JP7079151B2 - 発電設備用の蒸発濃縮装置及び方法ならびに発電設備 - Google Patents

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Description

本発明は、火力発電所などの発電設備において排水処理に用いられる蒸発濃縮装置及び方法と、そのような蒸発濃縮装置を備える発電設備とに関する。
火力発電所などの発電設備では、酸、アルカリ、金属塩などの各種の成分が混入した排水が発生する。最近では、水質汚染の防止や水資源の有効利用の観点から、液体廃棄物の量をゼロとするZLD(Zero Liquid Discharge)規制が適用されることが多くなってきている。そのため、各種の成分が混入した排水である被処理水から混入成分が濃縮された濃縮水を生成する蒸発濃縮技術が必要とされるようになってきた。被処理水に対して蒸発濃縮処理を行ったのち、例えば濃縮水からは混入成分が分離される。蒸発濃縮処理により混入成分を含まない処理水も発生するが、処理水は再利用することができる。蒸発濃縮装置としては、多段効用缶式や多段蒸留式、機械的圧縮式などが知られているが、これらはエネルギーを多く消費し、ランニングコストが高くなるという課題を有する。熱交換器による熱の回収は不可能ではないが、回収できる熱の量には限りがある。
特表2015-527930号公報 特表2016-530096号公報 米国特許第9120033号明細書 米国特許出願公開第2015/0129410号明細書
蒸発濃縮装置の運転には多大のエネルギーが必要とされるが、火力発電所などの発電設備では、非常に効率よく蒸気タービンを駆動したのちに大量の熱水が発生している。またこの熱水のエネルギーは、有効利用されることなく廃棄されている場合もある。
本発明の目的は、発電設備で発生する熱エネルギーを有効利用して動作することができる蒸発濃縮装置及び方法と、そのような蒸発濃縮装置を有する発電設備とを提供することにある。
水の沸点に近いかそれよりも低い温度の熱源を利用して水を蒸発させることができる技術として、キャリアガス式蒸発装置がある。本発明者らは、キャリアガス式蒸発装置に着目して本発明を完成させた。キャリアガス式蒸発装置とは、加湿塔において比較的温度の高い条件で被処理水とキャリアガスとを気液接触させて被処理水中の水分を水蒸気としてキャリアガスに移行させてキャリアガスを加湿し、次に、水蒸気を含むキャリアガスを除湿塔において冷却し、キャリアガス中の水蒸気を凝縮させるものである。被処理水中の水分が除湿塔における凝縮水に移行するので、被処理水としては減容が達成されたことになる。このようなキャリア式ガス蒸発装置の詳細な構成は、例えば、特許文献1あるいは特許文献2に記載されている。気液接触により気体を加湿する際に気液接触の効率を高めるものとして、特許文献3は、バブリングカラムを多段に設けることを開示している。また気液接触により気体を冷却し気体中の水分を凝縮させる際に気液接触の効率を高めるものとして、特許文献4は、バブリングカラムを多段に設けることを開示している。
したがって本発明の蒸発濃縮装置は、発電設備に設けられ、混入成分を含む被処理水に対して蒸発濃縮処理を行なう蒸発濃縮装置であって、キャリアガスと被処理水が供給されてキャリアガスと被処理水とを気液接触させ、キャリアガスを加湿して排出する加湿塔と、加湿されたキャリアガスと冷却水とを気液接触させて加湿されたキャリアガスを冷却し、水分の少なくとも一部を凝縮させることにより、除湿されたキャリアガスを生成して排出する除湿塔と、加湿塔に対して被処理水を循環させる第1の循環経路と、被処理水を加温する加温手段と、を有し、加温手段は、発電設備の給水加熱器から排出される熱水を熱源として被処理水を加温する。
本発明の発電設備は、本発明の蒸発濃縮装置を備える。
本発明の蒸発濃縮方法は、発電設備において混入成分を含む被処理水に対して蒸発濃縮処理を行なう蒸発濃縮方法であって、キャリアガスと被処理水が供給されてキャリアガスと被処理水とを気液接触させ、キャリアガスを加湿して排出する加湿塔と、加湿されたキャリアガスと冷却水とを気液接触させて加湿されたキャリアガスを冷却し、水分の少なくとも一部を凝縮させることにより、除湿されたキャリアガスを生成して排出する除湿塔と、加湿塔に対して被処理水を循環させる第1の循環経路と、を有するキャリアガス式蒸発装置を使用し、発電設備の給水加熱器から排出される熱水を熱源としてキャリアガス式蒸発装置において被処理水を加温する。
