JP3600356B2 - 計量器付き粉粒体容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は計量器付き粉粒体容器であって、その容器を横方向回りに転回することによって反転または傾けることで、収納した粉粒体を所定量だけ振り出すことができるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
計量器付き粉粒体容器としては、実開平3‐100183号公報、実開平1‐122453号公報、実開昭55‐176121号公報等に開示されたものが挙げられる。
【0003】
それらの容器は、粒状洗剤等の粉粒体の収納に用いられる容器本体と、その容器本体の上部に設けられる計量器体とを備え、その容器本体は、その計量器体の下方に位置する粉粒体収納空間を囲む胴部を有し、その計量器体は、その収納空間内の粉粒体の振出口を有する。その計量器体は、計量室と、仕切りによって区画された流入側空間と排出側空間とを有する。
【0004】
その収納空間内の粉粒体は、その容器を一横方向回りに転回させると、その流入側空間に流入する。
次に、その容器を正立状態に戻すと、その計量器体に流入した粉粒体は流入側空間から計量室へ移動し、その計量室から所定量を超える粉粒体は粉粒体収納空間に落下し、一定量の粉粒体が計量室に一時保留される。
次に、その容器を再び一横方向回りに転回させると、その計量室に一時保留された粉粒体が所定量だけ排出側空間を通って振出口から振り出され、同時に、次回の振り出し準備のために収納空間内の粉粒体が流入側空間に流入する。
これによって、所定量の粉粒体を容器を転回させる毎に振り出すことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記容器の材質としては、収納物が例えば吸湿性の高い粒状洗剤のような粉粒体である場合、透湿性の高い紙等を用いることはー般には行われず、耐吸湿性が高く、ブロー成形等に適する成形性の良いポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂が用いられる。
【0006】
そのような合成樹脂をブロー成形等して容器を得る場合、近年の省資源化傾向のため、容器の肉厚を薄くして樹脂量を削減することが要求されている。しかしながら、上記のような計量器付き粉粒体容器を、肉厚の薄い合成樹脂製とした場合、以下のような不具合が生じる。
【0007】
即ち、上記従来の容器を一横方向回りに転回させることで粉粒体を振り出すに際しては、使用者は通常は容器本体の胴部を手指にて把持し、その胴部と手指との間の摩擦により容器に落下抵抗を作用させている。
そのため、その把持力により胴部に圧縮力が作用し、その圧縮力により肉厚の薄い合成樹脂製の容器本体は弾性変形してしまう。
その弾性変形により容器本体の内圧が上昇し、容器本体内の空気が容器外へ排出される。その容器外への空気排出は、計量器体の内部を経由して振出口から行われる。
その空気排出が粉粒体の振り出し時に生じると、その計量器体から本来的に振り出される所定量の粉粒体だけでなく、次回の振り出し時に振り出されるべき粉粒体までもが空気と同伴して振出口から排出される。これにより、振り出される粉粒体を正確に計量できないという問題が発生する。
【0008】
そこで、容器本体に取っ手を設けることで、容器本体を弾性変形させることなく保持可能とし、振り出し時における容器本体からの空気排出をなくすことが考えられる。しかし、容器本体に取っ手を設けると、必要以上に容器が大型化するため、運送コストが増大したり、大きな収納スペースが必要になるという問題がある。
【0009】
本発明は上記課題に鑑み、所定量の粉粒体を正確に振り出せる計量器付き粉粒体容器を、容器を不必要に大型化することなく提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、粉粒体の収納に用いられる容器本体と、その容器本体に設けられる計量器体とを備える計量器付き粉粒体容器であって、その容器本体は粉粒体収納空間を囲む弾性変形可能な胴部を有し、その計量器体は粉粒体の振出口を有し、その収納空間内の粉粒体は計量器体内部に一時保留可能とされ、その一時保留された粉粒体は、その容器本体を一横方向回りに転回させた状態で振出口から振り出し可能とされているものにおいて、その一横方向に関し相対向する胴部の側壁部それぞれに、両側壁部を介して転回された容器を保持する手指が引っ掛かり可能な容器保持部が、その引っ掛かりによって容器に落下抵抗を作用させることができるように設けられていることを特徴とする。その計量器体が容器本体の上部に設けられ、その計量器体の下方に粉粒体収納空間が位置する場合に、本発明の効果が顕著なものになる。
