JP3597166B2 - ペリクル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、集積回路の製造工程におけるフォトリソグラフィ工程で使用されるマスク或いはレチクル(以下、単にマスク等という)に塵埃等が付着するのを防止する目的で用いられるペリクルに関し、より詳細には、ペリクルをマスクに装着するための粘着性樹脂層が硬質樹脂層と軟質樹脂層とから形成されているペリクルに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のようなペリクルでは、一般に、アルミニウム製等のペリクル枠の一端に、ニトロセルロース等から成る透明のペリクル膜が接着剤層を介して張架されており、取り扱い時においてペリクルがマスク等から外れないように、粘着剤(マスク粘着剤)層により、ペリクル枠の他端をマスク等のパターン形成面側に接着するようになっている。
【0003】
従って、マスク粘着剤の粘着強度をあまり強くすると、ペリクルをマスク等から剥がす際に、無理な力が加わって、マスクを損傷したり、或いは剥離後にマスク粘着剤がマスク上に残留してしまう。その結果、半導体装置の欠陥を引き起こしたり、製造歩留まりを低下させる原因になるという問題を有していた。
【0004】
このような観点から、マスク粘着剤のマスクに対する粘着力を、ペリクル枠に対する粘着力よりも弱くしたペリクル(特開昭60−75835号公報)、或いは硬度が200gf以下のマスク粘着剤を用いたペリクル(特開平10−282640号公報)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マスクとペリクル枠との間に形成されるマスク粘着剤層が、上記従来技術(特開昭60−75835号公報)のような粘着力を有していても、マスクには何らかの歪みが生じてしまい、マスクの平面性が損なわれやすいという問題があった。すなわちマスクの平面性が損なわれた場合には、マスクに形成されたパターンが歪んでしまい、ウェファー上に正確なパターンを転写することができなくなる。
また、フォトリソグラフィ工程においては、マスク及びペリクル膜の平面が水平方向に維持されて露光が行われる場合のみならず、マスク及びペリクル膜の平面が鉛直方向に維持されて露光が行われる場合もある。マスク面が鉛直方向に維持されていると、上記の特開平10−282640号公報に記載のマスク粘着剤では、自重によってマスク粘着剤層自体が下方に垂れ下がるように変形したりして、マスクの平面性が損なわれる恐れがあった。
【0006】
従って、本発明の目的は、マスクに損傷を与えることなく、マスクへの装着及びマスクからの脱着を行うことができ、しかも水平方向及び鉛直方向の何れの方向にマスク面が維持された場合にもマスクの平面性(フラットネス)を損なうことがないペリクルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ペリクル膜、ペリクル膜を支持するペリクル枠、及びペリクル枠のペリクル膜支持面とは反対側の面に設けられる粘着性樹脂層から成るペリクルにおいて、前記粘着性樹脂層が、硬質樹脂層と軟質樹脂層との組合せから成ることを特徴とするペリクルが提供される。
【0008】
本発明のペリクルにおいては、
1.前記硬質樹脂は、170gf以上の硬度(JIS A)を有し、前記軟質樹脂は、100gf以下の硬度(JIS A)を有していること、
2.前記軟質樹脂層は、前記硬質樹脂層よりも厚く形成されていること、
が好ましい。
また、前記粘着性樹脂層は、前記軟質樹脂層はペリクル枠側に位置し、前記硬質樹脂層は、該軟質樹脂層上に位置するような層構成を有することができ、このような層構成では、このペリクルは、該硬質樹脂層を介してマスクに装着される。かかる粘着性樹脂層において、前記硬質樹脂層の厚みは、粘着性樹脂層厚みの5〜30%であり、前記軟質樹脂層の厚みが、粘着性樹脂層の厚みの95〜70%であることが好ましい。また、軟質樹脂層を2つの硬質樹脂層でサンドイッチするように配置することもでき、この場合には、ペリクル枠及びマスクの何れにも、硬質樹脂層が接することになる。
