JP3598434B2 - 成形物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は強度、防縮性、防皺性に優れた成形物に関し、またガスバリヤ−性、耐光性に優れ、さらには高い結節強力を有する成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルロ−ス、ポリビニルアルコ−ル系重合体からなる成形物は、該ポリマ−中に水酸基を多く有しているために耐水性、耐湿熱性、防縮性、防皺性に劣り、ポリマ−の種類によってはガスバリヤ−性に劣る問題があった。
中でもセルロ−ス系繊維およびそれからなる布帛は優れた肌触りや吸湿性等の利点を有しているために衣料用素材として広く使用されている。
しかしながら、結節強度または結節強力が低い点、吸湿度が高い点により洗濯による収縮の割合が大きく、着用時に皺が多大に発生する欠点があった。
【0003】
これらの問題を解決するために、たとえばポリビニルアルコ−ルフィルムをホルムアルデヒド、グリオキザ−ル、グルタルアルデヒド、マロンジアルデヒド等のアルデヒドを用いて架橋処理を行い、高次構造を形成させ対応していた。
しかしながら、このような場合、架橋処理後も該アルデヒドが成形物中に残存する場合が多い。さらに該アルデヒドは特有の刺激臭を有する上に、とくにホルムアルデヒドは発癌性物質として知られており、架橋処理工程での作業環境ばかりでなく、最終製品として消費者にも多大な影響がある。そのため、ホルムアルデヒド等のアルデヒドを使用することなく、上記問題点を解決する技術が切望されている。
【0004】
また、セルロ−スからなる成形物、たとえばセルロ−ス系繊維およびそれからなる布帛は尿素ホルマリン樹脂やその誘導体であるグリオキザ−ル樹脂を有効成分とする繊維素反応型樹脂を用いて処理されていた。
【0005】
しかしながら、かかる処理方法では尿素ホルマリン樹脂やその誘導体でもあるグリオキザ−ル樹脂で該繊維を処理すると、処理後もホルマリンが繊維中に残存する問題がある。ホルマリンはその悪臭の他に発癌性物質として知られており、繊維処理工程での作業環境ばかりでなく、最終製品を使用する消費者にまで悪影響を与えるものである。
さらに、ホルマリン処理等を施すとセルロ−ス繊維の耐光性が悪くなる問題も有していた。そのため、ホルマリンやその誘導体等を使用しないで上述の問題点を解決する技術が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等はかかる現状に鑑み、上述の従来のアルデヒドを使用することなく架橋処理が可能であり、しかも架橋処理環境が安全で人体に対する影響が少ない架橋剤を検討した結果、本発明に到達したものである。本発明の架橋剤を特定の条件下で使用することによりセルロ−ス、ポリビニルアルコ−ル系重合体から選択された少なくとも1種のポリマ−からなる成形物が上述の効果を奏することを見出だした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記式(1)で示される化合物で架橋処理されてなるセルロ−スおよびポリビニルアルコ−ル系重合体から選択された少なくとも1種のポリマ−からなる成形物(ただし、ポリビニルアルコ−ル系重合体を少なくとも一成分とする繊維を除く)である。
【化3】
Figure 0003598434
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、架橋処理に供される成形物とはセルロ−ス、ポリビニルアルコ−ル系重合体から選択された少なくとも1種のポリマ−からなるが、本発明においては該ポリマ−100%使いの成形物のみならず、該ポリマ−以外のポリマ−とのブレンド物をも含むものである。
【0009】
また『成形物』とは繊維、シ−ト、フィルム等を示すが、ポリビニルアルコ−ル系重合体を少なくとも一成分とする繊維は本発明に含まれないものである。
繊維とは短繊維のみならず長繊維をも示すものであり、これらの繊維からなる織物、編物、不織布等の布帛をも含むものである。もちろん本発明のポリマ−からなる繊維100%使いであっても、他の繊維、たとえばポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維との混繊、混綿、交撚であってもよい。またこれらの繊維の繊度は目的に応じて任意に設定できる。さらには、上述の繊維からなる最終繊維製品をも含むものである。
シ−ト、フィルムとは本発明におけるポリマ−にモノマ−を共重合させたポリマ−や、グラフト重合させたポリマ−からなるものを含み、該シ−ト、フィルムは1枚であっても複数枚の積層体であってもよい。またそれらの厚みは目的に応じて任意に設定することができる。
【0010】
本発明に係わるセルロ−スとは木綿、麻等の天然セルロ−スやビスコ−ス法レ−ヨン、銅アンモニア法レ−ヨン等の再生セルロ−ス、溶剤紡糸法レ−ヨン、セルロ−スモノアセテ−ト、セルロ−スジアセテ−ト等を示すが、後述する化合物で架橋処理を施すためにはヒドロキシル基を少なくとも1個有するセルロ−スであることが必要である。
【0011】
