JP3600532B2 - ジャガード機の縦針制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、下端部に縦針を備えた昇降部材を昇降可能な状態で装置本体内に並列し、昇降部材をその左右で交互に昇降するナイフに係止させて昇降し、駆動手段によってフックを揺動させて昇降部材に係合する位置と係合しない位置とに切り換え、ナイフと共に下降する昇降部材と下降しない昇降部材とを選択することによって経糸を開口させるようにしたジャガード機の縦針制御装置に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】
一般に、ジャガード機は、小さい織機では数百本、大きい織機では一万数千本の縦糸の昇降を制御するが、この種のジャガード機の縦針制御装置としては、例えば特開平2−19534 号公報に開示のものが公知である。
この公知の装置は、リンク棒を介して綜絖(縦針)を支持させたプーリーを、両端部に昇降ロッドを連結させたワイヤの中間部に吊り下げ、左右のロッドに沿って交互に昇降するナイフをロッドに設けた突起部に係止させてロッドを交互に昇降させる形式の複動ジャガード機である。
ロッドの上方には、上部を装置本体にピン止めさせたフックを枢着すると共に、これに沿わせて駆動手段(圧電部材が使用されているが、ソレノイドを使用する場合もある。)が配置されていて、ロッドの上昇に同期させて駆動手段を動作させると、フックが揺動させられて先端部を変移させ、これをロッドに形成されている孔に係合させることによって、ロッドの下降を停止させられるように構成している。
ナイフの昇降に伴ってロッドが交互に昇降している状態では、プーリーはその位置を変更することはないが、一方のロッドがフックに係合した状態で他方のロッドが上昇させられると、ここで初めてプーリーが上昇し、経糸が開口することになる。
【0003】
しかしながら、この装置では、ワイヤの両端部に連結させた二本のロッドを交互に昇降させながら、その中間部にプーリーを吊り下げ、一方のロッドの下降を停止させた状態で他方のロッドを上昇させて経糸を開口する構成を採用しており、しかも、プーリーを落下させないための案内手段等の設置も必要となるため、装置自体が極めて大掛かりとなってしまう不都合がある。
縦針を吊り下げて高速で昇降する細いワイヤは、昇降の都度衝撃や摩擦を受けるためにワイヤに耐久性を期待できず、結果的に織物に模様崩れを生じさせる不都合があるし、多数のロッドを同時に運動させると共に、プーリーを常時回転させることによって装置全体が発熱し、これが誤動作を誘発することもある。
また、小さな圧電部材をフックの位置に合わせて個別に取り付けるために、基板の端子との間を多数のリード線を用いて一つ一つ結線することになるから、取付精度が不均一となって動作精度上の問題も残されていた。
【0004】
【技術的課題】
本発明は、下端部に縦針を備えた昇降部材を昇降可能な状態で装置本体内に並列し、昇降部材をその左右で交互に昇降するナイフに係止させて昇降し、駆動手段によってフックを揺動させて昇降部材に係合する位置と係合しない位置とに切り換え、ナイフと共に下降する昇降部材と下降しない昇降部材とを選択することによって経糸を開口させるようにしたジャガード機の縦針制御装置において、機器の耐久性を確保して動作精度が高められるようにすることを課題としたものである。
【0005】
【技術的手段】
この技術的課題を解決するための第一の技術的手段は、(イ)経糸の開口量に対応して昇降部材にフックとの係合部を上下二段に設け、(ロ)下向きでの揺動を可能とした左右一対の爪を昇降部材に枢着すると共に爪の先端部を内方へ付勢し、(ハ)装置本体には昇降部材を上死点側に臨ませる際に爪の後端部に当接してその先端部を外方へ突出させる押圧体と、(ニ)昇降部材を下死点側に臨ませる際に爪の先端部側に当接してその先端部を外方へ突出させる押圧体とを配置すると共に、(ホ)次の開口運動の直前に昇降部材をリセットするためにわずかに昇降する昇降板を配置したこと、である(請求項1参照)。
【0006】
この技術的手段の動作原理及びその作用について、図1に示した概念図を用いて説明する。