更に前記粘着性樹脂層は、前記軟質樹脂層と硬質樹脂層との両方が、ペリクル枠に接触するような層構成を有することができ、このような層構成では、前記軟質樹脂層と硬質樹脂層との両方が装着されるマスクに接触する。かかる粘着性樹脂層においては、前記軟質樹脂層の下側に前記硬質樹脂層が配置されていることが好ましく、また、軟質樹脂層が、2つの硬質樹脂層の間に位置するような層構成とすることもできる。更に、硬質樹脂層と装着されるマスクとの接触幅は、粘着性樹脂層と装着されるマスクとの接触幅の10〜30%であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施形態】
本発明者等は、ペリクルを装着したマスクにおいて、ペリクル枠をマスクに固定するための粘着性樹脂層がどのような硬さを有するかが、マスクの平面性(フラットネス)を保持する上で重要であることを見出した。この粘着性樹脂層(以下、マスク粘着層と呼ぶことがある)は、マスクとの界面においては適当な粘着力を示すことが好ましい。
【0010】
例えば、マスク及びペリクル枠間のマスク粘着層が硬質樹脂から形成されている場合には、マスクと当該マスク粘着層とは固着され、このペリクル枠とマスク粘着層(硬質樹脂)との界面が平面であればマスクのフラットネスを維持することができる。しかしながら、当該界面の面積が広い場合は全体を完全に平面に維持することは難しく、このためマスクはマスク粘着層(硬質樹脂)に追従して歪んでしまい、マスクのフラットネスが損なわれてしまう。またマスク粘着層が硬質であると、マスクに装着させた場合に、マスク粘着層とマスク或いはペリクル枠との間に間隙を生じやすく、埃塵等の侵入という問題を生じるおそれがある。
【0011】
これに対して、マスク粘着層が軟質樹脂から形成されている場合には、マスク及びペリクル枠の荷重を吸収し、マスク及びペリクル枠からの剥離可能な粘着力を与えるが、このようなマスク粘着層(軟質樹脂)は、該層自体が変形しやすい。特にペリクルが鉛直方向に保持された場合には、自重によってマスク粘着層自体が下方に垂れ下がるように変形したり、界面剥離が生じた場合にはマスク粘着層が下方にずれてしまう傾向がある。しかも、このようなマスク粘着層の下方への変形やズレが生じると、マスクに不必要な応力が作用することになり、マスクに歪みが生じて、マスクのフラットネスを損なうことになる。
【0012】
従って、本発明では、このような観点から、マスク粘着層を、硬質樹脂層と軟質樹脂層とから形成することによって、このようなペリクルが装着されたマスクが、水平状態或いは鉛直状態の何れの状態におかれた場合でも、ペリクル枠とマスクとの間に介在するマスク粘着層(粘着性樹脂層)がマスクに影響を与えることがないようにしたものである。
【0013】
すなわち、本発明では、硬質樹脂層へのマスクの追随が軟質樹脂層で緩和され、その一方、軟質樹脂層の自重による変形、特にペリクルが鉛直方向に維持された場合のずれが、硬質樹脂層によって抑止され、マスク粘着層によるマスクへの影響を最低限にして、マスクのフラットネスを損なわないようにしているのである。
マスクのフラットネスは、マスク平面をX軸及びY軸で形成されるXY面とし、これに垂直なZ軸の変位(μm)によって表され、マスクが完全にフラットである場合には、この値は0となる。一般に、マスクの実用上問題のないフラットネスの範囲としては、5inch四方のペリクルで囲まれた領域で平均2μm程度であり、6inch四方のペリクルで囲まれた領域で平均5μm程度であり、本発明のペリクルを用いた場合には、この値を満足し得るフラットネスが得られる。
【0014】
本発明においては、硬質樹脂は、硬度170gf以上、特に200乃至240gfの範囲にあることが好ましく、また軟質樹脂は、硬度100gf以下、特に40乃至80gfの範囲にあることが好ましい。この様な硬度はゴム硬度計GS―70(JIS A TYPE)にて測定することができる。硬質樹脂及び軟質樹脂の硬度が、それぞれ上記範囲にあることにより、硬質樹脂層が軟質樹脂層の変形を有効に抑止し、また軟質樹脂層が好適な粘着強度を有し且つ硬質樹脂層によるマスク又はペリクル枠への影響を有効に緩和することが可能となる。