またポリビニルアルコ−ル系重合体とはポリ酢酸ビニルあるいはその共重合体をケン化することにより得ることができる。またピバリン酸ビニル、ギ酸ビニルのような側鎖を有するビニルエステルまたは極性の高いビニルエステル、もしくはt−ブチルビニルエ−テルやトリメチルシリルビニルエ−テル、ベンジルビニルエ−テル等のビニルエ−テルの単独重合体あるいは共重合体の分解によっても得ることができる。
【0012】
共重合体の場合におけるコモノマ−単位は、ケン化あるいは分解によってビニルアルコ−ル単位を生成する単位とそれ以外の単位とに分けることができ、後者の単位は主として変性を目的に共重合されるものである。かかる単位としてエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸およびその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド誘導体、メタクリルアミド誘導体などを挙げることができる。中でもエチレンで変性したエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体は溶融成形が可能であることから、その需要が高まっている。かかるエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体中のエチレン変性量は25〜70モル%の範囲であることが成形性の点で好ましい。
【0013】
該ポリビニルアルコ−ル系重合体のケン化度は通常70モル%以上、とくに95モル%以上であることが好ましい。とくに耐熱性、耐水性が要求される分野ではケン化度が高いほうが好ましい。
また、該ポリビニルアルコ−ル系重合体の重合度はフィルム強度や加工等の点を考慮すると500以上であることが好ましく、とくに2000以上であることが好ましい。
【0014】
次に本発明における架橋剤を説明する。
本発明において、架橋剤は式(1)で示される。
式中、R〜Rで示されるアルキル基としては炭素数が1〜4の低級アルキル基が好ましく、中でも使い易さの点でメチル基が好ましい。また該アルキル基はエチレンオキシ基等のアルキレンオキシ基で置換されていてもよく、R〜R全てが同じ種類のアルキル基であっても異なっていてもよい。
さらに環を形成するアルキレン基としては炭素数1〜4の低級アルキレン基が好ましいが、環構造の安定性を考慮すると5員環、6員環が好ましく、したがって炭素数が2〜3個のエチレン基、プロピレン基が好ましい。
これらのアルキル基、アルキレン基はいずれも置換基を有していてもよい。
また式中、mは該化合物を複数使用して処理する場合にはその組成比に照らしあわせて算出した値であり、整数とは限らないが、mは2〜10の範囲であることが必要である。
m値が2未満の場合には繊維の伸度、強度が低下し、収縮性能の抑制効果はなく、一方、m値が10を越える場合には強度、伸度、ヤング率等の繊維物性が大きく低下する傾向にある。
【0015】
また、該化合物は架橋処理に際しては分岐鎖を持たないことが好ましく、Rは水素であることが好ましい。しかしながら、該化合物は、Rが炭素数1〜4の低級アルキル基である、いわゆる分岐鎖を有する化合物と、分岐鎖を持たない化合物の混合物であってもさしつかえない。また、Rがアルキル基である場合、その数はm個まで考えられるが、本発明においてはm個全部がアルキル基である必要はなく、m個のうちの数個がアルキル基であって、残りが水素である場合、すなわち、アルキル基と水素との和がm個となる場合をも含む。また、アルキル基は同じ種類の基であっても異なった種類の基が混在していてもよい。
【0016】
該化合物は末端がアルキル基または環を形成したアルキレン基で封鎖されているために極めて安定であり、空気等の酸素に接触しても酸化されない。この末端封鎖により弱酸性下でも高温高圧にすることにより該化合物自身のアセタ−ル分解反応が進行し架橋反応が起こるのである。
その上、該架橋剤はAMES変異原性試験で陰性を示し、変異原活性および細胞毒性も低く、ラット経口投与毒性試験においても同様の試験結果が出ている。
また、たとえ該架橋剤が酸化されてジアルデヒドになったとしても、該ジアルデヒドも該架橋剤と同様にAMES変異原性試験で陰性を示し、人体に対しての安全性が極めて高い。
さらに、該架橋剤、該架橋剤が酸化されたジアルデヒドはミジンコ毒性値EC50(50%死亡濃度)は300ppmであり、スチレンの25ppmに比較して約10倍程度安全性が高く、上述のAMES変異原性試験結果の陰性と併せて工業排水に対しての安全性も高い。
【0017】
該架橋剤の具体例としては、1,1,6,6テトラメトキシヘキサン、1,1,6,6テトラエトキシヘキサン、1,1,7,7テトラメトキシヘプタン、1,1,7,7テトラエトキシヘプタン、1,1,8,8テトラメトキシオクタン、1,1,8,8テトラエトキシオクタン、1,1,9,9テトラメトキシノナン、1,1,9,9テトラエトキシノナン、1,1,9,9ビスエチレンジオキシノナン、1,1,10,10テトラメトキシデカン、1,1,10,10テトラエトキシデカン、1,1,11,11テトラメトキシウンデカン、1,1,11,11テトラエトキシウンデカン等を挙げることができる。
