JP3598607B2 - 面状況の検査方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、歯車の歯面部などの被検査面部について、その面状況を検査する検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、歯車の歯面部などの被検査面部について、その面状況を検査する場合、赤色系(朱色)のいわゆる光明丹を用いて行うカラーチェック法が、一般に広く採用されている。
しかしながら、この方法では、検査作業に多大の労力と時間を要する上、良否の判定も検査員の目視に依らざるを得ないので、検査結果にもバラツキが生じ易いという問題がある。
【0003】
そこで、画像処理技術を適用してかかる検査を自動化することが考えられている。この場合、一般に、検査すべき面(被検査面)を工業用の白黒カメラで撮像してその画像を読み込み、この読み込んだ画像を適当な閾値で2値化処理することにより、検査面を濃淡画像として表示するようにしている。
ところが、このように白黒画像を用いる場合には、2値化処理において適正な識別を行い正確な濃淡画像を得るためには、検査面に照射する照明光の強度や方向を検査対象物などに応じて種々検討し調整する必要があり、実際にはかなりの手間を要するという実用上の難点がある。
【0004】
かかる問題に対して、工業用のカラーカメラを用いて被検査面を撮像して画像処理を行うことが考えられており、例えば特開平3−115829号公報では、検査面(歯車の歯面)をR(赤),G(緑),B(青)の3色で読み取り可能なカラーカメラで撮像し、読み取った画像について、R,G,Bの各成分毎にそれぞれ最適な閾値で2値化処理を行い、こうして得られた各2値化を組み合わせて画像の濃淡表示を行うようにした歯当たり測定機が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、被検査面部内の面性状変化部を検出しその良否を判定する場合、例えば、歯車の場合を例にとって説明すれば、歯車の歯面部内の歯当たり部を検出して歯当たり状態の良否を判定する場合、歯当たり部の大きさや形状だけでなく、この歯当たり部の歯面部に対する相対位置を検出して、当たりが正常であるか否かを判定する必要がある。
このため、歯当たり部の大きさや形状とともに、歯面部の外形形状についても正確に検出することが重要となり、カラーカメラで撮像した画像を画像処理して歯当たり状態を調べる場合においても、歯面部の外形形状をより正確に検出することが求められている。
【0006】
また、歯当たり部の歯面部に対する相対位置を検出する場合、カメラで撮像して常に同じピクセルに歯面部が撮像されるのであれば、画像メモリ上の特定の画素およびフレームの座標軸を基準として位置を表示することができるのであるが、実際には、種々の位置的な変動やばらつきが生じるので、常に同じピクセルに歯面部を撮像できる条件を安定して満たすことは難しい。
特に、歯面部の歯当たり状態を粘着テープ等に転写し、被検査物から離れた場所に設定された検査ステーションにおいて、上記転写したテープを、ある程度まとめて、集中管理方式で検査するような検査方式を採用した場合には、常に同じピクセルに歯面部を撮像することは、実際上、不可能である。
従って、歯当たり部の歯面部に対する相対位置を検出する場合、位置検出のための適正な基準をまず設定し、この設定された基準に対する位置を正確に検出することが重要である。
【0007】
そこで、この発明は、被検査面部の外形形状を正確に検出し、また、面性状変化部の被検査面部に対する相対位置を正確に検出することができる面状況の検査方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本願の請求項1に係る発明(以下、第1の発明という)は、被検査面部をR(赤),G(緑),B(青)の3色で読み取り可能なカラーカメラで撮像し、得られた画像を画像処理して上記被検査面部の面状況を検査する検査方法であって、上記被検査面部を上記3色のいずれかで感知されない特定色として検出し、この特定色を感知しない色成分の画像を画像処理して被検査面部の形状を検出することを特徴としたものである。
【0009】
また、本願の請求項2に係る発明(以下、第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記特定色を感知し得る色成分の上記被検査面部の形状に対応する画像を画像処理して、該被検査面部内の面性状変化部を検出することを特徴としたものである。
【0010】
