JP3606426B2 - 堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置 - Google Patents

堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置に関し、特に、基板上に太陽電池等の機能性堆積膜を製造するための堆積膜の形成方法及びその装置に関し、中でも、多量の原料ガスを長時間に亙って使用する大量生産に向いた機能性堆積膜の形成方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、太陽電池、電子写真用光受容部材等の機能性堆積膜としてアモルファスシリコン、マイクロクリスタルシリコン等が提案され実用化されている。こうした材料を作る方法はいろいろ提案されているが高周波やマイクロ波等の電磁波を用いたプラズマによる原料ガスの分解による堆積膜作成が一般的である。こうした方法では所望の堆積膜と同時に装置中にポリシラン等の副生成物ができることが知られている。この副生成物は堆積膜を長時間に渡り作成する場合、粉状のものができた堆積膜中にかたまりとして入り、欠陥となったり、装置内にだんだん溜まり、排気能力が変化してしまい、長時間に渡り、同じ特性のものを作り続けることが難しい原因になっていた。
【0003】
また、この副生成物は、温度の高い状態で酸素と反応して燃えたり、室温においても摩擦等の静電気により燃えることがわかっており、副生成物の取り除き作業での安全上改善が求められていた。特に電力用太陽電池の作成等、多量に堆積膜を作成する量産装置においては副生成物も多量にできることから人による副生成物の取り除き作業をなくす必要があった。また、長時間に渡り堆積膜作成を行なえば排気配管内がつまり、堆積膜作成の条件が変わってくることで品質上も改善が求められていた。
こうした状況の中、堆積膜を作成した後にチャンバー内にハロゲン系エッチングガスを入れ、放電を生起させることによりチャンバー内をドライエッチングによりクリーニングを行なう技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術においては、チャンバーにハロゲン系エッチングガスを入れ、ドライエッチングをおこなった場合、エッチングガスの成分であるハロゲン等の原子が不純物として堆積膜の中に残り、この膜中に残ったハロゲン原子は太陽電池特性を悪化させるため、実用化する上で問題があった。このため、多量に太陽電池等のデバイス作成のために長時間多量の機能性堆積膜の作成を行なった後において、チャンバー内にポリシラン等の副生成物が多量にたまり排気配管を塞いでチャンバーの内圧条件等を変えてしまうという弊害を防止するため、定期的な配管清掃が必要であった。
また、たまった副生成物は発火しやすく、チャンバーを大気にもどした後にチャンバー内を清掃し、次の機能性堆積膜を作成するために真空に引く時、副生成物が発火して、熱を発する等安全上も改善が求められていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来のものにおける課題を解決し、堆積膜とりわけ太陽電池等の機能性堆積膜の特性を損なうことなく、発生する副生成物を効率よく除くことができ、稼働率を下げずに、再現性よく繰り返し形成することができる大量生産に向いた堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するため、堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置を、つぎのように構成したことを特徴とするものである。
すなわち、本発明の堆積膜形成方法は、真空気密の可能なチャンバーに原料ガスを導入し、前記チャンバーに接続された排気管によって排気しながら堆積膜を形成する堆積膜形成方法において、
前記チャンバーと前記排気管との間に遮断弁を設け、堆積膜の形成後に前記排気管内に、流量比の三弗化塩素(ClF )/(ClF +希釈ガス)が5〜30%である三弗化塩素(ClF )と希釈ガスの混合ガスによるエッチングガスを流してクリーニングするにあたり、前記遮断弁を閉じて前記排気管内の圧力がチャンバー内の圧力より低くなるように10〜700Torrの範囲に制御し、前記エッチングガスがチャンバー内に入り込むことを防止してクリーニングすることを特徴としている。