なかでもセルロ−ス繊維の防縮性効果の点で、1,1,9,9テトラメトキシノナン、1,1,9,9テトラエトキシノナン、1,1,9,9ビスエチレンジオキシノナンを使用することが好ましく、これらは1種類のみではなく2種類以上を併用することも可能である。
また該化合物以外のジアルデヒド類、たとえば一般に架橋剤として公知のジアルデヒドを併用することもでき、かかる場合には上述の化合物に対して0.001〜10モル%の範囲であることが好ましい。
【0018】
該架橋剤は水に難溶性であるので、水溶液として使用する場合ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムや多環型フェノ−ルのオキシアルキレン変性スルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤等を使用して乳化状態にして使用することができる。他に水−アルコ−ルの混合溶媒を用いることもできる。アルコ−ル等の有機溶媒を使用する場合には処理温度や火災等の安全を考慮した装置を使用することが必要であるので、水または水−アルコ−ル混合溶媒を使用することが望ましい。
【0019】
該架橋剤の使用量は処理されるポリマ−あるいは該ポリマ−からなる成形物に対して0.0001〜50重量%、とくに0.001〜40重量%の範囲であることが好ましい。
【0020】
本発明において、架橋処理は酸性下で行われることが必須であり、水素イオン濃度(pH)を0.6〜6.0、とくに1.0〜5.0の範囲に調整することが好ましい。
酸性度は塩酸、硫酸等の鉱酸;ギ酸、酢酸、マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸などによって調整することができる。中でも処理装置の耐腐食性の点で有機酸が好ましく、成形物に耐光性を付与する点、および染色された成形物の架橋反応処理前後の色ずれ防止を付与する点で、ポリカルボン酸を使用することが好ましい。該ポリカルボン酸とは、1分子当たり少なくとも1個のカルボキシル基および少なくとも1個のヒドロキシル基を有しているものである。具体的には酒石酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、サリチル酸、グリコ−ル酸等を挙げることができる。なかでも水溶性ポリカルボン酸、たとえば酒石酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸等は作業性が良好であることから好ましく用いられる。
上述の酸は1種類のみならず、2種類以上を併用してもよい。
【0021】
酸濃度が高いと成形物の強度低下や不本意な着色を来す場合があり、また酸濃度が低い場合にも成形物の強度低下や不本意な着色を来す場合がある。したがって上述の酸濃度の範囲で架橋反応処理を施すことが必要である。
【0022】
上述のように、架橋速度は酸濃度に大きく依存するのでその調整剤として、強酸と強塩基とからなる無機塩、たとえば水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、硼酸ナトリウム、メタ硼酸ナトリウム、水素過硼素ナトリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等を挙げることができる。これらの調整剤は1種類のみならず2種類以上を併用してもよい。汎用性の点で硫酸ナトリウムを使用することが好ましい。
【0023】
処理温度は20〜190℃の範囲、とくに50〜120℃の範囲が好ましい。かかる範囲以外の温度では成形物の着色、強度・伸度等の物性の低下を来す場合が多い。処理時間は処理温度によって異なるが、式(1)で示される架橋剤は酸の存在によって容易にジアルデヒドに還元されるので1〜180分の範囲であることが好ましく、経済的効果を考慮すると3〜60分の範囲であることが好ましい。
【0024】
本発明において、架橋処理に供される成形物はそのまま処理に供してもよいが、予め膨潤剤で前処理されていることが好ましい。またかかる膨潤処理は架橋処理と同時に行ってもよい。膨潤処理を施すことにより上述の架橋剤が成形物内部にまで浸透し、架橋反応速度が速くなるので好ましい。
【0025】
本発明の架橋処理は成形物が繊維からなる布帛の場合には、ディプニップ方式、染色に使用されるロ−タリ−染色機、ジッガ−染色機、ウインス染色機等を採用することができる。成形物が糸の場合にはケ−ク状の状態で反応浴槽での処理が可能であり、カセ状の場合には噴射式カセ染色機を採用することができる。
また、成形物がシ−ト・フィルムの場合にはディプニップ方式でバッチまたは連続での処理が可能である。さらにはゲ−トロ−ルコ−タ−、グラビアコ−タ−等で連続的に処理することも可能である。
【0026】
架橋処理は上述のように成形物を処理液に供して処理を施すことができるが、他にポリマ−含有水溶液またはポリマ−を含む溶剤系原液エマルジョン等に上述の架橋剤を直接添加して酸性下、処理することもできる。
【0027】
