JP3602701B2 - カルボラン含有ケイ素系重合体及びその製造方法 - Google Patents
カルボラン含有ケイ素系重合体及びその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性に優れた機能性材料として有用な新規カルボラン含有ケイ素系重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭素−炭素不飽和結合とヒドロシランとのヒドロシリル付加反応は非常に効率の良い反応としてよく知られており、これを利用したケイ素系重合体の合成は数多く行われている。例えば、特開平4−53874号公報及び特開平4−53875号公報には、末端をアルケニル化したケイ素系プレポリマーと2官能以上のヒドロシリル基含有低分子化合物との架橋反応が開示されている。
しかしながら、得られるケイ素系重合体は十分な耐熱性を有していないか、あるいは耐熱性に関する記述がなされていない。
【0003】
一方、カルボラン含有ケイ素系重合体についてはいくつか知られており、例えば、文献〔J. Macromol. Sci. −Rev. Macromol. Chem., C17(2), 173−208 (1979) 〕には、ポリ(ドデカカルボラン−シロキサン)について報告されている。
【0004】
また、特表平8−505649号公報には、有機ホウ素ポリマーが開示されており、カルボランを導入することによりシロキサンポリマーの熱安定性が向上することが報告されている。
しかしながら、上記有機ホウ素ポリマーは、アセチレン基含有ジリチオ塩と両末端クロロ基含有カルボランシロキサンとの反応から得られるもので、モノマーのカルボラン含有ケイ素系化合物の合成に数段階を要するため、簡便な方法ではなかった。
【0005】
現状では、上記従来の有機ホウ素ポリマー以外に、カルボラン含有ケイ素系重合体は殆ど知られておらず、耐熱性に優れた新規なカルボラン含有ケイ素系重合体の開発が期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点を鑑み、耐熱性及び難燃性に優れた新規なカルボラン含有ケイ素系重合体及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、エチニレン基を2個以上持つ化合物とビスシリル置換カルボラン誘導体とを反応させ、重合体を得た。エチニレン基とシリル基との反応は非常に効率がよく、カルボランが容易に導入され、得られる重合体の耐熱性が飛躍的に上昇することが確認された。
【0008】
請求項1記載の発明(以下、第1発明という)のケイ素系重合体は、一般式(1)で表されるカルボランユニットを重合体中に含有し、重量平均分子量が500以上であることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明(以下、第2発明という)のケイ素系重合体の製造方法は、一般式(2)で表される2個以上のエチニル基を含有する化合物と、一般式(3)で表される2個のヒドロシリル基を含有するカルボラン誘導体とを反応させることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明(以下、第3発明という)のケイ素系重合体は、一般式(4)で表されるカルボランユニットを重合体中に含有し、重量平均分子量が500以上であることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明(以下、第4発明という)のケイ素系重合体の製造方法は、一般式(6)で表される2個以上のエチニル基を含有する化合物と一般式(7)で表される2個のヒドロシリル基を含有するカルボラン誘導体とを反応させることを特徴とする。
【0012】
以下、本発明について説明する。
第1発明のカルボラン含有ケイ素系重合体は、一般式(1)で表されるカルボラン含有ユニットを重合体中に有する。
【0013】
【化9】
【0014】
式(1)中、R1 は、炭素数1〜20のアルキレン基又は炭素数6〜30のアリーレン基を表す。式(1)中、R2 は、ケイ素原子に結合した、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。CBxHx’Cは、2価のかご状のホウ素化合物であるカルボランを表し、x、x’は3〜16の整数を表す。
【0015】
式(1)中、R1 、R2 で表される炭化水素基の炭素数は、脂肪族の場合多くなると結合が切れやすくなり、耐熱性が低下するため、また、芳香族の場合多くなると溶媒に対する溶解性が低下するため、上記範囲にそれぞれ限定される。
【0016】
上記R1 で表されるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、エイコシレン基等が挙げられる。
【0017】
上記R1 で表されるアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ビフェニレン基、ナフタレニレン基、アントラセニレン基等が挙げられる。
【0018】
上記R2 で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。
【0019】
上記R2 で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
【0020】
R1 は、以後についても上記と同様のアルキレン基又はアリーレン基を表し、R2 は、以後についても上記と同様のアルキル基又はアリール基を表す。
【0021】
式(1)中、CBxHx’Cで表されるカルボランとしては、例えば、ドデカカルボラン、デカカルボラン、ヘプタカルボラン、ヘキサカルボラン、ペンタカルボラン等が挙げられる。
【0022】
第1発明のケイ素系重合体の重量平均分子量は、小さくなると十分な耐熱性が得られなくなるため、500以上に限定される。重量平均分子量の上限は、特に限定されないが、大きくなり過ぎると溶解性及び融解性が低下し、成形体を得ることが困難になるため、500万以下が好ましい。
【0023】
次に第2発明について説明する。
第2発明のカルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法は、第1発明のカルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法であって、一般式(2)で表される2個以上のエチニル基を含有する化合物と、一般式(3)で表される2個のヒドロシリル基を含有するカルボラン誘導体とを反応させることを特徴とする。
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
式(2)中、R1 は、炭素数1〜20のアルキレン基又は炭素数6〜30のアリーレン基を表す。式(2)中、R2 は、ケイ素原子に結合した、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。CBxHx’Cは、2価のかご状のホウ素化合物であるカルボランを表し、x、x’は3〜16の整数を表す。
【0027】
式(2)及び(3)中、R1 、R2 で表される炭化水素基の炭素数は、脂肪族の場合多くなると結合が切れやすくなり、得られる重合体の耐熱性が低下するため、また、芳香族の場合多くなると得られる重合体の溶媒に対する溶解性が低下するため、上記範囲にそれぞれ限定される。
