JP3604159B2 - 乳清由来の骨芽細胞増殖促進及び骨強化因子ならびに該因子を含有せしめた骨強化食品、医薬および飼料 - Google Patents

乳清由来の骨芽細胞増殖促進及び骨強化因子ならびに該因子を含有せしめた骨強化食品、医薬および飼料 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、乳清由来の骨芽細胞増殖促進及び骨強化因子及びその製造法に関する。本発明の因子は、飲食品、医薬、動物飼料にその原料として加えて骨を強化し骨関節疾患、特に骨粗鬆症の予防あるいは治療に有用である。
【0002】
【従来の技術】
近年、高齢化に伴い、骨粗鬆症、骨折及び腰痛等の各種骨疾患の患者が増加している。その原因は次の様に解明されている。
骨組織においては、たえず骨の生成と分解吸収が営まれており若い時には骨生成と分解吸収のバランスがとれているが、加齢に伴い種々の原因でそのバランスが分解吸収に傾く(アンカップリングと呼ぶ)。このアンカップリングが長年にわたって続くと骨組織がもろくなって前記の疾患を生じるとされる。従ってアンカップリングを防ぐことできれば骨粗鬆症、骨折、腰痛等を予防できることは判っている。
従来よりアンカップリングを防ぎ各種骨疾患の予防および治療の方法として
1)食事によるカルシウムの補給、2)軽い運動、3)日光浴、4)薬物療法、の4種類が行われてきた。食事によるカルシウムの補給には炭酸カルシウム及び燐酸カルシウム等のカルシウム塩や牛骨粉、卵殻及び魚骨粉等の天然カルシウム剤が使われている。食品及び食品素材のこれまでの使用目的は全てカルシウムの補給である。次に軽い運動についてはゲートボールや30分程の散歩等が良いとされているが、体が弱ってくると軽い運動もやっかいなものである。まして寝たきり老人になるとほとんど運動ができなくなる。
3番目の日光浴はビタミンDの補給という点で良いとされているがこれだけでは不充分である。最後の薬物療法には1α−ヒドロキシビタミンD、カルシトニン製剤等が知られ、骨強化作用があるとされている。しかしこれらは、化学物質を有効成分とする医薬品そのものであって、食品素材として安全にしかも長期的にマイルドな条件で摂取して骨を強化できる物質ではない。
このように食品素材に長期的にマイルドに安全に使われる骨強化作用を有する物質についてその効力が確立されているものはまだ知られていない。
【0003】
本発明者らはこのような物質を得るために乳清蛋白中の骨強化因子の探索を続けてきた。すなわち、乳、特に乳清の蛋白質画分を分画し、その画分から骨を強化することのできる骨芽細胞増殖促進・骨強化画分を得ようと試みた。その結果、乳清蛋白の水溶性画分から、逆浸透(RO)膜または電気透析(ED)等により乳清由来の塩を除いた蛋白及びペプチド混合物に骨を強化する作用があることを見いだした(特開平4−183371号公報参照)。
さらに本発明者らは、この乳清蛋白及びペプチド混合物(以下、乳清蛋白という)中の骨強化因子の分画を試みた結果、エタノールで沈澱する画分、特にその水溶性成分に骨芽細胞増殖因子及び骨強化因子が存在することを見いだした(特開平5−176715号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような乳清蛋白の分画の確立を続行し、さらに分画した、別の面からみればより物性値が明らかになった画分に骨芽細胞増殖促進・骨強化因子があることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明の課題は、乳、特に乳清から骨強化作用を有する画分を分離抽出し、骨芽細胞増殖促進・骨強化因子を提供することにある。さらに、本発明の課題は、このような因子を食品、医薬、飼料に添加して骨を強化することのできる食品、医薬及び飼料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、乳清蛋白の分画を前記のようにさらに試みたところ、次の画分に骨芽細胞増殖促進及び骨強化因子が存在することを見出した。
すなわち、本発明は、次の特性を有する骨芽細胞増殖促進及び骨強化因子に関する。
【0006】
(1) 乳清由来であること
