JP3601094B2 - 光磁気ディスクカートリッジ及び光磁気ディスク装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光磁気ディスクの面振れの影響を低減することが可能な光磁気ディスクカートリッジ及び光磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光磁気ディスクのダイレクトオーバライト方式には、光変調方式と磁界変調方式とがある。光変調方式は、情報の記録時に一定の補助磁界を加えた状態で、記録信号に応じてオン又はオフにされたレーザ光を磁性膜上に当てて、磁性膜の磁界の向きを変えるものである。これに対して磁界変調方式は、連続光又はパルス光を当てた状態で記録信号に対応させて補助磁界の向きを反転することにより、磁性膜の磁界の向きを変えるものである。
【0003】
光変調方式は、極めて高速で変調することが可能であり、高転送レートの光磁気ディスクシステムを構築するときに有効である。一方、磁界変調方式は、ディスクのスキューに影響されずに安定して正確なピットを形成することができ、システムの安定化、高密度化に適している。
【0004】
ところで、従来の磁界変調方式の光磁気ディスク装置には、図5〜図14に示すように各種のタイプがある。図5及び図6は、シャッター横開き型の光磁気ディスクカートリッジ50を用いた光磁気ディスク装置51の要部を示す。
【0005】
光磁気ディスクカートリッジ50のカートリッジ本体52には、光磁気ディスク53が回転自在に収納されている。また、カートリッジ本体52の上面には、磁界変調ヘッド55を挿入するための開口部57Aが設けられている。下面には、光学ピックアップ56から放射されたレーザ光を通すための開口部57Bが設けられている。開口部57A,57Bはシャッター54A,54Bによって開閉される。このシャッター54A,54Bは、光磁気ディスクカートリッジ50の挿入方向に対して直角に移動するようになっている。
【0006】
磁界変調ヘッド55を弾性的に保持する弾性保持手段としてのサスペンション58は、光磁気ディスク53の盤面と平行であり、シャッター54Aの移動方向に対して直角に、言い換えれば、開口部57Aの長手方向に沿って配置されている。サスペンション58及び光学ピックアップ56は支持部59に取り付けられ、これがサスペンション58の長手方向に沿って移動することにより、磁界変調ヘッド55と光学ピックアップ56が、光磁気ディスク53の径方向に移動するようになっている。
【0007】
このタイプの光磁気ディスク装置51においては、サスペンション58が開口部57Aの長手方向に沿って配置されているので、サスペンション58の長さを十分長くすることができる。これによってサスペンション58のバネ定数を十分小さくできるので、磁界変調ヘッド55が光磁気ディスク53の面振れに対して即座に追従するようになる。
【0008】
しかし、このタイプの光磁気ディスク装置51は、外周側のトラックをアクセスするとき磁界変調ヘッド55及び光学ピックアップ56を開口部57Aの長手方向に沿って移動させる、すなわちカートリッジ本体52から離れる方向に移動させるため、磁界変調ヘッド55及び光学ピックアップ56を光磁気ディスク53の最外周トラックにアクセスする場合には、支持部59が光磁気ディスクカートリッジ50から奥行き方向に相当離れた位置まで移動することになる。したがって、光磁気ディスク装置51の奥行きが長くなってしまうという問題がある。
【0009】
そこで、奥行きを短くするため図7及び図8に示すように、シャッター縦開き型の光磁気ディスクカートリッジ60を用いた光磁気ディスク装置61がある。光磁気ディスクカートリッジ60のカートリッジ本体62には、光磁気ディスク63が回転自在に収納されている。カートリッジ本体62の上下には、開口部67A,67Bが光磁気ディスクカートリッジ60の挿入方向に対して直角に設けられている。開口部67A,67Bを開閉するシャッター64A,64Bは挿入方向に沿って移動する。磁界変調ヘッド65及び光学ピックアップ66は、シャッター64A,64Bの移動方向に対して直角方向に移動する。磁界変調ヘッド65は、サスペンション68を介して支持部69に取り付けられている。また、光学ピックアップ66も支持部69に取り付けられている。
【0010】
このタイプの光磁気ディスク装置61は、磁界変調ヘッド65及び光学ピックアップ66を、サスペンション68の長手方向に対して直角方向に移動させるので装置の奥行きを短くすることができ、例えばミニディスクなどに適用されている。
【0011】
また、図9及び図10に示すように、開口部77A,77Bの幅を大きくしたシャッター縦開き型の光磁気ディスクカートリッジ70を用いる光磁気ディスク装置71もある。この光磁気ディスクカートリッジ70も、カートリッジ本体72内に光磁気ディスク73が回転自在に収納され、上下のシャッター74A,74Bが移動して開口部77A,77Bを開閉するようになっている。磁界変調ヘッド75及び光学ピックアップ76は、図7と同様にサスペンション78の長手方向に対して直角方向に移動するので、装置の奥行きが短くなる。また、ここでは、開口部77A,77Bの幅が大きいので、サスペンション78を図7の光磁気ディスク装置61のサスペンション68より長くすることができ、光磁気ディスク73に対する磁界変調ヘッド75の追従性を良くすることが可能になる。
【0012】
図11及び図12は、図7に示した光磁気ディスク装置61のサスペンション68に代えて、適宜な角度で傾斜したサスペンション88を用いた光磁気ディスク装置81を示す。この光磁気ディスク装置81は、サスペンション88を開口部67A内からカートリッジ本体62の上側まで延ばすことができるので、サスペンション88を長くでき、開口部67Aの幅が狭いにも拘らず光磁気ディスク63に対する磁界変調ヘッド65の追従性を良くすることができる。