また、本発明の堆積膜形成装置は、真空気密の可能なチャンバーと、前記チャンバーに原料ガスを供給するためのガス供給配管と、前記チャンバーに接続された排気管とを備え、前記チャンバーに原料ガスを導入し、前記排気管によって排気しながら堆積膜を形成する堆積膜形成装置において、
前記チャンバーと前記排気管との間に、前記排気管をクリーニングするエッチングガスが前記チャンバー内に入り込むことを防止するための遮断弁を設け、前記排気管内の圧力が該チャンバー内の圧力より低くなるように制御し、前記エッチングガスが該チャンバー内に入り込まないように構成する一方、前記排気管と排気管を真空に引くためのポンプとの間に第2の遮断弁を設け、前記第2の遮断弁を挟んで排気管より細いバイパスラインを設け、前記第2の遮断弁を閉じて前記バイパスラインを介してエッチングガスを流し、前記排気管をクリーニングするように構成し、前記排気管をエッチングガスによってクリーニングすることを特徴としている。
また、本発明の堆積膜形成装置は、上記装置において前記排気管へエッチングガスを供給するエッチングガス供給弁を備え、上記装置において前記チャンバー内に設けられた圧力計と前記排気管に設けられた圧力計とによって、前記チャンバー内の圧力が前記排気管内の圧力よりも高い時にのみ前記エッチングガス供給弁が開くように構成されていることを特徴としている。
また、本発明の堆積膜形成装置は、前記エッチングガス供給弁と、前記チャンバーに原料ガスを供給するガス供給配管に設けられたガス供給弁とが、同時に開かないように構成されていることを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、上記のように構成することにより、堆積膜形成後に排気管内をクリーニング処理をするにあたり、チャンバーにエッチングガスが入りこまないようにすることが可能となり、太陽電池等の機能性堆積膜の特性を損なうことなく、発生する副生成物を効率よく除くことができ、稼働率を下げずに、再現性よく繰り返し大量に生産することができる。
【0008】
つぎ、本発明の実施の一形態について、図1に基づいて説明する。
図1において、101は堆積膜を形成するためのチャンバーであり、104の原料ガス供給ボンベから107の原料ガス供給弁を介してチャンバー内に原料ガスが供給される。また、112は真空ポンプであり、これによりチャンバー101を真空に引く。
102はチャンバー内に設けられた圧力計であり、102’は排気配管に設けられた圧力計である。
103は、チャンバーと排気管との間に設けられた遮断弁であり、排気配管をクリーニングするため排気配管にエッチングガスを流した際、エッチングガスがチャンバー内に入り込むことを防止する。103’は103とは別の遮断弁であり、遮断弁(103)と真空ポンプ112との間に設けられ、この遮断弁(103’)を挟んでバイパスライン(109)が形成されている。114はバイパス弁である。
105はエッチングガス供給ボンベ、106は希釈ガス供給ボンベであり、エッチングガス供給弁(108)を介して、排気配管にこれらのガスを供給する。
110は窒素供給配管であり、フローメーター111で流量を調整し、窒素供給弁(115、116、121)を介して窒素を排気配管に供給する。
【0009】
その作用を説明すると、まず、排気切替弁(117)のバルブを操作し、アルカリスクラバー(120)へ流れるようにする。その状態で真空ポンプ(112)を始動し、つづいて、遮断弁(103’)を開ける。つづいて遮断弁(103)を開け、自動圧力制御バルブ(113)を徐々に開けてチャンバー(101)を真空に引く。十分に真空状態になってから、チャンバー内を不図示のヒーターで加熱し所望の温度になった後、排気切替弁(117)のバルブ操作を行ない、排ガス処理装置(118)ヘガスが流れるようにする。そして、原料ガス供給弁(107)を開け、原料ガス(104)をチャンバーに流す。自動圧力制御バルブ(113)をチャンバー内にある真空計(102)に連動させて、所望の圧力になるようにコントロールする。圧力が一定になった後に不図示のプラズマを生起し、原料ガスを分解し、堆積膜を作成する。その際、排気配管内に溜まる副生成物によりチャンバー内の圧力が変動しないように自動圧力制御バルブ(113)を圧力計(102)に連動させてバルブの開度を自動制御しておく。
