JP3602713B2 - コンクリート構造物の補強方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート構造物の補強方法に関し、詳しくは、炭素繊維シートを使用したコンクリート構造物の補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンクリートは、橋脚、高速道路の支柱、建物などのコンクリート構造物の主要構造として広く利用されている。コンクリートは、それ自身の持つ強いアルカリ性によって内部の鉄筋の腐食を抑制しているが、長い年月の間に空気中の二酸化炭素ガスにより、表面からアルカリ性を失って中性化する。中性化が鉄筋にまで到達した場合、次の様な欠陥が生じる。即ち、鉄筋は、腐食を始め、体積が増大してコンクリート構造物にひび割れを発生させ、構造物の劣化を加速する。
【0003】
また、地震、地盤沈下、過荷重などにより設計以上の力が加わった場合、コンクリート構造物には、ひび割れ、崩壊、一部欠落などが発生するという欠陥が生じる。さらに、種々の理由によりコンクリート構造物の強度が低下したり、または、設計段階から強度が不足している場合もある。
【0004】
上記の欠陥を除去し、または、強度不足を回復もしくは補強するため、コンクリート表面に高強度の炭素繊維と含浸用樹脂組成物を主成分とする炭素繊維プリプレグを被着して補強する方法が提案されている。例えば、特開平7−34677号公報には、補強面上にエポキシ樹脂、尿素樹脂、レゾルシン樹脂、フェノール樹脂などの常温硬化型樹脂をプライマー組成物として塗布し、その上に、目付けが200g/m以上、且つ、樹脂含有量が15%重量以下である炭素繊維を基材とした炭素繊維プリプレグを張り付け、当該プリプレグの上から更にエポキシ樹脂など上記の常温硬化型樹脂を塗布し、硬化させる構造物の補強方法が提案されている。
【0005】
しかしながら、従来の補強方法によってコンクリート構造物の補強を行なう場合、冬期、特に低温 かつ湿潤条件下では、コンクリート表面と炭素繊維シート補強層との間の接着が不完全となり易い。その結果、補強工事完了後の外力により炭素繊維シート補強層が容易に剥離してしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、コンクリート構造物の表面に炭素繊維シートを被着して補強する場合、使用する樹脂が冬期、特に低温 かつ湿潤条件下であっても取り扱い性が良好であり、しかも、炭素繊維シートを補強面に強固に被着することが可能なコンクリート構造物の補強方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、表面に炭素繊維シートを被着してコンクリート構造物を補強する方法において、補強面上にビニルエステル樹脂が樹脂主成分であるプライマー組成物を塗布して硬化させ、形成されたプライマー層の表面にビニルエステル系樹脂が樹脂主成分であるパテ組成物を塗布して表面を平滑化した後、形成されたパテ層の表面への炭素繊維シートの被着の前および/または後に、ビニルエステル樹脂が樹脂主成分である含浸用樹脂組成物を塗布して炭素繊維シート内の空隙に浸透させ、形成される炭素繊維シート層をコンクリート補強面およびプライマー層と一体化させた状態で硬化させることを特徴とするコンクリート構造物の補強方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の補強方法は、コンクリート構造物の補強面上にプライマー組成物を塗布して硬化させてプライマー層を形成し、次いで、パテ組成物を塗布して硬化させた後、含浸用樹脂組成物を塗布含浸させて炭素繊維シート層を形成することから成る。
【0009】
本発明の方法を適用することが出来るコンクリート構造物としては、例えば、コンクリート製橋脚、鉄道・高速道路などの高架建造物のコンクリート製支柱、コンクリート構造建築物中の柱および壁面、道路の床板などのコンクリートを表面とする構造物が挙げられる。斯かるコンクリート構造物は、プライマー組成物塗布の前に、必要により、先ず、表面のレイタンスなどの付着物の除去、あるいは、表面に凹凸、傷などがある場合はそれらの穴埋め、さらに、局部的な崩壊、欠落個所があればこれらの補修の前処理を行う。
【0010】
上記の凹凸および傷などの穴埋め、局部的な崩壊および欠落個所の補修には、通常、エポキシ樹脂に砂、砂利、砕石を混合した樹脂モルタル又は樹脂コンクリートを使用することが出来る。