【0015】
本発明のペリクルにおいて、粘着性樹脂層(マスク粘着層)の層構成としては、図1〜4に示す態様を例示することができる。尚、図1〜4において、1は粘着性樹脂層(マスク粘着層)、2はマスク、3は硬質樹脂層、4はペリクル枠、5は軟質樹脂層を示している。
【0016】
図1の層構成では、マスク粘着層1の硬質樹脂層3がマスク2側に配置され、マスク粘着層1の軟質樹脂層5がペリクル枠4側に配置されている。また、図1から明らかな通り、硬質樹脂層3の厚みは薄く、軟質樹脂層5は厚く形成されている。
【0017】
また、図2の層構成では、マスク粘着層1は、1つの軟質樹脂層5と2つの硬質樹脂層3a,3bとから構成されており、軟質樹脂層5は、2つの硬質樹脂層3a,3bの間に挟まれている。また、2つの硬質樹脂層3a,3bの一方(3a)がペリクル枠4に接しており、他方(3b)がマスク2に接している。更に、図1と同様、硬質樹脂層3a,3bの厚みは薄く、軟質樹脂層5は厚く形成されている。
上記の図1及び図2の層構成では、マスク2の面は、水平方向に保持されているのが好ましい。
【0018】
図3及び図4に示す層構成は、マスク2の平面(ペリクル膜の平面)が鉛直方向に維持されたときに好適である。これらの例においては、硬質樹脂層3(3a,3b)と軟質樹脂層5の両方がペリクル枠4及びマスク2に接している。また、図3の例では、マスク粘着層1は、1つの硬質樹脂層3と1つの軟質樹脂層5とから形成されているが、図4の例では、2つの硬質樹脂層3a,3bの間に軟質樹脂層5が挟まれている。これらの例においても、硬質樹脂層3(3a,3b)の厚みは薄く、軟質樹脂層5は厚く形成されている。
また、図3及び4の態様では、硬質樹脂の薄い層3が少なくとも軟質樹脂の厚い層5の下側に位置するように設けられていることが好ましい。即ち、ペリクルが鉛直方向に維持された場合には、軟質樹脂層5の少なくとも下側に硬質樹脂層3を位置せしめることによって、軟質樹脂層5の自重による変形や下方へのずれを硬質樹脂層が抑止し得るのである。
【0019】
また本発明においては、ペリクル枠の位置によって、粘着性樹脂層(マスク粘着層)の層構成を変えることも勿論できる。例えば、マスク及びペリクルを鉛直状態で露光を行うような場合には、ペリクル枠のうち水平方向に延びている部分の端面に形成されるマスク粘着層は図3又は図4に示すような層構成とし、ペリクル枠のうち鉛直方向に延びている部分の端面に形成されるマスク粘着層は、図1又は図2に示すような層構成としてもよい。
【0020】
本発明のペリクルにおいては、例えば図1および図2に示す態様では、マスク粘着層1自体の厚みが200ミクロン(μm)ないし2000ミクロン(μm)程度が通常であり、そのうち硬質樹脂層3の厚みを5〜30%、特に5〜25%、軟質樹脂層5の厚みを95〜70%、特に95〜75%の範囲とすることが好ましい。
【0021】
図3および図4に示す態様では、マスク粘着層1を設ける幅(接着幅に相当)が1200μmないし5000μmとすることが通常である。また、硬質樹脂層3の幅(接着幅)と軟質樹脂層5の幅(接着幅)の割合を種々変えることができるが、硬質樹脂層3の幅を全体(マスク粘着層1)の10〜30%とし、軟質樹脂層5の幅を全体の90〜70%とすることが好ましい。
【0022】
また、ペリクルが装着された状態でマスク平面が鉛直方向に維持されるときには、図3の態様が好ましい。このとき、硬質樹脂から成る薄い層3は、ペリクルを支えるように下方に設けるとより効果的である。しかしながら、上辺、下辺ともに、硬質樹脂層が軟質樹脂層の下方になるようにマスク粘着層を設けることは、ペリクル製造上容易ではないので、硬質樹脂からなる薄い層が、ペリクルとマスクから形成される空間の側になるように、且つ軟質樹脂から成る厚い層の外側になるように設けても良い。このとき、硬質樹脂からなる層の厚みは、マスク粘着層の全厚みの10〜30%であり、軟質樹脂からなる層のマスク粘着層の全厚みの90〜70%であることが好ましい。
【0023】
