OFF圧力制御弁22がON(遮断位置)のとき、油圧ポンプ3の吐出圧P3は操作駆動部7hへ作用せず、ばね7fの右方への押し付け力によってスプール7gは常に右方に位置し、サーボシリンダ7aの大径側受圧室7cをタンク55に連通しており、斜板3aは操作パイロット圧信号Paに応じた速度で油圧モータ46aを駆動するために油圧ポンプ3に要求される最大の傾転位置に図示しない油圧ポンプ3の流量制御機構によりP3の大きさに関係なく制御される。
【0034】
図3はレギュレータ7の制御弁7bによる油圧ポンプ3の入力トルク制限制御特性および流量特性線とON−OFF圧力制御弁22がONに切り換えられレギュレータ7が働かない(前記吐出圧P3は操作駆動部7hへ作用しない)場合の油圧ポンプ3の入力トルクおよび流量特性線を示すものである。横軸は油圧ポンプ3の吐出圧P、縦軸は油圧ポンプ3の吐出量Qとしたもので、破線で示す最大入力トルク(馬力)線cは、レギュレータ7が働く場合に予め油圧ポンプ3に対して傾転制御弁7bのばね7fで設定された入力トルク(馬力)の制限値である。また、入力トルク(馬力)線c′は、コンクリートバイブレータ振動発生用の油圧モータ46a駆動時、油圧モータ3に想定される最大負荷圧P40に相当する入力トルク(図3のオ点)を示す。
【0035】
旋回モータ14を駆動すると、油圧ポンプ3の斜板3aの傾転角は傾転制御弁7bの操作駆動部7hに導かれる油圧ポンプ3の吐出圧P3によって制御され、油圧ポンプ3は図3に示す流量特性線アーイーウーエに沿って吐出流量が変化する。すなわち、油圧ポンプ3の吐出圧P3が比較的低圧の場合には傾転角は大きく、吐出量も多くなるが、吐出圧3が高くなるにつれて傾転角を減じてその吐出量を減らし、予め設定された前記最大入力トルク(馬力)線cを越えないようにその傾転角が制御される。
【0036】
また、パイロット弁31を操作し、コンクリートバイブレータ振動発生用の油圧モータ46aを駆動すると、油圧ポンプ3の流量特性は図3に示すアーオに沿って吐出量が一定となり、油圧ポンプ3の入力トルクは油圧ポンプ3の吐出圧の増加にともなって大きくなり、コンクリートバイブレータ振動発生用の油圧モータ46a駆動時に油圧モータ3に想定される最大負荷圧P40で入力トルク線c′上のオで最大となる。
【0037】
図4は横軸を油圧ポンプ1,2の吐出圧P、縦軸は第1,第2油圧ポンプ1,2の吐出量Qとしたもので、破線で示す最大入力トルク(馬力)線aは、予め油圧ポンプ1および油圧ポンプ2に対してばね6fで設定された入力トルク(馬力)の制限値である。
【0038】
ブームシリンダ11、アームシリンダ12およびコンクリートバイブレータ姿勢制御用シリンダ13のうちのいずれかを単独または同時駆動すると、その要求流量に応じて不図示の流量制御機構により斜板1a,2aの傾転角が増加し、油圧ポンプ1または2からの吐出量が増加する。この吐出量の増加および各シリンダの負荷圧により油圧ポンプ1または2からの吐出圧P1またはP2が大きくなり、傾転制御弁6bの操作駆動部6hの圧力P12が上昇し、スプール6gの図2の左方への押し付け力が増加する。
【0039】
旋回モータ14およびコンクリートバイブレータ46が作動していない場合には油圧ポンプ3の吐出油はタンク55に排出され、吐出圧P3は非常に低圧の状態なので操作駆動部6iに付与されるP3′も極めて低圧の状態を保持する。
【0040】
したがって、油圧ポンプ1,2の斜板1a,2aの傾転角は操作駆動部6jの第1受圧室6hに導かれる油圧ポンプ1,2の吐出圧P1,P2の代表圧P12によって制御され、図4に示す流量特性線カーキークーケに沿って吐出流量が変化する。すなわち、第1,2油圧ポンプ1,2の吐出圧P1,P2が比較的低圧の場合には傾転角は大きく、吐出量も多くなるが、吐出圧P1,P2が高くなるにつれて傾転角を減じてその吐出量を減らし、予め設定された上記最大入力トルク(馬力)線aを越えないようにその傾転角が制御される。
【0041】
この状態で、旋回モータ14が作動されると、その要求流量に応じて不図示の流量制御機構により斜板3aの傾転角が増加し、これに伴って油圧ポンプ3からの吐出量が増加し、吐出圧P3に応じ前述の図3に示す流量特性に沿って、油圧ポンプ3の斜板3aの傾転角が減少する。すなわち、油圧ポンプ3に対して予め設定された最大入力トルクcを越えない範囲で傾転角が制御される。