本発明によれば、発電設備で発生する熱エネルギーを有効利用して蒸発濃縮装置を動作させることができる。
一般的な発電設備の構成を示す図である。 本発明に基づく、蒸発濃縮装置を備える発電設備を示す図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。本発明に基づく発電設備を説明するために、最初に、一般的な発電設備について、図1を用いて説明する。
図1に示す発電設備は、蒸気タービンによって発電機11を駆動する一般的な火力発電所として構成されている。ボイラー12で発生した高圧蒸気が高圧タービン13に導かれ、高圧タービン13から排出される蒸気は再びボイラー12に導かれて再熱され、その後、中圧タービン14に導かれる。中圧タービン14から排出される蒸気は低圧タービン15に導かれる。高圧タービン13、中圧タービン14及び低圧タービン15は発電機11から延びる回転軸16に接続しており、これらのタービン13~15が蒸気によって駆動されることにより、発電機11が駆動される。
低圧タービン15から排出される蒸気は復水器17において冷却凝縮し、凝縮水は復水脱塩装置18において脱塩処理がなされる。復水器17では、冷却水として、例えば海水が使用される。脱塩処理された水は、低圧給水加熱器19で加熱され、脱気器20で脱気処理がなされ、その後、高圧給水加熱器21においてさらに加熱され、ボイラー12に送られる。このようにボイラー12からタービン13~15、復水器17、低圧給水加熱器19、脱気器20及び高圧給水加熱器21を経てボイラー12に戻るボイラー循環水の経路が構成されている。低圧給水加熱器19及び高圧給水加熱器21は、発電設備全体の熱効率を向上するために設けられており、冷却前の蒸気によって熱回収を行なう。例えば低圧給水加熱器19の熱源としては、低圧タービン15において抽気されて配管22を介して送られた蒸気が使用される。低圧給水加熱器19の熱源として使用された蒸気は、熱水としてドレインタンク23に貯えられた後、配管24を介して復水器17、あるいは、低圧給水加熱器19の入口に戻される。復水脱塩装置18の出口と低圧給水加熱器19の入口を結ぶ配管を配管27として、復水器17か低圧給水加熱器19の入口かどちらに熱水を戻すかを選択するために、配管24と復水器17の間に弁25が設けられ、配管24と配管27の間に弁26が設けられている。
図2は、本発明に基づく発電設備を示している。図2に示す発電設備は、図1に示す発電設備に対し、発電設備で発生した熱を利用して蒸発濃縮処理を実行する蒸発濃縮装置を設置したものである。蒸発濃縮装置は、混入成分を有する被処理水、例えば、発電設備を含むプラント内で発生した各種の排水を対象として蒸発濃縮処理を行い、被処理水中の混入成分を濃縮した濃縮水を生成するとともに、混入成分が除去された水を処理水として排出するものである。本実施形態では、図1に示す発電設備において、ドレインタンク23から配管24を介して復水器17あるいは配管27に戻される熱水の熱エネルギーを回収し、その熱によって蒸発濃縮装置に蒸発濃縮処理を行なわせている。
蒸発濃縮装置は、発電設備に接続して配管24を流れる熱水から熱エネルギーを回収する接続部30と、接続部30で回収した熱を熱源の少なくとも一部とするキャリアガス式蒸発装置からなる本体部50と、とから構成されている。まず、本体部50について説明する。
本体部50は、大別すると、加湿塔60と、除湿塔70と、加湿塔60の側で循環する被処理水と除湿塔70の側で循環する冷却水との間で熱交換を行う熱交換器80と、を備えている。加湿塔60は、キャリアガスが供給されてキャリアガスを被処理水とを気液接触させ、キャリアガスを加湿するものである。キャリアガスとしては、例えば空気や窒素などが用いられる。加湿されたキャリアガスは、加湿塔60の上部に接続した配管91を介して加湿塔60から排出される。加湿塔60には、キャリアガスに対して被処理水を噴霧する噴霧器66が設けられている。加湿塔60の内部には、気液接触を促進するための充填物を設置してもよい。また加湿塔60の内部は、特許文献3に開示されているような、バブリングカラムを必要に応じて多段に設けたような構造であっても構わない。