JP3600950B2 - 画像形成装置、及び、画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に係り、詳しくは像担持体上に形成された可視像を中間転写体に一次転写し、該中間転写体上の一次転写画像を転写材に二次転写する中間転写方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、フルカラー画像の複写やプリントが可能な電子写真方式の画像形成装置が実用化されているが、この種の画像形成装置におけるフルカラー画像の転写材への転写方式としては、
(a)転写ドラム方式:
感光体ドラム等の像担持体上に色毎に形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各画像を、転写ドラム上に固定された転写材に順次重ね合わせて転写する方式、
(b)中間転写方式:
感光体ドラム等の像担持体上に色毎に形成されるY、M、C、BKの各画像を、一次転写領域で中間転写体上に順次重ね合わせて転写し、この中間転写体上のフルカラーのトナー像を二次転写領域で転写材に一括転写する方式、
に大別できる。このうち、厚紙等にも転写できるというペーパーフリー性を有する点、及び転写ドラム方式のように先端のクランプ・押さえ部に画像形成できないということがなく全面コピーが可能な点から、上記(b)の中間転写方式が有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記(a)の転写ドラム方式は転写ドラムに巻装されるフィルムに転写材を巻き付けるためこの転写材を静電的に保持する必要が有りフィルムには絶縁体が使用される。これに対して上記(b)の中間転写方式は、中間転写体に転写材を巻き付けないため中間転写体に絶縁体を用いる必要がなく中抵抗体(体積抵抗107〜1014Ω・cm)を用いることができる。中抵抗体は付与された電荷が所定の時定数により自然減衰するため中間転写体に中抵抗体を用いた中間転写方式は、絶縁体を用いる転写ドラム方式のように付与された転写電荷を強制的に除電する除電手段を設ける必要がなく、上記ペーパーフリー性、全面コピーなどの利点に加え、オゾン低減、省電力などの点で更に有利と言える。
しかしながら上記(b)の中間転写方式で中間転写体に中抵抗体を用いた場合は、中抵抗体が絶縁体に比べ電気的に不安定であるため、転写後の文字、ライン画像に“転写チリ又は転写ニジミ”と称する異常画像が発生することがある。
【0004】
上記中間転写方式で生じる転写チリのような異常画像を改善するものとして、例えば、次のような技術が提案されている。
(1)高抵抗トナーを中間転写媒体に非静電的に転写後、記録シートを介在させて加熱ロールにて押圧転写定着するようにしたもの(特開昭63−34570号公報)。
(2)導電性トナーを中間転写媒体に非静電的に転写後、記録シートを介在させて加熱ロールにて押圧転写定着するようにしたもの(特開昭63−34571号公報)。
(3)トナー像を中間転写媒体に転写する毎に、用紙剥離チャージャで転写されたトナー像の除電を行うようにしたもの(特開平1−282571号公報)。
(4)最終転写段階の転写電位を直前の転写電位より大きくし、且つ各転写段階へ移る間に中間転写媒体に所定電圧を印加するようにしたもの(特開平2−183276号公報)。
(5)中間転写体から用紙に可視像を転写する手段に至る前に、中間転写体上の電荷を除電する手段を設けたようにしたもの(特開平4−147170号公報)。
【0005】
しかし、上記従来技術のうち、(1)、(2)は押圧転写定着であることから、転写チリ防止には効果があるが、ペーパーフリー性に難点がある。
また、(3)〜(5)は単色時の転写チリ防止には効果が得られるものの除電手段を必要とするため中抵抗体を用いる効果の一つである低オゾンと省エネが未だ十分に享受ではない(但し、除電手段を備えていても絶縁体を用いる転写ドラム方式に比べ中抵抗体を用いた中間転写方式では除電手段の数は半分以下となり効果は大きい)。また、2色〜4色と色重ねした場合には、転写チリ防止に十分な効果が得られないという問題点があった。
【0006】
ここで、色重ね時に発生する転写チリについて説明する。ここでは、現状の一次転写チリを解析するため、従来の一般的なカラー複写機を評価機とし、C(シアン)、M(マゼンタ)の各単色(以下、単色モードという)、及びC→M、M→Cの2色重ね(以下、2色モードという)において、それぞれ一次転写後の中間転写ベルト表面の一次転写チリを観察した。その結果、単色の場合には何れのトナーも一次転写チリは殆ど発生しておらず、良好であった。また、2色モードにおいては、1色目のトナー(最初に一次転写されたトナー)は、トナーの種類に関係なく単色の時と同様に殆ど転写チリは発生していないが、2色目のトナーでは画像部の周辺に飛散しているトナーが観察された。
なお、この実験での単色における中間転写ベルト上のトナー量は0.56mg/cm2、2色モードでは約1.1mg/cm2であった。
【0007】
次に、トナー付着量が上記実験の2倍となるように現像条件を変更し、全く同様の実験を行った。その結果、単色モードにおいても、上記実験の2色モード時と同程度の転写チリが観察された。また、2色モードの2色目のトナーの転写チリは、上記実験の2色モード時以上に見にくいものとなった。
以上の実験から、2色〜4色と色重ねした場合の転写チリは、中間転写ベルト上のトナー付着量の増加とともに顕著になること、並びに、色重ね時の転写チリは一次転写領域の上流ではなく、転写ニップ部の下流(転写ニップ部/転写バイアスローラ間)で発生していることが明らかになった。
