JP3597491B2 - 泌乳牛における乳腺の免疫賦活化剤および賦活化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、泌乳牛の乳腺における免疫系の賦活化剤および免疫賦活化方法に関する。より詳細には、本発明は、泌乳牛の乳腺を泌乳期から乾乳期に円滑に移行させるための免疫賦活化剤および免疫賦活化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
乳牛は泌乳期に授精を受けて妊娠する。そして、授精から5ヶ月経過すると、妊娠母体の胎盤はエストロジェン等のホルモンを盛んに分泌して乳量は減少し、乳腺の一部の組織および細胞は退行し始める。
【0003】
さらに胎児の成長に伴って、母胎における乳腺の退行は進み、乳汁産生機能は衰えてくる。酪農家は、分娩前の適当な時期に、これらの泌乳牛の搾乳を停止することにより乳腺を乾乳期に導入させる。これにより、乳牛が円滑な分娩をし、分娩後に円滑な泌乳活動を再開することを促す。
【0004】
乾乳期には、分娩後に子牛を哺乳飼育するための新しい乳腺組織の造成分化が進む。造成分化は、乳腺粘膜組織における古い乳腺上皮がアポトーシスにより退行し、その代わりに多種類の血液細胞が移入するものである。造成分化が始まると、乳房内の細胞組織は、顆粒球、単球、マクロファージ、樹状細胞、NK細胞、T細胞、B細胞、マスト細胞等の極めて多様な要素の細胞から構成される。そのため、乳腺組織および乳汁には、顆粒球およびマクロファージ等の食菌細胞が分布するようになり、また、リンパ球は、血行に由来したヘルパー型CD4+T細胞、および抗体を産生するB細胞が分布するようになる(Vet.Immunol.&Immunopathol.,65巻51−61,1998;J.Dairy Sci.,82巻,1459−1464,1999)。このため、乾乳期に、乳腺は感染に対する抵抗性が高くなる。
【0005】
従来は、泌乳牛を乾乳期に導入させるために、泌乳牛の搾乳を一度に止め、乳房内圧を高めて泌乳を抑制する方法を主に用いていた。しかしながら、酪農家がこの方法により泌乳牛を乾乳期に導入しても、実際には泌乳牛の乳腺が乾乳期に円滑に移行しない場合があった。この様な場合には、外来細菌が容易に乳腺に感染し乳房炎発生率が高くなるという問題があった。
【0006】
また、この移行が円滑に行われず遅延すると、母牛の乳腺の発育も遅延する。そして、乳腺の発達が遅れた母牛によって子牛が飼育されると、子牛は発育不全になったり、種々の細菌やウイルスによる感染性下痢症に罹患したりするという問題があった。
【0007】
これらの問題は、酪農家にとって深刻な問題であり、一刻も早い解決が望まれている。しかしながら、これらを解決する有効な手段は見いだされてなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、泌乳牛の乳腺を迅速に乾乳期に移行させることを目的とする。また、本発明は、乳腺の発達および初乳の形成を円滑に進めることを目的とする。
【0009】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、少量のラクトフェリンを母牛に投与することにより、母牛の免疫系を賦活化させ、母牛の乳腺を泌乳期から乾乳期に円滑に移行することができることを見いだした。
【0010】
すなわち、上記目的を解決するため、本発明は、ラクトフェリンまたはその医薬上許容される塩を有効成分とする泌乳牛における乳腺の免疫賦活化剤を提供する。
【0011】
さらに、本発明は、ラクトフェリンまたはその医薬上許容される塩を有効成分とする医薬組成物を泌乳牛に投与することからなる乳牛における乳腺の免疫賦活化方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、ラクトフェリンまたはその医薬上許容される塩を有効成分とする乳牛における乳腺の免疫賦活化剤および免疫賦活化方法である。
【0013】
本発明に用いるラクトフェリン(以下、Lfと略す。)は、哺乳動物の乳汁、唾液、涙、気管支粘液、胆汁、腸液に含まれる分子量約8万の巨大な糖タンパク質である。
【0014】
医薬上許容されるLfの塩としては、ウシ母体および胎牛に対する安全性が高いものであればよく、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、塩酸塩、酢酸塩又は炭酸塩であってもよい。
