JP3604728B2

JP3604728B2 - 組電池

Info

Publication number: JP3604728B2
Application number: JP11153194A
Authority: JP
Inventors: 和美佐藤
Original assignee: Toshiba Battery Co Ltd
Current assignee: FDK Twicell Co Ltd
Priority date: 1994-05-25
Filing date: 1994-05-25
Publication date: 2004-12-22
Anticipated expiration: 2019-12-22
Also published as: JPH07320716A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、組電池に係り、特にエレクトロニクス機器類の電源に適する組電池に関する。
【０００２】
【従来の技術】
いわゆるエレクトロニクス機器類においては、高出力化もしくは高機能化などの点から、駆動電源として、複数個の充放電型の素電池を、たとえば箱型の絶縁性ケース内に収納，封着した構成の組電池が使用されている。また、前記絶縁性ケース内に収納，封着された複数個の素電池は、直列もしくは並列に接続配置した構成を採るとともに、収納，封着された素電池および絶縁性ケース内壁面間に、外部接続端子を導出するインサートモールド型の端子台を介挿，配置して、前記絶縁性ケース外に窓部を外部接続端子を導出した構成を採っている。図４は、このような組電池の要部構造を断面的に示したもので、１は外部接続用の窓部１ａを有する絶縁性ケース、２は前記絶縁性ケース１内に収納，封着され、電気的に接続されている複数個の充放電型の素電池、３は前記収納，封着された素電池２および絶縁性ケース１内壁面間に介挿，配置され、前記窓部１ａを封止しながら素電池２の外部接続端子３ａを導出するインサートモールド型の端子台である。なお、図４において、３ｂはインサートモールド型の端子台３に埋め込まれ、素電池２側と外部接続端子３ａとを電気的に接続する導体リードである。
【０００３】
ここで、この種の組電池としては、円筒形や角柱形が挙げられ、また絶縁性ケースは、一般的にアクリル−ブタジェン−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂などを素材として形成されている。そして、この組電池では、いろいろな使用環境もしくは使用形態など考慮して、ケース内に収納，封着した素電池を固定したり、あるいは防水構造化なども行われている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記構成の組電池においては、機械的な保護もさることながら、防水対策が重視される。すなわち、前記構成の組電池は、携帯型の駆動電源として利用される場合が多く、雨水もしくは湿気に瀑され易い。そして、組み込まれた素電池が、雨水もしくは湿気に瀑されたりすると、性能の低下を招来し、ときには駆動電源としての機能も損なわれる。
【０００５】
こうした問題を考慮して、絶縁性ケース１の窓部１ａに対する外部接続端子３ａ、および絶縁性ケース１内壁面に対するインサートモールド型の端子台３などにつき、いろいろな封着手段が試みられている。すなわち、絶縁性ケース１の窓部１ａと外部接続端子３ａとの隙間、および絶縁性ケース１内壁面とインサートモールド型の端子台３との隙間に、たとえば接着剤４を塗布，埋め込んで封止するとか、もしくはテープ類を重ね貼り封止して、外側からの雨水もしくは湿気の侵入を防止（防水）する手段が採られている。
【０００６】
しかしながら、前記組電池における防水は、組電池の組み立てや構成の煩雑化を招来し、所要作業時間が増大するので、結果的に生産性が大幅に損なわれる。しかも、防水の信頼性に、なお問題が認められ、実用上満足し得る状態とはいえない。
【０００７】
本発明は上記事情に対処してなされたもので、簡単な構成を採りながら、絶縁性ケース内に装着，封着された素電池などの防水を確実に達成され、信頼性の高い駆動電源として機能する組電池の提供を目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る組電池は、外部接続用の窓部を有する絶縁性ケースと、前記絶縁性ケース内に収納、封着され電気的に接続される複数個の充放電型の素電池と、前記収納、封着された素電池および絶縁性ケース内壁面間に介挿、配置され、前記窓部を封止しながら素電池の外部接続端子を導出するインサートモールド型の端子台と、前記窓部の周りを囲むように、前記絶縁性ケース内壁面側に介挿、配置され、インサートモールド型の端子台との間を液密に封着する軟質な樹脂層とを具備して成ることを特徴とする。
【０００９】
すなわち、本発明は絶縁性ケース内に収納，封着した素電池、および外部接続端子を電気的に接続する機能を成すインサートモールド型の端子台面と、絶縁性ケース内壁面との間に、たとえばポリウレタン樹脂などの軟質な樹脂層を挟着させ、前記外部接続端子を導出させた窓部に対して、素電池を収納，封着した領域の確実な防水を行うものである。そして、前記軟質な樹脂層の挟着，介在・装着は、インサートモールド型の端子台面、もしくは絶縁性ケース内壁面に一体的に形設した形を採ってもよい。つまり、前記インサートモールド型の端子台面、もしくは絶縁性ケースを、たとえばインジェクションモールド方式で形成するとき、本体部をモールド形成した後、所要の領域面にポリウレタン樹脂をダブリュインジェクションモールドして、軟質な樹脂層を一体的に設置しておいてもよい。
