JP3600039B2 - ウィンドウガラス案内フレーム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車ドア用ウィンドウガラス案内フレームに関するものであり、更に詳しくは、自動車走行時のウィンドウガラスのがたつき防止およびウィンドウガラス開閉時のガラスのガイド、低騒音化、軽量化、リサイクル性に優れ、組立時にフレームにガラスをはめこみやすく、ガラス保持力に優れた、熱可塑性樹脂製のウィンドウガラス案内フレームに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車ドア用ウィンドウガラス(以下ガラスと略す)は電動式または手動式により上下に昇降し、窓を開ける場合にはガラスが下降してドア内に収納される。ガラスを上下にスムースに昇降させるためのガイドとして、また自動車走行時にガラスががたがた音を立てたりしないようにウィンドウガラス案内フレームが使用される。
従来、ウィンドウガラス案内フレームは金属のフレームにガラスの振動による破損防止や騒音防止のためにゴムが組み合わされて使用されている。
しかしながら、自動車の軽量化、部品コストや組立コストの低下等を目的として、熱可塑性樹脂製の一体成形部品が出始めている。
特開平2−267023号公報には、ほぼU字型の断面を持つ樹脂製スライダリンクで、その側壁がつぎつぎにかつ互違いに反対方向に傾斜した二つの斜面にして、突出部を画定する斜面と、弾性舌片にして、その自由端の近くに突出部を備えた舌片とを有しているスライダリンクが開示されている。
しかしながら、この技術では構造が複雑となり、またガラスに密着してゴムの代わりをなす部分が板バネ状であり、特に板バネの自由端が機械的に弱い。
特開平7−9858号公報には、U状の断面形状をなし、基部と、摺動式車輌ウインドウの内面に接する突出した舌状部をもつ車内側脚部と、摺動式車両ウインドウ外面に接する突出した舌状部をもつ車外側脚部をもつ成形ポリマーストリップ片より成り、摺動式車両ウインドウの表面に接する舌状部の表面部分は、ウインドウガラスの昇降中にこの案内に沿ってスムーズにガラスを移動させる低摩擦、非摩耗面であり、該案内装置は摺動中の車両ウインドウガラスによって加えられる力に対抗するのに十分な強度と剛性をもって、これによリ車内方向、車外方向、前方、後方へのウインドウガラスの好ましくない運動を防止する繊維強化ポリマーよリ形成されさらに該案内装置を車輌ドアフレームに締結する一体型取付手段を有する、一体型ガラス走行案内装置が開示されている。
しかしながら、この技術によると、ガラスに密着してゴムの代わりをなす部分が板バネ状であり、ガラスの挿入等や長期間の使用時にゴミが挟まったり、ガラスと樹脂製舌部との間に隙間が生じやすいことや、一体型といっても完全な一体成形品ではなく、二つの成形部品を組み立てて接着して一体型を得るものである。
特開平10−67228号公報には、フレーム部と複数の板バネ状部を有し、板バネ状部がガラスとの摺動面にダスト排除手段を有するものであり、ダスト除去手段が、摺動面に設けた凹凸形状であることを特徴とするウインドウガラス走行安定装置が開示されている。
しかしながら、この技術によるとガラスに密着してゴムの代わりをなす摺動部が板バネ状であり、且つ舌状のような微妙な形状であり、長期的な使用に対して、摺動部のフレームへの付け根が破損しやすいという問題がある。
このように板バネ部を持つものは、ガラスとバネ面とが面接触であるために、ダストが入ってきた場合に板バネ状部とガラスの摩擦が大きく、磨耗したり、抵抗が大きくなりすぎたり、騒音が大きくなりやすい。
また、組立時にフレームにガラスをはめこみやすいようなウィンドウガラス案内フレームが要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、組立時にガラスのはめ込みが容易で、長期間の繰り返し使用が可能で、ガラスのがたつき防止、低騒音、軽量化、リサイクル性に優れた、熱可塑性樹脂製のウィンドウガラス案内フレームを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ガラス取り付けの誤差が吸収できて、膨張収縮変化に対応できて、ガラス開閉時にがたつきやきしみ音が少なく、長寿命なウィンドウガラス案内フレームを得るために、材料の物性、フレーム及びバネ部の構造について検討した結果、樹脂製のフレームの側面にガラス摺動面に対して円錐形状の第1バネ状部を設けることにより、さらに三角形状の第2バネ状部を設けることにより、組立時にガラスのはめ込みが容易で、ガラスの開閉(上下)の長期間の繰り返し使用が可能で、ガラスのがたつき防止、低騒音、軽量化、リサイクル性、及びガラス保持性に優れた熱可塑性樹脂製のウィンドウガラス案内フレームが得られることを見い出し、さらに、バネ状部(2)及び/又はバネ状部(3)の頂点から開孔口(4’)へ向う稜線が側面へ向かってなだらかに傾斜していることにより、ウィンドウガラス案内フレームにガラス(10)をはめ込んで組み立てる際に、ガラスをフレームにスムースにはめ込むことが可能であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明の第1は、U字型ないしコの字型の断面形状を有する車両用ウィンドウガラス案内フレームにおいて、フレームの側面(1’)、側面(1”)及び底面(4)からなり、少なくとも一方の側面の一部を内側に変形させて得られた第1バネ状部(2)が複数設けられており、第1バネ状部(2)は、円錐状、円錐台状、角錐状、角錐台状、円柱状及び角柱状の中のいずれかの形状のものを、該形状のものの底部を含んで、第1バネ状部(2)の側面からの変形量である高さが、フレームの底面(4)に向かって低くなるように、切断した形状であって、第1バネ状部(2)がその頂点(9)からそれが設けられた側面(1’又は1”)への底面側稜線(2’)及び開孔口側稜線(2”)を有し、底面側稜線(2’)は底面(4)に向かって低くなっており、開孔口側稜線(2”)はフレーム開孔口(4’)に向かって低くなっていることを特徴とするウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第2は、開孔口側稜線(2”)と側面とのなす角(α)が60゜以下であることを特徴とする本発明の第1に記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第3は、第1バネ状部(2)と同一フレーム側面上で、第1バネ状部(2)の近傍にさらに第2バネ状部(3)を設け、第2バネ状部(3)が、三角形、多角形、弓形、(楕)円弧形、(楕)円弧の弧の部分が多角形、又はこれらの組み合わせである形状を持つ板状であって、該形状の最長直線辺が深さ方向に向いて側面上に設けられており、該第2バネ状部の頂点(9”)の高さが第1バネ状部の頂点(9)の高さよりも低く、第2バネ状部の頂点(9”)と同じ側面の深さにおける第1バネ状部の中間位置(9’)の高さよりも高く、頂点(9”)からそれが設けられた側面(1’又は1”)への底面側稜線(3’)及び開孔口側稜線(3”)を有し、底面側稜線(3’)は底面(4)に向かって低くなっており、開孔口側稜線(3”)はフレーム開孔口(4’)に向かって低くなっていることを特徴とする本発明の第1又は2に記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第4は、開孔口側稜線(3”)と側面とのなす角(β)が60゜以下であることを特徴とする本発明の第3に記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第5は、フレーム(1)の下端部にガラス保持補強部(5)が設けられていることを特徴とする本発明の第1〜4のいずれかに記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第6は、ガラス保持補強部(5)に、自動車ドアパネルに取り付けるための締結突起(7’)を有する締結脚(7)が設けられていることを特徴とする本発明の第1〜5のいずれかに記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第7は、フレーム(1)の上端部に膨張収縮吸収部(6’)を有する固定脚(6)が設けられていることを特徴とする本発明の第1〜6のいずれかに記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第8は、樹脂を一体成形してなる本発明の第1〜7のいずれかに記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第9は、底面(4)の背面がリブ構造(8)を持つ本発明の第1又は3に記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
なお、本発明では、以下、底面側稜線2’を稜線2’と、開孔口側稜線2”を稜線2”と、底面側稜線3’を稜線3’と、及び開孔口側稜線3”を稜線3”と略称する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のウィンドウガラス案内フレーム1は、図1に示すようにU字型ないしコの字型の溝を有し、側面1’および1”、及び底面4からなり、自動車のドア内部に縦に取り付けられる。
図3はフレーム1を描画の便宜上横にしてウィンドウガラス10を加えて描いたものであるが、ガラス10の側端は、フレーム1の溝内をスライドする。
フレーム1の側面1’及び/又は1”には、ガラス10を挟み付けるように第1バネ状部2(図3では半切りの円錐状)が多数設けられる。第1バネ状部2は側面の一部を内側に変形させて形成される。また、図5に示すように、側面1’及び/又は1”には隣接する第1バネ状部2の間に第2バネ状部3(図4では三角板状)を多数設けることもできる。
なお、側面1’上の第1バネ状部2あるいは第2バネ状部3は側面1”上の第1バネ状部2あるいは第2バネ状部3と向かい合って配列されていても、互い違いにずれて設けられてもよいが、好ましくは、図4に示すように向かい合って配列される。
第1バネ状部2さらには第2バネ状部3により開閉時や、自動車運行時のガラスのがたつき防止やガラスの変形、取り付け時の誤差が吸収される。
底面4は側面1’及び1”を繋ぎ、全体としてフレーム1が一体成形体として構成される。底面4はガラス10の前後(車輌の前、後方向の意味)へのストッパーの役割も果たす。底面4はフレーム1の底部全面に設けられていても、一部に設けられていてもよく、特に第1バネ状部2が設けられる底部には設けないでもよい。図2はフレーム1の底面図であり、底面4の外面は補強のためにクロスリブ形状8にしてもよい。また、図2は底面4が一部に設けられている例を示す。
【0007】
フレーム1はガラス10の前方及び/又は後方に、好ましくは両方向に設けられる。
これによって、ガラス10は、多数の第1バネ状部2あるいはさらに第2バネ状部3に挟まれながら、側面1’および1”、及び底面4により上下にスムースに案内される。
図3に示すように、フレーム1の少なくとも上または下端部にはガラス保持補強部5を設けて、ガラス10の全開下降時のガラス保持が十分に行われるようにしてもよい。
図1に示すように、フレーム1の下端部に、好ましくはガラス保持補強部5に自動車ドアパネルに取り付けるための締結突起7’を有する締結脚7を設ける。また、フレーム1の上端部には膨張収縮吸収部6’を有する固定脚6を設ける。
【0008】
フレーム1の大きさについては、機能上問題を生じない範囲で最適の寸法を選択することができる。
側面の長さ、側面1’の深さ、側面1”の深さは、ガラスの大きさ及び必要なガラス保持強度に応じて決められる。
側面1’と1”の深さは異なってもよいが、同じであることが好ましい。
側面の厚さ、底面の厚さも上記と同様である。
側面1’と1”の間隔は、ガラスの形状などに応じてガラスがはめ込みやすく、がたつきのない範囲を選択することができる。
【0009】
第1バネ状部2の形状としては、円錐状、円錐台状、角錐状、角錐台状、円柱状、角柱状等のものの底部を含むようにして円錐状、円錐台状、角錐状、角錐台状では縦方向に、円柱状、角柱状では斜めにその一部を切った形状である。円錐は楕円錐状であってもよく、角錐は三角錐、四角錐等何角錐であってもよく、角柱は何角柱であってもよい。一部を切った形状はこれらを1/2、1/3、1/4、3/4等に切ったものでもよく、例えば図5では1/2〜1/3程度に切った円錐状であり、円錐の底部の円は弧をなす。
以下、分かり易いように図5に示す円錐状の例で説明する。
第1バネ状部2は、第1バネ状部2の高さが、全体的にみて底面に向かって低くなるように設けられる。「全体的にみて底面に向かって低くなるように」とは、第1バネ状部2が最大高さ9の位置に置いて、溝の深さ方向に向かう長い稜線のみからなる図5のような場合には直ぐに理解されるが、溝の深さ方向に向かう長い稜線2’とその反対方向で、フレーム開孔口4’に向かって低くなっている短い稜線2”からなる図6ような場合に、長い稜線が底面に向かって低くなるように傾斜していることをいう。
また、図8に示すように、稜線2”とそれが設けられた側面とのなす角(即ち、稜線2”とフレーム開孔口(4’)方向への垂線(11)とのなす角)αが60゜以下、好ましくは45゜以下、さらに好ましくは30゜以下であると、ガラス10をフレーム1にはめ込んでウィンドウガラス案内フレームを組み立てる際に、ガラスがフレームにスムースにはまりやすい。
【0010】
第1バネ状部2の大きさは、ガラス10の大きさにもよるが、側面に設けられた円錐部の底面の円の直径は2〜50mm、好ましくは5〜20mmであり、側面における弧の弦の長さは1〜30mm、好ましくは5〜20mmであり、円錐部の高さは5〜50mm、好ましくは10〜30mmであり、円錐部の肉厚は0.5〜5mm、好ましくは1〜3mmであり、フレームの少なくとも片側の側面1’(または1”)に設けられた第1バネ状部2の隣接間隔は10〜150mm、好ましくは30〜100mmである。
第1バネ状部2は、ガラス10と円錐の底面の円周で接触し、円錐の変形および設けられたフレームの側面1’(または1”)の変形によってバネを形成する。
なお、上記は分かりやすく二つの稜線2’と2”の交わる頂点の接触で説明したが、頂点部は丸みを帯びて接触してもよい。また、頂点部は鍔状で、鍔に厚みをある程度持たせてもよい。鍔の厚みとしては0.1〜5mm程度である。また、鍔状部を設ける場合、鍔の方が僅かに高く、稜線2’及び/又は2”との間に段差を設けてもよい。好ましくは稜線2’との間に段差を設け、稜線2”との間には段差を設けない方がガラスのはめ込みがスムースに行われる。
第1バネ状部2のガラス10と接触した際の歪みは、0.5〜5%、好ましくは1〜3%である。
上記は、円錐で説明したが、円柱でも同様の関係が成立し、角錐または角柱では円錐に相当する直径、弦の長さ等で表される。
【0011】
第2バネ状部3の形状としては、三角形、多角形、弓形、(楕)円弧形、(楕)円弧の弧の部分が多角形、これらの組み合わせ等の板状のものが挙げられる。該形状の最長直線辺(三角形、多角形では最長辺、弓形、弧形では弦をいう。)が深さ方向に向いて側面上に設けられている。
板は必ずしも均一な厚みでなくてもよく、頂点は薄く尖っていてもよく、頂点から底辺への垂線部は肉厚であってもよい。また、そろばん玉のように円錐が二つ合わさって中間が膨らんでいてもよい。また、板は中が樹脂で詰まっていても、空洞であってもよい。