【0013】
図13及び図14は、シャッター斜め開き型の光磁気ディスクカートリッジ90を用いた光磁気ディスク装置91を示す。この光磁気ディスク装置91は、補助磁界発生手段及び光学ピックアップ96をカートリッジ本体92の対角線に沿って配置することにより、カートリッジ本体92から外側にはみ出す部分を少なくして装置をコンパクトにしたものである。カートリッジ本体92には、光磁気ディスク93が回転自在に収納されている。シャッター94A,94Bは、挿入方向に対して斜めに移動し、カートリッジ本体92に斜めに開けられた開口部97A,97Bを開閉するようになっている。磁界変調ヘッド95を保持するサスペンション98は、開口部97Aの長手方向に対して直角方向に延びており、また開口部の97Aの大きさは特に大きくはないので、サスペンション98は図7又は図11と同様な形状になっている。なお、サスペンション98及び光学ピックアップ96は支持部99に取り付けられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のシャッター縦開き型又はシャッター斜め開き型の光磁気ディスク装置61,71,81,91は、シャッター横開き型の光磁気ディスク装置51に比べて奥行き方向の長さをコンパクトにすることができるものの、次のような問題があった。
【0015】
すなわち、図7の光磁気ディスク装置61では、サスペンション68の長手方向が開口部67Aの長手方向に対して直交しており、しかもサスペンション68が水平でサスペンション68全体が開口部67内に挿入されるため、サスペンション68の長さが非常に短くなる。そのため、磁界変調ヘッド65の光磁気ディスク63に対する追従性を良くしようとすると、サスペンション68を薄くしてバネ定数を小さくしなければならず、サスペンション68の強度が低くなるという問題があった。
【0016】
これに対して、図9に示した光磁気ディスク71は、開口部77Aの幅が広くなっているので、その分サスペンション78を長くすることができ、サスペンション78をそれ程薄くしなくても磁界変調ヘッド75の光磁気ディスク73に対する追従性を良くすることが可能になる。しかし、この場合には、シャッター74Aも開口部77Aを閉じることができる程度に大きくしなければならず、これを開いたときにはカートリッジ本体72より手前側にはみ出してしまうことになる。そのため、ローディング機構が複雑になり、更に装置の手前側の長さを長くしなければならないから装置全体が大きくなってしまうという問題があった。
【0017】
図11に示した光磁気ディスク装置81においては、開口部67Aの幅が狭いにも拘らずサスペンション88を長くすることができるものの、サスペンション88が傾斜しているので次に説明するように磁界変調ヘッド65が光磁気ディスク63の面振れの影響を受け易くなるという問題があった。いま、図15に示すようにサスペンション88が光磁気ディスク63の盤面に対して、角度θで傾いているものとすると、光磁気ディスク63が上下方向にdだけ面振れした場合には、ヘッドコア100がXt=(d・tanθ)だけ横ずれを起こすことになる。例えば、d=800μm、θ=15°とすると、横ずれ量Xt=800×tan15°≒210μmと相当大きな値となる。したがって、そのままではヘッドコア100がトラック上に照射されたレーザ光の照射位置に正確に追従することが困難になるので、ヘッドコア100の長さを十分に長くして広範囲のエリアをカバーする必要があった。
【0018】
しかしながら、ヘッドコア100を長くするとヘッドコア100の単位面積当りの起磁力が弱くなり、磁界強度が下がるため、駆動電流を上げなければならなくなる。また、ヘッドコア100のインダクタンスLが増大するので、高い周波数でのインピーダンスZ=R+jwLが増大し、消費電力及び発熱量が増大するという問題が発生する。さらに、図16に示すように駆動電流をdiとし、駆動電流の立ち上がり時間をdtとすると、ヘッドコア100の駆動電圧VはV=(−L)×di/dtとなり、V=一定の場合はdi/dt∝1/Lとなる。つまり、インダクタンスLの増大に伴い、駆動電流iの立ち上がり速度di/dtが下がることになり、これが光磁気ディスク63の線密度、すなわちトラック方向のピットの密度を高める際の障害になっていた。
【0019】
図13に示した光磁気ディスク装置91は、光学ピックアップ96を光磁気ディスクカートリッジ90の対角線に沿って配置しているので、装置をコンパクトにすることができるものの、サスペンション98を水平にした場合は、図7に示した光磁気ディスク装置61と同様にサスペンション98が短くなるという問題が生じる。また、サスペンション98を傾けた場合は、図11に示した光磁気ディスク装置81と同様に光磁気ディスク93の面振れの影響を受け易くなるという問題が発生する。
【0020】
そこで、本発明は上述したような課題を解決したものであって、シャッター縦開き型又はシャッター斜め開き型のカートリッジを用いた場合でも、サスペンションの長さを長くすることができると共に、光磁気ディスクの面振れの影響を少なくすることができる光磁気ディスクカートリッジ及び光磁気ディスク装置を提案するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1の発明においては、光磁気ディスクが収納されるカートリッジ本体と、光磁気ディスクの中心線に沿って移動する磁界発生手段を一端側に保持し、他端側がカートリッジ本体の挿入方向に延びている弾性保持手段をカートリッジ本体内部に挿入するための開口部と、開口部を覆い、カートリッジ本体の挿入方向に対して反対方向に移動することにより光磁気ディスクの中心線を外方に臨ませる際、カートリッジの上面から反対方向へのはみ出しが阻止されるシャッター手段とを備え、磁界発生手段が移動する方向と平行な開口部の中心線が、磁界発生手段が移動する方向と平行な光磁気ディスクの中心線と比較して、カートリッジ本体の挿入方向にずれるように開口部が上記カートリッジ本体上面に形成されることを特徴とするものである。
