JP3599519B2 - 開閉器の接地装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は遮断器,断路器,負荷開閉器、接地装置のいずれか1つ又は2以上を集合した開閉器の接地装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に変電機器は例えば変圧器からの電力を遮断器に入力し、遮断器の負荷側に負荷例えばモータを接続している。負荷側を保守・点検するには、遮断器を切後、遮断器と別個に設けた断路器を開放し、更に接地開閉器を接地することにより、電源側の残留電荷,誘導電流を接地に流し、電源からの再印加を防止して、作業者の安全を守っている。母線が充電されたまま接地開閉器を接地すると、事故につながるので、断路器と接地開閉器の間にはインターロックを設けている。特開平3−273804 号公報に記載されたガス絶縁開閉装置は、配電箱に絶縁ガスを充填したユニット室13及び母線室14に遮断器1,断路器2,3及び接地開閉器4を収納している。遮断器1として真空遮断器を使用する場合、真空遮断器の操作器により可動接点が固定接点に対して上下方向に移動して、投入,遮断をしたり、或いは特開昭55−143727号公報に記載された真空遮断器には、主軸を支点として可動接点が左右に回転して固定接点に対して接離して、投入,遮断している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ガス絶縁開閉装置を保守・点検するには、遮断器を切後、遮断器1と別個に設けた断路器2,3を開放し、更に接地開閉器4を接地することにより、電源側の残留電荷,誘導電流を接地に流し、電源からの再印加を防止して、作業者の安全を守っている。
【0004】
しかしながら、保守・点検を終了した接地開閉器4を開放後、遮断器を投入しなければならず、その操作回数が多くなり、面倒である。
【0005】
本発明の目的は、操作回数を短縮した保守・点検を容易にした開閉器の接地装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の開閉器の接地装置は、容器に固定された湾曲導体部の一部と接離する接地金具と、湾曲部の両端より互いに対応配置された外側に延びる第1及び第2側面部と、湾曲部と反対側の両側面部間に形成した開口部とを有する弾性を有する湾曲導体部と、
上記第1側面部と接地金具とに設けた貫通穴と、上記貫通穴に挿入された接地導体と、接地導体先端と第2側面部との間を固定する固定手段とを備え、接地導体を押圧及び押圧を解除して、接地導体に装着した接地バネを圧縮及び釈放をして、第1側面部を接地金具に接触及び開放することにある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図1ないし図10より説明する。図1はガス絶縁開閉装置の内部構造を示し、絶縁ガス1Gを充填した絶縁ガス容器1に真空バルブ11を配置している。絶縁ガス容器1の詳細は後述する。真空バルブ11内は直角方向に延びている可動導体19と、主軸35を支点として固定導体16と接地導体17との間を回転し、投入,遮断,断路,接地の各位置を形成している。固定接点16Aと可動接点19Aとが開放すると、両者間に発生するアークをアーク放出方向に配置したので消弧する消弧装置18で消弧する。
【0008】
このガス絶縁開閉装置を図2ないし図7により説明する(図6,図7に詳細を記載している)。絶縁ガス容器1は、2枚の絶縁容器本体2を左右に対応配置し、各絶縁容器本体2間に2枚の絶縁仕切板3を配置して配置個所2Sを形成し、各配置個所2Sに3相の真空バルブ11を配置している。絶縁容器本体2の側面間に表面絶縁カバー7Aと裏面絶縁カバー7Bとを当接して、締付ネジ5で固定している。
【0009】
真空バルブ11の配置個所2Sには可動導体19を回転する操作機構部38を配置している。操作機構部38のU金具38Aとこれに挿入した可動導体19の先端部とピン38Bにて連結し、U金具は絶縁操作ロッド38Cに取り付けられており、絶縁操作ロッドの他端と連結した操作レバー38Dが回転軸38Eに取り付けられ、回動軸38Eに各相の操作レバー38Dが取り付けらているが、これらはいずれも公知であるので、詳細構造の説明は省略する。
【0010】
