JP3602726B2 - 高速炉用蒸気発生器 - Google Patents

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速炉用蒸気発生器に関する。更に詳述すると、本発明は水と激しく反応する液体金属冷却材の熱を水に伝えて蒸気を発生させる二重シェル(隔壁)型の高速炉蒸気発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ナトリウム等の液体金属を冷却材として使用する高速炉プラントとして、二次冷却系を削除したものが提案されている。かかる二次系削除型高速炉プラントの蒸気発生器では、一次冷却系の液体ナトリウムと蒸気になる水との接触防止の信頼性を高めるために水の流路を二重管内に形成することが知られている。この二重管型蒸気発生器では、二重管の外管と内管の間の環状空間の雰囲気を常時監視することで二重管の破損を検出することができる。即ち、外管又は内管が破損すると液体ナトリウム又は水が外管と内管の間に漏れ出るが、外管と内管の間に不活性ガスの循環流を形成しておき当該不活性ガス循環流中にナトリウム・エーロゾル(ナトリウムを分散質、気体を分散媒とするコロイド系)や湿分を検出できるか否かを監視することで外管又は内管の破損を迅速に検出することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、内管又は外管の破損を迅速に検出するためには外管と内管の間(隙間)を広くあけて不活性ガス循環流をスムーズに流す必要がある。一方、外管と内管の間の隙間が広くなるのに伴って熱抵抗が大きくなり、液体ナトリウムの熱が水に伝わり難くなってしまう。この対策として、外管と内管の間に網線を入れて伝熱媒体とすることも考えられるが、この場合であっても等価熱伝導率は単管の半分程度であり、蒸気発生器を大型化しなければならなかった。また、二重管を直管型とするのではなくヘリカルコイル型とすることで蒸気発生器の小型化は可能ではあるが、この場合には二重管を途中で接続する必要があり、その健全性の確認が新たな問題となってしまう。
【0004】
本発明は信頼性の高い二重シェル型の蒸気発生器であって、二重シェルの破損を迅速に検出できる高速炉用蒸気発生器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載の発明は、シェルを介して、高所から低所に流れる液体金属冷却材と低所から高所に流れる水との間で間接熱交換を行い前記液体金属冷却材の熱で蒸気を発生させる高速炉用蒸気発生器において、前記シェルを二重シェルとすると共に該二重シェルを貫通するヒートパイプ(炉心に挿入されるものを除く)を備え、前記ヒートパイプは傾斜した状態で配置され、前記液体金属材の熱を前記ヒートパイプを介して前記水に伝えるようにしている。
【0006】
したがって、液体金属冷却材の熱はヒートパイプを通じて水に伝えられる。このため、たとえ二重シェル例えば二重胴のようなものの外胴と内胴の間を広くあけても液体金属冷却材の熱は良好に水に伝達される。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の高速炉用蒸気発生器において、二重シェルの間の隙間に不活性ガスの循環流を形成するガス循環手段と、循環流中の液体金属冷却材及び水を分散質とするエーロゾルを検出する検出手段を備えるようにしている。
【0008】
この場合、二重シェル破損が起きると、破損したシェルからその外側を流れる流体が二重シェルの間の隙間に漏れ出して不活性ガス中を漂う。例えば、液体金属冷却材としての液体ナトリウムが二重シェルの間の隙間に漏れ出せばナトリウム・エーロゾルとなって不活性ガス中を漂い、水が漏れ出せばミストのようなエーロゾルとなって不活性ガス中を漂う。二重シェルの間の隙間では不活性ガスがガス循環手段によって常に循環しているので、不活性ガス中の液体金属冷却材や水を分散質とするエーロゾルは循環流にのって検出手段に迅速に到達し検出される。そして、液体金属冷却材を分散質とするエーロゾルか水を分散質とするエーロゾルかで二重シェルのいずれの側例えば外胴側か内胴側かが判明する。