【0011】
従来の計量器付き粉粒体容器では、胴部と手指との間の摩擦のみにより容器に落下抵抗を作用させるため、その胴部に大きな把持力を作用させて胴部と手指との間の摩擦を大きくする必要がある。そのため、粉粒体の振り出し時にも容器本体に大きな弾性変形が生じ、振出口から空気と共に粉粒体が排出される。
これに対し、本発明の構成によれば、一横方向に関し相対向する胴部の両側壁部を介して容器を手指にて保持し、その一横方向回りに容器を転回させて粉粒体を振り出す際には、その手指を各側壁部それぞれに設けた容器保持部に引っ掛けることができる。その手指と容器保持部との引っ掛かりにより、容器に落下抵抗を作用させることができるので、胴部と手指との間の摩擦を従来のような大きなものにする必要がない。これにより、粉粒体の振り出し時点における胴部の把持力を小さくし、容器本体の肉厚を大きくすることなく容器本体の弾性変形を低減し、振出口から空気と共に粉粒体が排出されるのを防止できる。
【0012】
本発明における容器保持部は、転回された容器を保持する手指が下方から引っ掛かり可能な面により構成されるのが好ましい。特に、その胴部の両側壁部それぞれが周囲部分よりも容器内側に凹んだ部分を有し、その凹んだ部分の一部が容器保持部とされているのが好ましい。これにより、胴部の外表面により容器保持部を簡単に構成できる。
【0013】
さらに、その容器保持部を構成する面の少なくとも一部は、転回された容器を保持する手指により押し付けられる面よりも粗面とされているのが好ましい。これにより、その手指と容器保持部との引っ掛かりにより容器に作用する落下抵抗を大きくし、容器本体の肉厚をより小さくすることができる。
【0014】
その胴部の底壁部の肉厚は、その胴部の側壁の肉厚よりも厚くされているのが好ましい。これにより、容器本体を合成樹脂のブロー成形により得る場合に、その底壁部の強度を確保することができる。
【0015】
その容器本体は合成樹脂により容積が800〜1200mlとなるように成形され、その樹脂量は35〜70gであるのが好ましい。これにより、容器本体の肉厚を薄くして省資源化を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図10を参照して本発明の計量器付き粉粒体容器の第1実施形態を説明する。
【0017】
図1、図2、図3及び図4に示す計量器付き粉粒体容器Aは、高密度ポリエチレン(HDPE)をブロー成形して得た粉粒体収納用容器本体1と、容器本体1の上部開口部13に取り付けられる計量器体2とで構成されている。その計量器体2は容器未使用時に容器本体1の栓として機能する。
【0018】
その容器本体1は、その計量器体2の下方に位置する粉粒体収納空間を囲む弾性変形可能な胴部12と、図7にも示す上記開口部13を形成する頸部14とを有する。なお、その頸部14の外周には、上記計量器体2をねじ合わせて取り付けるための雄ネジ14aが設けられている。
【0019】
その胴部12は、底壁部11と、その底壁部11の周囲から上方に伸びる前後左右の側壁部12a、12b、12c、12d(図3において下側を左、上側を右、左側を前、右側を後とする)とで構成されている。尚、後側壁部12dの上部は前方に向かい傾斜し、これにより、上記開口部13は前側壁部12c側に偏って配置されている。
【0020】
図5にも示すように、その左右側壁部12a、12bそれぞれは、周囲部分よりも容器内側に凹んだ部分を有し、その中でも最も凹んだ部位が把持部15a、15bとされ、各把持部15a、15bが、容器Aを保持する手指Fによって押し付けられる面となる。
そして、その凹んだ部分の後方側の部位であって、把持部15a、15bと後側壁部12dとの間において後方に向かうに従い容器外側に向かう斜面が、容器保持部16a、16bとされている。後述のように、粉粒体の振り出しのために転回された容器Aを左右側壁部12a、12bの把持部15a、15bを介して保持する手指Fが、各容器保持部16a、16bに、下方から引っ掛かり可能とされている。その引っ掛かりによって、その胴部12と手指Fとの間の摩擦によらずして、容器Aに落下抵抗を作用させることが可能とされている。
