JP3605840B2 - 新規な撥水撥油剤組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な撥水撥油剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、繊維に撥水撥油性能を付与する目的で、ポリフルオロアルキル基を含む重合体を含有する撥水撥油剤を用いて繊維を処理することが行われている。しかし従来の撥水撥油剤は、洗濯またはドライクリーニングによって、撥水撥油性能が低下することが問題となっている。この問題点を解決する目的で、従来の撥水撥油剤にシリコーン樹脂、ブロックドイソシアナートまたはアミノプラスト樹脂等を添加した撥水撥油剤組成物が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、シリコーン樹脂を添加した撥水撥油剤組成物は、接着強度を低下させるのに加えて素材の風合を損なう欠点がある。また、ブロックドイソシアナート、アミノブラスト樹脂は風合を粗硬化させるだけでなく、樹脂を架橋させるために高いキュア温度が必要であり低温では架橋が起こらず、耐久性に劣る問題点があった。以上のように、高い撥水撥油性能とその耐久性において満足な撥水撥油剤組成物は得られていなかった。本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、全く新しい撥水撥油剤組成物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリフルオロアルキル基を含有するアクリレートまたはポリフルオロアルキル基を含有するメタクリレートの重合単位を含む重合体(ただし、カルボキシル基を含むものを除く)、およびオキサゾリン残基含有単量体の重合単位、メチルメタクリレートの重合単位およびスチレンの重合単位を含む重合体を含む繊維または繊維製品の処理に用いる撥水撥油剤組成物を提供する。
【0005】
本発明における、ポリフルオロアルキル基を含有するアクリレートまたはポリフルオロアルキル基を含有するメタクリレートは、撥水撥油性能を与えるポリフルオロアルキル基(以下Rf基と記す)とラジカル重合性の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物である。
【0006】
Rf基は、炭化水素基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換した構造である。Rf基含有単量体中のRf基としては、直鎖または分岐の構造が好ましい。Rf基は、炭素−炭素不飽和二重結合を1個以上含んでいてもよく、炭素原子とエーテル結合した酸素原子を含んでいてもよい。
【0007】
Rf基の炭素数は4〜20個が好ましい。Rf基の炭素原子のうち1個以上のフッ素原子が結合している炭素原子の数は2個以上が好ましく、より好ましくは4〜18個、特に好ましくは6〜16個である。また、Rf基に対応する同一炭素数のアルキル基中の全水素原子の数に対して、Rf基中の全フッ素原子数の割合は、好ましくは60%以上、特に好ましくは80%以上である。また、Rf基は、フッ素原子以外のハロゲン原子を含んでいてもよい。他のハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。
【0008】
また、Rf基の末端構造としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、クロロジフルオロメチル基等が挙げられるが、好ましい最末端構造はトリフルオロメチル基である。
【0009】
Rf基の末端部分の構造は、炭化水素基の水素原子の全てがフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキル基であるものが好ましい。該パーフルオロアルキル基としては、CmF2m+1(ただしmは4〜16の整数)で表わされる構造が好ましく、特にmが6〜12の整数である場合が好ましい。
【0010】
本発明におけるRf基含有単量体は、上記のRf基の1個以上、好ましくは1個が、直接にまたは結合基を介して炭素−炭素不飽和二重結合と結合しているものであり、結合基を介して結合している場合が好ましい。該結合基としては、特に限定されないが、アルキレン部分またはエステル部分を含むものが好ましい。