【0009】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の高速炉用蒸気発生器において、ヒートパイプ内にタグガスを封入すると共に、液体金属冷却材の流路及び水の流路中に漏れたタグガスを検出する検出手段を備えるようにしている。
【0010】
この場合、ヒートパイプが破損すると、封入されていたタグガスが液体金属冷却材の流路又は水の流路内に漏れ出る。各流路内の液体金属冷却材及び水(蒸気)は常に循環しており、ヒートパイプから液体金属冷却材の流路又は水の流路に漏れたタグガスはこれら各流路に設けられた検出手段に迅速に到達する。したがって、ヒートパイプが破損した場合には、検出手段によってタグガスが検出される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1に本発明を適用した高速炉用蒸気発生器の実施形態の一例を示す。この高速炉用蒸気発生器(以下、単に蒸気発生器という)は、例えば二次液体金属冷却系を削除して一次液体金属冷却系の熱を水系に伝える二次系削除型高速炉プラントに使用されるものであって、液体金属冷却材を高所から低所に流す流路1と水を低所から高所に流す流路2との間に二重シェル3を設けると共にこの二重シェル3を貫通するヒートパイプ(炉心に挿入されるものを除く)6を備え、流路1を流れる液体金属材の熱をヒートパイプ6を介して流路2を流れる水に伝え液体金属冷却材の熱で蒸気を発生させるようにしている。この蒸気発生器は設置スペースに形成された孔11内に配置され、ブラケット20及びステー12によって支持されている。尚、本実施形態では、液体金属冷却材として液体ナトリウムが採用されており、液体金属冷却材が流れる流路をナトリウム系流路、水が流れる流路を水系流路と呼んでいる。
【0013】
二重シェル3は、例えば中子9を囲繞する内胴5と更にその外側を囲繞する外胴4との二重胴により構成され、ケーシング10内に上下に貫通するように配置されている。そして、外胴(外側シェル)4の外側即ち外胴4とケーシング10の間がナトリウム系流路1に、内胴(内側シェル)5の内側即ち内胴5と中子9の間が水系流路2とされている。外胴4と内胴5の間には、図2に示すように、広い隙間(円筒形であるため、以下、環状空間と呼ぶ)19が形成され、不活性ガスを循環させる流路が形成されている。そして、外胴4及び内胴5を貫通して液体金属冷却材の熱を水に伝えるヒートパイプ6が備えられている。尚、液体ナトリウムはナトリウム系流路1内を上から下に向けて、水(蒸気)は水系流路2内を下から上に向けてそれぞれ流れている。
【0014】
ヒートパイプ6は、二重胴3の全周に亘って管軸方向に多数設置されている。また、ヒートパイプ6は傾斜した状態で配置されている。図2にヒートパイプ6の取付部分を拡大して示す。各ヒートパイプ6が貫通する内胴5の孔5aの直径はヒートパイプ6の外径とほぼ同じ大きさに形成されており、各ヒートパイプ6は孔5aの周囲に全周に亘って溶接されている。即ち、各ヒートパイプ6は内胴5に固定されており、且つ各ヒートパイプ6と内胴5との間はシールされている。一方、各ヒートパイプ6が貫通する外胴4の孔4aの直径はヒートパイプ6の外径よりも若干大きく形成されており、内胴5に固定された各ヒートパイプ6の外胴4に対する移動を可能にし、外胴4と内胴5の軸方向熱膨張差を吸収できる構造となっている。各ヒートパイプ6と外胴4の間は、ベローズ13によって塞がれてシールされている。
【0015】
各ヒートパイプ6の作動流体としては、例えばカリウム、セシウム等の液体金属が適している。また、各ヒートパイプ6内には、タグガスが封入されている。このタグガスとしては、例えばクリプトン、キセノン等の放射化ガスが適している。各ヒートパイプ6内はナトリウム系流路1内及び水系流路2内よりも低圧になっている。各ヒートパイプ6は、外側端が内側端よりも低くなるように傾けて設置されている。
【0016】