そして、単色時に発生する転写チリは転写ニップの上流、つまり転写ニップ入り口で発生していることが明らかになった。
【0008】
次に、転写ドラム方式を採用したカラー複写機を改造して評価機とし、トナー付着量を変えて上記単色モード、2色モードにおいて、それぞれ一次転写後の転写ドラム表面の転写チリを観察した。その結果、単色、2色モード共に同程度の転写チリが発生したが、とくに2色目の転写チリ品質が中間転写ベルト方式のように極端に劣化することはなかった。また、トナー付着量の増加に伴い転写チリの発生は低下傾向にあるが、約1mg/cm2のトナー付着量では、ほぼ同一の付着量での中間転写方式の転写チリ品位に比べて明らかに勝っていることが明らかとなった。
以上の実験結果から、色重ね(あるいはトナー付着量大)時の転写チリは、中抵抗体を用いた中間転写方式固有の問題として考えることができる。
【0009】
ここで、色重ね時の転写チリ及び単色時の転写チリの発生メカニズムを検討する。先ず色重ね時に発生する転写チリについて説明する。
図6は、転写ニップ部下流における推定電荷モデルを示す説明図である。図6において、転写ドラム方式の場合は、
1)1色目トナー転写後、1色トナー電荷量にほぼ匹敵する放電電荷がドラムの地肌部に堆積する。
2)2色目トナー転写後も、ほぼ1色時と同量の電荷が地肌部に堆積するが、1色時の電荷が堆積維持されていることから、地肌部の総電荷量はほぼトナー総電荷量に匹敵する量となり、電気的に安定な状態が形成されることとなる。
このように、転写ドラム方式の場合には、画像部、地肌部にいずれにおいても、電荷量が静電的に均一なため、近傍に転写後の感光体電荷が存在しても、転写チリを発生させる程のノイズ電界としては作用しないと考えられる。
【0010】
一方、中間転写方式の場合は、
1)転写ドラム方式と同様に、1色目トナー転写後、1色トナー電荷量にほぼ匹敵する放電電荷が地肌部転写媒体に降り注ぐが、中間転写体が中抵抗であるために瞬時に消失する。
2)2色目トナー転写時も全く同様のため、図6に示したように電荷は画像部のみ存在するようになり、非常に不安定な状態が作り出される。
3)一方、ニップ部下流には、一次転写バイアスを供給するバイアスローラが存在するため、図6に示したように画像端部のトナーに対して地肌部に向けて横向きの電界(ノイズ電界)が作用する。この電界の力はトナー高さが高ければ高い程大きくなると推定される。
このように、中間転写方式の場合には、画像部、地肌部における電荷量が静電的に不均一になるため、近傍に転写後の感光体電荷が存在すると、転写チリを発生させるノイズ電界として作用するものと考えられる。
【0011】
次に単色時に発生する転写チリについて説明する。
感光体のトナーを中間転写体に転写するため感光体と中間転写体が接触する転写ニップ部に所定の転写電荷が付与され付与された転写電荷は転写ニップ部に転写電界を形成し感光体のトナーは静電的に中間転写体へ転写される。この時、中間転写体に上記中抵抗体を用いると中間転写体に付与された転写電荷が転写ニップ部以外へも漏出する。つまり、中間転写体が絶縁体の場合、付与された転写電荷は付与位置にとどまり移動することはないが、中間転写体が中抵抗体の場合、付与された転写電荷は付与位置から移動する。この移動とは、転写電荷は中間転写体への電荷付与位置を頂点として中間転写体の移動方向の上流および下流方向に向かって生ずるものだが、転写ニップ入口(感光体と中間転写体が接触する直前の間隙)へ移動した場合、この電荷により転写ニップ入口部の中間転写体上に電界が形成される。この電界は感光体と中間転写体が転写ニップで接触する前に感光体のトナーを中間転写体に転写させるいわゆるプレ転写を引き起こす。感光体上の同一位置にあるトナー像であっても、転写ニップで中間転写体へ転写される位置に対しプレ転写される位置は多少ずれてしまうため、この転写位置づれが転写ちりと称する異常画像の原因となる。
【0012】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、ペーパーフリー性を損なうことなしに、色重ね時に発生する転写チリを低減することができる画像形成装置あるいは画像形成方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の画像形成装置は、可視像を担持する像担持体と、可視像を像担持体から中間転写体へ静電的に1次転写させる1次転写電極と、可視像を中間転写体から転写材へ静電的に2次転写させる2次転写電極と、上記1次転写に先立ち、転写される可視像と同極性の電荷を中間転写体に付与する電荷付与手段とを有し、中間転写体上に順次複数の可視像を連続して1次転写した後に、一括して可視像を2次転写するように構成した画像形成装置において、上記電荷付与手段による中間転写体への単位面積当たりの付与電荷量を連続する複数色の1次転写に対応し順次、増加させる制御手段を設けたことを特徴とするものである。
【0027】
請求項2の画像形成方法は、像担持体上に形成された可視像を中間転写体に静電転写する1次転写工程と、中間転写体の1次転写画像を転写材に静電転写する2次転写工程とを有し、中間転写体上に順次複数の可視像を連続して1次転写した後に、一括して可視像を2次転写する画像形成方法であって、上記1次転写工程に先立ち、転写される可視像と同極性の電荷を上記中間転写体に付与する1次転写前電荷付与工程を設け、電荷付与工程において中間転写体への単位面積当たりの付与電荷量を連続する複数色の1次転写に対応し順次、増加させることを特徴とするものである。
【0028】
請求項3の画像形成方法は、請求項2記載の画像形成方法において、2回目以降の1次転写工程に先立ち、転写される可視像と同極性の電荷を上記中間転写体に付与する1次転写前電荷付与工程を行うものである。