昇降部材10は、その下部に縦針1や通糸等を介して図示しない経糸を保持している。この昇降部材10には、経糸の開口量に対応してフック41との係合部11、12が上下二段に設けられていて、昇降部材10が左右いずれかのナイフ15に係止して上昇させられ、駆動手段を選択的に動作させてフック41を昇降部材の係合部に係合して経糸の開口が行われる。したがって、上下の係合部11、12の距離が経糸の開口量となっている。
昇降部材10の中間部には、下向きでの揺動を可能とした左右一対の爪21、22が枢着されている。この爪は、図示していないバネやゴムなどの弾性体を用いてその先端部が内方へ付勢されていて、外力が加えられない状態では、爪21、22の先端部は昇降部材10から突出することはないが、枢着部から外方へ突出している爪の後端部に対して下方向に押圧する外力が加えられると、付勢力に抗して爪21、22が開いてその先端部を昇降部材10の外側へ突出させることになる。
【0007】
図1 (a)は、開いた爪21が左ナイフ15に係止し、昇降部材10が上昇させられて上死点に達し、フック41が昇降部材の下段の係合部12に臨んだ状態を示している。
縦針制御装置本体には、爪21、22の後端部を押圧する押圧体31が配置されていて、昇降部材10を上死点側に臨ませる際に押圧体31が爪21、22の後端側の突出片に当接してこれを押し下げ、爪21、22はその枢着部20を支点としてその先端部を外方へ突出させることになる。したがって、上死点に達している昇降部材の爪21、22は、全てその先端部を突出させた状態となる。
なお、押圧体31は、上死点に達する昇降部材の爪の先端を突出させるためのものであるため、上死点又はその手前に配置しておけば良い。
この押圧体31は、バネやゴム等のクッション材を介在させておくことによって、爪との当接時に発生する衝撃を緩和させることができる。
【0008】
フック41が昇降部材10に係止した状態で左ナイフ15が下降しても、昇降部材10は爪21、22を開いたままでその位置を維持するから、経糸の開口状態が維持される((b) 参照)。
上昇してきた右ナイフ15が爪22に当接するが((c) 参照)、その段階でフック41が動作しない場合には、フック41は係合部12に係合したままとなり、右ナイフ15が下降しても昇降部材10は上昇状態を維持し連続して経糸を開口させる。しかし、フック41が係合部12との係合を解除した場合には、昇降部材10の下降が規制されないため、爪22が右ナイフ15に係止した状態で右ナイフ15と共に昇降部材10が下降し、経糸の開口状態が解消されることになる。((d) 参照)。
なお、昇降部材10が下降を開始すると、爪21、22は押圧体31を離れるから、爪は自らの付勢力によって内方へ引っ張られることになるが、右ナイフ15に係止している爪22はそのまま突出状態を維持する。
【0009】
開口しない経糸に対応する昇降部材10は、下降して上段の係合部11にフック41を係合させることになる。フック41が係合した後も右ナイフ15はなおも下降するため、爪22は、右ナイフ15との係止状態が解除され、みずからの付勢力によってその先端が内方へ移動することになる((e) 参照)。
この時、他方の爪21は、すでに内方へ移動しているため、上昇する左ナイフ15と衝突することはない。
【0010】
ところが、昇降部材10が経糸を開口させない(e) の状態にある場合、爪21、22は双方その先端を内方に位置させているため、ナイフ15、15が交互に昇降しても、ナイフが昇降部材に係止することがなくなり、経糸を開口することができなくなる((f) 参照)。そのため、経糸を開口するために、昇降部材10の開口運動をリセットしてやる必要がある。
このリセットは、ナイフ15、15の昇降運動に同期して、装置本体に付設させた昇降板5を瞬間的に昇降させて昇降部材10を昇降し、その上昇時にフック41を動作して係合部11との係合を解除させ((g) 参照) 、そのまま昇降部材10を下降させてこれを下死点に導くことによって行われる。昇降板5の昇降は、カムやソレノイド等を利用して行えば良い。
なお、継続して経糸を開口させない場合には、フック41を動作させる必要はない。