以下、分かり易いために図6に示す三角形の均一な板の例で説明する。
第2バネ状部3は、溝の深さ方向、即ち底面4に向かって、三角形の最大長さの辺が側面上に設けられている。
また、図8に示すように、頂点9”から側面への二つの稜線3’及び3”については、稜線3’は底面4に向かって低くなっており、稜線3”はフレーム開孔口4’に向かって低くなっており、稜線3”とそれが設けられた側面とのなす角(即ち、稜線3”とフレーム開孔口(4’)方向への垂線(11’)とのなす角)βが60゜以下、好ましくは45゜以下、さらに好ましくは30゜以下であると、ガラス10をフレーム1にはめ込んでウィンドウガラス案内フレームを組み立てる際に、ガラスがフレームにスムースにはまりやすい。
【0012】
第2バネ状部3の大きさは、ガラス10の大きさにもよるが、図6に示すように、第2バネ状部3の頂点9”の高さは第1バネ状部の頂点9の高さよりも低く、第2バネ状部の頂点9”と同じ側面の深さにおける第1バネ状部の中間位置9’の高さよりも高い。側面1’上の第1バネ状部とガラス10の間隔が開いて接触が行われなくなった場合に、第2バネ状部がガラス10と接触を保つ。
9と9”の高さの差は、設定するガラス保持力により決定されるが、0.2〜2mm、好ましくは0.5〜1mmであり、9”と9’の高さの差は0.2〜1.5mm、好ましくは0.5〜1mmである。
板の厚さは0.5〜5mm、好ましくは1〜2.5mmである。
フレームの片側の側面1’(または1”)に設けられた第2バネ状部3の隣接して設けられる間隔は10〜150mm、好ましくは30〜100mmである。
フレームの片側の側面1’(または1”)に設けられた第2バネ状部3と第1バネ状部2の距離は5〜50mm、好ましくは10〜30mmである。
第2バネ状部3は第1バネ状部2と必ず1対になって設けられなくてもよく、第1バネ状部2の数より多くても、少なくてもよいが、できるだけ両者の数が近いことが好ましい。
【0013】
第2バネ状部3は、ガラス10と三角形の頂点で接触し、三角形の変形および設けられたフレームの側面1’(または1”)の変形によってバネを形成する。
第2バネ状部3のガラス10と接触した際の歪みは0.5〜5%、好ましくは1〜3%である。
上記は、板状三角形で説明したが、円弧では三角形に相当する底辺の長さ、高さ等で表される。
【0014】
第2バネ状部3を第1バネ状部2の稜線2’上に形成して、図9に示すように第1バネ状部2と第2バネ状部3を一体にしてもよい。
【0015】
なお、図8において、ガラスの挿入力Faとガラスが第1バネ状部の円錐部を押しのける力Fdは、ガラスとフレームを構成する樹脂との動摩擦係数をμ(μは0と1の間の値である。)とすると、前記αとの間には、特定の関係が成り立つ。
【0016】
本発明では、ダストが付着した場合の開閉時のきしみ音について検討した結果、フレームとしては側面の剛性が高い方がよいこと、バネ部によるガラスの支持はできるだけ接触面が小さく、好ましくは点接触であること、及びバネ部のガラスに対する反発力が大きすぎるときしみ音が大きくなるので一定の限界以下の反発力(ガラス支持力)以下になるようにすることが重要であることが分かった。
特に点接触とすることによりダストの付着が少なくなり、またダストの排除が容易になる。
側面1’及び1”の一部を内側に、例えば円錐形状に変形させて第1バネ状部2を形成させることにより、ガラスとの接触部の剛性を高めることができる。
本発明では、第1バネ状部2にさらに第2バネ状部3を設けることにより、ガラス保持力が増強される。
第2バネ状部3を多段に設ける場合には、ガラス保持力が多段で増強される。
第2バネ状部3は、隣接する第1バネ状部2の間で、又は第1バネ状部2と一体化して、底面に向かって高さを低下させながら多段に設けることができる。
【0017】
図3に示すように、ガラス保持補強部5は、ガラス全開時にフレームに対するガラスの負担が最大になるが、フレーム底部に対しガラス保持補強部5を可能な限り広く設定することで強度向上を図り、その他の部分の荷重を低減させる働きを持つ。
このような構造にして、ウィンドウガラス10の全開下降時のガラス保持、ドアーを強く閉めた時のガラスの外れに対する対策が十分に行われるようになる。
側面1’、1”及び側面に設けられた第1バネ状部2にさらに第2バネ状部3、及び底面4からなるフレーム1の構造に、これにガラス保持補強部5が加わることによりドアーを強く閉めた場合、例えばガラスを介してフレームに30kgf(294N)の力が掛かっても変形は0.4〜3.6mmの範囲であり、フレームからのガラスの外れは起こらない。
さらに、ガラス全開時にフレームに対する負担が最大になるので、フレーム底面の背面をリブ構造にすることにより強化することができる。
【0018】
図1に示すように、ガラス保持補強部5に自動車ドアパネルに取り付けるための締結突起7’を有する締結脚7を設ける。
ガラス保持補強部5の端部に、スナップフィット形式による締結突起7’の代りに、ドアーに固定するための金属プレートを挿入するためのレールとストッパーを設けることも好ましく、あるいは金属インサートを設けてもよい。
【0019】
また、フレーム1の上端部には膨張収縮吸収部6’を有する固定脚6を設ける。
これにより、車内が夏期に40〜80℃、冬季に0〜−30℃になっても、温度変化によるフレームの膨張収縮を吸収することができる。
ポリアセタールとして、例えばジュラコンTMM90−44(ポリプラスチックス株式会社製)の線膨張係数は15×10−5/℃(80℃)、12.3×10−5/℃(50℃)、9×10−5/℃(0℃)、8×10−5/℃(−30℃)であり、23℃で250mmのフレームは、−30℃では249mm弱に収縮し、80℃では252mm強に膨張するが、このような温度変化による寸法の変化を吸収することができる。
さらに、膨張収縮吸収部6’は、ガラスの寸法誤差や、取り付け誤差を吸収する役割も果たす。
【0020】
フレーム1を一体成形で得るために使用する樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては各種ポリエチレン、各種ポリプロピレン、EPDM等のポリオレフィン、ポリスチレン、ABS樹脂、ASA樹脂等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、各種ナイロン等のポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリアセタール、変性ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族液晶ポリマー等が挙げられる。
特にポリアセタール類が機械的物性(特にクリープ、疲労、耐摩耗性)、ウィンドウガラスとの摺動性、耐熱性、加工性、リサイクル性、コストの点で好ましい。
【0021】
また熱可塑性樹脂には、必要に応じて無機または有機の充填材を添加することができる。
充填材としては、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフェライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マイカ、ネフェリンシナイト、アタルパルジャイト、ウォラストナイト、フェライト、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石膏、微粉末シリカ、石英、石英ガラス等の粉体または板状体、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム、アスベスト、炭化ケイ素、セラミック、窒化ケイ素等の繊維状、板状または粉末状、ガラスビーズ、ガラスバルーン等の球状または中空状のもの、これらの混合物を挙げることができる。