更に、本願の請求項3に係る発明(以下、第3の発明という)は、上記第2の発明において、上記被検査面部の形状の検出結果に基づいて、該被検査面部のカメラ座標上の位置を設定し、次に、上記面性状変化部の検出結果に基づいて、該面性状変化部の被検査面部における相対位置を検出することを特徴としたものである。
【0011】
また、更に、本願の請求項4に係る発明(以下、第4の発明という)は、上記第3の発明において、上記面性状変化部の被検査面部における相対位置の検出は、該被検査面部の重心と該重心を通る主軸の傾きに基づいて被検査面部の外形基準線に対するサンプリング領域を設定し、このサンプリング領域内のサンプリングポイントの座標値を所定の方程式に近似させて上記外形基準線を検出し、この外形基準線に対する面性状変化部の位置を検出することにより行うことを特徴としたものである。
【0012】
また、更に、本願の請求項5に係る発明(以下、第5の発明という)は、上記第1〜第4の発明のいずれか一において、上記被検査面部に特定色の塗料を塗布してこれをテープで転写し、この転写したテープを上記カラーカメラで撮像することを特徴としたものである。
【0013】
また、更に、本願の請求項6に係る発明(以下、第6の発明という)は、上記第1〜第5の発明のいずれか一において、上記特定色が黄色であることを特徴としたものである。
【0014】
また、更に、本願の請求項7に係る発明(以下、第7の発明という)は、上記第1〜第6の発明のいずれか一において、上記被検査面部が歯車の歯面部であり、上記面性状変化部が歯面部内の歯当たり部であることを特徴としたものである。
【0015】
【発明の作用および効果】
本願の第1の発明によれば、上記被検査面部を上記3色のいずれかで感知されない特定色として検出し、この特定色を感知しない色成分の画像を画像処理するようにしたので、被検査面部とその周囲との境界を明瞭に識別することができ、被検査面部の外形形状を正確に検出することができる。
【0016】
また、本願の第2の発明によれば、基本的には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。しかも、その上、上記特定色を感知し得る色成分の上記被検査面部の形状に対応する画像を画像処理することにより、被検査面部のみについての画像情報を求め、該被検査面部内の面性状変化部を検出して濃淡表示することができる。
【0017】
更に、本願の第3の発明によれば、基本的には、上記第2の発明と同様の効果を奏することができる。しかも、その上、上記被検査面部の形状の検出結果に基づいて該被検査面部のカメラ座標上の位置を設定し、次に、上記面性状変化部の検出結果に基づいて該面性状変化部の被検査面部における相対位置を検出するので、同じピクセルに被検査面部を撮像することができなくても、被検査面部に対する面性状変化部の相対位置を正確に検出することができる。
【0018】
また、更に、本願の第4の発明によれば、基本的には、上記第3の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記面性状変化部の被検査面部における相対位置の検出は、具体的には、該被検査面部の重心と該重心を通る主軸の傾きに基づいて被検査面部の外形基準線に対するサンプリング領域を設定し、このサンプリング領域内のサンプリングポイントの座標値を所定の方程式に近似させて上記外形基準線を検出し、この外形基準線に対する面性状変化部の位置を検出することにより行うようにしたので、面性状変化部の被検査面部に対する直接的な位置を検出することができ、同じピクセルに被検査面部を撮像することができなくても、被検査面部に対する面性状変化部の相対位置をより正確に検出することができる。
【0019】
また、更に、本願の第5の発明によれば、基本的には、上記第1〜第4の発明のいずれか一と同様の効果を奏することができる。しかも、その上、上記被検査面部に特定色の塗料を塗布してこれをテープで転写し、この転写したテープを上記カラーカメラで撮像するようにしたので、被検査物とは別の場所で集中管理方式により被検査面部の面状況の検査を行うことができる。つまり、被検査物の製造もしくは組立等の生産ラインではなく、かかるラインから独立した検査ステーションで行うことができる。従って、本来スペースの余裕が乏しい生産現場に検査装置を設置する必要はなく、また、集中管理方式で行うので検査装置も少ない台数で済むようになる。
【0020】