【0032】
請求項1乃至3の発明においては、中間転写体上の画像部及び地肌部における電荷量が、静電的にほぼ均一になるので、転写チリを発生させる地肌部に向けての横向きのノイズ電界の作用が抑えられる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を画像形成装置である電子写真複写機(以下、複写機という)に適用した場合の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る複写機100の概略構成図、図2は感光体ドラム・中間ベルト回りの拡大図である。以下、図1及び図2を参照しながら複写機100の構成、動作を説明する。
カラー画像読み取り装置(以下、カラースキャナという)1は、原稿3の画像を照明ランプ4、ミラー群5a〜5c、及びレンズ6を介してカラーセンサ7に結像して、原稿のカラー画像情報を、例えばブルー(Blue、以下Bという)、グリーン(Green、以下Gという)、レッド(Red、以下Rという)の色分解光毎に読み取り、電気的な画像信号に変換する。カラーセンサ7は、この例ではB、G、Rの色分解手段とCCDのような光電交換素子で構成されており、3色同時読み取りを行う。そして、カラースキャナ1で得たB、G、Rの色分解画像信号強度レベルをもとにして、画像処理部(図示せず)で色変換処理を行ない、ブラック(以下、Bkという)、シアン(Cyan、以下Cという)、マゼンタ(Magenta、以下Mという)、イエロー(Yellow、以下Yという)のカラー画像データを得る。これを、カラー画像記録装置(以下、カラープリンタという)2によって、Bk、C、M、Yの顕像化を行ない、最終的なカラーコピーとする。なお、Bk、C、M、Yの画像データを得るためのカラースキャナ1の動作方式は、カラープリンタ2の動作とタイミングを取ったスキャナスタート信号を受けて、図1において、照明・ミラー光学系が左矢印方向へ原稿走査し、1回走査毎に1色の画像データを得る。そして、その都度カラープリンタ2で順次顕像化しつつ、これを重ね合わせて4色フルカラー画像を形成する。
【0037】
次に、カラープリンタ2の概要を説明する。書き込み光学ユニット8は、カラースキャナ1からのカラー画像データを光信号に変換して、原稿画像に対応した光書き込みを行ない、感光体ドラム9に静電潜像を形成する。該ユニット8は、レーザ光源8a、その発光駆動制御部(図示せず)、ポリゴンミラー8b、その回転用モータ8c、f/θレンズ8d、反射ミラー8e等で構成されている。
【0038】
感光体ドラム9は、矢印の如く反時計方向に回転し、その回りには、図2のように、感光体クリーニングユニット(クリーニング前除電器を含む)10、除電ランプ11、帯電器12、電位センサ13、Bk現像器14、C現像器15、M現像器16、Y現像器17、現像濃度パターン検出用の光学センサ18、中間転写ベルト19などが配置されている。
【0039】
各現像器は、静電潜像を現像するために現像剤の穂を感光体ドラム9の表面に接触させて回転する現像スリーブ(14a、15a、16a、17a)と、現像剤を汲み上げ・撹拌するために回転する現像パドル(14b、15b、16b、17b)、及び現像剤のトナー濃度センサ(14c、15c、16c、17c)などで構成されている。待機状態では4箇の現像器全てにおいて現像スリーブ上の剤は穂切り(現像不作動)状態になっている。次に、現像動作の順序(カラー画像形成順序)が、Bk、C、M、Yの例でコピー動作の概略を説明する(ただし、画像形成順序はこれに限定されるものではない)。
【0040】
コピー動作が開始されると、カラースキャナ1で所定のタイミングからBk画像データの読み取りがスタートし、この画像データに基づきレーザ光による光書き込み、潜像形成が始まる(以下、Bk画像データによる静電潜像をBk潜像という。C、M、Yについては、それぞれC潜像、M潜像、Y潜像という)。このBk潜像の先端部から現像可能とすべくBk現像器14の現像位置に潜像先端部が到達する前に、現像スリーブ14aを回転開始して剤の穂立てを行い、Bk潜像をBkトナーで現像する。そして以後、Bk潜像領域の現像動作を続け、潜像後端部がBk現像位置を通過した時点で、速やかにBk現像スリーブ14a上の剤の穂切りを行い、現像不作動状態にする。これは少なくとも、次のC画像データによるC潜像先端部が到達する前に完了させる。なお、穂切りはBK現像スリーブ14aの回転方向を、現像動作中とは逆方向に切り替えることで行う。
【0041】
感光体ドラム9に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム9と等速駆動されている中間転写ベルト19の表面に転写される(以下、感光体ドラムから中間転写ベルトへのトナー像転写をベルト転写という)。ベルト転写は、感光体ドラム9と中間転写ベルト19が接触状態において、転写バイアスローラ20aに所定のバイアス電圧を印加することで行う。なお、中間転写ベルト19には、感光体ドラム9に順次形成するBk、C、M、Yのトナー像を、同ー面に順次位置合せして、4色重ねのベルト転写画像を形成し、その後、転写紙にー括転写を行う。この中間転写ベルトユニットについては後述する。
【0042】
ところで、感光体ドラム9側ではBk工程の次にC工程に進むが、所定のタイミングからカラースキャナ1によるC画像データ読み取りが始まり、その画像データによるレーザ光書き込みで、C潜像形成を行う。