【0042】
この場合、油圧ポンプ3用レギュレータ7による制御には油圧ポンプ1および油圧ポンプ2の吐出圧P1、P2が反映されないため、例えば同時作動中のブームシリンダ11やアームシリンダ12などの負荷圧が変動しても油圧ポンプ3から旋回モータ14への供給流量は変動しない。
【0043】
一方、油圧ポンプ3からの吐出圧P3は、減圧弁20を介し油圧ポンプ1,2のレギュレータ6に導かれている。すなわち、傾転制御弁6bの操作駆動部6hには油圧ポンプ1,2からの吐出圧P12が作用し、さらに、もう1つの操作駆動部6iには油圧ポンプ3からの吐出圧P3が減圧されたP3′が付与されるため、レギュレータ6による油圧ポンプ1,2の傾転角が旋回モータ4を駆動していない場合よりもさらに小さく減じられる。このため、減圧弁20から付与される圧力P3′の値に応じて、図4に示す流量特性線カ−キ−ク−ケ−シ−サ−コでか囲まれる領域の値に制御されるようになる。
【0044】
第1の実施の形態では減圧弁20のばね20bは、傾転制御弁6bに伝達されるP3′が図3のP30以下に成るように設定されており、流量特性線コーサーシは油圧ポンプ1,2の最大トルクaから圧力P30に相当する油圧ポンプ3の入力トルク分(図3のイ点)を差し引いたトルクb(図4に破線で示す曲線b)に対応する。この圧力P30は油圧ポンプ3の吐出量制御が実施されない最大圧力でありこの圧力P30に相当する入力トルクは、油圧ポンプ3に割り当てられた最大入力トルクcとほぼ同等かそれよりも若干小さい値となる。このため、旋回負荷が増加しても、油圧ポンプ1,2からの吐出量は、少なくとも図4のカーコーサーシで示される流量が確保され、ブームシリンダ11またはアームシリンダ12もしくはコンクリートバイブレータ姿勢制御用シリンダ13の動作速度が極端に低下することを回避できる。
【0045】
このように、コンクリート打設に際して、ブームシリンダ11、アームシリンダ12、コンクリートバイブレータ姿勢制御用シリンダ13や旋回モータ14を単独または同時に駆動して、練り混ぜたコンクリート48中にコンクリートバイブレータ46の棒状器具46cを位置決めした後、パイロット弁31を単独で操作すると、パイロット圧Paを発生してオプション用方向制御弁10が切り換わり、コンクリートバイブレータ46の各振動発生用油圧モータ46aが油圧ポンプ3の圧油によって駆動され、各振動発生用油圧モータ46aが各偏芯振動子46bを回転して4個の棒状器具46cに振動を与える。
【0046】
そして、この作業中は、パイロット圧Paは管路33を介してON−OFF弁22に作用し、ON−OFF弁22はONに切り換えられるので、傾転制御弁7bの操作駆動部7hに作用していた油圧ポンプ3の圧油(吐出圧P3)は遮断され、油圧ポンプ3の入力トルク制御が解除される。
したがって、油圧ポンプ3の圧油の吐出量は油圧モータ46aの負荷変動、すなわち、油圧ポンプ3の吐出圧の変化にかかわらず、パイロット弁31からのパイロット圧Paに応じてほぼ一定となり、これによって4個の棒状器具46cには常に所定数の振動が与えられる。
【0047】
本発明の第1の実施の形態によれば、複数の可変容量型油圧ポンプによって油圧ショベルのブームシリンダ、アームシリンダ、旋回モータ等の標準アクチュエータを駆動し、その内の1つの可変容量型油圧ポンプによって、コンクレートバイブレータ振動発生用の油圧モータを駆動する場合に、その1つの可変容量型油圧ポンプの吐出量を油圧モータの負荷変動による油圧ポンプの負荷圧の如何にかかわらず常にほぼ一定に保持できるので、コンクリートに挿入する棒状器具46cには油圧モータによって常に所定数の振動が与えられ、コンクリートの流動性が常に良好となって綿密で強度の高いコンクリートが打設することができる。
【0048】
図6は本発明の第2の実施の形態を示すもので、図1と同一の符号を付した油圧ポンプ3の吐出圧P3を傾転制御弁7bの操作駆動部7hに作用させる管路19の枝管路19aには図1のONーOFF圧力制御弁22の代わりにONーOFF電磁弁32が設けられる。ONーOFF電磁弁32はOFF(連通位置)とON(遮断位置)とを有し、油圧ショベルの運転室に設置(図示せず)されたコンクリートバイブレータ作動モード起動スイッチ34が入るとOFFからON位置に切り変わり、吐出圧P3の操作駆動部7hへの伝達を遮断する。その他の実施の形態の構成および作用は第1の実施の形態と同様である。