【0028】
上記一般式(2)で表される2個以上のエチニル基を有する化合物〔以下、ジエチニル化合物(2)という〕としては、例えば、ジエチニルメタン、ジエチニルエタン、ジエチニルプロパン、ジエチニルブタン、ジエチニルベンゼン、ジエチニルトルエン、ジエチニルキシレン、ジエチニルビフェニル、ジエチニルアントラセン等が挙げられる。
【0029】
上記一般式(3)で表される2個のヒドロシリル基を含有するカルボラン誘導体(以下、シリル置換カルボラン誘導体という)としては、例えば、m−ビス(ジメチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジエチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジプロピルシリル)カルボラン、m−ビス(ジブチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルエチルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルプロピルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルプロピルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルブチルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルブチルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルブチルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(ジフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ジトリルシリル)カルボラン、m−ビス(ジキシリルシリル)カルボラン、m−ビス(ジビフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ジナフチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジアントラセニルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ブチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ペンチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ヘキシルフェニルシリル)カルボラン及び、これらのオルト−異性体、パラ−異性体などが挙げられる。
【0030】
また、式(3)中CBxHx’Cで表されるカルボランとしては、式(1)で表されるものと同様のカルボランが挙げられる。
【0031】
上記反応で使用される触媒としては、例えば、塩化白金酸、ヘキサロジウムヘキサデカカルボニル〔Rh6 (CO)16〕等が挙げられる。
上記触媒量は、少なすぎると反応が十分進行せず、多すぎると合成後の重合体中に残存しやすくなり、耐熱性が低下するため、ジエチニル化合物(2)のエチニル基に対して、0.001〜20mol%が好ましく、より好ましくは0.01〜10mol%である。
【0032】
上記反応に使用されるジエチニル化合物(2)とシリル置換カルボラン誘導体(3)とのモル比は、両者のいずれが多すぎても重合反応が十分に進行せず、得られる重合体の耐熱性及び成形性が余り向上しないため、エチニル基:ヒドロシリル基=1:0.01〜2が好ましく、より好ましくは1:0.5〜1.5である。
【0033】
上記反応に使用される溶媒は極性、無極性いずれでもよいが、好ましくはトルエン、テトラヒドロフランなどの非プロトン性溶媒である。
上記溶媒の使用量は、ケイ素系重合体の構成単位の濃度で0.01〜50mol/Lが好ましく、より好ましくは0.05〜5mol/Lである。
【0034】
上記反応は室温から溶媒の沸点の間で行われる。また、この反応は空気中又は不活性ガス雰囲気下のいずれでも行うことできるが、好ましくはアルゴンガス又は窒素ガス雰囲気下である。
【0035】
上記反応の反応時間は、短すぎると重合反応が十分進行しないため、耐熱性が向上せず、逆に長くなりすぎると架橋等の副反応が進行して溶媒に溶けなくなり、取り扱いが困難になったり、副生成物によって耐熱性が低下するため、1〜72時間が好ましい。反応終了後、得られたケイ素系重合体の精製方法としては、再沈殿法またはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分取等が挙げられる。
【0036】
次に第3発明について説明する。
第3発明のカルボラン含有ケイ素系重合体は、一般式(4)で表されるカルボラン含有ユニットを重合体中に有する。
【0037】
【化12】
【0038】
式(4)中、Zは一般式(5)で表されるケイ素化合物を表す。R2 はケイ素原子に結合した水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。CBxHx’Cは、2価のかご状のホウ素化合物であるカルボランを表し、x、x’は3〜16の整数を表す。
【0039】
【化13】
【0040】
式(5)中、R3 はケイ素原子に結合した炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
nは0〜20の整数を表す。
【0041】
また、式(4)中CBxHx’Cで表されるカルボランとしては、式(1)で表されるものと同様のカルボランが挙げられる。
【0042】
上記R2 、R3 で表される炭化水素基の炭素数は、脂肪族の場合多くなると結合が切れやすくなり、耐熱性が低下するため、また、芳香族の場合多くなると溶媒に対する溶解性が低下するため、上記範囲にそれぞれ限定される。
【0043】
上記R3 で表されるアルキル基、アリール基としては、R2 で表されるアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
【0044】
第3発明のカルボラン含有ケイ素系重合体の重量平均分子量は、第1発明と同様な理由により、500以上に限定され、500万以下が好ましい。
【0045】
次に、第4発明について説明する。
第4発明は第3発明のカルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法であり、一般式(6)で表される2個以上のエチニル基含有化合物と一般式(7)で表されるシリル基含有カルボラン誘導体とを反応させることを特徴とする。
【0046】
【化14】
【0047】
【化15】
【0048】
式(6)中、Zは一般式(5)で表されるケイ素化合物を表す。
【0049】
【化16】
【0050】
式(7)中、R2 はケイ素原子に結合した水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。カルボランはCBxHx’Cで表される2価のかご状のホウ素化合物であり、x、x’は3〜16の整数を表す。
【0051】
式(2)中、R3 はケイ素原子に結合した炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。0〜20の整数を表す。
【0052】