【0022】
また、請求項2の発明においては、カートリッジ本体内部に収納された光磁気ディスクの中心線に沿って移動する磁界発生手段と、一端側に磁界発生手段を保持し、他端側が上記カートリッジ本体の挿入方向に延びている弾性保持手段とを備え、カートリッジ本体上面に形成された開口部の、磁界発生手段が移動する方向と平行な中心線が、磁界発生手段が移動する方向と平行な光磁気ディスクの中心線と比較してカートリッジ本体の挿入方向にずれており、開口部を覆うシャッター手段の上面内にて当該カートリッジ本体の挿入方向に対して反対方向に移動させて光磁気ディスクの中心線を外方に臨ませた後、磁界発生手段と弾性保持手段とが開口部からカートリッジ本体内部に挿入されることを特徴とするものである。
【0023】
【作用】
図1及び図2に示すように、シャッター縦開き型の場合は、光磁気ディスクカートリッジ10のカートリッジ本体12に設けられた開口部17Aの中心線17Cが、これと平行な光磁気ディスク13の中心線13Aに対して((W/2−a/2)−α)だけ弾性支持手段であるサスペンション18側にずれている。したがって、水平なサスペンション18の長さを従来より長くすることができ、光磁気ディスク13の面振れに対する磁界変調ヘッド15の追従性が向上する。また、サスペンション18が水平で長さが長いので光磁気ディスク13の面振れの影響を受けにくくなる。
【0024】
図3及び図4に示すように、シャッター斜め開き型の場合も、上述と同様に開口部27Aがサスペンション28側にずれているので、サスペンション28の長さを従来より長くでき、磁界変調ヘッド25の追従性が向上すると共に、光磁気ディスク23の面振れの影響を受けにくくなる。
【0025】
【実施例】
続いて、本発明に係る光磁気ディスクカートリッジ及び光磁気ディスク装置の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明によるシャッター縦開き型の光磁気ディスクカートリッジ10及び光磁気ディスク装置11を示す平面図である。光磁気ディスクカートリッジ10のカートリッジ本体12内には、光磁気ディスク13が回転自在に収納されている。カートリッジ本体12の上面には、補助磁界発生手段である磁界変調ヘッド15を挿入するため、長方形の開口部17Aが設けられている。また、図2に示すようにカートリッジ本体12の下面にも、光学ピックアップ16から放射されたレーザ光を光磁気ディスク13に照射するため、長方形の開口部17Bが設けられている。上面の開口部17Aは、後述するようにその幅方向の中心線17Cが、これと平行な光磁気ディスク13の中心線13Aからサスペンション18側に所定の距離だけずれている。一方、下面の開口部17Bの中心線(図示せず)は、光磁気ディスク13の中心線13Aと一致している。
【0027】
光磁気ディスク装置11の磁界変調ヘッド15の中心は、光磁気ディスク13の中心線13A上に配置されており、これが適宜な弾性を有する弾性保持手段としてのサスペンション18を介して支持部19に取り付けられている。サスペンション18は光磁気ディスク13と平行で、記録時には開口部17A内に挿入される。支持部19には、光学ピックアップ16も取り付けられている。そして、記録再生時には支持部19が光磁気ディスク13の中心線13Aに沿って移動し、これによって磁界変調ヘッド15と光学ピックアップ16が光磁気ディスク13の径方向に移動する。上下の開口部17A,17Bは、光磁気ディスクカートリッジ10の挿入方向と同一方向に移動するシャッター14A,14Bで開閉される。シャッター14A,14Bは一体成形されている。
【0028】
さて、カートリッジ本体12の上面の開口部17Aは、磁界変調ヘッド15を保持するサスペンション18の長さを長くするために、サスペンション18側にずらして配置されている。本例では、開口部17Aの幅をW、磁界変調ヘッド15の長さをaとしたとき、開口部17Aの幅方向の中心線17Cが、これと平行な光磁気ディスク13の中心線13Aに対してY=((W/2−a/2)−α)だけずれている。ずれ量Yの限界値、すなわち、磁界変調ヘッド15が開口部17Aに当接するときのずれ量Yは、Y=(W/2−a/2)であり、本例では磁界変調ヘッド15が開口部17Aに当接しないように余裕αを設けたものである。
【0029】
このように、開口部17Aをサスペンション18の長手方向にずらしたことによってサスペンション18の長さを、従来の光磁気ディスク装置61(図7)に比べて長くすることが可能になる。本例では、サスペンション18の長さL1を最大でL1=W−(a/2+α)とすることができるのに対し、従来例では、サスペンション68の長さL2を最大でもL2=W/2−a/2にしかできない。すなわち、本例のサスペンション18は従来のサスペンション68のN=L1/L2=(W−(a/2+α))/(W/2−a/2)倍の長さとすることができる。
【0030】
したがって、磁界変調ヘッド15のヘッドコア(図示せず)がレーザ光の照射位置を正確に追従することが可能な光磁気ディスク13の面振れ量も、従来の略N倍となる。いま、光磁気ディスク13の外径D=120mm、開口部17Aの幅W=30mm、磁界変調ヘッド15の長さa=4mm、α=a/2=2mmとすると、この場合にはN=(30−(2+2))/(15−2)=2となる。つまり、本実施例の磁界変調ヘッド15のヘッドコア(図示せず)が、レーザ光の照射位置を正確に追従することが可能な光磁気ディスク13の面振れ量は、従来の約2倍となる。