【0015】
本発明においては、これらのLfまたはLfの塩を、単独で用いても、または二種以上を混合して用いてもよい。
【0016】
本発明において用いるLfおよびLfの塩は、ヒト母乳から分離精製したもの、ウシ、ヤギおよび羊等の哺乳動物の母乳から分離精製したもの、およびトランスジェニック動物や微生物の遺伝子組み換えにより得られたものであってもよい。
【0017】
本発明の剤型としては、例えば、軟膏および液剤が挙げられる。軟膏とするために用いる基剤としては、例えば、白色ワセリン、黄色ワセリン、流動パラフィン、オリーブ油、ラッカセイ油、ダイズ油、ラノリン等の親油性軟膏基材、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、グリセリン、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース等の親水性軟膏基材が挙げられる。液剤とするために用いる溶媒としては、上述の他に、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンが挙げられる。
【0018】
本発明の医薬組成物には、任意に添加剤を加えてもよい。添加剤として、例えば、緩衝剤、等張化剤、安定剤、防腐剤が挙げられる。
【0019】
本発明の投与量は、投与により得られる効果と経済性を考慮すると、Lfに換算して1分房あたり100〜250mgを投与することが好ましく、より好ましくは100〜200mgである。乳汁中のLf濃度は、投与直後に搾乳した乳汁を測定した際のLfの測定値が1000〜2500μg/mlとなるように投与するのが好ましく、より好ましくは1000〜2000μg/mlである。
【0020】
投与回数は、上記の量の薬剤を、乾乳導入日から乾乳導入後3週間までの間に、1回、もしくは、数日間の間隔を置いて、この期間に何回か投与しても良い。
【0021】
本発明の投与形態としては、例えば、注入が挙げられ、好ましくは直接注入、さらに好ましくは、乳房への注射である。
【0022】
以下の実施例1および2に、本発明の医薬組成物を液剤とした場合、および軟膏とした場合の処方例を示す。
【0023】
(処方例1)
ウシラクトフェリン100mg
塩化ナトリウム80mg
塩化カリウム2mg
リン酸二水素カリウム2mg
リン酸二水素ナトリウム2mg
上記の化合物を混合して蒸留水で10mlになるようメスアップし、本発明の液剤とした。
【0024】
(処方例2)
ウシラクトフェリン 100mg
カカオバター 4g
アスコルビン酸 25mg
塩化ナトリウム 80mg
上記の化合物を混合して蒸留水で10mlになるようメスアップし、本発明の軟膏とした。
【0025】
(試験例1)
乾乳導入日に泌乳牛の乳房にLfを投与して、その後の乳汁中の体細胞数(Somatic Cell Count, 以下SCCと略す。)を定量した。これと比較するために、Lfを投与しなかった泌乳牛についても、乳汁中のSCCを測定した。
【0026】
体細胞は、大部分が白血球から構成され、また、炎症に対する反応として乳汁中に出現するものである。さらに、乾乳期に導入されるとSCCは一旦増加し、ほぼ元の値に戻った後、安定した値をとることが知られている。
【0027】
このSCCの定量を、具体的に次の方法で行った。乾乳導入日(0日目)に、健康な泌乳牛の乳房29例に対して、処方例1で作成した液剤を注入した。液剤の投与量は、液剤中に含まれるラクトフェリンに換算して、1乳房あたり100〜250mgとなるよう注入した。
【0028】
また、健康な泌乳牛の乳房11例に対しては、処方例1で作成した液剤を注入しなかった。
【0029】
液剤を注入した乳房群(以下、Lf投与分房と略す。)と、注入しなかった乳房群(以下、非投与分房と略す。)から得られた乳汁について、0、1、3、7および14日目にSCCを測定し、平均値をそれぞれ算出した。SCCの測定は、乳汁検体を20mMエチレンビス4酢酸ナトリウム加リン酸生理緩衝液(EDTA−PBS)で洗浄後、ヨウ化プロピディウムを用いて染色した後、フローサイトメーター(商品名:ファックスキャリバー、日本ベクトンディッキンソン社製)を用いておこなった。これらの結果を表1および図1に示す。
【0030】
【表1】