上記した好ましい範囲より硬質樹脂層の厚みあるいは幅の割合が大きくなると硬質樹脂層によって生じるマスクあるいはペリクル枠の歪みを軟質樹脂層で緩和できる程度が少なくなる傾向があり、結果的に粘着強度のばらつきができる傾向がある。
また、逆に上記した好ましい範囲より硬質樹脂層の厚みあるいは幅の割合が小さくなると、マスクやペリクルの自重による軟質樹脂層の変形を、硬質の樹脂層で抑止することが不充分になる傾向がある。
【0024】
(硬質樹脂)
本発明において、硬質樹脂としては、勿論これに限定されないが、アクリル系、ゴム系、ポリブテン系、ポリウレタン系等の粘着剤を単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
また、用いる硬質樹脂の接着力は、JIS Z−0237粘着力試験方法により、50乃至700g/cm、中でも220乃至700g/cmが好ましい。
【0025】
(軟質樹脂)
本発明において、軟質樹脂としては、勿論これに限定されないが、アクリル系、ゴム系、ポリブテン系、ポリウレタン系等の粘着剤を単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。用いる軟質樹脂の接着力は、JIS Z−0237粘着力試験方法により、100乃至1200g/cm、中でも350〜600g/cmであることが好ましい。
尚、上述したマスク粘着層形成用の硬質樹脂或いは軟質樹脂として用いる粘着剤の硬度や接着力は、樹脂の分子量や官能基量、組成等を調整することにより、所望の値に調整される。
【0026】
(マスク粘着層の形成)
本発明においては、ペリクル枠に直接、軟質樹脂及び硬質樹脂の各々をマスク粘着剤としてを塗布してマスク粘着層を形成することができる。例えば図1及び2に示すようなペリクル枠の端面に対して平行に積層されるマスク粘着層は、各樹脂を順次塗布すればよく、また図3及び4に示すようにペリクル枠の端面に対して垂直に積層されるマスク粘着層の場合は、同時或いは別々に塗布してもよい。樹脂を塗布するには、それ自体公知の任意の塗布手段を用いることができ、スプレー塗布法、刷毛塗り法、ローラーコート法、流延塗布法等を用いることができる。例えば、流延塗布法による場合、枠上にのせた液滴を治具により引き延ばして均一に塗布し、これを乾燥させてマスク粘着層を形成することができる。
【0027】
(ペリクル枠)
ペリクル枠としては、従来公知のものをすべて使用することができ、勿論これに限定されないが、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレススチール等の金属製のものや、合成樹脂製、或いはセラミック製のものを例示することができる。
本発明のペリクルにおいては、前述した樹脂層の粘着力との関係において、ペリクル枠の重さは、100g以下、中でも10乃至30gの範囲にあることが通常である。
また、本発明のペリクルはペリクル枠の一方の側に接着樹脂層を介してペリクル膜が張架され、他方の側に前述した硬質及び軟質の樹脂から成る粘着性樹脂層(マスク粘着層)が設けられ、マスク等の上に装着可能となる。
【0028】
(ペリクル膜)
本発明のペリクルに用いるペリクル膜は、従来公知のもの全て使用することができ、勿論これに限定されないが、ニトロセルロース、プロピオン酸セルロース、フッ素系材料から成るもの等を例示することができる。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を示す。尚、使用した軟質の樹脂及び硬質の樹脂はそれぞれホットメルト樹脂(融点180ないし200℃)であり、ワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びロジンなどの組成を調整して軟質の樹脂及び硬質の樹脂として用いた。
【0030】
〔実施例1〕
図1に示す、軟質の樹脂層5として硬度40〜100gf、厚み75〜95%、硬質の樹脂層3として硬度170〜240gf、厚み5〜25%となるようにアルミ枠にマスク粘着層を形成した。アルミ枠は5inch枠(外寸120×98、枠幅2mm)と6inch枠(外寸149×122、枠幅2mm)を使用した。