絶縁ガス容器1の詳細構造により説明する(特に図1と図6ないし図7を参照)。内部の絶縁ガス1G例えばSF6 中に真空バルブ11を絶縁ガス容器1に配置している。絶縁容器本体2は2枚の絶縁仕切板3間に3個の真空バルブ11を配置する個所2Sをエポキシ樹脂で一体にモールド成形している。絶縁容器本体2の上側と下側とには上側絶縁板4Aと下側絶縁板4Bとを当接して、締付ネジ5を連通穴5Aに捩じ込んで固定することにより、約正方形の中空形状の中空函体を作る。上側絶縁板4Aに切り込んで開口部4Dを形成し、絶縁蓋6を開口部 4Dに着脱自在に開閉する。絶縁蓋6は3相の母線23とこれに一端を接続した引出導体23Aとを一体にモールドしているので、その詳細は適宜に後述する。中空函体の絶縁容器本体2の正面及び裏面に表面絶縁カバー7A及び裏面絶縁カバー7Bを当接して、締付ネジ5を連通穴5Aに捩じ込んで固定することにより、気密な絶縁ガス1Gを充填した絶縁ガス容器1を構成している。
【0011】
絶縁ガス容器1の外面には接地層9を設けて、誘導電流を接地に流して、絶縁ガス容器1の絶縁耐圧を増して、絶縁ガス容器1を厚みを薄くして、軽量化を計っている。また真空バルブ11が破損しても、絶縁ガス容器1で保護し、事故の拡大を防止して、安全性を保持している。締付ネジ5を取り外して両絶縁カバー7A,7Bを取り外すと、絶縁仕切板3間の配置個所2Sに3相の真空バルブ 11を正面側及び裏面側のどちらかでも容易に収納できるので、組立,分解作業能率を著しく向上することができる。両絶縁カバー7A,7Bと絶縁ガス1Gとは誘電率が違うと、コロナが出るので、真空バルブ11及び操作機構部の絶縁ガス容器1に接近している絶縁ガス容器1内面に凹部7Cを設けて、絶縁耐圧を増してコロナの発生を防止している。
【0012】
真空バルブ11は内部を真空密閉して、金属ケース12と金属ケース12の上側及び下側に突出したセラミック部材の絶縁ブッシング13,14を設け、上側絶縁ブッシング13と下側絶縁ブッシング14の内側に設けた封止金具15を固定導体16と接地導体17に取り付け、これらの中間の真空バルブ11の左側と右側とに消弧装置18と可動導体19とを設けているので、約十字形状の真空バルブ11を形成している。
【0013】
真空バルブ11は直角方向に延びている可動導体19は、主軸35を支点として固定導体16と接地導体17との間を回動し、両者と投入,遮断する。固定接点16Aと可動接点19Aとが開放すると、両者間に発生するアーク放出方向にアーク消弧する消弧装置18を配置している。
【0014】
図8ないし図10の消弧装置18は固定導体16の一方側から内部に食い込んだ取付溝18Aに取付金具18Bをネジ18Cにより取り付け、取付金具18Bに消弧装置18及びシールド18Dをネジ18Xにより取り付けている。消弧装置18はシールド18Dと可動導体19との間にコイル電極18Eと主電極18Fとの間を接続部18Hにより取り付け、両電極は中央部に貫通穴18Gを設けている。
【0015】
可動接点19Aが固定接点16Aから離れて、両接点間にアークAを発生しながら可動接点19Aが貫通穴付近に移動して来ると、アーク電流iは主電極18Fとコイル電極18Eとの円周部に沿って同方向に流れ、弧の電流iにより発生した磁界は、アーク貫通穴付近で同方向の縦型磁界となり、アークAを分散消弧する。また外周側でループ磁界となり、ループ磁界では主電極18Fの円周部をアークが磁気駆動して消弧する。従って、この消弧装置18によれば、著しく遮断性能を向上することが出来る。
【0016】
その他の消弧装置として、固定接点と金属ケースとに一対のアークホーンを電気的に接続するように取り付け、両アークホーンを収納した消弧板を配置している。消弧板は、金属ケースに取り付けられていると共に、両接点側にセラミック絶縁材機又はジルコン磁器材より成る凸凹形状を使用し、一対のアークホーン間のアークを凸凹消弧板で引き伸ばして消弧しても良い。
【0017】
可動導体19は真空バルブ11の内側から外側に延びており、途中でベローズ36を貫通している。ベローズ36により、可動導体19を上,下方向に回動して、可動導体先端に設けた可動接点19Aが固定接点16Aと接地導体17の間を移動する働きをする。可動接点19Aの材料は上述の固定接点16Aと同材料である。ベローズ36は、金属ケース12と接続導体37とによって固定されている。接続導体間に可動導体19を挟持し、両導体の貫通穴に挿入した主軸35の先端のネジにナットの締付部(図示せず)により、締付けて固定している。
【0018】
可動導体19の外側端と連結した操作機構部38を駆動して、主軸35を介して可動導体19を上,下方向に回動すると、可動接点19Aが固定接点16Aに接触する入位置Y1と、入位置より下側に回動して電流を遮断する切位置Y2と、更に下側に回動して雷などで絶縁破壊しない絶縁距離を持たせた断路位置Y3と、更に下側に回動して可動接点19Aが接地導体17と接触した接地位置Y4との4位置とがある。