また、式(7)中CBxHx’Cで表されるカルボランとしては、式(1)で表されるものと同様のカルボランが挙げられる。
【0053】
上記R2 、R3 で表される炭化水素基の炭素数は、脂肪族の場合多くなると結合が切れやすくなり、耐熱性が低下するため、芳香族の場合多くなると溶媒に対する溶解性が低下するため、上記範囲に限定される。
【0054】
上記2個以上のエチニル基を含有する化合物(6)〔以下、ジエチニル化合物(6)という〕としては、例えば、ジエチニルジメチルシラン、ジエチニルジエチルシラン、ジエチニルジプロピルシラン、ジエチニルジブチルシラン、ジエチニルメチルエチルシラン、ジエチニルメチルプロピルシラン、ジエチニルメチルブチルシラン、ジエチニルエチルプロピルシラン、ジエチニルエチルブチルシラン、ジエチニルジフェニルシラン、ジエチニルジトリルシラン、ジエチニルフェニルメチルシラン、ジエチニルフェニルエチルシラン、ジエチニルフェニルプロピルシラン、ジエチニルフェニルブチルシラン、ジエチニルトリルメチルシラン、ジエチニルトリルエチルシラン、ジエチニルトリルプロピルシラン、ジエチニルトリルブチルシラン、1,3−ジエチニル−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエチニル−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジエチニル−テトラプロピルジシロキサン、1,3−ジエチニル−テトラブチルジシロキサン、1,3−ジエチニル−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエチニル−テトラトリルジシロキサン、1,3−ジエチニル−1,3−ジメチル−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,5−ジエチニルヘキサメチルトリシロキサン、1,5−ジエチニルヘキサフェニルトリシロキサン、1,5−ジエチニル−1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルトリシロキサン、1,7−ジエチニルオクタメチルテトラシロキサン、1,7−ジエチニルオクタフェニルトリシロキサン、1,7−ジエチニル−1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルトリシロキサン等が挙げられる。
【0055】
上記シリル置換カルボラン誘導体(7)としては、例えば、m−ビス(ジメチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジエチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジプロピルシリル)カルボラン、m−ビス(ジブチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルエチルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルプロピルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルブチルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルプロピルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルブチルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルブチルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(ジフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ジトリルシリル)カルボラン、m−ビス(ジキシリルシリル)カルボラン、m−ビス(ジビフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ジナフチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジアントラセニルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ブチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ペンチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ヘキシルフェニルシリル)カルボラン、及びこれらのo−、p−異性体等が挙げられる。
【0056】
上記反応に使用される触媒としては、例えば、塩化白金酸、ヘキサロジウムヘキサデカカルボニル〔Rh6 (CO)16〕等が挙げられる。
【0057】
上記反応に使用される触媒は少なすぎると反応が十分進行せず、多すぎると合成後の重合体中に残存しやすくなり、耐熱性が低下するため、エチニル基に対して0.001〜20mol%が好ましく、より好ましくは0.01〜10mol%である。
【0058】
上記反応に使用されるジエチニル化合物(6)とシリル置換カルボラン誘導体(7)のモル比は、両者のいずれが多すぎても重合反応が十分に進行せず、得られる重合体の耐熱性及び成形性があまり向上しないため、エチニル基:ヒドロシリル基=1:0.01〜2が好ましく、より好ましくは1:0.5〜1.5である。
【0059】
上記反応に使用される溶媒は極性、無極性いずれでもよいが、好ましくはトルエン、テトラヒドロフランなどの非プロトン性溶媒である。
上記溶媒の使用量は、濃度で0.01〜50mol/Lが好ましく、より好ましくは0.05〜5mol/Lである。
【0060】
上記反応は室温から溶媒の沸点の間で行われる。また、この反応は空気中または不活性ガス雰囲気下のいずれでも行えるが、好ましくはアルゴンガスまたは窒素ガス雰囲気下である。
【0061】
上記反応の反応時間は短すぎると重合反応が十分進行せず、耐熱性が向上しないため、また、逆に長くなりすぎると架橋等の副反応が進行して溶媒に溶けなくなり、取り扱いが困難になったり副生成物によって耐熱性が低下するため、1〜72時間が好ましい。
【0062】
反応終了後、ケイ素系重合体の精製方法としては、再沈殿法またはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分取等が挙げられる。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を挙げる。
【0064】
(実施例1)
アルゴン置換した還流管付100mlの反応器に、1,4−ジエチニルベンゼン1.26g(10mmol)を入れ、トルエン40mlに溶解した。
この反応液を50℃に昇温し、触媒として塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2 O)0.024g(0.05mmol)のイソプロパノール溶液1mlを投入して10分間撹拌後、1,7−ビス(ジメチルシリル)ドデカカルボラン2.61g(10mmol)のトルエン溶液20mlを投入した。次いで、反応液を120℃に昇温して10時間加熱還流した後、有機溶媒を減圧留去し、メタノール900ml中に投入した。得られた沈殿物を濾別、真空乾燥し、黄白色の重合体粉末3.55gを得た。
【0065】