【0049】
本発明の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と全く同様の効果を奏する。
【0050】
図7乃至図9は本発明の第3の実施の態様を示すもので、図7において第1図で説明した部分と同一の部分には同一の符号を付している。
【0051】
31aはパイロット弁31内に設けられたコンクリートバイブレータ46の操作信号検出器で、パイロット弁31を操作しパイロット圧Paをオプション用方向制御弁10に出力すると、コンクリートバイブレータ操作信号Pa1を電気信号として検出し、コントローラ50に伝達する。43は圧力検出器で油圧ポンプ3の吐出圧P3を吐出圧信号(電気信号)Pmとして検出しコントローラ50に伝達する。
【0052】
コントローラ50は、図8に示すように、操作信号検出器31aのコンクリートバイブレータ操作信号Pa1および吐出圧信号Pmを入力する入力部50a、所定の演算処理を行う演算部50b、演算プログラムを記憶しROMおよび演算途中の値を一時的に記憶するRAM等からなる記憶部50c、演算部50bで演算した結果を駆動電流Iとして電磁比例減圧弁41へ出力する出力部50dを備えている。そしてコンクリートバイブレータ操作信号Pa1が入力されかつ油圧ポンプ3の吐出圧Pmが所定の値(図3のP30)より高くなると、記憶部50cに記憶してあるテーブルに参照させ、演算部50bでPm増加に応じて増大する駆動電流Iの値を演算し、出力部50dから演算された駆動電流Iを電磁比例減圧弁41に出力する。
【0053】
電磁比例減圧弁41はパイロットポンプ4と減圧弁20の設定圧を変更するパイロット油室20cを結ぶ管路42の途中に設けられ、駆動電流Iが入力されるとパイロットポンプ4の吐出圧を減圧して駆動電流Iの増加に応じて増大するパイロット圧信号Pbを減圧弁20aのパイロット油室20cに出力する。
【0054】
図9は油圧ポンプ3の吐出圧P3を横軸、電磁比例減圧弁41の出力圧(パイロット圧信号)Pbを縦軸に取って両者の関係を示したもので、吐出圧P3が可変容量油圧ポンプ3として設定された最大トルクcに対応するP30(図3の最大流量Qのイ点)を越えて上昇すると、電磁比例減圧弁41から出力圧(パイロット圧信号)Pbが出力され、この出力圧PbはP3の増加に比例して増大する。
【0055】
前述のように、減圧弁20のばね20aは傾転制御弁6bの駆動操作部6iへ油圧ポンプ3から導かれる圧力P3′が図3のP30以上にならないよう設定しているが、第3の実施の形態ではP3がP30以上になるとさらにパイロット油室20cにパイロット圧Pbを導くことによって、減圧弁20から出力される圧力P3′の制限設定圧が図3のP40(コンクリートバイブレータ46の振動発生用油圧モータ46a駆動時に油圧モータ3に想定される最大負荷圧)になるまでP3の増加に比例して増大するよう設定される。
【0056】
この場合、傾転制御弁6bの駆動操作部6iへ油圧ポンプ3から導かれる最大圧力はP40となり、図4の油圧ポンプ1,2の流量特性スーセーソは油圧ポンプ1,2の最大トルクaから圧力P40に相当する油圧ポンプ3の入力トルク分c´(図3のオ点)を差し引いたトルクd(図4に破線で示す曲線d)に対応する。
【0057】
このため、コンクリートバイブレータ46の棒状器具46cを打設するコンクリート中に挿入して油圧ポンプ3により振動発生用油圧モータ46aを駆動しつつ、油圧ポンプ1,2によりブームシリンダ11,アームシリンダ12等を同時に駆動してコンクリートバイブレータ46の位置や姿勢を制御すると、油圧ポンプ1,2からの吐出量は、図4に示す流量特性カ−キ−ク−ケ−ソ−セ−スで囲まれる領域の値に制御され、油圧ポンプ1,2には少なくとも流量特性カースーセーソで示される流量が確保される。
【0058】
そして、油圧モータ46aの負荷が上昇して油圧ポンプ3の消費トルクが可変容量型の油圧ポンプ3に設定された最大トル線cを越えた場合にも、油圧モータ3およびブームシリンダ11、アームシリンダ12等を駆動する油圧ポンプ1,2の総消費トルク(馬力)がこれらの油圧ポンプ1,2,3を駆動する原動機5の出力トルクを越えないように制御される。