【0011】
以下においてアクリレートとメタクリレートをまとめて(メタ)アクリレートと記し、両者を意味する。(メタ)アクリルアミド等も同様である。また、Rf基を1個以上含有する(メタ)アクリレートをRf(メタ)アクリレートと記す。
【0012】
好ましいRf(メタ)アクリレートの具体例としては、下式(2)で表される化合物が挙げられる。式(2)のRf(メタ)アクリレートは公知の化合物である。
【0013】
CH2=CR5COO−A−Rf’・・・(2)
ただし、R5は水素原子またはメチル基、Aは2価の結合基、Rf’は炭素数が6〜16のRf基を表わす。
【0014】
式(2)中のAは2価の結合基を表わす。例として−R6−、−R7N(R9)SO2−、−R8N(R10)CO−が挙げられるが、これに限定されない。なお、R6〜R8は、それぞれ、アルキレン基を示し、特に炭素数が2〜6個のアルキレン基が好ましい。またR6〜R8は水酸基や−OCOCH3基等を含むものでもよい。R9〜R10は、アルキル基、特に炭素数が4個以下のアルキル基、が好ましい。Rf’は、直鎖状のまたは末端部に分岐を有するRf基が好ましい。
【0015】
以下に、Rf(メタ)アクリレートの具体例を示すが、これらの例に限定されない。ただし、化2のR5およびRf’は、上記の式(2)の場合と同じ意味である。
【0016】
【化2】
【0017】
該Rf(メタ)アクリレートは、1種または2種以上を混合して用いることができる。混合して用いる場合にはRf基の炭素数が異なる化合物の2種以上を用いることができる。
【0018】
本発明におけるRf基含有単量体の重合単位を含む重合体(以下、Rf基含有重合体と記す。)としては、Rf基含有単量体の1種以上の重合体、または、Rf基含有単量体の1種以上と他の重合性単量体の1種以上との共重合体、のいずれであってもよい。なお、以下においてRf基含有単量体と共重合できる他の重合性単量体を、コモノマーと記す。
【0019】
コモノマーとしては公知の種々のモノマーが挙げられる。該コモノマーは、1種または2種以上を併用して使用することができる。コモノマーの例としては、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、ビニル類、ハロゲン化ビニル類、オレフィン類、(メタ)アクリロニトリル類、不飽和カルボン酸エステル類などの重合性不飽和基等の官能基を有する周知のコモノマーが挙げられる。
【0020】
これらのうち好ましい例としては(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、塩化ビニルが挙げられる。また(メタ)アクリレート類としては、アルキルエステル部分に水酸基、アミノ基、エポキシ基等の官能基を有するものを使用することもできるが、該官能基を有するコモノマーはコモノマーの一部として使用することが好ましい。(メタ)アクリレート類のなかで特に好ましい例は炭素数が8個以上の長鎖炭化水素基をアルキルエステル部分に含むもの、例えば2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートやステアリル(メタ)アクリレート等である。
【0021】
上記コモノマーの例としては、以下に記すモノマーが挙げられるが、これらの例に限定されない。
【0022】
アジリジニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンジオールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、オルガノポリシロキサン残基を有する(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド。
【0023】
塩化ビニル、酢酸ビニル、フッ化ビニル、ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、ビニルアルキルケトン、エチレン、スチレン、α−メチルスチレン、無水マレイン酸、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、フッ化ビニル、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル。
【0024】