充填材は、接着性を高めるために、シラン系、チタン系等のカップリング剤で処理して使用してもよい。
【0022】
樹脂の成形方法には特に制限はなく、従来の成形加工技術が使用できる。
例えば、射出成形装置が使用できる。
ウィンドウガラス案内フレームは全体が一度に成形加工されてもよいし、部分的に成形加工されて、それらが組み立てられて本発明の形状をなすようにしてもよいが、好ましくは全体が一度に成形加工されて、両側面、第1バネ状部、第2バネ状部、底面、ガラス保持補強部、固定脚、膨張収縮吸収部、締結脚、締結突起、クロスリブが形成される。締結脚には自動車ドアーにウィンドウガラス案内フレームをネジ止めするために、必要であれば金属ナット等を埋め込んでウィンドウガラス案内フレームを一体成形することもできる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】
[実施例1]
ジュラコンTMM90−44(ポリプラスチックス株式会社製)を使用して、図1に示す長さ250mmのウィンドウガラス案内フレームを、図8における角度αが60゜、角度βが60゜になるように、射出成形により一体成形し、ガラス10をはめて中立位置からのガラスの変位量とガラス保持力を測定した。
結果を図7に示す。本発明によれば複数の第1バネ状部2及び第2バネ状部3により、従来の樹脂製のもの(b)よりもガラス保持力が大きい。とくに、図7のグラフ(a)の折れ曲がり部(破線矢印)から第2バネ状部3により保持力が増強されることが分かる。
また、2mmの強制歪み(歪みは2%程度)を繰り返し1,000万回与えた場合でも、フレームは疲労破壊しなかった。
また、ガラスが中立位置から2mmの変位で入った場合に、第1バネ状部2及び第2バネ状部3の変位し続ける時間を8,000時間としても、樹脂のクリープ破壊は見られない。
また、ダスト摺動試験として、ダストにJIS Z8901に示される1種、2種、7種、及び水を1:2:1:1で混合したダスト水を、上側環状試験片ポリアセタール、下側角形試験片ウィンドウガラス板との間に塗り、上側試験片に面圧を加え、下側試験片を回転させて動摩擦係数を測定し、面圧を変化させた場合のきしみ音の発生の有無を測定した。
ガラスには摩耗はなく、ポリアセタールにも摩耗は殆ど見られなかった。
さらに、ガラスをフレームにはめ込んでウィンドウガラス案内フレームを組み立てる際に、ガラスをフレームにスムースにはめ込むことができた。
結果を表1及び2に示す。
【0025】
[実施例2および3]
ポリアセタールとして、ジュラコンTMM25−44、AW−09(いずれもポリプラスチックス株式会社製)を使用して、実施例1と同じものを製作した。
結果を表1及び2に示す。
【0026】
[実施例4]
ポリアセタールとして、ジュラコンTMM90−44(ポリプラスチックス株式会社製)を使用して、図1に示す形状(但し第1バネ状部と第2バネ状部の形状は後述の形状である。)で、長さ250mmのウィンドウガラス案内フレームであって、図9のように第1バネ状部の稜線2’の上に三角形板状の第2バネ状部を一体成形した。なお、図9における角度αが60゜、角度βが60゜になるように、射出成形により一体成形した。
ガラスをフレームにはめ込んでウィンドウガラス案内フレームを組み立てる際に、ガラスをフレームにスムースにはめ込むことができた。
また、複数の第1バネ状部2及びその上に一体的に設けられた第2バネ状部3により、第1バネ状部2がガラスから離れた場合にも、第2バネ状部3がガラスを保持した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、多数の板バネ状のものを使用する従来のものよりも、シンプルな構造を持ち一体成形が容易であり、摺動抵抗が少なく、がたつきが少なく、低騒音であり、塵埃による詰まり、バネ部の劣化や故障が少なく、長寿命である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウィンドウガラス案内フレームの一例を縦方向斜視図を示す。
【図2】図1の背面図を示す。
【図3】図1のウィンドウガラス案内フレームを横に置いた場合の斜視図を示す。
【図4】図1のウィンドウガラス案内フレームの部分拡大斜視図を示す。
【図5】図1のウィンドウガラス案内フレームの位置関係の一例を示す部分拡大斜視図を示す。
【図6】図1のウィンドウガラス案内フレームの部分断面図を示す。
【図7】中立位置からのガラスの変位量とガラス保持力の関係を示すグラフである。(a)は本発明の樹脂製、(b)は従来の樹脂製、(c)は従来の金属フレームとゴム製のウィンドウガラス案内フレームの場合をそれぞれ示す。
【図8】本発明のウィンドウガラス案内フレームの一例の部分断面図を示す。
【図9】本発明のウィンドウガラス案内フレームの他の一例の部分断面図を示す。
【符号の説明】
1 ウィンドウガラス案内フレーム
1’側面
1”側面
2 第1バネ状部
2’底面側稜線
2”開孔口側稜線
3 第2バネ状部
3’底面側稜線
3”開孔口側稜線
4 底面
4’フレーム開孔口
5 ガラス保持補強部
6 固定脚
6’膨張収縮吸収部
7 締結脚
7’締結突起
8 クロスリブ
9 第1バネ状部の頂点
9’第1バネ状部の中間点
9”第2バネ状部の頂点
10 ウィンドウガラス
11 垂線
11’垂線
α 稜線2”と垂線11とのなす角
β 稜線3”と垂線11’とのなす角
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車ドア用ウィンドウガラス案内フレームに関するものであり、更に詳しくは、自動車走行時のウィンドウガラスのがたつき防止およびウィンドウガラス開閉時のガラスのガイド、低騒音化、軽量化、リサイクル性に優れ、組立時にフレームにガラスをはめこみやすく、ガラス保持力に優れた、熱可塑性樹脂製のウィンドウガラス案内フレームに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車ドア用ウィンドウガラス(以下ガラスと略す)は電動式または手動式により上下に昇降し、窓を開ける場合にはガラスが下降してドア内に収納される。ガラスを上下にスムースに昇降させるためのガイドとして、また自動車走行時にガラスががたがた音を立てたりしないようにウィンドウガラス案内フレームが使用される。
従来、ウィンドウガラス案内フレームは金属のフレームにガラスの振動による破損防止や騒音防止のためにゴムが組み合わされて使用されている。
しかしながら、自動車の軽量化、部品コストや組立コストの低下等を目的として、熱可塑性樹脂製の一体成形部品が出始めている。
特開平2−267023号公報には、ほぼU字型の断面を持つ樹脂製スライダリンクで、その側壁がつぎつぎにかつ互違いに反対方向に傾斜した二つの斜面にして、突出部を画定する斜面と、弾性舌片にして、その自由端の近くに突出部を備えた舌片とを有しているスライダリンクが開示されている。
しかしながら、この技術では構造が複雑となり、またガラスに密着してゴムの代わりをなす部分が板バネ状であり、特に板バネの自由端が機械的に弱い。
特開平7−9858号公報には、U状の断面形状をなし、基部と、摺動式車輌ウインドウの内面に接する突出した舌状部をもつ車内側脚部と、摺動式車両ウインドウ外面に接する突出した舌状部をもつ車外側脚部をもつ成形ポリマーストリップ片より成り、摺動式車両ウインドウの表面に接する舌状部の表面部分は、ウインドウガラスの昇降中にこの案内に沿ってスムーズにガラスを移動させる低摩擦、非摩耗面であり、該案内装置は摺動中の車両ウインドウガラスによって加えられる力に対抗するのに十分な強度と剛性をもって、これによリ車内方向、車外方向、前方、後方へのウインドウガラスの好ましくない運動を防止する繊維強化ポリマーよリ形成されさらに該案内装置を車輌ドアフレームに締結する一体型取付手段を有する、一体型ガラス走行案内装置が開示されている。