【0031】
このように、追従可能な面振れ量が増えてもヘッドコアの面積は増やす必要がないので、消費電力や発熱量の増加がなく、また駆動電流の立ち上がり速度が低下しないので、光磁気ディスク10の線密度を高くすることが可能になる。また、サスペンション18は従来に比べて長さが長くなっているので、従来と同一のバネ定数とする場合は従来に比べて肉厚を厚くすることができ、強度を上げることが可能になる。
【0032】
図3は、本発明によるシャッター斜め開き型の光磁気ディスクカートリッジ20及び光磁気ディスク装置21の平面図である。この光磁気ディスクカートリッジ20は、従来のシャッター斜め開き型の光磁気ディスクカートリッジ90(図13)と同様に、カートリッジ本体22内に光磁気ディスク23が回転自在に収納され、図4に示すように上下の開口部27A,27Bがシャッター24A,24Bによって開閉される。開口部27A,27Bは、光磁気ディスクカートリッジ20の挿入方向に対して、所定の角度で傾いている。補助磁界発生手段である磁界変調ヘッド25の中心は、光磁気ディスク23の中心線23A上に配置され、弾性保持手段であるサスペンション28は中心線23Aと直角方向で装置の奥行き側に延びている。サスペンション28は光磁気ディスク23と平行であり、記録時には開口部27A内に挿入される。サスペンション28は支持部29に取り付けられている。支持部29には、光学ピックアップ26も取り付けられている。磁界変調ヘッド25及び光学ピックアップ26は、光磁気ディスク23の中心線23A上を移動するようになっている。
【0033】
さて、この光磁気ディスクカートリッジ20においても、上面の開口部27Aの長手方向の中心線27Cが、これと平行な光磁気ディスク23の中心線23Aに対してX=((W/2−a/2)−α)だけサスペンション28の長手方向で装置の奥行き側にずれている。したがって、これを用いた光磁気ディスク装置21も、上述の光磁気ディスク装置11と同様な効果を得ることができる。すなわち、サスペンション28を従来の光磁気ディスク装置91(図13)のサスペンション98より長くすることができ、これによって、磁界変調ヘッド25の光磁気ディスク23に対する追従性を向上させることができると共に、光磁気ディスク93の面振れの影響を受けにくくなる。更に、消費電力及び発熱量を低減すると共に、線密度を高くすることが可能になる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明はシャッター縦開き型またはシャッター斜め開き型の光磁気ディスクカートリッジの開口部を、水平なサスペンションの長手方向にずらすことにより、サスペンションの長さを長くしたものである。
【0035】
したがって、本発明によれば、サスペンションの先端に取り付けられた磁界変調ヘッドが上下に移動したとき、ヘッドコアの横ずれ量が従来に比べて少なくなるので、光磁気ディスクの面振れ量が大きい場合でも、ヘッドコアの面積を増やすことなくレーザ光の照射位置に正確に追従させることが可能になる。これによって、消費電力や発熱量の増加を防ぐことができる。更に、駆動電流の立ち上がり速度も低下することがないので、光磁気ディスクの線密度を高くすることが可能になる。また、サスペンションのバネ定数を従来と同一にする場合には、従来に比べて肉厚を厚くすることが可能なので、強度を上げることが可能になるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光磁気ディスクカートリッジ及び光磁気ディスク装置の第1実施例を示す平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】第2実施例を示す平面図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】従来の第1例を示す平面図である。
【図6】図5のC−C断面図である。
【図7】従来の第2例を示す平面図である。
【図8】図7のD−D断面図である。
【図9】従来の第3例を示す平面図である。
【図10】図9のE−E断面図である。
【図11】従来の第4例を示す平面図である。
【図12】図11のF−F断面図である。
【図13】従来の第5例を示す平面図である。
【図14】図13のG−G断面図である。
【図15】光磁気ディスク63の面振れの影響を説明する図である。
【図16】駆動電流iとその立ち上がり速度di/dtを説明する図である。
【符号の説明】
10,20 光磁気ディスクカートリッジ
11,21 光磁気ディスク装置
12,22 カートリッジ本体
13,23 光磁気ディスク
14A,14B,24A,24B シャッター
15,25 磁界変調ヘッド
17A,17B,27A,27B 開口部
18,28 サスペンション
【産業上の利用分野】
本発明は、光磁気ディスクの面振れの影響を低減することが可能な光磁気ディスクカートリッジ及び光磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光磁気ディスクのダイレクトオーバライト方式には、光変調方式と磁界変調方式とがある。光変調方式は、情報の記録時に一定の補助磁界を加えた状態で、記録信号に応じてオン又はオフにされたレーザ光を磁性膜上に当てて、磁性膜の磁界の向きを変えるものである。これに対して磁界変調方式は、連続光又はパルス光を当てた状態で記録信号に対応させて補助磁界の向きを反転することにより、磁性膜の磁界の向きを変えるものである。
【0003】
光変調方式は、極めて高速で変調することが可能であり、高転送レートの光磁気ディスクシステムを構築するときに有効である。一方、磁界変調方式は、ディスクのスキューに影響されずに安定して正確なピットを形成することができ、システムの安定化、高密度化に適している。