【0011】
昇降部材10の下死点側には、爪21、22先端部を外方へ突出させるための押圧体35が配置させられていて、昇降部材10が下死点に臨む際に爪21、22の先端部側に押圧体35が当接し、その先端部を外方へ突出させるようになっている((h) 参照)。
この押圧体35は、上死点側の押圧体31と同様にバネやゴム等のクッション材を介在させたものを装置本体に固定しておいてもよいが、昇降部材10の下死点到達時の衝撃が小さいことを勘案すると、必ずしもバネやゴム等のクッション材を介在させておく必要はない。
また、この押圧体は、昇降板5と一体化させたものであってもよく、例えば昇降板5に昇降部材10のガイド筒6等の支持ガイドを固定させ(後述の実施形態参照)、昇降板5の昇降時にガイド筒6の上端部が直接爪21、22の先端側に当接してその先端を突出させるように構成してもよい。
なお、押圧体35は、下死点に達する昇降部材の爪の先端を突出させるためのものであるため、下死点又はその手前に配置しておけば良い。
【0012】
リセットされて爪21、22の先端部が突出した状態で右ナイフ15が上昇すると、このナイフ15はそのまま爪22に係止してそのまま昇降部材10を上昇させる。この時、他方の爪21は、押圧体35を離れた段階で弾性体等の付勢手段に引っ張られ、その先端が内方へ移動することになる((i) 参照)。
このように、耐久性の小さいワイヤとプーリーを使用しなくても複動ジャガード機能を発揮することができるから、ジャガードの縦針の制御において、機器の耐久性を確保して動作精度が高めるられることになる。
【0013】
第二の技術的手段は、(ヘ)フックの側壁の外側に揺動中心を形成する軸体を配置し、(ト)フックが昇降部材と係合した状態においてフックの揺動軸芯と先端係合部とを垂直線上に位置させること、である(請求項2参照)。
【0014】
この技術的手段では、フックの揺動はその側壁の外側に配置した軸体を軸芯にして行われ、フックの揺動軸と先端係合部とを垂直線上に位置させた状態で昇降部材に係止するから、フックは垂直状態のまま昇降部材の荷重を受けることができる。
したがって、密集状態に置かれている昇降部材の荷重を垂直方向で受けてフックへの荷重も最小限度となるためその耐久性が確保され、昇降部材を傾斜させるおそれもないから、縦針の制御において正確な動作を行わせることができる。
【0015】
上記の第一及び第二の技術的手段においては、フックを揺動させるための駆動手段として、ソレノイドや圧電アクチュエーターを使用することができる。後者の圧電アクチュエーターとしては、積層型の圧電素子とバイモルフ型の圧電素子を使用することができるが、コスト面や屈曲による変移量の大きさを勘案すると、後者の方が実用的である。
【0016】
第三の技術的手段は、(チ)導電ゴムを介して基板の側縁に沿って形成された複数の端子上に圧電アクチュエーターを並列させ、(リ)圧電アクチュエーター列上に導電板と絶縁部材とを順次積層し、(ヌ)その上に押さえ棒を配置して基板との間で圧電アクチュエーターの端部を挟持したこと、である(請求項3参照)。
【0017】
圧電アクチュエーターを制御するための基板には、その側縁に沿って所定数の端子が形成されていて、その上に導電ゴムを介して圧電アクチュエーターを並列させることによって、基板側から選択的に圧電アクチュエーターへ一方の極の電圧を印加することができる。
並列させられている圧電アクチュエーター列上には、導電板と絶縁部材とを順次積層しその上に押さえ棒が配置されているから、この押さえ棒と基板との間で全ての圧電アクチュエーターの端部が一括して挟持され、基板と圧電アクチュエーターとを簡便な作業で一体化させることができる。
また、導電板には常時他方の極の電圧を印加しておくことになるから、基板側から一方の極の電圧を選択的に印加することによって、その圧電アクチュエーターが動作させられることになる。
この絶縁部材としてゴムや樹脂などからなる軟質の絶縁部材を使用すると、導電ゴムは基板の端子表面と圧電アクチュエーターの裏面を保護し、軟質絶縁部材は圧電アクチュエーターの表面を保護することになるから、圧電アクチュエーターの取付部にも耐久性を持たせることができる。