【0059】
したがって、ブームシリンダ11、アームシリンダ12等による位置、姿勢制御の最小限の動きを確保しつつ、コンクリートバイブレータ46の振動発生用油圧モータ46aを同時に駆動することが可能となる。
【0060】
本発明の第3の実施の形態によれば、コンクリートバイブレータ46の振動発生用油圧モータ46aを駆動しつつ、コンクリートバイブレータ46の位置、姿勢制御を原動機が停止することなく行うことができるので、綿密で強度の高いコンクリート仕上げ作業を非常に能率良く行うことができる。
【0061】
図10は本発明の第4の実施の形態を示すもので、図10において第7図で説明した部分と同一の部分には同一の符号を付している。
【0062】
図10において、コントローラ50′はコンクリートバイブレータ操作信号Pa1を入力し、一定の駆動電流I0を電磁比例減圧弁41へ出力する。この駆動電流I0は電磁比例減圧弁41から図9のP40に対応する出力圧Pbが出力されるように設定される。
【0063】
したがって、図10の実施の形態ではパイロット弁31が操作されコントローラ50′にコンクリートバイブレータ操作信号Pa1が入力されると、減圧弁20aの設定圧上昇側ポート20cには常にP40に対応する出力圧Pbが作用し、
減圧弁20から出力される圧力P3′の制限設定圧が図3のP40になるように設定される。したがって、この場合にも、油圧ポンプ1,2には少なくとも流量特性カースーセーソで示される流量が確保さる。
【0064】
本発明の第4の実施の形態によれば、第3の実施の形態と全く同様の効果を奏することができる。
【0065】
なお、第1〜第4の実施の形態では油圧ショベルのオプション作業具として、負荷変動にかかわらず油圧ポンプから一定の流量を供給し所定の振動数の発生を必要とするコンクリートバイブレータに適用した例で説明したが、本発明を同様に負荷変動にかかわらず所定の振動数の発生を必要するコンパクターや負荷変動にかかわらず油圧ポンプから一定の流量を供給し所定の回転数で刃やチェーンの駆動が必要な草刈機や地雷除去機等に適用した場合にも同様の作用、効果を奏する。
【0066】
また、本発明は油圧ショベルに限らず、他の建設機械、例えば、ホイルローダやトラクターショベル等において、複数の複数の可変容量型油圧ポンプと、各可変容量型油圧ポンプの押しのけ容積を制御する容量制御手段と、前記複数の可変容量型油圧ポンプから供給される圧油によって駆動される複数の標準アクチュエータと、前記複数の可変容量型油圧ポンプの1つから供給される圧油によって駆動されるオプションアクチュエータ有し、このオプションアクチュエータが一定の流量でオプション作業具を駆動することが必要な場合に適用しても同様の作用、効果を奏する。
【0067】
さらに、本発明の第1〜第4の実施の形態では、オプションアクチュエータを駆動する可変容量型油圧ポンプの前記自己の吐出圧を制御する圧力制御手段として、オプションアクチュエータの駆動を指示する信号によって前記自己の吐出圧を遮断するONーOFF弁を前記自己の吐出圧を自己の容量制御手段に導く管路上に設けた例で示したが、前記管路上に前記自己の吐出圧の減圧手段やタンクに連通する手段等を設けて前記自己の吐出圧による自己の容量制御手段の制御を無効とするようにしても良い。
【0068】
なお、第1〜第4の実施の形態では、入力トルク制限用の傾転制御弁6bのばね6fに対抗して可変容量型の第1、第2油圧ポンプの吐出圧P1、P2の高圧側圧力P12を代表圧力として操作駆動部6jの受圧室6hに作用するようにしたが、本発明は第1、第2油圧ポンプの吐出圧P1、P2のそれぞれを別個にばね6fに対抗させるよう操作駆動部6jの受圧室に導いても良い。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、原動機と、この原動機によって駆動される複数の可変容量型油圧ポンプと、各可変容量型油圧ポンプの押しのけ容積を制御する容量制御手段と、前記複数の可変容量型油圧ポンプから供給される圧油によって駆動される複数の標準アクチュエータと、前記複数の可変容量型油圧ポンプの1つから供給される圧油によって駆動されるオプションアクチュエータと、前記複数の方向制御弁を切り換え操作する複数の操作手段と、前記各可変容量型油圧ポンプの自己の吐出圧を自己の前記容量制御手段に導く導出管路とを有する建設機械において、前記可変容量型油圧ポンプの1つから供給される圧油によって常にほぼ一定流量が必要なオプションアクチュエータを駆動する場合、オプションアクチュエータの駆動圧が昇し前記油圧ポンプの吐出圧が増大してもこの油圧ポンプの吐出量が減少せず、常に一定流量をオプションアクチュエータに供給できるようにしたのでオプションアクチュエータによって駆動されるオプション作業具の機能を損なう事がない。
