JP3605854B2 - 発電プラントの水処理方法 - Google Patents

発電プラントの水処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は発電プラントの水処理方法に係り、特に復水・給水系統及び蒸気系統を構成する機器に好適な水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプラント、特に火力発電プラントの水処理としては、揮発性物質処理
(AVT:All Volatile Treatement)、酸素処理(CWT:Conbind Water Treatment)の二つの水処理が知られている。
【0003】
このうち、揮発性物質処理(以下、AVTと称する)の水処理は、蒸気発生装置の入口側において、復水・給水系統により供給された給水を採取し、採取した給水に含まれている水素イオンの指数(以下、pHと称する)及び溶存酸素の濃度(以下、DOと称する)を測定する。そして、採取した給水のpHが9.0〜9.6、DOが7ppb となるように、低圧給水加熱器の入口側からアンモニア若しくはヒドラジンを注入するというものである。
【0004】
一方、酸素処理(以下、CWTと称する)の水処理は、蒸気発生装置の入口側において、復水・給水系統により供給された給水を採取し、採取した給水に含まれているpH及びDOを測定する。そして、採取した給水のpHが8.0〜9.0、DOが20〜200ppb になるように、低圧給水加熱器の入口側からアンモニアを注入する。また、復水昇圧ポンプの入口側及び給水ポンプの入口側から酸素を注入するというものである。
【0005】
上述した二つの水処理としては、例えば、特開昭60−100688号,特開平4− 128395号に記載のものが知られている。また、上述した二つの水処理のpH及びDOの範囲としては、「JIS,日本規格協会,1989年発行,ボイラの給水及びボイラ水の水質(JIS B 8223)」に規格されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年の火力プラントにおける水処理は、前述した二つの水処理のうち、CWTの水処理の方が採用されつつある。
【0007】
即ち、前述したAVTの水処理においては、蒸気発生装置に供給される給水のpHを
9.0〜9.6(アルカリ性)としているので、鉄の溶出抑制に対して有効であり、蒸気発生装置の蒸発管等には信頼性があった。しかし、プラントによっては、蒸気発生装置の蒸発管等の内面にスケール(腐食)を生成してしまい、蒸気発生装置の差圧を著しく上昇させることが判明した。
【0008】
一方、CWTの水処理においては、蒸気発生装置に供給される給水に注入された酸素により、蒸気発生装置の蒸発管の内面にヘマタイトの粒子を生成させ、緻密で平滑な被膜表面を形成し、スケール(腐食)を防止し蒸気発生装置の差圧上昇を抑制する。従って、
AVTの水処理に代わってCWTの水処理が近年の火力プラントに採用されつつある。
【0009】
しかしながら、CWTの水処理において以下の事実が判明した。即ち、CWTの水処理においては、温度が低い場合、前述したヘマタイトの粒子の生成が不十分となり、機器を構成する鉄鋼材等から鉄の溶出を増加させることが判明したのである。特に、低圧タービン及び給水ポンプ駆動タービンにおいては、駆動源では蒸気が凝縮する湿り蒸気領域にあるので、温度が低く、前述したヘマタイトの粒子の生成が不十分となる。これにより、タービンを構成する材料から鉄を溶出させ、タービンの破損を招く恐れがある。
【0010】
この点に関し、前述した従来の技術では何等考慮されていない。
【0011】
本願発明者は、上記の点に鑑みなされたものであり、本発明の目的とするところは、プラントの復水・給水系統のみならず、蒸気系統においても水処理を施し、プラントを構成する機器全てに対して効果的、かつ寿命化を図った信頼性の高い水処理方法を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、蒸気系統を構成する機器のうち、低圧蒸気タービン及び給水ポンプ駆動タービンに供給される蒸気のpHを、給水系統と同様に変化させれば、低圧蒸気タービン及び給水ポンプ駆動タービンを構成する材料からの鉄の溶出を抑制しタービンの破損を防げることに気付いたのである。そこで、本願発明者は、実験,分析等を行った結果、低圧蒸気タービン及び給水ポンプ駆動タービンに効果的なpHの範囲を発見したのである。
