JP3599609B2 - 記録ヘッド及びその記録ヘッドを用いた記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は記録ヘッド及びその記録ヘッドを用いた記録装置に関し、特に、インクジェット方式に従って記録を行なう記録ヘッド及びその記録ヘッドを用いた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクを吐出させて画像を記録するインクジェット記録ヘッドを用いたプリンタにおいて、吐出されたインク滴の大きさが不均一であると記録画像の品位が低下したり、濃度むら等に起因した画質劣化が発生するため、高品位な記録を行うためにはインク滴の大きさを一定に保つことが望まれる。
【0003】
さて、インクジェット記録ヘッドの中でもインクを加熱し発泡させ、その圧力によりインクを吐出させる方式を採用した記録ヘッドでは、インク滴の大きさはインクの粘度や発泡時の圧力の影響を受ける。インクの粘度や発泡時の圧力は、インクの温度に依存するため、インクの温度が変化するとインク滴の大きさが変化してしまう。その結果、記録画像の質を劣化させてしまうことがある。
【0004】
このため、従来よりインクの温度を検知し、ヒータに印加するパルス幅を可変し、吐出エネルギを制御し、インク滴の大きさを一定に保つようにするという制御が行なわれてきた。また、インク切れや、高速記録動作中に記録ヘッドの破壊に至るような異常な昇温を検知し、記録動作を休止させるという制御も行われていた。
【0005】
特開平6−336071号公報には、このような制御を行うための温度検知手段が提案されている。この公報では、記録ヘッドの基板上に内蔵されたダイオードからの順方向電圧(VF)を、記録ヘッドの外部に設けられたアナログ信号処理により増幅し、また、順方向電圧(VF)のバラツキに対する補正を行って、VF温度係数を読み取ることで、記録ヘッドの温度検知を行っていた。
【0006】
図6は従来のダイオードセンサの出力ばらつきを補正することが可能な温度検知回路の構成を示すブロック図である。
【0007】
図6に示すように記録ヘッド101の基板に設けられたダイオード102に定電圧電源103から印加された電圧は、順方向電圧(VF)として、記録ヘッドの外部に設けられたアナログ信号処理回路を構成する差動増幅器104の(−)端子に入力される。差動増幅器104の出力はコンパレータ105の(+)端子に入力される。一方、差動増幅器105の(+)端子にはCPU106から出力された所定の閾値を示す信号をD/A変換器108によってアナログ変換された信号が入力される。そして、差動増幅器105の出力がCPU106のA/D入力端子109に入力される。
【0008】
一方、CPU106の内部にはA/D変換器が内蔵されており、A/D入力端子109に入力されたアナログ信号がデジタル値に変換されて、CPU106で処理される。また、記録装置にはその内部を温度を検出する温度センサ107も設けられており、その出力がA/D入力端子109に入力される。
【0009】
このような構成により、CPU106は記録ヘッド101に設けられたダイオードによって検出された温度情報に基づいて記録制御を行なうことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来例では、記録ヘッドの基板上のダイオードの順方向電圧(VF)を用いて、記録ヘッド外部に設けられた信号処理回路により温度検知を行っていたため、以下のような解決すべき課題があった。
【0011】
(1)記録ヘッドのダイオードとアナログ信号処理回路とはフレキシブル配線やコネクタを介して電気的に接続され、同一フレキシブル配線に記録ヘッドを駆動のための信号線や電源ラインも配設されている。このため、隣接する信号線からのデジタルノイズや電源ラインからのノイズがダイオードからの信号線に重量され、順方向電圧(VF)の誤差となり、その結果、検知温度に誤差を生じる。
【0012】
(2)ダイオードが実装されている半導体基板上に、記録ヘッドのヒータ駆動回路も実装されているため、ヒータ駆動の電流変動がその基板のグランドのインピーダンスによりグランドの電位変動となり、従って、基板を同じくするダイオードのグランド電位も変動する。このようにして、温度検知回路のグランド電位が記録ヘッドの基板のグランド電位が異なれば、上記のノイズの場合と同様、順方向電圧(VF)の電圧検知誤差を生じることとなる。
【0013】
(3)記録ヘッド個々のダイオード特性のバラツキや、アナログ信号処理回路の特性のバラツキも、上記と同様な誤差を生じる。