【0011】
本発明においてプライマー層の形成に使用されるプライマー組成物および炭素繊維シート層の形成に使用される含浸用樹脂組成物の樹脂主成分としては、ビニルエステル樹脂が使用される。また、必要により使用されるパテ組成物も樹脂主成分としては、ビニルエステル樹脂が使用される。
【0012】
上記のビニルエステル樹脂は、特に制限されないが、例えば、(1)エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応生成物、または、(2)飽和ジカルボン酸および/または不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとから得られる末端カルボキシル基のポリエステルに、(3)α,β−不飽和ジカルボン酸エステル基を含有する化合物を反応させてポリエステル(メタ)アクリレートを調製し、これに反応性希釈剤を配合したものが挙げられる。
【0013】
原料のエポキシ樹脂としては、多価フェノールのグリシジルエーテル類、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂など;グリシジルエステル類、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、安息香酸またはダイマー酸ジグリシジルエステル等;複素環式エポキシ樹脂、例えば、1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレート等;脂環式エポキシ樹脂、例えば、ナフタレン型エポキシ樹脂、2,2´,4,4´−テトラグリシドキシビフェニル等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、2種以上を併用してもよい。
【0014】
不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビタン酸、アクリル酸ダイマー、モノメチルマレート、モノプロピルマレート、モノブチルマレート、モノ(2−エチルヘキシル)マレート等が挙げられる。これらの不飽和一塩基酸は、2種以上を併用してもよい。
【0015】
不飽和ジカルボン酸としては、活性不飽和結合を有する不飽和多塩基酸またはその無水物として、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。また、飽和ジカルボン酸としては、活性不飽和結合を有していない飽和多塩基酸またはその無水物として、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などが挙げられる。
【0016】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0017】
なお、必要に応じ、酸成分として、安息香酸、アビエチン酸、ジシクロペンタジエンマレートの様なモノカルボン酸を使用することも出来る。α,β−不飽和カルボン酸エステル基を含有するエポキシ化合物の代表例としては、グリシジルメタクリレートが挙げられる。
【0018】
ビニルエステル樹脂の具体例としては、ビスフェノールAタイプのビニルエステル樹脂である昭和高分子(株)社製「リポキシR−808」、「R−806」、「R−804」、「R−802」、ブロム化ビスフェノールAタイプのビニルエステル樹脂である昭和高分子(株)社製「リポキシS−510」、「S−550」、ノボラックタイプのビニルエステル樹脂である昭和高分子(株)社製「リポキシH−600」、「H−630」、「H−610」、「H−6001」、ラバー変性タイプの昭和高分子(株)社製「リポキシRT933」、「RT833」等が好適である。
【0019】
本発明においては、特にビスフェノールA型ビニルエステル樹脂が好適に使用される。斯かるビニルエステル樹脂は、通常、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により生成されるビスフェノールA型エポキシ樹脂とメタアクリル酸などの不飽和一塩基酸とを開環付加反応して得られるオリゴマーを主体とした樹脂であり、その一例としては次式で表される樹脂が挙げられる。
【0020】
【化1】
【0021】