Rf基含有単量体と上記コモノマーとの共重合体における各々の割合は、Rf基含有単量体が40重量%以上であることが好ましく、特に50〜80重量%であることが好ましい。コモノマーは、全コモノマーの60重量%以上が(メタ)アクリレート類または(メタ)アクリルアミド類であることが好ましい。官能基を有する(メタ)アクリレート類をコモノマーとして使用する場合には、全モノマーに対して1〜10重量%が好ましく、特に2〜5重量%が好ましい。
【0025】
本発明においては、上記のRf基含有重合体、およびオキサゾリン残基含有単量体の重合単位を含む重合体を含む撥水撥油剤組成物を用いることが特徴である。
【0026】
オキサゾリン残基含有単量体とは、オキサゾリン残基と、炭素−炭素不飽和二重結合を含む化合物を意味する。オキサゾリン残基と、炭素−炭素不飽和二重結合は、直接にまたは結合基を介して間接的に結合している場合のいずれであってもよいが、入手し易さの点から、直接に結合している場合が好ましい。
【0027】
オキサゾリン残基とは、2−オキサゾリン、3−オキサゾリン、4−オキサゾリンの水素原子の1つを除いた基を意味する。これらのうち、本発明においては、2−オキサゾリンの水素原子の1つを除いた基が好ましく、特に、2−オキサゾリンの2位の水素原子の1つを除いた基が好ましい。
【0028】
さらに本発明におけるオキソゾリン残基には、置換基が結合していてもよい。該置換基としては、メチル基、エチル基、フェニル基等が例示され得るが、特に入手し易さの点からメチル基が好ましい。
【0029】
本発明におけるオキサゾリン残基含有単量体としては、特に下式(1)に示される化合物が好ましい。
【0030】
【化3】
【0031】
ただし、式(1)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。
【0032】
本発明におけるオキサゾリン残基含有単量体の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
【0033】
【化4】
【0034】
本発明におけるオキサゾリン残基含有単量体の重合単位を含む重合体(以下、オキサゾリン残基含有重合体と記す。)としては、上記のオキサゾリン残基含有単量体の1種または2種以上を重合させた重合体、または、オキサゾリン残基含有単量体の1種または2種以上と他の重合性の単量体の1種または2種以上とを重合させたものが挙げられる。これらのうち、上記のRf基含有重合体との相溶性の点から、オキサゾリン残基含有単量体の1種または2種以上と他の重合性単量体の1種または2種以上とを共重合させたものが好ましい。
【0035】
オキサゾリン残基含有単量体と共重合させる他の重合性単量体は、メチルメタクリレート、およびスチレンである。
【0036】
さらに、本発明におけるオキサゾリン残基含有重合体中のオキサゾリン残基含有単量体の重合単位の割合は、特に限定されないが、通常の場合はオキサゾリン残基含有重合体の100重量部中に0.1〜40重量部が好ましい。また、オキサゾリン残基含有単量体と共重合させるコモノマーの重合単位の割合は、オキサゾリン残基含有重合体100重量部中に60〜99.9重量部が好ましい。特にコモノマーとして、メチルメタクリレートを含ませる場合はオキサゾリン残基含有重合体中に10〜80重量部が好ましく、スチレンを含ませる場合は10〜80重量部が好ましい。
【0037】
本発明の撥水撥油剤組成物としては、水分散型または溶剤溶液型のものが好ましい。撥水撥油剤組成物の製造方法については、公知の方法が採用できるが、乳化重合法、溶液重合法で製造するのが好ましく、特に、乳化重合法で製造するのが好ましい。
【0038】
さらに、乳化重合法で媒体に水を使用した場合には、水分散型の撥水撥油剤組成物が得られる。この場合、界面活性剤を添加する時点については特に限定されないが、重合の際に重合用乳化剤として添加することが好ましい。また重合生成物の分散安定性をさらに高めたい場合には、アルキレングルコールのような水溶性溶剤を配合した水性媒体中で乳化重合することが好ましい。
【0039】
溶液重合法の場合には、溶剤溶液型の撥水撥油剤組成物が得られる。また溶液重合法や他の重合法で製造した後に、水分散型とする場合には、得られた重合体を水に分散させる際に、界面活性剤を添加することが好ましい。
【0040】