【0018】
この圧電アクチュエーターとしては、第一、二の技術的手段と同様に積層型の圧電素子やバイモルフ型の圧電素子を使用することができる。
押さえ棒は、断面円形のものを使用することか望ましいが、少なくとも圧電アクチュエーター側に丸みを持たせて電圧を印加した際の屈曲を円滑に行えるようにしておくことが望ましい。なお、絶縁ゴムについても、その柔軟性にもよるが、丸みを持たせておくことが望ましい。
【0019】
上述した第一の技術的手段、第二の技術的手段及び第三の技術的手段は、その二つ又は全部を組み合わせてジャガード機の縦針制御を行わせることができるのは勿論である(請求項4参照)。
【0020】
圧電アクチュエーターはフックを揺動させるものであるため、フックと適正な位置で接触させて応答スピードの均一化を図る必要がある。
基板の端縁から支持片を延設させると共に圧電アクチュエーターの裏面と支持片との間に絶縁部材を介装すると、圧電アクチュエーターは固定部の前方においてその裏面が支持されることになる。そこで支持片の裏面からネジを螺入させると、その先端で絶縁部材を介して圧電アクチュエーターを押圧することができるから、その角度を調節して圧電アクチュエーターの姿勢を補正することができる(請求項5参照)。
なお、圧電アクチュエーター保護の観点からは、この絶縁部材として前記と同様に軟質の絶縁部材を使用することが望ましい。
【0021】
基板上の端子に対応して導電部と絶縁部を交互に配置させた一枚のゴム板を使用すると、このゴム板を基板上に配置して順次圧電アクチュエーターを配列することができるから、その上に絶縁ゴム板と押さえ棒を配置するだけで、極めて効率的に圧電アクチュエーターを取りつけることができる(請求項6参照)。
なお、この場合導電部分に圧電アクチュエーターの端部を載置乃至装入するための凹溝を形成しておけば、より一層取付時の効率化を図ることができる。
【0022】
なお、昇降部材に異なる高さで経糸を開口させるための係合部材を付設しておくと、異なる開口量で経糸を開口させることができる(請求項7参照)。
この場合、付設する係合部材は、着脱可能にしておくことが望ましい。
【0023】
以上のように、上記の技術的手段では、プーリーとワイヤーを使用しなくても、従来の複動ジャガードと同様の動作精度と耐久性を得ることができるから、装置全体が発熱して誤動作を誘発したり、ワイヤの耐久性の欠如に伴う経糸の開口停止等に伴う織物の模様崩れが発生するおそれがなくなり、綺麗で高品質の織物を製織できる利点がある。
また、制御部品の数が少なくなるため、縦針制御装置自体の小型化・軽量化を図れる利点もある。
【0024】
【実施の形態】
次に、図面を参酌しながら上記技術的手段の実施の形態について説明する。
昇降部材10の動作状況の概要についてはすでに説明しているので、以下には主として制御装置の構成について説明する。
昇降部材10の上部は、装置本体に着脱可能に取りつけた板部材2に穿設したスリット3を貫通している。昇降部材10の下部には縦針1との間に段部4が設けてあって、昇降板5に穿設したスリット7を貫通する昇降部材10はこの段部4を利用して昇降板5に支えられている。この昇降体5は、装置本体に上下運動を可能にして支持させてあって、リセット時の昇降運動を行うが、昇降板5のスリットの周囲には、昇降部材を案内するためのガイド筒6が取りつけてあって、この昇降運動を安定状態で行えるようになっている。
なお、上記の板部材2は、各行ごとに独立させてあって、各行ごとに高さの調整が行えるようにしている。
【0025】
図2は、昇降部材10の最前列を示したもので、各昇降部材の背面側に多数の昇降部材が並んでいて、各行ごとに図5に示す制御基板と昇降部材に対応させたフックとが配置されている。
ナイフ15、15は、それぞれの昇降部材ごとに左右一対ずつ配置してもよいが、この実施形態では、昇降部材10、10の間に一つのナイフ15を配置してそれを左右の昇降部材の昇降に兼用させている。ナイフ15は単に昇降部材10を昇降させるためだけのものであるため兼用しても製織には影響はなく、逆にジャガード機をコンパクトにできる利点がある。