加湿塔60の下部には被処理水を一時的に貯える貯水部61が形成され、さらに、被処理水を排出する配管62が接続している。配管62は、熱交換器80の二次側の入口に接続する。熱交換器80の二次側の出口には、被処理水を加湿塔60に循環させるための循環配管63が接続する。循環配管63には後述する熱交換器65が設けられ、循環配管63の先端は上述した噴霧器66に接続している。配管62、熱交換器80の二次側及び循環配管63によって、被処理水を加温しつつ加湿塔60に対して被処理水を循環させる第1の循環経路が構成され、熱交換器65が第1の循環経路に設けられている。ここでは、第1の循環経路に熱交換器65が設けられるものとしているが、被処理水を加温できるのであれば、熱交換器65は第1の循環経路とは別に設けられてもよい。さらに配管62には、後述する濃縮水として被処理水を排出する配管64も接続している。配管64は、加湿塔60の貯水部61から被処理水を直接排出するように接続されていてもよい。そして配管62において、配管64への分岐点よりも下流側の位置に、被処理水を第1の循環経路に供給するための配管67が接続している。被処理水とキャリアガスとの気液接触が実現できるのであれば、被処理水を加湿塔20に直接供給する構成としてもよい。
除湿塔70は、加湿塔60から加湿されたキャリアガスが配管91を介して供給され、このキャリアガスを噴霧器76から噴霧される冷却水と気液接触させることによってキャリアガス中の水分を凝縮させるものである。水分の一部が凝縮除去されたキャリアガスは、除湿されたキャリアガスとして、除湿塔70の上部に接続した配管92を介して除湿塔70から外部に排出される。除湿塔70の内部には、気液接触を促進するための充填物を設置してもよい。また除湿塔70の内部は、特許文献4に開示されているような、バブリングカラムを必要に応じて多段に設けたような構造であっても構わない。除湿塔70の下部には冷却水を一時的に貯える貯水部71が形成され、さらに、冷却水を排出する配管72が接続している。配管72は、熱交換器80の一次側の入口に接続している。熱交換器80の一次側の出口には、冷却水を除湿塔70に循環させるための循環配管73が接続し、循環配管73の先端は上述した噴霧器76に接続している。循環配管73には、処理水として冷却水を排出する配管74も接続している。配管74は、除湿塔70の貯水部71から冷却水を直接排出するように、除湿塔70に接続していてもよい。配管72、熱交換器80の一次側、及び循環配管73によって、冷却水を冷却しつつ除湿塔70に対して冷却水を循環させる第2の循環経路が構成されている。
次に、接続部30について説明する。キャリアガス式蒸発装置として構成された本体部50は、熱交換器65において被処理水が加温されることによって動作する。そこで接続部30は、発電設備の配管24を流れる熱水の熱エネルギーを熱交換器65に与えて被処理水を加温する機能を有する。しかしながら、被処理水中にはイオン性不純物などの各種の成分が混入しており、これらの成分が発電設備のボイラー循環水の系統に漏れ出すことは絶対に避けなければならない。そこで本実施形態では、接続部30は、配管24を流れる熱水を熱交換器65に直接供給するのではなく、中間となる熱交換器33を備え、熱交換器33を介して間接的に熱交換器65に熱を供給する。
発電設備においてドレインタンク23から熱水を排出する配管24にバイパス弁31が挿入されており、バイパス弁31の両側を接続するように配管32が設けられている。配管32は、加温用配管であって熱交換器33の一次側に熱水を通水する。配管32の入口と出口となる位置には、それぞれ、開閉弁37,38が設けられている。熱交換器33の二次側と蒸発濃縮装置の本体部50の熱交換器65の一次側とは配管34,35によって接続され、純水などの熱媒が配管34,35を介して熱交換器33と熱交換器65との間で循環するように構成されている。これにより、配管32を流れる熱水によって、熱交換器65を流れる被処理水が間接的に加温される。さらに、被処理水が発電設備側に万が一漏れ出すなどの異常を検知するために、配管35にはヘッドタンク36が設けられ、配管32では熱交換器33の出口よりも下流側の位置に導電率計(EC)39が設けられている。ヘッドタンク36の液面変動をレベル計や漏水センサーなどによって監視することにより、熱交換器33,65及び配管34,35による熱媒の循環経路での異常の発生を検知することができる。熱交換器33から排出される熱水の導電率を導電率計39によって監視することにより、蒸発濃縮装置の本体部50側から配管32への被処理水のリークの発生を検知することができる。
