JP3597203B2 - 穿孔または切削ヘッド - Google Patents

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Description

この発明は、請求項1の上位概念に記載の穿孔または切削ヘッドに関する。
特に、この穿孔または切削ヘッドは、プリント基板の切削加工機械や彫刻機械のような微細構造を加工するために使用される機械に適する。
冒頭に述べた種類の穿孔または切削ヘッドでは、工具を交換するため、モータあるいは穿孔または切削ヘッドの中空駆動シャフトを貫通し、噛み合わせ部を介してコレットチャックと係合するコレットチャックの操作棒を設けることが知られている。コレットチャックを開くには、モータの上にある操作可能な握りを介して手動あるいは空気圧のいずれかで、操作棒をコレットチャックの方向に移動させ、これによりコレットチャックは、回転され、つまりネジを回され、これにより開く。しかし、これにはモータを予め止める必要がある。これを忘れると、穿孔または切削ヘッドを破損することになる。何故なら、その時に回転していない操作棒と回転しているコレットチャックとが引き合わされるからである。その時、コレットチャックが完全に穿孔または切削ヘッドから外れ、人を傷付ける恐れが生じることさえある。
ドイツ特許出願公告第34 34 699号明細書によれば、請求項1の上位概念に従う穿孔または切削ヘッドが知られている。しかし、この穿孔または切削ヘッドでも、装着した工具を交換する時に、うっかりして駆動モータを止めないでいると、少なくとも穿孔または切削ヘッドを破損する恐れが生じるという欠点がある。
それ故、この発明の課題は、工具を交換する時、モータを予め止めることを忘れていても、穿孔または切削ヘッドの破損及び人を傷付ける恐れを何ら生じさせることのない冒頭で述べた種類の穿孔または切削ヘッドを提供し、これにより操作を簡単かつ確実にすることにある。
上記の課題は請求項1の特徴構成により解決される。この発明の他の構成は従属請求項に開示されている。
コレットチャックを軸方向に移動させるために必要な力は、摩擦クラッチを介して伝達されることにより、うっかり未だ回転しているコレットチャックが、開く時に回転していない部分と一体的な形状をなすように係合することが排除される。むしろ、軸方向の推進力は、摩擦クラッチを介して、一体的に力が伝達されるように、コレットチャック、あるいはこのコレットチャックが固定連結するシャフトに伝達される。
摩擦クラッチは、軸方向に、またシャフトに対して相対的に移動可能な部分と、シャフトに固定連結し、軸方向に移動可能な部分とから成り、これらの両方の部分は、急速交換機構を操作する際、接触する互いに同形の面を有すると有利である。その場合、両方の部分は、工具側がそれぞれ一つのバネの力に対抗するように支持されている。こうして、両方の部分が静止状態で互いに一定間隔を有し、引き合わせた際に、シャフトに固定連結している部分が回転する場合に、穿孔または切削ヘッドに破損を与えない摩擦しか、両方の面の間には生じないということを保証する。
更に、シャフトに対して相対的に移動可能な部分は、円筒状で、シャフトに対して同軸に配置され、モータ側の端部にリング状の肩部を有する。シャフトに固定連結する部分は、周面に形成された突出部を持つカラーである。同形の面は、リング状の肩部と周面に形成された突出部において、平坦で、シャフトに対して垂直に形成されている。
急速交換機構は握りで手動操作できる。その場合、握りは、コレットチャックが開いている位置で、ロック可能であるようにされていてもよい。これには、操作者が穿孔または切削工具を扱うのに両手を自由にできると言う利点がある。これに反して、従来の技術では、急速交換機構を手動操作する時、交換の全作業期間中に操作握りを押さえ続ける必要がある。
握りは、例えばレバーであってもよく、このレバーは、握り部分と、穿孔または切削ヘッドのハウジングの内部に配置された機能部分とを有する、その場合、レバーの前記機能部分は、コレットチャックが開いていない静止位置では水平面に対して鋭角を、またコレットチャックが開いている操作位置ではシャフトと直角を成し、更に、モータ側では穿孔または切削ヘッドの不動面に対して、また工具側ではシャフトに対して相対的に移動可能な部分に対して当接するようにされている。レバーの機能部分は、静止位置におけるよりも操作位置において軸方向に大きな最大のコレットチャックを移動させるための伸長作用を有する。これにより、レバーが静止位置から操作位置に移動することによって、シャフトに対して相対移動可能な摩擦クラッチの部分が穿孔または切削ヘッドの工具側の端部に向かって移動し、その際、以下で詳細に説明するように、シャフトまたはコレットチャックが一緒に移動し、従ってコレットチャックが開く。