また、更に、本願の第6の発明によれば、基本的には、上記第1〜第5の発明のいずれか一と同様の効果を奏することができる。特に、上記特定色は黄色であるので、上記3色のうちこの黄色成分を含まない青(B)成分の画像を画像処理することにより、被検査面部とその周囲との境界を明瞭に識別することができ、被検査面部の外形形状を正確に検出することができる。
【0021】
また、更に、本願の第7の発明によれば、基本的には、上記第1〜第6の発明のいずれか一と同様の効果を奏することができる。特に、上記被検査面部が歯車の歯面部であり、上記面性状変化部が歯面部内の歯当たり部であるので、歯車の歯面部の歯当たり状態を検査するに際して、歯面部の外形形状および歯当たり部の歯面部に対する相対位置を正確に検出することができ、精度の高い検査を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る面状況検査装置1(以下、単に検査装置という)の構成を概略的に表すブロック構成図であるが、この図に示すように、上記検査装置1は、被検査面をR(赤),G(緑),B(青)の3色で読み取り可能なカラーカメラ2と、該カラーカメラ2のカメラ電源3と、カラーカメラ2で撮像された画像をモニタするための画像用モニタ4とを備えるとともに、カラーカメラ2で読み取った画像を画像処理する画像処理装置5を備えている。尚、上記カラーカメラ2の近辺には、検査面に照明光を照射する照明装置10が配置されている。
また、上記画像処理装置5は、画像処理用のCPUユニット6に接続され、画像処理された画像のモニタ7とキーボード8とプリンター9などが上記CPUユニット6に信号授受可能に接続されている。
【0023】
図2および図3は、上記検査装置1を用いて歯面部の面状況の検査が行われる一対の歯車ユニット、例えば、自動車のデファレンシャル装置に組み込まれるリングギヤW1とドライブピニオンW2の組付状態を示す側面説明図および正面説明図である。リングギヤW1とドライブピニオンW2とをこのように組み立て、各々の歯面部W1g,W2gを相互に噛み合わせた状態で回転させた際、両者W1,W2の歯当たり状態が良くなければ、異常音の発生や騒音レベルの上昇などの不具合が生じる。
上記検査装置1は、かかる不具合の発生を未然に防止するために両ギヤW1,W2の歯当たり状態を検査するものであり、この検査の結果、歯当たり状態の不良が検出されたものについては、組立時の締結状態や両者W1,W2の組み位置などを調整した後、再度検査を行い、歯当たり状態が良好であることが確認されたもののみが、後工程に送られるようになっている。
【0024】
以下、上記歯当たり状態の検査について、具体的に説明する。
まず、両ギヤW1,W2を組み立てる前に、各ギヤW1,W2の歯面部W1g,W2gに、黄色の塗料を塗布する。この黄色は、上記カラーカメラ2で読み取り可能なR(赤),G(緑),B(青)の3色のうち、青色(B)の成分は含まれておらず、従って、この青色成分の画像(B成分画像)では感知することができない。
次に、両ギヤW1,W2を組み立てて回転させる。これにより、各ギヤW1,W2の歯面部W1g,W2gには、例えばリングギヤW1側を例にとって図4に示すように、歯当たり跡W1t(歯当たり部)が残る。この歯当たり部W1tでは、相手方の歯面部W2gとの噛み合いにより、黄色の塗料がこすられて薄くなっている。
【0025】
上記のように歯面部W1g,W2gに当たりを付けた後、両ギヤW1,W2を組立状態からばらし、各歯面部W1g,W2gに、歯面部W1g,W2gよりも面積が大きい所定サイズの白色テープ(粘着テープ)を貼り付けた後、これを剥がして、各歯面部W1g,W2gの当たり状態を転写する。これにより、各歯面部W1g,W2gに塗布され、噛み合った後も残存していた黄色の塗料は、その残存状態のままでテープに転写される。
そして、これらテープを白色のシート(台紙)上に並べてカラーカメラ2で撮像し、画像処理を行って歯当たり状態を検査する。
【0026】
この歯当たり状態の検査を行う場合、歯面部の形状を特定するとともに、この歯面部内の歯当たり部を検出し、かつ、この歯当たり部の歯面部に対する相対位置を検出することが必要であり、これらの特定あるいは検出が画像処理技術を利用して、画像処理装置5およびCPUユニット6により自動的に行われる。
本実施の形態の場合、上述のように、歯当たり状態をテープに転写することにより、被検査物とは別の場所で集中管理方式により検査を行うことができる。つまり、検査は、デファレンシャル装置の組立ラインで行うのではなく、この組立ラインから独立した検査ステーションで行われる。従って、スペースの余裕が乏しい組立現場に検査装置を設置する必要がなく、また、集中管理方式で行うので検査装置も少ない台数で済む。