前記のようにマスク粘着層を形成した枠を、貼り付け荷重30kgfで、3minの圧着により水平状態でマスクに貼り付けた。
貼り付けた状態で、1ヶ月保管し、マスク粘着層の変形、及びマスク上の平面性(フラットネス)を測定した(表1、2)。
さらに、マスクから枠を剥離し、剥離性、剥離後のマスクの平面性を測定した(表1、2)。
上記の様なマスク粘着層を形成した枠にすることで、貼り付け後のマスクの平面性は保つことができ、且つ、マスク粘着層の変形を起こすことは無かった。更に、硬質の樹脂層を介してマスクに装着されているため、容易に剥離することができ、剥離後の平面性も保つことができた。
【0031】
〔比較例1〕
実施例から外れた条件で、マスク粘着層を形成した枠にて、実施例1と同様の測定を行った。〔表1(1,3,7,11)、表2(1,3,7,11)〕
その結果、表1、表2に示す問題が生じた。
【0032】
〔実施例2〕
図2に示す層構成において、軟質の樹脂層5として硬度40〜100gf、厚み75〜95%、硬質の樹脂層3a,3bとして硬度170〜240gf、厚み5〜25%となるようにアルミ枠にマスク粘着層1を形成した。アルミ枠は5inch枠(外寸120×98、枠幅2mm)と6inch枠(外寸149×122、枠幅2mm)を使用した。
前記のようにマスク粘着層を形成した枠を、貼り付け荷重30kgfで、3minの圧着により水平状態でマスクに貼り付けた。
貼り付けた状態で、1ヶ月保管し、マスク粘着層の変形、及びマスク上の平面性(フラットネス)を測定した(表3、4)。さらに、マスクから枠を剥離し、剥離性、剥離後のマスクの平面性を測定した(表3、4)。
上記の様なマスク粘着層層を形成した枠にすることで、貼り付け後のマスクの平面性は保つことができ、且つ、マスク粘着層の変形を起こすことは無かった。更に、硬質と軟質を組み合わせたマスク粘着層でマスクと固着されているため、容易に剥離することができ、剥離後の平面性も保つことができた。
【0033】
〔比較例2〕
実施例から外れた条件で、マスク粘着層を形成した枠にて、実施例2と同様の測定を行った。(表3(1,3,7,11)、表4(1,3,7,11) その結果、表3、表4に示す問題が生じた。
【0034】
〔実施例3〕
図3に示す層構成で、、軟質樹脂層5として硬度40〜100gf、厚み70〜90%、硬質樹脂層3として硬度170〜240gf、厚み10〜30%とし、アルミ枠にマスク粘着層を形成した。アルミ枠は5inch枠(外寸120×98、枠幅2mm)と6inch枠(外寸149×122、枠幅2mm)を使用した。
前記のようにマスク粘着層を形成した枠を、貼り付け荷重30kgfで、3minの圧着により鉛直状態でマスクに貼り付けた。
貼り付けた状態で、1ヶ月保管し、マスク粘着層の変形、及びマスク上の平面性(フラットネス)を測定した(表5、6)。
さらに、マスクから枠を剥離し、剥離性、剥離後のマスクの平面性を測定した(表5、6)。
上記の様なマスク粘着層を形成した枠にすることで、貼り付け後のマスクの平面性は保つことができ、且つ、マスク粘着層の変形を起こすことは無かった。更に、硬質と軟質を組み合わせたマスク粘着層でマスクに装着されているため、容易に剥離することができ、剥離後の平面性も保つことができた。
【0035】
〔比較例3〕
実施例から外れた条件で、マスク粘着層を形成した枠にて、実施例3と同様の測定を行った。〔表5(1,3,7,11)、表6(1,3,7,11)〕その結果、表5、表6に示す問題が生じた。
【0036】
〔実施例4〕
図4に示す層構成で、軟質樹脂層5として硬度40〜100gf、厚み70〜90%、硬質樹脂層3a,3bとして硬度170〜240gf、厚み10〜30%として、アルミ枠にマスク粘着層を形成した。アルミ枠は5inch枠(外寸120×98、枠幅2mm)と6inch枠(外寸149×122、枠幅2mm)を使用した。
前記のようにマスク粘着層を形成した枠を、貼り付け荷重30kgfで、3minの圧着により鉛直状態でマスクに貼り付けた。
貼り付けた状態で、1ヶ月保管し、マスク粘着層の変形、及びマスク上の平面性(フラットネス)を測定した(表7、8)。 さらに、マスクから枠を剥離し、剥離性、剥離後のマスクの平面性を測定した(表7、8)。