【0014】
このような検知温度誤差を生じると、インク温度に応じたインク吐出制御ができなくなり、その結果、記録画像の品位の低下といった問題が起きる。
【0015】
一方、従来の温度検知は、順方向電圧(VF)の温度変化分であるアナログ電圧をプリンタ本体の制御回路のA/D変換器に入力されてデジタル値変換し、その変化量をその制御回路のROMに予め書き込まれた温度と変化量のテーブルから温度を算出していた。このため、制御回路にA/D変換器を搭載することや、アナログ処理回路が記録ヘッドの外部に備えることが必要となり、装置構成が複雑となり、記録装置全体としてのコストアップの要因となっていた。
【0016】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、記録ヘッドの基板上に温度検知回路を備え、より安価でかつより正確な温度検知を行なうことができる記録ヘッド及びその記録ヘッドを用いた記録装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の記録ヘッドは以下の構成からなる。
【0018】
即ち、記録素子を駆動する駆動回路と、温度に関する情報をデジタル出力する検出回路とを同一半導体基板に実装した記録ヘッド基板を有する記録ヘッドであって、前記検出回路は、ダイオード接続された電流密度の異なるトランジスタ対のベース・エミッタ間電圧の正の温度特性を有する差電圧に基づいて温度依存性のないバンドギャップ電圧を発生する第1の回路と、前記第1の回路で発生する前記バンドギャップ電圧を増幅して基準電圧を発生する第2の回路と、前記第1の回路で温度依存性のないバンドギャップ電圧を発生させるために用いる前記差電圧を増幅することで絶対温度に比例した熱電圧を発生する第3の回路と、前記熱電圧と前記基準電圧とを比較し、該比較結果を2値データとして出力する第4の回路とを含むことを特徴とする記録ヘッドを備える。
【0019】
また、第2の回路は、基準電圧の出力部に複数の抵抗を直列に接続し、これら複数の抵抗各々の間から複数の異なる電圧を出力するようにし、これら複数の異なる電圧を順次切換えて、第4の回路に出力するような構成にすると良い。
【0020】
さらに、基準電圧及び熱電圧を補正する第5の回路と、その補正した情報を保持する、例えば、ヒューズROMのような保持手段とを有すると良い。
【0021】
なお、前記記録ヘッドは、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであることが好ましく、その場合、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることが望ましい。
【0022】
また他の発明によれば、以上の構成の記録ヘッドを用いて記録を行なう記録装置を備える。
【0023】
以上の構成により本発明の記録ヘッドは、記録ヘッドの駆動回路を実装したのと同一基板上に温度検出回路を実装し、その回路から温度情報をデジタル出力する。具体的には、温度依存性のないバンドギャップ電圧を発生し増幅して基準電圧とし、絶対温度に比例した熱電圧を発生させ、この熱電圧と基準電圧とを比較し、その比較結果をデジタル2値データとして出力する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の代表的な実施形態であるインクジェット方式に従って記録を行なう記録ヘッドを備えた記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【0026】
この実施形態では、図1に示すように記録ヘッド1はこれにインクを供給するインクタンク7とともに連結され一体となってインクカートリッジ20を構成する。なお、この実施形態ではインクカートリッジ20は記録ヘッド1とインクタンク7とが分離可能な構成となっているが、記録ヘッドとインクタンクとが一体化したインクカートリッジを用いても良い。
【0027】
また、インクタンク7の底面にはインク残量検出を行うための光反射面が設けられている。
【0028】
図1において、記録ヘッド1は図中下向きにインクを吐出する姿勢でキャリッジ2に搭載されており、キヤリッジ2をガイド軸3に沿って移動させながらインク液滴を吐出して記録用紙のような記録媒体(不図示)上に画像を形成していく。なお、キヤリッジ2の左右移動(往復移動)はキヤリッジモータ4の回転によりタイミングベルト5を介して行われる。キヤリッジ2には係合爪6が設けられ、インクタンクの係合穴7aと係合して、キヤリッジ2にインクタンク7は固定される.