【0004】
ところで、従来の磁界変調方式の光磁気ディスク装置には、図5〜図14に示すように各種のタイプがある。図5及び図6は、シャッター横開き型の光磁気ディスクカートリッジ50を用いた光磁気ディスク装置51の要部を示す。
【0005】
光磁気ディスクカートリッジ50のカートリッジ本体52には、光磁気ディスク53が回転自在に収納されている。また、カートリッジ本体52の上面には、磁界変調ヘッド55を挿入するための開口部57Aが設けられている。下面には、光学ピックアップ56から放射されたレーザ光を通すための開口部57Bが設けられている。開口部57A,57Bはシャッター54A,54Bによって開閉される。このシャッター54A,54Bは、光磁気ディスクカートリッジ50の挿入方向に対して直角に移動するようになっている。
【0006】
磁界変調ヘッド55を弾性的に保持する弾性保持手段としてのサスペンション58は、光磁気ディスク53の盤面と平行であり、シャッター54Aの移動方向に対して直角に、言い換えれば、開口部57Aの長手方向に沿って配置されている。サスペンション58及び光学ピックアップ56は支持部59に取り付けられ、これがサスペンション58の長手方向に沿って移動することにより、磁界変調ヘッド55と光学ピックアップ56が、光磁気ディスク53の径方向に移動するようになっている。
【0007】
このタイプの光磁気ディスク装置51においては、サスペンション58が開口部57Aの長手方向に沿って配置されているので、サスペンション58の長さを十分長くすることができる。これによってサスペンション58のバネ定数を十分小さくできるので、磁界変調ヘッド55が光磁気ディスク53の面振れに対して即座に追従するようになる。
【0008】
しかし、このタイプの光磁気ディスク装置51は、外周側のトラックをアクセスするとき磁界変調ヘッド55及び光学ピックアップ56を開口部57Aの長手方向に沿って移動させる、すなわちカートリッジ本体52から離れる方向に移動させるため、磁界変調ヘッド55及び光学ピックアップ56を光磁気ディスク53の最外周トラックにアクセスする場合には、支持部59が光磁気ディスクカートリッジ50から奥行き方向に相当離れた位置まで移動することになる。したがって、光磁気ディスク装置51の奥行きが長くなってしまうという問題がある。
【0009】
そこで、奥行きを短くするため図7及び図8に示すように、シャッター縦開き型の光磁気ディスクカートリッジ60を用いた光磁気ディスク装置61がある。光磁気ディスクカートリッジ60のカートリッジ本体62には、光磁気ディスク63が回転自在に収納されている。カートリッジ本体62の上下には、開口部67A,67Bが光磁気ディスクカートリッジ60の挿入方向に対して直角に設けられている。開口部67A,67Bを開閉するシャッター64A,64Bは挿入方向に沿って移動する。磁界変調ヘッド65及び光学ピックアップ66は、シャッター64A,64Bの移動方向に対して直角方向に移動する。磁界変調ヘッド65は、サスペンション68を介して支持部69に取り付けられている。また、光学ピックアップ66も支持部69に取り付けられている。
【0010】
このタイプの光磁気ディスク装置61は、磁界変調ヘッド65及び光学ピックアップ66を、サスペンション68の長手方向に対して直角方向に移動させるので装置の奥行きを短くすることができ、例えばミニディスクなどに適用されている。
【0011】
また、図9及び図10に示すように、開口部77A,77Bの幅を大きくしたシャッター縦開き型の光磁気ディスクカートリッジ70を用いる光磁気ディスク装置71もある。この光磁気ディスクカートリッジ70も、カートリッジ本体72内に光磁気ディスク73が回転自在に収納され、上下のシャッター74A,74Bが移動して開口部77A,77Bを開閉するようになっている。磁界変調ヘッド75及び光学ピックアップ76は、図7と同様にサスペンション78の長手方向に対して直角方向に移動するので、装置の奥行きが短くなる。また、ここでは、開口部77A,77Bの幅が大きいので、サスペンション78を図7の光磁気ディスク装置61のサスペンション68より長くすることができ、光磁気ディスク73に対する磁界変調ヘッド75の追従性を良くすることが可能になる。
【0012】
図11及び図12は、図7に示した光磁気ディスク装置61のサスペンション68に代えて、適宜な角度で傾斜したサスペンション88を用いた光磁気ディスク装置81を示す。この光磁気ディスク装置81は、サスペンション88を開口部67A内からカートリッジ本体62の上側まで延ばすことができるので、サスペンション88を長くでき、開口部67Aの幅が狭いにも拘らず光磁気ディスク63に対する磁界変調ヘッド65の追従性を良くすることができる。
【0013】
図13及び図14は、シャッター斜め開き型の光磁気ディスクカートリッジ90を用いた光磁気ディスク装置91を示す。この光磁気ディスク装置91は、補助磁界発生手段及び光学ピックアップ96をカートリッジ本体92の対角線に沿って配置することにより、カートリッジ本体92から外側にはみ出す部分を少なくして装置をコンパクトにしたものである。カートリッジ本体92には、光磁気ディスク93が回転自在に収納されている。シャッター94A,94Bは、挿入方向に対して斜めに移動し、カートリッジ本体92に斜めに開けられた開口部97A,97Bを開閉するようになっている。磁界変調ヘッド95を保持するサスペンション98は、開口部97Aの長手方向に対して直角方向に延びており、また開口部の97Aの大きさは特に大きくはないので、サスペンション98は図7又は図11と同様な形状になっている。なお、サスペンション98及び光学ピックアップ96は支持部99に取り付けられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のシャッター縦開き型又はシャッター斜め開き型の光磁気ディスク装置61,71,81,91は、シャッター横開き型の光磁気ディスク装置51に比べて奥行き方向の長さをコンパクトにすることができるものの、次のような問題があった。
