JP3600116B2 - トナー補給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真方式の画像形成装置に使用されるトナー補給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの電子写真プロセスを利用した画像形成装置にあっては、予め一様に帯電された感光体上に像露光を行って静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置から供給されるトナーによってトナー像に現像し、トナー像を転写紙上に転写及び定着するようにしている。現像装置は、ケーシング内に現像ローラ、アジテータなどを配置するとともに、トナーホッパがトナー補給部として隣接して配置されている。トナー補給部は、現像装置内に収容されている現像剤のトナー濃度が低下した場合に、上記補給部から現像装置へ必要量のトナーが補給されるように制御されている。
【0003】
ところで、トナーホッパ内のトナーの残量又はトナーの有無を検知するのに、一般には、光学的検出手段が多く採用されている。
【0004】
例えば、特開平5−27593号公報には、図9に示すように、トナーMが収容されたトナーホッパ100における対向側壁にそれぞれ透明窓101、102を設け、一方の透明窓101の外側に発光ダイオード(LEDという)103を配置し、他方の透明窓102の外側にフォトダイオード104を設置して、トナーホッパ100内のトナーMの量が、LED103からフォトダイオード104までの光路を越えるレベルに有るか否かによって、トナー残量が所定量であるか否かを判別する構成が開示されている。
【0005】
また、特開平9−80892号公報には、図10に示すように、トナー容器201の底部に透明窓202を形成する一方、トナー容器201内で回転する攪拌部203の攪拌シャフト204に一体に回転する反射板205を設け、上記透明窓202の外側に、透明窓を通して前記反射板205に光を出射し、かつ反射板205からの反射光を受光する反射形フォトセンサ206を設け、反射光の有無により、トナー容器201内にトナーが残存しているか否かを検出する構成が開示されている。
【0006】
しかし、特開平5−27593号公報に開示された構成では、トナーホッパ100に2つの透明窓101、102を形成しなければならないうえ、トナーで透明窓101、102が汚損されて光路障害が発生すると、誤検知を招くおそれがある。
【0007】
また、特開平9−80892号公報に開示された構成では、透明窓の設置個数が減少できるものの、反射板205がトナー容器201の内部にあるため、この反射板205がトナーMによって汚損されると、やはりトナー検出精度が悪くなる。
【0008】
このように、トナーMによる汚損に起因した誤動作を回避するため、従来、特開平5−11610号公報に開示された構成が知られている。これは、図11に示すように、トナー容器301の外側にフォトセンサ302を配備する一方、回転時にトナーの抵抗力を受ける磁性材からなるコ字形の検知体304を攪拌シャフト303に回転可能に支持し、検知体304との間で磁気吸引力が作用する永久磁石305を有し、かつ前記光センサ302の光路を遮光する遮光片部306aを有するセンサレバー306を前記トナー容器301の外側で回動可能に枢支したものである。この構成において、攪拌シャフト303の回転にともなって検知体304が回転した際に、検知体304に対して永久磁石305を介して応動するセンサレバー306の変位で光路が遮光される時間が長くなるか否かによって、トナーの有無を検出するようにしたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特開平5−11610号公報に開示された技術では、トナー汚損の影響による誤検知は回避されるものの、検知体304に磁気吸引力が作用する永久磁石305や光センサ302の光路を遮光するセンサレバーなどにより、部品点数が多くなるうえ、比較的大きなセンサレバー306などをトナー容器301の外側に配備するので、装置全体が大形になる。とくに、検知体304の変位を永久磁石305を介してセンサレバー306に伝達する構成のために、検知体304の変位に対してセンサレバー306変位が若干遅れ気味となり、センサレバー306により光路が遮光される時間を明確に判別し難く、トナー量の検出精度に劣る。
【0010】
この発明の目的は、簡易な構造で、コンパクト化が図れるうえ、トナ−を正確に検出できるトナ−補給装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0012】