この蒸気発生器は、外胴4と内胴5の間の環状空間19に不活性ガスの循環流を形成するガス循環手段14と、この循環流中のナトリウム・エーロゾル及び湿分を検出する検出手段(以下、エーロゾル検出手段と呼ぶ)15と、ナトリウム系流路1及び水系流路2中に漏れ出たタグガスを検出する検出手段(以下、タグガス検出手段と呼ぶ)16を備えている。
【0017】
ガス循環手段14は、例えば循環路17とポンプ18から構成されている。循環路17は、外胴4の上部と下部に形成されたポート4b,4bに接続されている。ポンプ18は循環路17の途中に設置されている。外胴4と内胴5の間の環状空間19及び循環路17中には例えばヘリウムガス等の不活性ガスが充填されており、ポンプ18を始動させるとポンプ18→循環路17→ポート4b→外胴4と内胴5の間の環状空間19→ポート4b→循環路17→ポンプ18へと流れる不活性ガスの循環流が形成される。
【0018】
エーロゾル検出手段15は、ナトリウム・エーロゾル・ディテクタ7と湿分ディテクタ8を備えている。ナトリウム・エーロゾル・ディテクタ7は不活性ガス循環流中のナトリウム・エーロゾルを検出する。また、湿分ディテクタ8は不活性ガス循環流中の湿分即ち水を分散質とするエーロゾルを検出する。
【0019】
タグガス検出手段16は各ヒートパイプ6内に封入したタグガスを検出するタグガスモニタであり、ナトリウム系流路1及び水系流路2のそれぞれに設置されている。ナトリウム系流路1に設置されたタグガスモニタ16は、液体ナトリウム中にタグガスが漏れているか否かを常時監視している。水系流路2に設置されたタグガスモニタ16は、水(蒸気)中にタグガスが漏れているか否かを常時監視している。
【0020】
この蒸気発生器では、図示しない炉心を冷却して高温となった液体ナトリウムの熱を多数のヒートパイプ6によって水系流路2内を循環する水に伝えて蒸気を発生させている。したがって、外胴4と内胴5との間を広くあけても液体ナトリウムの熱は水に良好に伝わり、蒸気発生器を大型化しなくても発電等に適した蒸気条件の蒸気を得ることができる。また、外胴4と内胴5の間を広くあけることが可能になったので、外胴4と内胴5の間の環状空間19内に不活性ガスを良好に循環させることができ、後述するように二重胴3の破損を迅速に検出することができる。さらに、接触すると激しく反応する液体ナトリウムと水とは二重のバウンダリ即ち外胴4及び内胴5によって隔てられているので、単管によって隔てる場合に比べて接触防止の信頼性が向上する。
【0021】
いま、何らかの原因により外胴4が破損した場合を考える。外胴4が破損した場合には、ナトリウム系流路1中を流れる液体ナトリウムが外胴4と内胴5の間の環状空間19内に漏れてナトリウム・エーロゾルとなって不活性ガス中を漂う。環状空間19にはガス循環手段14によって不活性ガスの循環流が形成されているので、ナトリウム・エーロゾルはこの循環流にのって流れてナトリウム・エーロゾル・ディテクタ7に到達する。外胴4と内胴5の間の環状空間19は不活性ガスがスムーズに循環できる程度に広くあいており、また、ガス循環手段14は循環流を常時発生させているので、ナトリウム・エーロゾルは外胴4の破損後迅速にナトリウム・エーロゾル・ディテクタ7に到達する。即ち、ナトリウム・エーロゾル・ディテクタ7によって循環流中のナトリウム・エーロゾルの有無を常時監視しておくことで、外胴4の破損を迅速に検出することができる。
【0022】
同様に、何らかの原因により内胴5が破損した場合には、水系流路2中を流れる水(蒸気)が外胴4と内胴5の間に漏れ不活性ガスの循環流にのって流れて湿分ディテクタ8に迅速に到達する。即ち、湿分ディテクタ8によって循環流中の湿分を常時監視しておくことで、内胴5の破損を迅速に検出することができる。
【0023】