【0015】
すなわち、図7の光磁気ディスク装置61では、サスペンション68の長手方向が開口部67Aの長手方向に対して直交しており、しかもサスペンション68が水平でサスペンション68全体が開口部67内に挿入されるため、サスペンション68の長さが非常に短くなる。そのため、磁界変調ヘッド65の光磁気ディスク63に対する追従性を良くしようとすると、サスペンション68を薄くしてバネ定数を小さくしなければならず、サスペンション68の強度が低くなるという問題があった。
【0016】
これに対して、図9に示した光磁気ディスク71は、開口部77Aの幅が広くなっているので、その分サスペンション78を長くすることができ、サスペンション78をそれ程薄くしなくても磁界変調ヘッド75の光磁気ディスク73に対する追従性を良くすることが可能になる。しかし、この場合には、シャッター74Aも開口部77Aを閉じることができる程度に大きくしなければならず、これを開いたときにはカートリッジ本体72より手前側にはみ出してしまうことになる。そのため、ローディング機構が複雑になり、更に装置の手前側の長さを長くしなければならないから装置全体が大きくなってしまうという問題があった。
【0017】
図11に示した光磁気ディスク装置81においては、開口部67Aの幅が狭いにも拘らずサスペンション88を長くすることができるものの、サスペンション88が傾斜しているので次に説明するように磁界変調ヘッド65が光磁気ディスク63の面振れの影響を受け易くなるという問題があった。いま、図15に示すようにサスペンション88が光磁気ディスク63の盤面に対して、角度θで傾いているものとすると、光磁気ディスク63が上下方向にdだけ面振れした場合には、ヘッドコア100がXt=(d・tanθ)だけ横ずれを起こすことになる。例えば、d=800μm、θ=15°とすると、横ずれ量Xt=800×tan15°≒210μmと相当大きな値となる。したがって、そのままではヘッドコア100がトラック上に照射されたレーザ光の照射位置に正確に追従することが困難になるので、ヘッドコア100の長さを十分に長くして広範囲のエリアをカバーする必要があった。
【0018】
しかしながら、ヘッドコア100を長くするとヘッドコア100の単位面積当りの起磁力が弱くなり、磁界強度が下がるため、駆動電流を上げなければならなくなる。また、ヘッドコア100のインダクタンスLが増大するので、高い周波数でのインピーダンスZ=R+jwLが増大し、消費電力及び発熱量が増大するという問題が発生する。さらに、図16に示すように駆動電流をdiとし、駆動電流の立ち上がり時間をdtとすると、ヘッドコア100の駆動電圧VはV=(−L)×di/dtとなり、V=一定の場合はdi/dt∝1/Lとなる。つまり、インダクタンスLの増大に伴い、駆動電流iの立ち上がり速度di/dtが下がることになり、これが光磁気ディスク63の線密度、すなわちトラック方向のピットの密度を高める際の障害になっていた。
【0019】
図13に示した光磁気ディスク装置91は、光学ピックアップ96を光磁気ディスクカートリッジ90の対角線に沿って配置しているので、装置をコンパクトにすることができるものの、サスペンション98を水平にした場合は、図7に示した光磁気ディスク装置61と同様にサスペンション98が短くなるという問題が生じる。また、サスペンション98を傾けた場合は、図11に示した光磁気ディスク装置81と同様に光磁気ディスク93の面振れの影響を受け易くなるという問題が発生する。
【0020】
そこで、本発明は上述したような課題を解決したものであって、シャッター縦開き型又はシャッター斜め開き型のカートリッジを用いた場合でも、サスペンションの長さを長くすることができると共に、光磁気ディスクの面振れの影響を少なくすることができる光磁気ディスクカートリッジ及び光磁気ディスク装置を提案するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1の発明においては、光磁気ディスクが収納されるカートリッジ本体と、光磁気ディスクの中心線に沿って移動する磁界発生手段を一端側に保持し、他端側がカートリッジ本体の挿入方向に延びている弾性保持手段をカートリッジ本体内部に挿入するための開口部と、開口部を覆い、カートリッジ本体の挿入方向に対して反対方向に移動することにより光磁気ディスクの中心線を外方に臨ませる際、カートリッジの上面から反対方向へのはみ出しが阻止されるシャッター手段とを備え、磁界発生手段が移動する方向と平行な開口部の中心線が、磁界発生手段が移動する方向と平行な光磁気ディスクの中心線と比較して、カートリッジ本体の挿入方向にずれるように開口部が上記カートリッジ本体上面に形成されることを特徴とするものである。
【0022】
また、請求項2の発明においては、カートリッジ本体内部に収納された光磁気ディスクの中心線に沿って移動する磁界発生手段と、一端側に磁界発生手段を保持し、他端側が上記カートリッジ本体の挿入方向に延びている弾性保持手段とを備え、カートリッジ本体上面に形成された開口部の、磁界発生手段が移動する方向と平行な中心線が、磁界発生手段が移動する方向と平行な光磁気ディスクの中心線と比較してカートリッジ本体の挿入方向にずれており、開口部を覆うシャッター手段の上面内にて当該カートリッジ本体の挿入方向に対して反対方向に移動させて光磁気ディスクの中心線を外方に臨ませた後、磁界発生手段と弾性保持手段とが開口部からカートリッジ本体内部に挿入されることを特徴とするものである。