さて、記録ヘッド1走査分の記録が終了すると、記録動作を中断し、プラテン8上に位置する記録媒体をフイードモータ9の駆動により所定量だけ搬送し、次いで再びキヤリッジ2をガイド軸3に沿って移動させながら次の1走査分の画像形成を行う。
【0029】
装置本体の右側には記録ヘッド1のインク吐出状態を良好に保つための回復動作を行う回復機器10が配設されており、その機器10には記録ヘッド1をキャップするキャップ11、記録ヘッド1のインク吐出面を拭うワイパ12、及び、記録ヘッド1のインク吐出ノズルからインクを吸引するための吸引ポンプ(不図示)などが設けられている。
【0030】
また、記録媒体を搬送するためのフイードモータ9の駆動力は本来の記録媒体搬送機構に伝達される他に、自動給紙装置(ASF)13へも伝達される。
【0031】
従って、記録媒体、例えば、記録用紙1頁分の記録が終了するとフィードモータ9が駆動し、その記録用紙を記録装置の外に排出するとともに、次の用紙に記録が行なわれる場合にはASF13も駆動され、次の用紙をASF13に積載された記録用紙の中から給紙する。
【0032】
さらに、回復機器10の横側には赤外LED(発光素子)15及びフォトトランジスタ(受光素子)16から成るインク残量検出を行うための反射型センサを構成する光学ユニット14が設けられている。これらの発光素子15と受光素子16とは記録用紙の搬送方向(矢印Fの方向)に沿って並ぶように取り付けられている。光学ユニット14は装置本体のシヤーシ17に取り付けられている。インクカートリッジ20がキヤリッジ2に搭載され、図2に示された位置より右方向へと移動すると、インクカートリッジ20は光学ユニット14上に位置するようになる。そして、インクタンク7の底面よりインクの状態を光学ユニット14によって検出することが可能となる。
【0033】
次に、上述した装置の記録制御を実行するための制御構成について説明する。
【0034】
図2は記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。
【0035】
図2において、1700は記録信号を入力するインタフェース、1701はMPU、1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するROM、1703は各種データ(上記記録信号や記録ヘッド1に供給される記録データ等)を保存しておくDRAMである。1704は記録ヘッド1に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インタフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。1705は記録ヘッド1を駆動するヘッドドライバ、1706、1707はそれぞれフィードモータ9、キヤリッジモータ4を駆動するためのモータドライバである。
【0036】
上記制御構成の動作を説明すると、インタフエース1700に記録信号が入るとゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706、1707が駆動されると共に、ヘッドドライバ1705に送られた記録データに従って記録ヘッド1が駆動され、記録が行われる。
【0037】
なお、1710は記録動作や記録装置の状態に係る種々のメッセージを表示するLCD1711や記録動作や記録装置の状態を知らせる種々の色のLEDランプ1712や警告音を発するブザー(不図示)を備えた表示部である。
【0038】
また、記録ヘッド1と一体となったインクタンク7のインク有無を検出するインク残量検出部25の動作はMPU1701によって制御される。
【0039】
図7は本発明のインクジェット記録ヘッドのインクを吐出するインク吐出部の近傍を模式的に示した図であり、図7の(b)は図7の(a)のABCD断面図を示している。
【0040】
このインクジェット記録ヘッドのインク吐出部は、大まかに言えば、インク303を吐出するための熱を発生する発熱素子(電気熱変換体)401が複数個配され、シリコンなどの半導体で構成された素子基板(以下、基板という))400と、基板400上に設けられ、発熱素子401に対向して配置する吐出口とこの吐出口にインクを供給するためのインク流路301の溝を有するオリフィス部材300とで構成されている。
【0041】
また、基板400にはインク流路に対して基板の裏面側からインクを供給するためのインク供給穴502が基板400を貫通する穴として形成されている。また、基板(チップ)上には半導体製造工程を用いて基板形成することによって一体的に発熱素子401の夫々を選択的に駆動するための駆動回路及び配線が形成されると共に、前述したダイオードで構成された温度センサや後述する回路が作りこまれている。
