JP3601956B2 - 記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録装置、より詳細には、記録体の親インク処理時間を短くし、印字速度を向上させた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、特開平3−178478号公報で提案した記録装置の代表例を示す図で、図中、1は記録体、2はサーマルヘッド、3は液体、4は現像ローラ、5は転写ローラ、6は記録紙で、図示のごとく、画像書き込みは、液体3が記録体1と接触した状態でサーマルヘッド2のごとき加熱手段で行う。この構成において、サーマルヘッド2のごとく、一般に、高精細な接触加熱装置は、電子部品や電気配線を有しており、液体3に対する耐久性は低く、装置を破壊する恐れがある。また、加熱装置と記録体表面の接触面に液体等の接触部剤を供給する必要があるが、その供給機構が複雑になってしまう。
【0003】
この問題を解決するために、図7(A)に示すごとく、記録体全面(記録体基板11、記録層12)を予め液体13に接触させ、熱源14により加熱し、インク等の液体に対し親液性を示す状態(以下、親インク状態と記す)とし、その後、図7(B)に示すように、画像情報に応じて非画像部のみ接触部材の非存在下で選択的に加熱することで記録体表面に画像情報を記録するものを提案した。
【0004】
図8は、特開平8−276663号公報で提案した、図6で説明した上記問題点を解決する記録装置の代表例を示す図で、図中、7はクリーニングローラ、8は水を含んだスポンジベルト又はシリコーンゴムベルト、9は拭き取りローラで、この特開平8−276663号公報の発明では、記録体1をクリーニングローラ7でクリーニングした後、ベルト8で液体を付着しながら加熱し、その後、拭き取りローラ9で付着した液体を拭き取った後に、サーマルヘッド2にて加熱して記録体表面に画像情報を記録するようにしている。而して、この特開平8−276663号公報に記載の発明は、記録体全面を親インク状態とするための加熱温度は、記録体の後退接触角が低下し始める臨界温度以上としており、この時、記録体基板の温度も臨界温度以上になっているため、液体接触加熱後、直ちに液体を除去したとき、記録体基板の温度が臨界温度以上のままである。このため、液体不存在下で記録体を加熱することになり、記録体表面が再び撥インク状態にもどる恐れがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この問題に対して、図8に示した前記従来技術においては、液体接触部材をベルト状とし、基板が十分冷えたのち液体を除去する拭き取り構成をとっているが、こうすることは、装置を大きくし、また、冷却時間がかかるため、記録体の搬送速度を遅くせざるを得ず、印字速度に臨界が出やすくなる問題がある。
【0006】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、記録体全面を予め親インク処理した後、非画像部のみ画像信号に応じて加熱する記録において、上述のごとく、親インク処理時の基板加熱による記録体の撥インクもどりの問題解決手段として、従来よりも簡易な方法で、記録速度を下げることなく、確実に親インク処理が行える記録装置を提供するものである。
【0007】
請求項1の発明は、親インク処理時の安定性確保及び印字速度を高速化すること、請求項2の発明は、構成の簡素化及び親インク処理効率の向上を図ること、請求項3の発明は、加熱手段を無くすことで消費電力の低減化を図ること、請求項4の発明は、液体供給を容易にすること、請求項5の発明は、記録体被膜を機械的に破壊しにくいような親インク処理を行うこと、を目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、加熱状態でかつ液体と接触させた時に後退接触角が低下し、かつ、液体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇する表面特性をもつ記録体と、該記録体を画像信号に応じて選択的に加熱する加熱手段と、画像をインクにより顕像化する現像手段とを有する記録装置において、前記記録体の表面を擦る又は加圧する手段と記録体全面を液体に接触した状態で加熱する手段とを有し、該記録体を擦る又は加圧した後、記録体全面を液体に接触した状態で、記録体表面を擦る又は加圧することによって低下した液体と接触時の記録体の後退接触角変化温度以上で、かつ、液体と非接触時に後退接触角が上昇する温度以下で加熱し、その後、該液体の不存在下で該記録体の非画像領域のみ選択的に加熱して画像を形成することを特徴とし、もって、記録体の親インク処理時間を短時間とし印字速度を向上させたものである。