本発明の処理による架橋の度合は処理後の成形物の重量増加、比重の変化、さらにはゲル分率を測定することで評価できる。
そして、このようにして架橋処理された成形物は防縮性、防皺性のみならず、架橋処理において使用する酸の種類によっては耐光性にも優れることになる。
また、従来の成形物での防縮処理では架橋剤が水洗を施しても成形物内部に残存して数か月の単位で徐々に減少していくが、完全にゼロになるまでには長時間がかかる。これに対し、本発明の成形物は成形物内部への架橋剤に残存量がほとんどゼロであり、非常に安全性の高い成形物である。
さらには、反応染料、直接染料等で染色された成形物に架橋処理を施す場合には、架橋処理において使用する酸の種類により、架橋処理前後の色ずれがほとんど見られない。すなわち、架橋処理による色の退色がないのである。
またセルロ−ス成形物において本発明の架橋反応処理によってその結晶化度はほとんど変化しないが、結節強力は大きく向上する。
本発明の処理により、上述のような様々な機能を成形物に付与することができ、また本発明の架橋剤を使用することにより従来品に対してより安全な処理方法、成形物を提供することが可能となったのである。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。なお、実施例中の各評価は以下の方法により測定されたものである。
(1)繊維の強度(g/デニ−ル)、伸度(%)
JIS L 1013に準拠して測定した値である。
Dryとは標準時試験に準拠し、Wetとは湿潤時試験に準拠した値である。
(2)成形物の強度
ASTM D−882に準拠して測定した値である。
(3)吸湿度(%)
65%RH、20℃の雰囲気下に1週間試料を載置して、その重量を測定し、下記式で算出した。
吸湿度(%)=[(重量W−絶乾重量)/絶乾重量]×100
(4)洗濯収縮率(%)
JIS L 1042G法に準拠して測定した値である。
【0029】
(5)アイロン収縮率(%)
JIS L 1047A法に準拠して測定した値である。
(6)結晶化度
回転対陰極X線発生装置RU−300(D0201型、理学電気社製)を用
い、X線回折により求めた。
(7)成形物中の架橋剤の残存量(ppm)
JIS L 1041 2,4−ペンタジエン法に準拠して抽出定量を行い
、ジアルデヒド量を求めた。
【0030】
(8)W&W性評価
JIS L 1059、モンサント法に準拠して測定した。
測定装置は大栄科学精器製作所製のものを使用した。
(9)結節強力および結節強度
JIS L 1013の標準時試験に準拠して測定した値である。
【0031】
実施例1
リラックス精練した綿布[金魚、40番手、東洋紡績(株)社製]160g、溶媒としてメタノ−ル4.8リットル、酢酸5g/リットル濃度のメタノ−ル溶液を50ミリリットル、架橋剤として1,1,9,9ビスエチレンジオキシノナン(以下、BENと略称する)0.06モルをロ−タリ−染色機(内容積30リットル)に仕込み、80℃×40分の架橋反応処理を行った。その後流水洗を30分間行い、水酸化ナトリウム1g/リットル、アミラジンD(第一工業製薬社製)1g/リットル、ハイドロサルファイト1g/リットルの混合水溶液3リットルを用いて、80℃×30分の還元処理を行い、さらに流水洗を15分間行った。その後遠心脱水を行い一夜風乾を行った後、20℃−65%RH雰囲気下で一夜放置し、測定用試料とした。評価結果を表1に示す。
なお、架橋処理を施す前の綿布についての評価も同時に行い、表1に示した。
【0032】
実施例2
実施例1において、溶媒のメタノ−ルの代わりに水を用い、架橋剤の分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5g/リットル濃度の水溶液30ミリリットルを使用した以外は同様にして架橋処理、還元洗浄、水洗、乾燥を行い測定試料を作成した。評価結果を表1に示す。
なお、架橋処理を施す前の綿布についての評価も同時に行い、表1に示した。
【0033】
実施例3
実施例2において、綿布に代えてリラックス精練したビスコ−スレ−ヨン織布[ジョ−ゼット、経糸密度150デニ−ル×50本、緯糸密度150デニ−ル×50本、クラレ(株)社製]100gを使用し、架橋剤として1,1,6,6テトラメトキシヘキサンを0.5モル使用した以外は同様にして架橋反応処理、還元洗浄、水洗、乾燥を行い測定試料を作成した。評価結果を表1に示す。
なお、架橋処理を施す前の織布についての評価も同時に行い、表1に示した。
【0034】
実施例4
実施例1において、BENに代えて1,1,9,9テトラメトキシノナン0.06モル使用した以外は同様にして架橋反応処理、還元洗浄、水洗、乾燥を行い測定試料を作成した。評価結果を表1に示す。
なお、架橋処理を施す前の綿布についての評価も同時に行い、表1に示した。
【0035】
実施例5
実施例1において、綿布に代えてジアセテ−ト織布[経糸密度119デニ−ル×50本、緯糸密度119デニ−ル×50本、300T/Mの撚有、帝人(株)社製]を100g、架橋剤として1,1,11,11テトラメトキシウンデカンを0.01モル使用し、反応条件を120℃×40分にした以外は同様にして架橋反応処理、還元洗浄、水洗、乾燥を行い測定試料を作成した。評価結果を表1に示す。