なお、前者の昇降部材ごとに左右一対ずつ配置したナイフのいずれか一方、或いは後者の兼用させているナイフの奇数番目若しくは偶数番目のナイフを休止させた状態で制御装置を動作させた場合には、単動ジャガード機と同じ機能を発揮し、経糸を制御することができる。
【0026】
昇降部材10の中間部に枢着される爪21、22は、この実施形態では、図3に示した構成のものを採用している。各爪は、後端部側の突出片に突起23、24を、先端側に突起25、26をそれぞれ突出させてあり、枢着部20を中心にして揺動するように構成している。爪21の先端部の正面及び爪22の先端部の背面には、その下方で昇降部材10に設けた係止突起との間で図示しないコイルバネを掛け渡すための係止突起28、27が突出させてあり、爪21、22を常時内方へ引っ張るようにしている。
各爪には内方へ付勢した状態で互いに他方の爪に当接させるストッパー29、29が突設してあって、爪の動作を迅速に行わせるために、爪の先端が極端に内方へ寄らないように規制している。
【0027】
押圧体31は、板部材2の下面に固定してあり、支持部33の下面にバネ34を介して押圧部材35を突出させている。押圧部材35は、昇降部材10が上死点に到達する際に爪21、22の突起23、24に当接し、付勢力に抗して爪を揺動させ、その先端を昇降部材の外側へ突出させることになる。
勿論、押圧体の下面を二股状に形成する等して、直接突片を押圧するように構成することも可能である。
【0028】
フック41は、各昇降部材の行を一単位として制御基板43を配置してフック41の動作を制御している。
ケーシング42内に固定した制御基板43の下縁に沿って配列させた端子にはバイモルフ型の圧電素子が取りつけてあって、これをアクチュエーター44としている。
フック41は図6に示したように、両側に軸体45、45が突設してあって、ケーシング42内に取りつけて上向きに開口させた支持凹部(図5では一方の凹部のみ見えている)46内に軸体45を位置させて揺動するようにしている。
この実施形態では、フック41の頭部には受入凹部47が形成してあって、アクチュエーター44の下端部を凹部47内に臨ませている。図5は、電圧を印加してアクチュエーター44を右方向に揺動させ、フック41が軸体45を揺動中心として下端部を左方向へ変位させた状態、すなわちフック41が昇降部材10の係合部に係合している状態を示している。
【0029】
図2及び図5から明らかな様に、フック41はその揺動中心である軸体45と先端係合部とを垂直線上に位置していて、昇降部材10の昇降に際しては、その荷重はフック41の軸芯の真下に掛かっている。
また、ナイフ15は、昇降部材10の真横から係合部と向かい合った状態で揺動することになるため、フックの先端部と係合部とが常時向き合うことになり、互いにその先端部同志が僅かに引っ掛かることによって、確実に係合できることになる。
【0030】
アクチュエーター44は、基板43の端子との間に導電ゴム52を介在させてあって、基板側から選択的に−極の電圧を印加するようにしている。この実施形態では、図8に示したように、導電ゴム52と絶縁ゴム59とを交互に配置すると共に導電ゴム52を端子の位置に対応させた一本のゴム板60を使用し、これを導電部52を端子上に位置させて重ね合わせ、次いで導電ゴム52上にアクチュエーター44を重ね、取り付けを簡便に行えるようにしている。
アクチュエーター列上には一枚の薄肉銅板58を積層して常時+極の電圧を印加ささせてあり、さらにその銅板58上に一本の絶縁ゴム53を置いてその外側から断面円形の棒体54で押圧し、アクチュエーター44を挟持させている。
したがって、その状態で基板側からの電圧の印加を制御することによってアクチュエーター44、44を選択的に動作させることになる。
【0031】
この実施形態では、基板43の下縁から庇片56を延設すると共にアクチュエーター44と庇片56との間に絶縁ゴム55を介在させ、庇片56に螺入したネジ57によって各アクチュエーター44の取付角度の微調整を行える様にしているから、フック頭部の凹部47内に臨ませたアクチュエーター44の角度を正確に設定することができ、電圧の印加に伴うフック41の動作を正確に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】昇降部材の動作原理を示すための概念図