【0023】
【作用】
図1及び図2に示すように、シャッター縦開き型の場合は、光磁気ディスクカートリッジ10のカートリッジ本体12に設けられた開口部17Aの中心線17Cが、これと平行な光磁気ディスク13の中心線13Aに対して((W/2−a/2)−α)だけ弾性支持手段であるサスペンション18側にずれている。したがって、水平なサスペンション18の長さを従来より長くすることができ、光磁気ディスク13の面振れに対する磁界変調ヘッド15の追従性が向上する。また、サスペンション18が水平で長さが長いので光磁気ディスク13の面振れの影響を受けにくくなる。
【0024】
図3及び図4に示すように、シャッター斜め開き型の場合も、上述と同様に開口部27Aがサスペンション28側にずれているので、サスペンション28の長さを従来より長くでき、磁界変調ヘッド25の追従性が向上すると共に、光磁気ディスク23の面振れの影響を受けにくくなる。
【0025】
【実施例】
続いて、本発明に係る光磁気ディスクカートリッジ及び光磁気ディスク装置の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明によるシャッター縦開き型の光磁気ディスクカートリッジ10及び光磁気ディスク装置11を示す平面図である。光磁気ディスクカートリッジ10のカートリッジ本体12内には、光磁気ディスク13が回転自在に収納されている。カートリッジ本体12の上面には、補助磁界発生手段である磁界変調ヘッド15を挿入するため、長方形の開口部17Aが設けられている。また、図2に示すようにカートリッジ本体12の下面にも、光学ピックアップ16から放射されたレーザ光を光磁気ディスク13に照射するため、長方形の開口部17Bが設けられている。上面の開口部17Aは、後述するようにその幅方向の中心線17Cが、これと平行な光磁気ディスク13の中心線13Aからサスペンション18側に所定の距離だけずれている。一方、下面の開口部17Bの中心線(図示せず)は、光磁気ディスク13の中心線13Aと一致している。
【0027】
光磁気ディスク装置11の磁界変調ヘッド15の中心は、光磁気ディスク13の中心線13A上に配置されており、これが適宜な弾性を有する弾性保持手段としてのサスペンション18を介して支持部19に取り付けられている。サスペンション18は光磁気ディスク13と平行で、記録時には開口部17A内に挿入される。支持部19には、光学ピックアップ16も取り付けられている。そして、記録再生時には支持部19が光磁気ディスク13の中心線13Aに沿って移動し、これによって磁界変調ヘッド15と光学ピックアップ16が光磁気ディスク13の径方向に移動する。上下の開口部17A,17Bは、光磁気ディスクカートリッジ10の挿入方向と同一方向に移動するシャッター14A,14Bで開閉される。シャッター14A,14Bは一体成形されている。
【0028】
さて、カートリッジ本体12の上面の開口部17Aは、磁界変調ヘッド15を保持するサスペンション18の長さを長くするために、サスペンション18側にずらして配置されている。本例では、開口部17Aの幅をW、磁界変調ヘッド15の長さをaとしたとき、開口部17Aの幅方向の中心線17Cが、これと平行な光磁気ディスク13の中心線13Aに対してY=((W/2−a/2)−α)だけずれている。ずれ量Yの限界値、すなわち、磁界変調ヘッド15が開口部17Aに当接するときのずれ量Yは、Y=(W/2−a/2)であり、本例では磁界変調ヘッド15が開口部17Aに当接しないように余裕αを設けたものである。
【0029】
このように、開口部17Aをサスペンション18の長手方向にずらしたことによってサスペンション18の長さを、従来の光磁気ディスク装置61(図7)に比べて長くすることが可能になる。本例では、サスペンション18の長さL1を最大でL1=W−(a/2+α)とすることができるのに対し、従来例では、サスペンション68の長さL2を最大でもL2=W/2−a/2にしかできない。すなわち、本例のサスペンション18は従来のサスペンション68のN=L1/L2=(W−(a/2+α))/(W/2−a/2)倍の長さとすることができる。
【0030】
したがって、磁界変調ヘッド15のヘッドコア(図示せず)がレーザ光の照射位置を正確に追従することが可能な光磁気ディスク13の面振れ量も、従来の略N倍となる。いま、光磁気ディスク13の外径D=120mm、開口部17Aの幅W=30mm、磁界変調ヘッド15の長さa=4mm、α=a/2=2mmとすると、この場合にはN=(30−(2+2))/(15−2)=2となる。つまり、本実施例の磁界変調ヘッド15のヘッドコア(図示せず)が、レーザ光の照射位置を正確に追従することが可能な光磁気ディスク13の面振れ量は、従来の約2倍となる。
【0031】
このように、追従可能な面振れ量が増えてもヘッドコアの面積は増やす必要がないので、消費電力や発熱量の増加がなく、また駆動電流の立ち上がり速度が低下しないので、光磁気ディスク10の線密度を高くすることが可能になる。また、サスペンション18は従来に比べて長さが長くなっているので、従来と同一のバネ定数とする場合は従来に比べて肉厚を厚くすることができ、強度を上げることが可能になる。
【0032】