上記の様なマスク粘着層を形成した枠にすることで、貼り付け後のマスクの平面性は保つことができ、且つ、マスク粘着層の変形を起こすことは無かった。更に、硬質と軟質を組み合わせたマスク粘着層でマスクに装着されているため、容易に剥離することができ、剥離後の平面性も保つことができた。
【0037】
〔比較例4〕
実施例から外れた条件で、樹脂層を形成した枠にて、実施例4と同様の測定を行った。〔表7(1,3,7,11)、表8(1,3,7,11)〕 その結果、表7、表8に示す問題が生じた。
【0038】
【表1】
Figure 0003597166
【0039】
【表2】
Figure 0003597166
【0040】
【表3】
Figure 0003597166
【0041】
【表4】
Figure 0003597166
【0042】
【表5】
Figure 0003597166
【0043】
【表6】
Figure 0003597166
【0044】
【表7】
Figure 0003597166
【0045】
【表8】
Figure 0003597166
【0046】
【発明の効果】
本発明のペリクルにおいては、ペリクルをマスクに装着させるためのマスク粘着層が、硬質樹脂層と軟質樹脂層の組合せで形成され、特に硬質樹脂が、硬度170gf以上を有し、軟質の樹脂が硬度100gf以下を有するものであることにより、ペリクルをマスクに装着或いは剥離する際に、マスクの損傷や残留がなく、しかもマスク及びペリクル膜の平面が水平方向のみならず、鉛直方向に維持された場合にもマスクの平面性(フラットネス)を維持することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のペリクルのマスク粘着層の層構成の一例を示す断面図。
【図2】本発明のペリクルのマスク粘着層の層構成の他の例を示す断面図。
【図3】本発明のペリクルのマスク粘着層の層構成の更に他の例を示す断面図。
【図4】本発明のペリクルのマスク粘着層の層構成の更に他の例を示す断面図。
【符号の説明】
1:マスク粘着層
2:マスク
3:硬質樹脂層
4:ペリクル枠
5:軟質樹脂層

Claims (5)

  1. ペリクル膜、ペリクル膜を支持するペリクル枠、及びペリクル枠のペリクル膜支持面とは反対側の面に設けられる粘着性樹脂層から成るペリクルにおいて、前記粘着性樹脂層が、硬質樹脂層と軟質樹脂層との組合せから成り、前記軟質樹脂層はペリクル枠側に位置し、前記硬質樹脂層は、該軟質樹脂層上に位置しており、該硬質樹脂層がマスクに接触することにより装着され、前記硬質樹脂は、170gf以上の硬度(JIS A)であり、前記軟質樹脂は、100gf以下の硬度(JIS A)を有し、かつペリクル枠上における粘着剤層の厚みは、前記軟質樹脂層は前記硬質樹脂層よりも厚く形成されていることを特徴とするペリクル。
  2. 前記硬質樹脂層の厚みは、粘着性樹脂層厚みの5〜30%であり、前記軟質樹脂層の厚みが、粘着性樹脂層の厚みの95〜70%である請求項1に記載のペリクル。
  3. ペリクル膜、ペリクル膜を支持するペリクル枠、及びペリクル枠のペリクル膜支持面とは反対側の面に設けられる粘着性樹脂層から成るペリクルにおいて、前記粘着性樹脂層が、硬質樹脂層と軟質樹脂層との組合せから成り、前記軟質樹脂層と硬質樹脂層との両方が、ペリクル枠に接触し且つ装着されるマスクに接触し、ペリクル膜の平面が鉛直方向に維持されたときに、ペリクル枠の上辺、下辺ともに、硬質樹脂の層が少なくとも軟質樹脂の層の下側に位置するように設けられていることを特徴とするペリクル。
  4. 前記ペリクル枠の上辺、下辺の軟質樹脂層は、2つの前記硬質樹脂層の間に挟まれて配置されていることを特徴とする請求項3に記載のペリクル。
  5. 前記硬質樹脂層と装着されるマスクとの接触幅は、前記粘着性樹脂層と装着されるマスクとの接触幅の10〜30%である請求項3に記載のペリクル。
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