上記のビニルエステル樹脂は、通常、スチレンなどの反応性希釈剤が併用される。また、硬化のため、通常、重合開始剤および促進剤が併用され、さらに、必要により、充填材、着色剤、粘度調整剤、希釈剤、揺変剤、消泡剤、表面乾燥剤およびその他の添加剤が併用される。
【0022】
スチレン以外の反応性希釈剤としては、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレン等の芳香族モノマー、メチルメタクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン等のN−置換アクリルアミド等が挙げられる。
【0023】
また、ビニルエステル樹脂には、必要に応じて各種の硬化性(メタ)アクリル化合物を配合することが出来る。硬化性アクリル化合物の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと少なくとも2つ以上のイソシアネート基を有する化合物との反応で得られるウレタンアクリレート等があげられる。
【0024】
上記の重合開始剤としては有機過酸化物が好適に使用され、その具体例としては、ケトンパーオキサイド類、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド等;ハイドロパーオキサイド類、例えば、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等、ジアシルパーオキサイド類、例えば、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。これらの中では、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイドが好ましい。なお、重合開始剤は、必要に応じ、2種類以上を組合せて使用してもよい。
【0025】
前記の促進剤としては、レドックス反応により、重合開始剤を分解してラジカルの発生を容易にする作用を有する物質を指す。その具体例としては、金属セッケン類、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸マンガン、オクテン酸コバルト等、アミン類としては、例えば、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。これらの中では、ナフテン酸コバルト又はジメチルアニリンが好ましい。なお、促進剤は、必要に応じ、2種類以上を組合せて使用してもよい。
【0026】
更に、硬化の効率を高めるため、助促進剤として、金属セッケン類と錯体を形成するβ−ジケトン類、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ジメドン等を使用してもよい。
【0027】
本発明に使用するプライマー組成物、パテ組成物および含浸用樹脂組成物は、上記のビニルエステル樹脂を樹脂主成分とするため、コンクリート構造物の表面に炭素繊維シートを被着してコンクリート構造物を補強する場合、低温 かつ湿潤条件下であっても、取り扱い性が良好であり、しかも、補強面に炭素繊維シートを強固に被着することが出来る。
【0028】
上記のプライマー組成物において、ビニルエステル樹脂中のビニルエステル成分は、通常30〜75重量%、好ましくは40〜65重量%、反応性希釈剤は、通常25〜70重量%、好ましくは35〜60重量%、重合開始剤は、全樹脂成分100重量部に対して、通常0.1〜8重量部、好ましくは0.3〜5重量部、促進剤は、全樹脂成分100重量部に対して、通常0.1〜5重量部、好ましくは1〜3重量部とされる。上記の重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイドが好適に使用され、上記の促進剤としてはジメチルアニリン又はオクテン酸コバルトが好適に使用される。
【0029】
以上説明したプライマー組成物は、必要な前処理が施された前記のコンクリート構造物の補強面に塗布される。その際の塗布量は、補強の対象となるコンクリート構造物の補強面の状態により、一律には規定できないが、通常50〜500g/m、好ましくは100〜300g/mである。上記のプライマー組成物の塗布方法は、公知の方法が採用される。
【0030】
上記のプライマー組成物は、5℃以下、特に0℃以下、具体的には、−5℃の様な低温環境下においても十分に硬化が可能である。硬化時間は、樹脂の特性、重合開始剤、促進剤の添加量および環境温度などにより変化するが、概ね数時間〜数日である。また、上記のプライマー組成物は、コンクリート補強面が湿潤状態であっても優れた接着強度を与えることが出来る。