(1)トナー収容部内で回転する攪拌シャフトと、攪拌シャフトに回転自在に支持された検知体と、攪拌シャフトの回転に応動して検知体を攪拌シャフト回りの上死点まで押し上げる駆動手段と、を備え、検知体の回転動作状態からトナー残量又はトナーの有無を判別するトナー補給装置において、
前記攪拌シャフトの回転に伴って検知体が上死点まで上昇し、上死点を通過して自重よって下死点まで降下する際の下降速度の変化を、トナー収容部の外部からトナー収容部内の所定位置における透磁率を測定する透磁率センサの測定結果に基づいて検出する検出手段を設け、
前記検知体は、攪拌シャフトに沿った水平辺部及び水平辺部の両端に連成されて攪拌シャフトに支持される一対の垂直辺部を有するコ字形枠体からなり、検知体全体が非磁性材で構成され、水平部に薄肉磁性部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
この構成においては、攪拌シャフトの回転に伴って駆動手段により検知体が上死点まで上昇し、上死点を通過して自重よって下死点まで降下する。この時、トナー量の多少によってトナーの抵抗力を受ける検知体の下降速度が変わり、トナー収容部内の透磁率の変化状態も変わるため、検知体の下降速度の変化をトナー収容部の外部に配置した透磁率センサの測定結果に基づいて検出することにより、トナーの汚損の影響などを受けることなく、正確にトナー残量又はトナーの有無が判別される。また、検知体本体を合成樹脂などで成形することにより、検知体の一層の軽量化が可能となる。
【0014】
(2)トナー収容部内で回転する攪拌シャフトと、攪拌シャフトに回転自在に支持された検知体と、攪拌シャフトの回転に応動して検知体を攪拌シャフト回りの上死点まで押し上げる駆動手段と、を備え、検知体の回転動作状態からトナー残量又はトナーの有無を判別するトナー補給装置において、
前記攪拌シャフトの回転に伴って検知体が上死点まで上昇し、上死点を通過して自重よって下死点まで降下した後の検知体の滞在時間の長短変化を、トナー収容部の外部からトナー収容部内の所定位置における透磁率を測定する透磁率センサの測定結果に基づいて検出する検出手段を設け、
前記検知体は、攪拌シャフトに沿った水平辺部及び水平辺部の両端に連成されて攪拌シャフトに支持される一対の垂直辺部を有するコ字形枠体からなり、検知体全体が非磁性材で構成され、水平部に薄肉磁性部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
この構成においては、攪拌シャフトの回転に伴って駆動手段により検知体が上死点まで上昇し、上死点を通過して自重よって下死点まで降下する。この時、トーナー量の多少によって、トナーの抵抗力を受ける検知体の下死点での滞在時間が変化し、トナー収容部内の透磁率の変化状態も変わるため、検知体の下死点での滞在時間の変化をトナー収容部の外部に配置した透磁率センサの測定結果に基づいて検出することにより、トナーによる検知体の汚れの影響などを受けることがないうえ、速度変化と磁界変化との換算に手間をかけることなく、正確にトナー残量又はトナーの有無が判別される。また、検知体本体を合成樹脂などで成形することにより、検知体の一層の軽量化が可能となる。
【0016】
(3) 透磁率センサが、トナー収容部の底壁近傍に配置されていることを特徴とする。
【0017】
この構成においては、トナー収容部内でのトナー量の多少による検知体の下死点における回転動作状態の変化が、トナー収容部内における透磁率の変化状態に基づいて正確に検出される。
【0018】
(4) 前記検知体が枠体から構成される一方、前記駆動手段が攪拌シャフトに一体に設けられた駆動片からなることを特徴とする。
【0019】
この構成においては、検知体を上死点まで押し上げる手段の構成が簡単となる。また、検知体が枠体から構成されているので、検知体によって攪拌シャフトの回転負荷の増大が極力抑制される。
【0020】
(5)前記攪拌シャフトの回転数が毎分10回転以下であることを特徴とする。
【0021】
この構成においては、攪拌シャフトが比較的低速で動くため、検知が的確に行われ、下死点での検知体の滞在時間(静止時間)の検出が容易に行われる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施形態に係るトナー補給装置の構成図である。トナーMが収容される筒形のトナー収容部1内には、その筒軸方向(長手方向)へ沿って延びる攪拌シャフト2が配設されており、攪拌シャフト2の両端部は、図示しない軸受部材を介して回転可能に支持されている。この攪拌シャフト2には、図示しないモータなどの回転駆動源の回転力が減速して伝達されるようになっている。
【0025】