【0010】
堆積膜作成が終了した後に、チャンバー内を不活性ガスで十分置換した後、遮断弁(103)を閉じて、チャンバー(101)内に窒素等のガスを入れ大気圧にする。排気切替弁(117)のバルブを操作し、アルカリスクラバー(120)側にガスが流れるようにして、窒素供給弁(115、116、121)を開けてフローメーター(111)で流量を調整し、窒素(110)を排気配管内に流す。その後、自動圧力制御バルブ(113)を全開にして、エッチングガス供給弁(108)を開け、引き続いて希釈ガス(106)、エッチングガス(105)の順番で流す。そして、遮断弁(103’)を閉じると同時に、バイパス弁(114)を開ける。バイパスライン(109)は細い配管でできており、排気コンダクタンスを落すことから排気配管内の圧力が上がる。排気配管内の圧力は圧力計(102’)によりモニターして、チャンバー内の圧力を見ている圧力計(102)より高くなる場合にはエッチングガス供給弁(108)が閉じ、エッチングガス(105)、希釈ガス(106)が閉じるようにプログラムを組んでおく。この状態でチャンバー(101)内の清掃、および次の堆積膜作成の準備を行なう。これらの作業の終了後エッチングガス供給弁(108)を閉じ、少しおいてから窒素供給バルブ(115、116、121)を閉じる。
こうして堆積膜作成とクリーニング工程を繰り返すことが可能である。
【0011】
本発明に用いるチャンバーはチャンバー内に発火しやすいポリシラン等の粉状の副生成物がたまらないようにすることも重要である。そのため排気の流れが損なわれにくいように排気配管との間の遮断弁までの距離を短くし、ガスの流れが損なわれないようにシンプルな構造をとることが重要である。また、粉状の副生成物を発火性のない安全な膜状のものにするためにチャンバーの外壁の温度をあげることも効果がある。
【0012】
本発明で用いるエッチングガスは排気配管内に導入するためプラズマ等エネルギー付加が難しいことから特別なエネルギー付加がなくてもドライエッチングの反応がおこる三弗化塩素が最適である。更に検討の結果、この三弗化塩素と希釈ガスの混合したものが、より最適であった。
本発明で用いられる三弗化塩素ガスと同時に導入される希釈ガスとしては、He、Ne、Ar、そしてNが好ましい。また三弗化塩素と希釈ガスの割合としては三弗化塩素が濃いと配管内で液化したり、副生成物が変色して排気配管内に残ったり、三弗化塩素の濃いガスがポンプの中を流れるとオーリング、オイル等が劣化しやすく故障の原因になる。逆に三弗化塩素の割合が薄いと排気配管のクリーニングに時間がかかりすぎたり、クリーニングが不十分であったりする。そのため、三弗化塩素と希釈ガスを混ぜる割合は適切な範囲があり、その量は検討の結果、三弗化塩素/(三弗化塩素+希釈ガス)は5から30%が好ましい。
【0013】
また本発明の排気配管をクリーニングする時の圧力としては低すぎるとクリーニングに時間がかかりすぎることから適切な範囲がある。検討の結果、10Torr以上が好ましく、排気配管内の圧力を安定し、大気圧以下に維持するために700Torr以下が好ましい。上記排気配管内の圧力を適切に維持するため、図1に示すようにメインの排気配管とは別にポンプ直上の遮断弁の前後に細い配管のバイパス弁を設けクリーニング工程中のみバイパスラインを通してガスを流す構造にすることが効果的である。
【0014】
本発明において堆積膜形成に使用される原料ガスとしてはシラン(SiH)、ジシラン(Si)、四弗化珪素(SiF)、六弗化二珪素(Si)等のアモルファスシリコン形成原料ガスとして用い、それにバンドギャップ幅を変化させるものとして窒素(N)、アンモニア(NH)等の窒素原子を含む元素、酸素(O)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)、ゲルマニウム(GeH)等を添加したり、ドーピングを目的としてジボラン(B)、弗化ホウ素(BF)、ホスフィン(PH)等のドーパントガスを同時にチャンバー内に導入しても良い。
【0015】
