JP3601409B2 - エレベータの保守運転装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータの保守運転装置の改良に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、据付或いは保守の際に調整データの採取などの目的で特殊な運転をさせるために、制御盤に専用のスイッチ（操作性の面から物理的な形状が釦やスイッチになってしまう）を設け、このスイッチを操作することによりエレベータを運転させるようになっている。
【０００３】
この専用のスイッチについては、制御盤のパネルに設けられたスイッチやマイコンボード上のスイッチなど種々のものが存在するが、構造上その機能や操作手順を十分に理解していない者でも操作できるなど問題がある。又、スイッチを取外し可能な構造にするにしても、スイッチの信号を処理する回路の誤動作で誤信号が発生し、不測の事態が起こることも考えられる。
【０００４】
【発明が解決しょうとする課題】
即ち、
１． 熟知していない者の操作によるエレベータの非常停止や異常動作。
２． ノイズやスイッチ本体、スイッチの信号処理回路の動作不良に起因する誤信号によるエレベータの非常停止や異常動作。
の問題が発生する虞がある。
【０００５】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、信頼性の高い保守運転装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
1.本発明は、制御盤にはエレベータの保守運転等を指示するスイッチを備えたものにおいて、
通常は前記スイッチが機能しない状態とし、前記制御盤には携帯端末との間で保守に関する情報の送受信を行う送受信端を設け、該送受信端を介して所定の状況で該情報の送受信が行われた場合に、前記スイッチを機能させる。
2.通常は前記スイッチが機能しない状態とし、前記制御盤には携帯端末との間で保守に関する情報の送受信を行う送受信端を設け、該送受信端を介して所定の状況で該情報の送受信が行われた場合に前記スイッチを機能させ、該情報が所定時間以上途絶えた場合は、前記スイッチの機能を停止させる。
ものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明は、保守のための条件が整った場合にのみ保守運転用のスイッチを機能させるものである。
【０００８】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について、図面を用いて説明する。
図１は本発明の一実施例を示す全体図、図２は本発明装置の動作を示すフローチャート図であり、図中１はエレベータかご、２はカウンターウェイト、３はエレベータかご１とカウンターウェイト２を結ぶワイヤー、４はモータ（図示しない）により回転駆動されるシーブ、１０は制御盤、１１は制御盤１０に設けられたシリアル通信ポート用ジャック、１２は制御盤１０に設けられた本発明に係るスイッチ、２０はサービスマンが所持している携帯用端末であり、この端末２０はコード２０ａが前述のジャック１１に接続されて、保守作業上の指令、検索等、例えば起動回数や走行時間等の稼動履歴の確認、戸開放時間等のエレベータ運転仕様の変更…をサービスマンが行うものである。
【０００９】
サービスマンは、図２に示すフローチャートに従って作業を行うが、この携帯用端末２０と制御盤１０との間で正常な信号処理が行われた場合のみ、スイッチ１２が機能するように構成されている。この場合、制御盤１０内で行われる処理のフローチャートは図３に示すとおりである。
【００１０】
即ち、スイッチ１２の機能を無効にする指令がなく（ステップ１）、かつスイッチ１２の機能を有効にする指令がある場合（ステップ３）のみスイッチ１２が機能する構成になっている。
【００１１】
そして、シリアル通信ポートからのデータが途絶えて所定時間経過（ステップ２）すると、自動的にスイッチ１２の機能を無効にして、即ち平常運転状態に戻すようにして、スイッチ機能無効化の操作忘れやスイッチ１２の切り忘れ対策を施すようにしても良いようになっている。
【００１２】
したがって、サービスマンは携帯用端末２０による情報収集を行って後、スイッチ１２を操作すれば保守運転が可能になる。
尚、携帯用端末２０は赤外線や無線により制御盤と接続するものであってもかもわない。
【００１３】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、専用の保守端末とのシリアル通信が正常に確立した場合でなければ、保守運転には切り替わらないので、機器の不良による誤動作の危険性を大幅に抑えることができる。又、先ずエレベータを熟知したサービスマンでなければ保守運転を行うことができないので、極めて安全である。さらに、端末でエレベータの安全状態を予め確認して条件が整った場合のみ保守運転を行うことができるため、二重に安全対策を行っていることにもなっている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を示す全体図である。
【図２】本発明に係る作業のフローチャート図である。
【図３】本発明に係る制御盤の信号処理のフローチャート図である。
【符号の説明】
１ エレベータかご
１０ 制御盤
１１ ジャック
１ スイッチ
２０ 携帯用端末
２０ａ コード

Claims (3)

1. 制御盤にはエレベータの保守運転等を指示するスイッチを備えたものにおいて、
   通常は前記スイッチが機能しない状態とし、前記制御盤には携帯端末との間で保守に関する情報などの送受信を行う送受信端を設け、該送受信端を介して所定の状況で該情報の送受信が行われた場合に、前記スイッチを機能させることを特徴とするエレベータの保守運転装置。
2. 制御盤にはエレベータの保守運転等を指示するスイッチを備えたものにおいて、
   通常は前記スイッチが機能しない状態とし、前記制御盤には携帯端末との間で保守に関する情報などの送受信を行う送受信端を設け、該送受信端を介して所定の状況で該情報の送受信が行われた場合に前記スイッチを機能させ、該情報が所定時間以上途絶えた場合は、前記スイッチの機能を停止させることを特徴とするエレベータの保守運転装置。
3. 前記所定の状況とは、前記スイッチを無効にする指令がなく、有効にする指令がある場合であることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のエレベータの保守運転装置。

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