3はトナー量を検出するための検知体であり、磁性材料からなり、水平辺部3aならびに水平辺部3aにそれぞれ連成された一対の垂直辺部3b、3bを有する略コ字状の枠形に成形されており、両垂直辺部3b、3bの各上端には、リング状のシャフト嵌挿部3c,3cがそれぞれ一体形成されている。これらシャフト嵌挿部3c,3cを攪拌シャフト2に嵌挿させることにより、検知体3は、攪拌シャフト2の回りに回転自在に設定されている。この検知体3は、現像装置側に連通するトナ−補給部4へのトナ−搬送部材を兼ねている。
【0026】
5は上記攪拌シャフト2に固定されて径方向外方へ延びる駆動片であり、攪拌シャフト2と一体に回転して前記検知体3の水平辺部3aを、攪拌シャフト2の回りの上死点を越えるまで押し上げる機能を有する。
【0027】
トナ−収容部1の外側には、このトナ−収容部1の底壁近傍に位置して、透磁率センサ6が配置されている。透磁率センサ6は、トナー収容部1内の最下部における透磁率を測定する。トナー収容部1内の最下部における透磁率は、磁性体である検知体3の回転動作によって変化する。したがって、透磁率センサ6によるトナー収容部1内の最下部における透磁率の測定結果の変化状態に基づいて、検知体3の回転動作状態を検出することができる。この透磁率センサ6としては、所定値以上の透磁率を測定した時にオンするオン/オフ信号、又は、測定値に応じたアナログ信号のいずれを測定信号として出力するものであってもよい。
【0028】
7は透磁率センサ6からの出力を受けてトナーの有無を判別する判別手段である。判別手段7は、透磁率センサ6の測定結果の入力を受け、測定結果の変化状態から、上死点を通過して自重よって下死点まで降下した後の検知体3の滞在時間の長短変化を検出し、この検出結果に基づいてトナー収容部1内におけるトナー量を判別する。
【0029】
つぎに、上記構成の動作を図2を参照しつつ説明する。まず、初期状態では、検知体3は、図2(A)に示すように、自重により下死点の位置に静止している。この時点では、攪拌シャフト2上の駆動片5の位置は任意である。
【0030】
攪拌シャフト2が回転するに伴って、駆動片5が検知体3の水平辺部3aに押し当たって駆動力が伝えられ、図2(B)に示すように、検知体3の上昇が開始される。駆動片5で下側から押し上げられた状態で回動する検知体3は、やがて図2(C)に示すように、上死点に到達する。上死点を過ぎると、検知体3は、攪拌シャフト2の水平辺部3aから離れ、図2(D)に示すように、自重によって降下を開始する。なお、攪拌シャフト2は、その一端部が駆動装置側に連結されているので、その駆動装置側に拘束された状態で徐々に回転を続けることになる。
【0031】
この時、検知体3が上死点まで押し上げられた以後、トナー収容部1内のトナー残量の多少によって、検知体3に作用する抵抗力が変化するので、検知体3が上死点から下死点まで降下するまでの状況が異なってくる。
【0032】
即ち、トナー収容部1内に比較的多量のトナ−が残存する場合は、検知体3は、トナーの抵抗を受け、一気には下死点までは降下しないで、ほぼ駆動片5と一体的になった状態で回転するため、再び下死点に戻るにはやや時間がかかることになる。
【0033】
一方、トナー収容部1内のトナーが減少した状態では、上死点からトナー面までは、瞬時的に降下するが、そのレベルでトナ−面に浮いたような状態で一時的に静止し、攪拌シャフト2が回転してきて駆動片5が検知体3に当たることにより、下死点にへ戻される。したがって、トナー収容部1内のトナーがほとんど無い場合には、検知体3は、瞬時的に上死点から下死点に復帰する。
【0034】
このように、トナー収容部1内に残存するトナ−の有無、又は、トナーの多少によって、下死点での検知体3の静止時間(滞在時間)が異なり、トナー有(トナー多量)の場合は、下死点での検知体3の静止時間が短くなり、逆にトナー無(トナー少量)の場合は、下死点での検知体3の静止時間が長くなる(図8参照)。
【0035】
このことから、前記透磁率センサ6が上記下死点での検知体3の静止時間(滞在時間)を検出することにより、トナー収容部1内のトナー量の有無又はトナー残量の検出が可能となる。そして、この透磁率センサ6の測定信号の状態を適宜、判別手段7で監視することにより、検知体3の回転動作状態に応じたトナーの有無を判別することができる。
【0036】
透磁率センサ6は、検知体3が対向位置である底壁近傍に無いとき、又は、離れつつある場合には、図6および図7に示すように、トナー濃度が「Hi」状態と同様に見做すことができ、測定信号がオフ又は低側出力傾向となる。逆に、対向位置である底壁近傍に検知体3が有るとき、又は、近接しつつある場合には、トナー濃度が「Lo」状態と同様に見做すことができるので、出力信号がオン又は高側出力傾向となる。つまり、トナー収容部1内のトナーに対して、検知体3が磁性キャリアのような役目を果たし、2成分現像剤濃度の検出を行っている状態となる。
【0037】