【0042】
図3は記録ヘッド1の基板に、半導体製造工程を用いた基板形成によって一体的に実装された温度検出回路の構成を示す回路図である。この回路は特にCMOS半導体プロセスによって製造される回路として好適なものである。図3に示すように、この回路は、バンドギャップ回路、熱電圧回路、基準電圧回路、2値化回路で構成されている。
【0043】
なお、記録ヘッドの基板には温度検出回路の他に記録ヘッドの電気熱変換体を駆動するためにパワートランジスタ、そのトランジスタを駆動するための記録データを格納するシフトレジスタ、ラッチ回路などの駆動回路が実装されているが、これらの回路は公知であるため、ここではその説明は省略する。
【0044】
さて、ハンドギャップ電圧源でのダイオード接続されたトランジスタQ1、Q2は、P型半導体基板を用いた場合に、N形ウェル領域に寄生する基板をコレクタとするサブストレートPNPトランジスタである。
【0045】
以下にバンドギャップ電圧源の動作について説明する。
【0046】
電流密度の異なる2つのトランジスタQ1、Q2のVbeの差電圧ΔVbeは正の温度特性を持つため、このΔVbeを負の温度特性を持つVbeの傾きに対応させ加算することで温度依存のないバンドギャップ電圧Vbgを得る。
【0047】
図3に示す回路が安定点を持つとすると、点a,bにおけるR2、R3の電位降下は等しくなり、
I1R2=I2R3
I1/I2=R3/R2
ここで、R3とR2が等しいとすると、
I1=I2
となる。オペアンプOP1は、点a,bの電位が等しくなる様に、NMOSトランジスタM1のソースフォロワによりVbgにフィードバックがかかる。
【0048】
さて、トランジスタQ1、Q2のエミッタサイズ比をn:1とし、ベース電流を無視すると、トランジスタQ1、Q2のVbeの差電圧ΔVbeは、
となる。ただし、Vt=kT/qとする。R1の電位降下はΔVbeであるから、
I1=ΔVbe/R1=(Vt/R1)ln(n)
となり、また、R2の電位降下は、
I1・R2=(R2/R1)Vtln(n)
となる。よってVbgは、
となる。ただし、a=(R2/R1)ln(n)である。
【0049】
ここで、nは定数、Tは絶対温度、各抵抗の種類が同一で、温度係数が等しいとすると、kは定数となる。
【0050】
この実施形態では、Vbeの温度係数は、約−2.1mV/℃であり、Vtの温度係数は約0.085mV/℃であるから、Vtの乗数aの値を24.3になるように、nおよび抵抗値を設定することで、Vbgの温度係数をほぼ“0”にすることができる。このときのVbgは約1.25Vとなる。
【0051】
このバンドギャップ電圧(Vbg)に基づいて、温度特性(温度依存性)をもたない基準電圧(Vref1〜Vref4)が基準電圧回路において設定される。
【0052】
バンドギャップ電圧(Vbg)は、オペアンプOP2を介して、抵抗R5に印加され、PMOSトランジスタM8、M9、M10、M11で構成されるカレントミラーにより抵抗R5に流れる電流がRr1〜Rr4側にミラーされる。従って、抵抗R5と抵抗Rr1〜Rr4の抵抗比とミラー比とにより、Vref1〜Vref4の電圧が設定される。
【0053】
一方、熱電圧VTは、バンドギャップ電圧源で発生するΔVbeを増幅し、絶対温度に比例する電圧を得るようにする。このため、電源電圧に対し熱電圧VTが十分なダイナミックレンジを得るために、Vbgを用いて電圧をシフトする構成をとる。
【0054】
バンドギャップ電圧源での電流(I1+I2)から電流I4を差し引いた電流が、MOSトランジスタM2〜M5で構成されるカレントミラー回路により、ミラー比1:mで抵抗R4に供給される。
【0055】
ここで、電流I3は、
I3=m(I1+I2−I4)
であり、R2=R3とすると、
I3=m(2I1−I4)=(2m/R1)Vtln(n)−mI4
となる。よって、抵抗R4の電圧降下VTは、
VT=I3・R4=(2mR4/R1)Vtln(n)−mI4R4となる。ここで、電流I4は抵抗R5に流れる電流のミラー電流で、MOSトランジスタM6〜M9で構成されるカレントミラー回路のミラー比を1:Lとすると、
I4=L・Vbg/R5
よって、熱電圧(VT)は、
VT=2m(R4/R1)Vtln(n)−Lm(R4/R5)Vbg
となる。上式の右辺の第1項は絶対温度に比例し、第2項は温度依存性のない項である。
【0056】
例えば、10mV/℃の温度係数を得るには、Vtの温度係数が約0.085mV/℃であるから、2m(R4/R1)ln(n)の値を“118”になるように抵抗値、ミラー比を設定することで実現される。この場合、上式の右辺第1項は、室温で約3V、100℃上昇すると約4Vとなり、電源電圧が5Vの場合、温度変化に対し、十分なダイナミックレンジが得られないため、温度依存性のない電圧(右辺第2項)により、低電圧側に熱電圧VTをシフトしている。