【0013】
ここに、蒸気発生装置で得られた蒸気によりタービンを駆動すると共に、前記タービンから排出された排気を復水器によって凝縮し、得られた復水を少なくとも復水昇圧ポンプ,給水加熱器及び給水ポンプを介して前記蒸気発生装置に供給する発電プラントの水処理方法において、前記蒸気発生装置に供給される復水による鉄の溶出防止及び鉄の腐食防止をするために、前記給水加熱器の入口側にアンモニアを注入し、かつ前記復水昇圧ポンプ及び給水ポンプの入口側に酸素を注入すると共に、前記蒸気発生装置から得られた蒸気による鉄の溶出を防止するために、前記タービンの入口側にpH調整薬剤を注入したものである。
【0014】
好ましくは、前記蒸気発生装置から得られ蒸気による鉄の溶出を防止するために、前記復水器から得られた復水のpHが9.0〜9.6となるように、前記タービンの入口側にpH調整薬剤を注入したものである。
【0015】
また、前記タービンは、高圧タービン,中圧タービン及び低圧タービンからなり、前記pH調整薬剤は前記低圧タービンの入口側に注入することが好ましい。
【0016】
また、前記pH調整薬剤は、前記タービンを構成する静翼に設けた噴出孔より注入することが好ましい。
【0017】
また、前記pH調整薬剤は、揮発性のアルカリ性物質であることが好ましく、さらに、前記揮発性のアルカリ性物質は、アンモニアであることが好ましい。
【0018】
また、本発明は、蒸気発生装置で得られた蒸気により第1のタービンを駆動すると共に、前記第1のタービンから排出された排気を復水器によって凝縮し、得られた復水を少なくとも復水昇圧ポンプ,給水加熱器及び前記蒸気発生装置で得られた蒸気の抽気を駆動源とする第2のタービンによって駆動される給水ポンプを介して前記蒸気発生装置に供給する発電プラントの水処理方法において、前記蒸気発生装置に供給される復水による鉄の溶出防止及び鉄の腐食防止をするために、前記給水加熱器の入口側にアンモニアを注入し、かつ前記復水昇圧ポンプ及び給水ポンプの入口側に酸素を注入すると共に、前記蒸気発生装置から得られた蒸気による鉄の溶出を防止するために、前記第2のタービンの入口側にpH調整薬剤を注入したものである。
【0019】
好ましくは、前記蒸気発生装置から得られ蒸気による鉄の溶出を防止するために、前記第2のタービンの排気のpHが9.0〜9.6となるように、前記第2のタービンの入口側にpH調整薬剤を注入したものである。
【0020】
【作用】
本発明によると、蒸気発生装置の給水入口側において給水を採取し、前記蒸気発生装置に供給される復水給水のpH及びDOを測定する。そして、前記測定結果、即ちpHが
8.0〜9.0及びDOが20〜200ppb となっていなければ、給水加熱器の入口側からアンモニアを復水に、復水昇圧ポンプ及び給水ポンプの入口側から酸素を夫々復水,給水に注入し、常に一定の濃度、即ちpHが8.0〜9.0及びDOが20〜200ppb となるようにする。これにより、蒸気発生装置を構成する機器、例えば蒸発管内面には、ヘマタイトの粒子による緻密で平滑な被膜表面が形成され、鉄の溶出を抑制する。また、スケールの発生を防ぎ、蒸気発生装置の差圧上昇を抑制する。
【0021】
一方、復水器の出口において、復水器によって得られた復水を採取し、タービンに供給された蒸気のpHを測定する。そして、前記測定結果、即ちpHが9.0〜9.6 となっていなければ、低圧蒸気タービンの入口側若しくはタービンを構成する静翼に設けた噴出孔から薬剤、即ち揮発性のアルカリ性物質(例えばアンモニア)を注入し、常に一定の濃度、即ちpHが9.0〜9.6となるようにする。これにより、特に、湿り蒸気領域で運転される低圧蒸気タービンからの鉄の溶出を抑制し、タービンの破損を防ぐ。
【0022】
また、給水ポンプ駆動タービンにおいては、その排気を採取し、タービンに供給された蒸気のpHを測定し、pHが9.0〜9.6となっていなければ、給水ポンプ駆動タービンの入口側若しくはタービンを構成する静翼に設けた噴出孔から薬剤、即ち揮発性のアルカリ性物質(例えばアンモニア)を注入し、常に一定の濃度、即ちpHが9.0〜9.6となるようにする。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0024】