なお、攪拌シャフト2の回転に伴って検知体3が上死点まで上昇し、上死点を通過して自重よって下死点まで降下する際の下降速度の変化を前記透磁率センサ6で検知するようにしてもよいが、その場合、磁界変化と速度変化との換算が面倒になる。
【0038】
これに対して、上記したように、トナー収容部1の底壁部近傍の外側に位置する透磁率センサ6により、検知体3の下死点での静止時間を検出する構成においては、上記煩雑な手間をかけることなく、容易にトナー残量を検出することが可能となる。
【0039】
ところで、トナー収容部1の大きさや、使用される画像形成装置によって上記攪拌シャフト2の回転数の仕様が異なる。この種の攪拌シャフト2の回転数は少なければ毎分10回転以下であり、多くとも毎分10数回転程度に設定されている。つまり、比較的低速で動くので、前記検知が的確に行えるとともに、下死点での検知体3の滞在時間(静止時間)の検出が容易に行える。
【0040】
例えば、攪拌シャフト2の回転数を毎分10回転に設定したと仮定すると、下死点での検知体3の滞在時間が最短となる場合(トナー満杯の状態)では、6秒に1回、検知体3が戻ってきて、すぐ直後に再上昇する。同様な回転数設定で、最下点での検知体3の滞在時間が最長(トナーエンプティ状態)となる場合では、検知体3が上死点まで到達すると、瞬時的に下死点まで復帰し、次に攪拌シャフト2が回転を続け、再び駆動片5と出合うまでの略3秒間程度、静止したままの状態となる。
【0041】
予め、実験的にトナー量と検知体3の静止時間との関係を求めておけば、その時点毎のトナー量も把握することができる。
【0042】
このように、トナー収容部1内に配置した検知体3の挙動を透磁率センサ6を使用して直接検出するようにしたことにより、光学的検知手段を使うもののような透明窓も不要であり、トナーによる検知体3の汚損の影響を受けない検知動作が確保される。
特に、検知体3がトナーホッパ1内にあり、しかも透磁率センサ6自体が比較的小さいことから、装置全体が大形化することはない。さらに、検知体3の挙動が直接、透磁率センサ6で検出されるので、構成部品点数が大幅に増加したり、検知機構が複雑化することもない。
【0043】
また、攪拌シャフト2に設けた駆動片5により、検知体3を下死点から押し上げるようにしたので、検知体3の押し上げ機構が比較的簡素になる。
【0044】
さらに、前記検知体3を枠形としたことにより、この検知体3の上昇時に攪拌シャフト2の回転負荷が大きく増大することもなく、攪拌性能も良好に発揮される。
【0045】
検知体3の全体を金属材(磁性材)で構成してあるので、トナ−の抵抗を受けても変形したりするおそれがないが、質量が大きいと、自重で降下する方向に作用する力が、トナーの抵抗力を上回り、トナー量が少ない場合に、正確な残量検知が行えない。このため、検知体3を可及的軽量に構成する必要があり、金属製の場合、太さ0.5〜1mm程度の金属細線状のもので形成するのが好ましい。
【0046】
また、検知体3として、図4に示すように、その水平部3aを磁性材料で形成し、それ以外の部位を非磁性材料、例えば合成樹脂で形成したものを使用してもよい。このような構成では、全体を金属製とするものに比較して軽量となり、トナー量の影響を受けることなく、正確なトナーの残量検出が行えるうえ、攪拌シャフト2の回転負荷増大が大幅に抑制される。
【0047】
さらに、検知体3として、図5に示すように、検知体本体を合成樹脂などで形成し、本体水平辺部3aに薄肉磁性部10を配備したものを使用してもよい。薄肉磁性部10は、磁性粉を塗布したり、薄肉磁性片などで構成すればよい。このような構成では、検知体3本体が合成樹脂であるので、全体が磁性材によるものに比して、検知体3の全体がかなり軽量になる。
【0048】
【発明の効果】
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0049】
(1)トナー収容部内で回転する攪拌シャフトの回転に伴って上死点まで上昇してから自重よって下死点まで降下する際の検知体の下降速度の変化を、トナー収容部の外部から透磁率センサを介して検出するので、トナーの汚損の影響などによる誤検知のおそれが解消される。とくに、透磁率センサが直接、検知体の状態を検出するので、構造が簡素で、かつコンパクト化を達成することができるうえ、検知体の状態を外部に伝達する機構が省け、その分、検出精度の向上を図ることができる。
さらに、検知体をコ字形枠体で構成し、検知体本体を非磁性材料で構成して、本体水平部に磁性検出層を設けたので、検知体本体を、例えば合成樹脂製とすることにより、検知体全体をより軽量に構成することができる。
【0050】