【0057】
次に、2値化回路により熱電圧Vtと基準電圧(Vref1〜Vref4)とをコンパレータ(comp1)により比較し、検知温度を2値化し出力する。熱電圧(VT)が基準電圧より低いとき、コンパレータ(comp1)からの出力信号(T0)の値は“0”となり、基準信号より高いときには“1”となる。
【0058】
従って、以上の構成の温度検出回路を内蔵した記録ヘッドを用いる記録装置は、図4に示すフローチャートに従う処理を行なうことによって、温度検出を行なうことができる。なお、記録ヘッドには、図3に示すように、基準電圧(Vref1〜Vref4)をコンパレータ(comp1)に入力するように制御するためのアナログスイッチとそのスイッチをON/OFFするための制御信号を入力する入力端子が備えられており、これらの入力端子にヘッドドライバ1705からフレキシブルケーブル(不図示)を介して、制御信号が入力できるものとする。
【0059】
また、基準電圧(Vref1〜Vref4)は夫々、所定の温度T1、T2、T3、T4に対応しているものとする。ここで、T1<T2<T3<T4とする。
【0060】
まず、ステップS10では、アナログスイッチ101をONにして基準電圧Vref1をコンパレータ(comp1)に入力する。次に、ステップS20ではコンパレータ(comp1)からの出力信号(T0)の値を調べる。ここで、T0=0であれば、処理はステップS25に進み、記録ヘッドの内部温度(T)はT<T1であると判断する。これに対して、T0=1であれば、処理はステップS30に進む。
【0061】
ステップS30では、アナログスイッチ102をONにして基準電圧Vref2をコンパレータ(comp1)に入力する。次に、ステップS40ではコンパレータ(comp1)からの出力信号(T0)の値を調べる。ここで、T0=0であれば、処理はステップS45に進み、記録ヘッドの内部温度(T)はT1≦T<T2であると判断する。これに対して、T0=1であれば、処理はステップS50に進む。
【0062】
ステップS50では、アナログスイッチ103をONにして基準電圧Vref3をコンパレータ(comp1)に入力する。次に、ステップS60ではコンパレータ(comp1)からの出力信号(T0)の値を調べる。ここで、T0=0であれば、処理はステップS65に進み、記録ヘッドの内部温度(T)はT2≦T<T3であると判断する。これに対して、T0=1であれば、処理はステップS70に進む。
【0063】
ステップS70では、アナログスイッチ104をONにして基準電圧Vref4をコンパレータ(comp1)に入力する。次に、ステップS80ではコンパレータ(comp1)からの出力信号(T0)の値を調べる。ここで、T0=0であれば、処理はステップS85に進み、記録ヘッドの内部温度(T)はT3≦T<T4であると判断する。これに対して、T0=1であれば、処理はステップS90に進み、記録ヘッドの内部温度(T)はT4≦Tであると判断する。
【0064】
このようにして、記録装置はアナログスイッチを制御して、基準電圧が順次異なる値となるように切り換え、これを温度検出回路のコンパレータ(comp1)に入力し、その比較結果として2値信号(T0)を得、その値に基づいて記録ヘッドの温度を知ることができる。
【0065】
従って以上説明した実施形態に従えば、記録ヘッドから温度情報をデジタル2値データとして得ることができるので、従来のように、記録ヘッドの外部にアナログ処理回路を備える必要もなく、制御回路のCPUにA/D変換器を備える必要もないので、簡単で安価な構成で温度情報を得ることができる。また、記録ヘッドからの出力がデジタル出力となっているので、これを制御回路のCPUが入力するまでのフレキシブルケーブル内の他の信号線から発生するノイズに対する耐性も強化される。従って、信頼性の高い温度情報に基づいた記録制御が可能になる。
【0066】
なお、この実施形態では、4つの基準電圧に対応して、5つの範囲での温度検知を行う例について説明したが本発明はこれによって限定されるものではなく、抵抗Rr1〜Rr4で構成される抵抗の分割ポイントを増やすことによって、より細かい温度検知を行なうことができる。
【0067】
【他の実施形態】
図5は他の実施形態に従う温度検出回路の構成を示す回路図である。
【0068】
この図に示す回路は、図3に示した回路のオペアンプに入力オフセット電圧を持った場合や、抵抗比が設計値に対してバラツキを持った場合にも所望の温度検知出力を得るための補正手段を備えた構成となっている。