【0009】
請求項2の発明は、加熱状態でかつ液体と接触させた時に後退接触角が低下し、かつ、液体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇する表面特性をもつ記録体と、該記録体を画像信号に応じて選択的に加熱する加熱手段と、画像をインクにより顕像化する現像手段とを有する記録装置において、前記記録体の表面を擦る又は加圧する手段と記録体全面を液体に接触した状態で加熱する手段とを有し、該記録体を擦る又は加圧するのと同時に記録体全面を液体に接触した状態で、記録体表面を擦る又は加圧することによって低下した液体と接触時の記録体の後退接触角変化温度以上で、かつ、液体と非接触時に後退接触角が上昇する温度以下で加熱し、その後、該液体の不存在下で該記録体の非画像領域のみ選択的に加熱して画像を形成することを特徴とし、もって、請求項1の発明に比べ、親インク処理の信頼性を向上させるようにしたものである。
【0010】
請求項3の発明は、加熱状態でかつ液体と接触させた時に後退接触角が低下し、かつ、液体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇する表面特性をもつ記録体と、該記録体を画像信号に応じて選択的に加熱する加熱手段と、画像をインクにより顕像化する現像手段とを有する記録装置において、前記記録体の表面を液体に接触しながら記録体表面を擦る又は加圧する手段を設け、液体接触状態で、かつ、室温下で記録体を擦る又は加圧した後、該液体の不存在下で該記録体の非画像領域のみ選択的に加熱し画像を形成することを特徴とし、もって、加熱手段を不要として、装置構成を簡素化し、また、消費電力の低減を可能としたものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、液体を含浸した弾性若しくは柔軟性を有する多孔質部材を用いて、前記擦りと液体保持を兼用したことを特徴とし、もって、液体供給を確実として信頼性を高くし、また、装置構成を簡素化可能としたものである。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、加圧手段として、ゴム弾性を有する弾性部材を用いることを特徴とし、もって、記録体と同方向に加圧しながら擦るようにし、記録体被膜の破壊の恐れを低減し、耐久性を向上させるようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる記録体は、親インク状態に必要な加熱臨界温度(T1)と撥インク状態に必要な加熱臨界温度(T2)は大体一致する(T1=T2)。このため、上述のような撥インクもどりが生じてしまう。記録体の親インク状態に必要な加熱臨界温度(T1)が撥インク状態に必要な加熱臨界温度(T2)よりも低ければ、親インク処理時の液体接触加熱後の高温状態のままの基板による撥インクもどりは発生しない。
【0014】
本出願人は、このようにT1<T2となる条件をいろいろ検討し、次のような現象を発見した。即ち、予め、記録体表面をウエスのようなもので擦る、又は、硬いローラで強く加圧した後、液体接触状態で加熱を行うと、その加熱温度が臨界温度T1より低くても記録体表面が親インクとなることを発見した。また、液体に接触した状態で、加熱せず、記録体表面を擦る又は加圧しただけでも記録体表面が親インク状態となることも発見した。本発明はこれらの現象を基にしてなされたものである。
【0015】
本出願人は、上述の現象がどのような原理で起こるのかの確証を掴んでいないが、次のように推測する。即ち、予め記録体を擦る又は加圧することで記録体表面が活性化し、この状態で液体接触加熱を行うと通常の臨界温度以下であっても記録体表面が親インク状態に転移するものと推測する。また、室温下で、液体に接触したまま記録体を擦る又は加圧する場合、擦ることや加圧することで記録体最表面に摩擦や圧力により熱が発生する。このため、記録体最表面は液体接触状態で加熱されたことと等価な条件となり、親インク状態に転移することが推測される。
【0016】