しかしながら、この技術によると、ガラスに密着してゴムの代わりをなす部分が板バネ状であり、ガラスの挿入等や長期間の使用時にゴミが挟まったり、ガラスと樹脂製舌部との間に隙間が生じやすいことや、一体型といっても完全な一体成形品ではなく、二つの成形部品を組み立てて接着して一体型を得るものである。
特開平10−67228号公報には、フレーム部と複数の板バネ状部を有し、板バネ状部がガラスとの摺動面にダスト排除手段を有するものであり、ダスト除去手段が、摺動面に設けた凹凸形状であることを特徴とするウインドウガラス走行安定装置が開示されている。
しかしながら、この技術によるとガラスに密着してゴムの代わりをなす摺動部が板バネ状であり、且つ舌状のような微妙な形状であり、長期的な使用に対して、摺動部のフレームへの付け根が破損しやすいという問題がある。
このように板バネ部を持つものは、ガラスとバネ面とが面接触であるために、ダストが入ってきた場合に板バネ状部とガラスの摩擦が大きく、磨耗したり、抵抗が大きくなりすぎたり、騒音が大きくなりやすい。
また、組立時にフレームにガラスをはめこみやすいようなウィンドウガラス案内フレームが要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、組立時にガラスのはめ込みが容易で、長期間の繰り返し使用が可能で、ガラスのがたつき防止、低騒音、軽量化、リサイクル性に優れた、熱可塑性樹脂製のウィンドウガラス案内フレームを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ガラス取り付けの誤差が吸収できて、膨張収縮変化に対応できて、ガラス開閉時にがたつきやきしみ音が少なく、長寿命なウィンドウガラス案内フレームを得るために、材料の物性、フレーム及びバネ部の構造について検討した結果、樹脂製のフレームの側面にガラス摺動面に対して円錐形状の第1バネ状部を設けることにより、さらに三角形状の第2バネ状部を設けることにより、組立時にガラスのはめ込みが容易で、ガラスの開閉(上下)の長期間の繰り返し使用が可能で、ガラスのがたつき防止、低騒音、軽量化、リサイクル性、及びガラス保持性に優れた熱可塑性樹脂製のウィンドウガラス案内フレームが得られることを見い出し、さらに、バネ状部(2)及び/又はバネ状部(3)の頂点から開孔口(4’)へ向う稜線が側面へ向かってなだらかに傾斜していることにより、ウィンドウガラス案内フレームにガラス(10)をはめ込んで組み立てる際に、ガラスをフレームにスムースにはめ込むことが可能であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明の第1は、U字型ないしコの字型の断面形状を有する車両用ウィンドウガラス案内フレームにおいて、フレームの側面(1’)、側面(1”)及び底面(4)からなり、少なくとも一方の側面の一部を内側に変形させて得られた第1バネ状部(2)が複数設けられており、第1バネ状部(2)は、円錐状、円錐台状、角錐状、角錐台状、円柱状及び角柱状の中のいずれかの形状のものを、該形状のものの底部を含んで、第1バネ状部(2)の側面からの変形量である高さが、フレームの底面(4)に向かって低くなるように、切断した形状であって、第1バネ状部(2)がその頂点(9)からそれが設けられた側面(1’又は1”)への底面側稜線(2’)及び開孔口側稜線(2”)を有し、底面側稜線(2’)は底面(4)に向かって低くなっており、開孔口側稜線(2”)はフレーム開孔口(4’)に向かって低くなっていることを特徴とするウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第2は、開孔口側稜線(2”)と側面とのなす角(α)が60゜以下であることを特徴とする本発明の第1に記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第3は、第1バネ状部(2)と同一フレーム側面上で、第1バネ状部(2)の近傍にさらに第2バネ状部(3)を設け、第2バネ状部(3)が、三角形、多角形、弓形、(楕)円弧形、(楕)円弧の弧の部分が多角形、又はこれらの組み合わせである形状を持つ板状であって、該形状の最長直線辺が深さ方向に向いて側面上に設けられており、該第2バネ状部の頂点(9”)の高さが第1バネ状部の頂点(9)の高さよりも低く、第2バネ状部の頂点(9”)と同じ側面の深さにおける第1バネ状部の中間位置(9’)の高さよりも高く、頂点(9”)からそれが設けられた側面(1’又は1”)への底面側稜線(3’)及び開孔口側稜線(3”)を有し、底面側稜線(3’)は底面(4)に向かって低くなっており、開孔口側稜線(3”)はフレーム開孔口(4’)に向かって低くなっていることを特徴とする本発明の第1又は2に記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第4は、開孔口側稜線(3”)と側面とのなす角(β)が60゜以下であることを特徴とする本発明の第3に記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第5は、フレーム(1)の下端部にガラス保持補強部(5)が設けられていることを特徴とする本発明の第1〜4のいずれかに記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第6は、ガラス保持補強部(5)に、自動車ドアパネルに取り付けるための締結突起(7’)を有する締結脚(7)が設けられていることを特徴とする本発明の第1〜5のいずれかに記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第7は、フレーム(1)の上端部に膨張収縮吸収部(6’)を有する固定脚(6)が設けられていることを特徴とする本発明の第1〜6のいずれかに記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第8は、樹脂を一体成形してなる本発明の第1〜7のいずれかに記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
本発明の第9は、底面(4)の背面がリブ構造(8)を持つ本発明の第1又は3に記載のウィンドウガラス案内フレームを提供する。
なお、本発明では、以下、底面側稜線2’を稜線2’と、開孔口側稜線2”を稜線2”と、底面側稜線3’を稜線3’と、及び開孔口側稜線3”を稜線3”と略称する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のウィンドウガラス案内フレーム1は、図1に示すようにU字型ないしコの字型の溝を有し、側面1’および1”、及び底面4からなり、自動車のドア内部に縦に取り付けられる。
図3はフレーム1を描画の便宜上横にしてウィンドウガラス10を加えて描いたものであるが、ガラス10の側端は、フレーム1の溝内をスライドする。
フレーム1の側面1’及び/又は1”には、ガラス10を挟み付けるように第1バネ状部2(図3では半切りの円錐状)が多数設けられる。第1バネ状部2は側面の一部を内側に変形させて形成される。また、図5に示すように、側面1’及び/又は1”には隣接する第1バネ状部2の間に第2バネ状部3(図4では三角板状)を多数設けることもできる。