【0027】
次に、この画像処理技術を利用して行われる歯当たり状態の検査の具体例について説明する。
まず、歯面部の検出方法を、図5のフローチャートに沿って説明する。
システムがスタートすると、ステップ#1で、カラーカメラ2により検査面を撮像してその画像(R,G,B3色成分の画像)を取り込み、ステップ#2で、いわゆる平滑化等により画像ノイズの除去が行われる。
次に、ステップ#3で、黄色成分を含まない色である青(B)を用い、このB成分画像のヒストグラム(輝度ヒストグラム)を作成する。図8にB成分画像の一例を示す。このとき、テープTaに転写された歯面部Jは黄色の塗料が付着しているので、上記B成分画像では感知されない。一方、テープTaおよび周囲のシートは白色であり、この白色はR,G,Bの3色が全て最も多く含まれているので、B成分画像で明確に感知される。従って、歯面部JとテープTaとの境界(つまり、歯面部Jの外形形状)は、非常に明瞭に識別することが可能である。また、図9に、このB成分画像の輝度ヒストグラムの一例を示す。
【0028】
次いで、ステップ#4で、上記ヒストグラムに基づいて、このB成分画像についてのしきい値(閾値)を算出する。この閾値の算出は、従来から良く知られている、所謂、判別分析法によって行われる。この結果、図9に示した例の場合、閾値は、例えば二つのピークの間に位置する適当な値(Mb)に設定される。
そして、ステップ#5で、この閾値Mbを用いて上記B成分画像の2値化処理を行い、次いで、ステップ#6で、膨張・収縮・孤立点除去等により2値化画像のノイズ除去を行う。図10に、このB成分画像の2値化画像の一例を示す。
その後、ラベリング(ステップ#7)を行った後、面積最大領域の抽出(ステップ#8)を行って、歯面部の検出が終了する。
【0029】
本実施の形態では、上述のように、歯面部JをB成分で感知されない黄色とし、この歯面部Jのカラー画像のB成分画像について画像処理することに加えて、B成分画像の2値化処理を行う際の閾値は、各B成分画像毎に輝度ヒストグラムを作成し、このヒストグラムに基づいてそれぞれ設定するように構成されている。従って、塗料の濃度や塗り方などにばらつきがあった場合には、これに応じて閾値が変化し、より適正な2値化処理を行うことができ、従来、一律の固定した閾値を用いていた場合に比べて、より鮮明な2値化画像を得ることができる。
つまり、歯面部Jの外形形状をより明瞭かつ正確に検出することができるのである。
【0030】
次に、歯当たり部の検出方法を、図6のフローチャートに沿って説明する。
まず、ステップ#11で、黄色を感知するR(赤)成分画像またはG(緑)成分画像のいずれかに対して、上述の方法で検出した歯面部Jをマスクとして用いマスキングを行い、歯面部JのみのR成分画像またはG成分画像を取得する(ステップ#12)。つまり、歯面部Jのみについてその情報を採取して以下の処理を行うのである。
こうして得られた歯面部Jのみの画像の一例を図11に示す。歯面部Jの内部に歯当たり部Kが濃淡表示されている。
次に、ステップ#13で、こうして得られたR成分画像またはG成分画像のヒストグラム(輝度ヒストグラム)を作成する。図12に、このR成分画像またはG成分画像の輝度ヒストグラムの一例を示す。
【0031】
次いで、ステップ#14で、上記ヒストグラムに基づいて、このR成分画像またはG成分画像についてのしきい値(閾値)を算出する。この閾値の算出は、歯面部検出の場合と同じく、従来から良く知られている、所謂、判別分析法によって行われる。この結果、図12に示した例の場合、閾値は、例えば二つのピークの間に位置する適当な値(R成分画像であればMr)に設定される。
そして、ステップ#15で、この閾値を用いて上記R成分画像またはG成分画像の2値化処理を行い、次いで、ステップ#16で、膨張・収縮・孤立点除去等により2値化画像のノイズ除去を行う。図13に、この歯面部のみのR成分画像またはG成分画像の2値化画像の一例を示す。
その後、ラベリング(ステップ#17)を行った後、面積最大領域の抽出(ステップ#18)を行う。
以上の歯当たり部Kの検出ステップ(ステップ#11〜ステップ#18)を、R成分画像とG成分画像の両方について行った後、両画像間で論理積演算を行い、共通部分のみを歯当たり部Kとして検出する。
【0032】
本実施の形態では、上述のように、歯面部JのみのR成分画像またはG成分画像の2値化処理を行う際の閾値は、B成分画像を2値化する場合と同様に、各画像毎に輝度ヒストグラムを作成し、このヒストグラムに基づいてそれぞれ設定するように構成されている。従って、塗料の濃度や塗り方などにばらつきがあった場合には、これに応じて閾値が変化し、より適正な2値化処理を行うことができ、従来、一律の固定した閾値を用いていた場合に比べて、より鮮明な2値化画像を得ることができる。つまり、歯当たり部Kをより明瞭かつ正確に検出することができる