C現像器15はその現像位置に対して、先のBk潜像後端部が通過した後で、かつC潜像の先端が到達する前にC現像スリーブ15aを回転開始して、剤の穂立てを行い、C潜像をCトナーで現像する。以後、C潜像領域の現像を続け、潜像後端部が通過した時点で、先のBk現像器の場合と同様にC現像スリーブ15a上の剤の穂切りを行い、現像不作動状態にする。これもやはり次のM潜像先端部が到達する前に完了させる。
なお、M及びYの各工程については、それぞれの画像データ読み取り、潜像形成及び現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので説明を省略する。
【0043】
次に、中間転写ベルトユニットについて説明する。
中間転写ベルト19は、駆動ローラ21、転写バイアスローラ20a、アースローラ20b、及び従動ローラ群に張架されており、図示していない駆動モータにより駆動制御される。ベルトクリーニングユニット22は、ブラシローラ22a、ゴムブレード22b、及びベルトからの接離機構22cなどで構成されており、1色目のBk画像をベルト転写した後の、2、3、4色目をベルト転写している間は、接離機構22cによってベルト面から離間させておく。そして、中間転写ベルト19上に4色の画像を正確に位置合わせして次々と各色の画像を転写し、中間転写ベルト19上に4色の重ね画像を形成する。
【0044】
紙転写ユニット23は、紙転写バイアスローラ23a、ローラクリーニングブレード23b、及びベルトからの接離機構23cなどで構成されている。
該バイアスローラ23aは、通常はベルト19面から離間しているが、中間転写ベルト19面に形成された4色の重ね画像を転写紙にー括転写する時に、タイミングを取って接離機構23cで押圧され、該ローラ23aに所定のバイアス電圧を印加して紙への転写を行う。
なお、転写紙24は、図1に示すように、給紙ローラ25、レジストローラ26によって、中間転写ベルト面の4色重ね画像の先端部が、紙転写位置に到達するタイミングに合わせて給紙される。
【0045】
中間転写ベルト19の駆動の仕方としては、1色目のBkトナー像のベルト転写が端部まで終了した後の動作方式として次の3方式が考えられ、このなかの1方式で、又はコピー速度の面からコピーサイズに応じて複数の方式を効率的に組み合わせて、中間転写ベルト19を駆動する。
【0046】
(1) 一定速往動方式
▲1▼ Bkトナー像のベルト転写後も、そのまま一定速度で往動を続ける。
▲2▼ そして、中間転写ベルト19面上のBk画像先端位置が、再び感光体ドラム9との接触部のベルト転写位置に到達したとき、感光体ドラム9側は次のCトナー像の先端部が丁度その位置にくるように、タイミングを取って画像形成されている。その結果、C画像はBk画像に正確に位置合わせして中間転写ベルト19上に重ねてベルト転写される。
▲3▼ その後も同様の動作によってM、Y画像工程に進み、4色重ねのベルト転写画像を得る。
▲4▼ 4色目のYトナー像のベルト転写工程に引き続き、そのまま往動しながら中間転写ベルト19面上の4色重ねトナー像を、上記のように転写紙24に一括転写する。
【0047】
(2) スキップ往動方式
▲1▼ Bkトナー像のベルト転写が終了したら、感光体ドラム9面から中間転写ベルト19を離間させ、そのままの往動方向に高速スキップさせて所定量を移動したら当初の往動速度に戻す。また、その後再び感光体ドラム9に中間転写ベルト19を接触させる。
▲2▼ そして、中間転写ベルト19面上のBk画像先端位置が再びベルト転写位置に到達したとき、感光体ドラム9側は次のCトナー像の先端部が丁度その位置にくるようにタイミングを取って画像形成されている。その結果、C画像はBk画像に正確に位置合わせして重ねてベルト転写される。
▲3▼ その後も同様の動作によってM、Y画像工程に進み、4色重ねのベルト転写画像を得る。
▲4▼ 4色目のYトナー像ベルト転写工程に引き続き、そのままの往動速度で、中間転写ベルト19面上の4色重ねトナー像を転写紙24に一括転写する。
【0048】
(3) 往復動(クイックリターン)方式
▲1▼ Bkトナー像のベルト転写が終了したら、感光体ドラム9面から中間転写ベルト19を離間させ、そして、往動を停止させると同時に逆方向に高速リターンさせる。このリターンは、中間転写ベルト19面上のBk画像先端位置がベルト転写相当位置を逆方向に通過し、更に予め設定された距離分を移動した後に停止させて待機状態にする。
▲2▼ 次に、感光体ドラム9側のCトナー像の先端部がベルト転写位置より手前の所定位置に到達した時点で、中間転写ベルト19を再び往動方向にスタートさせる。また、中間転写ベルト19を感光体ドラム9面に再び接触させる。この場合も、C画像が中間転写ベルト19面上でBk画像に正確に重なるような条件に制御されてベルト転写される。
▲3▼ その後も同様の動作によってY、M画像工程に進み、4色重ねのベルト転写画像を得る。
▲4▼ 4色目のYトナー像のベルト転写工程に引き続き、リターンせずにそのままの速度で往動して、中間転写ベルト19面上の4色重ねトナー像を転写紙24に一括転写する。
【0049】
さて、中間転写ベルト19面から4色重ねトナー像をー括転写された転写紙24は、紙搬送ユニット27で定着器28に搬送され、所定温度にコントロールされた定着ローラ28aと加圧ローラ28bでトナー像を溶融定着してコピートレイ29に搬出されフルカラーコピーを得る。
【0050】
なお、ベルト転写後の感光体ドラム9は、図2のように、感光体クリーニングユニット10(クリーニング前除電器10a、ブラシローラ10b、ゴムブレード10c)で表面をクリーニングされ、また、除電ランプ11で均一に除電される。また、転写紙にトナー像を転写した後の中間転写ベルト19は、クリーニングユニット22を再び接離機構22cで押圧して表面をクリーニングされる。
【0051】