本発明で使用する排気ポンプはドライポンプが好ましいが、ロータリーポンプでも耐腐食性に優れたオイルを用いることで実用可能である。配管の材質としては耐腐食性に優れているサスが好ましい。また、温度が下がるとエッチングガスが液化する危険性があるため常時5℃以上にしておくことも必要である。さらに、ポンプや配管の腐食をふせぐためにも、ポンプの前段と後段でさらに窒素等の反応しないガスを入れ、ポンプ内に存在するエッチングガスの濃度をさらに下げる工夫をすることも重要である。
【0016】
また、クリーニング工程では、排気配管内の圧力と、チャンバー内の圧力をモニターし、チャンバーの圧力が排気配管の圧力より高い時にのみエッチングガスの供給弁が開くようにインターロックを入れることも重要である。エッチングガスがチャンバー内に入ると、次の堆積膜作成中に膜中に不純物として入ってしまう。一度チャンバー内に拡散したエッチングガスは、その後数回の堆積膜作成に不純物として入りつづけてしまい特性を悪化させてしまう。また、エッチングガスが拡散によりチャンバー内に入り込まないようにチャンバーと排気配管の間の遮断弁を開けるときには少しチャンバー内にヘリウム等の不活性ガスを流しながら行い、チャンバー内と排気配管内が同圧にならないように工夫することも効果がある。
【0017】
【実施例】
以下に、本発明についての実験例および実施例を説明する。
(実験例1)
図1に示す堆積膜形成装置を用いて原料ガスとして、シラン(SiH)300sccm、水素(H)1slmを流した。チャンバー内の圧力を1.0Torrに維持しRFパワー300Wを印加し、5時間堆積膜作成を行なった。堆積膜作成後、チャンバー内に窒素を入れ、大気圧状態にしてから、チャンバーのふたを開け、チャンバー内から排気配管内までを観察した。チャンバー内の壁にはシリコンの膜が堆積していた。遮断弁の下の配管には膜の破片と粉の付着が観察された。更に排気配管の下流にいくと茶色の粉が一面に付着しており、自動圧力制御バルブの中にはかなり多量の茶色い粉が積もっていた。
【0018】
次に、チャンバーと排気配管の間の遮断弁を閉じて、排気配管内を真空に引き、三弗化塩素を2slm、希釈ガスとしてアルゴン6slmを流した。ポンプの上の遮断弁を閉じ、バイパス弁をあけることで排気配管内の圧力は約500Torrであった。この条件で4時間ガスを流した後に、排気配管内を目視により検査したところ、付着していた粉はきれいになくなっていた。
【0019】
[実施例1]
実施例1においては、図2に示すロール・ツー・ロールによる太陽電池作成装置を用いてアモルファスシリコン太陽電池を作成した。
まず、長さ800mの基板をロール基板送り出し用チャンバー(201)にセットし、チャンバー(202)、(203)、(204)を通し、ロール基板巻き取り用チャンバー(205)までロール基板を渡してセットを完了した。ついでチャンバーの蓋をしめ全チャンバー内を真空状態にした。100mTorr以下になったところでヘリウムを流し数分後に自動圧力制御バルブを制御して各チャンバーを1Torrに維持した。そして、ヒーター(209)と(210)により表1に示している温度に制御する。ヒーターの制御をはじめて温度が一定になってから約2時間後に表1に従って原料ガスを流した。そして、ロール基板を搬送速度1200mm/minの速度で送り、表1に示すパワーの高周波電力を印加した。なお、ガスゲートから流すHの流量は1つあたり1slmに設定した。
【0020】
この条件で太陽電池作成を10時間行なった。ロール基板の搬送を止めて、遮断弁211を閉じて、チャンバー201〜205に窒素を入れ大気に戻す。チャンバー内の圧力が十分に高くなってから三弗化塩素と希釈ガスの混合ガスを(212)から排気配管内に流す。続いて表2に示すクリーニング条件で、4時間のエッチング時間の後に配管にとりつけている窓で覗いたところ副生成物である粉状のポリシランは排気配管内には完全になくなっていた。また、チャンバー中は副生成物としてのポリシランはなく、シリコンの膜が付着し、また膜破片がチャンバー内にあった。エッチング工程終了後、エッチングガスの供給を止め、チャンバーの膜破片を清掃した後、真空に引いて表1と同条件で膜堆積をおこなった。こうしてできた2ロールについて透明導電膜をはり、太陽電池としての特性評価をおこなったところ、ロールのはじめからおわりまで平均してまったく同じ変換効率が得られた。その変換効率も良好なものであった。