上述のように、本発明においては、記録体の表面を撥インク状態となる臨界温度T2以下で加熱した場合や室温下で擦る又は加圧する場合、基板温度は臨界温度T2以下であるため、記録体から液体除去後に記録体が撥インク状態に戻ることはない。
【0017】
(請求項1の説明)
図1は、請求項1の発明の一実施形態を示す図で、図中、15は擦りローラ、16はヒータ、17は液体接触加熱ローラで、その他、図8に示した従来技術と同様の作用をする部分には、図8の場合と同一の参照番号が付してある。而して、本発明は、親インク処理方法として、擦りローラ15により、予め、記録体全面を擦る又は加圧した後、液体接触加熱ローラ17により液体接触状態で記録体の後退接触角変化温度以下で加熱するものである。
【0018】
本発明において、記録体材料は前記特開平3−178478号公報記載の材料はすべて適用される。記録体の構成は、記録体材料単独構成でも基板上に記録体材料を形成する構成の何れでもよい。基板は、図1に示すごときベルト形態以外に、ドラムにフィルムを巻き付ける形態やゴム等のローラに直接記録体材料を形成する形態も適用できる。
【0019】
擦り条件は、記録体被膜が機械的に破壊されることは望ましくなく、ほとんど擦り跡がない、若しくは、擦り部分の被膜がへこむ程度の擦りが望ましい。擦り方法として、ウエスのごとき不織不やウレタンフォーム材のごとき柔軟性を示すフォーム材でなるべく軽く記録体表面を擦ることが望ましい。また、擦りの均一性を良くするために擦り部分を表面に有するローラを記録体移動速度と逆回転で接触し、更に、逆回転しながら揺動させることが望ましい。別の擦り方法として、微粒子を表面に噴霧したローラを逆回転しながら擦る方法も、均一で、かつ、弱い擦りを記録体に与えることができる。
【0020】
加圧条件は、記録体被膜が破壊されない範囲で、できる限り強く加圧することが望ましい。加圧方法として、金属ローラ若しくはゴムローラを用い、記録体移動と同方向に回転しながら加圧する。擦り又は加圧後の液体接触加熱温度は、記録体が擦り等を受けない状態で液体接触加熱したときの後退接触角が変化する温度以下で、かつ、後退接触角が元の値に回復する温度以下が望ましい。
【0021】
用いるインク(色材)は、筆記用インク、インクジェット用インク、印刷インク等の従来の印字記録方法に用いられてきた記録剤の中から、本記録プロセスに適合するものを選択して使用することができる。具体的には、例えば、水性記録剤の場合は、水、湿潤剤、染料を主体とする水溶性インク、又は、水、顔料、分散用高分子化合物、湿潤剤を主体とした水性顔料分散インク、顔料又は染料を界面活性剤を用いて水に分散せしめたエマルジョン・インク等が用いられ、油性記録剤の場合は、水性の場合と同様に、油溶性染料を有機液体化合物に溶解したものや、顔料を有機液体化合物に分散せしめたもの、顔料又は染料を油性ベースに乳化させたもの等が用いられる。また、水性、油性両記録剤の室温下における粘度は、ともに、水のごとき低粘度のものから、105ポアズ程度の超高粘度のものまで、現像条件に応じて選択する。
【0022】
潜像形成時の加熱手段は、コンピュータのごとき情報処理装置からの画像信号に応じて画像形成を行う場合は、サーマルヘッドのごとき接触加熱源や、レーザのごとき非接触加熱源が望ましい。記録体表面全面を親液性にする際の加熱手段は、赤外線ヒータや加熱ローラ、超音波加熱装置、誘電加熱装置、誘導加熱装置、レーザなどの接触、非接触加熱源が挙げられる。なお、加熱温度は、後退接触角が変化を開始する臨界温度以下であることが望ましい。加熱時間は、1ミリ秒〜5秒程度で、好ましくは、10ミリ秒〜1秒である。接触液体は、水、グリコールのごとき極性溶剤やデカンのごとき脂肪族炭化水素が望ましい。
【0023】
また、図1に示すごとく、記録体1を再度利用しながら記録を行う場合、記録体表面上に付着した記録剤を除去する必要があるが、その除去方法例としては、インクを溶かすクリーニング液をスポンジローラや刷毛等で付けたり、付けながら擦っても良いし、粘着剤で剥ぎ取っても良い。なお、擦りローラとクリーニングローラを兼用して、残存インクを擦り取りながら記録体を擦る構成にすれば構成要素の低減になる。
【0024】
実施例1(請求項1の発明の実施例)
図1の構成にて印字評価
・擦り手段:不織布(ベンコット旭化成)を巻いた金属ローラ
・液体接触加熱手段:40℃に保った市水を保持したヒータ内蔵容器
・記録体:ベースフィルム−100μm厚みのPET、記録層−含フッ素アクリレート材料
・画像書き込み手段:600dpiサーマルヘッド
・インク:市販水無平版インク