各容器保持部16a、16bに、容器本体1の高さ方向に沿う4本の稜線17aと、各稜線17aの間の3つの谷部17とで構成される凹凸が設けられている。これにより、各容器保持部16a、16bは各把持部15a、15bよりも粗面とされ、その手指Fと両容器保持部16a、16bとの引っ掛かりにより容器Aに作用する落下抵抗を大きくし、粉粒体の振り出しの際の容器Aの保持性を高めることができる。なお、各容器保持部16a、16bを各把持部15a、15bよりも粗面とする上では、その凹凸に代えて、複数の突起や環状突起等を容器保持部16a、16bの表面に適宜設けてもよい。
【0021】
その容器本体1をブロー成形によって得る際、容器本体1の満量入れ目すなわち容積は、本実施形態では1000mlとされ、樹脂量は45〜60gとされる。その容器本体1の容積は800〜1200mlで、樹脂量は35〜70gとするのが好ましい。この樹脂量は、従来のブロー成形法による場合に使用される量より少なくされている。このような従来よりも少ない樹脂量で、実用に供し得る容器本体1を得るため、容器本体1は以下の工夫をして成形される。
【0022】
即ち、ブロー成形法は、まず溶融させた合成樹脂を円筒状に押し出してパリソンを得、次いで、そのパリソンを一対の金型で挟み込み、しかる後に、そのパリソン内にエアーを吹き込むことで、そのパリソンを延伸させて金型の内壁に馴染ませて所望の形状に成形する方法である。このブロー成形法により容器本体1のように有底形状のものを成形する場合、円筒状のパリソンの下方部分を一対の金型で挟み込むことで、そのパリソンの下方部分の相対向する側面部位を溶着させて溶着部を形成し、しかる後に、そのパリソン内にエアーを吹き込むことで底壁部11を有する容器本体1を成形する。
【0023】
よって、ブロー成形法において単に樹脂量を削減した場合、容器本体1全体にわたって各部位の肉厚が薄くなる。しかし、容器本体1の底壁部11は、上述のようにパリソンの下方部分に溶着部を形成した後にエアー吹込みして成形されることから、胴部12における底壁部11の肉厚を前後左右の各側壁部12a、12b、12c、12dと同じ肉厚に設定した場合、その溶着部の接着強度が弱くなって実用に供し得なくなる。
【0024】
そのため、その溶着部に充分な強度を持たすため、底壁部11(特に溶着部)の肉厚を各側壁部12a、12b、12c、12dよりも厚くしている。このように、底壁部11の肉厚を各側壁部12a、12b、12c、12dよりも厚く設定することは、樹脂量を削減して肉厚の薄い容器本体1を成形する場合に特に有効である。
【0025】
尚、その溶着部を厚くする方法としては、底壁部11に相当するパリソンの肉厚を厚くすることや、パリソンを挟み込む際に充分な肉厚の溶着部を形成するように、一対の金型の形状を調整すること等が挙げられる。
【0026】
次に、計量器付き粉粒体容器Aとして好適な容器本体1の肉厚分布について説明する。
【0027】
容器本体1をブロー成形により得る際に用いられるパリソンの肉厚は、一般的にその軸方向位置が同一部分では均一である。そのため、成形される容器本体1の肉厚は、パリソンの軸方向の各位置における肉厚と、パリソンのエアー吹き込みによる延伸割合とによって決まる。従って、パリソンの軸方向の各位置における肉厚、パリソンの直径、パリソンの金型に対するセット位置を適宜選択することにより、容器本体1に所望の肉厚を付与することができる。尚、本実施形態の容器本体1を成形するために、容器本体1の開口部13が前側壁部12c側に偏って配置される関係上、パリソンの金型に対するセットを前側壁部12c側に偏らせた位置にしている。
【0028】
図5、図6に示すように、前側壁部12cの肉厚t1、後側壁部12dの肉厚t2、左側把持部15aおよび左側容器保持部16aを除く左側壁部12aにおける肉厚t3、右側把持部15bおよび右側容器保持部16bを除く右側壁部12bにおける肉厚t4、左側把持部15aの肉厚t5、および右側把持部15bの肉厚t6は、以下の関係に設定されている。
【0029】
t2<t3=t4≦t1<t5=t6
【0030】
これにより、容器Aから粉粒体を振り出す前に、手指Fにより把持部15a、15bを把持して容器Aを持ち上げる際には、その把持部15a、15b周辺の把持部15a、15bよりも肉厚の薄い部分が弾性変形する。すなわち、把持部15a、15bは全体が容器内側に向かい変位し、胴部12内の粉粒体を押圧する。これにより、長期保管等により胴部12内の粉粒体にブロッキング(一時的に固化され流動性が低下する現象)が生じている場合に、そのブロッキングを崩して粉粒体の流動性を回復させることができるので、計量器体2による後述の正確な計量に寄与できる。なお、この時点では容器Aは転回されておらず、粉粒体の振出口27からの空気と同伴した排出が問題になることはない。