【0021】
【表1】
Figure 0003606426
【0022】
【表2】
Figure 0003606426
(比較例1)
比較例1においては、図3に示す従来のロール・ツー・ロール方式の太陽電池作成装置を用いてアモルファスシリコン太陽電池を作成した。
図3は概略、図2と同じであるがこの装置ではエッチングガスが原料ガスと同じ配管から供給されるようになっており、チャンバー内にもエッチングガスが流れるようになっている。この装置により実施例1と同様にロール基板をセットして表1と同じ条件で太陽電池作成を10時間行なった。ロール基板の搬送を止め、チャンバー内に窒素を入れ、大気圧に戻す。できたロール基板をチャンバーから取り出し、またチャンバーの蓋を閉めてから、チャンバー内を真空に引く。
【0023】
そして、表3に示す条件でクリーニング工程をおこなった。約4時間で排気配管内の粉状の副生成物は完全になくなった。次にチャンバー内に窒素を入れ、大気にもどした後、チャンバー内を目視により観察した。チャンバー内の壁のシリコン膜はきれいに取れていたが、チャンバー内には壁から落ちた膜片がかなり残っていた。さらに塩素系のくさいにおいがチャンバー内にたちこめていた。膜片をきれいに清掃して、次のロール基板をセットし、もう一度表1と同じ条件でアモルファスシリコン太陽電池を作成した。取り出した2ロールの太陽電池に実施例2と同じように透明導電膜をつけてから太陽電池特性を評価したところ、1ロールめの平均変換効率に対して、2ロール目の平均変換効率は約30%も下がってしまった。また2ロールめの変換効率は膜堆積をはじめておわるまで、徐々に特性が回復している傾向があらわれた。
またエッチング工程とチャンバー内の清掃を同時に行えないことから実施例1にくらべて、2ロール作成に要した時間は4.5時間長くかかった。
【0024】
【表3】
Figure 0003606426
(実験例2)
図2に示すロール・ツー・ロール方式の太陽電池作成装置を用いて三弗化塩素と希釈ガスのヘリウムの流量をいろいろ変えてクリーニング条件の適正化をおこなった。なお、堆積膜の条件はすべて同じで、実施例1と同じ手順で表1に示す太陽電池作成条件で10時間の堆積膜作成を行なった。ロール基板の搬送を止めて、遮断弁211を閉じて、チャンバー201〜205に窒素を入れ大気に戻す。チャンバーの圧力が十分に高くなってから三弗化塩素と希釈ガスの混合ガスを(212)から排気配管内に流す。クリーニング工程の条件を表4に示した。排気配管内の圧力を排気配管の中を覗けるように数箇所の覗き窓から観察し、すべての覗き窓から粉状のポリシランがなくなる時間を測定し、結果を表4にあわせて示した。
【0025】
【表4】
Figure 0003606426
実験例2の結果より弗化塩素と希釈ガスの割合は5から30%が適している。三弗化塩素の割合が少ないと排気配管のクリーニングに時間がかかる。チャンバー内の清掃終了後の次の堆積膜作成準備まで入れると、900分以内で排気配管内のクリーニング工程が終了する必要がある。三弗化塩素の割合が濃いと排気配管内で液化したり、または三弗化塩素の濃いガスがポンプの中を流れるとオーリング等劣化する部分がある。数回の繰り返し実験まで行なうとその量は5から30%が好ましいことがわかった。
【0026】
また、排気配管をクリーニングする時の圧力としても適切な範囲があることがわかった。その圧力は10Torr以上が好ましく、排気配管内の圧力を安定した大気以下に維持するため700Torr以下であることが必要である。そのために図1に示すようにメインの配管とは別にポンプ直上の遮断弁の前後に細い配管のバイパス弁を設け排気配管の圧力を高く維持する構造にすることが好ましい。この結果、排気配管内の圧力を高く維持できると同時にポンプ直上の遮断弁に付着している副生成物もきれいにクリーニング可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、チャンバーと排気管との間に遮断弁を構成して、エッチングガスがチャンバー内に入り込むことを防止してクリーニングできるようにすることによって、堆積膜とりわけ太陽電池等の機能性堆積膜の特性を損なうことなく、発生する副生成物を効率よく除くことができ、稼働率を下げずに、再現性よく繰り返し形成することが可能な大量生産に向いた堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における堆積膜形成装置の1例を示す図である。