なお、側面1’上の第1バネ状部2あるいは第2バネ状部3は側面1”上の第1バネ状部2あるいは第2バネ状部3と向かい合って配列されていても、互い違いにずれて設けられてもよいが、好ましくは、図4に示すように向かい合って配列される。
第1バネ状部2さらには第2バネ状部3により開閉時や、自動車運行時のガラスのがたつき防止やガラスの変形、取り付け時の誤差が吸収される。
底面4は側面1’及び1”を繋ぎ、全体としてフレーム1が一体成形体として構成される。底面4はガラス10の前後(車輌の前、後方向の意味)へのストッパーの役割も果たす。底面4はフレーム1の底部全面に設けられていても、一部に設けられていてもよく、特に第1バネ状部2が設けられる底部には設けないでもよい。図2はフレーム1の底面図であり、底面4の外面は補強のためにクロスリブ形状8にしてもよい。また、図2は底面4が一部に設けられている例を示す。
【0007】
フレーム1はガラス10の前方及び/又は後方に、好ましくは両方向に設けられる。
これによって、ガラス10は、多数の第1バネ状部2あるいはさらに第2バネ状部3に挟まれながら、側面1’および1”、及び底面4により上下にスムースに案内される。
図3に示すように、フレーム1の少なくとも上または下端部にはガラス保持補強部5を設けて、ガラス10の全開下降時のガラス保持が十分に行われるようにしてもよい。
図1に示すように、フレーム1の下端部に、好ましくはガラス保持補強部5に自動車ドアパネルに取り付けるための締結突起7’を有する締結脚7を設ける。また、フレーム1の上端部には膨張収縮吸収部6’を有する固定脚6を設ける。
【0008】
フレーム1の大きさについては、機能上問題を生じない範囲で最適の寸法を選択することができる。
側面の長さ、側面1’の深さ、側面1”の深さは、ガラスの大きさ及び必要なガラス保持強度に応じて決められる。
側面1’と1”の深さは異なってもよいが、同じであることが好ましい。
側面の厚さ、底面の厚さも上記と同様である。
側面1’と1”の間隔は、ガラスの形状などに応じてガラスがはめ込みやすく、がたつきのない範囲を選択することができる。
【0009】
第1バネ状部2の形状としては、円錐状、円錐台状、角錐状、角錐台状、円柱状、角柱状等のものの底部を含むようにして円錐状、円錐台状、角錐状、角錐台状では縦方向に、円柱状、角柱状では斜めにその一部を切った形状である。円錐は楕円錐状であってもよく、角錐は三角錐、四角錐等何角錐であってもよく、角柱は何角柱であってもよい。一部を切った形状はこれらを1/2、1/3、1/4、3/4等に切ったものでもよく、例えば図5では1/2〜1/3程度に切った円錐状であり、円錐の底部の円は弧をなす。
以下、分かり易いように図5に示す円錐状の例で説明する。
第1バネ状部2は、第1バネ状部2の高さが、全体的にみて底面に向かって低くなるように設けられる。「全体的にみて底面に向かって低くなるように」とは、第1バネ状部2が最大高さ9の位置に置いて、溝の深さ方向に向かう長い稜線のみからなる図5のような場合には直ぐに理解されるが、溝の深さ方向に向かう長い稜線2’とその反対方向で、フレーム開孔口4’に向かって低くなっている短い稜線2”からなる図6ような場合に、長い稜線が底面に向かって低くなるように傾斜していることをいう。
また、図8に示すように、稜線2”とそれが設けられた側面とのなす角(即ち、稜線2”とフレーム開孔口(4’)方向への垂線(11)とのなす角)αが60゜以下、好ましくは45゜以下、さらに好ましくは30゜以下であると、ガラス10をフレーム1にはめ込んでウィンドウガラス案内フレームを組み立てる際に、ガラスがフレームにスムースにはまりやすい。
【0010】
第1バネ状部2の大きさは、ガラス10の大きさにもよるが、側面に設けられた円錐部の底面の円の直径は2〜50mm、好ましくは5〜20mmであり、側面における弧の弦の長さは1〜30mm、好ましくは5〜20mmであり、円錐部の高さは5〜50mm、好ましくは10〜30mmであり、円錐部の肉厚は0.5〜5mm、好ましくは1〜3mmであり、フレームの少なくとも片側の側面1’(または1”)に設けられた第1バネ状部2の隣接間隔は10〜150mm、好ましくは30〜100mmである。
第1バネ状部2は、ガラス10と円錐の底面の円周で接触し、円錐の変形および設けられたフレームの側面1’(または1”)の変形によってバネを形成する。
なお、上記は分かりやすく二つの稜線2’と2”の交わる頂点の接触で説明したが、頂点部は丸みを帯びて接触してもよい。また、頂点部は鍔状で、鍔に厚みをある程度持たせてもよい。鍔の厚みとしては0.1〜5mm程度である。また、鍔状部を設ける場合、鍔の方が僅かに高く、稜線2’及び/又は2”との間に段差を設けてもよい。好ましくは稜線2’との間に段差を設け、稜線2”との間には段差を設けない方がガラスのはめ込みがスムースに行われる。
第1バネ状部2のガラス10と接触した際の歪みは、0.5〜5%、好ましくは1〜3%である。
上記は、円錐で説明したが、円柱でも同様の関係が成立し、角錐または角柱では円錐に相当する直径、弦の長さ等で表される。
【0011】
第2バネ状部3の形状としては、三角形、多角形、弓形、(楕)円弧形、(楕)円弧の弧の部分が多角形、これらの組み合わせ等の板状のものが挙げられる。該形状の最長直線辺(三角形、多角形では最長辺、弓形、弧形では弦をいう。)が深さ方向に向いて側面上に設けられている。
板は必ずしも均一な厚みでなくてもよく、頂点は薄く尖っていてもよく、頂点から底辺への垂線部は肉厚であってもよい。また、そろばん玉のように円錐が二つ合わさって中間が膨らんでいてもよい。また、板は中が樹脂で詰まっていても、空洞であってもよい。
以下、分かり易いために図6に示す三角形の均一な板の例で説明する。
第2バネ状部3は、溝の深さ方向、即ち底面4に向かって、三角形の最大長さの辺が側面上に設けられている。
また、図8に示すように、頂点9”から側面への二つの稜線3’及び3”については、稜線3’は底面4に向かって低くなっており、稜線3”はフレーム開孔口4’に向かって低くなっており、稜線3”とそれが設けられた側面とのなす角(即ち、稜線3”とフレーム開孔口(4’)方向への垂線(11’)とのなす角)βが60゜以下、好ましくは45゜以下、さらに好ましくは30゜以下であると、ガラス10をフレーム1にはめ込んでウィンドウガラス案内フレームを組み立てる際に、ガラスがフレームにスムースにはまりやすい。
【0012】
第2バネ状部3の大きさは、ガラス10の大きさにもよるが、図6に示すように、第2バネ状部3の頂点9”の高さは第1バネ状部の頂点9の高さよりも低く、第2バネ状部の頂点9”と同じ側面の深さにおける第1バネ状部の中間位置9’の高さよりも高い。側面1’上の第1バネ状部とガラス10の間隔が開いて接触が行われなくなった場合に、第2バネ状部がガラス10と接触を保つ。
9と9”の高さの差は、設定するガラス保持力により決定されるが、0.2〜2mm、好ましくは0.5〜1mmであり、9”と9’の高さの差は0.2〜1.5mm、好ましくは0.5〜1mmである。
板の厚さは0.5〜5mm、好ましくは1〜2.5mmである。
フレームの片側の側面1’(または1”)に設けられた第2バネ状部3の隣接して設けられる間隔は10〜150mm、好ましくは30〜100mmである。
フレームの片側の側面1’(または1”)に設けられた第2バネ状部3と第1バネ状部2の距離は5〜50mm、好ましくは10〜30mmである。
第2バネ状部3は第1バネ状部2と必ず1対になって設けられなくてもよく、第1バネ状部2の数より多くても、少なくてもよいが、できるだけ両者の数が近いことが好ましい。
【0013】
第2バネ状部3は、ガラス10と三角形の頂点で接触し、三角形の変形および設けられたフレームの側面1’(または1”)の変形によってバネを形成する。
第2バネ状部3のガラス10と接触した際の歪みは0.5〜5%、好ましくは1〜3%である。