【0070】
また、前記複数の可変容量型油圧ポンプの1つから供給される圧油によってオプションアクチュエータを駆動する場合に、前記油圧ポンプの吐出圧が所定の値以上になりその消費トルクが前記油圧ポンプの可変容量型ポンプとして設定された最大トルクの値を越えて上昇した場合には、前記油圧ポンプによって標準アクチュエータを駆動する場合に比して、他の可変容量型油圧ポンプの消費トルク(馬力)をさらに減少させて、複数の可変容量型油圧ポンプの消費トルク(馬力)がこれらを駆動する原動機の出力トルク(馬力)を越えないように制御できるので、他の可変油圧ポンプ駆動される標準アクチュエータとオプションアクチュエータとを常に同時に駆動でき、オプション作業具による作業効率が向上する。
【0071】
さらに、オプション作業具としてコンクリートバイブレータを採用した場合に、コンクリートバイブレータの負荷の大小にかかわらず所要の振動数がコンクリートバイブレータに与えられるので、コンクリートの流動性が常に良好となって綿密で強度の高いコンクリートが打設することができ、かつ、コンクリートバイブレータ46の位置、姿勢制御を原動機が停止することなく行うことができるので、コンクリート仕上げ作業を非常に能率良く行うことができる。
【0072】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による油圧回路を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による可変容量型油圧ポンプ1,2,3の入力トルクに係わる容量制御装置(レギュレータ)を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による可変容量型油圧ポンプ3の入力トルク制限制御特性および流量特性を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による可変容量型油圧ポンプ1,2の入力トルク制限制御特性および流量特性を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態によるオプション作業具としてコンクリートバイブレータを取り付けた油圧ショベルの外観図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による油圧回路を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態による油圧回路を示す図である。
【図8】図7のコントローラ50のハード構成を示す図である。
【図9】図7の電磁比例減圧弁41の出力圧Pbと油圧ポンプ3の吐出圧P3との関係を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態による油圧回路を示す図である。
【符号の説明】
1,2,3 可変容量型油圧ポンプ
4 パイロットポンプ
5 原動機
6,7 容量制御手段(レギュレータ)
8,9,10,15,16 方向制御弁
11 ブームシリンダ(標準アクチュエータ)
12 アームシリンダ(標準アクチュエータ)
13 コンクリートバイブレータ姿勢制御用のシリンダ(標準アクチュエータ)
14 旋回モータ(標準アクチュエータ)
17,18,19,27 導出管路
20 減圧弁
20c 設定圧上昇側ポート
22,23 ON−OFF弁
31 パイロット弁(コンクリートバイブレータ操作用)
31a 操作検出器
34 コンクリートバイブレータ作動モード起動スイッチ
41 電磁比例減圧弁
42 パイロット管路
43 圧力検出器
46 コンクリートバイブレータ
46a 油圧モータ(オプションアクチュエータ)
50,50´ コントローラ
55 タンク
P1 油圧ポンプ1の吐出圧
P2 油圧ポンプ2の吐出圧