表1および図1に示されるように、Lf投与分房では、投与直後からSCCが増加して3日目には最高値に達し、7日過ぎにはその増加は止み、Lf投与前の低値にもどる。これに対して、非投与分房では、1日経過後からSCC数が徐々に上昇し始め、7日目付近に最高値を示した後減少し、14日目の時点でも減少が続きSCC値は安定しなかった。また、Lf投与分房のSCC最高値は、非投与分房のSCC最高値と比較して、より高かった。
【0031】
以上の結果より、Lf投与分房は、非投与分房と比較して、血液由来細胞の乳腺組織内への移入が急速に促進されることが分かる。
【0032】
従って、Lfを投与することにより、早期に、著しい除菌効果を得ることが可能となる。
【0033】
(試験例2)
試験例1で用いた、Lf投与分房群と非投与分房群から得られた乳汁について、食菌機能の代表細胞であるCD11b抗原陽性細胞数を定量した。
【0034】
乾乳期に導入されると、CD11b抗原陽性の細胞数は一旦上昇し、その後安定することが知られている。そこで、このCD11b抗原陽性の細胞数を測定することにより、Lf投与による食菌機能への影響を調べた。
【0035】
具体的には、遠心分離により乳汁細胞を回収し、ウシCD11bモノクローナル抗体とFITC標識マウスIgG2bモノクローナル抗体により染色し、フローサイトメーターにより、0、1、3、7および14日目に、CD11b抗原陽性細胞数を測定した。得られたCD11b抗原陽性細胞数を表2および図2に示す。
【0036】
【表2】
表2および図2に示されるように、Lf投与分房では、投与直後からCD11b抗原陽性細胞数が増加し、3日目に最高値を示した後、7日目には既に安定した値となった。これに対して、非投与分房では、1日経過後から上昇し、3日目に高値を示した後減少し、14日目の時点ではまだ減少が続き安定しなかった。
【0037】
また、Lf投与分房における最高値は、非投与分房における最高値と比較すると、極めて高い値を示した。
【0038】
以上の結果より、Lf投与分房は、非投与分房と比較して、血液由来細胞数が迅速に、かつ、顕著に増加することがわかる。
【0039】
従って、Lfを投与することにより、早期に、著しい除菌効果を得ることが可能である。
【0040】
(試験例3)
試験例1で用いた、Lf投与分房群と非投与乳房群から得られた乳汁について、免疫応答系細胞であるTリンパ球系細胞に対するLfの影響を調べるため、CD4+T/CD8+Tを定量した。
【0041】
Tリンパ球サブタイプのうち、CD4+Tは乾乳期における乳汁および乳腺に主成分として含まれ、CD8+Tは泌乳期における乳汁および乳腺に主成分として含まれることが知られている。また、CD4+T細胞は抗体産生系でヘルパーT細胞として働き、CD8+Tは抑制細胞として働くものとして知られている。
【0042】
具体的には、以下の通りに実験した。試験例1で用いた、Lf投与分房群と非投与分房群から得られた乳汁について、CD4+T細胞とCD8+T細胞との濃度を測定した。測定方法は、CD4+T細胞についてはウシCD4モノクローナル抗体とFITC標識マウスIgG1モノクローナル抗体で、CD8+T細胞についてはウシCD8モノクローナル抗体とFITC標識マウスIgMモノクローナル抗体で、それぞれ染色し、フローサイトメーターを用いて0、1、3、7および14日目に測定した。得られたCD4+T細胞/CD8+T細胞の平均値を、表3および図3に示す。
【0043】
【表3】
表3および図3に示されるように、Lf投与分房では2日目からCD4+T/CD8+T値は急激に上昇し、その効果は7日目まで継続した。これに対して、非投与分房では、CD4+T/CD8+T値は特に大きな変化は見られないまま緩やかに上昇した。
【0044】
以上の結果から、Lf投与分房は、非投与分房と比較して、ヘルパー型T細胞とキラー型T細胞の割合を大きく変化させることが分かった。
【0045】
従って、Lfを投与することが、乳腺を早期に乾乳期に移行させることを可能とすることが分かった。
【0046】
(試験例4)
さらに、試験例4に続いてCD4+T/CD8+TのLf添加による影響を調べるために、Lfを添加した培地と、LfおよびLf抗体を添加した培地の、それぞれのCD4+T/CD8+T濃度比を測定した。
【0047】
具体的には、先ず、ここで使用された培地は、ウシ胎児血清を5%に含むRPMI 1640培地(日水製薬社製)である。測定方法は、健康な泌乳牛の末梢血から比重遠心法によりリンパ球を採取し、(1)培地、(2)Lfを100μg添加した培地、および(3)100μgのLfおよびLf100μgのLfと結合する力価のウシLfウサギアフィニティー抗体を添加した培地を用いて、それぞれを3日間培養し、培養前と培養3日後のTリンパ球サブセットをフローサイトメーターにより解析した。この結果を表4及び図4に示す。
