JP3598088B2 - 冷凍冷蔵室用冷却器の霜取り装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、冷凍冷蔵室内に設置する冷却器の霜取り装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
冷凍冷蔵室の冷却手段は、金属製冷却管（銅、アルミ、ステンレス、鉄パイプ等）と放熱板（フィン）からなるフィンチューブ体と、このフィンチューブ体に対して送風を行うファンとで構成される冷却器に、冷媒（フロンガスやアンモニアは、冷却器部分で断熱膨張させて冷却効果を発揮し、ブラインは冷却されたそれ自体によって冷却効果を発揮する）を供給して実現している。そして冷却器の冷媒温度（ブライン以外は、膨張後温度）が摂氏零度以下の場合に、フィンに霜が付着してしまう。このため冷却効率の低下を防止するために、冷却器には適宜な霜取り装置を付設している。
【０００３】
従来の霜取り装置は、冷却ブラインに代えて霜取り用の暖めたブラインを供給循環させる内部からの加熱で除霜を行う内熱手段と、外部からの熱で霜取りを行う外熱手段が知られている。勿論両者を併用している機械もある。本発明は、特に冷却器に除霜用液体（不凍液や、井戸水、適宜な温度に加熱昇温させた液体等の霜取り用水）を散布する手段の改良に係るものである。
【０００４】
従来の霜取り用水（除霜用水）の散布構造は、フィンチューブ体上方に配置したスプレー管からの散水で霜取りを行ったり（特開昭４８−９５６４２号）、底面に多数のスリット（フィンと直交する方向で幅が１〜２ｍｍ）を設けた散水箱をフィンチューブ体の上方に配置し、散水箱内に平均的な散水を行って除霜用水の供給をなす散水管を、散水箱の上方に設け、散水管からの霜取り用水を散水箱に供給し、散水箱のスリットからフィンチューブ体に除霜用水を流下させ、霜取りを行っているものである。
【０００５】
ところで単なるスプレーによる除霜用水の散水は、散水が不均一となり霜取りがなされない箇所が生じ易く、非効率的で好ましくはない。これに対してスリット放水は、フィンチューブの直上に迂回パイプと平行に設けているので、理論上スプレー散水より均一な霜取りが実現することになる。
【０００６】
しかしスリット放水による霜取りは、理論上は適切な散水がなされるが、現実問題として散水箱の水平精度やスリット幅の精度（特に均一な幅のスリット形成は、工作上困難である）、更にはスリット位置の精度によって、適切な霜取り散水がなされない。即ちスリットの幅が大きいと散水量が多くなり、散水量と供給水量が釣り合いがとれなくて散水箱を一定の水位に保つことができなく、散水箱の水平精度によっては散水が片寄ってしまう。またスリットの幅を狭くすると、散水量と給水量の調整が容易になるが、スリットの幅の精度上の問題から、幅の相違によって散水の不均一が生ずる。更にスリット位置が迂回パイプ直上よりずれてしまうと、霜取りに供されない用水が多くなり、非常に効率が悪い。
【０００７】
そこで本発明は、除霜用水の散水が適切に且つ効果的に実施される霜取り装置を提案したものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る冷凍冷蔵室用冷却器の霜取り装置は、冷蔵冷凍室内に設置する冷却器のフィンチューブ体上方に配置し、底面に多数の小孔を穿設すると共に、フィン端面側となる側面適宜高さにオーバーフロー孔を穿設した散水箱と、散水箱上方に散水箱内に平均的な散水を行って除霜用水の供給をなす散水管と、散水管の散水が直接小孔に直射するのを防止するために散水管底面に配置した邪魔板と、散水箱のオーバーフロー孔からの溢水をフィンチューブ体のフィン端面に導くガイド部とで構成してなることを特徴とするものである。
【０００９】
而して別置冷凍機からの冷媒（圧縮した冷媒、冷却した冷媒）を、冷却器のフィンチューブ体に供給循環させて、所定の冷凍冷蔵を実現し、フィンチューブ体に霜が付着すると、散水管に除霜用水を供給して霜取りを行うものである。即ち散水管に除霜用水が供給されると、除霜用水は散水箱に散水され、邪魔板によって散水が直接小孔より流下することが阻止され、散水箱に溜まり、小孔からフィンチューブ体に流下する。この流水量と給水量が釣り合う位置で散水箱内の水位が一定する。更に給水量を増加させると水位が上昇し、オーバーフロー孔から除霜用水が流出し、フィンの側面に散水される。これらの除霜用水によってフィンや迂回パイプに付着した霜は、溶かされて取り除かれることになる。尚前記除霜用水は、適宜温度のブラインや、井戸水、適宜な温度に加熱昇温させた液体を使用するものである。
【００１０】
【実施の形態】