【００１０】
【作用】
本発明においては、絶縁性ケース内に収納，配置（装着）され、同じく収納，封着された素電池に対して電気的に外部接続の機能を成す一方、外部接続端子を導出しながら絶縁性ケースの窓部を封止するインサートモールド型の端子台と、これに対応する絶縁性ケース内壁面との間に、軟質な樹脂層を装着，介在させた構成を採っている。そして、この構成においては、前記軟質な樹脂層がパッキンとして有効に作用し、前記絶縁性ケースの窓部を通じた雨水や湿気の侵入を容易に防止する。つまり、絶縁性ケース内壁面の所定領域、もしくはインサートモールド型の端子台面の所定領域に、軟質な帯状の樹脂層を組み込むだけという簡略な構成を採ったことにより、組電池に対して高信頼性の付与が可能となる。
【００１１】
【実施例】
以下、図１，図２および図３を参照して本発明の実施例を説明する。
【００１２】
図１は本発明に係る組電池の要部構成例を示す断面図であり、５は外部接続用の窓部５ａを有する絶縁性ケース、６は前記絶縁性ケース５内に収納，封着され電気的に接続される複数個の充放電型の素電池である。なお、絶縁性ケース５は、一般的に上下（もしくは左右）に２分割した一端開口の箱型成型体を、それら箱型成型体の開口端面を衝合させ、たとえば超音波溶着し構成している。さらに具体的には、前記絶縁性ケース５は、アクリル−ブタジエン−スチレン樹脂製の箱型本体部（下ケース）と、同じくアクリル−ブタジエン−スチレン樹脂製の蓋体部（上ケース）とで構成されている。
【００１３】
また、７は前記絶縁性ケース５内に素電池６を収納，封着した構成において、素電池６および絶縁性ケース５内壁面間に介挿，配置され、前記絶縁性ケース５の窓部５ａを封止しながら素電池６の外部接続端子７ａを導出するインサートモールド型の端子台である。ここで、インサートモールド型の端子台７は、所定の外部接続端子７ａおよび導体リード７ｂを予め配置しておき、たとえばアクリル・ブタジエンスチレン樹脂をインジェクションモールドすることによって形成したものである。さらに、８は前記外部接続用の窓部５ａに隣接して絶縁性ケース５内壁面側に介挿，配置され、インサートモールド型の端子台７との間を液密に封着する軟質な樹脂層である。ここで、絶縁性ケース５内壁面とインサートモールド型の端子台７面との間に介挿，配置され、液密に封着する軟質な樹脂層８は、たとえば図２および図３にそれぞれ斜視的に示すごとく、インサートモールド型の端子台７面の所定領域に、あるいは絶縁性ケース５内壁面の所定領域に、予め一体的に設置しておくことが望ましい。そして、この軟質な樹脂層８の一体的な設置は、前記インサートモールド型の端子台７、絶縁性ケース５を、たとえばインジェクションモールドによって形成するとき、引き続いてポリウレタン樹脂などをインジェクションモールド（ダブリュインジェクション）して一体的に形成することが好ましい。
【００１４】
なお、上記では絶縁性ケース５をアクリル・ブタジエンスチレン樹脂で、インサートモールド型の端子台７をアクリル・ブタジエンスチレン樹脂で、また軟質の樹脂層８をポリウレタン樹脂でそれぞれ形成した構成を例示したが、本発明は前記例示に限定されるものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、他の変形を採り得ることは勿論である。
【００１５】
【発明の効果】
以上実施例の説明から分かるように、本発明に係る組電池によれば、絶縁性ケース内に、組み込み，封着された充放電型の素電池は、機械的な衝撃に起因する損傷，機能喪失などが回避されるばかりでなく、雨水や湿度による悪影響も全面的に解消もしくは防止される（防水性）。したがって、機能的な信頼性の向上が図られるし、また構造的にも簡略であるため、製造工程においては生産性および歩留まりの向上、コストダウンなど図り得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る組電池の要部構成例を断面図。
【図２】本発明に係る組電池が具備する軟質樹脂層付きのインサートモールド型の端子台の構成例を示す斜視図。
【図３】本発明に係る組電池が具備する軟質樹脂層付きの絶縁性ケース片の構成例を示す斜視図。
【図４】従来の組電池の要部構成例を断面図。
【符号の説明】
１，５…絶縁性ケース１ａ，５ａ…外部接続用の窓２，６…素電池３，７…インサートルールド型の端子台３ａ，７ａ…外部接続端子３ｂ，７ｂ…導体リード４…接着材（封止用）８…軟質な樹脂層

Claims

外部接続用の窓部を有する絶縁性ケースと、
前記絶縁性ケース内に収納、封着され電気的に接続される複数個の充放電型の素電池と、
前記収納、封着された素電池および絶縁性ケース内壁面間に介挿、配置され、前記窓部を封止しながら素電池の外部接続端子を導出するインサートモールド型の端子台と、
前記窓部の周りを囲むように、前記絶縁性ケース内壁面側に介挿、配置され、インサートモールド型の端子台との間を液密に封着する軟質な樹脂層と
を具備して成ることを特徴とする組電池。
請求項１の記載において、液密に封着する軟質な樹脂層がインサートモールド型の端子台面および絶縁性ケース内壁面の少なくともいずれか一方の面に一体的に設置されていることを特徴とする組電池。
請求項１もしくは請求項２の記載において、液密に封着する軟質な樹脂層がインサートモールド型の端子台面、絶縁性ケース内壁面の少なくともいずれか一方の面にダブルインジェクションで形成、設置されていることを特徴とする組電池。