次に、図2に示す発電設備での蒸発濃縮装置による蒸発濃縮処理について説明する。蒸発濃縮処理を行なうために、接続部30においてバイパス弁31を閉じ、開閉弁37,38を開けて、ドレインタンクから排出される熱水が配管32を介して熱交換器33の一次側に流れるようにする。そして、不図示のポンプを駆動することにより、熱交換器33と本体部50の熱交換器65との間で熱媒を循環させる。その結果、熱交換器65は、そこを流れる被処理水を加温できるようになる。
本体部50において、混入成分を含む被処理水は、配管67を介して第1の循環経路に供給され、熱交換器65,80によって加温され、噴霧器66から加湿塔60内に噴霧される。加湿塔60では、キャリアガスが供給されるとともに第1の循環経路を介して加温された被処理水が噴霧されるので、キャリアガスと被処理水との気液接触により、被処理水の水分の一部が水蒸気としてキャリアガスに移行する。このようにして加湿されたキャリアガスは、配管91を介して除湿塔70に送られる。被処理水の加温及び循環と、被処理水とキャリアガスとの気液接触を継続すると、水分がキャリアガスに継続的に移行するので、第1の循環経路内を循環する被処理水中の混入成分濃度が上昇する。蒸発濃縮装置の起動時には混入成分を含まない被処理水が第1の循環経路内を循環していたとしても、混入成分を含む被処理水を配管67を介して供給することにより、蒸発濃縮装置の運転を継続するにつれて配管67からの被処理水における混入成分濃度よりも循環する被処理水中の混入成分濃度が高くなる。被処理水中の混入成分濃度が所定の値よりも高くなったら、被処理水の一部を、混入成分濃度が高められた濃縮水として配管64から外部に排出する。排出した濃縮水に対しては、適切な排水処理を行なえばよい。あるいは、例えば蒸発濃縮処理の終了時に加湿塔20から被処理水の全部を濃縮水として排出してもよい。
除湿塔70では、加湿塔60から配管91を介して加湿されたキャリアガスが供給されるとともに、第2の循環経路を介して冷却水が循環し、キャリアガスと噴霧器76から噴霧される冷却水との接触により、キャリアガス中の水分の少なくとも一部が凝縮して冷却水に移行する。水分の凝縮によりキャリアガスは除湿されたことになり、除湿されたキャリアガスは配管92を介して外部に排ガスとして排出される。配管72から排出された冷却水は熱交換器80を通過するときに被処理水に熱を与え、それによって冷却され、除湿塔70に循環する。冷却水の冷却及び循環と、冷却水とキャリアガスとの気液接触を継続すると、キャリアガス中の水分が冷却水に継続的に移行するので、冷却水の量が増加する。キャリアガスからの凝縮水には混入成分はほとんど含まれていないので、増大した冷却水も混入成分をほとんど含んでいない。冷却水がある程度まで増加したら、冷却水の一部を、混入成分が除去された処理水として、配管64を介して外部に排出する。除湿塔70の貯水部71から処理水を直接排出するようにしてもよい。
蒸発濃縮装置を動作させないときは、開閉弁37,38を閉じ、バイパス弁31を開け、ドレインタンク23からの熱水が、配管32に流れることなく配管24から復水器17あるいは配管27に直接戻されるようにする。また、熱交換器33と熱交換器65の間での熱媒の循環に異常が生じたときや、蒸発濃縮装置からの被処理水のリークが疑われるときには、具体的には、ヘッドタンク36での液面変動があったときや、導電率計39で検出される導電率の値が規定値を超えたときには、直ちに、開閉弁37,38と閉じてバイパス弁31を開け、蒸発濃縮装置を発電設備から切り離すようにする。そのため、ヘッドタンク36の液面を検出する不図示のセンサからの検出結果と導電率計39からの検出結果とが入力し、液面変動を検出したときや導電率の値が規定値を超えたときに開閉弁36,37を閉じバイパス弁31を開ける制御装置(不図示)を設けることが好ましい。異常を検出したときに蒸発濃縮装置を発電設備から切り離すことによって、蒸発処理装置側の被処理水がボイラー循環水に混入することを確実に防止できる。