また、ヒートパイプ6が破損した場合を考える。ヒートパイプ6が破損した場合には、ヒートパイプ6内が低圧となっていることからナトリウム系流路1内の液体ナトリウム又は水系流路2内の水(蒸気)がヒートパイプ6内に流入し、これに伴ってヒートパイプ6内に封入されていたタグガスがナトリウム系流路1又は水系流路2内に漏れる。漏れたタグガスは液体ナトリウム又は水(蒸気)の流れにのって液体ナトリウム系又は水系を循環し、タグガス検出手段たるタグガスモニタ16に迅速に到達する。即ち、タグガスモニタ16によって液体ナトリウム又は水(蒸気)中のタグガスの存在を常時監視しておくことで、ヒートパイプ6の破損を迅速に検出することができる。なお、ヒートパイプ6が破損した場合には、ヒートパイプ6中の作動流体(液体金属)も液体ナトリウム又は水(蒸気)中に漏れ出る。この作動流体は液体ナトリウムとは反応しないが、水・蒸気とは反応する。ただし、1本のヒートパイプ6内の作動流体のインベントリーは僅か(例えば、ヒートパイプ6内容積の約1割で、通常は100cc程度)であるため、作動流体と水・蒸気の反応は安全に終息し、隣接するヒートパイプ6を次々に破損させる現象(ウェステージ反応)を招く虞はない。
【0024】
ここで、蒸気発生器には多数のヒートパイプ6が設置されているため、破損したヒートパイプ6の特定が必要となる。ヒートパイプ6の特定はケーシング10から二重胴3を引き抜いた状態で各ヒートパイプ6の一端を加熱し、他端の温度応答を熱電対等によりチェックする。正常なヒートパイプ6であれば他端の温度は適切に上昇するが、破損したヒートパイプ6では他端の適切な温度上昇は生じないため、破損したヒートパイプ6を特定することができる。破損したヒートパイプ6の特定作業は、作業者の被爆を避けるためにロボットを使用して遠隔操作で行う。ただし、上述の方法に限るものではないことは勿論である。なお、破損したヒートパイプ6は、破損部分を切除してプラグし再使用可能である。
【0025】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の説明では二次液体金属冷却系を削除して一次液体金属冷却系の熱を水系に伝える二次系削除型高速炉プラントに使用される蒸気発生器に適用していたが、二次液体金属冷却系を有する高速炉プラントの蒸気発生器に適用しても良いことは勿論である。
【0026】
また、上述の説明では外胴4の外側に液体ナトリウムが流れるナトリウム系流路1を、内胴5の内側に水が流れる水系流路2をそれぞれ形成しているが、内胴5の内側にナトリウム系流路1を、外胴4の外側に水系流路2をそれぞれ形成するようにしても良い。更に、二重シェル3も図示のような二重胴で構成する必要はなく、場合によっては平坦な隔板などで2流路を分隔するように構成しても良い。
【0027】
【実施例】
本発明を適用した蒸気発生器を実際に設計した。その一例を以下に示す。
【0028】
(構造)
製作性の観点から現実的な寸法として、蒸気発生器の全長を14m、直径4mとした。液体ナトリウムに接する外胴4をSUS316製とし、水に接する内胴5をインコロイ800製とした。外胴4と内胴5の間の環状空間19には不活性ガスとしてヘリウムガスを循環させるようにした。外胴4と内胴5の軸方向熱膨張差は最大で7mmとなるが、この熱膨張差、即ち内胴5に固定されているヒートパイプ6と外胴4との相対移動はヒートパイプ6と外胴4との間をシールするベローズ13の変形で吸収する。ヒートパイプ6の作動流体として、カリウムまたはセシウムなどの液体金属を使用するようにした。また、ヒートパイプ6に封入するタグガスとしては、Kr,Xeなどの放射化ガスを用いるようにした。
【0029】
(伝熱性能)
伝熱性能はヒートパイプ(以下H/Pという)6の軸方向許容熱流束に依存する。そこで軸方向許容熱流束が300W/cm(現状技術)の場合と、500W/cm(今後の開発目標値)の場合について計算した。その結果、蒸気発生器1基あたりの熱出力は、前者では75MW、後者では125MWとなった。主な設計条件および仕様を以下に示す。
(設計条件および仕様)
蒸気サイクル: スーパーヒート・サイクル
ナトリウム入口温度: 550℃
ナトリウム出口温度: 400℃
水入口温度: 280℃
水出口温度: 500℃
H/P内径: 40mm