図1は本発明の実施例である火力発電プラントを示す系統図である。まず、火力発電プラントの構成を説明する。火力発電プラントは、大別すると蒸気発生装置11を上流側とし復水器1を下流側とする蒸気系統と、復水器1を上流側とし蒸気発生装置11を下流側とする復水・給水系統とからなっている。
【0025】
このうち、蒸気系統は、蒸気発生装置11で発生した蒸気を駆動源とする高圧蒸気タービン12と、高圧蒸気タービン12の排出蒸気を蒸気発生装置11で加熱し得られた再熱蒸気を駆動源とする中圧蒸気タービン13と、中圧蒸気タービン13の排出蒸気を駆動源とする低圧蒸気タービン14とを備えている。
【0026】
蒸気発生装置11で発生した蒸気は、高圧蒸気配管を介して高圧蒸気タービン12に供給されタービンを駆動する。高圧蒸気タービン12駆動後の蒸気は、戻り蒸気配管を介して発生装置11に戻され再び加熱される。これによって得られた再熱蒸気は、再熱蒸気配管を介して中圧蒸気タービン13に供給されタービンを駆動する。中圧蒸気タービン13駆動後の蒸気は、低圧蒸気配管を介して低圧蒸気タービン14に供給されタービンを駆動する。そして、低圧蒸気タービン 14駆動後の蒸気は、復水器1に排出され凝縮せしめられる。
【0027】
また、蒸気系統は、後述する給水ポンプを駆動する給水ポンプ駆動蒸気タービン15を備えており、給水ポンプ駆動蒸気タービン15には、高圧蒸気配管から分岐した分岐管を介して高圧蒸気タービン12に供給される蒸気の一部、若しくは中圧蒸気タービン13の抽気が抽気管を介して供給されタービンを駆動する。そして、給水ポンプ駆動蒸気タービン15駆動後の蒸気は、排出管を介して復水器1に排出され、前述同様に凝縮せしめられる。
【0028】
一方、復水・給水系統は、蒸気タービン(低圧蒸気タービン14,給水ポンプ駆動蒸気タービン15)から排出された蒸気を復水器1で凝縮し、得られた復水を脱気器8に供給する復水系統と、脱気器8で脱気された復水を蒸気発生装置11への給水として、蒸気発生装置11に供給する給水系統に区分される。
【0029】
このうち、復水系統は、復水器1で凝縮し得られた復水を送水する復水ポンプ2と、復水ポンプ2からグラントコンデンサ3を介して送水された復水中に含まれる鉄酸化物等の腐食生成物を除去する復水ろ過器4と、復水中に含まれる塩素イオン等の腐食媒を除去する復水脱塩装置5と、復水ろ過器4及び復水脱塩装置5により復水中に含まれる腐食生成物及び腐食媒が除去された復水を低圧給水加熱器7を介して脱気器8に送水する復水昇圧ポンプ6とを備えている。
【0030】
また、給水系統は、脱気器8により脱気された給水を高圧給水加熱器10を介して蒸気発生装置11に供給する給水ポンプ9を備えている。尚、給水ポンプ9は、駆動源として前述した給水ポンプ駆動蒸気タービン15を備えている。
【0031】
復水器1で凝縮され得られた復水は、復水ポンプ2からグラントコンデンサ3を介して復水ろ過器4に送水され、復水中に含まれる鉄酸化物等の腐食生成物を除去する。次に復水は、復水脱塩装置5に送水され、復水中に含まれる塩素イオン等の腐食媒が除去される。このように、復水中に含まれる腐食生成物及び腐食媒が除去された復水は、復水昇圧ポンプ6によって昇圧され、途中低圧給水加熱7より加熱され、脱気器8に送水される。脱気器8は、送水された復水を脱気する。そして、脱気器8によって脱気された復水は、蒸気発生装置11への給水として給水ポンプ9によって送水され、途中高圧加熱器により加熱され、蒸気発生装置11に供給される。
【0032】
概略以上のように火力発電プラントは構成されており、次に、この火力発電プラントの水処理について説明する。
【0033】
まず、復水・給水系統における水処理について説明する。復水・給水系統から蒸気発生装置11に供給される復水,給水は、その中に含まれているpHとDOを所定の値として、蒸気発生装置11の蒸発管等のスケール(腐食)や鉄の溶出を抑制する必要がある。このため、蒸気発生装置11の入口側サンプル採取ポイント101で、蒸気発生装置11に供給される給水を採取し、その中に含まれているpHとDOの濃度を測定する。測定の結果、蒸気発生装置11に供給される給水のpHが8.0〜9.0、DOが20〜200ppb でなければ、低圧給水加熱器の入口側104からアンモニアを復水に注入し、復水のpHを所定の範囲、即ち8.0〜9.0の範囲となるように調整する。また、復水昇圧ポンプ6の入口側102及び給水ポンプ9の入口側103から酸素を夫々蒸気発生装置に給水される復水, 給水に注入し、給水のDOを所定の範囲、即ち20〜200ppb の範囲となるように調整する。これにより、蒸気発生装置11の蒸発管等の内面には、ヘマタイトの粒子による緻密で平滑な被膜表面が形成され、鉄の溶出を抑制することができる。また、スケールの発生を防ぎ、蒸気発生装置11の差圧上昇を抑制することができる。