図3は、本発明によるシャッター斜め開き型の光磁気ディスクカートリッジ20及び光磁気ディスク装置21の平面図である。この光磁気ディスクカートリッジ20は、従来のシャッター斜め開き型の光磁気ディスクカートリッジ90(図13)と同様に、カートリッジ本体22内に光磁気ディスク23が回転自在に収納され、図4に示すように上下の開口部27A,27Bがシャッター24A,24Bによって開閉される。開口部27A,27Bは、光磁気ディスクカートリッジ20の挿入方向に対して、所定の角度で傾いている。補助磁界発生手段である磁界変調ヘッド25の中心は、光磁気ディスク23の中心線23A上に配置され、弾性保持手段であるサスペンション28は中心線23Aと直角方向で装置の奥行き側に延びている。サスペンション28は光磁気ディスク23と平行であり、記録時には開口部27A内に挿入される。サスペンション28は支持部29に取り付けられている。支持部29には、光学ピックアップ26も取り付けられている。磁界変調ヘッド25及び光学ピックアップ26は、光磁気ディスク23の中心線23A上を移動するようになっている。
【0033】
さて、この光磁気ディスクカートリッジ20においても、上面の開口部27Aの長手方向の中心線27Cが、これと平行な光磁気ディスク23の中心線23Aに対してX=((W/2−a/2)−α)だけサスペンション28の長手方向で装置の奥行き側にずれている。したがって、これを用いた光磁気ディスク装置21も、上述の光磁気ディスク装置11と同様な効果を得ることができる。すなわち、サスペンション28を従来の光磁気ディスク装置91(図13)のサスペンション98より長くすることができ、これによって、磁界変調ヘッド25の光磁気ディスク23に対する追従性を向上させることができると共に、光磁気ディスク93の面振れの影響を受けにくくなる。更に、消費電力及び発熱量を低減すると共に、線密度を高くすることが可能になる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明はシャッター縦開き型またはシャッター斜め開き型の光磁気ディスクカートリッジの開口部を、水平なサスペンションの長手方向にずらすことにより、サスペンションの長さを長くしたものである。
【0035】
したがって、本発明によれば、サスペンションの先端に取り付けられた磁界変調ヘッドが上下に移動したとき、ヘッドコアの横ずれ量が従来に比べて少なくなるので、光磁気ディスクの面振れ量が大きい場合でも、ヘッドコアの面積を増やすことなくレーザ光の照射位置に正確に追従させることが可能になる。これによって、消費電力や発熱量の増加を防ぐことができる。更に、駆動電流の立ち上がり速度も低下することがないので、光磁気ディスクの線密度を高くすることが可能になる。また、サスペンションのバネ定数を従来と同一にする場合には、従来に比べて肉厚を厚くすることが可能なので、強度を上げることが可能になるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光磁気ディスクカートリッジ及び光磁気ディスク装置の第1実施例を示す平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】第2実施例を示す平面図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】従来の第1例を示す平面図である。
【図6】図5のC−C断面図である。
【図7】従来の第2例を示す平面図である。
【図8】図7のD−D断面図である。
【図9】従来の第3例を示す平面図である。
【図10】図9のE−E断面図である。
【図11】従来の第4例を示す平面図である。
【図12】図11のF−F断面図である。
【図13】従来の第5例を示す平面図である。
【図14】図13のG−G断面図である。
【図15】光磁気ディスク63の面振れの影響を説明する図である。
【図16】駆動電流iとその立ち上がり速度di/dtを説明する図である。
【符号の説明】
10,20 光磁気ディスクカートリッジ
11,21 光磁気ディスク装置
12,22 カートリッジ本体
13,23 光磁気ディスク
14A,14B,24A,24B シャッター
15,25 磁界変調ヘッド
17A,17B,27A,27B 開口部
18,28 サスペンション
Claims (3)
- 光磁気ディスクが収納されるカートリッジ本体と、
上記光磁気ディスクの中心線に沿って移動する磁界発生手段を一端側に保持し、他端側が上記カートリッジ本体の挿入方向に延びている弾性保持手段を上記カートリッジ本体内部に挿入するための開口部と、
上記開口部を覆い、上記カートリッジ本体の挿入方向に対して反対方向に移動することにより上記光磁気ディスクの中心線を外方に臨ませる際、上記カートリッジの上面から上記反対方向へのはみ出しが阻止されるシャッター手段とを備え、
上記磁界発生手段が移動する方向と平行な上記開口部の中心線が、上記磁界発生手段が移動する方向と平行な上記光磁気ディスクの中心線と比較して、上記カートリッジ本体の挿入方向にずれるように上記開口部が上記カートリッジ本体上面に形成される
ことを特徴とする光磁気ディスクカートリッジ。 - カートリッジ本体内部に収納された光磁気ディスクの中心線に沿って移動する磁界発生手段と、
一端側に上記磁界発生手段を保持し、他端側が上記カートリッジ本体の挿入方向に延びている弾性保持手段とを備え、
上記カートリッジ本体上面に形成された開口部の、上記磁界発生手段が移動する方向と平行な中心線が、上記磁界発生手段が移動する方向と平行な上記光磁気ディスクの中心線と比較して上記カートリッジ本体の挿入方向にずれており、上記開口部を覆うシャッター手段の上面内にて当該カートリッジ本体の挿入方向に対して反対方向に移動させて上記光磁気ディスクの中心線を外方に臨ませた後、上記磁界発生手段と上記弾性保持手段とが上記開口部から上記カートリッジ本体内部に挿入される
ことを特徴とする光磁気ディスク装置。 - 上記弾性保持手段は、上記磁界発生手段を上記光磁気ディスクの中心線に沿って移動させるとき、上記光磁気ディスクの盤面と平行である
ことを特徴とする請求項2記載の光磁気ディスク装置。
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