・クリーニング手段:インク溶剤(石油系溶剤)を含浸したウレタンフォームのローラ
上記構成にて、印字を行い、従来の親インク処理手段を用いた記録と遜色ない画像が得られた。
【0025】
(請求項2の発明)
図2は、請求項2の発明の一実施形態を示す図で、この発明は、前述の請求項1の発明における擦りローラ15と液体接触加熱ローラ17を単一の擦り及び液体接触加熱ローラ18とすることにより、すなわち、液体接触加熱時に擦る又は加圧する構成とすることにより、構成要素を簡素化したものである。このように、加熱と同時に擦る又は加圧すると表面の活性状態を維持したまま加熱されるため、親インクが均一かつ確実に行われる。また、図3に示すように、ヒータ16を内蔵した中空の擦りローラ18の表面に、液体供給部材19が薄層の液体3を供給しながら加熱する構成とすることで、装置内における液体の保持が簡単となる。なおこの時、擦りローラ表面は親水性であることが望ましい。
【0026】
実施例2(請求項2の発明の実施例)
図2の構成にて印字評価
・擦り及び液体接触加熱手段:不織布(ベンコット旭化成)を巻いた金属ローラを40℃に保った市水を保持したヒータ内蔵容器に保持し、ローラを記録体移動方向と逆回転させながら液体と接触。
・記録体:ベースフィルム−100μm厚みのPET、記録層−含フッ素アクリレート材料
・画像書き込み手段:600dpiサーマルヘッド
・インク:市販水無平版インク
・クリーニング手段:インク溶剤(石油系溶剤)を含浸したウレタンフォームのローラ
上記構成にて、印字を行い、従来の親インク処理手段を用いた記録と遜色ない画像が得られた。
【0027】
(請求項3の説明)
図4は、請求項3の発明の一実施形態を説明するための要部概略構成図で、図示のごとく、図1乃至図3に示したような加熱手段16を設けなくても、液体に接触した状態で擦る又は加圧する構成(ローラ15)とすることで記録体1の表面を親インク化可能にすることができる。このとき、上述のごとき加熱を行う場合に比べ、擦る回数又は加圧力は増やす必要がある。また、機械的な記録体被膜破壊を防ぐため、擦る又は加圧部材の表面はなるべく光沢面であることが望ましい。
【0028】
実施例3(請求項3の発明の実施例)
図4の構成にて印字評価
・擦り及び液体接触手段:水を含浸した鏡面ウレタンフォームコントローラを巻いた金属ローラを加熱せずにローラを記録体移動方向と逆回転させながら記録体と接触。
・記録体:ベースフィルム−100μm厚みのPET、記録層−含フッ素アクリレート材料
・画像書き込み手段:600dpiサーマルヘッド
・インク:市販水無平版インク
・クリーニング手段:インク溶剤(石油系溶剤)を含浸したウレタンフォームのローラ
上記構成にて、印字を行い、従来の親インク処理手段を用いた記録と遜色ない画像が得られた。
【0029】
(請求項4の発明)
請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、擦り手段18に液体保持機能を持たせることで構成を簡素化したもので、液体保持手段として、弾性若しくは柔軟性を有する多孔質弾性体が望ましい。液体接触状態で加熱する手段として、該多孔質体を中空円筒ローラ表面に形成し、内部に熱源を設ける構成が望ましい。
【0030】
実施例4(請求項4の発明の実施例)
図3の構成にて印字評価
・擦り及び液体接触加熱手段:水を含浸したウレタンフォームローラを巻いた中空金属ローラを40℃に保った状態でローラを記録体移動方向と逆回転させながら液体と接触。
・記録体:ベースフィルム−100μm厚みのPET、記録層−含フッ素アクリレート材料
・画像書き込み手段:600dpiサーマルヘッド
・インク:市販水無平版インク
・クリーニング手段:インク溶剤(石油系溶剤)を含浸したウレタンフォームのローラ
上記構成にて、印字を行い、従来の親インク処理手段を用いた記録と遜色ない画像が得られた。
【0031】
(請求項5の発明)
請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、擦りながら加圧するようにしたもので、擦りながら加圧すれば親インク処理効率が高まる。この方法として、ゴム弾性を有する弾性体を用いて記録体を加圧する構成が望ましい。一般にゴムのごとき弾性部材で加圧する場合、弾性部材と記録体との剥離部分で、記録体と弾性部材は若干擦れが生じる。このことを利用し、弾性部材で加圧しながら剥離部で擦ることで効率を上げることができる。弾性部材としては、ゴム硬度80度〜20度となる部材ならばどれでもよい。更に、ゴム硬度50〜30度の場合、擦れ効果が大きく寄与し効果的である。更に、部材表面が親液性を示す方が記録体に薄い液体層と接触が可能となり、親インク処理後の液体除去の信頼性が向上する。