特に、レバーの機能部分は、リング状で、シャフトに対して同軸に配置されている。機能部分の外径がハウジングの内径に等しく、機能部分の外側が凸形に湾曲させられている場合、この機能部分は、どの位置でも、握り部分が取り付けられている領域を除いて、その全周囲に沿って穿孔または切削ヘッドのハウジングに対して当接する。こうして、レバーはシャフトに対するその角度位置においてのみ変化でき、場合によっては、ロックするため、穿孔または切削ヘッドの軸方向の周りに僅かに回転できるが、それ以上は固定されている。握り部分はこのハウジングの開口を通して突き出ている。
その位置に応じて可変の機能部分の軸方向の最大の伸長作用は、特に、レバーの機能部分に対して、工具側には、レバーが操作位置にある間にシャフトが位置するレバーの長手軸に垂直な面内で、シャフトの両側に、それぞれ一つのカムが配置されており、またモータ側には、別の一つのカムが、レバーの握り部分に対置するように配置されていることにより達成される。従って、工具側の二つのカムとモータ側のカムは、90゜だけずらされて配置されている。従って、水平姿勢、即ち操作位置にある機能部分は、静止位置の傾いた姿勢にある時よりも大きい軸方向の伸長作用を示す。
工具側の両方のカムは、レバーが静止位置から操作位置に動く際に、軸方向にシャフトに対して相対的に移動可能な部分の当接面を押圧する。その際この部分は、シャフトに固定連結するカラーに向かって移動する。従って、レバーを操作することにより、シャフトは穿孔または切削ヘッドの工具側の端部に向けて移動する。このシャフトと共に、コレットチャックもコレットブッシュに対して相対的に移動する。これにより、その掴みアームがコレットブッシュの終端部で軸方向にモータに向けて円錐状に先細りなっているコレットブッシュの内面に対して当接するコレットチャックが開く。
急速交換機構は、空気圧でも操作可能にできる。
モータと穿孔または切削ヘッドとの簡単な分離を可能にするため、モータの駆動シャフトと穿孔または切削ヘッドのシャフトとを、カップリングで互いに連結してもよい。このカップリングは、軸方向の振動を受け止めるように弾性的なカップリングであると有利である。
必要な場合、穿孔または切削ヘッドは、連結板を介して、非常に簡単に、種々のモータに連結できる。これにより、穿孔または切削ヘッドのモジュール構造が得られ、このモジュール構造は、迅速かつ確実な工具交換のための機構を備えた全自動ユニットである。
図面にこの発明の一実施例を示し、以下に詳細に説明する。ここに示すのは、
図1,穿孔または切削ヘッドの断面図、
図2,急速交換機構用の握りのロック装置を有する穿孔または切削ヘッドのハウジングの断面図、
である。
穿孔または切削ヘッド1は、フランジ部分3を備えたハウジング2を有し、このフランジ部分を介してモータ3aを接続することができる。モータ3aの駆動シャフト4には、弾性的な連結板6を有するキャップ5が固定されている。この連結板6は、穿孔または切削ヘッド1の駆動シャフト7に固定された皿状のキャップ8に対置する。このキャップ8は、モータ駆動シャフト4のキャップ5および二つの連結ピン9と10と共に、モータ3aの駆動シャフト4と穿孔または切削ヘッド1の駆動シャフト7の間のカップリングを形成する。連結ピン9と10は、穿孔または切削ヘッド1の駆動シャフト7のキャップ8に固定され、連結板6の凹部11と12に係合する。
更に、穿孔または切削ヘッド1は、ハウジング2の内部に配置された機能部分14とハウジング2から突き出た握り部分15を有するレバー13を有する。機能部分14は、リング状であり、かつ穿孔または切削ヘッド1のシャフト7に対して同軸である。更に、機能部分14は、どの位置でも、握り部分15が取り付けられている領域を除いて、全周囲にそって穿孔または切削ヘッド1のハウジング2に対して当接するような直径を有し、外側が凸状に湾曲させられている。機能部分14のモータ3aに向けられた側にはカム16が配置されている。機能部分14の対置する側には、二つの別のカム17が配置されているが、その一方のみ図示してある。これ等の二つのカム17は断面に対して90゜だけシャフト7の周りに回転した面内に位置する。モータ側では、機能部分14は、固定されたリング18に対して当接し、工具側では、軸方向に移動可能な円筒状の部分19に対して当接する。この部分19は、工具側がバネ20によりハウジング2の突起21に対抗するように支持されている。モータ3aに向けられた端部に、部分19は、この部分19の壁と直角をなすリング状の肩部22を有する。