上記重合体の 1H−NMRスペクトル(ブルカー社製「DRX300」で測定)を図1に、IRスペクトル(バイオラッド社製「FTS135システム」で測定)を図2に、それぞれ示した。
図1では0.7〜4ppmにかけてカルボラン構造に起因するプロトンのピークがみられた。また、0〜0.4ppmにケイ素原子に結合したメチル基のプロトンのピークが、5.8〜7ppmにかけて二重結合のプロトンのピークが、7〜8ppmにかけてフェニル基のプロトンのピークが、それぞれ確認された。
また、図2では2594cm−1にカルボランに起因する吸収がみられた。
これらのことから実施例1の重合体は一般式(8)の構造を持つカルボラン含有ケイ素系重合体であることを確認した。さらに、この重合体の重量平均分子量はポリスチレン換算で14,300であった。
【0066】
【化17】
【0067】
(比較例1)
アルゴン置換した還流管付100mlの反応器に、1,4−ジエチニルベンゼン1.26g(10mmol)を入れ、トルエン40mlに溶解した。
この反応液を50℃に昇温し、触媒として塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2 O)0.024g(0.05mmol)のイソプロパノール溶液1mlを投入した後10分間撹拌し、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン2.61g(10mmol)のトルエン溶液20mlを投入した。次いで、反応液を120℃に昇温して10時間加熱還流した後、有機溶媒を減圧留去し、メタノール900ml中に投入した。得られた沈殿物を濾別、真空乾燥し、一般式(9)で表される黄白色の重合体粉末2.88gを得た。この重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で12,700であった。
【0068】
【化18】
【0069】
(実施例2)
アルゴン置換した還流管付き100mlの反応器にジエチニルフェニルメチルシランを3.42g(20mmol)入れ、トルエン50mlに溶解した。
この反応液を50℃に昇温し、塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2 O)0.048g(0.09mmol)のイソプロパノール1ml溶液を投入した後10分間撹拌し、1,7−ビス(ジメチルシリル)ドデカカルボラン5.22g(20mmol)のトルエン20ml溶液を投入した。次いで、反応液を120℃に昇温して10時間加熱還流した後、有機溶媒を減圧留去し、メタノール900ml中に投入した。得られた沈殿物を濾別、真空乾燥し、茶褐色の重合体2.21gを得た。
【0070】
上記重合体の 1H−NMRスペクトル(ブルカー社製「DRX300」で測定)を図4に示した。図4で0.7〜4ppmにかけてカルボラン構造に起因するプロトンのピークがみられる。また、0〜0.4ppmにケイ素原子に結合したメチル基のプロトンのピークが、6.3〜6.7ppmにかけて二重結合のプロトンのピークが、7〜7.5ppmにはフェニル基のプロトンのピークがそれぞれ確認された。このことから実施例2の重合体は一般式(10)の構造を持つカルボラン含有ケイ素系重合体であることを確認した。また、この重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で3,400であった。
【0071】
【化19】
【0072】
(実施例3)
アルゴン置換した還流管付き100mlの反応器に1,3−ジエチニル−テトラメチルジシロキサンを3.65g(20mmol)入れ、トルエン50mlに溶解した。この反応液を50℃に昇温し、塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2 O)0.050g(0.09mmol)のイソプロパノール1ml溶液を投入した後10分間撹拌し、1,7−ビス(ジメチルシリル)ドデカカルボラン5.22g(20mmol)のトルエン20ml溶液を投入した。次いで、反応液を120℃に昇温して10時間加熱還流した後、有機溶媒を減圧留去し、メタノール900ml中に投入した。得られた沈殿を濾別、真空乾燥し、淡黄色の重合体1.45gを得た。
【0073】
上記重合体の 1H−NMRスペクトル(ブルカー社製「DRX300」で測定)を図5に示した。図5で0.7〜4ppmにかけてカルボラン構造に起因するプロトンのピークがみられる。また、0〜0.3ppmにケイ素原子に結合したメチル基のプロトンのピークが、6.3〜6.7ppmにかけて二重結合のプロトンのピークがそれぞれ確認された。これらのことから実施例3の重合体は、一般式(11)の構造を持つカルボラン含有ケイ素系重合体であることを確認した。また、この重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で5,500であった。
【0074】
【化20】
【0075】
(比較例2)
アルゴン置換した還流管付き100mlの反応器にジエチニルフェニルメチルシランを1.71g(10mmol)入れ、トルエン20mlに溶解した。反応液を50℃に昇温し、塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2 O)0.048g(0.09mmol)のイソプロパノール1ml溶液を投入した後10分間撹拌し、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン1.96g(10mmol)のトルエン15ml溶液を投入した。反応液を120℃で10時間加熱還流後、有機溶媒を減圧留去し、メタノール500ml中に投入した。沈殿を真空乾燥し、一般式(12)の構造を持つ茶褐色の重合体2.45gを得た。また、この重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で5,900であった。
【0076】
【化21】
【0077】
上記実施例及び比較例で得られた重合体につき、空気雰囲気下における5重量%分解温度(Td5)及び800℃における重量残存率(W800)を(いずれもセイコー電子社製「SSC5200システム」使用)測定し、表1に示した測定結果より耐熱性を評価した。
【0078】
【表1】
表1、図3及び図6から、実施例のカルボラン含有ケイ素系重合体は空気下において耐熱性に優れることがわかる。
【0079】
【発明の効果】
本発明のカルボラン含有ケイ素系重合体は、上述の通り耐熱性に優れており、宇宙・航空材料、建築材料などに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のケイ素系重合体の 1H−NMRスペクトルである。
【図2】実施例1のケイ素系重合体のIRスペクトルである。
【図3】実施例1のケイ素系重合体と比較例1の重合体の熱分解曲線である。
【図4】実施例2のケイ素系重合体の 1H−NMRスペクトルである。
【図5】実施例3のケイ素系重合体の 1H−NMRスペクトルである。
【図6】実施例2及び実施例3のケイ素系重合体ならびに比較例2の重合体の熱分解曲線である。