また、R成分画像とG成分画像についての歯当たり部Kの検出をそれぞれ行った後、両画像間で論理積演算を行い、共通部分のみを歯当たり部Kとして検出するので、より一層精度の高い検出を行うことができる。
【0033】
次に、歯当たり部Kの歯面部Jに対する相対位置を検出するための基準ラインの設定方法を、図7のフローチャートに沿って説明する。
まず、ステップ#21で、検出された歯面部Jのカメラ座標(所謂フィレ座標)を検出する。また、上記歯面部Jの面積重心および主軸の傾きを検出する(ステップ#22)。この主軸は、例えば図14に示すように、上記面積重心Gj(Xg,Yg)を通り、かつ、例えば歯面部Jの面積を2等分する長手方向の軸線Ljとして設定される。また、歯面部Jの幅方向の形状を形成する基準ラインを歯形方向基準ラインLp、歯面部Jの長手方向の曲線に沿った形状を形成する基準ラインを歯筋方向基準ラインLsとそれぞれ設定する。
【0034】
次いで、ステップ#23で、歯形方向基準ラインLpおよび歯筋方向基準ラインLsを検出するためのサンプリングポイントを画像から読み込むためのサンプリング領域を、歯面部Jのカメラ座標,重心Gjおよび主軸Ljの傾きから割り出す。図15にサンプリング領域Ap,Asの一例を示す。
そして、ステップ#24で、このサンプリング領域Ap,As内にそれぞれウインドウを設定し、ステップ#25で、このウインドウについてサンプリング(サンプリングポイントの検出)を行い、得られたサンプリングポイントの座標値を、予め設定された方程式に近似させて(ステップ#26)、各基準ラインLp,Lsを決定するようになっている。
【0035】
この場合、歯形方向基準ラインLpについては下記の1次方程式▲1▼、歯筋方向基準ラインLsについては下記の2次方程式▲2▼を用い、例えば最小二乗法等の近似手法を適用して近似式を得るようにした。
・ x=p+p・y … ▲1▼
・ y=s+s・y+s・y … ▲2▼
こうして得られた歯形方向基準ラインLpおよび歯筋方向基準ラインLsの交点付近の拡大図を図16に示す。
【0036】
以上のようにして検出された両基準ラインLp,Lsを基準にして、歯当たり部Kの歯面部Jに対する相対位置が検出される。
図17および図18は、ドライブ側の歯面部Jについて、歯当たり部Kの相対位置および大きさをそれぞれ示す説明図である。また、図19および図20は、コースト側の歯面部Jについて、歯当たり部Kの相対位置および大きさをそれぞれ示す説明図である。これらの図において、GSWは歯筋方向重心位置(つまり、歯形方向基準ラインLpと平行で歯当たり部Kの重心Gkを通る直線の2線間の距離)、GPWは歯形方向重心位置(つまり、歯形方向基準ラインLpと平行で歯当たり部Kの重心Gkを通る直線が歯筋方向基準ラインLsと交差する点と上記重心Gkの2点間の距離)、LMは歯当たり部Kの最大長さ(つまり、歯当たり部Kの包絡点間の最大長)、LWは歯当たり部Kの最大垂直幅(つまり、歯当たり部Kの包絡点間の最大長に垂直な最大幅)、EW1はトウ側歯筋方向端点距離、EW2はヒール側歯筋方向端点距離を、それぞれ表している。
【0037】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、上記歯面部JをR,G,Bの3色のいずれか(B)で感知されない特定色(黄色)として検出し、この黄色成分を感知しないB成分画像を画像処理するようにしたので、歯面部Jとその周囲(白色テープ)との境界を明瞭に識別することができ、歯面部Jの外形形状を正確に検出することができる。その後、黄色成分を感知し得る色成分(R,G)の歯面部Jに対応するマスキング画像を画像処理することにより、歯面部J内のみについての画像情報を求め、該歯面部J内の歯当たり部Kを検出して濃淡表示することができる。
【0038】
そして、歯面部Jの歯形方向基準ラインLpおよび歯筋方向基準ラインLsを基準にして歯当たり部Kを検出することにより、該歯当たり部Kの歯面部Jに対する直接的な位置を検出することができ、同じピクセルに歯面部Jを撮像することができなくても、歯面部Jに対する歯当たり部Kの相対位置をより正確に検出し、精度の高い面状況(歯当たり状態)の検査を行うことができる。
尚、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る面状況検査装置の構成を示すブロック構成図である。