上記の重合は通常の場合、公知の重合開始剤を加えて実施できる。例えば乳化重合時の重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩のような重合開始剤やγ線のような電離性放射線等を用いることができる。また重合時に硫酸や硝酸等の酸を加えることによって、重合収率を高めることもできる。
【0041】
上記のRf基含有重合体の分子量は、1000〜1000000が好ましい。特に撥水撥油剤組成物が水分散型の場合は、5000〜100000が好ましい。また、溶剤溶液型の場合は、3000〜30000が好ましい。Rf基含有重合体の分子量が小さすぎると、撥水撥油性能の耐久性が低下する恐れがあり、一方、分子量が大きすぎると合成が難しく、入手も困難である。また、オキサゾリン残基含有重合体の分子量は特に限定されないが、通常の場合、入手し易さまたは合成の容易さの点から、3000〜100000が好ましい。
【0042】
Rf基含有重合体、およびオキサゾリン残基含有重合体の粒子径はできるだけ小さいことが、分散安定性の面で好ましく、平均粒子径は2.0μm以下が好ましく、特に0.02〜1.5μmが好ましい。
【0043】
本発明の撥水撥油剤組成物は、上記のRf基含有重合体、およびオキサゾリン残基含有重合体を含むものである。撥水撥油剤組成物中の各々の割合は、Rf基含有重合体の100重量部に対して、オキサゾリン残基含有重合体の0.5〜20重量部が好ましい。
【0044】
さらに、本発明の撥水撥油剤組成物は、前記の重合体以外の他の重合体や添加剤を含有していてもよい。例えば、他の撥水剤や撥油剤、架橋剤、防虫剤、難燃剤、帯電防止剤、染料安定剤、防シワ剤などの添加剤等が挙げられる。
【0045】
本発明の撥水撥油剤組成物で処理され得る被処理物品は、繊維または繊維製品である。例えば、繊維織物、繊維編物等がある。繊維編物、繊維織物の例としては、綿、麻、羊毛、絹などの動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの合成繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維などの無機繊維、またはこれらの混合繊維の織物、編物が挙げられる。
【0046】
本発明の撥水撥油剤組成物を被処理物品に処理する方法としては、被処理物品の種類や前記調製形態等に応じて、任意の方法が適用できる。例えば、浸漬塗布法等のような被覆加工の既知の方法により、被処理物品の表面に付着させ乾燥する方法が採用される。また、必要ならばキュアリングを行ってもよい。撥水撥油剤組成物を被処理物品に処理する量としては、通常の場合、被処理物品の100重量部に対して、撥水撥油剤組成物の固形分濃度が0.01〜10重量部が好ましく、特に0.1〜3重量部が好ましい。固形分濃度が少なすぎると撥水撥油性能の耐久性が低下する恐れがあり、多すぎると風合が粗硬化するだけでなく不経済である。
【0047】
【実施例】
以下に本発明を、実施例(例1〜4)および比較例(例5〜9)を挙げてさらに具体的に説明するが、この説明が本発明を限定するものではない。風合い、撥水撥油性能の洗濯耐久性、およびドライクリーニング耐久性は、以下の方法で評価した。
【0048】
[風合いの評価方法]
風合いは、未加工の布との触感による比較を行うことによって評価した。
【0049】
[洗濯耐久性の評価方法]
洗濯耐久性の評価はJIS−L−0217−103法にて洗濯を10回繰り返し行ったのち、90℃で3分乾燥し、10回後の撥水撥油性能を洗濯前のものと比較することにより評価した。
【0050】
[ドライクリーニング耐久性の評価方法]
ドライクリーニング耐久性の評価は、JIS−L−1092,3,2(2)法にて、ドライクリーニングを10回繰り返し行ったのち、25℃で12時間乾燥し、10回後(DC10回後と略す。)の撥水撥油性能をドライクリーニング前のものと比較することにより評価した。
【0051】
また、撥水性能、撥油性能については、つぎのような尺度で示した。すなわち、撥水性能はJIS−L−1092のスプレー法による撥水性ナンバー(下記表1参照)をもって表わし、撥油性能は下記表2に示された試験溶液を試験布の上、二か所に数滴(径約4mm)置き、30秒後の浸透状態により判別し、浸透しない試験溶液の最高のナンバーを記した(AATCC−TM118−1966)。なお撥水性ナンバー、撥油性ナンバーに+を付したものは、それぞれの性質がわずかに良いことを示す。