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性に優れた機能性材料として有用な新規カルボラン含有ケイ素系重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭素−炭素不飽和結合とヒドロシランとのヒドロシリル付加反応は非常に効率の良い反応としてよく知られており、これを利用したケイ素系重合体の合成は数多く行われている。例えば、特開平4−53874号公報及び特開平4−53875号公報には、末端をアルケニル化したケイ素系プレポリマーと2官能以上のヒドロシリル基含有低分子化合物との架橋反応が開示されている。
しかしながら、得られるケイ素系重合体は十分な耐熱性を有していないか、あるいは耐熱性に関する記述がなされていない。
【0003】
一方、カルボラン含有ケイ素系重合体についてはいくつか知られており、例えば、文献〔J. Macromol. Sci. −Rev. Macromol. Chem., C17(2), 173−208 (1979) 〕には、ポリ(ドデカカルボラン−シロキサン)について報告されている。
【0004】
また、特表平8−505649号公報には、有機ホウ素ポリマーが開示されており、カルボランを導入することによりシロキサンポリマーの熱安定性が向上することが報告されている。
しかしながら、上記有機ホウ素ポリマーは、アセチレン基含有ジリチオ塩と両末端クロロ基含有カルボランシロキサンとの反応から得られるもので、モノマーのカルボラン含有ケイ素系化合物の合成に数段階を要するため、簡便な方法ではなかった。
【0005】
現状では、上記従来の有機ホウ素ポリマー以外に、カルボラン含有ケイ素系重合体は殆ど知られておらず、耐熱性に優れた新規なカルボラン含有ケイ素系重合体の開発が期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点を鑑み、耐熱性及び難燃性に優れた新規なカルボラン含有ケイ素系重合体及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、エチニレン基を2個以上持つ化合物とビスシリル置換カルボラン誘導体とを反応させ、重合体を得た。エチニレン基とシリル基との反応は非常に効率がよく、カルボランが容易に導入され、得られる重合体の耐熱性が飛躍的に上昇することが確認された。
【0008】
請求項1記載の発明(以下、第1発明という)のケイ素系重合体は、一般式(1)で表されるカルボランユニットを重合体中に含有し、重量平均分子量が500以上であることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明(以下、第2発明という)のケイ素系重合体の製造方法は、一般式(2)で表される2個以上のエチニル基を含有する化合物と、一般式(3)で表される2個のヒドロシリル基を含有するカルボラン誘導体とを反応させることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明(以下、第3発明という)のケイ素系重合体は、一般式(4)で表されるカルボランユニットを重合体中に含有し、重量平均分子量が500以上であることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明(以下、第4発明という)のケイ素系重合体の製造方法は、一般式(6)で表される2個以上のエチニル基を含有する化合物と一般式(7)で表される2個のヒドロシリル基を含有するカルボラン誘導体とを反応させることを特徴とする。
【0012】
以下、本発明について説明する。
第1発明のカルボラン含有ケイ素系重合体は、一般式(1)で表されるカルボラン含有ユニットを重合体中に有する。
【0013】
【化9】
【0014】
式(1)中、R1 は、炭素数1〜20のアルキレン基又は炭素数6〜30のアリーレン基を表す。式(1)中、R2 は、ケイ素原子に結合した、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。CBxHx’Cは、2価のかご状のホウ素化合物であるカルボランを表し、x、x’は3〜16の整数を表す。
【0015】
式(1)中、R1 、R2 で表される炭化水素基の炭素数は、脂肪族の場合多くなると結合が切れやすくなり、耐熱性が低下するため、また、芳香族の場合多くなると溶媒に対する溶解性が低下するため、上記範囲にそれぞれ限定される。
【0016】
上記R1 で表されるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、エイコシレン基等が挙げられる。
【0017】
上記R1 で表されるアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ビフェニレン基、ナフタレニレン基、アントラセニレン基等が挙げられる。
【0018】
上記R2 で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。
【0019】
上記R2 で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
【0020】
R1 は、以後についても上記と同様のアルキレン基又はアリーレン基を表し、R2 は、以後についても上記と同様のアルキル基又はアリール基を表す。
【0021】
式(1)中、CBxHx’Cで表されるカルボランとしては、例えば、ドデカカルボラン、デカカルボラン、ヘプタカルボラン、ヘキサカルボラン、ペンタカルボラン等が挙げられる。
【0022】
第1発明のケイ素系重合体の重量平均分子量は、小さくなると十分な耐熱性が得られなくなるため、500以上に限定される。重量平均分子量の上限は、特に限定されないが、大きくなり過ぎると溶解性及び融解性が低下し、成形体を得ることが困難になるため、500万以下が好ましい。
【0023】
次に第2発明について説明する。
第2発明のカルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法は、第1発明のカルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法であって、一般式(2)で表される2個以上のエチニル基を含有する化合物と、一般式(3)で表される2個のヒドロシリル基を含有するカルボラン誘導体とを反応させることを特徴とする。
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
式(2)中、R1 は、炭素数1〜20のアルキレン基又は炭素数6〜30のアリーレン基を表す。式(2)中、R2 は、ケイ素原子に結合した、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。CBxHx’Cは、2価のかご状のホウ素化合物であるカルボランを表し、x、x’は3〜16の整数を表す。
【0027】
式(2)及び(3)中、R1 、R2 で表される炭化水素基の炭素数は、脂肪族の場合多くなると結合が切れやすくなり、得られる重合体の耐熱性が低下するため、また、芳香族の場合多くなると得られる重合体の溶媒に対する溶解性が低下するため、上記範囲にそれぞれ限定される。
【0028】
上記一般式(2)で表される2個以上のエチニル基を有する化合物〔以下、ジエチニル化合物(2)という〕としては、例えば、ジエチニルメタン、ジエチニルエタン、ジエチニルプロパン、ジエチニルブタン、ジエチニルベンゼン、ジエチニルトルエン、ジエチニルキシレン、ジエチニルビフェニル、ジエチニルアントラセン等が挙げられる。
【0029】