尚、肉厚t1、t2、t3、t4の関係は上記に限定されるものではなく、肉厚t5、t6よりも厚くすることで、粉粒体のブロッキングを崩して上述の効果を得ることができる。
【0031】
また、上記容器保持部16a、16bの肉厚は、把持部15a、15bとの境界においてはt5、t6であり、後側壁部12dとの境界においてはt2であり、前方から後方に向かうに従い次第に減少するものとされている。
この容器保持部16a、16bの肉厚は、転回された容器Aを保持する手指Fの引っ掛かりより容器Aに落下抵抗を作用させる際に、反力により変形しない強度を得ることができるように設定されている。その容器Aに落下抵抗を作用させる際に容器保持部16a、16bに作用する反力は、粉粒体の振り出し前に容器Aを持ち上げる際に把持部15a、15bに作用する荷重よりも小さく、容器Aの自重と収納された粉粒体の重量との和以下となる。
また、本実施形態においては、容器保持部16a、16bに設けた稜線17aと谷部17とで構成される凹凸により、容器保持部16a、16bを補強することができる。これにより、容器保持部16a、16bを上記反力により変形しない強度とする上で、胴部12の他の部位の肉厚を不必要に厚くしなくてもよくなり、樹脂量を削減できる。
【0032】
図8、図9の(1)、(2)に示すように、底壁部11における溶着部11aを除く肉厚t7、および溶着部11aの肉厚t8は、上述の如く各側壁部12a、12b、12c、12dの肉厚t1〜t6よりも厚くしている。図8に示す溶着部11aの両側の肉溜まり部11bは、パリソンの下方部分の溶着部の両端に対応する部分であり、その部分の接合を完全にすることが重要であることから、底壁部11における肉厚t7、t8が厚くされる。
その底壁部11の中央は、容器本体1の設置安定性をよくするために上に凸とされている。
また、容器本体1の肉厚バランスを取り易くするために、パリソンの直径は大きいことが好ましく、特に収納物が液体である場合に起こり得る容器の環境割れ(ESC)に対しても、図8に示す如く、肉溜まり部11bを、底壁部11の角部を避けて、前側壁部12cと後側壁部12dとに近い所に位置させるのが好ましい。
溶着部11aは、その上面がV字状に形成されると容器落下等の衝撃力による応力集中を生じるため、少なくともU字状に、さらには平面状または上に凸状に形成するのが好ましい。
底壁部11、特に溶着部11aの強度を高めるために、図9の(2)に示すように溶着部11aの下方から突出するリブ11a′を形成するのが好ましい。なお、図8においては溶着部11aを明確化するためにリブ11a′は図示省略している。
【0033】
上述の容器本体1の各部位の肉厚の関係を纏めておくと、t2<t3=t4≦t1<t5=t6<t7≦t8となる。例えば、底壁部11の溶着部11aの肉厚t8(リブの部分を除く)を1とすると、前側壁部12cの肉厚t1は0.5〜0.9、後側壁部12dの肉厚t2は0.3〜0.7、左右側壁部12a、12bの肉厚t3、t4は0.4〜0.8、把持部15a、15bの肉厚t5、t6は0.6〜0.95となるように成形するのが好ましい。また、例えば容器本体1が800〜1200mlの満量入れ目で、収納される粉粒体が嵩密度600g/ml以上の粒状洗剤である場合、底壁部11の溶着部11aの肉厚t8を1.0〜3.5mmに成形するのが好ましく、さらに、1.2〜2.5mmに成形するのが好ましい。
【0034】
上記計量器体2は、粉粒体として例えば20g以下の粒状洗剤を計量する機能を有するもので、図7に示す如く、容器本体1の頸部14の外周にねじ合わされる外筒21と、この外筒21に一体化される内筒22と、この内筒22の下部に上下位置変更可能に嵌合される有底の可動筒23とを有する。その可動筒23の内筒22に対する上下動により、計量する粉粒体Sの量を変更することが可能とされている。
その内筒22は、上記容器本体1の開口部13に嵌め合わされることで、容器本体1内の粉粒体が開口部13から流出するのを防止する。
【0035】