【0031】
本発明において、コンクリート構造物を補強面にプレポリマー樹脂を塗布し、硬化させた後、表面になお凹凸がある場合は、パテ組成物を使用して当該凹凸を平滑化することが出来る。
【0032】
上記のパテ組成物には、通常、更に充填材が配合される。斯かるパテ組成物において、ビニルエステル樹脂は、通常10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%、反応性希釈剤は、通常40重量%以下、好ましくは10〜20重量%、充填材は、通常10〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、重合開始剤は、全樹脂成分100重量部に対して、通常0.1〜8重量部、好ましくは0.3〜5重量部、促進剤は、全樹脂成分100重量部に対して、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜3重量部とされる。上記の充填材としては、例えば、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の無機微粒子が好適に使用される。また、上記の重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイドが好適に使用され、促進剤としては、ジメチルアニリンが好適に使用される。
【0033】
以上説明したパテ組成物の使用量は、凹凸の状態により適宜決定される。また、その塗布方法は、公知の方法が採用される。上記のパテ組成物は、5℃以下、特に0℃以下、具体的には、−5℃の様な低温環境下であっても十分に硬化が可能である。硬化時間は、樹脂の特性、硬化剤、硬化促進剤の添加量および環境温度などにより変化するが、概ね数時間〜数日である。
【0034】
前記の炭素繊維シート層は、前記のプライマー層の表面上、パテ層がある部分ではパテ層の表面上に、プライマー層と一体となる様に形成される。炭素繊維シート層を形成する方法は、前記のプライマー層またはパテ層表面上に炭素繊維シートを被着するに当たり、当該被着の前および/または後に、含浸用樹脂組成物を塗布して炭素繊維シートに含浸させ、プライマー層またはパテ層と炭素繊維シートと含浸用樹脂組成物とを一体化させた状態で硬化させる。斯かる炭素繊維シート層は、複数層を積層することが出来る。
【0035】
炭素繊維シート層の形成に使用可能な炭素繊維シートとしては、織物またはシート状に配列した炭素繊維層であればよく、斯かる炭素繊維シートは、熱硬化性樹脂が含浸されていてもよいし、されていなくてもよい。実用性および強度発現の観点から長い炭素繊維を一方向に配列したシート状物が特に好ましい。
【0036】
上記の炭素繊維シートに含浸される熱硬化性樹脂としては、硬化温度が70℃以上の高温熱硬化性樹脂が使用され、その具体例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、メラミン樹脂およびポリウレタン樹脂などが挙げられる。
【0037】
上記の炭素繊維シートは、繊維目付けが大きく、且つ、含浸用樹脂組成物の浸透が容易であるのが好ましい。即ち、炭素繊維シートの繊維目付けとしては、通常100〜600g/mであるが、中でも、実用的には200g/m以上が好ましい。また、それを構成する含浸剤量は、通常15重量%以下であり、好ましくは4〜8重量%である。
【0038】
上記の炭素繊維シートの被着の前および後に塗布する含浸用樹脂組成物の組成は、同一であってもよいし、異なっていてもよいが、接着性の観点から、同一であるのが好ましい。
【0039】
前記の含浸用樹脂組成物において、ビニルエステル樹脂中のビニルエステル成分は、通常30〜80重量%、好ましくは55〜65重量%、反応性希釈剤は、通常20〜70重量%、好ましくは35〜45重量%、重合開始剤は、全樹脂成分100重量部に対して、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部、促進剤は、全樹脂成分100重量部に対して、通常0.1〜5重量、好ましくは0.3〜2重量部である。重合開始剤としては、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等が好適に使用され、促進剤としては、ナフテン酸コバルトが好適に使用される。更に、助促進剤としてアセト酢酸エチルが好適に併用され、その量は、全樹脂成分100重量部に対して通常0.3〜3重量部である。