【0069】
図5において、オペアンプOP1の入力オフセット電圧をVos1とすると、バンドギャップ電圧Vbgは
Vbg=Vbe2+a(Vt+Vos1)
となる。a倍されたオフセット電圧(Vof1)はバンドギャップ電圧Vbgの誤差となって現れる。また、抵抗比のバラツキは、aのバラツキとなり、バンドギャップ電圧Vbgの誤差要因となる。また、熱電圧VTは、
VT=2m(R4/R1)(Vt+Vos1)ln(n)−Lm(R4/R5){Vbe2+a(Vt+Vos1)}
となり、オフセット電圧(Vof1)は熱電圧(VT)の誤差として働く。また、各抵抗比のバラツキやミラー比のバラツキも熱電圧(VT)の誤差となる。
【0070】
以上の誤差に対し、基準電圧の補正回路は次の様に動作する。
【0071】
MOSトランジスタM20〜M23で構成されるカレントミラー回路により抵抗R5に流れる電流I5に比例する補正電流を抵抗Rr1〜Rr4に流す。一方、MOSトランジスタM28〜M31はそれぞれ、差動のスイッチを構成しており、抵抗Rr1〜Rr4に補正電流を流すか否かを選択するスイッチとして動作する。
【0072】
このような構成のカレントミラー回路を複数段構成し、各段の電流比を1:2:4…:2nと2進階乗の比となるようにして、最小電流値の分解能で任意の補正電流値をスイッチの切り換えにより得ることができる。
【0073】
ここで、補正電流の基準は抵抗R5に流れる電流I5であり、抵抗R5にはオペアンプOP2によってバンドギャップ電圧Vbgが印加されているので、補正電流を抵抗Rr1〜Rr4に流すことで、基準電圧(Vref1〜Vref4)に関し、バンドギャップ電圧Vbgに比例する電圧分を任意に調整することができる。
【0074】
また、MOSトランジスタM17〜M19で構成されるカレントミラー回路、及び、MOSトランジスタM24〜M27で構成される差動スイッチも基準電圧補正回路と同様に動作し、熱電圧(VT)に関し、バンドギャップ電圧Vbgに比例する電圧分を任意に調整することができる。
【0075】
また、M24〜M31の差動スイッチを切り換える情報をヒューズROM等の記憶素子の出力を用いることで、予め回路特性のバラツキに起因する誤差分を補正回路により補正し、その状態を記憶素子に書き込み保持するようにしても良い。
【0076】
なお、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0077】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0078】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0079】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0080】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0081】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0082】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0083】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0084】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0085】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0086】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0087】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0088】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0089】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0090】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、記録ヘッドの駆動回路を備えた基板上に温度を検出し、その温度の情報をデジタル出力する検出回路を設けるので、例えば、従来のように記録ヘッド外部にアナログ信号処理回路を設ける必要がなくなり、温度検出のための回路構成をより簡単により安価にすることができるという効果がある。
【0092】