(2) 乳清および/または乳清由来の蛋白水溶液を 1) 分画分子量3万以上の限外濾過膜で限外濾過して透過させる工程、 2)80 10 分間の加熱をして沈澱を生じさせ、上澄み液を採取する工程、 3) pH1.5 3.5 で食塩の最終濃度を 0.2 M以上にして沈澱を生じさせ、この沈澱の水溶性画分を採取する工程、の全てを行って得ることができる水溶性画分に存在すること
(3) 分子量 5,000〜28,000ダルトン(SDS−ポリアクリルアミドゲル電 気泳動法による)の範囲にあること
(4) 等電点4〜9の範囲にあること
【0007】
前記に記載される骨芽細胞増殖促進、骨強化因子を含有せしめてなる骨強化作用を有する飲食品、医薬品及び飼料。
【0008】
乳清タンパク濃縮物の水溶液を 1)分画分子量3万以上の限外濾過膜で限外濾過して透過させる工程、 2)80 10 分間の加熱をして沈澱を生じさせ、上澄み液を採取する工程、 3) pH 1.5 3.5 で食塩の最終濃度を 0.2 M以上にして沈澱を生じさせ、この沈澱の水溶性画分を採取する工程、の全てを行うことを特徴とする骨芽細胞増殖促進及び骨強化因子の製造法。
【0009】
本発明の骨芽細胞増殖促進および骨強化因子を製造するには、乳原料、特に乳清または乳清蛋白の水溶液を80℃で10分間加熱させて生ずる沈澱を除き、得られる上清を分画分子量30,000以上の限外濾過膜その他の膜で処理して透過する画分を採取する。あるいは乳清または乳清蛋白質を酸性、特にpH1.5 〜3.5 にしてさらに食塩の最終濃度を0.2M以上とすることによって沈澱を生じさせ、この沈澱の水溶性画分を採取し、これを分画分子量3万以上の限外濾過膜その他の膜で処理して透過する画分を採取する。または、乳清蛋白水溶液を分画分子量3万以上の限外濾過膜で処理して透過した画分を取り、これを加熱または食塩処理を行って採取する。得られる画分は、分子量 5,000〜28,000ダルトン(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による)等電点4〜9の画分となっている。
このような画分は、後で実施例に示すように骨芽細胞増殖促進及び骨強化活性を有する。
【0010】
さらに、本発明は、このようにして得られた骨芽細胞増殖促進及び骨強化因子を含有せしめた食品、医薬及び飼料に関する。
【0011】
本発明の骨芽細胞増殖及び骨強化因子の原料は乳が用いられる。
このような乳としては牛乳、人乳、山羊乳、羊乳等の新鮮乳、粉乳、脱脂乳、還元乳等が挙げられる。そして、これらの乳から乳清(ホエー)を得、それから蛋白を採取した乳清蛋白を用いることが望ましい。
乳清は、乳または脱脂乳に酸を加えるかまたは、レンネットを作用させて生じる凝固物を取り除いた透明な黄緑色の液体であって、チーズまたはカゼイン製造の副産物として通常得られている。また、乳清蛋白は、この乳清を限外濾過、逆浸透法、クロマトグラフィー、透析等によって処理することによって得られる蛋白で、このなかには、乳糖を除去し蛋白含有量を高めた乳清蛋白濃縮物も包含される。また蛋白はペプチドであってもよい。また、蛋白を蛋白分解酵素で分解したものであってもよい。
【0012】
本発明の骨芽細胞増殖促進及び骨強化因子は、このような乳清または乳清蛋白の水溶液を80℃で10分間熱処理することによって生ずる沈澱を除き、上清中に含有されている。またpH1.5 〜3.5 に調整して、さらに食塩の最終濃度を0.2M以上にすることによって沈澱を生じさせ、この沈澱の水溶性画分中にも含有されている。
【0013】
本発明者らは、この乳清及び乳清蛋白を熱処理し、その熱安定性を調べた。その結果80℃10分の処理では、骨芽細胞増殖促進活性・骨強化活性は何等影響を受けることがなかった。さらに90℃において約85%の骨芽細胞増殖促進活性が残存し、95℃においても約70%の骨芽細胞増殖促進活性が残存した。この熱安定性の性質を用いることにより、乳清中の他の成分から骨芽細胞増殖促進活性・骨強化因子を分離することができる。すなわち、熱安定性の悪い成分は熱処理を行うことによって沈澱として除去できる。この熱処理時のpHは3.5 〜7.0 が効率よく両者を分画できるpHである。
本発明における食塩処理は、pH1.5 〜pH3.5 で行うと有効である。食塩による分画は各pHで沈澱形成に差があるが、pH3.0 〜pH3.5 の時食塩の最終濃度が0.2M以上で沈澱する。