【0032】
上記請求項1から5の発明はすべて、記録体を繰り返し使用する構成であるが、記録体を使い捨てにする構成においても本発明は有効である。記録体を使い捨てにする構成では、メーカが予め記録体を親インク処理した状態でユーザに供給する必要がある。この時、記録体の保存温度が高いと記録体が撥インク状態に回復する恐れがある。これを防ぐため、供給時は撥インクの記録体(マスター)とし、装置内で親インク化すればよい。
【0033】
図5は、記録体を使い捨てにする場合の一例を説明する場合の図で、図中、20はマスター(原版)、21は親インク処理手段、22はサーマルヘッド、23はカッター、24は版胴、25はインキングローラ、26はブランケット胴、27は転写紙、28は圧胴で、図示のごとく、親インク処理手段21を撥インク状態の記録体マスター供給部に設ける。この構成により、簡単に親インク処理が可能となり、また、記録体の保存性も保証される。
【0034】
実施例5(請求項5の発明の実施例)
図5の構成にて印字評価
・加圧及び液体接触加熱手段:親水性のゴム硬度45度の天然ゴムローラを用い、水の薄層をローラ上に形成しながら、記録体移動方向と同方向に回転させながら液体と接触、接触部の圧力は6kgf/cm2。
・記録体:ベースフィルム−25μm厚みのPET、記録層−含フッ素アクリレート材料
・画像書き込み手段:600dpiサーマルヘッド
・インク:市販水無平版インク
上記構成にて、印字を行い、従来の親インク処理手段を用いた記録と遜色ない画像が得られた。
【0035】
【発明の効果】
請求項1の発明は、加熱状態でかつ液体と接触させた時に後退接触角が低下し、かつ、液体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇する表面特性をもつ記録体と、該記録体を画像信号に応じて選択的に加熱する加熱手段と、画像をインクにより顕像化する現像手段とを有する記録装置において、前記記録体表面を擦る又は加圧する手段と記録体全面を液体に接触した状態で加熱する手段とを有し、該記録体を擦る又は加圧した後、記録体全面を液体に接触した状態で、記録体表面を擦る又は加圧することによって低下した液体と接触時の記録体の後退接触角変化温度以上で、かつ、液体と非接触時に後退接触角が上昇する温度以下で加熱し、その後、該液体の不存在下で該記録体の非画像領域のみ選択的に加熱して画像を形成するようにしたので、記録体の親インク処理時間が短時間となり印字速度が向上する。
【0036】
請求項2の発明は、加熱状態でかつ液体と接触させた時に後退接触角が低下し、かつ、液体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇する表面特性をもつ記録体と、該記録体を画像信号に応じて選択的に加熱する加熱手段と、画像をインクにより顕像化する現像手段とを有する記録装置において、前記記録体の表面を擦る又は加圧する手段と記録体全面を液体に接触した状態で加熱する手段とを有し、該記録体を擦る又は加圧と同時に記録体全面を液体に接触した状態で、記録体表面を擦る又は加圧することによって低下した液体と接触時の記録体の後退接触角変化温度以上で、かつ、液体と非接触時に後退接触角が上昇する温度以下で加熱し、その後、該液体の不存在下で該記録体の非画像領域のみ選択的に加熱して画像を形成するようにしたので、請求項1の発明に比べ、親インク処理の信頼性が向上する。
【0037】
請求項3の発明は、加熱状態でかつ液体と接触させた時に後退接触角が低下し、かつ、液体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇する表面特性をもつ記録体と、該記録体を画像信号に応じて選択的に加熱する加熱手段と、画像をインクにより顕像化する現像手段とを有する記録装置において、前記記録体表面を液体に接触しながら記録体表面を擦る又は加圧する手段を有し、液体接触状態で、かつ、変温下で記録体を擦る又は加圧した後、該液体の不存在下で該記録体の非画像領域のみ選択的に加熱し画像を形成するようにしたので、加熱手段が必要でないため、装置構成を簡素化でき、また、消費電力を下げられる。
【0038】