H/P軸方向許容熱流束:300W/cm(現状技術)又は500W/cm(今後の開発目標値)
H/P径方向許容熱流束: 20W/cm(セシウムH/Pで可能)
H/P配列: P/D=2.0(3角配列)
H/P群周りの流動状況: 45°斜行流
H/P本数: 20,000本
H/P全長: 1m(受熱部50cm、放熱部50cm)
H/P全断面積: 25m
H/P全伝熱面積: 1250m(受熱部、放熱部各々の総表面積)
蒸気発生器熱出力:75MW(現状技術)又は125MW(今後の開発目標値)
H/P取り付け二重胴の寸法:直径3m、有効高さ8m
ケーシング寸法: 直径4m、高さ14m
総重量(ナトリウムを除く):約50ton
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の高速炉用蒸気発生器によると、液体金属冷却材の熱はヒートパイプ(炉心に挿入されるものを除く)を通じて水に伝えられ、たとえ二重シェルの外壁と内壁の間を広くあけても液体金属冷却材の熱は良好に水に伝達されるので、激しく反応する液体金属冷却材と水とを二重のバウンダリ(二重シェル)で隔てて反応防止に対する信頼性を向上させた場合であっても、冷却材の熱を効率良く水に伝えて蒸気を発生させることができる。このため、信頼性の高い二重胴型の蒸気発生器を小型化することができる。
【0031】
また、請求項2記載の高速炉用蒸気発生器によると、二重シェル破損が起きると、破損したシェルからその外側を流れる流体が二重シェルの間の隙間に漏れ出して不活性ガス中を漂うので、それを検出することによってシェル破損を検知することができるし、液体金属冷却材を分散質とするエーロゾルか水を分散質とするエーロゾルかで二重シェルのいずれの側例えば外胴側か内胴側かを判別することも可能となる。しかも、不活性ガスは循環しているので、液体金属冷却材又は水の漏れを連続して監視することができると共に、シェル破損を迅速且つ確実に検出することができる。
【0032】
さらに、請求項3記載の高速炉用蒸気発生器によると、ヒートパイプの破損に伴って漏れ出るタグガスが常に循環している液体金属冷却材及び水(蒸気)により検出手段にまで運搬され迅速に検出されるので、ヒートパイプの破損を迅速且つ確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した高速炉用蒸気発生器の実施形態の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明を適用した高速炉用蒸気発生器のヒートパイプの取付部分を拡大して示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 液体金属冷却材の流路
2 水の流路
3 二重胴(二重シェル)
4 外胴
5 内胴
6 ヒートパイプ
14 ガス循環手段
15 エーロゾルの検出手段
16 タグガスの検出手段

Claims (3)

  1. シェルを介して、高所から低所に流れる液体金属冷却材と低所から高所に流れる水との間で間接熱交換を行い前記液体金属冷却材の熱で蒸気を発生させる高速炉用蒸気発生器において、前記シェルを二重シェルとすると共に該二重シェルを貫通するヒートパイプ(炉心に挿入されるものを除く)を備え、前記ヒートパイプは傾斜した状態で配置され、前記液体金属材の熱を前記ヒートパイプを介して前記水に伝えることを特徴とする高速炉用蒸気発生器。
  2. 前記二重シェルの間の隙間に不活性ガスの循環流を形成するガス循環手段と、前記循環流中の前記液体金属冷却材及び水を分散質とするエーロゾルを検出する検出手段を備えることを特徴とする請求項1記載の高速炉用蒸気発生器。
  3. 前記ヒートパイプ内にタグガスを封入すると共に、前記液体金属冷却材の流路及び前記水の流路中に漏れた前記タグガスを検出する検出手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の高速炉用蒸気発生器。
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