次に本発明の実施の形態について説明する。本発明が適用される冷却器は、多数並設した放熱フィンａと放熱フィンａを貫通する金属製冷却管ｂからなるフィンコイル体Ａとファンとで構成され、所定の冷蔵冷凍室内に設置されるものである。この冷却器は、冷凍冷蔵室外に設置した冷凍機（図示せず）から所定の冷媒（圧縮されたフロンガス等や、冷却されたブライン：エチレングリコール、プロピレングリコール等の不凍液）の供給を受け、所定の冷却を実現しているものである。
【００１１】
本発明の霜取り装置は、前記冷却器に於いて、フィンチューブ体Ａの上方に設けるもので、散水箱１と、散水管２と、邪魔板３と、ガイド部４とで構成される。
【００１２】
散水箱１は、適宜深さで且つフィンチューブ体Ａを覆う大きさの箱本体１１を、フィンチューブ体Ａの上方に配置し、箱本体１１の底面に多数の小孔１２を穿設すると共に、フィンａの端面側となる側面適宜高さにオーバーフロー孔１３を適宜間隔で多数穿設したものである。尚小孔１２は、１〜３ｍｍφで、箱本体１１を所定位置に設置した際に迂回パイプｂの直上に位置するように設ける。
【００１３】
散水管２は、散水箱１の上方に配置され、適宜間隔で散水孔２１を穿設したもので、霜取用水（井戸水）Ｂの供給源となるポンプと連結され、除霜作業時に散水箱１に向けて放水するものである。
【００１４】
邪魔板３は、散水箱１内に設け、小孔１２に散水管２の散水孔２１からの直接入水を阻止するように、小孔１２の笠として作用するように設けたもので、図示の例は、散水箱１の底面全体を覆い、箱本体１１の側面から小孔１２を設けた底面に流れ込む様にしてなる。
【００１５】
ガイド部４は、オーバーフロー孔１３からのオーバーフローする除霜用水Ｂをフィンａの端面に導くもので、下端がフィンａの端面に当接或いは近接し、上端がオーバーフロー孔１３の外方に位置する流下板形状に形成にしたものである。
【００１６】
而して通常運転時は、従前と同様に別置冷凍機からの冷媒の供給を受けて所定の冷凍冷蔵を実現し、フィンチューブ体Ａに霜が付着すると、散水管２に除霜用水Ｂを供給して霜取りを行うものである。
【００１７】
そして散水管２に除霜用水Ｂが供給されると、散水孔２１から下方に向けて散水され、散水された除霜用水Ｂは、邪魔板３上を流れて散水箱１の側面から底面に流れ込み、小孔１２からフィンチューブ体Ａに流下し、付着している霜を溶かすものである。
【００１８】
また除霜用水Ｂの供給量が多く、小孔１２の径が小さいと、散水箱１内に一定の水位で除霜用水Ｂが溜まることになり、小孔１２からの流下放水が一定となり、効率的な除霜がなされる。更に除霜用水Ｂの供給を増やすと、散水箱１内の水位が上がり、オーバーフロー孔１３から除霜用水Ｂが流出し、ガイド部４を伝わってフィンａの側面に散水される。特に霜は、フィンａの端面に厚く付着するので、オーバーフローする除霜用水Ｂによる霜取りは効率的になされることになる。
【００１９】
尚本発明は、ファンとフィンチューブ体で構成される冷却器に於けるフィンチューブ体の霜取りを、フィンチューブ体に除霜用水を降り注いで実施するもので、除霜用水の材質、温度に限定されないし、また除霜用水Ｂの循環使用や廃棄放流も使用水質によって適宜定められるものである。
【００２０】
【発明の効果】
以上のとおり本発明は、冷蔵冷凍室に設置する冷却器のフィンチューブ体上方に配置し、底面に多数の小孔を穿設し、側面にオーバーフロー孔を穿設した散水箱と、散水箱内に除霜用水の供給をなす散水管と、散水管の散水が直接小孔に直射するのを防止する邪魔板と、散水箱のオーバーフロー孔からの溢水をフィンチューブ体のフィン端面に導くガイド部とで構成した霜取り装置で、除霜用水を効率良く霜取りに供することができると共に、除霜用水の流量制御が容易に行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態の一部分解斜視図。
【図２】同断面図。
【符号の説明】
１ 散水箱
１１ 箱本体
１２ 小孔
１３ オーバーフロー孔
２ 散水管
２１ 散水孔
３ 邪魔板
４ ガイド部

Claims (1)

1. 冷凍冷蔵室内に設置する冷却器中に、冷媒を供給循環させて所定の冷蔵冷凍を実現している冷却器に於いて、冷却器のフィンチューブ体上方に配置し、底面に多数の小孔を穿設すると共に、フィン端面側となる側面適宜高さにオーバーフロー孔を適宜間隔で多数穿設した散水箱と、散水箱の上方に散水箱内に平均的な散水を行って除霜用水の供給をなす散水管と、散水管の散水が直接小孔に直射するのを防止するために、散水箱内における散水管の下方に配置した邪魔板と、下端がフィンの端面に当接或いは近接して、散水箱のオーバーフロー孔からの溢水をフィンチューブ体のフィン端面に導く流下板状のガイド部とで構成してなることを特徴とする冷凍冷蔵室用冷却器の霜取り装置。

Images