その内筒22の上下間の後部側(容器本体1の後側壁部12d側)の半周部分に、流入口22aが設けられている。これにより、容器Aを左右横方向回りに転回させて上下反転または傾けることにより、その流入口22aから容器本体1内の粉粒体を計量器体2内に流入させることができる。
【0036】
また、その内筒22内には仕切り24が設けられている。その仕切り24は、上端が外筒21の上端に至り、下端が上記流入口22aの下方であって内筒22の下端上方まで至ることで、計量器体2の内部の上方部分を、粉粒体を計量のために計量器体2内に流入させるための後方側の流入空間25と、その流入空間25から計量器体2に流入されて一時貯留された粉粒体を排出させるための前方側(容器本体1の前側壁部12c側)の排出空問26とに仕切っている。尚、その流入空間25の容積は、計量器体2において一時貯留される粉粒体Sの体積よりも大きく設定されている。
【0037】
その排出空間26の上端に相当する外筒21の箇所に、粉粒体Sを振り出すための振出口27が設けられ、さらに、この振出口27を開閉するヒンジ式の蓋28が外筒21に設けられている。尚、その蓋28には、閉じたときに振出口27に嵌まり込む環状凸部28aが設けられており、容器Aの未使用時の気密性を高めている。このことは、計量精度に影響を与える粉粒体Sの流動性を維持する面から、粉粒体Sが吸湿性のあるもの、或いは湿気を嫌うものの場合について特に有効である。
【0038】
また、その排出空間26の上方部分26aは、振出口27から下方に向かうに従い容器本体1の前側壁部12cに向かうように、その仕切り24と外筒21の形状が設定されている。
【0039】
上記計量器体2によれば、図10に示すように容器Aを左右横方向回りに転回させ、振出口27と前側壁部12cとが下方を向くように傾けると、容器本体1内の粉粒体Sが流入口22aから流入空間25に流入する。ここで、その流入空間25の容積は、上述の如く計量器体2において一時貯留される粉粒体Sの体積より多くなるように設定しているため、図6に示す如く容器Aを正立状態に戻すと、計量器体2に一時貯留される量を超える粉粒体Sは流入口22aから胴部12内に流出し、残りの一定量の粉粒体Sが流入口22aより下方の内筒22内に一時貯留される。次に、容器Aを再び左右横方向回りに転回させると、前回操作で内筒22内に一時貯留された粉粒体Sのうち排出空間26に至るもの、即ち所定量の粉粒体Sが振出口27から振り出され、同時に胴部12内の粉粒体Sが次の計量のために流入口22aから流入空間25に流入する。
【0040】
ここで、上述の如く、排出空間26の上方部分26aは振出口27から下方に向かうに従い前側壁部12c側に向かうように設定されているので、計量された粉粒体Sを完全に振り出すには、その排出空間26の上方部分26aが鉛直方向に沿うように、容器Aの傾き量を充分に大きくする必要がある。これにより、胴部12内の粉粒体Sが少なくなった揚合においても、胴部12内の粉粒体Sを流入口22aに集めることができ、粉粒体Sを容器本体1内に残すことなく容器外へ振り出すことができる。
【0041】
上記実施形態の容器Aによれば、左右側壁部12a、12bの周囲部分よりも容器内側に凹んだ部分の後方側の部位であって、把持部15a、15bと後側壁部12dとの間において後方に向かうに従い容器外側に向かう斜面が容器保持部16a、16bとされている。よって、その左右側壁部12a、12bを介して容器Aを手指Fにて保持し、左右横方向回りに容器Aを転回させて粉粒体Sを振り出す際には、その手指Fを左右容器保持部16a、16bに下方から引っ掛けることができる。その手指Fと容器保持部16a、16bとの引っ掛かりにより、容器Aに落下抵抗を作用させることができるので、胴部12の左右把持部15a、15bと手指Fとの間の摩擦を大きなものにする必要がない。これにより、粉粒体Sの振り出し時点における胴部12の把持力を小さくし、容器本体1の肉厚を大きくすることなく容器本体1の弾性変形を低減し、振出口27から空気と共に粉粒体Sが排出されるのを防止でき、正確に所定量の粉粒体Sを振り出すことができる。また、その容器保持部16a、16bを胴部12の外表面により簡単に構成できる。さらに、その容器保持部16a、16bを構成する面は、稜線17aと谷部17とで構成される凹凸が形成されることで、手指Fにより押し付けられる把持部15a、15bよりも粗面とされているので、手指Fとの引っ掛かりにより容器Aに作用する落下抵抗を大きくし、容器本体1の肉厚をより小さくすることができる。
【0042】