なお、架橋処理を施す前の織布についての評価も同時に行い、表1に示した。
【0036】
実施例6
実施例2において、綿布(金魚)に代えて染色堅牢度試験用添付白布(カナキン3号、日本規格協会製)を100g使用し、架橋剤であるBENを0.05モル使用した以外は同様にして架橋反応処理、還元洗浄、水洗、乾燥を行い測定試料を作成した。評価結果を表1に示す。
なお、架橋処理を施す前のカナキン3号についての評価も同時に行い、表1に示した。
【0037】
実施例7
実施例1において、綿布(金魚)に代えて染色堅牢度試験用添付白布(キュプラ6号、日本規格協会製)を100g使用した以外は同様にして架橋反応処理、還元洗浄、水洗、乾燥を行い測定試料を作成した。評価結果を表1に示す。
なお、架橋処理を施す前の織布についての評価も同時に行い、表1に示した。
【0038】
実施例8
実施例1において、触媒である酢酸の代わりに乳酸5g/リットル水溶液を使用した以外は同様にして架橋反応処理、還元洗浄、水洗、乾燥を行い測定試料を作成した。評価結果を表1に示す。
なお、架橋処理を施す前の綿布についての評価も同時に行い、表1に示した。
【0039】
比較例1
実施例1において、架橋剤であるBENの代わりにグルタルアルデヒドを0.06モル使用した以外は同様にして架橋反応処理、還元洗浄、水洗、乾燥を行い測定試料を作成した。評価結果を表1に示す。
実施例1の架橋反応処理に比較し、洗濯収縮率が大きく、また水洗後の残存架橋剤の量も多いものであった。
【0040】
比較例2
実施例に3おいて、ビスコ−スレ−ヨン織布に代えてリラックス精練した綿布[金魚、40番手、東洋紡績(株)社製]を使用市、架橋剤としてグリオキザ−ルを1モル使用した以外は同様にして架橋反応処理、還元洗浄、水洗、乾燥を行い測定試料を作成した。評価結果を表1に示す。
本発明の架橋反応処理に比較し、洗濯収縮率が大きく、また水洗後の残存架橋剤の量も多いものであった。
【0041】
比較例3
リラックス精練したビスコ−スレ−ヨン織布[ジョ−ゼット、経糸密度150デニ−ル×50本、緯糸密度150デニ−ル×50本、クラレ(株)社製]100gを使用し、架橋剤としてグリオコザ−ル−尿素樹脂(スミテックスレジンNS−19、住友化学社製)を10%o.w.f.、金属触媒としてスミテックスアクセラレ−タ(住友化学社製)を2.4%o.w.f.使用し、マングルで60%ウエットに絞り、ピンテンタ−で110℃×2分間の予備乾燥を行った。ついで160℃×3分間の架橋反応処理を行い、流水洗を15分間行い、再度ピンテンタ−で110℃×2分間の乾燥を行って20℃−65%RHの雰囲気下に一夜放置したもの、を測定試料とした。評価結果を表1に示す。
本発明の架橋反応処理に比較し、洗濯収縮率が大きく、また水洗後の残存架橋剤の量も多いものであった。
【0042】
【表1】
Figure 0003598434
【0043】
実施例9
リラックス精練した綿布[金魚、40番手、東洋紡績(株)社製]を黒の反応染料で染色したものを200g、溶媒としてメタノ−ル4.0リットル、乳酸8gおよびマロン酸を2g、架橋剤として1,1,9,9ビスエチレンジオキシノナン(以下、BENと略称する)0.081モル、架橋剤の分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソ−ダ5g/リットル濃度の水溶液30ミリリットルをロ−タリ−染色機(内容積30リットル)に仕込み、100℃×40分の架橋反応処理を行った。その後ピンテンタ−を用いて180℃×3分間の熱セットを行い、ついで流水洗を30分間行って、遠心脱水を行い一夜風乾を行った。ついで20℃−65%RH雰囲気下で一夜放置し、測定用試料とした。評価結果を表2に示す。
なお、架橋処理を施す前の染色された綿布についての評価も同時に行い、表2に示した。
【0044】
実施例10
実施例9において、マロンサンの代わりにクエン酸9g、およびブタンテトラカルボン酸1gを使用した以外は同様にして架橋反応処理、熱セット、水洗、乾燥を行い測定試料を作成した。評価結果を表2に示す。
なお、架橋処理を施す前の染色された綿布についての評価も同時に行い、表2に示した。
【0045】
実施例11
ピンクの反応染料で染色されたビスコ−スレ−ヨン織布(経糸および緯糸ともに75デニ−ル/25フィラメント)を100gを用い、架橋剤として1,1,9,9テトラメトキシノナンを0.5モル使用した以外は実施例9と同様にして架橋反応処理、熱セット、水洗、乾燥を行い測定試料を作成した。評価結果を表2に示す。
なお、架橋処理を施す前の染色された綿布についての評価も同時に行い、表2に示した。
【0046】
実施例12
実施例9において、綿布(金魚)に代えて染色堅牢度試験用添付白布(レ−ヨン5号、日本規格協会製)100gを使用した以外は同様にして架橋反応処理を施し、実施例1と同様にして還元洗浄、水洗、乾燥を行い、測定試料を作成した。評価結果を表2に示す。
なお、架橋処理を施す前の染色された綿布についての評価も同時に行い、表2に示した。
【0047】
実施例13