上記一般式(3)で表される2個のヒドロシリル基を含有するカルボラン誘導体(以下、シリル置換カルボラン誘導体という)としては、例えば、m−ビス(ジメチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジエチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジプロピルシリル)カルボラン、m−ビス(ジブチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルエチルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルプロピルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルプロピルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルブチルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルブチルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルブチルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(ジフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ジトリルシリル)カルボラン、m−ビス(ジキシリルシリル)カルボラン、m−ビス(ジビフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ジナフチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジアントラセニルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ブチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ペンチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ヘキシルフェニルシリル)カルボラン及び、これらのオルト−異性体、パラ−異性体などが挙げられる。
【0030】
また、式(3)中CBxHx’Cで表されるカルボランとしては、式(1)で表されるものと同様のカルボランが挙げられる。
【0031】
上記反応で使用される触媒としては、例えば、塩化白金酸、ヘキサロジウムヘキサデカカルボニル〔Rh6 (CO)16〕等が挙げられる。
上記触媒量は、少なすぎると反応が十分進行せず、多すぎると合成後の重合体中に残存しやすくなり、耐熱性が低下するため、ジエチニル化合物(2)のエチニル基に対して、0.001〜20mol%が好ましく、より好ましくは0.01〜10mol%である。
【0032】
上記反応に使用されるジエチニル化合物(2)とシリル置換カルボラン誘導体(3)とのモル比は、両者のいずれが多すぎても重合反応が十分に進行せず、得られる重合体の耐熱性及び成形性が余り向上しないため、エチニル基:ヒドロシリル基=1:0.01〜2が好ましく、より好ましくは1:0.5〜1.5である。
【0033】
上記反応に使用される溶媒は極性、無極性いずれでもよいが、好ましくはトルエン、テトラヒドロフランなどの非プロトン性溶媒である。
上記溶媒の使用量は、ケイ素系重合体の構成単位の濃度で0.01〜50mol/Lが好ましく、より好ましくは0.05〜5mol/Lである。
【0034】
上記反応は室温から溶媒の沸点の間で行われる。また、この反応は空気中又は不活性ガス雰囲気下のいずれでも行うことできるが、好ましくはアルゴンガス又は窒素ガス雰囲気下である。
【0035】
上記反応の反応時間は、短すぎると重合反応が十分進行しないため、耐熱性が向上せず、逆に長くなりすぎると架橋等の副反応が進行して溶媒に溶けなくなり、取り扱いが困難になったり、副生成物によって耐熱性が低下するため、1〜72時間が好ましい。反応終了後、得られたケイ素系重合体の精製方法としては、再沈殿法またはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分取等が挙げられる。
【0036】
次に第3発明について説明する。
第3発明のカルボラン含有ケイ素系重合体は、一般式(4)で表されるカルボラン含有ユニットを重合体中に有する。
【0037】
【化12】
【0038】
式(4)中、Zは一般式(5)で表されるケイ素化合物を表す。R2 はケイ素原子に結合した水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。CBxHx’Cは、2価のかご状のホウ素化合物であるカルボランを表し、x、x’は3〜16の整数を表す。
【0039】
【化13】
【0040】
式(5)中、R3 はケイ素原子に結合した炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
nは0〜20の整数を表す。
【0041】
また、式(4)中CBxHx’Cで表されるカルボランとしては、式(1)で表されるものと同様のカルボランが挙げられる。
【0042】
上記R2 、R3 で表される炭化水素基の炭素数は、脂肪族の場合多くなると結合が切れやすくなり、耐熱性が低下するため、また、芳香族の場合多くなると溶媒に対する溶解性が低下するため、上記範囲にそれぞれ限定される。
【0043】
上記R3 で表されるアルキル基、アリール基としては、R2 で表されるアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
【0044】
第3発明のカルボラン含有ケイ素系重合体の重量平均分子量は、第1発明と同様な理由により、500以上に限定され、500万以下が好ましい。
【0045】
次に、第4発明について説明する。
第4発明は第3発明のカルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法であり、一般式(6)で表される2個以上のエチニル基含有化合物と一般式(7)で表されるシリル基含有カルボラン誘導体とを反応させることを特徴とする。
【0046】
【化14】
【0047】
【化15】
【0048】
式(6)中、Zは一般式(5)で表されるケイ素化合物を表す。
【0049】
【化16】
【0050】
式(7)中、R2 はケイ素原子に結合した水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。カルボランはCBxHx’Cで表される2価のかご状のホウ素化合物であり、x、x’は3〜16の整数を表す。
【0051】
式(2)中、R3 はケイ素原子に結合した炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。0〜20の整数を表す。
【0052】
また、式(7)中CBxHx’Cで表されるカルボランとしては、式(1)で表されるものと同様のカルボランが挙げられる。
【0053】
上記R2 、R3 で表される炭化水素基の炭素数は、脂肪族の場合多くなると結合が切れやすくなり、耐熱性が低下するため、芳香族の場合多くなると溶媒に対する溶解性が低下するため、上記範囲に限定される。
【0054】