その容器本体1をブロー成形により得る場合に、その胴部12の底壁部11の肉厚を、その胴部12の側壁部12a、12b、12c、12dの肉厚よりも厚くすることで、その底壁部11の強度を確保している。
【0043】
さらに、その容器本体1は合成樹脂により容積が800〜1200mlとなるように成形され、その樹脂量は35〜70gであるので、容器本体1の肉厚を薄くして省資源化を図ることができる。
【0044】
図11〜図14は、第2実施形態の粉粒体容器A′を示す。この第2実施形態の粉粒体容器A′の容器本体1′の横断面形状は、上記第1実施形態の粉粒体容器Aの容器本体1の横断面形状と異なったものとされている。以下、その相違点を説明する。
【0045】
第1実施形態の胴部12の平面視においては、底壁部11から立ち上がる後側壁部12dは略半円に近い円弧に沿い、その円弧よりも曲率の小さな円弧に前側壁部12cの平面視形状が沿う。これに対し、第2実施形態の胴部12′の平面視においては、前側壁部12c′が略半円に近い円弧に沿い、その円弧よりも曲率の小さな円弧に後側壁部12d′が沿う。
また、第1実施形態の左右側壁部12a、12bの周囲部分よりも容器内側に凹んだ部分においては、最も凹んだ把持部15a、15bから前側壁部12cに向かうに従い容器外側に向かう斜面は、その把持部15a、15bと後側壁部12dとの間において後方に向かうに従い容器外側に向かう斜面、すなわち容器保持部16a、16bよりも、その傾きが急なものとされている。これに対し、第2実施形態の左右側壁部12a′、12b′の周囲部分よりも容器内側に凹んだ部分においては、最も凹んだ把持部15a′、15b′と後側壁部12d′との間において後方に向かうに従い容器外側に向かう斜面、すなわち容器保持部16a′、16b′が、その把持部15a′、15b′から前側壁部12c′に向かうに従い容器外側に向かう斜面よりも、その傾きが急なものとされている。
すなわち、第2実施形態の容器本体1′の横断面形状は、第1実施形態の容器本体1の横断面形状を前後反転させた形状とされている。これにより、第2実施形態の容器保持部16a′、16b′は第1実施形態の容器保持部16a、16bよりも傾きが急なものとなっている。また、第2実施形態の把持部15a′、15b′と後側壁部12d′との前後距離は、第1実施形態の把持部15a、15bと後側壁部12dとの前後距離よりも短くなっている。また、第2実施形態の後側壁部12d′の曲率は、第1実施形態の後側壁部12dの曲率よりも小さくなっている。
【0046】
この第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、容器A′を手指Fにて保持し、左右横方向回りに容器A′を転回させて粉粒体Sを振り出す際に、その手指Fを左右容器保持部16a′、16b′に下方から引っ掛けることができる。その第2実施形態の容器保持部16a′、16b′と手指Fとの引っ掛かりは、上記のように第2実施形態の容器保持部16a′、16b′は第1実施形態の容器保持部16a、16bよりも傾きが急であるので、第1実施形態の容器保持部16a、16bと手指Fとの引っ掛かりよりも、滑りの生じにくい確かなものになる。これにより、胴部12′の左右把持部15a′、15b′と手指Fとの間の摩擦をより小さなものにでき、粉粒体Sの振り出し時点における胴部12′の把持力を小さくし、容器本体1′の弾性変形を低減できる。
また、第2実施形態の把持部15a′、15b′と後側壁部12d′との前後距離が、第1実施形態の把持部15a、15bと後側壁部12dとの前後距離よりも短く、第2実施形態の後側壁部12d′の曲率が第1実施形態の後側壁部12dの曲率よりも小さいので、手指Fにて把持部15a′、15b′を把持した場合、容器本体1′に左右から作用する力による後側壁部12d′に作用する曲げモーメントは、第1実施形態よりも小さくなる。これにより、容器本体1′の弾性変形を低減できる。
すなわち、第2実施形態によれば、振出口27から空気と共に粉粒体Sが排出されるのをより確実に防止し、正確に所定量の粉粒体Sを振り出すことができる。
【0047】
なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、その容器保持部16a′、16b′に凹凸等を形成して把持部15a′、15b′よりも粗面としてもよい。他は第1実施形態と同様で、同一部分は同一符号で示す。