【0052】
[例1]
撥水撥油性能試験は、ナイロンタフタ布を試験布に用いて以下に示す条件で行った。すなわち、パーフルオロアルキルエチルアクリレート(70重量部)/塩化ビニル(30重量部)のコポリマーを20重量部(すなわち20重量%)含む水分散型フッ素系撥水撥油剤の6重量部、2−ビニル−(2−オキサゾリン)/メチルメタクリレート/スチレンの共重合体を40重量部(すなわち40重量%)含む水系分散液(エポクレスK1010E/日本触媒社製)の0.5重量部に水の93.5重量部を加え、pH6に調整したものを、処理液とした。
処理布の20倍重量の処理液を25℃とし、ここに試験布を浸漬し、2本のゴムローラーの間で布を絞って、ウエットピックアップを30%とした。ついで、110℃で90秒間乾燥、さらに170℃で60秒間熱処理した。これを試験布とした。試験布の風合い、撥水撥油性能の洗濯耐久性、およびドライクリーニング耐久性を評価した結果を表3に示す。
【0053】
[例2]
エポクレスK1010Eを5重量部用い、水を89重量部用いた以外は、例1と同様の方法で行った。処理前後の試験布の風合い、撥水撥油性能の洗濯耐久性、およびドライクリーニング耐久性を表3に示す。
【0054】
[例3]
キュア温度を120℃にしたこと以外は、例1と同様の方法で行った。処理前後の試験布の風合い、撥水撥油性能の洗濯耐久性、およびドライクリーニング耐久性を表3に示す。
【0055】
[例4]
キュア温度を120℃にしたこと以外は、例2と同様の方法で行った。処理前後の試験布の風合い、撥水撥油性能の洗濯耐久性、およびドライクリーニング耐久性を表3に示す。
【0056】
[例5]
パーフルオロアルキルエチルアクリレート(60重量部)/ステアリルアクリレート(40重量部)のコポリマーを1,1,1−トリクロロエタン中に15重量%含む溶剤溶液の10重量部、2−ビニル−(2−オキサゾリン)/ブチルアクリレート/スチレンの共重合体を50重量%含むキシレン溶液(CX−RS−1200/日本触媒社製)の1重量部を混合し、さらに、固形分濃度が1重量%となるようにトルエンで希釈したものを処理液とした。
処理布の20倍重量の処理液を25℃とし、ここに試験布を浸漬し、2本のゴムローラーの間で布を絞って、ウエットピックアップを40%とした。ついで、110℃で90秒間乾燥、さらに170℃で60秒間熱処理した。処理前後の試験布の風合い、撥水撥油性能の洗濯耐久性、およびドライクリーニング耐久性を表3に示す。
【0057】
[例6]
エポクロスK1010Eの代わりに、メラミン樹脂を75重量部(すなわち75重量%)含む水分散液(スミテックレジンM−3/住友化学社製メラミン樹脂)の3重量部と触媒(スミテックアクセレータACX/住友化学社製)の3重量部を用い、水の88重量部を用いたこと以外は、例1と同様の方法で行った。処理前後の試験布の風合い、撥水撥油性能の洗濯耐久性、およびドライクリーニング耐久性を表3に示す。
【0058】
[例7]
エポクロスK1010Eの代わりに、メチルエチルケトオキシム系ブロックドイソシアナートを40重量%含む水分散液(BP−11/明成化学工業社製)の0.5重量部を用いたこと以外は、例1と同様の方法で行った。処理前後の試験布の風合い、撥水撥油性能の洗濯耐久性、およびドライクリーニング耐久性を表3に示す。
【0059】
[例8]
キュア温度を120℃にしたこと以外は、例6と同様の方法で行った。処理前後の試験布の風合い、撥水撥油性能の洗濯耐久性、およびドライクリーニング耐久性を表3に示す。
【0060】
[例9]
キュア温度を120℃にしたこと以外は、例7と同様の方法で行った。処理前後の試験布の風合い、撥水撥油性能の洗濯耐久性、およびドライクリーニング耐久性を表3に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】
本発明の撥水撥油剤組成物は、布に処理した場合の洗濯やドライクリーニングによる撥水撥油性能の低下が少なく、また、風合いの変化が少ない非常に優れた組成物である。また、キュア温度を低くした場合においても、撥水撥油性能および該性能の洗濯やドライクリーニングによる低下が少なく、風合いの変化も少ないため、低温でキュアできる利点がある。
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