ここで図2に示す蒸発濃縮装置における熱の移動について説明する。ドレインタンク23からの熱水によって熱交換器65が間接的に加熱され、熱交換器65を通過することによって被処理水が加温される。熱交換器65の二次側の出口での被処理水の温度、すなわち噴霧器66から噴霧される被処理水の温度をT1とする。加湿塔61において被処理水を噴霧し、被処理水中の水分の一部をキャリアガスに移行することにより、蒸発潜熱及びキャリアガスとの熱交換、配管67から供給される新たな被処理水との混合のために被処理水の温度は低下する。配管62での被処理水の温度をT2とすると、T1>T2である。この被処理水は熱交換器80によって加温される。熱交換器80の二次側出口での被処理水の温度をT3とすれば、T1>T3>T2である。一方、冷却水について、熱交換器80の一次側の出口での冷却水の温度をT4とする。温度T4は除湿塔70でキャリアガスに対して噴霧される冷却水の温度である。除湿塔70では、キャリアガスを冷却することによってキャリアガス中の水分が凝縮するので、除湿塔70から配管72に流れ出る冷却水の温度をT5とすれば、加湿塔60からキャリアガスが持ち込んだ顕熱と凝縮潜熱とにより、T5>T4となる。また、熱交換器80の一次側と二次側との間で、T5>T3かつT4>T2が成り立つ。
ここで、本実施形態の蒸発濃縮装置を動作させることによる熱効率の向上について説明する。まず、図1に示した従来の一般的な発電設備における、低圧給水加熱器19からドレインタンク23に貯められた熱水について説明する。ドレインタンク23に供給された熱水は、配管24を介して、復水器17あるいは配管27に戻される。発電設備の通常運転時には熱水が配管24から弁26を介して配管27に戻される場合が多く、この場合、発電設備の全体として熱のロスはほぼない。これに対し発電設備の立ち上げ時などには熱水が配管24から弁25を介して復水器17に戻される場合が多く、この場合、戻された熱水は復水器17において冷却されるため、その分、発電設備全体としては熱のロスが発生する。
一方、図2に示す本実施形態の発電設備においてドレインタンク23からの熱水を配管32を介して蒸発濃縮装置の熱源として利用する場合も、配管32からの使用済みの熱水の戻し先については図1に示した従来の発電設備と同様の基準で決定される。ここで熱水が配管32及び配管24を介して復水器17に戻された場合、熱交換器33を介して熱交換器65に間接的に熱を与えることにより熱水の温度が低下するため、復水器17においてて冷却される熱負荷が小さくなるだけである。そのため、従来のものと比較して発電設備全体として発生する熱のロスに変化はなく、効率的に熱エネルギーを使用することができる。他方で、配管32からの熱水を配管27に戻す場合は、熱交換器65に間接的に熱を与えたことによる熱水の温度低下の分、発電設備全体としては熱のロスになるため、蒸発濃縮装置において使用する分の熱を新たにボイラー12において発生させる必要がある。しかしながら発電設備において主蒸気源と使用されるボイラー12は、一般に熱効率が高いので、この場合であっても蒸発濃縮装置を含めた発電設備の全体として高い熱効率が維持され、蒸発濃縮処理を行なうための付加的なコストを最小限に抑えることができる。
図2に示した蒸発濃縮装置では、第1の循環経路を流れる被処理水と第2の循環経路を流れる冷却水との間で熱交換を行なう熱交換器80を設けているが、第2の循環経路を流れる冷却水を冷却する機構を備えるのであれば、熱交換器80は設けなくてもよい。さらに、大量の冷却水を確保できる場合には、第2の循環経路を設けることなく、外部から冷却水を除湿塔70に供給し、凝縮水を含んで除湿塔70から流れ出る冷却水をそのまま放流することも可能である。
上述した実施形態では、蒸発濃縮装置での被処理水に含まれるイオン性不純物などが発電設備のボイラー循環水の系統に漏れ出すことを確実に防止するために、2つの熱交換器33,65を用いて間接的に第1の循環経路を流れる被処理水を加温している。熱交換器の十分な信頼性が確保される場合には、被処理水が二次側を流れる熱交換器65のみを設け、この熱交換器65の一次側に対して配管24を流れる熱水を直接供給することも不可能ではないが、その場合であっても、加温手段である熱交換器65の一次側の下流側、すなわち、加温手段に熱を供給したのちの熱水が流れる位置に導電率計を設けてイオン性不純物などのリークの監視を行うことが望ましい。