【図2】ジャガード機の要部正面図
【図3】爪の正面図
【図4】爪の突片を押圧する押圧体の正面図
【図5】フック制御部の正面図
【図6】フックの左側面図
【図7】アクチュエーター取付部の要部拡大図
【図8】導電ゴムの平面図
【符号の説明】
1縦針、 2昇降部材を案内する板部材、 3、4スリット、 4昇降部材の段部、 5リセットするための昇降板、 6ガイド筒、 10昇降部材、 11、12昇降部材の係合部、 15ナイフ、 20爪の枢着部、 21、22爪、 23、24、25、26爪の突起、 31、35押圧体、 41フック、 42ケーシング、 43制御基板、 44圧電アクチュエーター、 45フックの軸体、 46フックの軸体の支持凹部、 52導電ゴム、 53、55絶縁ゴム

Claims (7)

  1. 下端部に縦針を備えた昇降部材を昇降可能な状態で装置本体内に並列し、昇降部材をその左右で交互に昇降するナイフに係止させて昇降し、駆動手段によってフックを揺動させて昇降部材に係合する位置と係合しない位置とに切り換え、ナイフと共に下降する昇降部材と下降しない昇降部材とを選択することによって経糸を開口させるようにしたジャガード機の縦針制御装置において、経糸の開口量に対応して昇降部材にフックとの係合部を上下二段に設け、下向きでの揺動を可能とした左右一対の爪を昇降部材に枢着すると共に爪の先端部を内方へ付勢し、装置本体には昇降部材を上死点側に臨ませる際に爪の後端部に当接してその先端部を外方へ突出させる押圧体と昇降部材を下死点側に臨ませる際に爪の先端部側に当接してその先端部を外方へ突出させる押圧体とを配置すると共に、次の開口運動の直前に昇降部材をリセットするためにわずかに昇降させる昇降板を配置したジャガード機の縦針制御装置。
  2. 下端部に縦針を備えた昇降部材を昇降可能な状態で装置本体内に並列し、昇降部材をその左右で交互に昇降するナイフに係止させて昇降し、駆動手段によってフックを揺動させて昇降部材に係合する位置と係合しない位置とに切り換え、ナイフと共に下降する昇降部材と下降しない昇降部材とを選択することによって経糸を開口させるようにしたジャガード機の縦針制御装置において、フックの側壁の外側に揺動中心を形成する軸体を配置し、フックが昇降部材と係合した状態においてフックの揺動軸芯と先端係合部とを垂直線上に位置させるジャガード機の縦針制御装置。
  3. 下端部に縦針を備えた昇降部材を昇降可能な状態で装置本体内に並列し、昇降部材をその左右で交互に昇降するナイフに係止させて昇降し、駆動手段によってフックを揺動させて昇降部材に係合する位置と係合しない位置とに切り換え、ナイフと共に下降する昇降部材と下降しない昇降部材とを選択することによって経糸を開口させるようにしたジャガード機の縦針制御装置において、導電ゴムを介して基板の側縁に沿って形成された複数の端子上にフックを揺動させるための圧電アクチュエーターを並列させ、圧電アクチュエーター列上導電板及び絶縁部材を順次積層しその上に押さえ棒を配置して基板との間で圧電アクチュエーターの端部を挟持したジャガード機の縦針制御装置。
  4. 請求項1、2及び3に記載の縦針制御装置の二つ又は全部を組み合わせてなるジャガード機の縦針制御装置。
  5. 基板の端縁から支持片を延設すると共に圧電アクチュエーターの裏面と支持片との間に絶縁部材を介装し、支持片に螺入させたネジの先端で圧電アクチュエーターを押圧してその角度を調節するようにした請求項3又は4に記載のジャガード機の縦針制御装置。
  6. 基板と圧電アクチュエーターとの間の導電ゴムが、基板上の端子に対応して導電部と絶縁部を交互に配置させた一枚のゴム板で形成してある請求項3、4又は5のいずれかに記載のジャガード機の縦針制御装置。
  7. 昇降部材に異なる高さで開口させるための係合部材を着脱可能に付設した請求項1乃至6のいずれかに記載のジャガード機の縦針制御装置。
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