また、この食塩処理は、他のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、リン酸塩、2価金属塩、などでも最適pH、濃度は食塩とは異なるものの代用できる。
【0014】
また、本発明の骨芽細胞増殖促進及び骨強化因子は、限外濾過においては分画分子量3万以上の限外濾過膜を透過することが判った。通常この水溶性画分は、凍結乾燥して粉末にする。この水溶性画分は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によると分子量5,000 〜28,000の範囲内に主要なバンドがみられた。
また、得られた沈澱画分をペプシン、トリプシン、キモトリプシン等の蛋白分解酵素で限定分解し、蛋白分解酵素限定分解物としても骨芽細胞増殖促進および骨強化因子は残存した。
【0015】
本発明では、このような骨芽細胞増殖促進・骨強化因子を飲食品、飼料、薬品等(以下、食品等という)に含有させることができる。
本発明の乳清蛋白の骨芽細胞増殖促進・骨強化因子を含有した食品等には、吸収性の良いカルシウム塩を添加すること望ましい。このような吸収性のいカルシウム塩には、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、卵殻あるいは牛乳由来のカルシウムまたはその塩、これらの含有物を例示することができる。
また、さらに本発明の乳清蛋白は、脱塩を行ってもよい。
従って、本発明の食品等は、乳清蛋白の分画物あるいはその脱塩画分、蛋白分解画分またはそれらに吸収性の良いカルシウム塩を添加してなるもの等を含有するものである。
本発明の骨芽細胞増殖促進・骨強化因子を含有せしめて得られる食品等の例を挙げると牛乳、ジュース、ゼリー、パン、麸、スープ、ソーセージ、錠剤等があり、飼料には飼料添加物、その他の飼料が、さらに医薬として、経口的に投与できる錠剤、顆粒剤、液剤等が挙げられる。
本発明の骨芽細胞増殖促進及び骨強化因子は、これを100 〜500mg これらの飲食品等に添加含有することによって、骨を強化することができる。
【0016】
また、本発明の骨芽細胞増殖促進及び骨強化因子は元来乳の成分であって、ラットによる動物試験でも急性毒性は認められなかった。
【0017】
次に、本発明の乳清蛋白の製造法を実施例をあげて説明する。
【実施例1】
乳清タンパク濃縮物15kgを 100リットルになるように溶解し、pH4.5 に調整した後、80℃10分間蒸気にて加温した。これを、5,000 ×g、10分間の遠心処理で沈澱を除去し、80リットルの溶液を得た。この10リットルを凍結乾燥し、530 gの凍結乾燥粉末を得た(画分A)。残りの35リットルをpH3.0 にして、食塩濃度で0.2Mにして生成する沈澱を15,000×g、10分間の遠心により除去した。この上清に食塩濃度で2.0Mになるように調整し、生成する沈澱を15,000×g、10分間の遠心により集めた。これを、20リットルの蒸留水に懸濁させ、その10リットルを逆浸透(RO)にて脱塩して凍結乾燥を行い、凍結乾燥粉末を得た(画分B)。残りの10リットルは分画分子量10万の限外濾過(UF)膜(DDS社製)を用いて透過させ、透過液を分画分子量3万のUF膜を透過させ、透過液を電気透析により脱塩し、さらにこれを凍結乾燥して凍結乾燥粉末を得た。(画分C:本発明画分)。画分Bおよび画分Cの収量はそれぞれ、1227g、540 gであった。
【0018】
【実施例2】
乳清タンパク濃縮物7.5kg を50リットルになるように溶解し、pH4.5 に調整した後、80℃10分間蒸気にて加温した。これを、分画分子量50万のUF膜(DDS社製)を用いて透過させ、透過液60リットルの半分をRO膜により脱塩し凍結乾燥して凍結乾燥粉末を得た(画分D)。残りの30リットルをpH3.5 に調整し食塩を最終濃度で0.3Mにして15,000×g、10分間の遠心を行って生成する沈澱を除去した。この上清を食塩濃度が2.0Mになるように調整し15,000×g、10分間の遠心により沈澱を生ぜしめ、これを集め、凍結乾燥して凍結乾燥粉末を得た(画分E:本発明画分)。画分Dおよび画分Eの収量はそれぞれ、 632g、 235gであった。
【0019】
参考例1