【0019】
接続導体37の両端は上側絶縁板4Aの支持部40と下側絶縁板4Bとの間に固定されている。接続導体37の下端は負荷側導体41に接続している。負荷側導体41には変流器42及びコンデンサ43を下側絶縁板内に一体にモールド配置されている。負荷側導体41に流れる事故電流を変流器42で検出すると、操作レリーが動作して、操作機構部38のトリップレリーが働いて、上述の操作機構部38を釈放して、可動導体19を下方向に回動して可動接点19Aを固定接点16Aから開放して、遮断する。またコンデンサ43は主回路の電圧を分圧して、主回路電圧,位相の検出部で検出する。
【0020】
更に下側絶縁板4B内の負荷側導体41は軸方向に伸びる垂直部41Aと垂直部先端を可動接点19Aと固定接点16Aが接触する開閉位置側方向に曲がった所謂L形導体41Bを形成し、その先端で負荷ケーブル43及びケーブルヘッド45に接続している。
【0021】
ケーブルヘッド45は絶縁保持部46に支持された調整ネジ47の外端側に操作ツマミ48を嵌め込み、締付ナット49及び負荷ケーブル端子を挿入した調整ネジの先端ネジ部を、負荷側導体41の端面ネジ穴に捩じ込む。操作ツマミ48を回転すると、それに応じて、締付ナット49が先端ネジ部上を移動して、締付ナット49と負荷側導体端面との間に負荷ケーブル端子43Aを締め付け固定する。
【0022】
又調整ネジ47が移動すると、絶縁保持部46が押圧されて、外側に膨らむように広がり、調整ネジ47,締付ナット49及び負荷ケーブル端子43Aを包囲している絶縁ゴムカバー50を押圧して、絶縁保持部46と絶縁ゴムカバー50とは密着が充分になり、両者に間隙がなくなり、水分が内部に入りにくくなり、絶縁耐力を著しく向上させることができる。
【0023】
下側ブッシング14に伸縮封止金具25を設け、伸縮封止金具25に取付けられた接地導体17は、湾曲導体部28,接地金具29の貫通穴100を貫通している。絶縁ガス容器1に固定された接地金具29は湾曲導体部28の一部と接離する。湾曲導体部28は薄い銅板を積み重ね、これを図示のように湾曲に曲げられてた弾性を有する湾曲導体部28を構成している。即ち、湾曲導体部28は湾曲部28Aの両端より互いに対応配置された外側に延びる第1及び第2側面部 28B及び28Cと、湾曲部28Aと反対側の両側面部間に開口部28Dを形成している。第1側面部28Bと接地金具29とに設けた貫通穴100に接地導体17を挿入する。第1側面部28Bと止め金27との間を固定部27Aで固定する。接地導体先端と第2側面部28Cとの間を固定手段である接地ナット31で固定している。従って、通常時には、接地金具29は第1側面部28Bと第2側面部28Cとの間は空間又は間隙を介して配置されている。
【0024】
接地導体17を押圧すると、接地導体17に密着した接地バネ26を圧縮しながら、第1側面部28Bが接地金具29を接触する。接地導体17からの接地電流iは接地導体先端から第2側面部28Cに流れ、第2側面部28Cから第1側面部28Bを介して接地金具29に流れて、接地金具29より外部接地端子32を介して接地に流れる。押圧を解除すると、接地バネ26の圧縮力を開放して、第1側面部28Bが接地金具29から離れて、第1側面部28Bと接地金具29とが接触面から解放される。接地バネ26は止め金27と接地導体17の断部 17Aとの間に装着されている。
【0025】
このように、可動導体19が接地導体17を押圧するのに応じて、第1側面部28Bが接地金具29に接離する働きを自動的に行えるので、保守・点検時の開閉作業が容易になったばかりか、また操作員が接地及び解除を忘れても、可動導体19が接地導体17を押圧,解除すれば、それに応じて第1側面部28Bが接地金具29から自動的に接離出来るので、接地及び解除の忘れを防止出来る。特に可動導体19が接地導体17の押圧力を解除すると、接地バネ26の圧縮力を開放して、第1側面部28Bが接地金具29から自動的に切り離すので、解除の忘れを確実に防止できる。
【0026】
接地導体17と反対側の固定導体16の先端部には高融点金属部材例えばPb−Cu合金より成る固定接点16Aを設けている。固定導体16は真空バルブ 11の内部から外部に向かって延びて、外部で中継導体21が接続されている。中継導体21と対応する上側絶縁板4Aには開口部4Dを切り開いている。上側絶縁板4Aの右端より左側開口部内に横支持部4Cを延ばし、ボルト22により締め付け横支持部4Cに中継導体21を固定している。開口部4Dを塞ぐ上側絶縁蓋6は内部に母線23Bと一端を母線23Bに接続した引出導体23Aとを一体注形により絶縁樹脂例えばエポキシによりモールドされている。引出導体23Aは中継導体21にネジにより固定している。中継導体に引出導体を設けて直接外部に引き出しても良い。