リピートコピーの時は、カラースキャナ1の動作及び感光体ドラム9への画像形成は、1枚目のY(4色目)画像工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目のBk(1色目)画像工程に進む。また、中間転写ベルト19の方は、1枚目の4色重ね画像の転写紙へのー括転写工程に引き続き、表面をクリーニングユニット22でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像がベルト転写されるようにする。その後は、1枚目と同様の動作になる。
【0052】
なお、図1の給紙カセット30、31、32、33は、各種サイズの転写紙が収納されており、操作パネル(図示せず)で指定されたサイズ紙が収納されたカセットから、タイミングを取ってレジストローラ26方向に給紙、搬送される。34は、OHP用紙や厚紙などの手差し給紙トレイである。
【0053】
以上は、4色フルカラーを得るコピーモードの説明であったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記と同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、その色の現像器のみを現像作動(剤穂立て)状態にして、中間転写ベルト19は、感光体ドラム9面に接触したまま往動方向にー定速駆動し、さらに、ベルトクリーナー22も中間転写ベルト19に接触したままの状態で、コピー動作を行う。
【0054】
次に、上記のように構成された複写機において、ペーパーフリー性を損なうことなしに、色重ね時に発生する転写チリを低減できるように構成した実施形態について説明する。 図3は、本実施形態における一次転写領域の部分拡大図であり、図1と同等部分を同一符号で示している。ただし、図を見やすくするため、転写バイアスローラ20aとアースローラ20bを、図1とは異なる位置に描いている。この実施形態では、中間転写ベルト19の搬送方向に沿って一次転写領域の上流側に帯電器71が配設されている。この帯電器71は、一次転写に先立ち、転写されるトナー像と同極性の電荷を中間転写ベルト19に付与するためのもので、例えばコロナチャージャなどで構成することができる。
【0055】
以上のように、一次転写に先立ち、転写されるトナー像と同極性の電荷を帯電器71から中間転写ベルト19に付与する構成とすることにより、画像部、地肌部での電荷量を静電的にほぼ均一にすることができる。よって、転写チリの原因となるノイズ電界の作用を抑え、色重ね時に発生する転写チリを低減できる。
【0056】
上記構成により転写チリが低減できることを検証するため、以下の実験を行った。次に、具体的な実験例及び比較例について説明する。
まず、押し出し成型法で作成されたカーボン含有ポリカーボネートのシームレスエンドベルトを2本用意した。それぞれのベルトの膜厚は150μm、表面抵抗率(ρs)は1×109(Ω/□)、1×1010(Ω/□)である。そして、これらベルトの表面に下記表面層材料の中でカーボンブラック量を適宜調整した塗工液をスプレー塗工(乾燥後膜厚:20μm)し、100℃−1時間の条件で乾燥させ、体積抵抗(ρv)が1×1014(Ω・cm)、及び1×1012(Ω・cm)のベルトA、Bをそれぞれ作成した。なお、体積抵抗(ρv)の測定条件は以下の通りである。
体積抵抗(ρv)の測定条件
測定器:Hiresta IP(MCP−HT260)三菱油化製
プローブ:HRSローブ
印加バイアス:100V(ρv)、500V(ρs)
測定時間:10秒
【0057】
次に、図1の複写機100を評価装置とし、上記シームレスベルトA、Bを中間転写ベルト19として装着した。そして、2色モード(C→M)にて一次転写後のベルト上における転写チリを評価した。ここで、図3に示すように、一次転写領域の上流部(帯電器71の位置)にチャージャを配置し、C、Mの一次転写に先立ち、20nC/cm2の負電荷をベルトに付与した場合と、そうでない場合について転写チリを評価した。評価結果を表1に示す。なお、使用したトナーの帯電量は17〜22μC/grであった。また、評価方法は5を最高とする1から5までの5段階評価とした。
(以下、余白)
【表1】
【0058】
上記評価結果から、体積抵抗が1×1012(Ω・cm)のベルトBにおいては、一次転写前の負電荷付与の有無に係わらず、転写チリは従前のベルトとほぼ同様のレベル(課題5で説明したベルト並)となった。一方、体積抵抗の高いベルトAについては、一次転写前に負電荷を付与した場合の転写チリは、ベルトBに比べて大幅に改善される。また、ベルトAで一次転写前に負電荷を付与しなかった場合の転写チリは、ベルトBとの比較では改善が見られるが、上記電荷付与の場合のレベルには至っていない。
【0059】
以上の結果から、体積抵抗の高いベルトAに対して一次転写前に負電荷を付与した場合には、転写チリの発生が大幅に改善されていることが明らかとなった。これは、図6に示した電荷モデルが正しいことを示唆している。一方、体積抵抗の低いベルトBでは、一次転写前に負電荷を付与した場合でも、転写チリの改善効果は認められなかった。これは、ベルトBの体積抵抗が低いため、一次転写前に付与された負電荷が転写ニップ部の下流に到達するまでの間に保持されなかったことが要因として考えられる。また、体積抵抗の高いベルトAでは、一次転写前に負電荷を付与しない場合でも転写チリの改善が認められたのは、転写ニップ部出口で付与される放電電荷がそのまま保持されているものと考えられる。ただし、1色目の転写ニップ部出口で付与された放電電荷はすでに消失し、ベルト上に保持されているのは2色目の転写ニップ部出口で付与された放電電荷のみとなる。この場合、地肌部の負電荷が不足しているために、転写チリの改善効果が不十分であったと考えられる。