【0034】
一方、復水・給水系統においてpH及びDOが調節された復水,給水は、蒸気発生装置11で蒸気となり蒸気系統に供給され、タービンを駆動する。ここで、蒸気系統には、復水・給水系統と同じ水質の蒸気、即ちpHが8.0〜9.0、DOが20〜200ppb の蒸気が供給されていることとなる。この場合、高圧蒸気タービン12及び中圧蒸気タービン13には、高温の蒸気が供給されているので、ヘマタイトの粒子の生成によりタービンを構成する材料からの鉄の溶出を抑制することができる。しかしながら、低圧蒸気タービン14においては、供給された蒸気がタービン内で凝縮し温度の低い湿り蒸気領域となるため、ヘマタイトの粒子の生成が不十分となる。これにより、タービンを構成する材料から鉄の溶出を増大させ、タービンを破損に至らしめる。
【0035】
そこで、本実施例においては、低圧蒸気タービン14に供給される蒸気の水質を変化させ、タービンを構成する材料から鉄の溶出を抑制したものである。このため、復水器1で凝縮し得られた復水を復水器1の出口側201にて採取し、低圧蒸気タービン14に供給されたpHを測定する。測定の結果、低圧蒸気タービン14に供給された蒸気のpHが9.0〜9.6でなければ、低圧蒸気タービン 14の入口側202から薬剤として揮発性のアルカリ性物質(例えばアンモニア)を注入し、低圧蒸気タービン14に供給される蒸気のpHを所定の範囲、即ち 9.0〜9.6の範囲となるように調整する。これにより、温度の低い湿り蒸気領域で運転される低圧蒸気タービン14のタービンを構成する材料からの鉄の溶出を抑制し、タービンの破損を防ぐことができる。
【0036】
また、タービンを構成する静翼に設けた噴出孔203より、低圧蒸気タービン14内に、薬剤として揮発性のアルカリ性物質(例えばアンモニア)を注入しても、上記と同様の効果が得られる。
【0037】
図2は本発明の他の実施例である火力発電プラントを示す系統図である。尚、火力プラントの構成は、図1と同様の構成であるので説明は省略する。また、復水・給水系統における水処理についても図1と同様であるので説明を省略し、蒸気系統における水処理について説明する。
【0038】
前述したように、復水・給水系統においてpH及びDOが調節された復水,給水は、蒸気発生装置11で蒸気となり蒸気系統に供給され、タービンを駆動する。ここで、蒸気系統には、復水・給水系統と同じ水質の蒸気、即ちpHが8.0〜9.0、DOが20〜200
ppb の蒸気が供給されていることとなる。この場合、高圧蒸気タービン12及び中圧蒸気タービン13には、高温の蒸気が供給されているので、ヘマタイトの粒子の生成によりタービンを構成する材料からの鉄の溶出を抑制することができる。しかしながら、前述したように低圧蒸気タービン14もそうであるが、給水ポンプ駆動タービン15においても、供給された蒸気がタービン内で凝縮し温度の低い湿り蒸気領域となるため、ヘマタイトの粒子の生成が不十分となる。これにより、タービンを構成する材料から鉄の溶出を増大させ、タービンを破損に至らしめる。
【0039】
そこで、本実施例においては、給水ポンプ駆動タービン15に供給される蒸気の水質を変化させ、タービンを構成する材料から鉄の溶出を抑制したものである。このため、復水器1に排出される給水ポンプ駆動タービン15の排気を復水器1の入口側211て採取し、給水ポンプ駆動タービン15に供給されたpHを測定する。測定の結果、給水ポンプ駆動タービン15に供給された蒸気のpHが 9.0〜9.6でなければ、給水ポンプ駆動タービン15の入口側212から薬剤として揮発性のアルカリ性物質(例えばアンモニア)を注入し、給水ポンプ駆動タービン15に供給される蒸気のpHを所定の範囲、即ち9.0〜9.6の範囲となるように調整する。これにより、前例と同様に、温度の低い湿り蒸気領域で運転される給水ポンプ駆動タービン15のタービンを構成する材料からの鉄の溶出を抑制し、タービンの破損を防ぐことができる。
【0040】
また、タービンを構成する静翼に設けた噴出孔213より、給水ポンプ駆動タービン15内に、薬剤として揮発性のアルカリ性物質(例えばアンモニア)を注入しても、上記と同様の効果が得られる。