【0048】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されない。例えば、計量器体としては、従来の技術に挙げたもの以外に、実開昭58‐65280号公報、実開昭61‐43176号公報、実開昭62‐108256号公報、特開平3‐45859号公報に開示されているように、振出口が容器の上面中央に設けられているものや、実開昭55‐164167号公報、実開昭58‐53086号公報に開示されているように、振出口が容器の上部側面に形成されているもの等であってもよい。また、容器保持部を、例えば横方向に平行な面により構成してもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明の計量器付き粉粒体容器によれば、容器を不必要に大型化することなく、所定量の粉粒体を正確に振り出せると共に、合成樹脂から成形する場合に省資源化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の計量器付き粉粒体容器の分解斜視図
【図2】本発明の第1実施形態の計量器付き粉粒体容器の側面図
【図3】本発明の第1実施形態の計量器付き粉粒体容器の平面図
【図4】本発明の第1実施形態の計量器付き粉粒体容器の背面図
【図5】図2のV‐V線断面図
【図6】図2のVI‐VI線断面図
【図7】本発明の第1実施形態の計量器付き粉粒体容器の部分断面図
【図8】本発明の第1実施形態の容器本体の図3におけるVIII‐VIII線方向断面図
【図9】(1)は本発明の第1実施形態の容器本体の図3におけるIX‐IX線方向断面図、(2)は(1)のG部拡大図
【図10】本発明の第1実施形態の計量器付き粉粒体容器の作用説明用部分断面図
【図11】本発明の第2実施形態の計量器付き粉粒体容器の側面図
【図12】本発明の第2実施形態の計量器付き粉粒体容器の平面図
【図13】図11のXIII‐XIII線断面図
【図14】本発明の第2実施形態の計量器付き粉粒体容器の背面図
【符号の説明】
1、1′ 容器本体
2 計量器体
11 底壁部
12、12′ 胴部
12a、12b、12a′、12b′ 左右側壁部
16a、16b、16a′、16b′ 容器保持部
27 振出口
A 計量器付き粉粒体容器
S 粉粒体
Claims (7)
- 粉粒体の収納に用いられる容器本体と、
その容器本体に設けられる計量器体とを備える計量器付き粉粒体容器であって、
その容器本体は粉粒体収納空間を囲む弾性変形可能な胴部を有し、
その計量器体は粉粒体の振出口を有し、
その収納空間内の粉粒体は計量器体内部に一時保留可能とされ、その一時保留された粉粒体は、その容器本体を一横方向回りに転回させた状態で振出口から振り出し可能とされているものにおいて、
その一横方向に関し相対向する胴部の側壁部それぞれに、両側壁部を介して転回された容器を保持する手指が引っ掛かり可能な容器保持部が、その引っ掛かりによって容器に落下抵抗を作用させることができるように設けられ、
その容器保持部は、転回された容器を保持する手指が下方から引っ掛かり可能な面により構成され、
その容器保持部を構成する面の少なくとも一部は、転回された容器を保持する手指により押し付けられる面よりも粗面とされていることを特徴とする計量器付き粉粒体容器。 - その計量器体は容器本体の上部に設けられ、その計量器体の下方に粉粒体収納空間が位置する請求項1に記載の計量器付き粉粒体容器。
- その胴部の両側壁部それぞれは周囲部分よりも容器内側に凹んだ部分を有し、その凹んだ部分の一部が容器保持部とされている請求項1または2に記載の計量器付き粉粒体容器。
- その胴部は、底壁部と、その底壁部の周囲から上方に伸びる前後左右の側壁部とで構成され、
その前側壁部の側に前記振出口が偏って配置され、
その左右側壁部が前記凹んだ部分を有し、
その凹んだ部分の後方側の部位が容器保持部とされている請求項3に記載の計量器付き粉粒体容器。 - その容器保持部を構成する面は、稜線と谷部とで構成される凹凸が形成されることで粗面とされている請求項1〜4の何れかに記載の計量器付き粉粒体容器。
- その胴部の底壁部の肉厚は、その胴部の側壁の肉厚よりも厚くされている請求項1〜5の何れかに記載の計量器付き粉粒体容器。
- その容器本体は合成樹脂により容積が800〜1200mlとなるように成形され、その樹脂量は35〜70gである請求項1〜6の何れかに記載の計量器付き粉粒体容器。
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