上記評価結果によると、図6に示した電荷モデルが正しいものと推定することができる。したがって、一次転写に先立って、転写されるトナー像と同極性の電荷を帯電器71から中間転写ベルト19に付与すると、図6の電荷モデルのような現象が起こるため、色重ね時に発生する転写チリを低減することができる。しかも、本実施形態の構成によれば、従来の押圧転写定着のようにペーパーフリー性を損なうことがない。
【0060】
ところで、上記実験においては、いずれも1色目の一次転写前には電荷を付与せずに、2色目の一次転写前に電荷を付与するようにしている。この理由について説明する。
図3において、一次転写前の電荷付与位置をXとすると、このXでベルト上に付与された電荷は転写チリが発生する転写ニップ部出口のYの位置まで保持されることになる。一方、中間転写ベルト19においても転写ニップ部出口で放電が発生し、ほぼ転写トナー(画像部)の電荷に匹敵するトナーと同極性の放電電荷がベルトの地肌部に付与される。このときの電荷を仮にQ1Cとすると、Xで付与された電荷がYに至るまで保持されているような転写体条件においては、ニップ部出口で付与された電荷Q1Cは当然Yまで保持されることとなる。したがって、1色目においては、Xで電荷を付与しなくても、ニップ部出口で放電電荷が付与されるため、Xにおける電荷の付与は、1色目の一次転写時には不要ということになる。
【0061】
次に、2色目以降の一次転写時に付与される電荷量について説明する。
2色目(2C)の一次転写時には、1色目(1C)の時と同様に転写トナーの電荷に匹敵する放電電荷(Q2C)がニップ部出口にてベルトの画像部と地肌部とに付与される。しかし、ベルトは絶縁体ではなく中抵抗であるため、この前の1色目の時に付与された電荷(Q1C)は、画像部では残っているものの、地肌部ではすでに消失している。このため、2色目の一次転写が終了した時点のニップ部出口における電荷量は、画像部トナー電荷量:約Q1C+Q2C、地肌部電荷量:約Q2Cとなり、画像部/地肌部における電荷量は静電的に不均一になる。同様の理由により、3色モード、4色モードにおいても電荷量の不均一が生じることになる。このときの電荷量をまとめて表2に示す。
【表2】
【0062】
上記表2から明らかなように、画像部/地肌部における電荷量の不均一をなくすには、表2のΔQに相当する分の電荷を一次転写に先立ち、外部からベルトに付与する必要がある。すなわち、2C→3C→4Cと色を重ねる毎に付与する電荷量をアップする必要がある。このため、本実施形態においては、2色目以降の一次転写に先立ち、トナーと同極性の電荷を付与する際に、中間転写ベルトに付与される単位面積当たりの電荷量が、
Q4≧Q3≧Q2
但し、Q2:2色目の一次転写に先立ち、付与される単位面積当たりの電荷量
Q3:3色目の一次転写に先立ち、付与される単位面積当たりの電荷量
Q4:4色目の一次転写に先立ち、付与される単位面積当たりの電荷量
となるように、帯電器71から付与する電荷量を制御している。
【0063】
図4は、上記電荷量制御のための制御部のブロック図である。図4において、CPU、RAM、ROM等からなる制御手段として制御回路40の、例えばRPOMに、表2に記載の2C、3C、4Cにおける帯電器71からの単位面積当たりの付与電荷量がプログラムされている。この制御回路40からの信号で、帯電器71から中間転写体へ付与される電荷量が表2に示す値になるように帯電器71の電源41の出力を制御する。
【0064】
次に、本実施形態に係る中間転写ベルトについて説明する。
本実施形態においては、一次転写に先立ち、転写トナーに匹敵する電荷をベルトに付与することにより、画像部/地肌部における電荷量の不均一をなくし、転写ニップ部下流での転写チリを低減するようにしている。そして、このためには、先に図3で説明したように、一次転写前の電荷付与位置Xでベルト上に付与された電荷は、転写チリが発生する転写ニップ部出口のYの位置まで保持されていなければならない。すなわち、少なくとも図3のニップ部下流にある転写バイアスローラ20aまでは、電荷がベルト上に保持される必要がある。次に、このような条件を満足する中間転写ベルト(以下、適宜中間転写体という)の特性について説明する。
(以下、余白)
【0065】
一般に、電荷が中間転写体の移動に要する時間τは、
τ= ε0・εB・ρV
但し、 ε0:真空誘電率
εB:中間転写体比誘電率
ρV:中間転写体の体積抵抗
で表されることが知られている。このことから、一次転写に先立ち、転写トナーと同極性の電荷を中間転写ベルトに付与するようにした装置では、使用される中間転写体の(ρV、εB)は、下記(1)式を満足することが必要条件となる。
L1/VL < ε0・εB・ρV …(1)
但し、 L1:一次転写前電荷付与位置/一次転写バイアスローラ間中間転写体周長
VL:中間転写体線速
【0066】
一方、中抵抗の中間転写体を用いた中間転写方式では、転写ドラム方式のように除電工程等が不要となる。しかし、このためには、▲1▼一次転写工程で放電により付着した中間転写体上の電荷が、少なくとも次の一次転写工程に移り進む前に消失していなければならない(多色モード時)。同様に、中間転写体から転写材へトナーを転写する二次転写工程においても、▲2▼一次転写工程で放電により付着した中間転写体上の電荷が二次転写工程前に消失していないと、放電電荷量が環境等の影響を受けて常に一定でないことから、二次転写条件が安定せず、適正な画像が得られなくなる。そこで、これら▲1▼▲2▼の条件を満足することが必要条件となる。
【0067】