【0041】
尚、実施例の説明においては、低圧蒸気タービン14及び給水ポンプ駆動タービン15の水処理を別けて説明したが、低圧蒸気タービン14及び給水ポンプ駆動タービン15の水処理を組合わせることにより、火力発電プラントにおける水処理の信頼性はより向上されるであろう。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、発電プラントの復水・給水系統のみならず、蒸気系統においても水処理を施しているので、発電プラントを構成する機器全てに対して効果的、かつ寿命化を図った信頼性の高い水処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す火力発電プラントの系統図。
【図2】本発明の他の実施例を示す火力発電プラントの系統図。
【符号の説明】
1…復水器、2…復水ポンプ、3…グランドコンデンサ、4…復水ろ過器、5…復水脱塩装置、6…復水昇圧ポンプ、7…低圧給水加熱器、8…脱気器、9…給水ポンプ、10…高圧給水加熱器、11…蒸気発生装置、12…高圧蒸気タービン、13…中圧蒸気タービン、14…低圧蒸気タービン、15…給水ポンプ駆動蒸気タービン、101,201,211…サンプル採取ポイント、102, 103,104,202,203,212,213…薬剤注入ポイント。

Claims (8)

  1. 蒸気発生装置で得られた蒸気によりタービンを駆動すると共に、前記タービンから排出された排気を復水器によって凝縮し、得られた復水を少なくとも復水昇圧ポンプ,給水加熱器及び給水ポンプを介して前記蒸気発生装置に供給する発電プラントの水処理方法において、
    前記蒸気発生装置に供給される復水による鉄の溶出防止及び鉄の腐食防止をするために、前記給水加熱器の入口側にアンモニアを注入し、かつ前記復水昇圧ポンプ及び給水ポンプの入口側に酸素を注入すると共に、前記蒸気発生装置から得られた蒸気による鉄の溶出を防止するために、前記タービンの入口側にpH調整薬剤を注入することを特徴とする発電プラントの水処理方法。
  2. 前記蒸気発生装置から得られ蒸気による鉄の溶出を防止するために、前記復水器から得られた復水のpHが9.0〜9.6となるように、前記タービンの入口側にpH調整薬剤を注入することを特徴とする請求項1記載の発電プラント水処理方法。
  3. 前記タービンは、高圧タービン,中圧タービン及び低圧タービンからなり、前記pH調整薬剤は前記低圧タービンの入口側に注入することを特徴とする請求項1及び請求項2記載の発電プラントの水処理方法。
  4. 前記pH調整薬剤は、前記タービンを構成する静翼に設けた噴出孔より注入することを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の発電プラントの水処理方法。
  5. 前記pH調整薬剤は、揮発性のアルカリ性物質であることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の発電プラントの水処理方法。
  6. 前記揮発性のアルカリ性物質は、アンモニアであることを特徴とする請求項5記載の発電プラントの水処理方法。
  7. 蒸気発生装置で得られた蒸気により第1のタービンを駆動すると共に、前記第1のタービンから排出された排気を復水器によって凝縮し、得られた復水を少なくとも復水昇圧ポンプ,給水加熱器及び前記蒸気発生装置で得られた蒸気の抽気を駆動源とする第2のタービンによって駆動される給水ポンプを介して前記蒸気発生装置に供給する発電プラントの水処理方法において、
    前記蒸気発生装置に供給される復水による鉄の溶出防止及び鉄の腐食防止をするために、前記給水加熱器の入口側にアンモニアを注入し、かつ前記復水昇圧ポンプ及び給水ポンプの入口側に酸素を注入すると共に、前記蒸気発生装置から得られた蒸気による鉄の溶出を防止するために、前記第2のタービンの入口側にpH調整薬剤を注入することを特徴とする発電プラントの水処理方法。
  8. 前記蒸気発生装置から得られ蒸気による鉄の溶出を防止するために、前記第2のタービンの排気のpHが9.0〜9.6となるように、前記第2のタービンの入口側にpH調整薬剤を注入することを特徴とする請求項7記載の発電プラント水処理方法。
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