(2)トナー収容部内で回転する攪拌シャフトの回転に伴って上死点まで上昇してから自重よって下死点まで降下した後の検知体の滞在時間の長短を、トナー収容部の外部から透磁率センサで検知するので、トナーによる検知体の汚損に関係なく誤検知のおそれが解消される。とくに、透磁率センサが直接、検知体の状態を検出するので、構造が簡素で、かつコンパクト化を達成することができるうえ、検知体の状態を外部に伝達する機構が省け、その分、検出精度の向上を図ることができる。しかも、磁界変化と速度変化の換算などの煩雑な処理を不要にすることができる。
さらに、検知体をコ字形枠体で構成し、検知体本体を非磁性材料で構成して、本体水平部に磁性検出層を設けたので、検知体本体を、例えば合成樹脂製とすることにより、検知体全体をより軽量に構成することができる。
【0051】
(3) 透磁率センサをトナー収容部の底壁近傍に配置したので、トナー収容部内におけるトナー量の変化に応じた検知体の下死点での滞在時間の変化に基づいて、トナーの収納状態を正確に検出することができる。
【0052】
(4) 検知体を枠体で構成したので、検知体によって攪拌シャフトの回転負荷が増大するのを極力抑制することができ、前記駆動手段を攪拌シャフトに一体に設けられた駆動片で構成したので、検知体を上死点まで押し上げる手段の構成を簡略化することができる。
【0053】
攪拌シャフトが比較的低速で動くため、検知を的確に行うことができ、下死点での検知体の滞在時間(静止時間)の検出を容易に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るトナー補給装置の斜視図である。
【図2】同トナー補給装置における検知体の動作状況の説明図である。
【図3】同検知体の斜視図である。
【図4】別の検知体の斜視図である。
【図5】さらに別の検知体の斜視図である。
【図6】透磁率センサの出力特性図である。
【図7】検知体有無に応じた磁率センサ出力図である。
【図8】トナー有無に応じた磁率センサ出力と時間との関係図である。
【図9】従来のトナー補給装置の断面図である。
【図10】従来の別のトナー補給装置の断面図である。
【図11】従来のさらに別のトナー補給装置の斜視図である。
【符号の説明】
1−トナー収容部
2−攪拌シャフト
3−検知体(枠体)
3a−検知体の水平辺部
3b−検知体の垂直辺部
5−駆動手段
6−透磁率センサ
10−薄肉磁性部

Claims (5)

  1. トナー収容部内で回転する攪拌シャフトと、攪拌シャフトに回転自在に支持された検知体と、攪拌シャフトの回転に応動して検知体を攪拌シャフト回りの上死点まで押し上げる駆動手段と、を備え、検知体の回転動作状態からトナー残量又はトナーの有無を判別するトナー補給装置において、
    前記攪拌シャフトの回転に伴って検知体が上死点まで上昇し、上死点を通過して自重よって下死点まで降下する際の下降速度の変化を、トナー収容部の外部からトナー収容部内の所定位置における透磁率を測定する透磁率センサの測定結果に基づいて検出する検出手段を設け、
    前記検知体は、攪拌シャフトに沿った水平辺部及び水平辺部の両端に連成されて攪拌シャフトに支持される一対の垂直辺部を有するコ字形枠体からなり、検知体全体が非磁性材で構成され、水平部に薄肉磁性部が設けられていることを特徴とするトナー補給装置。
  2. トナー収容部内で回転する攪拌シャフトと、攪拌シャフトに回転自在に支持された検知体と、攪拌シャフトの回転に応動して検知体を攪拌シャフト回りの上死点まで押し上げる駆動手段と、を備え、検知体の回転動作状態からトナー残量又はトナーの有無を判別するトナー補給装置において、
    前記攪拌シャフトの回転に伴って検知体が上死点まで上昇し、上死点を通過して自重よって下死点まで降下した後の検知体の滞在時間の長短変化を、トナー収容部の外部からトナー収容部内の所定位置における透磁率を測定する透磁率センサの測定結果に基づいて検出する検出手段を設け、
    前記検知体は、攪拌シャフトに沿った水平辺部及び水平辺部の両端に連成されて攪拌シャフトに支持される一対の垂直辺部を有するコ字形枠体からなり、検知体全体が非磁性材で構成され、水平部に薄肉磁性部が設けられていることを特徴とするトナー補給装置。
  3. 前記透磁率センサが、トナー収容部の底壁近傍に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー補給装置。
  4. 前記検知体が枠体から構成される一方、前記駆動手段が攪拌シャフトに一体に設けられた駆動片から構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー補給装置。
  5. 前記攪拌シャフトの回転数が毎分10回転以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー補給装置。
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