ここで、中間転写体が順方向にのみ回転する一般的な中間転写方式においては、中間転写体の周長をL、中間転写体線速をVL、一次転写ニップ位置/二次転写バイアスローラ間の中間転写体周長をL2とすると、
一次転写(1C)終了後、次の一次転写(2C)に移るまでの時間(t1c−2c)は、
(t1c−2c)=L/VL
一次転写終了後、二次転写に移るまでの時間(tB−P)は、
(tB−P)=L2/VL
で表される。ここで、L>L2であるから、t1c−2c>tB−Pとなる。したがって、中間転写体表面の電荷は、上記tB−P以内に消失すれば(すなわち、上記▲2▼を満足すれば)、必然的に上記▲1▼は満足されることとなる。よって、中間転写体の(ρV、εB)は、下記(2)式を満足することが必要条件となる。
ε0・εB・ρV < L2/VL …(2)
前出の(1)式と(2)式とをまとめると、上記▲1▼、▲2▼の条件を満足する中間転写ベルトの特性は、中間転写体の(ρV、εB)が、
L1/VL < ε0・εB・ρV < L2/VL …(3)
を満足するものであることが明らかとなった。したがって、上記(3)式を満足するような中間転写ベルトを用いることにより、図3の一次転写前の電荷付与位置Xでベルト上に付与した電荷を、転写チリが発生する転写ニップ部出口のYの位置まで保持させることができる。
【0068】
次に、本実施形態に係わる一次転写領域の上流側の構成について説明する。
先に説明したように、一次転写に先立ち、転写されるトナー像と同極性の電荷を中間転写ベルトに付与することにより、画像部/地肌部における電荷量の不均一をなくし、ニップ部下流での転写チリを改善することができる。しかし、実際に画像部と地肌部との電荷量を完全に等しくすることは技術的に難しく、画像部と地肌部との電荷量の差により、画像トナーがエッジ部から地肌部へ向かう電界が存在するため、転写チリの発生を完全に抑制するには至っていない。
そこで、本実施形態においては、一次転写前に中間転写ベルトに電荷を付与する構成に加えて、図3に示すように、一次転写領域の下流側に一次転写用の印加電極としての転写バイアスローラ20aを設けるとともに、上流側には、中間転写ベルト19を介して感光体ドラム9と当接し、かつ接地された接地電極としてのアースローラ20bを設けた構成としている。
【0069】
次に、上記構成とすることで、何故色重ね時に発生する転写チリを抑制できるかについて説明する。
ニップ部出口における転写チリは、▲1▼感光体ドラム上の潜像電荷、▲2▼ベルト上画像部のトナー電荷、▲3▼ベルト上地肌部の電荷、▲4▼ベルト中又は裏面に存在する一次転写のために外部から印加された転写電荷、によって形成される電界により発生する。このうち、上記▲2▼、▲3▼の電荷は、転写トナーに対して横方向(ベルトに並行の意)に作用する力の原動力となっている。先に説明した実施形態は、一次転写前に電荷を中間転写ベルトに付与することにより、上記▲2▼、▲3▼の電荷によって形成される電界を、両者の電荷量を均一にすることで弱めるようにしている。しかし、先に述べたように、上記▲2▼、▲3▼の電荷の差を完全になくすことは、実際には困難である。
そこで、この実施形態では、転写トナーに作用する垂直方向(ベルトに垂直の意)の電界を強めることにより、転写チリの発生を低減するようにしている。これは、転写トナーに作用する横方向と垂直方向のベクトル和で表される力を、垂直方向のベクトルを強めることにより、実用上問題ない程度までベクトルの向きを変えるようにしたものである。
すなわち、転写トナーの垂直方向に働く電界は、上記▲1▼、▲4▼の電荷により支配されるが、このうち、▲1▼は感光体ドラム9の作像条件により一義的に決定されるので任意に設定することはできない。このため、▲4▼により電荷量を増加することで、転写トナーの垂直方向に働く電界を強めるようにしている。この▲4▼の転写電荷の増加は、図3に示すように、ニップ部下流に印加電極としての転写バイアスローラ20aを設け、ニップ部上流には接地電極としてのアースローラ20bを設け、前記転写バイアスローラ20aに印加する転写バイアスを増加することで実現することができる。
【0070】
このように、転写バイアスローラ20aに印加する転写バイアスを増加することにより、ニップ部下流の転写チリを低減することができる。しかし、ニップ部下流の転写チリを低減しただけでは、完全に転写チリを抑制することはできない。すなわち、先に説明した通り、転写チリはニップ部下流(出口)のみならず、ニップ部上流(入口)でも発生する。つまり、中間転写ベルトに付与された転写電荷がニップ部上流へ漏出すると転写ニップ入口(感光体と中間転写体が接触する直前の間隙)に達する電位勾配が生成され中間転写体上に電界が形成される。この電界は感光体と中間転写体が転写ニップで接触する前に感光体のトナーを中間転写体に転写させるいわゆるプレ転写を引き起こし感光体上のトナー像が転写ニップ到達前に中間転写体へ転写されるため転写位置がずれ転写ちりを引き起こす。よって、この転写ニップ上流(入口)で発生する転写チリの発生も防止・低減する必要がある。
【0071】
上記転写ニップ上流(入口)で発生する転写チリを低減するためには、図3に示すように、接地されたアースローラ20bを中間転写ベルトを介して感光体ドラム9に当接させる(転写ニップ部領域内の中間転写ベルト裏面にアースローラを接触させる)。これによって、アースローラ20bが接触している部分で転写バイアスローラ20aから付与された中間転写ベルトの電荷はアースローラ20bを通じて接地側に流れ込むため、アースローラ20bの中間転写ベルトへの接触点より上流の転写ニップ上流(入口)では中間転写ベルト上に電位勾配が生成されず電界が形成されない。つまり、転写電荷が転写ニップ部内で除電されニップ部上流(入口)における中間転写ベルト上の電界形成が抑えられることによりニップ部上流(入口)の転写チリ発生が防止、低減される。