12 ボイラー
13 高圧タービン
14 中圧タービン
15 低圧タービン
17 復水器
19 低圧給水加熱器
23 ドレインタンク
30 接続部
31 バイパス弁
33,65,80 熱交換器
36 ヘッドタンク
39 導電率計
50 本体部
60 加湿塔
70 除湿塔

Claims (11)

  1. 発電設備に設けられ、混入成分を含む被処理水に対して蒸発濃縮処理を行なう蒸発濃縮装置であって、
    キャリアガスと被処理水が供給されて前記キャリアガスと前記被処理水とを気液接触させ、前記キャリアガスを加湿して排出する加湿塔と、
    前記加湿されたキャリアガスと冷却水とを気液接触させて前記加湿されたキャリアガスを冷却し、水分の少なくとも一部を凝縮させることにより、除湿されたキャリアガスを生成して排出する除湿塔と、
    前記加湿塔に対して前記被処理水を循環させる第1の循環経路と、
    前記被処理水を加温する加温手段と、
    を有し、
    前記加温手段は、前記発電設備の給水加熱器から排出される熱水を熱源として前記被処理水を加温する、蒸発濃縮装置。
  2. 前記給水加熱器から排出される前記熱水を前記発電設備内に戻し、
    前記加温手段に熱を供給したのちの前記熱水が流れる位置に設けられた導電率計をさらに有する請求項1に記載の蒸発濃縮装置。
  3. 前記発電設備において前記熱水を循環させる配管に設けられたバイパス弁と、
    前記バイパス弁の両端に接続する加温用配管と、
    を備え、
    前記加温用配管を流れる前記熱水を熱源として前記被処理水が加温される、請求項2に記載の蒸発濃縮装置。
  4. 前記導電率計で検出した導電率値が所定値を超えるときに前記バイパス弁を開いて前記熱水の経路を前記加温用配管から前記バイパス弁を通る経路に切り替える制御装置を有する、請求項3に記載の蒸発濃縮装置。
  5. 前記加温用配管に第1の熱交換器が設けられ、
    前記加温手段は、前記第1の熱交換器によって加温された熱媒が循環する第2の熱交換器を有して前記熱媒の熱によって前記被処理水を加温する、請求項3または4に記載の蒸発濃縮装置。
  6. 前記導電率計は前記加温用配管において前記第1の熱交換器の下流に設けられている、請求項5に記載の蒸発濃縮装置。
  7. 前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器の間を循環する前記熱媒の経路にヘッドタンクが設けられている、請求項5または6に記載の蒸発濃縮装置。
  8. 前記ヘッドタンクでの液面変動に基づいて前記バイパス弁を開き前記熱水の経路を前記加温用配管から前記バイパス弁を通る経路に切り替える制御装置を有する、請求項7に記載の蒸発濃縮装置。
  9. 前記被処理水前記第1の循環経路を介して前記加湿塔に供給され、前記加湿塔から流出する水の少なくとも一部、前記混入成分を含む濃縮水として排出される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の蒸発濃縮装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の蒸発濃縮装置を備える発電設備。
  11. 発電設備において混入成分を含む被処理水に対して蒸発濃縮処理を行なう蒸発濃縮方法であって、
    キャリアガスと被処理水が供給されて前記キャリアガスと前記被処理水とを気液接触させ、前記キャリアガスを加湿して排出する加湿塔と、前記加湿されたキャリアガスと冷却水とを気液接触させて前記加湿されたキャリアガスを冷却し、水分の少なくとも一部を凝縮させることにより、除湿されたキャリアガスを生成して排出する除湿塔と、前記加湿塔に対して前記被処理水を循環させる第1の循環経路と、を有するキャリアガス式蒸発装置を使用し、
    前記発電設備の給水加熱器から排出される熱水を熱源として前記キャリアガス式蒸発装置において前記被処理水を加温する、蒸発濃縮方法。
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