【0027】
この中継導体21によれば、絶縁容器本体2に真空バルブ11を収納後、開口部4D側から固定導体16と横支持部4Cとの間に中継導体21を挿入し、横支持部4Cに中継導体21をボルト22により締め付け固定している。このため、中継導体21を挿入する挿入間隔分だけ、絶縁容器本体2に真空バルブ11を収納する間隙が広くなり、その分収納作業効率が良くなった。又中継導体21を固定導体16と横支持部4Cとの間に挿入する場合も開口部4Dからできるので、挿入作業がしやすくなった。尚、表面絶縁カバー7A側から中継導体21を絶縁容器本体2内に挿入しても良い。更に、上側絶縁ケース6を開口部4Dに挿入すると、引出導体23Aの先端が中継導体21に当接するので、ネジにより外部引出導体23Aを中継導体21に容易に固定できる。
【0028】
又本発明の絶縁開閉装置は、上述の他に、可動導体19が固定導体16と開閉する遮断器等の開閉器、固定導体16から断路位置Y3まで可動導体19を移動した断路器、可動導体19と接地導体17とを使用した接地開閉器等の開閉器単属製品としても使用することが出来る。また開閉器を真空容器,ガス容器に収納しない場合にも使用することが出来る。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明の絶縁開閉器の接地装置によれば、可動導体19が接地導体17を押圧するのに応じて、湾曲導体部28を接地金具29に開閉する働きを自動的に行えるので、保守・点検時の接地導体17と接地金具29との開閉作業が容易になったばかりか、また操作員が特に接地解除を忘れても、可動導体 19が接地導体17の押圧を解除すれば、湾曲導体部28は自動的に元の位置に戻るので、特に接地解除の忘れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である絶縁開閉装置の側断面図である。
【図2】図1を左方向から見た時の側断面図である。
【図3】図1を右方向から見た時の側断面図である。
【図4】図1のF−F線断面図である。
【図5】図1のG−G線断面図である。
【図6】図1に使用した絶縁ガス容器の分解斜視図である。
【図7】図1に使用した絶縁容器本体の部分斜視図である。
【図8】図1の消弧装置を固定導体に取り付けられた付近の部分断面図である。
【図9】図8の消弧装置の概略を示す斜視図である。
【図10】図8の消弧装置の概略電流経路を示す説明図である。
【図11】図1の接地導体付近の詳細断面図である。
【符号の説明】
1…絶縁ガス容器、4A…上側絶縁板、4D…開口部、11…真空バルブ、 16…固定導体、17…接地導体、19…可動導体、21…中継導体、23A…引出導体、23B…母線、26…接地バネ、28…湾曲導体部、28A…湾曲部、28B…第1側面部、28C…第2側面部、28D…開口部、29…接地金具、31…接地ナット。
Claims (1)
- 容器内に主軸を支点として回転する可動導体が固定導体と接地導体との間を移動する接地装置において、
接地装置は容器に固定された湾曲導体部の一部と接離する接地金具と、湾曲部の両端より互いに対応配置された外側に延びる第1及び第2側面部と、湾曲部と反対側の両側面部間に形成した開口部とを有する弾性を有する湾曲導体部と、
上記第1側面部と接地金具とに設けた貫通穴と、上記貫通穴に挿入された接地導体と、接地導体先端と第2側面部との間を固定する固定手段とを備え、接地導体を押圧及び押圧を解除して、接地導体に装着した接地バネを圧縮及び釈放をして、第1側面部を接地金具に接触及び開放することを特徴とする開閉器の接地装置。
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JP2630297A JP3599519B2 (ja) | 1997-02-10 | 1997-02-10 | 開閉器の接地装置 |
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JP2630297A JP3599519B2 (ja) | 1997-02-10 | 1997-02-10 | 開閉器の接地装置 |
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JPH10224925A JPH10224925A (ja) | 1998-08-21 |
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