【0048】
【表4】
表4及び図4に示されるように、Lfが添加された培地のCD4+T/CD8+T値は、無添加の培地と比較して大きく増加した。これに対して、Lf及びLf抗体を添加した培地のCD4+T/CD8+T値は、無添加の培地と比較して減少した。このことから、CD4+T/CD8+T値はLfの添加に大きく依存することが理解される。
【0049】
(試験例5)
Lfの投入による免疫蛋白成分の増加を調べた。免疫蛋白としては、免疫グロブリンIgG、特に、サブクラス中最も多く存在するIgG1を定量した。
【0050】
具体的には、以下の通りに行った。乾乳導入日(0日目)に、健康な泌乳牛の乳房5例に対して、処方例1で作成した液剤を注入した。液剤の投与量は、液剤中に含まれるラクトフェリンに換算して、1乳房あたり100mg(乳汁中濃度1000μg/ml)となるよう注入した。
【0051】
また、健康な泌乳牛の乳房3例に対しては、処方例1で作成した液剤を注入しなかった。
【0052】
液剤を注入した乳房群(以下、Lf投与分房と略す。)と注入しなかった乳房群(以下、非投与分房と略す。)から得られた乳汁について、IgG1を、0日、7日、14日、分娩前30日、分娩前14日および初乳が得られたそれぞれの日に定量した。IgG1の濃度の測定は、一元放射免疫拡散(SRID)法を用いて行い、得られたIgG1の濃度の平均値を算出した。その結果を表5および図5に示す。
【0053】
【表5】
表5及び図5に示されるように、Lf投与分房では、非投与分房後と比較して、いずれの日においてもIgG1濃度の増加が顕著であった。
【0054】
従って、Lfの投与は、乾乳期における乳腺の免疫系を活性化させることが分かった。
【0055】
(試験例6)
IgG1のLf依存性を調べるために、1分房あたりのLf投与量を10、100、200及び500mgとして、試験例5と同様にIgG1濃度を測定した。この結果を表6及び図6に示す。
【0056】
【表6】
表6及び図6に示されるように、Lfの投与量が10mgの場合は、IgG1濃度の増加が小さい。これに対し、Lfの投与量100mg以上では、IgG1濃度が大きく増加する。従って、1分房あたりLfを100mg以上投与すると、IgG1の分泌を強く刺激することが分かる。
【0057】
(試験例7)
Lfの除菌効果および乳房炎治療効果を調べるため、乳房炎に罹患した乾乳期乳房内の泌乳牛にLfを投与し、乳房炎の状態及び感染菌数を調べた。
【0058】
具体的には、乳房炎に罹患した乾乳期における分房12例(顕性乳房炎8例、不顕性乳房炎4例)に対して、処方例1で作成した液剤を注入した。液剤の投与量は、液剤に含まれるLfに換算して、乳房1分房あたり100mgであった。
【0059】
また、これと比較するために、乳房炎に罹患した乾乳期における分房29例に対して、乾乳期における乳房炎治療剤として用いられる乾乳軟膏を、乳腺内に注入により投与した。この乾乳軟膏として、日本全薬(株)製、製品名 セファメジンDCを用いた。
【0060】
上記のLf投与分房と軟膏投与分房について、分娩1週間後までの乳房炎の症状を調べた。また、乳房炎の主な起炎菌であるブドウ球菌の数を測定した。
【0061】
ブドウ球菌の測定方法は次の通りに行った。Lfの投与直前から投与後6日の間に乳腺から採取した乳汁と、分娩後の初乳を、それぞれ減菌生理的食塩水により、10、100、1000倍に希釈し、これを寒天培地(No.110培地)に平板塗抹法により塗布し、37℃で48時間培養後、寒天培地上に形成された集落数からブドウ球菌数をカウントした。
【0062】
また、乳房炎症状については、Lfまたは軟膏投与時と、分娩1週間後に触診及び目視により調べた。
【0063】
これらの結果を、Lf投与分房については表7に、軟膏投与分房については表8に示す。
【0064】
ここで、図中の乳房炎症状の評価については、−:乳房炎に罹患していない状態、+:軽度の乳房炎症状、++:中程度の乳房炎、+++:急性乳房炎を示す。また、ブドウ球菌数については、1mlあたりのコロニー形成単位(CFU)で表し、その評価は−:<2.0×102CFU/ml、±:2.0×102〜4.0×102CFU/ml、+:4.0×102〜1.0×103CFU/ml、++:1.0×103〜5.0×103CFU/ml、+++:>5.0×103CFU/mlとした。