周面に形成された突出部24を有するカラー23はシャフト7に固定連結している。この突出部24は、肩部22に平行であって、部分19が穿孔または切削ヘッドの工具側の端部に向けて移動すると、肩部22及び突出部24の向かい合っている平坦な両方の面が接触するように寸法設定されている。カラー23は、工具側がバネ25によりコレットブッシュ26に対抗するように支持されている。コレットブッシュ26は、シャフト7の一部と、小さな端部領域を除いて、シャフト7が移行するコレットチャック27全体を取り囲んでいる。シャフト7を垂直に貫通するピン28は、シャフト7の両側で、それぞれシャフト7に平行に延在するコレットブッシュ26の長穴29もしくは30内へと突出する。
コレットブッシュ26は、二つの回転軸受31と32により支承され、クランプリング33で軸方向の移動を防止されている。コレットブッシュ26は、その終端部で軸方向にモータ3aの方向に向けて円錐状に先細る内面34を有する。コレットチャック27が閉じている場合は、この内面34に対してコレットチャック27の掴みアーム35が当接する。
図2に示すように、この発明のこの実施例では、レバー13のロック装置が、レバーの操作位置に、即ちコレットチャック27の開放状態に設けられている。このため、本質的に直角に成形されたレバー13のための開口36がハウジング2に設けてあり、一方の脚部37は、軸方向に位置合わせされている。外側端部に脚部37の方向に位置する湾曲部39を有する第二の脚部38により、レバー13のための係止部が与えられる。
この発明による穿孔または切削ヘッド1の中に工具(図示せず)が緊張されている場合、レバー13は図1に示すレバーの静止位置にある。レバー13の機能部分14が極僅かな軸方向の伸長作用しか有さないこの位置で、レバーは、円筒状の部分19によって伝達されるバネ20の力により保持される。レバー13が水平な位置に移動すると、機能部分14の軸方向の伸長作用は大きくなり、これにより移動可能な部分19は、穿孔または切削ヘッドの工具側の端部に向けて移動する。この場合、肩部22と突出部24の向かい合っている両方の平坦な面が接触するので、カラー23も移動する。このカラーはシャフト7に固定連結されているので、シャフト7とこのシャフト7に直接接続しているコレットチャック27も、穿孔または切削ヘッド1の工具側の端部に向けて動く。これにより、軸方向に固定されているコレットブッシュ26に対するコレットチャック27の移動が生じるため、円錐内面34、コレットブッシュ26、及びコレットチャック27の掴みアーム35の一体的に力が伝達される係合が取り除かれ、これにより掴みアーム35により保持されている工具が自由になる。
ピン28と長穴29及び30は連行装置であって、この連行装置により、コレットブッシュ26は常にシャフト7と一緒に回転し、これらの両方の部分の間の摩擦は何ら生じない。長穴29と30により、シャフト7がコレットブッシュ26に相対して軸方向に移動できることが保証されている。
レバー13を操作位置に移動させると、駆動シャフトのカップリングの連結ピン9と10も、穿孔または切削ヘッド1の工具側の端部の方向に移動する。しかし、その際これ等のピンは、完全に凹部11と12の外には達しないので、外れることはない。
ロックするために、レバー13は操作位置で穿孔または切削ヘッド1の軸方向の周りに僅かに回転させられるので、レバーは湾曲部39により受け止められ保持される。
レバー13の操作前にモータ3aをうっかり止めなかった場合は、その場合でも穿孔または切削ヘッド1の破損は何ら生じることはなく、人に対する障害の恐れも何ら生じることはない。何故なら、円筒状の部分19とカラー23の接触面は、その際に摩擦熱を生じさせるために形成されており、コレットチャック27は、シャフト7から外れないからである。

Claims (11)