脱脂乳 200リットルに塩酸を加えてpH4.7 にしカゼインを沈澱させ、5,000 ×g、20分間の遠心により乳清 185リットルを得た。これを、分画分子量50万のUF膜(DDS社製)でUF処理を行い、その透過液をさらに分画分子量3万のUF膜でUF処理を行うことにより脱塩とともに濃縮し、濃縮液を6リットル得た。この内2リットルはそのまま凍結乾燥し(画分F)、2リットルは、pH6.3 にて80℃10分間、加熱処理して5,000 ×g、10分間の遠心による上清を取りこれを凍結乾燥した(画分G)。また残りの2リットルは、pH1.5 で食塩濃度が3Mになるように調整し生成する沈澱を15,000×g、10分間の遠心により集め、それを水に溶かした後電気透析により脱塩し凍結乾燥した(画分H)。画分F,H,Gのそれぞれの収量は、それぞれ 340g、 188g、 202gであった。
【0020】
実施例3
乳清タンパク濃縮物5.0kg を50リットルの水に溶解し、pHを3.5 に調整し、最終食塩濃度が3.0Mになるように調整した。ここで沈澱する画分を15,000×g、10分間の遠心により回収し、これを10リットルの水に溶解した。この2リットルを電気透析して凍結乾燥し(画分I)、8リットルをpH4.5 に調整して80℃10分間の熱処理を行った。この内半分を 5,000×g、10分間の遠心により上清を取りこれを凍結乾燥した(画分J)。また残りを分画分子量50万のUF膜処理を行い、その透過液を逆浸透(RO)により脱塩して凍結乾燥した(画分K:本発明画分)。画分I,J,Kの収量は、それぞれ 430g、 255g、 178gであった。
【0021】
実施例4
乳清タンパク濃縮物2.5kg を50リットルの水に溶解し、pHを3.0 に調整し、最終食塩濃度が3.0Mになるように調整した。ここで沈澱する画分を15,000×g、10分間の遠心により回収し、これを10リットルの水に溶解した。これを分画分子量50万のUF膜処理を行い、その内半分の透過液をROにより脱塩して凍結乾燥した(画分L)。残りの半分は80℃10分間の熱処理を行い 5,000×g、10分間の遠心により上清を取りこれを凍結乾燥した(画分M:本発明画分)。画分L,Mの収量は、それぞれ 216g、 175gであった。
【0022】
実施例5
実施例1〜4及び参考例1得られた画分A〜Mの凍結滑剤粉末をSDS−ボリアクリルアミドゲル電気泳動により分画すると、分子量5,000 〜28,000の範囲内に主要なバンドがみられた。
また、等電点電気泳動を行った所、等電点4〜9に主要なバンドがみられた。
【0023】
実施例6
実施例1〜4及び参考例1で得られた画分A〜Mの骨芽細胞増殖促進効果
培養骨芽細胞様株(MC3T3−E1)を96穴の平底細胞培養プレートに撒き込み、0.3 %牛血清を含むα−MEM培地(Flow Labolatories製)で培養した。培地 100μl に対して、実施例1〜5で得られた画分A〜Mを最終濃度で5μg /ml、50μg /mlになるように添加し、18時間培養した。その後、トリチウムでラベルしたチミジンを添加し、2時間後に細胞に取り込まれたチミジンの放射活性によって骨芽細胞の増殖活性を測定した。
試験結果を図1に示す。図1は、培地に実施例1〜4及び参考例1で得られた画分A〜Mを加えなかったときの放射活性を 100%としたときに、実施例1〜4及び参考例1で得られた画分A〜Mを加えると何%の放射活性に相当するかによって細胞増殖活性を示している。
画分AからMを最終濃度で50μg /mlで作用させると、培地のみで培養した時に比べ、細胞増殖活性が 150%から 420%まで増加していた。また、5μg /mlで作用させても、細胞増殖活性がみられた。このことから、実施例1〜4及び参考例1で得られた画分A〜Mには骨芽細胞増殖作用があることがわかった。
また、培養骨芽細胞株UMR106 株においても同様な結果が得られた。
【0024】
実施例7
コラーゲン合成促進作用
骨芽細胞様株(MC3T3−E1)を、実施例6で用いた培地に、実施例1〜4及び参考例1で得られた画分A〜Mを最終濃度で50μg /mlになるように添加し、この培地で37℃、3日間培養し、合成されたコラーゲンの量を調べた。合成されたコラーゲンの量はハイドロキシプロリンを定量することにより求めた。ハイドロキシプロリンの定量は、細胞破砕液を6N−塩酸で含水し、p−ジメチルアミノベンズアルデヒドを用いることにより行った。この結果を図2に示す。この結果、実施例1〜4及び参考例1で得られた画分A〜Mを作用させると、培地のみで培養した時に比べてハイドロキシプロリン量が増加し、骨芽細胞のコラーゲン合成が促進されることが判明した。