【図2】上記面状況検査装置で歯当たり面の検査を行うリングギヤとドライブピニオンの組付状態を示す側面説明図である。
【図3】上記リングギヤとドライブピニオンの組付状態を示す正面説明図である。
【図4】上記リングギヤの歯当たり面を拡大して示す説明図である。
【図5】歯面部の検出方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】歯当たり部の検出方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】歯当たり部の歯面部に対する相対位置を検出するための基準ラインの設定方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】上記歯面部のB成分画像の一例を示す説明図である。
【図9】上記歯面部のB成分画像のヒストグラムの一例を示す説明図である。
【図10】上記B成分画像に対する歯面部の2値化画像の一例を示す説明図である。
【図11】歯面部のみのR成分画像またはG成分画像の一例を示す説明図である。
【図12】歯面部のみのR成分画像またはG成分画像のヒストグラムの一例を示す説明図である。
【図13】上記歯面部のみのR成分画像またはG成分画像に対する2値化画像の一例を示す説明図である。
【図14】歯面部のカメラ座標の一例を示す説明図である。
【図15】歯形方向基準ラインおよび歯筋方向基準ラインを検出するためのサンプリング領域の一例を示す説明図である。
【図16】歯形方向基準ラインおよび歯筋方向基準ラインをそのの交点付近で拡大して示す説明図である。
【図17】ドライブ側の歯面部について歯当たり部の相対位置を示す説明図である。
【図18】ドライブ側の歯面部について歯当たり部の大きさを示す説明図である。
【図19】コースト側の歯面部について歯当たり部の相対位置を示す説明図である。
【図20】コースト側の歯面部について歯当たり部の大きさを示す説明図である。
【符号の説明】
1…面状況検査装置
2…カラーカメラ
5…画像処理装置
Ap,As…サンプリング領域
Gj…歯面部の重心
J,W1g,W2g…歯面部
K,W1t…歯当たり部
Lj…歯面部の主軸
Lp…歯形方向基準ライン
Ls…歯筋方向基準ライン
W1…リングギヤ
W2…ドライブピニオン

Claims (7)

  1. 被検査面部をR(赤),G(緑),B(青)の3色で読み取り可能なカラーカメラで撮像し、得られた画像を画像処理して上記被検査面部の面状況を検査する検査方法であって、
    上記被検査面部を上記3色のいずれかで感知されない特定色として検出し、この特定色を感知しない色成分の画像を画像処理して被検査面部の形状を検出することを特徴とする面状況の検査方法。
  2. 上記特定色を感知し得る色成分の上記被検査面部の形状に対応する画像を画像処理して、該被検査面部内の面性状変化部を検出することを特徴とする請求項1記載の面状況の検査方法。
  3. 上記被検査面部の形状の検出結果に基づいて、該被検査面部のカメラ座標上の位置を設定し、次に、上記面性状変化部の検出結果に基づいて、該面性状変化部の被検査面部における相対位置を検出することを特徴とする請求項2記載の面状況の検査方法。
  4. 上記面性状変化部の被検査面部における相対位置の検出は、該被検査面部の重心と該重心を通る主軸の傾きに基づいて被検査面部の外形基準線に対するサンプリング領域を設定し、このサンプリング領域内のサンプリングポイントの座標値を所定の方程式に近似させて上記外形基準線を検出し、この外形基準線に対する面性状変化部の位置を検出することにより行うことを特徴とする請求項3記載の面状況の検査方法。
  5. 上記被検査面部に特定色の塗料を塗布してこれをテープで転写し、この転写したテープを上記カラーカメラで撮像することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の面状況の検査方法。
  6. 上記特定色が黄色であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一に記載の面状況の検査方法。
  7. 上記被検査面部が歯車の歯面部であり、上記面性状変化部が歯面部内の歯当たり部であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一に記載の面状況の検査方法。
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