なお、アースローラ20bの転写ニップ部への接触位置だが、実質的な転写ニップ幅を確保するため転写ニップ開始点又はその近傍にアースローラ20bを配置することが好ましい。
【0072】
次に、本実施形態に係わる一次転写領域の他の構成について説明する。
図5は、一次転写領域の他の構成を示す部分拡大図であり、図3と同等部分を同一符号で示している。図5では、ニッブ部の中央に転写バイアスローラ20cが設けられている。この転写バイアスローラ20cには、ニップ部下流にある転写バイアスローラ20bと同一の転写バイアスが印加されている。
前出の図3のように、ニップ部下流の転写バイアスローラ20aからニップ部上流のアースローラ20bに向けて転写バイアスを印加した場合、中間転写ベルト19は転写バイアスローラ20aからアースローラ20bに向けて電位勾配を持ち、アースローラ20bに向かうにしたがって徐々に電荷は低下する。これに対して、図5のように、ニップ部の中央とニップ部下流に同一の転写バイアスを印加した場合には、ニップ部の中央とニップ部下流の電位は等しく均一となるため、上記▲4▼の転写トナーの垂直方向に働く電界を強めることができる。よって、図3の構成に比べて、転写チリの発生をより効果的に防止することが可能となる。
【0073】
なお、本願発明は、感光体がドラム以外、たとえばベルトなど他の形状でも適用可能である。中間転写体はベルトのみならずドラム、ローラなど他の形状でも適用可能である。また中間転写体の電気的特性(体積抵抗、表面抵抗)、厚さ、構造(単層、2層、‥)などは作像条件などにより適切な構成を種々選択可能であり実施例には限定されず、使用される材料、材質も種々選択可能である。転写バイアスローラ20aはローラ以外に導電性ブラシ(金属、樹脂)、導電性ブレード(金属、樹脂、ゴム)など他の形状でも適用可能でありコロナ放電器を用いても良い。転写電荷の付与位置は転写ニップ下流位置に限定されず転写ニップ内でも良い。1次転写電源の印加電圧値は実施例に限定されず、種々の作像条件に応じて所望の値を設定可能である。アースローラ20bはローラ以外に導電性ブラシ(金属、樹脂)、導電性ブレード(金属、樹脂、ゴム)など他の形状でも適用可能であり、中間転写体への接触位置は転写ニップ部内ならばその位置は限定されない。紙転写バイアスローラ23aはローラ以外にベルト、ブラシ、ブレードなど他の形状でも適用可能でありコロナ放電器を用いても良い。その他、本願発明の技術的思想を利用するものならば各種の変形例も全て本願に含まれるものであり、本願発明が実施例に限定されないことは言うまでもない。
【0074】
【発明の効果】
請求項1乃至3の発明によれば、中間転写体上の画像部及び地肌部における電荷量が静電的一次転写前の電荷付与位置でベルト上に付与した電荷を、ほぼ均一にして、転写チリを発生させる地肌部に向けての横向きのノイズ電界の作用を抑えることができるので、ペーパーフリー性を損なうことなしに、色重ね時に発生する転写チリを低減できる画像形成装置あるいは画像形成方法を提供できる。
【0075】
請求項8の発明によれば、一次転写前の電荷付与位置でベルト上に付与した電荷を、転写チリが発生する転写ニップ部出口の位置まで保持させることができるので、色重ね時に発生する転写チリを軽減するのに適した中間転写体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る複写機の概略構成図。
【図2】感光体ドラム・中間ベルト回りの拡大図。
【図3】本実施形態における一次転写領域の部分拡大図。
【図4】本実施形態における電装部のブロック図。
【図5】本実施形態における一次転写領域の他の構成を示す部分拡大図。
【図6】転写ニップ部下流における推定電荷モデルを示す説明図。
【符号の説明】
9 感光体ドラム
19 中間転写ベルト
20a 転写バイアスローラ
24 転写紙
35 ベルト転写電源
40 制御回路
41 電源
Claims (3)
- 可視像を担持する像担持体と、
可視像を像担持体から中間転写体へ静電的に1次転写させる1次転写電極と、
可視像を中間転写体から転写材へ静電的に2次転写させる2次転写電極と、
上記1次転写に先立ち、転写される可視像と同極性の電荷を中間転写体に付与する電荷付与手段とを有し、中間転写体上に順次複数の可視像を連続して1次転写した後に、一括して可視像を2次転写するように構成した画像形成装置において、
上記電荷付与手段による中間転写体への単位面積当たりの付与電荷量を連続する複数色の1次転写に対応し順次、増加させる制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体上に形成された可視像を中間転写体に静電転写する1次転写工程と、中間転写体の1次転写画像を転写材に静電転写する2次転写工程とを有し、中間転写体上に順次複数の可視像を連続して1次転写した後に、一括して可視像を2次転写する画像形成方法であって、
上記1次転写工程に先立ち、転写される可視像と同極性の電荷を上記中間転写体に付与する1次転写前電荷付与工程を設け、電荷付与工程において中間転写体への単位面積当たりの付与電荷量を連続する複数色の1次転写に対応し順次、増加させることを特徴とする画像形成方法。 - 2回目以降の1次転写工程に先立ち、転写される可視像と同極性の電荷を上記中間転写体に付与する1次転写前電荷付与工程を行う請求項2記載の画像形成方法。
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