【0025】
実施例8
骨強化作用
実施例で得られた画分C,E,K,M(本発明画分)を表1に示すようにカゼインに置き換えて飼料に2%添加し、飼料を調製した。飼料中のカルシウムとリンの量はともにすべての群で飼料 100gあたり 300mgとなるように調整し、カルシウム:リン比を1:1とした。
動物は6週齢のSD系雌性ラットを用いた。骨粗鬆症モデルラットは、1週間予備飼育した後に卵巣摘出手術を施し低カルシウム食で1ケ月間飼育することにより作製した。その時、擬似手術を施し、卵巣を摘出しないシャムラットも7匹作製した。1試験群7匹で試験を行った。
骨粗鬆症モデルラットを、それぞれの被験飼料で1ケ月間飼育した。
1ケ月後に各実験群のラットの大腿骨を摘出し、破断特性測定装置で骨強度を測定した。
【0026】
【表1】
Figure 0003604159
【0027】
試験結果を図3及び図4に示す。図3に示したように、大腿骨破断力は対照群(Cont) に比べて画分C,E,K,M群で統計的に有意に高い値を示した。図4で示した骨破断エネルギーも画分C,E,K,M群で統計的に有意に高い値を示した。このことから、実施例で得られた画分C,E,K,Mには骨強化作用があることがわかった。
【0028】
次に本発明の食品類について実施例を挙げて具体的に示す。
【実施例9】
Figure 0003604159
上記成分を混合し容器に充填し、加熱殺菌して飲料を通常の製造法にて製造した。
【0029】
【実施例10】
Figure 0003604159
上記の成分を配合し、加圧成型して錠剤を通常の製造法にて製造した。
【0030】
【発明の効果】
本発明の骨芽細胞増殖促進及び骨強化因子ならびにこれを含有させた食品類は、骨を強化する作用を有することから各種の骨関節疾患、特に骨粗鬆症の予防あるいは治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例6の骨芽細胞増殖促進効果を示す。
【図2】実施例7のコラーゲン合成促進作用を示す。
【図3】実施例8の骨粗鬆症モデルラットの骨破断力を示す。
【図4】実施例8の骨粗鬆症モデルラットの骨破断エネルギーを示す。

Claims (4)

  1. 次の特性を有する骨芽細胞増殖促進および骨強化因子。
    (1) 乳清由来であること
    (2) 乳清および/または乳清由来の蛋白水溶液を、1) 分画分子量3万以上の限外濾過膜で限外濾過して透過させる工程、2) 80℃10分間の加熱をして沈殿を生じさせ、上澄み液を採取する工程、3) pH1.5〜3.5で食塩の最終濃度を0.2M以上にして沈殿を生じさせ、この沈殿の水溶性画分を採取する工程、の全てを行って得ることができる水溶性画分に存在すること
    (3) 分子量5,000〜28,000ダルトン(SDS‐ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による)の範囲にあること
    (4) 等電点4〜9の範囲にあること
  2. 請求項1に記載される骨芽細胞増殖促進、骨強化因子を含有せしめてなる骨強化のための医薬品。
  3. 請求項1に記載される骨芽細胞増殖促進、骨強化因子を含有せしめてなる骨強化作用を有する飲食品または飼料
  4. 乳清タンパク濃縮物の水溶液を、1)分画分子量3万以上の限外濾過膜で限外濾過して透過させる工程、2)80℃10分間の加熱をして沈殿を生じさせ、上澄み液を採取する工程、3)pH1.5〜3.5で食塩の最終濃度を0.2M以上にして沈殿を生じさせ、この沈殿の水溶性画分を採取する工程、の全てを行うことを特徴とする骨芽細胞増殖促進及び骨強化因子の製造法。
JP14217092A 1991-12-26 1992-05-07 乳清由来の骨芽細胞増殖促進及び骨強化因子ならびに該因子を含有せしめた骨強化食品、医薬および飼料 Expired - Lifetime JP3604159B2 (ja)

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