実施例9において、綿布(金魚)に代えて染色堅牢度試験用添付白布(キュプラ6号、日本規格協会製)100gを使用した以外は同様にして架橋反応処理を施し、実施例1と同様にして還元洗浄、水洗、乾燥を行い、測定試料を作成した。評価結果を表2に示す。
なお、架橋処理を施す前の染色された綿布についての評価も同時に行い、表2に示した。
【0048】
実施例14
実施例9において、綿布(金魚)に代えて染色堅牢度試験用添付白布(カナキン3号、日本規格協会製)を100g使用し、架橋剤の使用量を1.5モルとした以外は同様にして架橋反応処理を施し、実施例1と同様にして還元洗浄、水洗、乾燥を行い、測定試料を作成した。評価結果を表2に示す。
なお、架橋処理を施す前の染色された綿布についての評価も同時に行い、表2に示した。
【0049】
実施例15
黒色の反応染料で染色したビスコ−スレ−ヨン織布(経糸および緯糸ともに75デニ−ル/25フィラメント)を100g、架橋剤として1,1,9,9,テトラメトキシノナン0.15モル、架橋剤の分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソ−ダ50g/リットル濃度の水溶液30ミリリットル、乳酸5gおよび酢酸5g、pH調整剤として硫酸ナトリウム50g/リットル濃度の水溶液30ミリリットル、水3.2リットルをミニカラ−染色機に仕込み、100℃×40分間の架橋反応処理を行った。ついで30分間の流水洗を行いピンテンタ−を用いて架橋反応処理前の織密度(経糸密度84本/インチ、緯糸密度62本/インチ)に合わせて160℃×3分間の熱セットを行った。その後20℃−65%RH下雰囲気下で一夜放置し、測定用試料とした。評価結果を表2に示す。
なお、架橋処理を施す前の綿布についての評価も同時に行い、表2に示した。
【0050】
実施例16
黄色の直接染料で染色したビスコ−スレ−ヨン織布(経糸および緯糸ともに75デニ−ル/25フィラメント)を100g用い、架橋剤としてBENを0.05モル、架橋剤の分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソ−ダ5g/リットルの濃度の水溶液50ミリリットル、クエン酸9gおよびマロン酸1g、pH調整剤として硫酸ナトリウム50g/リットル濃度の水溶液50ミリリットル、水2.8リットル、架橋反応処理条件を60℃−40分間にした以外は実施例9と同様にして架橋反応処理、熱セット、水洗、乾燥を行い測定試料を作成した。評価結果を表2に示す。
なお、架橋処理を施す前の染色された綿布についての評価も同時に行い、表2に示した。
【0051】
比較例4
ピンクの反応染料で染色されたビスコ−スレ−ヨン織布(経糸および緯糸ともに75デニ−ル/50フィラメント)を100g、架橋剤としてグリオキザ−ル45%水溶液を100ミリリットル、酢酸5g/リットル濃度の水溶液15ミリリットル、水2740ミリリットルをロ−タリ染色機に仕込み、100℃×40分の架橋反応処理を行った。ついで遠心脱水を行い、風乾を行った後に70℃で一昼夜減圧乾燥を施した後20℃−65%RHの雰囲気下に一夜放置したものを測定試料とした。評価結果を表2に示す。
なお、架橋処理を施す前の染色された綿布についての評価も同時に行い、表2に示した。
実施例に比較して耐光性が劣っており、また架橋反応処理前後の色ずれが激しかった。
【0052】
比較例5
実施例9において、架橋剤としてグルタルアルデヒドを使用した以外は同様にして架橋反応処理、熱セット、水洗、乾燥を行い測定試料を作成した。評価結果を表2に示す。
なお、架橋処理を施す前の染色された綿布についての評価も同時に行い、表2に示した。
実施例に比較して耐光性が非常に劣っていた。
【0053】
比較例6
リラックス精練した綿布[金魚、40番手、東洋紡績(株)社製]を100g使用した以外は比較例4と同様にして100℃×40分の架橋反応処理を行った。ついで遠心脱水を行い、風乾を行った後に70℃で一昼夜減圧乾燥を施した後20℃−65%RHの雰囲気下に一夜放置したものを測定試料とした。評価結果を表2に示す。
なお、架橋処理を施す前の染色された綿布についての評価も同時に行い、表2に示した。
実施例に比較して耐光性が非常に劣っているのみならず、架橋反応処理前後の色ずれが激しく、別系統の色に変色していた。
【0054】
【表2】
Figure 0003598434
【0055】
実施例17
染色堅牢度試験用添付白布(カナキン3号、日本規格協会製)200gを用い、架橋剤として1,1,9,9テトラメトキシノナンを0.08モル、分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5g/リットル濃度の水溶液を40ミリリットル、コハク酸5gをロ−タリ染色機に仕込み、100℃×60分の架橋反応処理を行った。その後流水洗を30分間行い、ついで遠心脱水を行って一夜風乾を行った後に20℃−65%RH雰囲気下で一夜放置し、測定用試料とした。評価結果を表3に示す。
なお、架橋反応処理を施す前の綿布についての評価も同時に行い、表3に示した。
【0056】
実施例18〜19