上記2個以上のエチニル基を含有する化合物(6)〔以下、ジエチニル化合物(6)という〕としては、例えば、ジエチニルジメチルシラン、ジエチニルジエチルシラン、ジエチニルジプロピルシラン、ジエチニルジブチルシラン、ジエチニルメチルエチルシラン、ジエチニルメチルプロピルシラン、ジエチニルメチルブチルシラン、ジエチニルエチルプロピルシラン、ジエチニルエチルブチルシラン、ジエチニルジフェニルシラン、ジエチニルジトリルシラン、ジエチニルフェニルメチルシラン、ジエチニルフェニルエチルシラン、ジエチニルフェニルプロピルシラン、ジエチニルフェニルブチルシラン、ジエチニルトリルメチルシラン、ジエチニルトリルエチルシラン、ジエチニルトリルプロピルシラン、ジエチニルトリルブチルシラン、1,3−ジエチニル−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエチニル−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジエチニル−テトラプロピルジシロキサン、1,3−ジエチニル−テトラブチルジシロキサン、1,3−ジエチニル−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエチニル−テトラトリルジシロキサン、1,3−ジエチニル−1,3−ジメチル−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,5−ジエチニルヘキサメチルトリシロキサン、1,5−ジエチニルヘキサフェニルトリシロキサン、1,5−ジエチニル−1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルトリシロキサン、1,7−ジエチニルオクタメチルテトラシロキサン、1,7−ジエチニルオクタフェニルトリシロキサン、1,7−ジエチニル−1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルトリシロキサン等が挙げられる。
【0055】
上記シリル置換カルボラン誘導体(7)としては、例えば、m−ビス(ジメチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジエチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジプロピルシリル)カルボラン、m−ビス(ジブチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルエチルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルプロピルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルブチルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルプロピルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルブチルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルブチルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(ジフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ジトリルシリル)カルボラン、m−ビス(ジキシリルシリル)カルボラン、m−ビス(ジビフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ジナフチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジアントラセニルシリル)カルボラン、m−ビス(メチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ブチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ペンチルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ヘキシルフェニルシリル)カルボラン、及びこれらのo−、p−異性体等が挙げられる。
【0056】
上記反応に使用される触媒としては、例えば、塩化白金酸、ヘキサロジウムヘキサデカカルボニル〔Rh6 (CO)16〕等が挙げられる。
【0057】
上記反応に使用される触媒は少なすぎると反応が十分進行せず、多すぎると合成後の重合体中に残存しやすくなり、耐熱性が低下するため、エチニル基に対して0.001〜20mol%が好ましく、より好ましくは0.01〜10mol%である。
【0058】
上記反応に使用されるジエチニル化合物(6)とシリル置換カルボラン誘導体(7)のモル比は、両者のいずれが多すぎても重合反応が十分に進行せず、得られる重合体の耐熱性及び成形性があまり向上しないため、エチニル基:ヒドロシリル基=1:0.01〜2が好ましく、より好ましくは1:0.5〜1.5である。
【0059】
上記反応に使用される溶媒は極性、無極性いずれでもよいが、好ましくはトルエン、テトラヒドロフランなどの非プロトン性溶媒である。
上記溶媒の使用量は、濃度で0.01〜50mol/Lが好ましく、より好ましくは0.05〜5mol/Lである。
【0060】
上記反応は室温から溶媒の沸点の間で行われる。また、この反応は空気中または不活性ガス雰囲気下のいずれでも行えるが、好ましくはアルゴンガスまたは窒素ガス雰囲気下である。
【0061】
上記反応の反応時間は短すぎると重合反応が十分進行せず、耐熱性が向上しないため、また、逆に長くなりすぎると架橋等の副反応が進行して溶媒に溶けなくなり、取り扱いが困難になったり副生成物によって耐熱性が低下するため、1〜72時間が好ましい。
【0062】
反応終了後、ケイ素系重合体の精製方法としては、再沈殿法またはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分取等が挙げられる。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を挙げる。
【0064】
(実施例1)
アルゴン置換した還流管付100mlの反応器に、1,4−ジエチニルベンゼン1.26g(10mmol)を入れ、トルエン40mlに溶解した。
この反応液を50℃に昇温し、触媒として塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2 O)0.024g(0.05mmol)のイソプロパノール溶液1mlを投入して10分間撹拌後、1,7−ビス(ジメチルシリル)ドデカカルボラン2.61g(10mmol)のトルエン溶液20mlを投入した。次いで、反応液を120℃に昇温して10時間加熱還流した後、有機溶媒を減圧留去し、メタノール900ml中に投入した。得られた沈殿物を濾別、真空乾燥し、黄白色の重合体粉末3.55gを得た。
【0065】
上記重合体の 1H−NMRスペクトル(ブルカー社製「DRX300」で測定)を図1に、IRスペクトル(バイオラッド社製「FTS135システム」で測定)を図2に、それぞれ示した。
図1では0.7〜4ppmにかけてカルボラン構造に起因するプロトンのピークがみられた。また、0〜0.4ppmにケイ素原子に結合したメチル基のプロトンのピークが、5.8〜7ppmにかけて二重結合のプロトンのピークが、7〜8ppmにかけてフェニル基のプロトンのピークが、それぞれ確認された。