【0040】
以上説明した含浸用樹脂組成物の塗布量は、被着前塗布、被着後塗布またはそれらの組み合わせにより、および、炭素繊維シートの目付け及び空隙含有率により変化するが、通常200〜800g/m、好ましくは500〜700g/mである。その塗布方法は、公知の方法が採用される。上記の含浸用樹脂組成物は、5℃以下、特に0℃以下、具体的には、−5℃の様な低温環境下においても十分に硬化が可能である。硬化時間は、樹脂の特性、重合開始剤、促進剤の添加量および環境温度などにより変化するが、概ね数時間〜数日である。
【0041】
なお、含浸用樹脂組成物を炭素繊維シート被着の前および後の両方に塗布する場合、含浸用樹脂組成物の塗布量は、両者合わせて炭素繊維シートとプライマー層とが一体化できる範囲で減量することが出来る。
【0042】
また、含浸用樹脂組成物は、炭素繊維シート被着の前および/または後に塗布し、炭素繊維シートとプライマー層とが一体化した後に硬化させるが、この際、硬化前にローラー等を使用して炭素繊維シートの表面側から押さえ、裏面に残存する気泡を除去するのが好ましい。この結果、プライマー層と炭素繊維シートとが完全に連続して一体となり、コンクリート構造物表面に強固に一体化されて被着される。そして、同時に、被着された炭素繊維シートの各繊維は、含浸用樹脂組成物の硬化により強固に接合されて高い引張強度を有する炭素繊維シート層を形成する。
【0043】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されない。以下の諸例においては、コンクリート構造物の模擬的補強試験を行うため、便宜上、コンクリート構造物としてコンクリート板を使用した。また、パテ組成物は、本来、表面の凹凸を平滑化するため表面の凹凸部分のみに使用されるが、その接着性を評価するためにプライマー層の全表面にパテ層を設けた。補強効果は接着強度、剥離強度試験、含浸用樹脂組成物を含浸した炭素繊維シートの引張強度および使用した樹脂の取り扱い性を評価した。なお、使用した各材料および試験方法は、以下のとおりである。
【0044】
<材料>
(1)コンクリート板:
補強試験用のコンクリート構造物として、表面寸法30cm×30cm、厚さ5cmのコンクリート板を使用した。ディスクサンダーを使用してこのコンクリート板の表面層のレイタンスを除去して試験用コンクリート板10枚を調製し、そのうち8枚を−5℃の室内に24時間以上放置し、他の2枚を5℃の水中に浸漬した状態で24時間以上放置した後、使用した。
【0045】
(2)プライマー組成物(1):
ビスフェノールA型ビニルエステル47重量%、スチレン51.5重量%及びオクテン酸コバルト1.5重量%を含有する組成物(昭和高分子(株)社製「リポキシCP−819B」)100重量部、ベンゾイルパーオキサイド3重量部、ジメチルアニリン1重量部を予め−5℃の室内に24時間以上放置した後、同温度で配合して使用した。
【0046】
(3)パテ組成物(1):
ビスフェノールA型ビニルエステル樹脂(昭和高分子(株)社製「リポキシR−806」)50重量%およびSiO50重量%を含有するパテ組成物(100重量部、ベンゾイルパーオキサイド3重量部、ジメチルアニリン0.5重量部を予め−5℃の室内に24時間以上放置した後、同温度で配合して使用した。
【0047】
(4)含浸用樹脂組成物(1):
ビスフェノールA型ビニルエステル樹脂(昭和高分子(株)社製「リポキシR−804」)100重量部、t−ブチルパーオキシベンゾエート1.0重量部、クメンヒドロパーオキサイド0.5重量部、ナフテン酸コバルト0.85重量部、アセト酢酸エチル0.6重量部を予め−5℃の室内に24時間以上放置した後、同温度で配合して使用した。
【0048】
(5)炭素繊維シート:
炭素繊維シート(三菱化学(株)社製「リペラーク30タイプ」、300g/m)を予め−5℃の室内に24時間以上放置した後に使用した。
【0049】
<試験方法>
(1)接着強度試験方法:
建設省建築研究所式接着力試験方法に準じて行なった。7cm×7cmの試験体の中央部に接着剤を塗布し、引張試験用のアタッチメント(断面4cm×4cm)を接着して固着した後、当該試験体を建研式接着力試験器(山本扛重機(株)社製)にセットし、23℃環境下、表面に対して垂直方向へ引っ張り、破断する際の最大引張荷重(Kgf)を読取り、同時に破断状況を観察した。試験は、4試験体について行い、4つの読取り値の平均値を面積16(cm)で除した値を接着強度(Kgf/cm)とした。
【0050】
(2)剥離強度試験方法:
23℃測定環境下、剥離強度用試験体を島津オートグラフDSS−5000に水平にセットし、試験体からはみ出した炭素繊維シート層を掴み、試験体面に対して垂直方向にヘッドスピード20mm/minで引っ張ったときの最大引張荷重(Kgf)を読取り、同時に剥離状況を観察した。試験は、4試験体について行い、4つの当該読取り値の平均値を繊維層の幅5cm当たりの剥離強度(Kgf/5cm)とした。
【0051】
(3)指触硬化時間試験方法:
ポリエチレンテレフタレートフイルム上に対象とする樹脂、重合開始剤および促進剤を混合した後、直ちに0.5mmとなる様に塗布し、−5℃の環境下で放置し、指で触れた場合に、べた付きが無くなるまでの時間を測定した。ただし、プライマー組成物(2)、パテ組成物(2)、含浸用樹脂組成物(2)の場合は、0℃の環境下に放置した(以下の(4)〜(7)の各試験においても同じ)。
【0052】
(4)可使時間試験方法:
対象とする樹脂、重合開始剤および促進剤を混合した後、直ちに、その100g(パテ組成物の場合は150g)を紙コップに入れ、−5℃の環境下で10分毎にゲル化の有無を目視にて確認し、ゲル化開始迄の時間を可使時間とした。
【0053】
(5)塗布性試験方法:
−5℃の環境下に設置されたコンクリート板上に塗布し、下記の表1の基準により評価した。
【0054】
【表1】
○ :均一(塗りムラ無し)
△ :やや不均一(やや塗りムラ有り)
× :不均一(塗りムラ有り)
【0055】
(6)含浸性試験方法:
−5℃の環境下に設置された炭素繊維シート(リベラーク30タイプ)に塗布・含浸し、下記の表2の基準により評価した。
【0056】
【表2】
○ :含浸性良好(下塗り樹脂の滲み出し良好)
△ :含浸性やや不良(下塗り樹脂の滲み出しやや不良)
× :含浸性不良(下塗り樹脂の滲み出し不良)
【0057】
(7)揺変性試験方法:
−5℃の環境下でコンクリート壁面に含浸用樹脂組成物を塗布し、その上に炭素繊維シートを貼付し、更にその上に含浸用樹脂組成物を塗布し、下記の表3の基準により評価した。
【0058】
【表3】
○ :樹脂の垂れ無し
△ :樹脂が若干垂れる
× :樹脂の垂れが多い
【0059】
参考例1
(A):−5℃の室内に放置した前記のコンクリート板(寸法30cm×30cm)の表面に、前記のプライマー組成物(1)を150g/m2塗布し、−5℃の環境下で3時間硬化させた。硬化後、同様に−5℃の環境下で、含浸用樹脂組成物(1)を400g/m2塗布し、引き続き、炭素繊維シートを全面に被着し、ローラーを使用して炭素繊維シートの下面の気泡を脱泡し、15分間放置後、表面に同じ含浸用樹脂組成物(1)を300g/m2塗布し、そのまま−5℃の環境下で12日間硬化した。得られたコンクリート板を70mm×70mmの大きさに裁断して接着強度試験用試験体を作製し、前記の接着強度試験方法により接着強度試験を行なった。主な条件を表4に、その結果を表5に示した。
【0060】
(B):上記(A)において、剥離強度試験測定を行うことを想定し、炭素繊維シートとして、繊維方向の長さが400mm、幅が50mmの炭素繊維シートを使用し、剥離口用として長さ方向の一端を100mmはみ出させ、且つ、複数回の試験に供するため4枚を両側に各20mmのスペースが生ずる様にコンクリート板上に配列したこと以外は、上記(A)と全く同様にして剥離試験用試験体を作製し、前記の剥離強度試験方法により剥離強度試験を行なった。主な条件を表4に、その結果を表5に示した。
【0061】
参考例2
参考例1(A)において、プライマー層、炭素繊維シート層を形成し、硬化して得られた当該炭素繊維シート層上に、さらに、参考例1の場合と全く同様にして、第二層の炭素繊維シート層を形成して硬化させた。得られたコンクリート板を70mm×70mmの大きさに裁断して接着強度試験用試験体を作製し、前記の接着強度試験方法により接着強度試験を行なった。主な条件を表4に、その結果を表5に示した。
【0062】
参考例3