【図2】本発明におけるnipの3層構成から成る太陽電池を作成するための装置である。
【図3】従来におけるnipの3層構成から成る太陽電池を作成するための装置である。
【符号の説明】
101:チャンバー
102、102’:圧力計
103、103’:遮断弁
104:原料ガス供給ボンベ
105:エッチングガス供給ボンベ
106:希釈ガス供給ボンベ
107:原料ガス供給弁
108:エッチングガス供給弁
109:バイパスライン
110:窒素供給配管
111:フローメーター
112:真空ポンプ
113:自動圧力制御バルブ
114:バイパス弁
115:窒素供給弁
116:窒素供給弁
117:排気切替ユニット
118:排ガス処理装置
119:水スクラバー装置
120:アルカリスクラバー装置
121:窒素供給弁
201、301:ロール基板送り出し用チャンバー
202、302:n層堆積膜作成チャンバー
203、303:i層堆積膜作成チャンバー
204、304:p層堆積膜作成チャンバー
205、305:ロール基板巻き取りチャンバー
206、306:ゲートガス供給配管
207:原料ガス供給配管
208、308:プラズマ発生装置
209、309:チャンバー加熱ヒーター
210、310:ロール基板加熱ヒーター
211、311:遮断弁
212:エッチングガス供給配管
213、313:窒素供給配管
214:遮断弁
215:バイパス弁
216、316:真空ポンプ
217、317:メイン排気配管
218、318:基板吊り上げ磁石
219:ロール状サス基板
320:原料ガスおよびエッチングガス供給配管

Claims (4)

  1. 真空気密の可能なチャンバーに原料ガスを導入し、前記チャンバーに接続された排気管によって排気しながら堆積膜を形成する堆積膜形成方法において、
    前記チャンバーと前記排気管との間に遮断弁を設け、堆積膜の形成後に前記排気管内に、流量比の三弗化塩素(ClF )/(ClF +希釈ガス)が5〜30%である三弗化塩素(ClF )と希釈ガスの混合ガスによるエッチングガスを流してクリーニングするにあたり、前記遮断弁を閉じて前記排気管内の圧力がチャンバー内の圧力より低くなるように10〜700Torrの範囲に制御し、前記エッチングガスがチャンバー内に入り込むことを防止してクリーニングすることを特徴とする堆積膜形成方法。
  2. 真空気密の可能なチャンバーと、前記チャンバーに原料ガスを供給するためのガス供給配管と、前記チャンバーに接続された排気管とを備え、前記チャンバーに原料ガスを導入し、前記排気管によって排気しながら堆積膜を形成する堆積膜形成装置において、
    前記チャンバーと前記排気管との間に、前記排気管をクリーニングするエッチングガスが前記チャンバー内に入り込むことを防止するための遮断弁を設け、前記排気管内の圧力が該チャンバー内の圧力より低くなるように制御し、前記エッチングガスが該チャンバー内に入り込まないように構成する一方、前記排気管と排気管を真空に引くためのポンプとの間に第2の遮断弁を設け、前記第2の遮断弁を挟んで排気管より細いバイパスラインを設け、前記第2の遮断弁を閉じて前記バイパスラインを介してエッチングガスを流し、前記排気管をクリーニングするように構成し、前記排気管をエッチングガスによってクリーニングすることを特徴とする堆積膜形成装置。
  3. 前記排気管へエッチングガスを供給するエッチングガス供給弁を備え、前記チャンバー内に設けられた圧力計と前記排気管に設けられた圧力計とによって、前記チャンバー内の圧力が前記排気管内の圧力よりも高い時にのみ前記エッチングガス供給弁が開くように構成されていることを特徴とする請求項に記載の堆積膜形成装置。
  4. 前記エッチングガス供給弁と、前記チャンバーに原料ガスを供給するガス供給配管に設けられたガス供給弁とが、同時に開かないように構成されていることを特徴とする請求項に記載の堆積膜形成装置。
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