また、図2では2594cm−1にカルボランに起因する吸収がみられた。
これらのことから実施例1の重合体は一般式(8)の構造を持つカルボラン含有ケイ素系重合体であることを確認した。さらに、この重合体の重量平均分子量はポリスチレン換算で14,300であった。
【0066】
【化17】
【0067】
(比較例1)
アルゴン置換した還流管付100mlの反応器に、1,4−ジエチニルベンゼン1.26g(10mmol)を入れ、トルエン40mlに溶解した。
この反応液を50℃に昇温し、触媒として塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2 O)0.024g(0.05mmol)のイソプロパノール溶液1mlを投入した後10分間撹拌し、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン2.61g(10mmol)のトルエン溶液20mlを投入した。次いで、反応液を120℃に昇温して10時間加熱還流した後、有機溶媒を減圧留去し、メタノール900ml中に投入した。得られた沈殿物を濾別、真空乾燥し、一般式(9)で表される黄白色の重合体粉末2.88gを得た。この重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で12,700であった。
【0068】
【化18】
【0069】
(実施例2)
アルゴン置換した還流管付き100mlの反応器にジエチニルフェニルメチルシランを3.42g(20mmol)入れ、トルエン50mlに溶解した。
この反応液を50℃に昇温し、塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2 O)0.048g(0.09mmol)のイソプロパノール1ml溶液を投入した後10分間撹拌し、1,7−ビス(ジメチルシリル)ドデカカルボラン5.22g(20mmol)のトルエン20ml溶液を投入した。次いで、反応液を120℃に昇温して10時間加熱還流した後、有機溶媒を減圧留去し、メタノール900ml中に投入した。得られた沈殿物を濾別、真空乾燥し、茶褐色の重合体2.21gを得た。
【0070】
上記重合体の 1H−NMRスペクトル(ブルカー社製「DRX300」で測定)を図4に示した。図4で0.7〜4ppmにかけてカルボラン構造に起因するプロトンのピークがみられる。また、0〜0.4ppmにケイ素原子に結合したメチル基のプロトンのピークが、6.3〜6.7ppmにかけて二重結合のプロトンのピークが、7〜7.5ppmにはフェニル基のプロトンのピークがそれぞれ確認された。このことから実施例2の重合体は一般式(10)の構造を持つカルボラン含有ケイ素系重合体であることを確認した。また、この重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で3,400であった。
【0071】
【化19】
【0072】
(実施例3)
アルゴン置換した還流管付き100mlの反応器に1,3−ジエチニル−テトラメチルジシロキサンを3.65g(20mmol)入れ、トルエン50mlに溶解した。この反応液を50℃に昇温し、塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2 O)0.050g(0.09mmol)のイソプロパノール1ml溶液を投入した後10分間撹拌し、1,7−ビス(ジメチルシリル)ドデカカルボラン5.22g(20mmol)のトルエン20ml溶液を投入した。次いで、反応液を120℃に昇温して10時間加熱還流した後、有機溶媒を減圧留去し、メタノール900ml中に投入した。得られた沈殿を濾別、真空乾燥し、淡黄色の重合体1.45gを得た。
【0073】
上記重合体の 1H−NMRスペクトル(ブルカー社製「DRX300」で測定)を図5に示した。図5で0.7〜4ppmにかけてカルボラン構造に起因するプロトンのピークがみられる。また、0〜0.3ppmにケイ素原子に結合したメチル基のプロトンのピークが、6.3〜6.7ppmにかけて二重結合のプロトンのピークがそれぞれ確認された。これらのことから実施例3の重合体は、一般式(11)の構造を持つカルボラン含有ケイ素系重合体であることを確認した。また、この重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で5,500であった。
【0074】
【化20】
【0075】
(比較例2)
アルゴン置換した還流管付き100mlの反応器にジエチニルフェニルメチルシランを1.71g(10mmol)入れ、トルエン20mlに溶解した。反応液を50℃に昇温し、塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2 O)0.048g(0.09mmol)のイソプロパノール1ml溶液を投入した後10分間撹拌し、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン1.96g(10mmol)のトルエン15ml溶液を投入した。反応液を120℃で10時間加熱還流後、有機溶媒を減圧留去し、メタノール500ml中に投入した。沈殿を真空乾燥し、一般式(12)の構造を持つ茶褐色の重合体2.45gを得た。また、この重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で5,900であった。
【0076】
【化21】
【0077】
上記実施例及び比較例で得られた重合体につき、空気雰囲気下における5重量%分解温度(Td5)及び800℃における重量残存率(W800)を(いずれもセイコー電子社製「SSC5200システム」使用)測定し、表1に示した測定結果より耐熱性を評価した。
【0078】
【表1】
表1、図3及び図6から、実施例のカルボラン含有ケイ素系重合体は空気下において耐熱性に優れることがわかる。
【0079】
【発明の効果】
本発明のカルボラン含有ケイ素系重合体は、上述の通り耐熱性に優れており、宇宙・航空材料、建築材料などに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のケイ素系重合体の 1H−NMRスペクトルである。
【図2】実施例1のケイ素系重合体のIRスペクトルである。
【図3】実施例1のケイ素系重合体と比較例1の重合体の熱分解曲線である。
【図4】実施例2のケイ素系重合体の 1H−NMRスペクトルである。
【図5】実施例3のケイ素系重合体の 1H−NMRスペクトルである。
【図6】実施例2及び実施例3のケイ素系重合体ならびに比較例2の重合体の熱分解曲線である。
Claims (4)
- 一般式(4)で表されるカルボランユニットを重合体中に含有し、重量平均分子量が500以上であることを特徴とするカルボラン含有ケイ素系重合体。
- 一般式(6)で表される少なくとも2個のエチニル基を含有する化合物と一般式(7)で表される2個のヒドロシリル基を含有するカルボラン誘導体とを反応させることを特徴とする請求項3記載のカルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法。
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