上記は、板状三角形で説明したが、円弧では三角形に相当する底辺の長さ、高さ等で表される。
【0014】
第2バネ状部3を第1バネ状部2の稜線2’上に形成して、図9に示すように第1バネ状部2と第2バネ状部3を一体にしてもよい。
【0015】
なお、図8において、ガラスの挿入力Faとガラスが第1バネ状部の円錐部を押しのける力Fdは、ガラスとフレームを構成する樹脂との動摩擦係数をμ(μは0と1の間の値である。)とすると、前記αとの間には、特定の関係が成り立つ。
【0016】
本発明では、ダストが付着した場合の開閉時のきしみ音について検討した結果、フレームとしては側面の剛性が高い方がよいこと、バネ部によるガラスの支持はできるだけ接触面が小さく、好ましくは点接触であること、及びバネ部のガラスに対する反発力が大きすぎるときしみ音が大きくなるので一定の限界以下の反発力(ガラス支持力)以下になるようにすることが重要であることが分かった。
特に点接触とすることによりダストの付着が少なくなり、またダストの排除が容易になる。
側面1’及び1”の一部を内側に、例えば円錐形状に変形させて第1バネ状部2を形成させることにより、ガラスとの接触部の剛性を高めることができる。
本発明では、第1バネ状部2にさらに第2バネ状部3を設けることにより、ガラス保持力が増強される。
第2バネ状部3を多段に設ける場合には、ガラス保持力が多段で増強される。
第2バネ状部3は、隣接する第1バネ状部2の間で、又は第1バネ状部2と一体化して、底面に向かって高さを低下させながら多段に設けることができる。
【0017】
図3に示すように、ガラス保持補強部5は、ガラス全開時にフレームに対するガラスの負担が最大になるが、フレーム底部に対しガラス保持補強部5を可能な限り広く設定することで強度向上を図り、その他の部分の荷重を低減させる働きを持つ。
このような構造にして、ウィンドウガラス10の全開下降時のガラス保持、ドアーを強く閉めた時のガラスの外れに対する対策が十分に行われるようになる。
側面1’、1”及び側面に設けられた第1バネ状部2にさらに第2バネ状部3、及び底面4からなるフレーム1の構造に、これにガラス保持補強部5が加わることによりドアーを強く閉めた場合、例えばガラスを介してフレームに30kgf(294N)の力が掛かっても変形は0.4〜3.6mmの範囲であり、フレームからのガラスの外れは起こらない。
さらに、ガラス全開時にフレームに対する負担が最大になるので、フレーム底面の背面をリブ構造にすることにより強化することができる。
【0018】
図1に示すように、ガラス保持補強部5に自動車ドアパネルに取り付けるための締結突起7’を有する締結脚7を設ける。
ガラス保持補強部5の端部に、スナップフィット形式による締結突起7’の代りに、ドアーに固定するための金属プレートを挿入するためのレールとストッパーを設けることも好ましく、あるいは金属インサートを設けてもよい。
【0019】
また、フレーム1の上端部には膨張収縮吸収部6’を有する固定脚6を設ける。
これにより、車内が夏期に40〜80℃、冬季に0〜−30℃になっても、温度変化によるフレームの膨張収縮を吸収することができる。
ポリアセタールとして、例えばジュラコンTMM90−44(ポリプラスチックス株式会社製)の線膨張係数は15×10−5/℃(80℃)、12.3×10−5/℃(50℃)、9×10−5/℃(0℃)、8×10−5/℃(−30℃)であり、23℃で250mmのフレームは、−30℃では249mm弱に収縮し、80℃では252mm強に膨張するが、このような温度変化による寸法の変化を吸収することができる。
さらに、膨張収縮吸収部6’は、ガラスの寸法誤差や、取り付け誤差を吸収する役割も果たす。
【0020】
フレーム1を一体成形で得るために使用する樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては各種ポリエチレン、各種ポリプロピレン、EPDM等のポリオレフィン、ポリスチレン、ABS樹脂、ASA樹脂等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、各種ナイロン等のポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリアセタール、変性ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族液晶ポリマー等が挙げられる。
特にポリアセタール類が機械的物性(特にクリープ、疲労、耐摩耗性)、ウィンドウガラスとの摺動性、耐熱性、加工性、リサイクル性、コストの点で好ましい。
【0021】
また熱可塑性樹脂には、必要に応じて無機または有機の充填材を添加することができる。
充填材としては、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフェライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マイカ、ネフェリンシナイト、アタルパルジャイト、ウォラストナイト、フェライト、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石膏、微粉末シリカ、石英、石英ガラス等の粉体または板状体、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム、アスベスト、炭化ケイ素、セラミック、窒化ケイ素等の繊維状、板状または粉末状、ガラスビーズ、ガラスバルーン等の球状または中空状のもの、これらの混合物を挙げることができる。
充填材は、接着性を高めるために、シラン系、チタン系等のカップリング剤で処理して使用してもよい。
【0022】
樹脂の成形方法には特に制限はなく、従来の成形加工技術が使用できる。
例えば、射出成形装置が使用できる。
ウィンドウガラス案内フレームは全体が一度に成形加工されてもよいし、部分的に成形加工されて、それらが組み立てられて本発明の形状をなすようにしてもよいが、好ましくは全体が一度に成形加工されて、両側面、第1バネ状部、第2バネ状部、底面、ガラス保持補強部、固定脚、膨張収縮吸収部、締結脚、締結突起、クロスリブが形成される。締結脚には自動車ドアーにウィンドウガラス案内フレームをネジ止めするために、必要であれば金属ナット等を埋め込んでウィンドウガラス案内フレームを一体成形することもできる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】
[実施例1]
ジュラコンTMM90−44(ポリプラスチックス株式会社製)を使用して、図1に示す長さ250mmのウィンドウガラス案内フレームを、図8における角度αが60゜、角度βが60゜になるように、射出成形により一体成形し、ガラス10をはめて中立位置からのガラスの変位量とガラス保持力を測定した。
結果を図7に示す。本発明によれば複数の第1バネ状部2及び第2バネ状部3により、従来の樹脂製のもの(b)よりもガラス保持力が大きい。とくに、図7のグラフ(a)の折れ曲がり部(破線矢印)から第2バネ状部3により保持力が増強されることが分かる。
また、2mmの強制歪み(歪みは2%程度)を繰り返し1,000万回与えた場合でも、フレームは疲労破壊しなかった。
また、ガラスが中立位置から2mmの変位で入った場合に、第1バネ状部2及び第2バネ状部3の変位し続ける時間を8,000時間としても、樹脂のクリープ破壊は見られない。
また、ダスト摺動試験として、ダストにJIS Z8901に示される1種、2種、7種、及び水を1:2:1:1で混合したダスト水を、上側環状試験片ポリアセタール、下側角形試験片ウィンドウガラス板との間に塗り、上側試験片に面圧を加え、下側試験片を回転させて動摩擦係数を測定し、面圧を変化させた場合のきしみ音の発生の有無を測定した。