請求項4の発明は、請求項2又は3の発明おいて、液体を含浸した弾性若しくは柔軟性を有する多孔質部材を用いて、擦りと液体保持を兼用したので、液体供給が確実で信頼性が高く、また、装置構成が簡素化できる。
【0039】
請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、加圧手段として、ゴム弾性を有する弾性部材を用いるので、記録体と同方向に加圧しながら擦るため、記録体被膜の破壊の恐れが低減でき、耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施形態を説明するための要部構成図である。
【図2】請求項2の発明の一実施形態を説明するための要部構成図である。
【図3】請求項2の発明の他の実施形態を説明するための要部構成図である。
【図4】請求項3の発明の実施形態を説明するための要部構成図である。
【図5】記録体を使い捨てにする実施形態を説明するための要部構成図である。
【図6】従来の技術(特開平3−178478号公報に記載)を説明するための要部構成図である。
【図7】従来技術における画像記録の動作原理を説明するための要部構成図である。
【図8】従来技術(特開平8−276663号公報に記載の発明)を説明するための要部構成図である。
【符号の説明】
1…記録体、2…サーマルヘッド、3…液体、4…現像ローラ、5…転写ローラ、6…転写紙、7…クリーニングローラ、8…ベルト、9…拭き取りローラ、15…擦りローラ、16…ヒータ、17…接触加熱ローラ、18…擦り及び接触加熱ローラ、19…液体供給部材。
Claims (5)
- 加熱状態でかつ液体と接触させた時に後退接触角が低下し、かつ、液体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇する表面特性をもつ記録体と、該記録体を画像信号に応じて選択的に加熱する加熱手段と、画像をインクにより顕像化する現像手段とを有する記録装置において、前記記録体の表面を擦る又は加圧する手段と記録体全面を液体に接触した状態で加熱する手段とを有し、該記録体を擦る又は加圧した後、記録体全面を液体に接触した状態で、記録体表面を擦る又は加圧することによって低下した液体と接触時の記録体の後退接触角変化温度以上で、かつ、液体と非接触時に後退接触角が上昇する温度以下で加熱し、その後、該液体の不存在下で該記録体の非画像領域のみ選択的に加熱して画像を形成することを特徴とする記録装置。
- 加熱状態でかつ液体と接触させた時に後退接触角が低下し、かつ、液体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇する表面特性をもつ記録体と、該記録体を画像信号に応じて選択的に加熱する加熱手段と、画像をインクにより顕像化する現像手段とを有する記録装置において、前記記録体の表面を擦る又は加圧する手段と記録体全面を液体に接触した状態で加熱する手段とを有し、該記録体を擦る又は加圧するのと同時に記録体全面を液体に接触した状態で、記録体表面を擦る又は加圧することによって低下した液体と接触時の記録体の後退接触角変化温度以上で、かつ、液体と非接触時に後退接触角が上昇する温度以下で加熱し、その後、該液体の不存在下で該記録体の非画像領域のみ選択的に加熱して画像を形成することを特徴とする記録装置。
- 加熱状態でかつ液体と接触させた時に後退接触角が低下し、かつ、液体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇する表面特性をもつ記録体と、該記録体を画像信号に応じて選択的に加熱する加熱手段と、画像をインクにより顕像化する現像手段とを有する記録装置において、前記記録体表面を液体に接触しながら記録体表面を擦る又は加圧する手段を有し、液体接触状態で、かつ、室温下で記録体を擦る又は加圧した後、該液体の不存在下で該記録体の非画像領域のみ選択的に加熱し画像を形成することを特徴とする記録装置。
- 請求項2又は3において、液体を含浸した弾性若しくは柔軟性を有する多孔質部材を用いて、前記擦りと液体保持を兼用したことを特徴とする記録装置。
- 請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記加圧手段として、ゴム弾性を有する弾性部材を用いることを特徴とする記録装置。
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