P3 油圧ポンプ3の吐出圧
P12 P1とP2の代表圧
P3´ P3が減圧弁で減圧された圧力
Pa パイロット弁31のパイロット圧信号
Pa1 コンクリートバイブレータ操作検出信号
Pm 油圧ポンプ3の吐出圧力検出信号
Claims (9)
- 原動機と、この原動機によって駆動される複数の可変容量型油圧ポンプと、各可変容量型油圧ポンプの押しのけ容積を制御する容量制御手段と、前記複数の可変容量型油圧ポンプから供給される圧油によって駆動される複数の標準アクチュエータと、前記複数の可変容量型油圧ポンプの1つから供給される圧油によって駆動されるオプションアクチュエータと、これらの各アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する複数の方向制御弁と、前記複数の方向制御弁を切り換え操作する複数の操作手段と、前記各可変容量型油圧ポンプの自己の吐出圧を自己の前記容量制御手段に導く導出管路とを有する建設機械において、
前記オプションアクチュエータを駆動する可変容量型油圧ポンプの前記自己の吐出圧を自己の容量制御手段に導く管路上に、前記オプションアクチュエータの駆動を指示する信号によって前記自己の吐出圧を遮断するONーOFF弁を設けたことを特徴とする建設機械の油圧回路。 - 前記ONーOFF弁は、前記オプションアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する方向制御弁を切り換え操作するパイロット操作弁からのパイロット圧信号によって動作する圧力制御弁であることを特徴とする請求項1記載の建設機械の油圧回路。
- 前記ONーOFF弁は、オプション作業具作動モード起動スイッチに連動して動作する電磁弁であることを特徴とする請求項1記載の建設機械の油圧回路。
- 前記オプションアクチュエータに圧油を供給する所定の可変容量型油圧ポンプが、少なくとも1つの標準アクチュエータに対しても圧油の供給を行うように接続されるとともに前記所定の可変容量型油圧ポンプの自己の吐出圧を他の可変容量型油圧ポンプの容量制御手段に導く導出管路と、この導出管路上に前記吐出圧を所定の設定圧以下に制限する減圧弁を備え、
前記オプションアクチュエータが操作されると、前記減圧弁の前記所定の設定圧を変更する減圧弁設定圧変更手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の建設機械の油圧回路。 - 前記減圧弁設定圧変更手段は、
前記オプションアクチュエータの操作検出手段と、
この検出手段の信号を入力し所定の駆動電流を出力するコントローラと、
パイロットポンプと前記減圧弁に設けられた前記設定圧を変更するためのパイロット油室とを結ぶパイロット管路と、
このパイロット管路の途中に設けられ、前記コントローラからの駆動電流によって作動し、前記パイロットポンプからのパイロット圧を減圧する電磁比例減圧弁とを備えたことを特徴とする請求項4記載の建設機械の油圧回路。 - 前記減圧弁設定圧変更手段はさらに前記オプションアクチュエータを駆動する前記可変容量型油圧ポンプの吐出圧検出手段を備え、
前記コントローラは前記オプションアクチュエータの操作検出手段および前記可変容量型油圧ポンプの吐出圧検出手段からの信号を入力し、前記可変容量型油圧ポンプの吐出圧が増加するとその増加に伴い前記減圧弁の設定圧が上昇するように駆動電流を出力することを特徴とする請求項5載の建設機械の油圧回路。 - 前記所定の駆動電流が一定の値であり、前記電磁比例減圧弁は一定のパイロット圧を出力して前記減圧弁の前記設定圧が一定の値だけ上昇することを特徴とする請求項5記載の建設機械の油圧回路。
- 前記オプションアクチュエータは負荷の変動にかかわらず一定の流量で駆動されることを必要とすものであることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の建設機械の油圧回路。
- 前記オプションアクチュエータはコンクリートバイブレータの起震機を駆動する油圧モータであることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の建設機械の油圧回路。
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