前記の5℃の水中に24時間以上放置したコンクリート板(寸法30cm×30cm)をその処理面を上にしてバットに入れ、コンクリート板の上面より5mm下まで水を入れた状態で試験片の湿潤状態を維持しつつ、上面の水滴をウエスで拭き取って、コンクリート表面が乾燥する迄に前記のプライマー組成物(1)を150g/m2塗布し、5℃の環境下で上記湿潤状態を維持しつつ15時間硬化させた。
【0063】
硬化後、同様に5℃の環境下、含浸用樹脂組成物を400g/m塗布し、引き続き、炭素繊維シートを全面に被着し、ローラーを使用して炭素繊維シートの下面の気泡を脱泡し、15分間放置後、含浸用樹脂組成物を300g/m塗布し、そのまま5℃の環境下で2日間硬化し、さらに、その後23℃の環境下で2日間硬化した。前記の硬化する期間は、前記と同様の湿潤状態を維持した。得られたコンクリート板を70mm×70mmの大きさに裁断して接着強度試験用試験体を作製し、前記の接着強度試験方法により接着強度試験を行なった。主な条件を表4に、その結果を表5に示した。
【0064】
実施例
(A):参考例1(A)において、プライマー組成物(1)を塗布して硬化させた後、炭素繊維シート層を形成する前に、パテ組成物を全面に800g/m2塗布し、−5℃の環境下で2時間硬化させた以外は、参考例1と全く同様にして接着強度試験用試験体を作製し、前記の接着強度試験方法による接着強度試験を行なった。主な条件を表4に、その結果を表5に示した。
【0065】
(B):上記(A)において、剥離強度試験測定を行うことを考慮し、炭素繊維シートとして、繊維方向の長さが400mm、幅が50mmの炭素繊維シートを使用し、剥離口用として長さ方向の一端を100mmはみ出させ、且つ、複数回の試験に供するため4枚を両側に各20mmのスペースが生ずる様にコンクリート板上に配列したこと以外は、上記(A)と全く同様にして剥離強度試験用試験体を作製し、前記の剥離強度試験方法により剥離強度試験を行なった。主な条件を表4に、その結果を表5に示した。
【0066】
比較例1
<材料>
(1)コンクリート板:
参考例と同様に調製した12枚の試験用コンクリート板を0℃の室内に24時間以上放置した後に使用した。
【0067】
(2)プライマー組成物(2)(冬季用として一般使用されているプライマー組成物):
反応性希釈剤30重量%を含有するビスフェノールA型エポキシ樹脂組成物(三菱化学(株)社製「XPS−301R」)100重量部、変成脂肪族ポリアミンを主成分とする硬化剤(三菱化学(株)社製「XPS−301H」)50重量部を予め0℃の室内に24時間以上放置した後、同温度で配合して使用した。
【0068】
(3)パテ組成物(2)(冬季用として一般使用されているF[パテ組成物):
フィラー50重量%を含有するビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)社製「L−520R」)100重量部、フィラー30重量%を含有する変成脂環式ポリアミンを主成分とする硬化剤(三菱化学(株)社製「L−520H」)100重量部を予め0℃の室内に24時間以上放置した後、同温度で配合して使用した。
【0069】
(4)含浸用樹脂組成物(2)(冬季用として一般使用されている含浸用樹脂組成物):
反応性希釈剤30重量%を含有するビスフェノールA型エポキシ樹脂組成物(三菱化学(株)社製「XL−700WR」)100重量部、変成脂環式ポリアミンを主成分とする硬化剤(三菱化学(株)社製「XL−700WH」)50重量部を予め0℃の室内に24時間以上放置した後、同温度で配合して使用した。
【0070】
(5)炭素繊維シート:
参考例と同様の炭素繊維シート(「リペラーク300タイプ」)を予め0℃の室内に24時間以上放置した後に使用した。
【0071】
(A):0℃の室内に放置した前記のコンクリート板(寸法30cm×30cm)の表面に、前記のプライマー組成物(2)を150g/m塗布し、0℃の環境下で16時間硬化させた。硬化後、同様に0℃の環境下で、前記のパテ組成物(2)を800g/m塗布し、0℃の環境下で16時間硬化させた。その後、含浸用樹脂組成物(2)を400g/m塗布し、引き続き、前記の炭素繊維シート2を全面に被着し、ローラーを使用して炭素繊維シートの下面の気泡を脱泡し、20分間放置後、表面に同じ含浸用樹脂組成物(2)を300g/m塗布し、そのまま0℃の環境下で12日間硬化した。得られたコンクリート板を70mm×70mmの大きさに裁断して接着強度試験用試験体を作製し、前記の接着強度試験方法により接着強度試験を行なった。主な条件を表4に、その結果を表5に示した。