  1. コレットチャック(27)が、このコレットチャック(27)を取り囲むコレットブッシュ(26)に相対して軸方向に移動させることによって開かれるように構成された、急速交換機構で操作可能なコレットチャック(27)と、このコレットチャックに固定連結されかつモータ(3a)に接続する駆動シャフト(7)とを備えた、特にプリント基板の切削加工機械と彫刻機械用の穿孔または切削ヘッド(1)において、コレットチャック(27)を軸方向に移動させるために必要な力が、摩擦クラッチ(19,23)を介して伝達されること、摩擦クラッ チ(19,23)が、軸方向に、またシャフト(7)に対し て相対的に移動可能な部分(19)と、シャフト(7)に 固定連結し、軸方向に移動可能な部分(23)とから成 り、これらの両方の部分が、接触する互いに同形の面を 有し、工具側がそれぞれ一つのバネ(20,25)の力に対 抗するように支持されていること、そしてシャフト (7)に対して相対的に移動可能な部分(19)が、円筒 状で、シャフト(7)に対して同軸に配置され、モータ 側の端部にリング状の肩部(22)を有し、そしてシャフ ト(7)に固定連結する部分が、周面に形成された突出 部(24)を持つカラー(23)で形成され、同形の面が、 平坦で、シャフト(7)に対して垂直に形成されていることを特徴とする穿孔または切削ヘッド(1)。
  2. 急速交換機構には操作用の握りがあることを特徴とする請求項1に記載の穿孔または切削ヘッド(1)。
  3. 握りが、コレットチャック(27)が開いて いる位置で、係止部にロック可能であることを特徴とする請求項2に記載の穿孔または切削ヘッド(1)。
  4. 握りが、レバー(13)であることを特徴とする請求項2または3に記載の穿孔または切削ヘッド(1)。
  5. レバーが、握り部分(15)と、穿孔または 切削ヘッド(1)のハウジング(2)の内部に配置され た機能部分(14)とを有し、前記機能部分(14)が、コ レットチャック(27)が開いていない静止位置では水平 面に対して鋭角を、またコレットチャック(27)が開い ている操作位置ではシャフト(7)と直角を成し、更 に、モータ側では穿孔または切削ヘッド(1)の不動面 に対して、また工具側ではシャフト(7)に対して相対 的に移動可能な部分(19)に対して当接し、レバー(1 3)の機能部分(14)が、静止位置におけるよりも操作 位置において軸方向に大きな最大のコレットチャック (27)を移動させるための伸長作用を有することを特徴とする請求項4に記載の穿孔または切削ヘッド(1)。
  6. レバー(13)の機能部分が、リング状で、 シャフト(7)に対して同軸であることを特徴とする 求項5に記載の穿孔または切削ヘッド(1)。
  7. 機能部分(14)が、どの位置でも、握り部 分(15)が取り付けられている領域を除いて、全周囲に 沿って穿孔または切削ヘッド(1)のハウジング(2) に対して当接するような直径を有し、外側が凸状に湾曲 させられていることを特徴とする請求項6に記載の穿孔または切削ヘッド(1)。
  8. レバー(13)の機能部分(14)に対して、 工具側には、レバー(13)が操作位置にある間にシャフ ト(7)が位置するレバー(13)の長手軸に垂直な面内 で、シャフト(7)の両側に、それぞれ一つのカム(1 7)が配置されており、またモータ側には、別の一つの カム(16)が、レバー(13)の握り部分(15)に対置す るように配置されていることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の穿孔または切削ヘッド(1)。
  9. 急速交換機構が、空気圧で操作可能であることを特徴とする請求項1に記載の穿孔または切削ヘッド(1)。
  10. 穿孔または切削ヘッド(1)のシャフト (7)が、穿孔または切削ヘッド(1)が迅速かつ確実 な工具交換のための機構を備えた自動ユニットを形成す るように、好ましくは弾性的な連結板(6)を介してモ ータ(3a)の駆動シャフト(4)に連結していることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の穿孔または切削ヘッド(1)。
  11. 穿孔または切削ヘッド(1)が、連結板 (6)を介して、必要に応じて、種々のモータ(3a)に 連結できることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の穿孔または切削ヘッド(1)。
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