実施例17において、架橋剤を0.16モル、コハク酸に代えてクエン酸を6.0g使用した(実施例18)以外、架橋剤を0.24モル、コハク酸に代えてクエン酸を9.0g使用した(実施例19)以外は同様にして架橋反応処理、水洗、乾燥を行って測定用試料を作成した。評価結果を表3に示す。
なお、架橋反応処理を施す前の綿布についての評価も同時に行い、表3に示した。
【0057】
実施例20
実施例17において、カナキン3号に代えて染色堅牢度試験用添付白布(レ−ヨン5号、日本規格協会製)200gを使用した以外は同様にして架橋反応処理、水洗、乾燥を行って測定用試料を作成した。評価結果を表3に示す。
なお、架橋反応処理を施す前の織布についての評価も同時に行い、表3に示した。
【0058】
実施例21
実施例18において、カナキン3号に代えて染色堅牢度試験用添付白布(レ−ヨン5号、日本規格協会製)200gを使用した以外は同様にして架橋反応処理、水洗、乾燥を行って測定用試料を作成した。評価結果を表3に示す。
なお、架橋反応処理を施す前の織布についての評価も同時に行い、表3に示した。
【0059】
実施例22
実施例19において、カナキン3号に代えて染色堅牢度試験用添付白布(レ−ヨン5号、日本規格協会製)200gを使用した以外は同様にして架橋反応処、乾燥を行って測定用試料を作成した。評価結果を表3に示す。
なお、架橋反応処理を施す前の織布についての評価も同時に行い、表3に示した。
【0060】
実施例23
実施例17において、綿布に代えて、リラックス精練したビスコ−スレ−ヨン織布[ジョ−ゼット、経糸密度150デニ−ル×50本、緯糸密度150デニ−ル×50本、1500T/M、クラレ(株)社製]200gを使用した以外は同様にして架橋反応処理、水洗、乾燥を行って測定用試料を作成した。評価結果を表3に示す。
なお、架橋反応処理を施す前の織布についての評価も同時に行い、表3に示した。
【0061】
実施例24
実施例19において、綿布に代えて、黄色の直接染料で染色したリラックス精練ビスコ−スレ−ヨン織布[ジョ−ゼット、経糸密度150デニ−ル×50本、緯糸密度150デニ−ル×50本、1500T/M、クラレ(株)社製]200gを使用した以外は同様にして架橋反応処理、水洗、乾燥を行って測定用試料を作成した。評価結果を表3に示す。
なお、架橋反応処理を施す前の織布についての評価も同時に行い、表3に示した。
【0062】
比較例7
実施例17において、架橋剤としてグルタルアルデヒドを0.20モル使用した以外は同様にして架橋反応処理、水洗、乾燥を行って測定用試料を作成した。
評価結果を表3に示す。
なお、架橋反応処理を施す前の綿布についての評価も同時に行い、表3に示した。
実施例に比較し、結晶化度はほとんど変わらないにも拘らず、結節強力が低い。
【0063】
比較例8
実施例19において、架橋剤としてグルタルアルデヒドを0.20モル使用した以外は同様にして架橋反応処理、水洗、乾燥を行って測定用試料を作成した。評価結果を表3に示す。
なお、架橋反応処理を施す前の綿布についての評価も同時に行い、表3に示した。
実施例に比較し、結晶化度はほとんど変わらないにも拘らず、結節強力が非常に低い。
【0064】
比較例9
実施例20において、架橋剤としてグルタルアルデヒドを0.20モル使用した以外は同様にして架橋反応処理、水洗、乾燥を行って測定用試料を作成した。評価結果を表3に示す。
なお、架橋反応処理を施す前の綿布についての評価も同時に行い、表3に示した。
実施例に比較し、結晶化度はほとんど変わらないにも拘らず、結節強力が低い。
【0065】
比較例10
実施例21において、架橋剤としてグルタルアルデヒドを0.20モル使用した以外は同様にして架橋反応処理、水洗、乾燥を行って測定用試料を作成した。評価結果を表3に示す。
なお、架橋反応処理を施す前の綿布についての評価も同時に行い、表3に示した。
実施例に比較し、結晶化度はほとんど変わらないにも拘らず、結節強力が低い。
【0066】
比較例11
実施例23において、架橋剤としてグルタルアルデヒドを0.20モル使用した以外は同様にして架橋反応処理、水洗、乾燥を行って測定用試料を作成した。評価結果を表3に示す。
なお、架橋反応処理を施す前の綿布についての評価も同時に行い、表3に示した。
実施例に比較し、結晶化度はほとんど変わらないにも拘らず、結節強力が非常に低い。
【0067】
比較例12
実施例24において、架橋剤としてグリオキザ−ル−尿素樹脂(スミテックスレジンNS−19、住友化学社製)を10%o.w.f.、金属触媒としてスミテックスアクセラレ−タ(住友化学社製)を2.4%o.w.f.使用し、マングルで60%ウエットに絞り、ピンテンタ−で110℃×2分間の予備乾燥を行った。ついで160℃×3分間の架橋反応処理を行い、流水洗を15分間行い、再度ピンテンタ−で110℃×2分間の乾燥を行って20℃−65%RHの雰囲気下に一夜放置したもの、を測定試料とした。評価結果を表3に示す。
実施例に比較し、結晶化度はほとんど変わらないにも拘らず、結節強力が非常に低い。
【0068】
【表3】
Figure 0003598434
【0069】
実施例25
エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体フィルム(EVAL−EF、厚み15μm、エチレン含有量32モル%、クラレ製)を6g、架橋剤として1,1,9,9テトラメトキシノナンを0.002モル、酢酸5g/リットルメタノ−ル溶液3.5ミリリットル、メタノ−ル296mミリリットルをミニカラ−染色機に仕込み、65℃×40分の架橋反応処理を行った。その後60分間の流水洗を行い、風乾燥を行った。ついで、70℃下で一昼夜真空乾燥機で乾燥を行った後、20℃−65%RH雰囲気下で調湿を施した。
得られたフィルムの評価を行い、結果を表4に示す。
なお、単に調湿を施したのみのフィルムの評価も表4に示した。
【0070】
実施例26
エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体フィルム(EVAL−XL、厚み15μm、エチレン含有量32モル%、クラレ製)を6g、架橋剤として1,1,9,9ビスエチレンジオキシノナンを0.01モル、架橋剤の分散剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5g/リットル濃度の水溶液5ミリリットル、硫酸1g/リットル濃度の水溶液3ミリリットルをミニカラ−染色機に仕込み、60℃×30分の架橋反応処理を行った。その後60分間の流水洗を行い、風乾燥を行った。ついで、70℃下で一昼夜真空乾燥機で乾燥を行った後、20℃−65%RH雰囲気下で調湿を施した。
得られたフィルムの評価を行い、結果を表4に示す。
なお、単に調湿を施したのみのフィルムの評価も表4に示した。
【0071】
実施例27
ポリビニルアルコ−ルフィルム(ケン化度99.8モル%、重合度1750、厚み75μm、クラレ製)を6g使用し、溶媒としてn−ヘプタンを使用した以外は実施例25と同様にして架橋反応処理、水洗、乾燥を行い、調湿を施した。
得られたフィルムの評価を行い、結果を表4に示す。
なお、単に調湿を施したのみのフィルムの評価も表4に示した。
【0072】
実施例28
実施例25において、ポリビニルアルコ−ルフィルム(ケン化度99.8モル%、重合度18000、厚み75μm、クラレ製)6gを用い、処理時間を60℃×30分にした以外は同様にして処理を行い、水洗、乾燥、調湿を行った。
得られたフィルムの評価を行い、結果を表4に示す。
なお、単に調湿を施したのみのフィルムの評価も表4に示した。
【0073】
実施例29
セロファンフィルム(厚み27μm、東京セロファン(株)製)を6g、架橋剤として1,1,9,9タトラメトキシノナンを0.015モル、酢酸10g/リットル濃度のメタノ−ル溶液5ミリリットル、メタノ−ル89ミリリットルをミニカラ−染色機に仕込み、45℃×90分で架橋反応処理を行った。その後20分間の流水洗を行って水切りした後、50℃下で一昼夜真空乾燥機で乾燥を行い、20℃−65%RH雰囲気下で調湿を施した。
得られたフィルムの評価を行い、結果を表4に示す。
なお、単に調湿を施したのみのフィルムの評価も表4に示した。
【0074】
比較例13
実施例27において、架橋剤としてホルムアルデヒド0.2モル使用した以外は同様にして架橋反応処理、水洗、乾燥、調湿を行った。
得られたフィルムの評価を行い、結果を表4に示す。
フィルムに部分的にゲルが発生し、実用的なフィルムにはほど遠いものであった。
【0075】
【表4】
Figure 0003598434
【0076】
参考までに、本発明で使用される化合物(架橋剤)のAMES変異原性試験結果を表5に示す。一般に架橋剤として使用されているアルデヒドの同試験結果をも併せて示す。
【0077】
【表5】
Figure 0003598434
【0078】
【発明の効果】
本発明の処理により、上述のような様々な機能を成形物にの付与することができ、また本発明の架橋剤を使用することにより従来品に対してより安全な処理方法、成形物を提供することが可能となったのである。

Claims (4)

  1. 下記式(1)で示される化合物で架橋処理されてなるセルロ−スおよびポリビニルアルコ−ル系重合体から選択された少なくとも1種のポリマ−からなる成形物(ただし、ポリビニルアルコ−ル系重合体を少なくとも一成分とする繊維を除く)。
    Figure 0003598434
  2. セルロ−スおよびポリビニルアルコ−ル系重合体から選択された少なくとも1種のポリマ−からなる成形物(ただし、ポリビニルアルコ−ル系重合体を少なくとも一成分とする繊維を除く)を、酸性下、下記式(1)で示される化合物を用いて架橋させることを特徴とする成形物の処理方法。
    Figure 0003598434
  3. 架橋処理が有機酸の存在下で行われることを特徴とする請求項2記載の成形物の処理方法。
  4. 架橋処理が1分子当たり少なくとも1個のカルボキシル基および少なくとも1個のヒドロキシル基を有するポリカルボン酸の存在下で行われることを特徴とする請求項1記載の成形物の処理方法。
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