【0065】
【表7】
【表8】
表7及び8に示されるとおり、Lf投与分房の初乳におけるブドウ球菌の陽性率((+、++及び+++例)/測定例、2例/8例)は25%であった。これに対して、軟膏投与分房の初乳中の陽性率は55.2%(16例/29例)であった。
【0066】
また、乳房炎発症率については、Lf投与分房では8.3%((+、++又は+++例)/測定例、1例/12例)であったのに対して、軟膏投与分房では50%(15例/29例)であった。
【0067】
これにより、乾乳期の泌乳牛にLfを投与することにより、乳房炎の治療効果が得られることが理解される。
【0068】
(試験例8)
Lfの乳房炎予防効果を調べるために、乳房炎症状の見られない乾乳期の泌乳牛にLfを投与し、その後の感染菌数及び乳房炎症状の有無を検査した。
【0069】
具体的には、乳房炎の症状が見られない乾乳期の分房17例に対して、処方例1で作成した液剤を注入した。液剤の注入量は、Lfに換算して1分房あたり100mgであった。
【0070】
また、これと比較するために、同じく乳房炎の症状が見られない乾乳期の泌乳牛を用いて、これらの乳房17例に対して試験例7と同様に軟膏を注入した。
【0071】
上記のLf投与分房と軟膏投与分房について、分娩1週間後までに罹患した乳房炎症状を調べた。また、乳房炎の主な起炎菌であるブドウ球菌の数を測定した。測定方法は、試験例7と同様である。
【0072】
これらの結果を表9及び10に示す。なお、各評価については、試験例7と同様である。
【0073】
【表9】
【表10】
表9及び10に示されるとおり、乳房炎発症率((+、++及び+++例)/全例)は、Lf投与分房では0%であったが、軟膏投与分房では47.1%(8例/17例)であった。
【0074】
また、ブドウ球菌数については、Lf投与分房の初乳における陽性率は11.8%((+、++および+++例)/測定例、2例/17例)であった。これに対して、軟膏投与分房の初乳中の陽性率は、55.8%(10例/17例)であった。
【0075】
これにより、乾乳期の泌乳牛にLfを投与することにより、乳房炎の予防効果が得られることが理解される。
【0076】
【発明の効果】
本発明によると、泌乳牛の乳腺の免疫系を賦活化させることを可能とする。
【0077】
また、本発明によると、泌乳牛の乳腺を泌乳期から乾乳期に円滑かつ迅速に移行することを可能とする。
【0078】
さらに、本発明によると、子牛への移行抗体を豊富に含み、かつ、細菌による汚染の少ない清浄な初乳を形成することが可能となり、さらには、子牛の発育不全を防止することを可能とする。
【0079】
さらに、本発明によると、分娩、初乳の形成、成乳分泌開始等の周産期の移行を円滑に進めることが可能となる。
【0080】
さらに、本発明は、泌乳期から乾乳期への移行期に、または、乾乳期に、母牛の乳腺が直接細菌に感染するのを防ぐことを可能とする。
【0081】
さらに、本発明は、泌乳期から乾乳期への移行期に、または、乾乳期に、乳房炎に罹患するのを防ぐことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】Lf投与分房と非投与分房におけるSCCの変動を示すグラフである。
【図2】Lf投与分房と非投与分房におけるCD11b抗原陽性体細胞数の変動を示すグラフである。
【図3】Lf投与分房と非投与分房におけるCD4+T細胞/CD8+T細胞濃度比の変動を示すグラフである。
【図4】各培地におけるCD4+T細胞/CD8+T細胞濃度比の変動を示すグラフである。
【図5】Lf投与分房と非投与分房におけるIgG1濃度の変動を示すグラフである。
【図6】各濃度のLf投与に対するIgG1濃度の変動を示すグラフである。
Claims (4)
- ラクトフェリンを有効成分とするウシ乳腺を泌乳期から乾乳期に移行させるためのウシ乳房投与用医薬組成物。
- 搾乳を止めて乾乳期に導入した後、ラクトフェリンを有効成分とする医薬組成物をウシ乳房に投与することからなるウシ乳腺を泌乳期から乾乳期に迅速に移行させるための方法。
- 前記投与は、ウシ乳房に直接注入することである請求項2の方法。
- 前記投与は、搾乳を止めて乾乳期に導入した日から乾乳導入後3週間までの間に行われる請求項2又は3に記載の方法。
Priority Applications (5)
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