【0072】
(B):上記(A)において、剥離強度試験測定を行うことを想定し、炭素繊維シート2として、繊維方向の長さ400mm、幅50mmの炭素繊維シートを使用し、剥離口用として長さ方向の一端を100mmはみ出させ、且つ、複数回の試験に供するため4枚を両側に各20mmのスペースが生ずる様にコンクリート板上に配列したこと以外は、上記(A)と全く同様にして剥離試験用試験体を作製し、前記の剥離強度試験方法により剥離強度試験を行なった。主な条件を表4に、その結果を表5に示した。
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
なお、表5中、C破壊はコンクリート層が破壊、P/G破壊はプライマー層と炭素繊維シート層との間で剥離したことを示す。
【0076】
表4及び表5に示された結果からも判る様に、比較例1のプライマー組成物(2)を使用した補強方法では、特に接着性が低く、プライマー層と炭素繊維シート層との間で剥離しているが、本発明におけるプライマー組成物を使用した補強方法では、補強作業を低温 かつ湿潤条件下で行っても、コンクリート表面と炭素繊維シートとの接着は強固であり、試験結果ではコンクリート層の内部で破壊が起こっている。
【0077】
なお、前記の各参考例および実施例に使用したプライマー組成物、パテ組成物および含浸用樹脂組成物について、以下(1)〜(3)の様に取り扱い性能を評価し、その結果を表6に示した。
【0078】
(1)前記のプライマー組成物(1)について、前記の指触硬化時間試験方法、可使時間試験方法および塗布性試験方法によりそれぞれ指触硬化時間、可使時間および塗布性を測定した。また、(2)前記のパテ組成物について、前記の指触硬化時間試験方法、可使時間試験方法および塗布性試験方法によりそれぞれ指触硬化時間、可使時間および塗布性を測定した。また、(3)前記の含浸用樹脂組成物(1)について、前記の指触硬化時間試験方法、可使時間試験方法、含浸性試験方法および揺変性試験方法によりそれぞれ指触硬化時間、可使時間、含浸性および揺変性を測定した。
【0079】
【表6】
【0080】
また、前記の参考例および実施例に使用した含浸用樹脂組成物の使用効果を次の様に測定した。炭素繊維シートの裏面に含浸用樹脂組成物を0.4Kg/m2塗布した後、表面に含浸用樹脂組成物を0.3Kg/m2塗布して含浸させ、−5℃の環境下で12日間硬化させた。そのシートから長さ方向に長さ250mm、幅12.5mmの試験片を5枚採取し、1枚毎に引張試験機に装着し、2mm/minの速度で引っ張ったときの破壊荷重を測定し、得られた破壊荷重値を炭素繊維シートの断面積により除して強度値を算出し、得られた5個の強度値の平均値を引張強度とした。その結果、その引張強度は391Kgf/mm2であった。
【0081】
【発明の効果】
以上、説明した本発明に係るコンクリート構造物の補強方法によれば、冬期、特に低温 かつ湿潤条件下において、使用する樹脂の取り扱い性が良好であり、しかも、炭素繊維シートを補強面に強固に被着することが可能な補強方法が提供され、従って、本発明の工業的価値は極めて大である。

Claims (3)

  1. 表面に炭素繊維シートを被着してコンクリート構造物を補強する方法において、補強面上にビニルエステル樹脂が樹脂主成分であるプライマー組成物を塗布して硬化させ、形成されたプライマー層の表面にビニルエステル系樹脂が樹脂主成分であるパテ組成物を塗布して表面を平滑化した後、形成されたパテ層の表面への炭素繊維シートの被着の前および/または後に、ビニルエステル樹脂が樹脂主成分である含浸用樹脂組成物を塗布して炭素繊維シート内の空隙に浸透させ、形成される炭素繊維シート層をコンクリート補強面およびプライマー層と一体化させた状態で硬化させることを特徴とするコンクリート構造物の補強方法。
  2. ビニルエステル樹脂が、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類パーオキシエステル類、ジアシルパーオキサイド類の群から選ばる1種または2種以上の重合開始剤を含有している請求項1に記載の補強方法。
  3. ビニルエステル樹脂が、金属セッケン類および/またはアミン類から成る促進剤を含有している請求項1又は2に記載の補強方法。
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