ガラスには摩耗はなく、ポリアセタールにも摩耗は殆ど見られなかった。
さらに、ガラスをフレームにはめ込んでウィンドウガラス案内フレームを組み立てる際に、ガラスをフレームにスムースにはめ込むことができた。
結果を表1及び2に示す。
【0025】
[実施例2および3]
ポリアセタールとして、ジュラコンTMM25−44、AW−09(いずれもポリプラスチックス株式会社製)を使用して、実施例1と同じものを製作した。
結果を表1及び2に示す。
【0026】
[実施例4]
ポリアセタールとして、ジュラコンTMM90−44(ポリプラスチックス株式会社製)を使用して、図1に示す形状(但し第1バネ状部と第2バネ状部の形状は後述の形状である。)で、長さ250mmのウィンドウガラス案内フレームであって、図9のように第1バネ状部の稜線2’の上に三角形板状の第2バネ状部を一体成形した。なお、図9における角度αが60゜、角度βが60゜になるように、射出成形により一体成形した。
ガラスをフレームにはめ込んでウィンドウガラス案内フレームを組み立てる際に、ガラスをフレームにスムースにはめ込むことができた。
また、複数の第1バネ状部2及びその上に一体的に設けられた第2バネ状部3により、第1バネ状部2がガラスから離れた場合にも、第2バネ状部3がガラスを保持した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、多数の板バネ状のものを使用する従来のものよりも、シンプルな構造を持ち一体成形が容易であり、摺動抵抗が少なく、がたつきが少なく、低騒音であり、塵埃による詰まり、バネ部の劣化や故障が少なく、長寿命である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウィンドウガラス案内フレームの一例を縦方向斜視図を示す。
【図2】図1の背面図を示す。
【図3】図1のウィンドウガラス案内フレームを横に置いた場合の斜視図を示す。
【図4】図1のウィンドウガラス案内フレームの部分拡大斜視図を示す。
【図5】図1のウィンドウガラス案内フレームの位置関係の一例を示す部分拡大斜視図を示す。
【図6】図1のウィンドウガラス案内フレームの部分断面図を示す。
【図7】中立位置からのガラスの変位量とガラス保持力の関係を示すグラフである。(a)は本発明の樹脂製、(b)は従来の樹脂製、(c)は従来の金属フレームとゴム製のウィンドウガラス案内フレームの場合をそれぞれ示す。
【図8】本発明のウィンドウガラス案内フレームの一例の部分断面図を示す。
【図9】本発明のウィンドウガラス案内フレームの他の一例の部分断面図を示す。
【符号の説明】
1 ウィンドウガラス案内フレーム
1’側面
1”側面
2 第1バネ状部
2’底面側稜線
2”開孔口側稜線
3 第2バネ状部
3’底面側稜線
3”開孔口側稜線
4 底面
4’フレーム開孔口
5 ガラス保持補強部
6 固定脚
6’膨張収縮吸収部
7 締結脚
7’締結突起
8 クロスリブ
9 第1バネ状部の頂点
9’第1バネ状部の中間点
9”第2バネ状部の頂点
10 ウィンドウガラス
11 垂線
11’垂線
α 稜線2”と垂線11とのなす角
β 稜線3”と垂線11’とのなす角
Claims (9)
- U字型ないしコの字型の断面形状を有する車両用ウィンドウガラス案内フレームにおいて、フレームの側面(1’)、側面(1”)及び底面(4)からなり、少なくとも一方の側面の一部を内側に変形させて得られた第1バネ状部(2)が複数設けられており、第1バネ状部(2)は、円錐状、円錐台状、角錐状、角錐台状、円柱状及び角柱状の中のいずれかの形状のものを、該形状のものの底部を含んで、第1バネ状部(2)の側面からの変形量である高さが、フレームの底面(4)に向かって低くなるように、切断した形状であって、第1バネ状部(2)がその頂点(9)からそれが設けられた側面(1’又は1”)への底面側稜線(2’)及び開孔口側稜線(2”)を有し、底面側稜線(2’)は底面(4)に向かって低くなっており、開孔口側稜線(2”)はフレーム開孔口(4’)に向かって低くなっていることを特徴とするウィンドウガラス案内フレーム。
- 開孔口側稜線(2”)と側面とのなす角(α)が60゜以下であることを特徴とする請求項1に記載のウィンドウガラス案内フレーム。
- 第1バネ状部(2)と同一フレーム側面上で、第1バネ状部(2)の近傍にさらに第2バネ状部(3)を設け、第2バネ状部(3)が、三角形、多角形、弓形、(楕)円弧形、(楕)円弧の弧の部分が多角形、又はこれらの組み合わせである形状を持つ板状であって、該形状の最長直線辺が深さ方向に向いて側面上に設けられており、該第2バネ状部の頂点(9”)の高さが第1バネ状部の頂点(9)の高さよりも低く、第2バネ状部の頂点(9”)と同じ側面の深さにおける第1バネ状部の中間位置(9’)の高さよりも高く、頂点(9”)からそれが設けられた側面(1’又は1”)への底面側稜線(3’)及び開孔口側稜線(3”)を有し、底面側稜線(3’)は底面(4)に向かって低くなっており、開孔口側稜線(3”)はフレーム開孔口(4’)に向かって低くなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のウィンドウガラス案内フレーム。
- 開孔口側稜線(3”)と側面とのなす角(β)が60゜以下であることを特徴とする請求項3に記載のウィンドウガラス案内フレーム。
- フレーム(1)の下端部にガラス保持補強部(5)が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のウィンドウガラス案内フレーム。
- ガラス保持補強部(5)に、自動車ドアパネルに取り付けるための締結突起(7’)を有する締結脚(7)が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のウィンドウガラス案内フレーム。
- フレーム(1)の上端部に膨張収縮吸収部(6’)を有する固定脚(6)が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のウィンドウガラス案内フレーム。
- 樹脂を一体成形してなる請求項1〜7のいずれかに記載のウィンドウガラス案内フレーム。
- 底面(4)の背面がリブ構造(8)を持つ請求項1又は3に記載のウィンドウガラス案内フレーム。
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JP28468098A JP3600039B2 (ja) | 1998-10-07 | 1998-10-07 | ウィンドウガラス案内フレーム |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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ID=17681599
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JP28468098A Expired - Fee Related JP3600039B2 (ja) | 1998-10-07 | 1998-10-07 | ウィンドウガラス案内フレーム |
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1998
- 1998-10-07 JP JP28468098A patent/JP3600039B2/ja not_active Expired - Fee Related
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