そして、その検出回路には、例えば、温度依存性のないバンドギャップ電圧に基づいて生成される基準電圧と、バンドギャップ電圧を発生する回路で発生する電流を用いて得られる絶対温度に比例する熱電圧とを比較し、その比較結果を2値のデジタル値として出力する回路を備えることにより、温度情報の処理回路と温度検知部が同一基板上に構成され、記録動作に伴う駆動回路の動作による基板電位の変動に対しても検知温度誤差を少なくすることが可能となる。さらに、温度情報はデジタル情報として出力されるので、配線の引き回し等による耐ノイズ性も高まる。
【0093】
さらに、素子特性や回路特性のバラツキからくる検知誤差に対しても補正回路を内蔵することで、この誤差を最小化することができる。
【0094】
またさらに、補正情報を記録ヘッドに保持させることで、その記録ヘッドを搭載する記録装置がいちいち補正処理を行なわなくとも良いという利点もある。
【0095】
このようにして、より正確に温度検知を行なうことが可能になり、温度に基づく記録制御をより適確に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態であるインクジェット方式に従って記録を行なう記録ヘッドを備えた記録装置の槻略構成を示す斜視図である。
【図2】記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】記録ヘッドに内蔵された温度検知回路の構成を示す回路図である。
【図4】温度検出処理を示すフローチャートである。
【図5】他の実施形態に従うを温度検知回路の構成を示す回路図である。
【図6】従来の温度検知回路の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明のインクジェット記録ヘッドのインクを吐出するインク吐出部の近傍を模式的に示した図である。
【符号の説明】
101〜104 アナログスイッチ
VCC 電源
M1〜M31 MOSトランジスタ
Q1〜Q2 サブストレートPNPトランジスタ
R1〜R5、Rr1〜Rr4 抵抗
OP1〜OP2 オペアンプ
comp1 コンパレータ
Vbg バンドギャップ電圧
VT 熱電圧
TO 2値化出力
Claims (9)
- 記録素子を駆動する駆動回路と、温度に関する情報をデジタル出力する検出回路とを同一半導体基板に実装した記録ヘッド基板を有する記録ヘッドであって、
前記検出回路は、
ダイオード接続された電流密度の異なるトランジスタ対のベース・エミッタ間電圧の正の温度特性を有する差電圧に基づいて温度依存性のないバンドギャップ電圧を発生する第1の回路と、
前記第1の回路で発生する前記バンドギャップ電圧を増幅して基準電圧を発生する第2の回路と、
前記第1の回路で温度依存性のないバンドギャップ電圧を発生させるために用いる前記差電圧を増幅することで絶対温度に比例した熱電圧を発生する第3の回路と、
前記熱電圧と前記基準電圧とを比較し、該比較結果を2値データとして出力する第4の回路とを含むことを特徴とする記録ヘッド。 - 前記温度依存性のないバンドギャップ電圧は、正の温度特性を有する前記差電圧を負の温度特性を持つベース・エミッタ間電圧に対応させて加算することで得られる電圧であることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
- 前記第2の回路は、前記基準電圧の出力部に複数の抵抗を直列に接続し、前記複数の抵抗各々の間から複数の異なる電圧を出力することを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
- 前記複数の異なる電圧を順次切換えて、前記第4の回路に出力することを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。
- 前記記録ヘッドは、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
- 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることを特徴とする請求項5に記載の記録ヘッド。
- 前記基準電圧及び熱電圧を補正する第5の回路と、前記補正した情報を保持する保持手段とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
- 前記保持手段はヒューズROMを含むことを特徴とする請求項7に記載の記録ヘッド。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載の記録ヘッドを用いて記録を行なう記録装置。
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